JPS6221504Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主としてアルミニウムや強化プラス
チツク等の軽量材料からなる二輪車用サイドスタ
ンドの取付構造に関するものである。

従来の一般的なサイドスタンドは、第１図に示
すように、軸の先端部分を小径のねじ部９ａに形
成した段付ボルト９により、サイドスタンド本体
１基端のＵ字状挾持部３の一方およびこの挾持部
３を嵌合したブラケツト４を貫通して、他方の挾
持部３のねじ孔１０に螺着し、更に挾持部３の外
面より突出するボルト９のねじ部９ａにロツクナ
ツト１１を螺合して締め付けた構造になつてい
た。なお、この考案の先行技術の１例として、上
記取付構造をもつサイドスタンドの特開昭54−
35940号がある。

ところで、最近、二輪車の重量の軽減化やコス
トダウンを図るための一策として、従来の鉄製サ
イドスタンドに代えてサイドスタンド本体１をア
ルミニウムや強化プラスチツク等により形成する
ことが提案されているが、上記した従来の取付構
造では、一方の挾持部３に対する段付ボルト９の
締め付けやボルト９に対するロツクナツト１０の
締め付けが強くなり過ぎると挾持部３を破損して
しまうおそれがあり、また、本体１の挾持部３の
単位当り強度が低下するのに伴い、段付ボルト９
の軸径を従来のものよりも大きく形成して段付ボ
ルト９の周囲の挾持部３の強度向上を図る等の必
要があつた。

この考案は上述の点に鑑みなされたもので、ア
ルミニウムや強化プラスチツク等の軽量材料によ
り形成されたサイドスタンドに最適で、ブラケツ
トに対する回転摺動部の摩耗が少なく、耐久性に
富み、長期に亘り安定した使用ができるサイドス
タンドの取付構造を提供することを目的としてい
る。

以下、この考案の実施例を第２図〜第５図に基
いて説明する。

第２図および第３図において、１は先端を接地
座２に、基端をＵ字状挾持部３に形成したサイド
スタンド本体で、各挾持部３にはそれぞれ挿通孔
３ａを穿設してあり、またこの本体１はアルミニ
ウムや強化プラスチツクにより形成される。な
お、サイドスタンド本体１とＵ字状挾持部３は押
し出し加工またはアルミニウムの場合は鍜造、ダ
イカストにて製造でき、また第３図では本体１と
Ｕ字状挾持部３を別体にして溶着した状態を示し
ているが、アルミニウム鍜造等において一体的に
製造できる。

４は二輪車のフレームＡ下部に取り付けられる
サイドスタンドブラケツトで、このブラケツト４
には本体１の挾持部３を嵌装した状態で、前記挿
通孔３ａと同径で一連に連続する挿通孔４ａを穿
設してある。

５は前記挿通孔３ａ，４ａに挿入される円筒状
のカラーで、このカラー５の一端にフランジ５ａ
を突設し、内周に雌ねじ５ｂを形成してある。ま
た、このカラー５は挿通孔３ａ，４ａに嵌挿され
た状態で、第５図に示すようにフランジ５ａの下
縁直線部が一方の挾持部３の外面に形成した凹所
３ｂの下端直線部に係合し、カラー５の回転は阻
止される。

６は前記カラー５の雌ねじ５ｂに螺合する雄ね
じ６ａを有するボルトで、第４図に示すように前
記他方の挾持部３の外面に形成した凹所３ｃにそ
の中間直線部と係合する直線部を有するワツシヤ
ー７を遊嵌し、このワツシヤー７を介してボルト
６の雄ねじ６ａをカラー５内に挿入して雌ねじ５
ｂに螺着する。

このようにして、サイドスタンド本体１はブラ
ケツト４に対しカラー５枢軸として揺動自在に取
り付けられる。なお、カラー５のフランジ部５ａ
を除く長さは、両側の挾持部３，３の外端間長さ
よりわずかに長く（例えば0.5mm位）設定し、ボ
ルト６により強く締め付けた状態でも両側の挾持
部３が内方に変形してブラケツト４に圧接しない
ようにしている。また、第２図中の８は、本体１
を定位置に附勢するためのスプリングで、このス
プリング８はブラケツト４と本体１中間部間に張
設される。

以上説明したように、この考案のサイドスタン
ドの取付構造は、フレームに取り付けたブラケツ
トに対しサイドスタンド本体の基端Ｕ字状挾持部
を嵌装した状態で一連に連続する同径の挿通孔を
ブラケツトおよび挾持部に穿設し、該挿通孔に、
一方の挾持部に非回転的に係合するフランジを一
端に有し、かつ雌ねじを内周に形成したカラーを
嵌挿し、該カラーの他端よりワツシヤーを介しボ
ルトの雄ねじ部をカラー内に挿入して前記雌ねじ
に螺着したから、カラーの雌ねじに螺合するボル
トを強く締めてもボルト頭部がワツシヤーを介し
てカラー一端に当接されているので、両側の挾持
部が内方へ変形して中間のブラケツトに圧接され
ることが防止され、ブラケツトに対するサイドス
タンド本体の揺動がスムーズで揺動時の摩耗が少
なく、また、カラー内にボルトの雄ねじ部を挿入
して螺着する構造なので、枢軸としてのカラーの
径の拡大が従来の段付ボルトに比べて容易で、材
質（サイドスタンド本体）の強度に対応させて簡
単に寸法を変更でき、特にアルミニウムや強化プ
ラスチツク等の軽量材料により形成したサイドス
タンドの取付構造として最適であり、しかも、ア
ルミニウムや強化プラスチツク等の材料を使用す
ることにより構造上主要部材を一体成型できるの
で、量産性に優れたコストダウンが図れる等の効
果を具備する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一般的な取付構造を示す側方断
面図、第２図はサイドスタンドの全体正面図、第
３図はこの考案の実施例を示す側方断面図、第４
図は同左側面図、第５図は同右側面図である。 １……サイドスタンド本体、２……接地座、３
……Ｕ字状挾持部、３ａ……挿通孔、３ｂ，３ｃ
……凹所、４……ブラケツト、４ａ……挿通孔、
５……カラー、５ａ……フランジ、５ｂ……雌ね
じ、６……ボルト、６ａ……雄ねじ部、７……ワ
ツシヤー、８……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームに取り付けたブラケツトに対して本体
   基端のＵ字状挾持部が嵌装され、止具により揺動
   自在に枢着されたサイドスタンドにおいて、前記
   ブラケツトおよび挾持部に一連に連続する同径の
   挿通孔を穿設し、一方の挾持部に非回転的に係合
   するフランジを一端に有し、かつ雌ねじを内周に
   形成したカラーを前記挿通孔に嵌挿し、該カラー
   の他端よりワツシヤーを介しボルトの雄ねじ部を
   カラー内に挿入して前記雌ねじに螺着したことを
   特徴とする二輪車用サイドスタンドの取付構造。