JPS62356Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属製の角形反り樋に関するものであ
る。反り樋は特殊な屋根形状に使用する樋である
が、寺院の屋根などに多く見られ、隅部で上方に
反り上り、且つ外方にも反つている部分に取付け
られ、屋根形状に沿つて曲成された軒樋の一種で
ある。

従つて反り樋は屋根の隅部形状に適合するよう
に曲成されるが、このような反り樋を製作するの
は難かしいため熟練を要し、特に角形反り樋の場
合は従来より側面板に多数の切込みを入れ段階的
に折り曲げて形成していたため施工した後の外観
も見苦しいものであり、又製作にも多大の手間を
要するものであつた。

このような従来例に対し本考案による金属製角
形反り樋は金属板をプレス成形した底面板及び両
側面板を係合圧接して形成するものであり、容易
に製作でき且つ施工後の外観も良好なるものであ
る。

以下本考案の一実施例を図面に従つて詳説す
る。

第１図は本考案による金属製の角形反り樋１の
分解斜視図であり、第２図は同じく角形反り樋１
の斜視図である。

第１図に於いて金属板をプレス成形した底面板
１１は両側端縁を立ち上げ、更に先端を外側に折
り返して係合部１５が設けられ、全体が大きな曲
率をもつて側方と上方に曲成されている。

又、側面板１２及び１３も底面板１１と同一の
曲率をもつて側方と上方に曲成されており、建物
の目につきやすい前面に位置して施工される側面
板１２は中間に装飾のための段部１７を有し、上
端には補強のための耳部１４が形成してある。

一方、側面板１２と相対して底面板１１に固定
される側面板１３の上端にも耳部１４が設けら
れ、両側面板１２及び１３とも下端縁を内側上方
に折り返して係合部１６，１６が形成されてい
る。

そして上記のような底面板１１の係合部１５，
１５と側面板１２及び１３の係合部１６，１６を
係合するが、係合部１５の外側に折り返した先端
部分にて係合部１６を抱持するように係合し圧接
固着して接続する。

第２図はこのようにして完成した角形反り樋１
の斜視図を示すが、係合接続した部分は側面板１
２，１３の下隅部に上下方向に沿つて形成される
ため側面板１２，１３が不安定とならず強固に接
続できるものである。

第３図ａ，ｂ，ｃ，ｄは完成した角形反り樋１
を示す図であり、それぞれ正面図，平面図，右側
面図，及び第３図ａに於けるＡ−Ａ断面の拡大図
であるが、図示する如く先端にゆくに従つて外側
に曲成され且つ上方に反り上つているものであ
る。

又第４図は本考案による角形反り樋１を寺院な
どの屋根隅部が上方に反つている屋根に施工した
時の正面図であるが、曲成されている屋根形状に
沿つて樋も曲成され外観も優美なものである。

以上述べたように本考案による金属製の角形反
り樋はプレス成形した底面板と両側面板を係合し
て圧接固着するだけで容易に製作でき、又コスト
も安価にして施工後の外観も良好なるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である角形反り樋の
分解斜視図、第２図は同上の角形反り樋の斜視
図、第３図ａは同上の角形反り樋の正面図、第３
図ｂは同上の角形反り樋の平面図、第３図ｃは同
上の角形反り樋の右側面図、第３図ｄは第３図ａ
に於けるＡ−Ａ断面の拡大図、第４図は本考案に
よる角形反り樋を建物に施工した時の正面図であ
る。 １……角形反り樋、１１……底面板、１２……
側面板、１３……側面板、１４……耳部、１５…
…係合部、１６……係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 大なる曲率をもつて側方及び上方に曲成した底
   面板の両側端縁を立ち上げ、更に先端を外側に折
   り返して係合部を設け、両側面板の下端縁を内側
   上方に折り返して係合部とし、底面板及び側面板
   の係合部どうしを係合圧着してなる金属製角形反
   り樋。