JPH0683759B2 - シャツ折りたたみ機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ワイシャツなどのシ
ャツを折りたたむための折りたたみ機に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】シャツを長手方向に折りたたむ折りたた
み機として、従来、本出願人が特願平２−１９８４８３
号により提案したものがある。

【０００３】この折りたたみ機は、図１６及び図１７に
示すように、シャツの移動路上に設けた受台４０の上面
に、シャツの横折り幅で対向する上端部が屈曲したガイ
ド軸４１、４２を回転可能に設け、受台４０の端部に、
ガイド軸４１、４２の上方を超えて回動する折返し棒４
３を取付けた構造となっている。この構造では、受台４
０の上面にセットしたシャツをガイド軸４１、４２によ
って幅方向と上方向から規制し、その状態で折返し棒４
３を回動させて、受台４０から垂れ下げたシャツの裾を
ガイド軸４２を支点として折返す。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構造のシ
ャツ折りたたみ機においては、シャツのサイズ変化によ
って受台４０から垂れ下がるシャツの裾長さが短くなっ
た場合、折返し棒４３の折返しの際に折返し棒からシャ
ツの裾が簡単に外れてしまい、折返しができない場合が
ある。

【０００５】また、クリーニングした後、のり付けとア
イロン加工によって仕上げられたシャツは、生地が固く
大きな弾力性を有しているため、予めシャツを幅方向に
折り畳んでおいても生地が膨れて元の状態に戻りやす
く、このため、ガイド軸４１、４２によりシャツを固定
する際に、回動するガイド軸と膨れたシャツが干渉し
て、シャツを型崩れさせるという問題がある。

【０００６】さらに、このようなシャツの復元性は、折
返し棒４３でシャツの裾を折返した後その折返し棒が復
帰する際にも、膨れたシャツの裾と折返し棒を干渉さ
せ、シャツを型崩れさせやすい不具合をもっている。

【０００７】そこで、この発明は、生地の復元力の強い
シャツに対しても長手方向に確実に折返すことができる
シャツ折りたたみ機を提供するとを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の折りたたみ機は、上面にシャツが長手方
向に引き延ばされた状態でセットされる受台と、シャツ
の長手方向とは直交する方向にスライドするスライド部
材とを備え、上記スライド部材に、受台の上面に対して
接近離反する押え板と、受台の上面に沿って押え板の厚
み以上の高さで上記シャツの長手方向に移動する折り板
とを設け、受台の端部に、上記折り板の移動高さよりも
高い位置でシャツを支持する支持部材を設けた構造とし
たのである。

【０００９】

【作用】上記の構造においては、先ず、スライド部材を
スライドさせて、押え板と折り板を受台の上面に干渉し
ない位置に移動させ、シャツの裾の端部を支持部材から
垂れ下げた状態で受台の上面にシャツをセットする。

【００１０】次に、押え板と折り板を受台の上方にスラ
イドさせ、押え板によりシャツを受台に固定した後、折
り板を支持部材を設けた受台の端部からシャツの長手方
向に移動させる。この折り板の移動により、押え板を支
点としてシャツの裾が折返される。

【００１１】裾を完全に折返すと、スライド板を移動さ
せ、折り板と押え板を横方向に引き抜く。

【００１２】

【実施例】図１は、実施例のシャツ折りたたみ機の全体
構造を示す。この折りたたみ機は、シャツを定形の幅寸
法に折りたたむ横折り部１と、横折りしたシャツを長手
方向に折りたたむ縦折り部２とを備え、その両折り部
１、２の間にシャツの移動機構を設けて形成されてい
る。

【００１３】横折り部１は、前後方向に配置される固定
受板３と可動受板４を備え、可動受板４は、基台５に対
して昇降する昇降フレーム６にかけ渡した案内棒７に連
結されている。この固定受板３と可動受板４は、幅寸法
が所定の折りたたみ幅で形成され、その可動受板４全体
と固定受板３の一部とでシャツＳを長手方向に引き延ば
してセットできるようになっている。

【００１４】上記可動受板４及び固定受板３の両側に
は、図１乃至図３に示すように、上下方向にすき間をあ
けて配列した５個の折り板Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅと２個の
折り板Ｆ、Ｇ、それぞれが各受板の下方にスライド可能
に設けられている。この各折り板Ａ〜Ｇは、各受板３、
４の上方に設けたガイド棒８、９と駆動シリンダ１０、
１１に連結しており、そのうち、折り板Ａ〜Ｅのガイド
棒８と駆動シリンダ１０が可動受台と共に、昇降フレー
ム６の案内棒７に取付けた摺動部材１２に連結されてい
る。

【００１５】この摺動部材１２と昇降フレーム６との間
には、可動受板４と折り板Ａ〜Ｅを案内棒７に沿って一
体で移動させる前後進用シリンダ１３が取付けられてい
る。

【００１６】また、基台５上には、固定受板３の全体に
セットしたシャツを可動受板４の端部まで移動させるシ
ャツ搬送装置１４が設けられている。

【００１７】一方、縦折り部２は、図４乃至図７に示す
ように、昇降フレーム６の案内棒７の端部に固定される
シャツ受台１５と、その受台１５に対して横方向にスラ
イドする一対のスライド板１６、１７とを備えており、
受台１５の上面１５ａは、昇降フレーム６の案内棒７を
移動してくる可動受板４に対して、後端側が接近する傾
斜面を形成している。

【００１８】上記各スライド板１６、１７は、受台１５
の下面に固定したフレーム１８に横方向のガイド棒１
９、２０と移動シリンダ２１、２２を取付け、そのガイ
ド棒１９、２０にリニアベアリング２３を介して移動自
在に取付けられており、互いに反対方向に伸縮する移動
シリンダ２１、２２の作動により、受台１５にセットさ
れるシャツＳの長手方向とは直交する方向に逆向きに移
動するようになっている。

【００１９】また、各スライド板１６、１７の中央部に
は、上下方向に伸縮する昇降シリンダ２４、２４が取付
けられ、その昇降シリンダに裾押え板２５、２５が取付
けられている。さらに、各スライド板１６、１７の側辺
には、受台１５の長手方向に伸縮する折返し用シリンダ
２６、２６が取付けられ、その各折返し用シリンダ２
６、２６にそれぞれ折り板２７、２７が連結されてい
る。この各折り板２７、２７は、図６に示すように受台
１５からの高さＨが、受台に圧着した裾押え板２５より
もシャツの布地が挿通可能なすき間分だけ高くなるよう
に設定されており、各折返し用シリンダ２６の作動によ
り、受台１５の前端から後端に至る範囲で、何の干渉を
受けることなく受台１５の上面１５ａに沿ってスライド
できるようになっている。

【００２０】また、受台１５の前端部には、その前端部
全体を上下に覆う支持部材２８が取付けられている。こ
の支持部材２８の上部分は、各折り板２７、２７の移動
高さＨよりも高い位置で受台１５の後端側に向かって屈
曲するガイド部２９になっており、そのガイド部２９と
受台１５上面との間に、折り板２７、２７が横方向から
入り込める間隔３０が形成されている。

【００２１】次に、上記の構造で成る実施例の作用を説
明する。固定受板３の後端部に、ボタンの面を上側に向
け、両袖と胴部の両側縁を固定受板の両側から垂れ下げ
た状態でシャツＳをセットし、そのシャツＳをシャツ搬
送装置１４により可動受板４の先端まで移動させる。

【００２２】次に、可動受板４と固定受板３の両側の折
り板Ａ〜Ｇを、図７に示すように、上側のものから順に
各受台の下方にスライドさせ、垂れ下がったシャツの袖
や胴部を各受板３、４の下方に折りたたむ。

【００２３】このようにシャツを横折りした後、昇降シ
リンダ３１により昇降フレーム６を作動させ、可動受板
４と各折り板Ａ〜Ｅを上昇させると、図８に示すよう
に、シャツＳは、上半部が可動受板４に折りたたまれた
状態で、その下半部が固定受板３から引き上げられる。

【００２４】また、このシャツの引き上げ時、縦折り部
２において、図９に示すように両スライド板１６、１７
を外側にスライドさせて、各裾押え板２５、２５と折り
板２７、２７を受台１５の上面に干渉しない位置まで移
動させると共に、折返し用シリンダ２６、２６を伸長さ
せて、各折り板２７、２７を受台１５の前端部（折返し
開始位置）まで移動させる。

【００２５】その状態から、前後進用シリンダ１３を作
動させて、可動受板４を縦折り部２の受台１５に向かっ
て移動させると、図１０に示すようにシャツの下半部が
受台１５の上面に摺接し、シャツは受台１５と可動受板
４との間で長手方向の中央部から折返される。この場
合、シャツの下半部は、受台１５の上面に沿って長手方
向に延ばされ、その裾の端部は、支持部材２８のガイド
部２９から垂れ下がった状態になる。

【００２６】次に、図１１に示すように裾押え板２５、
２５を、シャツ生地のもつ弾力性によって受台１５上で
膨れるシャツの厚みよりも十分に高い位置まで上昇させ
た状態で、各スライド板１６、１７を受台１５の下側に
移動させ、各折り板２７、２７を、支持部材２８と受台
１５の間の間隔３０に入り込ませる。

【００２７】ついで、図１２に示すように、裾押え板２
５、２５を下降してシャツの裾を受台１５に固定し、次
に、折り板２７、２７を受台１５の後端に向かって移動
させる。これにより、図１３に示すように、シャツの裾
は、裾押え板２５、２５の端縁から折返され、折り板２
７、２７の移動と共に長手方向に折りたたまれる。

【００２８】この折返しの際、裾押え板２５、２５が常
に受台１５の上面に圧着した状態にあるため、折り板２
７、２７は、裾押え板２５、２５と干渉せずにスムーズ
に移動する。

【００２９】折り板２７、２７が、シャツ上半部と下半
部との折返し位置まで移動すると、その位置で折り板の
動きを止め、図１４に示すように前後進用シリンダ１３
を作動させて、可動受板４を受台１５から離反させる。
これにより、折りたたんだシャツの上半部から可動受板
と折り板Ａ〜Ｅが引き抜かれるが、折り板２７がシャツ
を押さえているために、折り板の引き抜きによりシャツ
がずれようとする動きが防止され、シャツが定位置で保
持される。

【００３０】このように引き抜き作業が終了すると、図
１５に示すように、各スライド板１６、１７を外側に移
動させ、折り板２７、２７と裾押さえ板２５、２５を横
方向に引き抜く。これによって、シャツは縦と横が定形
形状に折りたたまれた状態で受台１５に残される。

【００３１】なお、上記の例では、受台１５の両側に対
向して２組のスライド板１６、１７を設け、その各スラ
イド板に裾押え板２５、２５、折り板２７、２７を設け
たが、受台１５の片側だけに１組のスライド板と、押え
板及び折り板を設けるようにしてもよい。

【００３２】また、縦折り部２の受台１５上にシャツを
セットさせる方法は、上記のような横折り部１の可動受
板受台の移動を利用する構造に限定されない。例えば、
単なるシャツの搬送機構により受台上にシャツを引延す
ようにしてもよく、また手作業によりシャツをセットさ
せるようにしてもよい。

【００３３】

【効果】以上のように、この発明の折りたたみ機は、シ
ャツを押え板で押えた後、折り板によって長手方向に折
りたたむようにしたので、生地の弾力性によるシャツの
膨らみや、サイズ変化によりシャツの長さに違いがあっ
ても、シャツを確実に押えて折返すことができる。

【００３４】また、折り板と押え板を受台に対して横方
向にスライドさせるようにしたので、折り板の復帰時に
シャツと干渉することがなく、加えて、折り板の復帰の
ための移動ストロークを長くとる必要がないため、機械
寸法を短く形成できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例のシャツ折りたたみ機の一部縦断正面図

【図２】図１のII−II線に沿った断面図

【図３】図１のIII −III 線に沿った断面図

【図４】同上の縦折り部を示す一部縦断平面図

【図５】縦折り部の一部縦断正面図

【図６】図５のVI−VI線に沿った断面図

【図７】同上の作用状態図

【図８】同上の作用状態図

【図９】同上の作用状態図

【図１０】同上の作用状態図

【図１１】同上の作用状態図

【図１２】同上の作用状態図

【図１３】同上の作用状態図

【図１４】同上の作用状態図

【図１５】同上の作用状態図

【図１６】従来例を示す平面図

【図１７】同上の正面図

【符号の説明】

１ 横折り部 ２ 縦折り部 ３ 固定受板 ４ 可動受板 ６ 昇降フレーム １５ シャツ受台 １６、１７ スライド板 ２４ 昇降シリンダ ２５ 裾押え板 ２６ 折返し用シリンダ ２７ 折り板 ２８ 支持部材 Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｇ 折り板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面にシャツが長手方向に引き延ばされ
   た状態でセットされる受台と、上記シャツの長手方向と
   は直交する方向にスライドするスライド部材とを備え、
   上記スライド部材に、受台の上面に対して接近離反する
   押え板と、受台の上面に沿って押え板の厚み以上の高さ
   で上記シャツの長手方向に移動する折り板とを設け、受
   台の端部に、上記折り板の移動高さよりも高い位置でシ
   ャツを支持する支持部材を設けたシャツ折りたたみ機。