JPH0686550B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物

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JPH0686550B2
JPH0686550B2 JP5705886A JP5705886A JPH0686550B2 JP H0686550 B2 JPH0686550 B2 JP H0686550B2 JP 5705886 A JP5705886 A JP 5705886A JP 5705886 A JP5705886 A JP 5705886A JP H0686550 B2 JPH0686550 B2 JP H0686550B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加硫物の反撥弾性、引張り強度、耐摩耗性に
優れたゴム組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
自動車に対する低燃費化の要求に伴なつて、タイヤ用ゴ
ム材料、特にタイヤレツド、タイヤアンダートレツドゴ
ム材料として反撥弾性の優れた共役ジエン系重合体が求
められるようになつた。従来、これら共役ジエン系重合
体は特公昭44-4996号公報、米国特許第3956232号明細
書、特開昭57-205414号公報などに記載されるように、
炭化水素溶媒中で有機リチウム開始剤を用いて共役ジエ
ン化合物を重合又は共役ジエン化合物とビニル芳香族炭
化水素化合物を共重合した後、ハロゲン化スズ化合物と
反応させることにより、得られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、ハロゲン化スズ化合物を用いて、共役ジ
エン系重合体リチウムとカツプリング反応を行なう際ハ
ロゲン原子に対して過剰量のリチウム原子当量の条件で
も、ハロゲン化スズ化合物中のハロゲン原子の全ては消
費されない。そのため2官能以上のハロゲン化スズ化合
物を用いて共役ジエン系重合体リチウムをカツプリング
して得られる重合体は未反応のハロゲン原子を含んだ形
でカツプリングした重合体となつている。この様な重合
体は加熱、乾燥時に部分的にゲル化反応によりムーニー
粘度の上昇を起こし、又、生ゴムの熱安定性が低下し、
貯蔵時、カツプリングした炭素−スズ結合が容易に切断
され、分子量が大きく、変化し、不安定であつた。この
様な問題があるため、スズ−炭素結合を重合体中に含む
加硫物は、反撥弾性や引張強度、耐摩耗性などの優れた
特性が必ずしも十分に発揮されていなかつた。そこで本
発明は加硫物が反撥弾性、引張強度、耐摩耗性にすぐ
れ、かつ重合体の熱安定性、貯蔵安定性が優れた、ハロ
ゲン化スズ化合物とカツプリングして得られるブタジエ
ン重合体又はスチレン−ブタジエン共重合体をゴム成分
として含有するタイヤ用ゴム組成物を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は炭化水素溶媒中で開始剤として有機リチウム化
合物を用いてブタジエンを重合またはブタジエンとスチ
レンと共重合した後、リチウム1グラム原子当量当り、
ハロゲン原子当量が0.2〜1.0当量のハロゲン化スズ化合
物で反応させ、さらに、N,N-ジアルキルアミノ芳香族ア
ルデヒド化合物及び/又はN,N-ジアルキルアミノ芳香族
アセトフエノン化合物(以下N,N-二置換アミノ芳香族化
合物という)をリチウム1グラム原子当量当り、0.1〜
1.0モル反応させて得られた、 (i)結合スチレンが40重量%以下、 (ii)結合スチレン中、スチレン連鎖長が11個以上のブ
ロツクポリスチレンが10重量%以下であり、スチレン連
鎖長が5個以下の短鎖ポリスチレンが80重量%以上、 (iii)ガラス転移温度が−110℃以上、好ましくは−11
0℃〜−20℃、 (iv)ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が20〜150 であるブタジエン重合体またはスチレン−ブタジエン共
重合体を原料ゴム中30重量%以上含有し、さらにヨウ素
吸着量が75mg/g以上でかつジブチルフタレート吸油量が
110ml/100g以上のカーボンブラツク充填剤をゴム100重
量部に対して20〜120重量部配合してなるタイヤ用ゴム
組成物を提供することにある。
本発明において、重合は、ブタジエン又はブタジエンと
スチレンを炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を開始
剤として0°〜100℃の範囲の温度で回分式又は連続方
式で重合することによつて行なう。重合触媒の炭化水素
化合物としてはヘキサン、ヘプタン、オクタンメチルシ
クロペンタン、シクロヘキサン、2−メチルブテン−1,
2−メチルブテン−2などの炭化水素化合物が単独又は
混合物で用いられる。その量はモノマー1重量部当り2
〜10重量部の範囲で用いられる。
重合開始剤の有機リチウム化合物はn−ブチルリチウ
ム,see−ブチルリチウム,tert−ブチルリチウム,アミ
ルリチウム,ヘキシルリチウム,1,4−ジリチオブタン,
1,3−ビス(1−リチオ−1,3−ジメチルペンチル)ベン
ゼン,1,1,4,4−テトラフエニル−1,4−ジリチオブタン,
1,3−ビス(1−リチオ−3−メチルペンチル)ベンゼ
ンなどが用いられる。その量はモノマー100g当り0.1〜1
0ミリモルの範囲で用いられる。またブタジエンの1,2構
造をコントロールするために炭化水素溶媒中にジエチル
エーテル,テトラヒドロフラン,エチレングリコールジ
メチルエーテル,エチレングリコールジブチルエーテ
ル,ジエチレングリコールジメチルエーテル,ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル,NNN′N′−テトラメチ
ルエチレンジアミン,1,2−ジピペリジノエタンなどのエ
ーテル又は第3級アミンを存在させることができる。
有機リチウム化合物を開始剤としてブタジエン又はブタ
ジエンとスチレンを重合して得られるブタジエン系重合
体アニオンとハロゲン化スズ化合物との反応はリチウム
1グラム原子当量当りハロゲン化スズ化合物のハロゲン
原子当量当り0.2〜1.0当量で20〜100℃、1分〜1時間
で行なわれる。
ハロゲン化スズ化合物のハロゲン原子当量が0.2当量未
満では加硫物の反撥弾性、引張強度及び加工性が劣る。
ハロゲン化スズ化合物のハロゲン原子当量が1.0当量を
越えると生ゴムの熱安定性が劣る。
ブタジエン系重合体アニオンはブタジエニルアニオンが
好ましくブタジエニルアニオンにすることによりハロゲ
ン化スズ化合物との反応によつて共役ジエン系重合体が
スズ−ブタジエニル結合で結合され加硫物の反撥弾性、
引張強度、耐摩耗性の優れた重合体が得られる。
ブタジエン系重合体末端をブタジエニルアニオンにする
ことは重合後、1,3−ブタジエンを少量添加することに
より容易に生成されることができる。
ハロゲン化スズ化合物としてはテトラクロロスズ,テト
ラブロムスズ,トリクロロブチルスズ,トリクロロメチ
ルスズ,トリクロロオクチルスズ,ジブロムジメチルス
ズ,ジクロロジメチルスズ,ジクロロジブチルスズ,ジ
クロロスズ,1,2−ビス(トリクロロスタニル)エタン,
1,2−ビス(メチルジクロロスタニルエタン,1,4−ビス
(トリクロロスタニル)ブタン,1,4−ビス(メチルジク
ロロスタニル)ブタンなどが用いられる。
ハロゲン化スズ化合物を反応させた後、更に添加される
NN−二置換アミノ芳香族化合物が未反応のポリマー末端
の活性リチウムと反応して、ポリマー末端にN,N−二置
換アミノ芳香族化合物が導入され、その結果熱安定性に
優れ、かつその加硫物の反撥弾性、破壊強度、耐摩耗性
にすぐれた重合体が得られる。なお、得られるスズ−炭
素結合含有ブタジエン系重合体はN,N−二置換アミノ芳
香族化合物変性ブタジエン系重合体も含んでいる。
N,N−二置換アミノ芳香族化合物はリチウム1グラム原
子当量当り0.1〜1.0モルの範囲で添加され、20〜100
℃、5分〜2時間の範囲で反応が行なわれる。N,N−二
置換アミノ芳香族化合物の量がリチウム1グラム原子当
量当り0.1モル未満では生ゴムの熱安定性及び加硫物の
反撥弾性、破壊特性、耐摩耗が劣る。又1.0モルを越え
るとNN−二置換アミノ芳香族化合物の未反応物が重合体
中に多く残り加硫物の反撥弾性を低下させる。
N,N−ジアルキルアミノ芳香族アルデヒド化合物として
は、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド,p−ジエチル
アミノベンズアルデヒド,3,5−ビス(ジヘキシルアミ
ノ)ベンズアルデヒドなどが、N,N−ジアルキルアミノ
芳香族アセトフエノン化合物としてはp−ジメチルアミ
ノアセトフエノン,m−ジメチルアミノアセトフエノンな
どが用いられる。
特にp−ジメチルアミノアセトフエノン,m−ジメチルア
ミノアセトフエノンなどのN,N−ジアルキルアミノアセ
トフエノン化合物、p−ジメチルアミノベンズアルデヒ
ド,p−ジエチルアミノベンズアルデヒド,3,5−ビス(ジ
ヘキシルアミノ)ベンズアルデヒドなどのNN−ジアルキ
ルアミノ芳香族アルデヒド化合物はカーボンブラツクと
混練りする際、カーボンブラツクの分散改良剤として働
らくこと、又老化防止剤としての効果を有しており耐老
化性が改良され、さらにはリチウム末端ポリマーへの反
応性上好ましい。N,N−ジアルキルベンゼンの様な化合
物はアルデヒド、ケトンなどの官能基がないためブタジ
エン系重合体アニオンと反応しないため効果がない。
本発明の共役ジエン系重合体のムーニー粘度ML1+4100
℃)は20〜150であるが、これは20未満では加工性が良
いが、反撥弾性、引張強度、耐摩耗性が低下し、一方、
150を超えると加工性が悪くなるからである。
共役ジエン系重合体のガラス転移温度(Tg)は、走査熱
量計で(DSC)で測定されるもので−20℃以下であるこ
とが必要である。Tgが−20℃を超えると反撥弾性及び引
張強度、耐摩耗性に劣るため好ましくない。Tgが−110
℃以下の重合体は、有機リチウムを開始剤とする重合で
は製造が困難である。
本発明の共役ジエン系重合体のガラス転移温度(Tg)は
共役ジエン重合体のミクロ構造(1,2構造)をコントロ
ールするか又は共重合体中のスチレン量をコントロール
することにより−110℃から−20℃の範囲で任意に変え
ることができる。
本発明のゴム組成物においては、ゴム100重量部に対し
て20〜120重量部のカーボンブラツクを配合する。カー
ボンブラツクが20重量部未満では、補強効果がなく、12
0重量部を超えると混練り時の作業性が悪化し好ましく
ない。又、カーボンブラツクとしては、破壊特性、耐摩
耗性をより高めるため、ヨウ素吸着量が75mg/g以上でか
つジブチルフタレート吸油量が110ml/100g以上である、
カーボンブラツクが好ましいがこのカーボンを使用する
と加硫物の反撥弾性が低くなり発熱性能が悪化する。そ
こで本発明では、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムに
おいてスチレン連鎖長が5個以下のポリスチレンが結合
スチレン全体の80重量%以上となる、ランダムスチレン
−ブタジエン共重合体が加硫ゴムにした場合破壊強度、
耐摩耗性が上昇し反撥弾性も高くなることを見出した。
本発明のブタジエン系重合体は、単独又は天然ゴム、シ
ス−1,4−ポリイソプレン、乳化重合スチレンブタジエ
ン共重合体、溶液重合スチレンブタジエン共重合体、高
シス−1,4−ポリブタジエン、低シス−1,4−ポリブタジ
エン、ハロゲン化ブチルゴムから1種または2種以上と
ブレンドして使用される。本発明のゴム組成物に於いて
本発明の重合体は、少なくとも30重量%含まれることが
必要でそれ以下では目標とする諸物性が得られず好まし
くない。
また本発明の共役ジエン系重合体は必要に応じて高芳香
族プロセス油、ナフテン系プロセス油などで油展して使
用することができる。
本発明の共役ジエン系重合体は通常の加硫ゴム用配合剤
を加え加硫を行ない、トレツド、アンダートレツド、サ
イドウオール、ビード部分などタイヤ用途に用いること
ができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に説明する。本発明のブ
タジエン系共重合体中のスチレン、ブタジエンの含量は
100MHz1H-NMR(日本電子製)から求めた。
ポリブタジエン部分のミクロ構造はD.モレロらの方法
(Chem.e Ind.,Vol 41p758:1959)により求めた。
スチレン−ブタジエン共重合体のスチレン連鎖分布の測
定はオゾン分解−ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフ
法(GPC)により(Polymer,Vol.22,1981田中ら、p1721
〜1723)求めた。
加硫物の引張り特性はJIS K 6301に従つて測定した。反
撥弾性はタイヤトレツドの転がり摩擦抵抗の指標とする
ため70℃でダンロツプトリプソメーターで測定した。生
ゴムの熱安定性は100gの重合体をガラス製テストチユー
ブに入れ90℃空気下で、5日間熱老化し、ムーニー粘度
を測定した。
実施例1〜5および比較例1〜6 窒素置換された内容積5lの反応器に表−1に示す処方に
従つてシクロヘキサン、スチレン、1,3−ブタジエン、
テトラヒドロフランを仕込んだ後、重合反応を行なつ
た。重合転化率が95%85℃に達した時点で1,3−ブタジ
エンを10g添加し、10分間引き続き重合を行なつた。そ
の後、表−1に示す、カツプリング剤及びその量を添加
し、反応を行なつた。重合体は重合体溶液に2gの2,6−
ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した後、スチ
ームストリツピングで脱溶媒し、100℃熱ロールで乾燥
を行なつて得た(ポリマーA〜K)。得られた重合体を
表−2に示す配合処方に従つてブランベンダープラスト
ミル及びロールで混練り配合して145℃で20分間加硫を
行なつた。重合体の特性値を表−3に、加硫物の性質を
表−4に示す。
実施例6〜7および比較例7〜10 実施例1において、シクロヘキサン、1,3−ブタジエ
ン、テトラヒドロフランを仕込み、後添加の1,3−ブタ
ジエンを使用しないで重合を行なつた以外は、実施例1
と同様に行なつた(表1)。得られた重合体L、M、
N、O、P、Qの特性値を表−3に加硫物の性質を表−
4に示す。
比較例11〜15 本発明の共役ジエン系重合体を用いないか(比較例1
1)、30重量%以下の量を用いるか(比較例12、13)カ
ーボンブラツクを20重量部未満の量で用いるか(比較例
14)、カーボンブラツクにHAFを用いる(比較例15)外
は、実施例1と同様に行なつた。加硫物の性質を表−4
に示す。
(表−2) 配合処方 ポリマー 100 ISAFカーボン 表−4に示す ステアリン酸 2 ZnO 3 老化防止剤810JA1) 1 〃 TP2) 0.8 促進剤 DPG3) 0.6 DM4) 1.2 イオウ 1.5 1)N−フエニル−N′−イソプロピル P−フエニレンジアミン 2)ソジウム−ジブチルジチオカーバメート 3)ジフエニルグアニジン 4)ジベンゾチアジルジスルフイド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素溶媒中で、開始剤として有機リチ
    ウム化合物を用いて、ブタジエンを重合するか、または
    ブタジエンとスチレンと共重合した後、リチウム1グラ
    ム原子当量当り、ハロゲン原子当量が0.2〜1.0当量のハ
    ロゲン化スズ化合物と反応させ、さらにN,N−ジアルキ
    ルアミノ芳香族アルデヒド化合物及び/又はN,N−ジア
    ルキルアミノ芳香族アセトフエノン化合物をリチウム1
    グラム原子当量当り0.1〜1.0モル反応させて得られた、 (i)結合スチレンが40重量%以下、 (ii)結合スチレン中、スチレン連鎖長が11個以上のブ
    ロツクポリスチレンが10重量%以下であり、スチレン連
    鎖長が5個以下の短鎖ポリスチレンが80重量%以上、 (iii)ガラス転移温度が−110℃ないし−20℃、 (iv)ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が20〜150 であるブタジエン重合体またはスチレン−ブタジエン共
    重合体を原料ゴム中30重量%以上含有し、さらにヨウ素
    吸着量が75mg/g以上でかつジブチルフタレート吸油量が
    110ml/100g以上のカーボンブラツク充填剤をゴム100重
    量部に対して20〜120重量部配合してなるタイヤトレツ
    ド用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】ハロゲン化スズ化合物がブタジエン系重合
    体とスズ−ブタジエニル結合で結合する特許請求の範囲
    第1項記載のスズ−炭素結合含有タイヤ用ゴム組成物。
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JP3411405B2 (ja) * 1994-08-23 2003-06-03 株式会社ブリヂストン ブロック共重合体
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