JPH0641488B2 - 耐屈曲性に優れたスチレン−ブタジエン共重合ゴムの製造方法 - Google Patents

耐屈曲性に優れたスチレン−ブタジエン共重合ゴムの製造方法

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JPH0641488B2
JPH0641488B2 JP9665785A JP9665785A JPH0641488B2 JP H0641488 B2 JPH0641488 B2 JP H0641488B2 JP 9665785 A JP9665785 A JP 9665785A JP 9665785 A JP9665785 A JP 9665785A JP H0641488 B2 JPH0641488 B2 JP H0641488B2
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butadiene
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裕一 北川
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は有機リチウム触媒を用いて、タイヤ特性、特に
耐屈曲性に優れたスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを
製造する方法に関するものである。
[従来の技術] 近年自動車技術の急速な発達とともにタイヤに対して
も、高ウェットスキッド性、操縦安定性、低燃費性など
が要求され、またその構造もラジアルタイヤが主流とな
り、しかも、へん平率の小さいものが使われるようにな
ってきている。同時に、タイヤ原料ゴムに対しても、タ
イヤの部位に応じて種々の従来以上に高度な性能が要求
されている。中でもラジアルタイヤのサイドウォール部
は、引張強度、加工性とともに高い耐屈曲性が必要とさ
れており、従来天然ゴム、SBRなどが使われているが、
更に高い耐屈曲性を有するゴムの出現が待たれるところ
となった。
ところで近年、ビニル結合が多い、分岐構造を有するス
チレン−ブタジエン共重合ゴムが、タイヤ用途に好適に
用いられることがわかり、種々の構造のゴムが検討され
ている。また、その製造方法に関しても種々の提案がな
されている。
例えば、ビニル結合が多い、分岐構造を有するスチレン
−ブタジエン共重合ゴムを工業的に製造する方法とし
て、連続重合における第1反応帯域中に多官能のカップ
リング剤を添加する方法が提案されている(特公昭54-6
273号、特公昭54-6274号)。この方法では、なるほどゴ
ールドフローを防止し、加工性が向上し、ゲル生成を防
止することに関して効果は認められるが、極めて短い分
岐構造をも含んでいる為、引張強度や耐屈曲性は劣った
ものでしかなかった。また、連続重合において、ポリビ
ニル芳香族化合物又はポリハロゲン化合物を改質剤とし
て用い、ゲル防止剤としてアレン化合物とエチレングリ
コールジアルキルエーテル又は第3級ジアミン類を併用
する方法も提案されている(特開昭57-117508号)。こ
の方法はゴールドフロー防止の効果とゲル生成防止に関
して優れた効果を有するものの、ビニル芳香族の使用割
合が高く、しかもビニル結合の割合が高い条件での重合
では連鎖移動が速く、ムーニー粘度が上りにくい欠点が
あった。この他、ビニル含量調節剤としてTHF等と分子
量調節剤として1,2-ブタジエン等を併用し、かつ上昇温
度下で重合を行なわせた後ハロゲン化スズ化合物でカッ
プリングして分岐状共役ジエン系重合体を得る方法も提
案されている(特開昭59-170107号)。しかしこの方法
で得られるゴムは、高いビニル含量の重合体であるため
か、タイヤトレッド用ゴム材料として用いた場合ウェッ
トスキッド抵抗が大きいものの、未だ加工性の改良が十
分でないばかりか、本発明の目的とするタイヤサイドウ
ォールに使用可能な優れた耐屈曲性能は発現しなかっ
た。
[発明が解決しようとする問題点] そこで本発明者達は引張強度、加工性が優れるととも
に、高い耐屈曲性を有するスチレン−ブタジエン共重合
ゴムを工業的に容易に製造し得る方法を開発すべく鋭意
検討を重ね、本発明の特定の構造を有するスチレン−ブ
タジエン共重合ゴムを特定の条件下で製造する方法を発
明するに至った。
[問題点を解決するための手段及び作用] すなわち本発明は、スチレンとブタジエンを有機リチウ
ム触媒を用いて炭化水素溶媒中で共重合させ、ムーニー
粘度(ML1+4-I)が20〜60のランダムスチレン−ブタジエ
ン共重合体とし、これを3官能以上のケイ素カップリン
グ剤によってカップリングした、 (i)結合スチレン量が15〜35重量% (ii)ブタジエン部分のビニル結合が20〜40% (iii)カップリング後のムーニー粘度(ML1+4-C)が80〜14
0で、カップリング前のムーニー粘度(ML1+4-I)とカップ
リング後のムーニー粘度(ML1+4-C)との比(ML1+4-C/ML
1+4-I)が2〜4 であるランダムスチレン−ブタジエン共重合ゴムを製造
するに際して、共重合時に、 (A)エチレングリコールジアルキルエーテル、第3級
ジアミン、オリゴメリックオキソラニルアルカン類から
選ばれた少なくとも一種の化合物、および (B)一般式H2C=C=CH-R(式中のRは水素原子又は
炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表わされるアレン
化合物を、 15≦S+V+20log(A/L)≦55および(A/L)≦0.9〔式中の
Sは結合スチレン基(重量%)、Vはブタジエン部分の
ビニル結合量(%)、(A/L)は有機リチウム触媒に対す
るアレン化合物のモル比を示す〕で示される範囲で存在
せしめることを特徴とする耐屈曲性に優れたスチレン−
ブタジエン共重合ゴムの製造方法を提供するものであ
る。
本発明において用いられる有機リチウム触媒としては少
なくとも1個以上のリチウム原子を結合した炭化水素で
ある例えば、エチルリチウム、プロピルリチウム、n-ブ
チルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチ
ウム、フェニルリチウム、プロペニルリチウム、ヘキシ
ルリチウム、1,4-ジリチオ-n-ブタンなどがあり、特に
好ましくはn-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウムであ
る。この有機リチウム触媒は1種のみならず2種以上の
混合物としても用いられる。有機リチウム触媒の使用量
は生成重合体のムーニー粘度によるが、通常、単量体10
0g当り0.3〜3ミリモル、好ましくは0.5〜1.5ミリモル
である。
本発明において用いられる炭化水素溶媒としてはn-ブタ
ン、n-ペンタン、iso-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタ
ン、iso-オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロペン
タン、ベンゼン、トルエン等であり、特に好ましい溶媒
はn-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサンである。こ
の炭化水素溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上混合
して用いてもよく、通常、これは単量体1重量部当り1
〜20重量部用いられる。
本発明のランダムスチレン−ブタジエン共重合ゴムの結
合スチレン量は15〜35重量%である。15重量%未満では
引張強度が劣り、35重量%を越えると発熱が大きくなり
動特性が低下する。特に好ましい範囲は20〜30重量%で
ある。
本発明のランダムスチレン−ブタジエン共重合ゴムのブ
タジエン部分のビニル結合は20〜40%である。20%未満
では耐屈曲性が劣り、40%を越えると発熱が大きくなり
動特性が低下する。特に好ましい範囲は25〜35%であ
る。
本発明においてカップリング前のスチレン−ブタジエン
共重合体のムーニー粘度(ML1+4-I)Lローターを使用し1
00℃の条件下での測定で、20〜60の範囲に限定される。
20未満では引張強度や発熱などが劣り、60を越えると耐
屈曲性が劣る。特に好ましくは30〜50である。またカッ
プリング後のムーニー粘度(ML1+4-C)はLローターを使
用し100℃の条件下での測定で80〜140であり、好ましく
は85〜130である。80未満では引張強度や発熱などが劣
り、140を越えると加工性が低下する。更にカップリン
グ前のムーニー粘度(ML1+4-I)とカップリング後のムー
ニー粘度との比(ML1+4-C/ML1+4-I)は2〜4であり、2
未満ではコールドフロー、耐屈曲性が劣り、4以上では
発熱など動特性が低下する。特に好ましい範囲は2.2〜
3.5である。
本発明において用いられる3官能以上のケイ素カップリ
ング剤としては四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、三塩化エ
チルケイ素、三臭化ベンジルケイ素、テトラメトキシシ
ラン、ビストリメトキシシラン、エチレンビストリクロ
ルシランなどが用いられるが、四塩化ケイ素が特に好ま
しい。一方、四塩化スズ、四塩化鉛などのカップリング
剤を用いると、引張強度、発熱が劣り、耐屈曲性も低下
する。
本発明において3官能以上のケイ素カップリング剤は、
重合コンバージョンが少なくとも85%以上好ましくは90
%以上に達した段階でフィードされる。コンバージョン
が85%未満の段階でフィードされた場合、フィードされ
た量にもよるが、最終コンバージョンが低下するか又は
カップリング後のムーニー粘度が十分上昇せず、本発明
の効果が得られない。また、3官能以上のケイ素カップ
リング剤の使用量は、ML1+4-C/ML1+4-Iによって変る
が、末端活性リチウムの0.5〜1.0当量、好ましくは0.65
〜1.0当量である。
本発明において用いられるビニル含量調節剤としては、
エチレングリコールジアルキルエーテル、第3級ジアミ
ン、オリゴメリックオキソラニルアルカン類から選ばれ
る。エチレングリコールジアルキルエーテルとしては例
えば、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレン
グリコールエチルブチルエーテル、エチレングリコール
ジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエー
テル、エチレングリコールメチルブチルエーテルなどが
あり、エチレングリコールジブチルエーテルが好適であ
る。また第3級ジアミンとしてはN,N,N′,N′−テト
ラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラエ
チルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル
プロパンジアミンなどがあり、N,N,N′,N′−テトラ
メチルエチレンジアミンが好適である。オリゴメリック
オキソラニルアルカン類としては次の構造式によって示
される化合物で、構造式Iはリニアなオリゴマーであ
り、構造式IIは環状オリゴマーである。
R1,R2はそれぞれせ水素又はアルキル基であり、-CR1R2
-基における炭素数は1〜9である。yは1〜5であ
り、y′は3〜5である。R3′,R3,R4,R5はそれぞれ
水素又はCnH2n+1(n=1〜6)のハイドロカーボン基
である。
このうち特にオリゴメリックオキソラニルプロパン(ダ
イマーからヘキサマーの混合物)が好適である。
これらの化合物はビニル含量調節剤であると同時にスチ
レンとブタジエンを重合する際のランダム化剤としても
働き、かつゲル防止剤の一成分としても有効である。こ
れら化合物の使用量は、目的とするビニル含量によっ
て、また重合温度によって異なるが、本発明の場合、有
機リチウム触媒に対してモル比で0.01〜50であり、好ま
しくは0.05〜3である。添加量が少ないとビニルが低
く、添加量が多いとビニルが高くなる。また、これら化
合物は、ランダム化剤として知られている、エーテル
類、第3級アミン類、ホスフィン類、サルファイド類、
アルカリ金属アルコラート類、ホスフォルアミン類など
多くのもののうちの特定のものであって、高温での重合
コンバージョンが高く、カップリングへの影響が少な
く、かつアレン類との併用でゲル防止の相乗効果がある
ものである。
本発明において用いられるゲル防止剤としては一般式H2
C=C=CH-R(式中のRは水素原子又は炭素数1〜10の
アルキル基を示す)で表わされるアレン化合物、例えば
1,2-プロパジエン、1,2-ブタジエン、1,2-ペンタジエ
ン、1,2-ヘキサジエン、1,2-ヘプタジエンなどがあり、
1,2-プロパジエン、1,2-ブタジエンが好ましい。その使
用量は15≦S+V+20log(A/L)≦55および(A/L)≦0.9
〔式中のSは結合スチレン基(重量%)、Vはブタジエ
ン部分のビニル結合量(%)、(A/L)は有機リチウム触
媒に対するアレン化合物のモル比を示す〕で示される範
囲が好適である。S+V+20log(A/L)が15未満ではゲル
生成防止効果が無く、55を越えるとカップリング後のム
ーニー粘度ML1+4-Cが十分上昇しない。また、(A/L)が0.
9を越えるとコンバージョンが低下する。特に好適に
は、17≦S+V+20log(A/L)≦50および(A/L)≦0.1で示
される範囲である。
本発明の方法において重合反応は70〜150℃の温度範囲
で行なわれ、好ましくは80〜135℃の範囲である。重合
温度は重合スタート時より70℃以上の温度に保たれてい
るべきであり、連続重合においてはモノマーフィード場
所の温度もこの温度範囲で行なわれる。この範囲外の温
度では生産性、重合率などの面で不都合である。
本発明の方法において重合はバッチ重合であっても連続
重合であってもよいが、攪拌機付重合器による連続重合
が最も好ましい。これは、得られるランダムスチレン−
ブタジエン共重合ゴムの、分子量分布が比較的広いもの
が容易に得られる為である。
本発明の方法によるランダムスチレン−ブタジエン共重
合ゴムのGPCによる重量平均分子量と数平均分子量の比
(w/n)であらわされる分子量分布は2.2〜4で
あることが好ましい。2.2以下では加工性、コールドフ
ロー性、耐屈曲性が劣り、4以上では引張強度、発熱性
が劣る。特に好ましくは2.3〜3.5である。また連続重合
によって得られるランダムスチレン−ブタジエン共重合
ゴムのGPCは1山(モノモーダル)であって、バッチ重
合によって得られる2山(バイモーダル)ポリマーに比
べ著しく加工性が優れる。
本発明の方法において重合所要時間は5分〜5時間、好
ましくは10分〜2時間である。
本発明の方法においてカップリング反応は60〜140℃の
範囲で行なわれ、所要時間は5分〜2時間の範囲が好ま
しい。
本発明によって得られた共重合ゴムは、カップリング反
応終了後、水、アルコールなどの重合停止剤および老化
防止剤を加えて、生成重合体を分離、洗浄、乾燥して目
的とする重合体を得ることができる。また、アロマチッ
ク又はナフテニック進展油で油展され、ムーニー粘度が
30〜60の油展ポリマーとすることもできる。
本発明の方法で得られるスチレン−ブタジエン共重合ゴ
ムは、単独又は他の合成ゴムないし天然ゴムとブレンド
し、各種ゴム用途、特にタイヤ用途のゴム組成物の原料
ゴムとして、カーボンブラック、加硫剤等とともに用い
られる。この場合、本発明の方法で得られる共重合ゴム
の優れた特性を発現するには少なくとも原料ゴムの30重
量%は本発明の方法で得られる共重合ゴムであることが
好ましい。又、ブレンドして用いられる他の合成ゴムな
いし天然ゴムとしては、乳化重合スチレン−ブタジエン
共重合ゴム、1,2ビニル35%未満の溶液重合スチレン−
ブタジエン共重合ゴム、シス1,4ポリブタジエンゴム、
1,2シンジオポリブタジエンゴム、1,2ビニル10ないし90
%のポリブタジエンゴム、合成ポリイソプレンゴムまた
は天然ゴムが挙げられ、これらの中から1種又は2種以
上を用いることができる。
本発明の方法で得られる共重合ゴムを原料ゴムとするゴ
ム組成物は上述の原料ゴムとカーボンブラック、および
加硫剤よりなり、更に必要に応じて加えられるプロセス
油、カーボンブラック以外の他の充填剤等よりなるゴム
組成物である。使用されるカーボンブラックの種類と量
は本発明の方法で得られる共重合ゴムの組成物の用途に
合せ自由に選択でき、一般にはFEF級、HAF級、ISAF級、
GPF級ないしはSAF級と通称されるカーボンブラックの中
から選択される。又、その量は原料ゴム100重量部に対
し20ないしは120重量部であることが必要である。20重
量部未満では引張強度、耐摩耗性等が十分でなく、逆に
120重量部を超えるとゴム弾性の著しい低下をもたらし
好ましくない。又、加硫剤としてはイオウ及びキノンジ
オキシム、ヂチオモルホリン、アルキルフェノールジス
ルフィド等の各種イオウ化合物が例として挙げられ、特
に好ましいものはイオウである。その使用量は組成物の
用途に合せ自由に変えられ、例えばイオウを加硫剤とし
て用いる場合には原料ゴム100重量部に対し0.3ないし6.
0重量部の範囲内で選択される量が用いられる。
本発明の方法で得られる共重合ゴムの組成物には、使用
に際して更に、必要に応じてプロセス油、カーボンブラ
ック以外の他の充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、酸化
防止剤、オゾン劣化防止剤、ワックス等を加えることが
できる。プロセス油としては通常ゴム配合用として用い
られている石油留分のうちの高沸点部分から成るもの
で、その炭水素分子の化学構造によってパラフィン系、
ナフテン系およびアロマチック系として知られるプロセ
ス油を目的、用途に合わせ用いることができ、その量も
自由に選択できる。又、カーボンブラック以外の充填剤
としては、ケイ酸、ケイ酸塩、炭酸カルシウム、酸化チ
タン、各種クレー類などが用いられる。
[発明の効果] 本発明の方法で得られる共重合ゴムの組成物は上述の各
成分をゴム工業用として公知の混合機、例えばオープン
ロール、インタナールキミサー等を用い公知の種々の方
法によって混練することによって得られるものであり、
加硫工程を経て得られるゴム製品は従来から知られるゴ
ム組成物から得られるゴム製品に比して優れた物性を示
す。中でも特に高い耐屈曲性を示す他、引張強度、発熱
性、反発弾性、ウェットスキッド性、加工性においても
優れる。
本発明の方法で得られるランダムスチレン−ブタジエン
共重合ゴムの組成物は、通常スチレン−ブタジエン共重
合ゴムの組成物が使用される用途に使用される。殊に、
タイヤのサイドウォール部、ビード部、トレッド部など
に好適に使用される。
[実施例] 以下に若干の実施例をあげて本発明を具体的に説明する
が、本発明は、これらの実施例に限定されるものではな
い。
なお、以下の実施例、比較例において特にことわりのな
い限り“部”は“重量部”を表わす。
実施例1 内容積10のステンレス鋼製かきまぜ機、ジャケット付
反応器を2基直列に接続し、単量体として1,3-ブタジエ
ンとスチレン(75/25重量比)、溶媒としてn-ヘキサ
ン、触媒としてn-ブチルリチウムを単量体100g当り0.06
gの割合(phm)で、ビニル化剤としてエチレングリコール
ジブチルエーテルを0.60phm、アレン化合物として1,2-
ブタジエンを触媒1モル当り0.03モルを用いて連続共重
合を行なわせた。1基目において内温を100℃になるよ
うにコントロールし、上記単量体などは平均滞留時間が
45分間になるように定量ポンプで供給した。1基目の出
口の重合率をガスクロマトグラフィーで測定し、ブタジ
エン重合率97%、スチレン重合率95%を得た。ムーニー
粘度(ML-I)をムーニー粘度計で測定し、 を得た。
更に重合体溶液を2基目に連続的に導入し、2基目にお
いて四塩化ケイ素を0.032phm連続的に添加し、内温を10
0℃になるようにコントロールした。以上の方法で、重
合及びカップリング反応を30時間行なわせた。2基目の
出口の重合率をガスクロマトグラフィーで測定し、ブタ
ジエン重合率99.4%、スチレン重合率98.2%を得た。同
じくムーニー粘度(ML-C)をムーニー粘度計で測定し、 を得た。また、結合スチレンとブタジエン部分の1,2-ビ
ニル含量はハンプトンの方法で赤外分光光度計を用いて
測定し、結合スチレン25重量%、ブタジエン部分の1,2-
ビニル含量は29%を得た。分子量分布はGPCを用いて、
標準ポリスチレンの重合体の検量線を用いて計算し、
w/n:2.5を得た。また、GPCの曲線は分子量分布が
1山であることを示していた。
ゲルの測定は、トルエン溶媒中の200メッシュ金網非通
過物の重量を測定する方法で測定し、非通過物は0%で
あった。あわせて運転後の1基目及び2基目の内部のゲ
ル付着状況を確認したところ、全く付着が無かった。
得られた重合体溶液は、酸化防止剤として2,6-ジターシ
ャリーブチル-p-クレゾールを添加後、アロマチックオ
イルを37.5phr添加し、スチームストリッピングにより
脱溶媒を行ない110℃熱ロールで乾燥することにより、
油展重合体を得た。
油展重合体のコールドフローの測定は、30度の傾斜をつ
けたガラス板上に3cm×3cm×10cm高さの直方体のゴム
試料を固定し、3日後の状態を観察し、原形を保ってい
るものを1、ガラス板上に流れ直方体が横倒しになった
状態のものを5とし、その中間をよい方から2、3、4
とランク付けして示した。重合結果及び重合体の性質を
第1表に示す。
得られた油展重合体を評価試料Aとして第2表の処方で
バンバリーミキサーで混練して配合物を得、更に145℃
加硫プレスで加硫し、試験片を得た。配合物の加工性、
加硫物の性能等を第3表に示す。
実施例2〜4、比較例1〜9 第1表に示す方法で実施した点を除き、実施例1と同様
な方法によった。重合結果及び重合体の性質を第1表に
示す。
実施例の重合体全てと、比較例の重合体のうちゲルが多
いものやコンバージョン低下が激しいものを除き、配合
物物性を確認した。また、エマルジョン重合SBR-1712の
配合物物性を比較の為評価した。
実施例はいずれもゲルの生成が無く、コールドフローも
優れていた。配合物性の評価の結果も、引張強度、反発
弾性が大きく、発熱が小さく、ウェットスキッド抵抗が
大きく、耐屈曲性が極めて大きく、極めて優れた効果で
あった。
一方、比較例1では、S+V+20log(A/L)が本発明の範
囲外の4.0である為、ゲルの発生が多い。
比較例2では、アレン化合物使用量が触媒とのモル比
で、本発明の範囲外の1.50である為、重合率が低い。
比較例3では、S+V+20log(A/L)が本発明の範囲外の
62.0である為、カップリング後のムーニー粘度が低い。
比較例4では、結合スチレンと1,2-ビニルが小さく、本
発明の範囲外である為、引張強度、ウェットスキッド抵
抗、耐屈曲性が低い。
比較例5では、結合スチレンと1,2-ビニルが大きく、本
発明の範囲外である為、反発弾性が低く、発熱が高い。
比較例6ではビニル化剤として本発明の範囲外の物質を
用いた為、重合率が低く、ムーニー粘度も低かった。
比較例7ではカップリング剤として本発明の範囲外の物
質を用いた為、引張強度、反発弾性が低く、発熱が高か
った。
比較例8ではML-I及びML-C/ML-Iが本発明の範囲外の6
9、1.58である為、コールドフローが劣り、耐屈曲性が
低かった。
比較例9ではML-I及びML-C/ML-Iが本発明の範囲外の6
0、1.30である為、コールドフローが劣り、引張強度、
反発弾性が低く、発熱が高かった。
〈評価条件〉 ロール加工性:配合物を6インチロールにまきつかせ、
操作性を評価した。
加硫:プロセス加硫145℃、30分間。
加硫物硬さ、引張強度:JIS-K-6301に従った。
反発弾性:JIS-K-6301によるリュプケ法、但し、70℃に
おける反発弾性は、試料を70℃オーブン中で1時間予熱
後、素早く取り出して測定。
発熱:グッドリッチフレクソメーターを使用し、荷重48
ポンド、変位0.225インチ、スタート50℃、回転数1800r
pmの条件で試験を行ない、20分後の上昇温度差を表わし
た。
ウェットスキッド抵抗:スタンレー・ロンドンのポータ
ブル・スキッドテスターを使用し、路面としてセーフテ
イ・ウォーク(3M製)を使用して、ASTM-E-808-74の方
法に従い測定した。SBR1502の測定値を100とした指数で
表示した。
耐屈曲性:デマーシャ屈曲試験機を使用し、ASTM D 813
-59に従って、クラックの成長が10mmになるまでの屈曲
回数を測定した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレンとブタジエンを有機リチウム触媒
    を用いて炭化水素溶媒中で共重合させ、ムーニー粘度
    (ML1+4−I)が20〜60のランダムスチレン−ブ
    タジエン共重合体とし、これを3官能以上のケイ素カッ
    プリング剤によってカップリングした、 (i)結合スチレン量が15〜35重量% (ii)ブタジエン部分のビニル結合が20〜40% (iii)カップリング後のムーニー粘度(ML1+4−C)が
    80〜140で、カップリング前のムーニー粘度(ML
    1+4−I)とカップリング後のムーニー粘度(ML1+4
    C)との比(ML1+4−C/ML1+4−I)が2〜4 であるランダムスチレン−ブタジエン共重合ゴムを製造
    するに際して、共重合時に、 (A)エチレングリコールジアルキルエーテル、第3級
    ジアミン、オリゴメリックオキソラニルアルカン類から
    選ばれた少なくとも一種の化合物、および (B)一般式HC=C=CH−R(式中のRは水素原
    子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表わされ
    るアレン化合物を、 15≦S+V+20log(A/L)≦55および(A
    /L)≦0.9〔式中のSは結合スチレン基(重量
    %)、Vはブタジエン部分のビニル結合量(%)、(A
    /L)は有機リチウム触媒に対するアレン化合物のモル
    比を示す〕で示される範囲で存在せしめることを特徴と
    する耐屈曲性に優れたスチレン−ブタジエン共重合ゴム
    の製造方法。
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