JPH0641537B2 - 耐屈曲性に優れたスチレン―ブタジエン共重合ゴム組成物 - Google Patents

耐屈曲性に優れたスチレン―ブタジエン共重合ゴム組成物

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JPH0641537B2
JPH0641537B2 JP60096656A JP9665685A JPH0641537B2 JP H0641537 B2 JPH0641537 B2 JP H0641537B2 JP 60096656 A JP60096656 A JP 60096656A JP 9665685 A JP9665685 A JP 9665685A JP H0641537 B2 JPH0641537 B2 JP H0641537B2
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裕一 北川
靖郎 服部
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は有機リチウム触媒を用いて製造される、特定の
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを用いた、タイヤ特
性、特に耐屈曲性に優れた組成物に関するものである。
[従来の技術] 近年自動車技術の急速な発達とともにタイヤに対して
も、高ウェットスキッド性、操縦安定性、低燃費性など
が要求され、またその構造もラジアルタイヤが主流とな
り、しかも、へん平率の小さいものが使われるようにな
ってきている。同時に、タイヤ原料ゴムに対しても、タ
イヤの部位に応じて種々の従来以上に高度な性能が要求
されている。中でもラジアルタイヤのサイドウォール部
は、引張強度、加工性とともに高い耐屈曲性が必要とさ
れており、従来天然ゴム、SBRなどが使われているが、
更に高い耐屈曲性を有するゴムの出現が待たれるところ
となった。
ところで近年、ビニル結合が多い、分岐構造を有するラ
ンダムスチレン−ブタジエン共重合ゴムが、タイヤ用途
に好適に用いられることがわかり、種々の構造のゴムが
検討され、種々の提案がなされている。例えば、連続重
合における第1反応帯域中に多官能のカップリング剤を
添加する方法が提案されている。(特公昭54-6273,54-6
274)。この方法ではなるほどコールドフローを防止
し、加工性が向上し、ゲル生成を防止することに関して
効果は認められるが、極めて短い分岐構造をも含んでい
ることと、スチレンの分布が完全ランダムでなかったこ
とから、引張強度、耐屈曲性は劣ったものでしかなかっ
た。また、有機リチウム化合物とルイス塩基からなる触
媒により80℃以上の温度に制御された高い攪拌効率を有
する重合域にモノマーを連続的に導入し、重合を進行さ
せることにより製造された完全ランダムスチレン−ブタ
ジエン共重合ゴムが提案されている(特開昭57-10011
2)。このポリマーは、引張強度、反発弾性、低発熱
性、耐摩耗性、ウェットスキッド性などで優れた性能を
示した。しかし、加工性、コールドフロー性、耐屈曲性
において未だ満足できる性能ではなかった。
[発明が解決しようとする問題点] そこで本発明者達は引張強度、反発弾性、発熱性などが
優れるとともに、加工性、コールドフロー性、耐屈曲性
においても極めて優れた性能を有するスチレン−ブタジ
エン共重合ゴム組成物を開発すべく鋭意検討を重ね、特
定の構造を有するスチレン−ブタジエン共重合ゴム組成
物を発明するに至った。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明によれば、スチレンとブタジエンを有機リチウム
触媒を用いて炭化水素溶媒中で共重合させ、ムーニー粘
度(ML1+4-I)が20〜60のランダムスチレン−ブタジエ
ン共重合体とし、これを3官能以上のケイ素カップリン
グ剤によってカップリングした、 (i)結合スチレン量が15〜35重量% (ii)ブタジエン部分のビニル結合が20〜40% (iii)カップリング後のムーニー粘度(ML1+4-C)が80
〜140で、カップリング前のムーニー粘度(ML1+4-I)と
カップリング後のムーニー粘度(ML1+4-C)との比(ML
1+4-C/ML1+4-I)が2〜4 (iv)GPCによる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比であらわされる分子量分布(Mw/Mn)が2.2〜
4であり、分子量分布がモノモーダルであり、 (v)オゾン分解物のGPCによって分析される単離スチレン
が全結合スチレンの40重量%以上、長鎖ブロックスチレ
ンが全結合スチレンの5重量%以下 であるスチレン−ブタジエン共重合ゴムを30〜100
重量部、他の合成ゴム又は天然ゴムのうち1種又は2種
以上のゴムを70〜0重量部、ゴム成分100重量部当
たり、カーボンブラック20〜120重量部、プロセス
油5〜100重量部および加硫剤を含むことを特徴とす
る耐屈曲性に優れたスチレン−ブタジエン共重合ゴム組
成物が提供される。
本発明で使用されるスチレン−ブタジエン共重合ゴムの
重合において用いられる有機リチウム触媒としては少な
くとも1個以上のリチウム原子を結合した炭化水素であ
る例えば、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブ
チルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリ
チウム、フェニルリチウム、プロペニルリチウム、ヘキ
シルリチウム、1,4−ジリチオ−n−ブタンなどがあ
り、特に好ましくはn−ブチルリチウム、sec−ブチル
リチウムである。この有機リチウム触媒は1種のみなら
ず2種以上の混合物としても用いられる。有機リチウム
触媒の使用量は、生成重合体のムーニー粘度によるが、
通常、単量体100g当り0.3〜3ミリモル、好ましくは0.
5〜1.5ミリモルである。
本発明における共重合ゴムの重合において用いられる炭
化水素溶媒としてはn−ブタン、n−ペンタン、iso−
ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−オクタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、ベンゼ
ン、トルエン等であり、特に好ましい溶媒はn−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、シクロヘキサンである。この炭化水
素溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上混合して用い
てもよく、通常、これは単量体1重量部当り1〜20重量
部用いられる。
本発明に用いられるランダムスチレン−ブタジエン共重
合ゴムの結合スチレン量は15〜35重量%である。15重量
%未満では引張強度が劣り、35重量%を越えると発熱が
大きくなり動特性が低下する。特に好ましい範囲は20〜
30重量%である。
本発明に用いられるランダムスチレン−ブタジエン共重
合ゴムのブタジエン部分のビニル結合は20〜40%であ
る。20%未満では耐屈曲性が劣り、40%を越えると発熱
が大きくなり動特性が低下する。特に好ましい範囲は25
%〜35%である。
本発明に用いられるスチレン−ブタジエン共重合ゴムの
カップリング前のムーニー粘度(ML1+4-I)はLロータ
ーを使用し100℃の条件下での測定で、20〜60の範囲に
限定される。20未満では引張強度や発熱などが劣り、60
を越えると耐屈曲性が劣る。特に好ましくは30〜50であ
る。またカップリング後のムーニー粘度(ML1+4-C)は
Lローターを使用し100℃の条件下での測定で80〜140で
あり、好ましくは85〜130である。80未満では引張強度
や発熱などが劣り、140を越えると加工性が低下する。
更にカップリング前のムーニー粘度(ML1+4-I)とカッ
プリング後のムーニー粘度との比(ML1+4-C/ML1+4-I)
は2〜4であり、2未満ではコールドフロー、耐屈曲性
が劣り、4以上では発熱など動特性が低下する。特に好
ましい範囲は2.2〜3.5である。
本発明において用いられるブタジエン−スチレン共重合
ゴムの3官能以上のケイ素カップリング剤としては四塩
化ケイ素、四臭化ケイ素、三塩化エチルケイ素、三臭化
ベンジルケイ素、テトラメトキシシラン、ビストリメト
キシシラン、エチレンビストリクロルシランなどが用い
られるが、四塩化ケイ素が特に好ましい。一方、四塩化
スズ、四塩化鉛などのカップリング剤を用いると、引張
強度、発熱が劣り、耐屈曲性も低下する。
3官能以上のケイ素カップリング剤は、重合コンバージ
ョンが少くとも85%以上好ましくは90%以上に達した段
階でフィードされる。コンバージョンが85%未満の段階
でフィードされた場合、フィードされた量にもよるが、
最終コンバージョンが低下するか又はカップリング後の
ムーニー粘度が十分上昇せず、本発明の効果が得られな
い。また、3官能以上のケイ素カップリング剤の使用量
は、ML1+4-C/ML1+4-Iによって変るが、末端活性リチウ
ムの0.5〜1.0当量、好ましくは0.65〜1.0当量である。
本発明に用いられるランダムスチレン−ブタジエン共重
合ゴムの分子量分布は、GPCを用いて、標準ポリスチレ
ンの重合体の検量線を用いて計算し、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)の比であらわされる分子量
分布の大きさ(Mw/Mn)が2.2〜4である。2.2未満では
加工性、コールドフロー性、耐屈曲性が劣り、4以上で
は引張強度、発熱性が劣る。特に好ましくは2.3〜3.5の
範囲である。またGPCの曲線はモノモーダル(1山)に
限定され、従来のバイモーダル以上の多モーダルでは、
本発明の優れた加工性及び耐屈曲性は得られない。
本発明に用いられるランダムスチレン−ブタジエン共重
合ゴムのスチレンの結合様式、スチレンの連鎖分布は、
共重合ゴムの低温オゾン分解物のGPCによって分析され
る。本発明の方法は田中らによって開発された方法であ
って、スチレンの連鎖分布はブタジエンの2重結合をす
べてオゾン開裂して得た分解物のGPCによって分析され
る(Macromolecules,1983,16,1925)。本発明の共重合
ゴムはこの方法によって分析された単離スチレン、すな
わちスチレン単位の連鎖が1のスチレンが全結合スチレ
ンの40重量%以上、好ましくは50重量%以上であり、長
鎖ブロックスチレン、すなわちスチレン単位の連鎖が8
以上のスチレンが全結合スチレンの5重量%以下、好ま
しくは2.5重量%以下である。単離スチレンが40重量%
未満であっても、長鎖ブロックスチレンが5重量%を越
える場合であっても本発明の共重合ゴムの優れた特性で
ある高い耐屈曲性と低い発熱性は得られない。
本発明に用いられる共重合ゴムは、直列に連結された2
以上の反応帯域において、第1反応帯域中に有機リチウ
ム化合物とルイス塩基からなる触媒、スチレン、ブタジ
エンおよび不活性希釈剤を80℃以上好ましくは90℃以上
の温度に制御された高い攪拌効率を有する重合域に連続
的に導入し重合を進行させ、必要に応じて第2反応帯域
中にもモノマーを導入する方法で重合を進行させ、実質
的に85%以上のコンバージョンとなった後に、最終反応
帯域において3官能以上のケイ素カップリング剤によっ
てカップリングする方法により製造される。ここで、ル
イス塩基としてはエーテル化合物、チオエーテル化合
物、第3級アミン化合物、ホスフィン化合物等があげら
れ、特にエチレングリコールジアルキルエーテル、第3
級ジアミン、オリゴメリックオキソラニルアルカン類か
ら選ばれる化合物1種又は2種以上を用いることが好ま
しい。これらの化合物としては、例えばエチレングリコ
ールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルブチ
ルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、
エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコ
ールメチルブチルエーテルなどがあり、エチレングリコ
ールジブチルエーテル、N,N,N′,N′−テトラメチルエ
チレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラエチルエチレン
ジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロパンジアミ
ンなどがあり、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジ
アミン、オリゴメリックオキソラニルプロパン(ダイマ
ーからヘキサマーの混合物)などがあげられる。
これらの化合物はビニル含量調節剤であると同時にスチ
レンとブタジエンを重合する際のランダム化剤としても
働き、かつゲル防止剤の一成分としても有効である。こ
れら化合物の使用量は、使用する化合物の種類、目的と
するビニル含量によって、また重合温度によって異なる
が、本発明の場合有機リチウム触媒に対してモル比で0.
01〜50であり好ましくは0.05〜3である。添加量が少い
とビニルが低く、添加量が多いとビニルが高くなる。
また、第1反応帯域中にゲル防止剤を導入するのが有利
である。本発明で使用される共重合ゴムの重合において
用いられるゲル防止剤としては一般式H2C=C=CH-R
(式中のRは水素原子又は炭素数1から10のアルキル基
を示す)で表わされるアレン化合物、例えば1,2−プロ
パジエン、1,2−ブタジエン、1,2−ペンタジエン、1,2
−ヘキサジエン、1,2−ヘプタジエンなどがあり、1,2−
プロパジエン、1,2−ブタジエンが好ましい。その使用
量は15≦S+V+20og(A/L)≦55および(A/L)≦0.9
〔式中のSは結合スチレン量(重量%)、Vはブタジエ
ン部分のビニル結合量(%)、(A/L)は有機リチウム
触媒に対するアレン化合物のモル比を示す〕で示される
範囲が好適である。S+V+20og(A/L)が15未満では
ゲル生成防止効果が無く、55を越えるとカップリング後
のムーニー粘度ML1+4-Cが十分上昇しない。また、(A/
L)が0.9を越えるとコンバージョンが低下する。特に好
適には、17≦S+V+20og(A/L)≦50および(A/L)≦
0.1で示される範囲である。
本発明に用いられるスチレン−ブタジエン共重合ゴムの
重合においてその重合域の温度は80℃以上、好ましくは
90℃以上であることを必要とする。この温度以下では物
性上好ましくない長鎖ブロックスチレンが増加し本発明
に用いられるランダム共重合ゴムが得られず、又、生産
性の面でも劣る。
又、重合域、特に導入口に近い重合域は高い攪拌効率を
有することを必要とする。攪拌の効率については学問的
にも未だ解決されていない問題が多くその表示は難しい
が、本発明に用いるスチレン−ブタジエン共重合ゴムを
得るための高い攪拌効率は次のように定義される。すな
わち導入口付近における攪拌の線速度(m/sec)をその
重合域の重合体溶液の粘度(ポイズ)で除した値が1×
10-2以上、好ましくは5×10-2以上であれば良い。これ
以下の攪拌条件下では物性上好ましくない長鎖ブロック
スチレンが増加する。
本発明のランダムスチレン−ブタジエン共重合ゴムを得
る、更に好ましい方法は重合域を2以上に分割し、単量
体の重合域への導入も分割することであり、この場合
に、分割された導入すべき単量体は、未反応単量体の組
成を全て同一にすることによって極めて完全でかつ均一
なランダム共重合ゴムが得られるということが知られて
いる。
本発明に用いられるスチレン−ブタジエン共重合ゴムの
重合所要時間は5分〜5時間、好ましくは10分〜2時間
である。
本発明におけるカップリング反応は60〜140℃の範囲で
行なわれ、所要時間は5分〜2時間の範囲が好ましい。
このようにして得られた共重合ゴムは、カップリング反
応終了後、水、アルコールなどの重合停止剤および老化
防止剤を加えて、生成重合体を分離、洗浄、乾燥して目
的とする重合体を得ることができる。また、アロマチッ
ク又はナフテニック伸展油でで油展され、ムーニー粘度
が30〜60の油展ポリマーとすることもできる。
本発明における特定の構造を有するスチレン−ブタジエ
ン共重合ゴムは、単独又は他の合成ゴムないし天然ゴム
とブレンドし、各種ゴム用途、特にタイヤ用途のゴム組
成物の原料ゴムとして、カーボンブラック、加硫剤等と
ともに用いられる。この場合、本発明の優れた特性を発
現するには少なくとも原料ゴムの30重量%は本発明にお
ける特定の共重合ゴムであることを必要とする。又、ブ
レンドして用いられる他の合成ゴムないし天然ゴムとし
ては、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、1,2
ビニル35%未満の溶液重合スチレン−ブタジエン共重合
ゴム、シス1,4ポリブタジエンゴム、1,2シンジオポリブ
タンジエンゴム、1,2ビニル10ないし90%のポリブタジ
エンゴム、合成ポリイソプレンゴムまたは天然ゴムが挙
げられ、これらの中から1種又は2種以上を用いること
ができる。
本発明のゴム組成物は上述の原料ゴムとカーボンブラッ
ク、および加硫剤よりなり、更に必要に応じて加えられ
るプロセス油、カーボンブラック以外の他の充填剤等よ
りなるゴム組成物である。使用されるカーボンブラック
の種類と量は本発明の共重合ゴムの組成物の用途に合せ
自由に選択でき、一般にはFEF級、HAF級、ISAF級、GPF
級ないしはSAF級と通称されるカーボンブラックの中か
ら選択される。又、その量は原料ゴム100重量部に対し2
0ないしは120重量部であることが必要である。20重量部
未満では引張強度、耐摩耗性等が十分でなく、逆に120
重量部を超えるとゴム弾性の著しい低下をもたらし好ま
しくない。
プロセス油としては通常ゴム配合用として用いられてい
る石油留分のうちの高沸点部分から成るもので、その炭
化水素分子の化学構造によってパラフィン系、ナフテン
系およびアロマチック系として知られるプロセス油を目
的、用途に合わせ用いることができ、その量は、原料ゴ
ム100重量部に対し5ないし100重量部であることが必要
である。5重量部未満では加工性が悪くカーボンブラッ
クの分散性が悪くなる為、十分な性能が発現せず、特に
引張強度、伸び、耐屈曲性が劣る。一方100重量部を超
えると、引張強度、反発弾性、硬さの著しい低下をもた
らし好ましくない。
又、加硫剤としてはイオウ及びキノンジオキシム、ヂチ
オモルホリン、アルキルフェノールジスルフィド等の各
種イオウ化合物が例として挙げられ、特に好ましいもの
はイオウである。その使用量は組成物の用途に合せ自由
に変えられ、例えばイオウを加硫剤として用いる場合に
は原料ゴム100重量部に対し0.3ないし6.0重量部の範囲
で選択される量が用いられる。
本発明の組成物には、使用に際して更に、必要に応じて
カーボンブラック以外の他の充填剤、酸化亜鉛、ステア
リン酸、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、ワックス等を
加えることができる。
又、カーボンブラック以外の充填剤としては、ケイ酸、
ケイ酸塩、炭酸カルシウム、酸化チタン、各種クレー類
などが用いられる。
本発明の組成物は上述の各成分をゴム工業用として公知
の混合機、例えばオープンロール、インタナールミキサ
ー等を用い公知の種々の方法によって混練することによ
って得られるものであり、加硫工程を経て得られるゴム
製品は従来から知られるゴム組成物から得られるゴム製
品に比して優れた性能を示す。中でも特に高い耐屈曲性
を示す他、引張強度、発熱性、反発弾性、ウェットスキ
ッド性、加工性においても優れる。従って、通常のスチ
レン−ブタジエン共重合ゴムの組成物が使用される用途
に使用され、殊に、タイヤのサイドウォール部、ビード
部、トレッド部などに好適に使用される。
[実施例] 以下に若干の実施例をあげて本発明を具体的に説明する
が、本発明は、これらの実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例、比較例において“部”とは特
にことわりのない限り“重量部”を意味する。
実施例1 内容積10のステンレス鋼製かきまぜ機、ジャケット付
反応器を2基直列に接続し、単量体として1,3−ブタジ
エンとスチレン(75/25重量比)、溶媒としてn−ヘキ
サン、触媒としてn−ブチルリチウムを単量体100g当
り0.06gの割合(phm)で、ビニル化剤としてエチレン
グリコールジブチルエーテルを0.60phm、アレン化合物
として1,2−ブタジエンを触媒1モル当り0.03モルを用
いて連続共重合を行なわせた。1基目において内温を10
0℃になるようにコントロールし、上記単量体などは平
均滞留時間が45分間になるように定量ポンプで供給し
た。1基目の出口の重合率をガスクロマトグラフィーで
測定し、ブタジエン重合率97%、スチレン重合率95%を
得た。ムーニー粘度(ML-I)をムーニー粘度計で測定
し、 を得た。
更に重合体溶液を2基目に連続的に導入し、2基目にお
いて四塩化ケイ素を0.032phm連続的に添加し、内温を10
0℃になるようにコントロールした。以上の方法で、重
合及びカップリング反応を30時間行なわせた。2基目の
出口の重合率をガスクロマトグラフィーで測定し、ブタ
ジエン重合率99.4%、スチレン重合率98.2%を得た。同
じくムーニー粘度(ML-C)をムーニー粘度計で測定し、 を得た。また、結合スチレンとブタジエン部分の1,2−
ビニル含量はハンプトンの方法で赤外分光光度計を用い
て測定し、結合スチレン25重量%、ブタジエン部分の1,
2−ビニル含量は29%を得た。分子量分布はGPCを用い
て、標準ポリスチレンの重合体の検量線を用いて計算
し、wn:2.5を得た。また、GPCの曲線は分子量分
布が1山であることを示していた。また、オゾン分解物
のGPCより求めた単離スチレンは全スチレンに対して65w
t%であり、長鎖ブロックスチレンは0.8wt%であった。
ゲルの測定は、トルエン溶媒中の200メッシュ金網非通
過物の重量を測定する方法で測定し、非通過物は0%で
あった。あわせて運転後の1基目及び2基目の内部のゲ
ル付着状況を確認したところ、全く付着が無かった。
得られた重合体溶液は、酸化防止剤として2,6−ジター
シャリーブチル−p−クレゾールを添加後、アロマチッ
クオイルを37.5phr添加し、スチームストリッピングに
より脱溶媒を行ない110℃熱ロールで乾燥することによ
り、油展重合体を得た。
油展重合体のコールドフローの測定は、30度の傾斜をつ
けたガラス板上に3cm×3cm×10cm高さの直方体のゴム
試料を固定し、3日後の状態を観察し、原形を保ってい
るものを1,ガラス板上に流れ直方体が横倒しになった
状態のものを5としその中間をよい方から2,3,4と
ランク付けして示した。重合結果及び重合体の性質を第
1表に示す。
また得られた油展共重合体を評価用試料Aとする。
実施例2〜4,比較例1〜8及び10 第1表に示す方法で実施した点を除き、実施例1と同様
な方法によった。重合結果及び重合体の性質を第1表に
示す。また評価用試料B〜L及びNとする。
比較例9 内容積30のステンレス鋼製かきまぜ機、ジャケット付
反応器を用い、単量体、溶媒、触媒、ビニル化剤、アレ
ン化合物を仕込み、40℃で重合を開始し、最高温度90℃
まで上昇した。最高温度到達後ただちに重合体の一部を
分析用としてサンプリングした後、四塩化ケイ素を加え
カップリングを行なわせた。重合条件、重合結果及び重
合体の性質を第1表に示す。また、評価用試料Mとす
る。
比較例11 実施例1の反応器を用い、攪拌回転数を1/10に落して重
合を行なった。重合条件、重合結果及び重合体の性質を
第1表に示す。また、評価用試料Oとする。
実施例5〜8,比較例12〜22 評価試料A〜Oを、第2表の処方でバンバリーミキサー
で混練して配合物を得、更に145℃加硫プレスで加硫
し、試験片を得た。配合物の加工性、加硫物の性質を第
3表に示す。
比較例23 実施例1と同様の方法で重合した5種類の共重合体の溶
液を混合し、酸化防止剤、アロマチックオイル37.5phr
を添加し、実施例1と同様に油展重合体を得た。
混合前の共重合体のML-Iは1〜85,平均ML-Iは43,ML-C
は20〜140以上のもので、結合スチレン24〜25.5%、ブ
タジエン中のビニルは25〜33%、混合後の共重合体はML
-Cは100、結合スチレン25%、ブタジエン中のビニルは3
0%、GPC曲線はブロードな1山であり、Mw/Mnは4.3、オ
ゾン分解−GPCによる単離スチレンは64%、長鎖ブロッ
クスチレンは1.2%であった。この共重合体を評価試料
Pとして、比較例12と同様に評価した。
実施例9 評価試料Aを68.75部、乳化重合SBR-1712を68.75部使用
して、第2表に示す配合で実施例5と同様に評価した。
比較例24 評価試料Aを27.5部、乳化重合SBR-1712を110部使用し
て、第2表に示す配合で実施例5と同様に評価した。
比較例25 乳化重合SBR-1712を137.5部使用して、第2表に示す配
合で実施例5と同様に評価した。
実施例の共重合体A〜Dはいずれもコールドフローが優
れていた。また実施例5〜9の配合物において、ロール
加工性が優れ、加硫物の引張強度、反発弾性が大きく、
発熱が小さく、ウェットスキッド抵抗が大きく、耐屈曲
性が極めて大きく極めて優れた物性を示している。
一方、比較例1及び比較例12では、共重合体の結合スチ
レン及びブタジエン中のビニル含量が低く本発明の範囲
外である為、引張強度が低く、耐屈曲性が劣り、ウェッ
トスキッドが劣る。
比較例2及び比較例13では、共重合体の結合スチレン及
びブタジエン中のビニル含量が高く本発明の範囲外であ
る為、反発弾性が低く、発熱が劣る。
比較例3及び比較例14では、カップリング剤が本発明の
範囲外の四塩化スズである為、ロール加工性が劣り、引
張強度が劣り、反発弾性が劣り、耐屈曲性が劣る。
比較例4及び比較例15では、カップリング剤が本発明の
範囲外の二塩化ジメチルケイ素である為、共重合体のコ
ールドフローが劣り、配合物のロール加工性が劣り、耐
屈曲性が劣る。
比較例5及び比較例16では、カップリング前の共重合体
のムーニー粘度(ML-I)が低く、カップリング後とカッ
プリング前のムーニー粘度の比(ML-C/ML-I)が大きく
本発明の範囲外である為、引張強度が低く、反発弾性が
劣り、発熱が劣る。
比較例6及び比較例17では、カップリング前の共重合体
のムーニー粘度(ML-I)が高く、カップリング後とカッ
プリング前のムーニー粘度の比(ML-C/ML-I)が小さ
く、本発明の範囲外である為、コールドフローが劣り、
ロール加工性が劣り、耐屈曲性が劣る。
比較例7及び比較例18では、カップリング後のムーニー
粘度(ML-C)が低く、カップリング後とカップリング前
のムーニー粘度の比(ML-C/ML-I)が小さく、本発明の
範囲外である為、コールドフローが劣り、ロール加工性
が劣り、引張強度が劣り、反発弾性、発熱が劣る。
比較例8及び比較例19では、カップリング後のムーニー
粘度が高く、本発明の範囲外である為、ロール加工性が
劣り、引張強度、反発弾性、耐屈曲性が劣る。
比較例9及び比較例20では、分子量分布が狭くGPCが2
山となっており、本発明の範囲外である為、コールドフ
ローが劣り、ロール加工性が劣り、耐屈曲性が劣る。
比較例10及び比較例21では、オゾン分解−GPCによる単
離スチレンが低く、本発明の範囲外である為、反発弾
性、発熱が劣り、耐屈曲性も劣る。
比較例11及び比較例22では、オゾン分解−GPCによる長
鎖ブロックスチレンが高く、本発明の範囲外である為、
反発弾性、発熱が劣り、耐屈曲性も劣る。
比較例23では、分子量分布がひろく、本発明の範囲外で
ある為、引張強度、反発弾性、発熱が劣る。
比較例24では、本発明で規定された共重合体がゴム成分
100部に対し20部と低く、本発明の範囲外である為、反
発弾性、発熱が劣り、耐屈曲性が劣る。
比較例25では、反発弾性、発熱、耐屈曲性が劣る。
評価条件 ロール加工性:配合物を6インチロールにまきつかせ、
操作性を評価した。
加 硫:プレス加硫145℃,30分間。
加硫物硬さ,引張強度:JIS-K-6301に従った。
反発弾性:JIS-K-6301によるリュプケ法、但し、70℃に
おける反発弾性は、試料を70℃オーブン中で1時間予熱
後、素早く取り出して測定。
発 熱:グッドリッチフレクソメーターを使用し、荷
重48ポンド、変位0.225インチ、スタート50℃、回転数1
800rpmの条件で試験を行ない、20分後の上昇温度差を
表わした。
ウェットスキッド抵抗:スタンレー・ロンドンのポータ
ブル・スキッドテスターを使用し、路面としてセーフテ
イ・ウォーク(3M製)を使用して、ASTM-E-808-74の
方法に従い測定した。SBR1502の測定値を100とした指数
で表示した。
耐屈曲性:デマーシャ屈曲試験機を使用し、ASTMD 813-
59に従って、クラックの成長が10mmになるまでの屈曲回
数を測定した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレンとブタジエンを有機リチウム触媒
    を用いて炭化水素溶媒中で共重合させ、ムーニー粘度
    (ML1+4−I)が29〜60のランダムスチレン−ブ
    タジエン共重合体とし、これを3官能以上のケイ素カッ
    プリング剤によってカップリングした、 (i)結合スチレン量が15〜35重量% (ii)ブタジエン部分のビニル結合が20〜40% (iii)カップリング後のムーニー粘度(ML1+4−C)
    が80〜140で、カップリング前のムーニー粘度(M
    1+4−I)とカップリング後のムーニー粘度(ML1+4
    −C)との比(ML1+4−C/ML1+4−I)が2〜4 (iv)GPCによる重量平均分子量(Mw)と数平均分
    子量(Mn)の比であらわされる分子量分布(Mw
    n)が2.2〜4であり、分子量分布がモノモーダル
    であり、 (v)オゾン分解物のGPCによって分析される単離スチ
    レンが全結合スチレンの40重量%以上、長鎖ブロック
    スチレンが全結合スチレンの5重量%以下 であるスチレン−ブタジエン共重合ゴムを30〜100
    重量部、他の合成ゴム又は天然ゴムのうち1種又は2種
    以上のゴムを70〜0重量部、ゴム成分100重量部当
    たり、カーボンブラック20〜120重量部、プロセス
    油5〜100重量部および加硫剤を含むことを特徴とす
    るゴム組成物。
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