JPH0683817U - 嵌込みキャップ式金属瓦棒屋根 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 金属製屋根材の立ハゼにアールを付けて加工
し、雨水の浸入を防ぐ。又金属製屋根材の立ハゼに容易
に嵌着することができる嵌込みキャップ式金属瓦棒屋根
を提供する。 【構成】 金属板の下部を直角に折曲して取付面６を設
け、上端中央に切れ込みを入れて片方の上部先端を右側
斜下に、他方の上部先端を左側斜下に折曲したハゼ止め
５を設けた吊り子３を複数屋根面９に取付け、金属材の
両側端をコーナー８にアールを付けて垂直に折曲し、上
部を内側にアールを付けて斜下に折曲した立ハゼ２を設
けた金属製屋根材１を複数形成し、屋根面９に取付けら
れた複数の吊り子のハゼ止め下部に金属製屋根材の立ハ
ゼを、挿着し、吊り子の両側に挿着された双方の立ハゼ
の上部からΩ形状に形成されたキャップ式金属瓦棒４の
下端が金属製屋根材のコーナーに接触するまで嵌込んで
金属製屋根材１を連結した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、金属製の屋根材に設けられた立ハゼを金属製瓦棒により連結して 複数の金属製屋根材で建築物の屋根全体を覆う嵌込みキャップ式金属瓦棒屋根に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の嵌込みキャップ式金属瓦棒屋根の従来例１は、図８，９，１０に示すよ うに、下部を垂直に折曲して取付面２３を設けた金属製の吊り子２２を形成し、 その吊り子２２の取付面２３を屋根面２５に接地し、吊り子２２の取付面に取付 具２４を鋲着して吊り子２２を屋根面２５に取付ける。

【０００３】 金属製屋根材２０の両側端を屋根面２５に対して垂直に折曲し、コーナーに棚 部２７を設け、その上方を金属製屋根材２０の内側方向斜下に折曲した立ハゼ２ １を形成する。以上のように形成された金属製屋根材２０を、前記屋根面２５に 取付けた吊り子２２の両側に密着させる。吊り子２２の両側に密着された金属製 屋根材２０の立ハゼ２１を吊り子２２の上部先端の中央部を裂いて片方を右側へ もう片方を左側へ折曲して押える。 次に、吊り子２２により押えられた立ハゼの上部から断面形状がＣ形状のキャ ップ式金属瓦棒２６を嵌着する。以上のような嵌込みキャップ式金属瓦棒屋根が 知られている。

【０００４】 又そのような方法とは別の従来例２は、図１１，１２，１３に示すように、下 部を外側に折曲して取付面３６を設け、上部先端を外側に折曲したハゼ止め３７ を設けたキャップ形状の吊り子３２を形成する。その吊り子３２の取付面３６を 屋根面３４に接地し、吊り子３２の取付面に取付具３５を鋲着して吊り子３２を 屋根面３４に取付ける。

【０００５】 金属製屋根材３０の両側端をコーナーにアールを付けて垂直に折曲し、更に上 部を内側へ斜下に折込んだ立ハゼ３１を形成する。その金属製屋根材３０を複数 形成し、その金属製屋根材３０の立ハゼを前記屋根面３４に取付けられた吊り子 ３２の両側端に密着させ双方の背合わせに密着された立ハゼ３１の上部から断面 形状が横幅の広いΩ形状のキャップ式金属瓦棒３３を嵌着する方法が知られてい た。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の方法には次のような欠点があった。 従来例１は、金属製屋根材の加工が難しく、キャップ式金属瓦棒を嵌着して形 成された状態において、金属製屋根材の棚部と立ハゼ部の変形が多く外部からの 荷重に対し弱い形状であった。 従来例２は、キャップ式金属瓦棒の形状が複雑で加工が難しく、又水密性に欠 けるという問題があった。 本考案は、上記欠点を解消し、金属製屋根材の立ハゼにアールを付けて加工す る曲面加工を容易にし、水密性を高め毛細管現象を断ち、雨水の浸入を防ぐ。又 外部からの荷重に対する抵抗力を高め、金属製屋根材の立ハゼに容易に嵌着する ことができる嵌込みキャップ式金属瓦棒屋根を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

かかる課題を解決した本考案の要旨は、金属板の下部を直角に折曲して取付面 を設け、上端中央に切れ込みを入れて片方の上部先端を右側斜下に、もう片方の 上部先端を左側斜下に折曲したハゼ止めを設けて形成された吊り子を複数屋根面 に取付け、金属材の両側端をコーナーにアールを付けて垂直に折曲し、更に上部 を内側にアールを付けて斜下に折曲した立ハゼを設けた金属製屋根材を複数形成 し、前記屋根面に取付けられた複数の吊り子の一方側のハゼ止め下部に金属製屋 根材の立ハゼを、もう一方側のハゼ止め下部に他の金属製屋根材の立ハゼをそれ ぞれ挿着させ、吊り子の両側に挿着された双方の立ハゼの上部からΩ形状に形成 されたキャップ式金属瓦棒の下端が前記金属製屋根材のコーナーに接触する状態 まで嵌込んで金属製屋根材同志を連結したことを特徴とする嵌込みキャップ式金 属瓦棒屋根にある。

【０００８】

【作用】

この構成により本考案は、金属製屋根材のコーナーにアールを付けて折曲し立 ハゼを設けることにより屋根形状のアーチ加工を容易にしている。キャップ式金 属瓦棒を吊り子の両側に挿着された双方の立ハゼの上部から嵌込んだ時、キャッ プ式金属瓦棒の下端が金属製屋根材のコーナーに接触する。接触面が長く、又途 中でキャップ式金属瓦棒と金属製屋根材の接触面が中断していることにより水密 性を高め、毛細管現象をなくし雨水の浸入を防ぐ。

【０００９】 金属製屋根材の側端をコーナーにアールを付けて垂直に折曲し、更に上部を内 側にアールを付けて斜下に折曲した立ハゼを屋根面に取付けられた複数の吊り子 の両側に挿入される。その吊り子の両側に挿入された双方の金属製屋根材の立ハ ゼのハゼ部が内側を向き背合わせに吊り子を挟んで、その吊り子に設けたハゼ止 めで押えられて取付けられるため、外部からの負担に対する抵抗力が強く、金属 製屋根材とキャップ式金属屋根材の変形が少ない。 キャップ式金属屋根材の金属材の弾性により嵌入することにより嵌込み易くし っかりと金属製屋根材に嵌着される。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は実施例の側面図、図２は実施例の斜視図、図３は実施例の金属製屋根材 にキャップ式金属瓦棒を嵌め込んで屋根全体を葺いた説明図、図４は図２のＡ− Ａ線における断面図、図５は実施例の吊り子の両側に金属製屋根材の立ハゼを挿 入する状態の工程図、図６は実施例の立ハゼを吊り子に挿着し、その上からキャ ップ式金属瓦棒を嵌込む状態の工程図、図７は実施例の完成状態を示す工程図で ある。

【００１１】 図中、１は金属製屋根材、２は立ハゼ、３は吊り子、４はキャップ式金属瓦棒 、５はハゼ止め、６は取付面、７は取付具、８はコーナー、９は屋根面である。

【００１２】 実施例では、図２，３に示すように、金属板の下部を直角に折曲して取付面６ を設ける。その金属板の上端中央に切れ込みを入れて金属板の上部先端を右側斜 下に折曲し、もう片方の上部先端を左側斜下に折曲したハゼ止め５を設けて吊り 子３を形成する。以上の方法により複数の吊り子３を形成し、形成された吊り子 ３の取付面６を屋根面９に接地し、取付面６から取付具７を鋲着して屋根面９に 吊り子３を取付ける。

【００１３】 金属材の両側端をコーナー８にアールを付けて垂直に折曲し、更に折曲した上 部を内側にアールを付けて斜下に折曲した立ハゼ２を設けて金属製屋根材１を形 成する。以上の方法により複数の金属製屋根材１を形成し、屋根面９に複数取付 けられた吊り子３の一方側のハゼ止め５の下部に金属製屋根材１の立ハゼ２を挿 着し、もう一方側のハゼ止め５の下部に他の金属製屋根材１の立ハゼ２を挿着さ せる。

【００１４】 次に図４，５に示すように、吊り子３の両側に挿着された双方の立ハゼ２の上 部からΩ形状のキャップ式金属瓦棒４を嵌込んで金属製屋根材１を図６に示すよ うに屋根全体を葺いていく。 以上の如く構成された本実施例は、金属製屋根材１のコーーナー８にアールを 付けて垂直に折曲し、更に上部を内側にアールを付けて斜下に折曲した立ハゼ２ を設けることにより屋根形状のアーチ加工を容易にしている。

【００１５】 キャップ式金属瓦棒４を吊り子３の両側に挿着された双方の立ハゼの上部から 嵌込んだ時、キャップ式金属瓦棒４の下端が金属製屋根材１のコーナー８に接触 する接触面が長く、又途中で接触面が中断されることにより、雨水が金属製屋根 材１のコーナー８とキャップ式金属瓦棒４の接触面から毛細管現象により浸入し たとしてもキャップ式金属瓦棒４の内部まで浸入することはない。しかし万が一 浸入したとしても、金属製屋根材１のコーナー８とキャップ式金属瓦棒４の接触 面が途中で中断されていることにより浸入した雨水はそれ以上浸入することはで きず、キャップ式金属瓦棒４と立ハゼ２との接触面を越えて雨水が屋根面９まで 浸入することはなく、水密性を高め毛細管現象をなくし雨水の浸入を防ぐ。

【００１６】 金属製屋根材１の内側に向かって斜下に折曲した立ハゼ２が吊り子３を挟んで 背合わせに取付けられ、吊り子３のハゼ止めにしっかりと押えられた状態の上か らキャップ式金属瓦棒４を嵌入することにより、外部からの負担に対する抵抗力 が強く、金属製屋根材１とキャップ式金属屋根材の変形が少ない。又、キャップ 式金属屋根材１の金属材の弾性により嵌入するので嵌込み易くしっかりと金属製 屋根材１に嵌着される。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は、金属製屋根材のコーナー部とハゼ部にアールを付け屋根形状のアー チ加工を容易にし、金属製屋根材のコーナー部とキャップ式金属屋根材の下端と の接地面を長くし、その途中で接地面を中断することにより水密性を高め、毛細 管現象をなくし雨水の浸入を防ぐ。金属製屋根材の立ハゼが屋根面に取付けられ た吊り子を挟み、背合わせに他方の金属製屋根材の立ハゼと背合わせに取付けら れ、その上からキャップ式金属屋根材を嵌着することにより外部からの負担に対 する抵抗力が強く、金属製屋根材とキャップ式金属屋根材の変形が少ないという 効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の側面図である。

【図２】実施例の斜視図である。

【図３】実施例の金属製屋根材にキャップ式金属瓦棒を
嵌め込んで屋根全体を葺いた説明図である。

【図４】図２のＡ−Ａ線における断面図である。

【図５】実施例の吊り子の両側に金属製屋根材の立ハゼ
を挿入する状態の工程図である。

【図６】実施例の立ハゼを吊り子に挿着し、その上から
キャップ式金属瓦棒を嵌込む状態の工程図である。

【図７】実施例の完成状態を示す工程図である。

【図８】従来例１の金属製屋根材を吊り子に取付ける状
態の工程図である。

【図９】従来例１のキャップ式金属瓦棒を取付ける状態
の工程図である。

【図１０】従来例１の完成状態の工程図である。

【図１１】従来例２の金属製屋根材を吊り子に取付ける
状態の工程図である。

【図１２】従来例２のキャップ式金属瓦棒を取付ける状
態の工程図である。

【図１３】従来例２の完成状態の工程図である。

【符号の説明】

１ 金属製屋根材 ２ 立ハゼ ３ 吊り子 ４ キャップ式金属瓦棒 ５ ハゼ止め ６ 取付面 ７ 取付具 ８ コーナー ９ 屋根面 ２０ 金属製屋根材 ２１ 立ハゼ ２２ 吊り子 ２３ 取付面 ２４ 取付具 ２５ 屋根面 ２６ キャップ式金属瓦棒 ３０ 金属製屋根材 ３１ 立ハゼ ３２ 吊り子 ３３ キャップ式金属瓦棒 ３４ 屋根面 ３５ 取付具 ３６ 取付面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属板の下部を直角に折曲して取付面を
   設け、上端中央に切れ込みを入れて片方の上部先端を右
   側斜下に、もう片方の上部先端を左側斜下に折曲したハ
   ゼ止めを設けて形成された吊り子を複数屋根面に取付
   け、金属材の両側端をコーナーにアールを付けて垂直に
   折曲し、更に上部を内側にアールを付けて斜下に折曲し
   た立ハゼを設けた金属製屋根材を複数形成し、前記屋根
   面に取付けられた複数の吊り子の一方側のハゼ止め下部
   に金属製屋根材の立ハゼを、もう一方側のハゼ止め下部
   に他の金属製屋根材の立ハゼをそれぞれ挿着させ、吊り
   子の両側に挿着された双方の立ハゼの上部からΩ形状に
   形成されたキャップ式金属瓦棒の下端が前記金属製屋根
   材のコーナーに接触する状態まで嵌込んで金属製屋根材
   同志を連結したことを特徴とする嵌込みキャップ式金属
   瓦棒屋根。