JPH0685368B2 - 主に鉄から成る針状の強磁性金属粒子の製法 - Google Patents

主に鉄から成る針状の強磁性金属粒子の製法

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JPH0685368B2
JPH0685368B2 JP61103282A JP10328286A JPH0685368B2 JP H0685368 B2 JPH0685368 B2 JP H0685368B2 JP 61103282 A JP61103282 A JP 61103282A JP 10328286 A JP10328286 A JP 10328286A JP H0685368 B2 JPH0685368 B2 JP H0685368B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は,燐酸イオン及び場合により別の添加物を含有
する,主に鉄から成る針状の強磁性金属粒子並びに該粒
子の,磁気記録材料を製造するための用途に関する。
従来の技術 強磁性金属粉末は,その高い飽和磁化,ひいては形状等
方性粒子において可能な高い保磁力磁界強度に基づき磁
気記録担体を製造するために特に重要である,それとい
うのもこの場合にはエキルギー積及び情報密度が著しく
高めることができかつこのような情報担体は狭い信号幅
及び良好な信号振幅を生じるからである。
微細分された針状鉄化合物,例えば酸化物又はオキシ水
酸化物を水素又はその他のガス状還元剤で還元すること
により鉄粒子を製造することは公知である。このために
は有利に針状水酸化酸化鉄(III)が使用され,それに
より熱処理及び還元並びに不動態化により相応する金属
粒子が製造される。
針状水酸化酸化鉄を製造するためには、文献にいわゆる
酸性方法が記載されている。この2工程式方法では,Fe
(II)塩溶液からまずまずFe(II)イオンの一部をFe(O
H)2の形で析出させかつ該Fe(OH)2をFeOOH芽晶に酸化さ
せる。第2工程で,pH値7.0未満でFe(II)イオンを更に
酸化させることによりFeOOHを前記芽晶に成長させる。F
eOOHの適当なα−又はγ−変態を製造するための酸性方
法は,特に米国特許第2694656号明細書及びドイツ連邦
共和国特許出願公告第1061760号明細書に記載されてい
る。更に,水酸化酸化鉄顔料に異種イオンをドープする
一連の変更形が開示されている。例えばZnのような遷移
金属陽イオン(ドイツ連邦共和国特許出願公告第130086
1号明細書)の他に,陰イオン及びまた特に,第V主族
の元素を含有するものも,合成過程又は生成物特性に影
響を及ぼすことができる。ドイツ連邦共和国特許出願公
告第1176111号明細書には,芽晶形成期におけるFe(I
I)酸化の開始時にPO4 3-イオンを装入することが提案さ
れている。それによれば緊密な針状形を有するα−FeOO
Hが得られる。ドイツ連邦共和国特許出願公告第1219009
号明細書によれば,γ−FeOOH合成の際にPO4 3-イオンを
供給すると,主として等方性粒子が形成される,従って
該方法は高価な針状磁性材料を製造するためには不適当
である。ドイツ連邦共和国特許出願公告第1225157号明
細書によれば,該方法を芽晶形成中又は成長過程中の燐
酸イオンの添加と組合せている。針状形態を調整するた
めに砒酸塩を添加することも既に提案された(ドイツ連
邦共和国特許出願公告第1223352号明細書)。
水酸化酸化鉄の脱水及び熱処理並びにこの際に得られた
酸化鉄の還元により金属粒子を製造する別の処理工程に
関しても,一連の変更形が開示された。
例えば所望の金属粒子の外形は既に出発物質として使用
された水酸化酸化鉄の形状により強度に予め規制され
る。更に変態過程の熱処理及び還元中に温度に依存する
焼結過程を十分に抑制するために,形状安定化被覆が水
酸化酸化鉄粒子上に施される。このためには既に一連の
物質が記載された。就中,ドイツ連邦共和国特許出願公
開第2646348号明細書によれば,燐の加水分解安定性酸
素酸,その塩又はそのエステル及び脂肪族単又は多塩基
性カルボン酸の使用;ドイツ連邦共和国特許第1907691
号明細書によれば,錫化合物の使用;特開昭51-39027号
公報及び特開昭51-70231号公報によれば珪素塩,或はま
た米国特許第4280918号明細書によればコロイド状二酸
化珪素の使用が開示された。また,水酸化酸化鉄の熱処
理の際,すなわちそのα−Fe2O3への脱水の際に,目的
生成物の特性を調整することが試みられた。例えばヨー
ロッパ公開特許第24692号は水蒸気含有雰囲気内での熱
処理を開示した。
還元のためにも,同様に種々の方法が開示された。ドイ
ツ連邦共和国特許出願公開第3228669号明細書は,酸化
物材料の段階的還元を開示した。該方法は,第1工程で
予め酸化物上に施された有機物質の不活性ガス雰囲気中
での分解を部分的還元のために利用しかつ第2工程で前
還元した材料を水素で最終的に金属に還元することより
成る。その他の方法は還元のために専ら水素だけを使用
し,この場合には還元を低い温度で実施することができ
るように,酸化物上に反応促進性物質を施す多種多様な
方法が提案された。例えばドイツ連邦共和国特許出願公
開第2014500号明細書は,この目的のために銀又は銀化
合物を施すことを開示した。同様に,酸化鉄を塩化錫
(II)で処理することも記載された(ドイツ連邦共和国
特許出願公開第1907691号明細書)。
主に鉄から成る強磁性金属粒子を製造するための多種多
様なかつまた異なった実験は,磁気記録層のための磁性
材料として使用される製品に対する要求が大抵は極めて
高いことを示す。まさに,相応する材料はその酸化物素
材に対して優れた磁性特性を有するために高い記録密度
を有する記録担体用として提供されるので,一連の機械
的特性及び記録特性に影響を及ぼす物質パラメータは同
様に特別な要求を満足すべきである。従って,磁性材料
が高い微粒子度を有し,ひいてはビデオ信号用の磁気記
録担体において重要である磁性層の平滑な表面が可能と
なりかつ好ましいノイズ値を達成できることが特に重要
なことである。しかし,その都度の用途に基づき重要な
ノイズもしくは妨害距離特性に関する値は,磁性材料を
相応する磁性層内に埋込んだ後に初めて確認することが
できる。
発明が解決しようとする問題点 従って,本発明の課題は,一面では記録技術上必要な磁
性特性,例えば60〜80KA/mの保磁力磁界強度を有し,か
つ他面では磁性層に埋込んだ後ビデオ記録において高い
ルミナンスノイズ間隔値を可能にするような金属粒子を
簡単に得ることができる,主として鉄から成る針状の強
磁性金属粒子の製法を提供することであった。
問題点を解決するための手段 ところで驚異的にも,前記課題は本発明により,形状安
定化表面被覆が施された針状の水酸化酸化鉄(II)から
脱水により得られた酸化α−鉄(III)を還元すること
により,主に鉄から成る針状の強磁性金属粒子を製造す
る方法において,酸性方法に基づき第1工程で鉄(II)
塩溶液からγ−FeOOH目的生成物の量に対して,燐酸イ
オン0.5〜1.5重量%の存在下に空気を導入することによ
り同時に酸化させながらアルカリを添加してγ−FeOOH
芽晶を形成させ,次いで該芽晶を第2工程で4.0〜5.5の
反応懸濁液のpH値でγ−FeOOH目的生成物に更に成長さ
せ,引続き反応懸濁液中のγ−FeOOH粒子を二酸化珪素
及び/又は二酸化錫から成る表面被覆を施し,更に分離
後に350〜600℃の温度で脱水してα−酸化鉄(III)と
し,かつ熱処理し,かつ還元雰囲気内で300〜450℃の温
度で金属に還元することにより解決される。
発明の作用及び効果 本発明方法によれば,γ−FeOOH(鱗繊石)を酸性合成
に基づき鉄(II)塩溶液から同時に酸化させながらアル
カリを用いて製造する。この場合には,塩化鉄(II)水
溶液からアルカリ金属水酸化物又はアンモニアを用いて
10〜36℃の温度で微細な気泡を発生させるために空気を
導入しかつ激しく攪拌しながら酸化鉄(III)水和物芽
晶を使用した鉄の25〜60モル%の量まで形成させるのが
有利であることが立証された。オルト燐酸及び/又はそ
の第一級及び/又は第二級及び/又は第三級アルカリ金
属又はアンモニウム塩の形での燐酸イオンの添加は,有
利にはFe(OH)2沈殿の前,但し遅くとも酸化開始後にpH
値/時間線図(第1図参照)における特徴的屈曲点Bが
達成される時点で行う。燐酸イオンはγ−FeOOH目的生
成物に対して0.5〜1.5重量%,有利には0.75〜1.0重量
%の量で加える。引続き,芽晶から20〜70℃の温度でか
つ別のアルカリ量を添加することにより調整した,4.0〜
5.5のpH値で激しく空気を分配しながら成長により目的
生成物が生成する。成長終了後に,水性懸濁液中の水酸
化酸化鉄(III)の固体含量は10〜65g/lであるべきであ
る。
次いで,この鱗繊石粒子を反応懸濁液中で8〜10.5のpH
値で米国特許第4133677号明細書に基づき水ガラスの形
で珪素1〜3重量%,有利には1.5重量%で及び/又は
ドイツ連邦共和国特許第1907691号明細書に基づき錫1
〜3重量%,有利には1.5重量%で形状安定化被覆す
る。母液の分離及びこうして得られたγ−FeOOH粒子の
乾燥後に,不活性ガス雰囲気下に350〜600℃の温度で脱
水してα−Fe2O3とし,次いで該α−Fe2O3を自体公知方
法で300〜450℃の温度で水素を用いて金属に還元する。
こうして得られた微粒状粉末は,粒子の発火性を低下さ
せるために,空気又は酸素/不活性ガス混合物を通過さ
せることにより不動態化するのが望ましい。
本発明方法を実施する際には,表面被覆したα−酸化鉄
(II)を分解性有機化合物を用いてまず不活性ガス雰囲
気下で270〜650℃の温度でFeOx(1.40≧×≧1.33)に前
還元しかつ次いで引続き還元ガス例えば水素及び/又は
一酸化炭素を用いて金属形に転化するのが,場合によっ
ては有利であることが判明した。
本発明により製造される金属粒子は,磁気記録担体,特
にビデオ信号の記憶,更にまたオーディオ及びデータ媒
体用の磁性材料として極めて好適である。記憶媒体は自
体公知方法で製造される。このためには,金属粉末を常
用の添加物例えば分散助剤,油酸ナトリウム又は‐亜
鉛,ラウリン酸ナトリウム,パルミチン酸ナトリウム,
ステアリン酸ナトリウム並びに場合により非磁性充填
剤,例えば石英粉,珪酸塩ベースの粉末,酸化アルミニ
ウム又は酸化ジルコニウム,及び有機溶剤中に溶解した
結合剤,例えばエラストマーのポリウレタン,エポキシ
樹脂,塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体,イソシアネー
トで架橋されるOH基含有ポリウレタン並びにその混合物
と一緒に分散装置,例えばポット型又は攪拌型ミル内で
分散液に加工する。引続き,磁石分散液を常用のコーチ
ング機械を用いて非磁性支持体上に施す。非磁性支持体
としては,常用の支持体材料,特にポリエチレンテレフ
タレートのような線状ポリエステルから成る,一般に4
〜20μmの厚さのフィルムを使用することができる。支
持体上のなお液状の被覆混合物を乾燥させる前に,異方
性の磁石粒子を所定の記録方向に沿って磁界を作用させ
ることにより配向する。引続き,磁性層を加熱ロールと
研磨ロールとの間を通過させることにより平滑化しかつ
圧縮する。磁性層の厚さは一般に2〜6μmである。
実施例 次に実施例により本発明を説明しかつ比較実験との比較
により本発明により達成され得る技術的進歩性を示す。
鉄粉末の磁性値は,パルス磁化機で前磁化した後に振動
式マグネットメータを用いて160KA/mの最大磁界で測定
した。KA/mで測定した保磁力磁界強度の値は,粉末測定
においてQ=1.6g/cm3の充填密度を基準とした。比残留
磁気Mr/QはnTm3/gで示す。
個々の顔料を用いて製造した磁気記録担体の記録特性は
ビデオ範囲内でループ走行装置で測定することにより検
出した。この場合には,固定のビデオヘッドと,同時の
記録及び再生を可能にする回転式エンドレス磁気テープ
ループとを有する測定構造を使用した。測定値は標準テ
ープを基準とする。
個々のテープを特徴付けるための測定値量としては,ル
ミナンス信号/ノイズ比(HF−S/N),すなわち帯域幅3
0KHzでのノイズ波レベルの比並びにクロミナンス信号/
ノイズ比,すなわち帯域幅30KHzで測定された,0.75MHz
での色副搬送波レベル対ノイズ波レベルの比を利用し
た。該測定量は,小さい変調指数の場合,一定のスペク
トル信号密度(計0〜10MHz)の2つの同じ側帯波が生
じるように位相変調された5MHzの搬送波周波数をテープ
の最適な動作点として記録することにより得られる周波
数特性曲線から得られる。
該測定では,テープ/ヘッド相対速度は4.75m/sであ
り,再生のためにはフェライトヘッドを,記録のために
はセンダスト(Sendust)ヘッドを使用する。
実施例1 攪拌機,温度及びpH調節装置,及び窒素及び空気用のガ
ス導入装置を備えた10lのガラス容器に,工業用塩化鉄
(II)溶液(e=1.352g/cm3)を装入しかつ水で6lの全
容量に満した。この溶液にNaH2PO4・2H2O4.8g(=FeOO
Hの理論的収率に対してPO4 3-0.75%)を加えた。その
後,溶液のpH値は1.7であった。N2300l/hを導入しなが
ら,該バッチを20℃に調温した。引続き,蠕動ポンプを
用いて15重量%のNaOH1010ml(Fe(II)50%の充填度に
相当)を供給した。この場合,懸濁液の温度は容易に上
昇した。該溶液を再び20℃に冷却した後に,空気600l/h
を巡回させた,この場合反応温度は更に20℃に保持し
た。86分間後,芽晶形成が終了し,該懸濁液はpH3.4を
有していた。今や,他の反応条件を維持して20℃から32
℃に加熱しかつ15%のNaOH水溶液を供給することにより
自動的pH調節装置を用いてpH5.1で245分間以内で成長工
程を実施した。それに引続き,溶液のpHをNaOHを供給す
ることにより9.0に高めかつγ−FeOOH粒子をH2O250ml中
の水ガラス54.5gの添加により形状安定化被覆を施し
た。この場合,pHは合成の終了時に10.2に上昇した。γ
−FeOOH懸濁液を吸引濾過器を介して吸引濾過しかつ水
中で数回懸濁させることにより塩化物不含に洗浄した。
濾過ケーキを真空棚内で110℃で乾燥した。
得られたγ−FeOOHを回転フラスコ内で窒素流60Nl/h中
で500℃で30分間熱処理してα−Fe2O3としかつ引続き連
続的回転管型炉内で360℃及び滞在時間8hで,固体に対
して向流で誘導される水素220Nl/hで金属に還元した。
得られた金属粉末を,最後に空気/窒素混合物N230l/空
気5l/hで不動態化した。
測定結果は第1表に示す。
実施例2 実施例1に記載と同様に操作するが、但し装入物にNaH2
PO4・2H2O6.4gを加えた点を変更した(=γ−FeOOHの
理論的収率に対してPO4 3-1.0重量%)。芽晶期の継続時
間は67分間であり,成長期の時間は56分間であった。こ
の反応過程は第1図にpH/時間線図で表わす。芽晶形成
Iに,成長期II及び表面被覆過程IIIが引続いた。装入
物を調製した後,Aは空気の導入を開始した。屈曲点Bは
燐酸イオン供給を開始すべき瞬間を表わしかつCで水ガ
ラスの添加によりγ−FeOOH粒子の形状安定化被覆を行
った。金属粉末への転化は実施例1に記載と同様に実施
した。
測定結果は第1表に示す。
実施例3 攪拌機,温度及びpH調節装置,及び窒素及び空気のため
のガス導入装置を有する250lの容器に,工業用塩化鉄
(II)23.7l(FeCl2428g/l)及び水85lを装入した。そ
の後,溶液のpHは2.5であった。該溶液にN21000l/hを導
入しかつ20℃に調温した。目的温度が達成された後,10
分間以内で15%のNaOH18.4l(50%の充填度に相当)を
圧送した。充填直後に,水1中に溶かしたNaH2PO4
2H2O87.5gを供給した(γ−FeOOHの理論的収率に対し
て,PO4 3-0.75%に相当)。それに引続き,窒素流を空
気3700l/hに切換えた,この場合反応温度は更に20℃に
保持した。60分間後に芽晶形成が終了し,懸濁液はpH3.
4を有していた。今や,その他の条件を維持して20℃か
ら32℃に加熱しかつ15%のNaOHを供給することにより自
動的pH調節装置を用いてpH5.1で127分間以内で成長過程
を実施した。それに引続き,15%のNaOH3lの供給により
溶液のpHを9.0に調整しかつ水2l中に溶かした水ガラス8
80gを添加することにより,γ−FeOOH粒子をSiO2層で被
覆した。その後,溶液のpHは9.6であった。圧力吸引濾
過器を介して懸濁液を吸引濾過し,かつ濾液が塩化物不
含になるまで,温水で5回洗浄した。生成物を真空棚内
で110℃で乾燥させた。
得られたγ−FeOOHを窒素流中で500℃及び滞留時間90分
間で熱処理してα−Fe2O3としかつ引続き連続的回転管
炉内で300℃及び滞留時間7hで,固形物に対して向流で
導びいた水素3.5Nm3/hで金属に還元した。得られた金属
粉末を,最後に空気/窒素混合物で不動態化した。
測定結果は第1表に示す。
実施例4 実施例3に記載と同様に操作したが,但しこの場合には
Fe(OH)2を充填する前に燐酸塩の添加を行った。得られ
たγ−FeOOHを連続的回転管型炉内で窒素流中で550℃及
び滞留時間90分間で熱処理してα−Fe2O3としかつ引続
き連続的回転管型炉内で375℃及び滞留時間7hで金属に
還元した。得られた金属粉末を再び空気/窒素混合物で
不動態化した。
測定結果は第1表に示す。
実施例5 実施例4に記載と同様に操作したが,但しこの場合には
NaH2PO4・2H2O116.7g(γ−FeOOHの理論的収率に対し
て,PO4 3-1.0重量%)を加えた。成長期の終了後のγ−
FeOOHの被覆は次のようにして実施した:懸濁液を15%
のNaOHでpH9に調整した。引続き,水3l中に溶かしたNiS
O4・6H2O1001gを加えた。この場合,pH値は更にカセイ
ソーダ溶液を供給することにより9に維持した。引続
き,更に30分間攪拌しかつ次いで水約4l中に溶かした水
ガラス1201gを供給した。この際に,懸濁液のpHは10.1
に上昇した。更に30分間攪拌しかつ次いでオリーブ油20
0mlを加えた。更に30分間攪拌した後,完成した懸濁液
を圧力吸引濾過器に供給しかつ実施例3と同様に後処理
した。得られたγ−FeOOHを不連続的に回転フラスコ内
で窒素雰囲気下に380℃で前還元してFeOxとしかつ引続
き実施例3に記載と同様な連続的回転管型炉内で金属に
還元しかつ引続き不動態化した。
測定結果は第1表に示す。
実施例6 攪拌機,温度及びpH調節装置並びに空気及び窒素用のガ
ス導入装置を備えた10lのガラス容器内に,工業用塩化
鉄(II)溶液(密度=1.328g/ml)1.43l及び85%の燐酸
2.01ml(=PO4 3-0.75%)を装入しかつ水で6lに満たし
た。その後,溶液のpH値は1.44であった。N2200l/hを貫
通させながら,溶液を20℃に調温した。引続き,15.1%
のNaOH1000mlを供給することによりFe(II)イオンをFe
(OH)2として析出させた。次いで,空気600l/hに切換え
た。この際反応温度は20℃に保持した。75分間後に,芽
晶形成は終了し,該懸濁液はpH値4未満を有していた。
今や,他の反応条件を維持して20℃から32℃に加熱しか
つ15.1%のNaOH水溶液を供給することにより自動的pH調
節装置を用いてpH5.1で210分間以内成長工程を実施し
た。それに引続き,濃HCl5mlに溶かし,水で100mlに補
充したSnCl2・2H2O11.82gを加えた。その後,溶液のpH
値は1.6であった。15.1%のNaOHを用いて,該溶液を再
びpH7に調整しかつオリーブ油10mlを加えた。
完成した懸濁液を吸引濾過器を介して吸引濾過しかつ水
中に数回懸濁させることにより塩化物不含に洗浄した。
濾過ケーキを真空棚中100℃で乾燥した。被覆したγ−F
eOOHを回転フラスト内で窒素雰囲気中で380℃で30分間
熱処理することにより有機成分を分解させて前還元して
FeOとしかつ引続き連続的回転管型炉内で水素流中で300
℃及び滞留時間8hで金属に還元した。発火性金属粉末を
再びN2/空気混合物で不動態化した。
測定結果は第1表に示す。
実施例7 実施例5に記載と同様に操作したが、但しこの場合には
装入物中に85%の燐酸2.68mlを加えた(=γ−FeOOHに
対してPO4 3-1.0%)。γ−FeOOHから金属顔料への転化
条件は同様に実施例5記載と同じであった。
測定結果は第1表に示す。
実施例8 攪拌機,温度及びpH調節装置並びに空気導入装置を備え
た有効容積51m3を有する容器に,水24m3,30.65%の塩化
鉄(II)溶液及び62%の燐酸12.1kg(=PO4 3-0.5%)を
装入した。攪拌しながら、温度20〜22℃で30分間以内で
NaOH(15%)5.4m3を供給しかつ引続き空気2700Nm3/hを
導入した。300分間後,芽晶形成は終了した。オレンジ
色に着色された懸濁液のpH値は2.8であった。温度を35
℃に高めた後に,更に空気(2700Nm3/h)を導入しなが
らpH値をpH調節装置で5.15±0.15に調節し,14.9%のNaO
H5.4m3を270分間以内で供給した。成長期の終了時に,
反応混合物にSnCl2・2H2O11.4kgを水に溶かして加えか
つpHを8.0に調節した。引続き,該懸濁液を攪拌しなが
ら循環させた。
上記懸濁液の1/2にオリーブ油30lを加え,50℃に加熱し
かつ更に2h攪拌した。次いで,懸濁液をフィルタープレ
スで濾過しかつ固体をpH7になるまで水で洗浄した。生
成物の乾燥はベルト式乾燥機内で空気に接触させて160
℃で行った。
得られたγ−FeOOHを窒素流中で450℃で90分間熱処理す
ることにより有機化合物を分解させてFeOxに前還元しか
つ引続き流動床反応器内で330〜350℃で28時間水素で金
属に還元した。それに引続き,発火性金属粒子をN2/空
気混合物中で不動態化した。
測定結果は第1表に示す。
実施例9 実施例3と同様に操作したが,但しこの場合には成長期
の終了後の形状安定化被覆をニッケル1重量%及びSiO2
1.5重量%を有する母液中で実施した。
得られたγ−FeOOHを窒素流中700℃及び滞留時間90分間
で熱処理してニッケルドープされたα−Fe2O3としかつ
引続き連続的回転管型炉内で400℃及び滞留時間7時間
で,固形物に対して向流で導びいた水素3.5Nm3/hで金属
に還元した。最後に,得られた金属粉末を空気/窒素混
合物で不動態化した。
測定結果は第1表に示す。
比較実験1 攪拌機,温度及びpH調節装置並びに空気導管を備えた有
効容積51m3を有する容器に水24m3を入れた。引続き,30.
5%の工業用FeCl2溶液6.95m3を加えかつ該溶液を21℃に
調温した。15.0%のNaOH5.40m3を加えることにより,Fe
(OH)2とFe(II)イオン50%を沈殿させた。引続き,22〜
24℃で空気3000m3/hを懸濁液を通過させ,次いで220分
間後に芽晶形成が終了した。その他は同じ条件下で,今
や懸濁液を33〜34℃に加熱しかつ15.0%のNaOH5.24m3
pH調節下に供給しながらpH4.9±0.2で275分間以内成長
工程を実施した。成長期の終了後に,懸濁液をpH5.5に
調節し,ダイヤフラムフィルタープレスを介して濾過し
かつ塩化物不含に洗浄した。該生成物をベルト式乾燥機
内で170℃で空気に接触させて塩化物不含に洗浄した。
得られたγ−FeOOHを450℃及び窒素流15Nm3/hで60分間
脱水しかつ引続き320〜340℃で17時間水素流内で金属に
還元した。それに引続き,窒素/空気混合物中で金属粒
子の不動態化を行った。
測定結果は第1表に示す。
比較実験2 実施例8に記載と同様に操作したが,但しこの場合には
成長工程も20℃で実施しかつ成長工程中のpH値を3.6〜
3.8に維持した。該生成物を回転乾燥機で170℃で空気に
接触させて乾燥した。得られたγ−FeOOHをSiO21%で
形状安定化被覆した後に,金属顔料への転化を350℃で3
8時間水素流中で還元することにより行った。それに引
続き,生成物を窒素/空気混合物で不動態化した。
測定結果は第1表に示す。
比較実験3 実施例1に記載と同様に操作したが、但しこの場合には
芽晶形成をNaH2PO4・2H2O12.8g(=γ−FeOOHの理論的
収率に対してPO4 3-2.0%)の存在下に実施した。金属顔
料への転化は,回転フラスコ内で窒素雰囲気下に熱処理
してFe2O3としかつ引続き不連続的回転管型炉内で380℃
で水素で還元することにより行った。
測定結果は第1表に示す。
実施例B1〜B8 同じ容量部のテトラヒドロフランとジオキサンの混合物
中のアジピン酸,ブタンジオール−1,4及び4,4′−ジイ
ソシアネートジフェニルメタンから成る熱可塑性ポリエ
ステルウレタンの12.5%の溶液640部並びに同じ溶剤混
合物中のビスフェノールAとエピクロルヒドリンから成
るフェノキシ樹脂の20%の溶液100部を,それぞれ第2
表に記載の実施例及び比較実験1〜3の金属粉末810
部,油酸ナトリウム2.25部,酸化アルミニウム27部,保
磁力磁界強度50kA/mを有する二酸化クロム90部,分子量
10000を有するビニルピロリドン−ビニルアセテート共
重合体14部及び更に前記溶剤混合物600部と,容積6000
容量部を有しかつ直径4〜6mmの鋼球8000部が充填され
たボールミル内で4日間分散させた。引続き,なお前記
ポリエステルウレタン溶液640部及びフェノキシ樹脂溶
液100部並びにステアリン酸ブチル18部,ステアリン酸
4.5部及びフェノキシ樹脂溶液400部並びにステアリン酸
ブチル18部,ステアリン酸4.5部及び前記溶剤混合物400
部を加えかつ再度24時間分散させた。得られた分散液を
加圧下に5μmの孔を有する濾過器を通して濾過しかつ
厚さ14.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に常用のリネアルキャスターを用いて被覆した。
被覆したフィルムを磁性粒子を整列させるために磁界を
通過させた後温度60〜80℃で乾燥させた。乾燥後に,被
覆したフィルムの磁性層を加熱ロール(90°)間を線状
圧35kg/cmで2回通過させることにより圧縮しかつ平滑
にした。その後,磁性層の厚さは4μmであった。被覆
したフィルムを1/2インチ幅のビデオテープに切断した
後に,該テープをループ走行装置で試験した。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明方法による反応過程のpH値/時間関係を示
す線図である。 A……空気導入開始点,B……燐酸イオン供給時点,C……
水ガラス添加時点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ギュンター、フェート ドイツ連邦共和国、6703、リムブルガーホ ーフ、ヴォークシュトラーセ、35 (72)発明者 ヘルムート、ヤクシュ ドイツ連邦共和国、6710、フランケンター ル、ロルシャー、リング、6 ツェー (72)発明者 イェーネ、コファクス ドイツ連邦共和国、6717、ヘスハイム、カ ントシュトラーセ、9

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】形状安定化表面被覆が施された針状の水酸
    化酸化鉄(II)から脱水により得られたα−酸化鉄(II
    I)を還元することにより,主に鉄から成る針状の強磁
    性金属粒子を製造する方法において,酸性方法に基づき
    第1工程で鉄(II)塩溶液からγ−FeOOH目的生成物の
    量に対して,燐酸イオン0.5〜1.5重量%の存在下に空気
    を導入することにより同時に酸化させながらアルカリを
    添加してγ−FeOOH芽晶を形成させ,次いで該芽晶を第
    2工程で4.0〜5.5の反応懸濁液のpH値でγ−FeOOH目的
    生成物に更に成長させ,引続き反応懸濁液中のγ−FeOO
    H粒子を二酸化珪素及び/又は二酸化錫から成る表面被
    覆を施し,更に分離後に350〜600℃の温度で脱水してα
    −酸化鉄(III)とし,かつ熱処理し,かつ還元雰囲気
    内で300〜450℃の温度で金属に還元することを特徴とす
    る,主に鉄から成る針状の強磁性金属粒子の製法。
  2. 【請求項2】表面被覆が施されたα−酸化鉄(III)を
    分解性有機化合物を用いてまず不活性雰囲気下に270〜6
    50℃の温度で前還元してFeOx(該式中,1.40≧×≧1.33
    である)とし,それに引続き還元ガス,例えば水素及び
    /又は一酸化炭素,を用いて金属形に転化させる特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
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