JPH06817B2 - 高剛性、高速ブロ−成形に適したポリエチレンの製造法 - Google Patents

高剛性、高速ブロ−成形に適したポリエチレンの製造法

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JPH06817B2
JPH06817B2 JP59030932A JP3093284A JPH06817B2 JP H06817 B2 JPH06817 B2 JP H06817B2 JP 59030932 A JP59030932 A JP 59030932A JP 3093284 A JP3093284 A JP 3093284A JP H06817 B2 JPH06817 B2 JP H06817B2
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polymerization
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は中空成形、押出成形に適したポリエチレンの製
造方法に関する。さらに詳しくは、特定の触媒を使用し
て特定の条件下に2段重合して、高い剛性を有し、フイ
ツシユ・アイ良好で成形性の優れた中空成形、押出成形
用ポリエチレンを製造する方法に関する。
従来よりポリエチレンの中空成形、押出成形の分野にお
いては、成形品の物性と加工性との間で高度のバランス
とフイツシユ・アイが良好であることが必要であつた。
この為、種々の提案がなされているのであるが、特に優
れた成形品物性と加工性のバランス及びフイツシユ・ア
イの少いポリエチレンを製造する方法として特定の触媒
系を使用して2段階で重合反応を行い、その際重合体の
混合比、分子量等を特定する方法が提案されている(特
開昭56−22304)。この方法によると耐環境応力亀裂性
が優れているうえに、押出性やバラス効果等成形性も良
好であり、フイツシユ・アイも少く優れた中空成形用ポ
リエチレンを得ることが出来ることが示されている。ま
た、上記方法に加えて1段目、2段目の双方の重合体を
特定の共重合度に制御することにより耐衝撃性及び耐環
境応力亀裂性の一層の向上が計られる方法も提案されて
いる(特開昭57−158211)。
しかしながら、近年、省資源省エネルギーの観点から薄
肉成形及び高速成形に適したポリエチレンが要求される
ようになつて来ているが、従来技術では十分な満足を得
られなくなつて来ている。薄肉成形に適している樹脂と
は薄肉にしても強度が得られるように剛性が高いこと、
薄く均一にのびやすいことが必要であると共に薄肉化に
より目立ち易くなるフイツシユ・アイについても一層少
いことが必要である。高速成形に適した樹脂とは前記薄
肉成形性とも関連があるが成形時に高速で吹き込む際に
パリソンの吹き破れのないこと、高剪断下で肌荒れが起
きないこと、押出機での溶融樹脂の押出性が良いことを
意味する。
本発明者らは上記の点を鋭意検討したところ、特定の触
媒系を用いてエチレンの単独重合を特定条件下で行うこ
とにより思もよらぬ高い剛性を発現すること、薄肉成形
性、高速成形性が優れていること、フイツシユ・アイが
少いことを見い出し本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、一般式Mg(OR1
2-m(式中、Rはアルキル、アリール又はシクロアル
キル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは1又は
2である)で表わされる化合物及び一般式Ti(O
2 4-n(式中、Rはアルキル、アリール又は
シクロアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、
nは1〜4である)で表わされる化合物を含む均一な炭
化水素溶液を、一般式AlR 3 3-l(式中、R
アルキル、アリール又はシクロアルキル基を示し、X
はハロゲン原子を示し、lは1≦l≦2の数である)で
表わされる有機ハロゲン化アルミニウム化合物で処理し
て得られる炭化水素不溶性固体触媒と (b)有機アルミニウム化合物とからなる触媒系を用い
て、炭化水素溶媒中50〜100℃の温度でエチレンの
単独重合を行なうに際し、 (イ) 重合反応を2段階、すなわち第1の反応帯域で重
合して得られた反応混合物を第2の反応帯域において更
に重合する方式で行ない、 (ロ) 第1および第2の反応帯域のいずれか一方の帯域
において気相中のエチレンに対するモル比で0.01〜1.0
の水素の存在下重合して粘度平均分子量10万〜70万
の重合体Aを全重合体生成量の30〜70重量%生成さ
せ、他方の帯域において気相中のエチレンに対するモル
比で1.0〜15の水素の存在下重合して粘度平均分子量
1万〜4万の重合体Bを、全重合体生成量の70〜30
重量%生成させ、更に、重合体Aの粘度平均分子量/重
合体Bの粘度平均分子量を10〜40とし、更に、 (ハ) 第1、第2の反応帯域とも、エチレン単独重合と
し、 (ニ) 最終的に生成する全重合体のメルトインデツクス
を0.5〜1g/10分、密度を0.965〜0.974g/ccとす
る ことを特徴とする高剛性、高速ブロー成形に適したポリ
エチレンの製造法に存する。
本発明をさらに詳細に説明するに、本発明において用い
られる触媒は、一般式Mg(OR1 2-m(式中、
はアルキル、アリール又はシクロアルキル基を示
し、Xはハロゲン原子を示し、mは1又は2である)
で表わされる化合物及び一般式Ti(OR2 4-n
(式中、Rはアルキル、アリール又はシクロアルキル
基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜4であ
る)で表わされる化合物を含む均一な炭化水素溶液を、
一般式AlR 3 3-l(式中、Rはアルキル、アリ
ール又はシクロアルキル基を示し、Xはハロゲン原子
を示し、lは1≦l≦2の数である)で表わされる有機
ハロゲン化アルミニウム化合物で処理して得られる炭化
水素不溶性固体触媒と、ジエチルアルミニウムモノクロ
リド、またはジエチルアルミニウムモノクロリドとトリ
エチルアルミニウムの混合物とからなる触媒系である。
そしてこれらの触媒系を用い、後記の重合条件で重合す
ることにより、触媒当りの重合量が著しく高いばかりで
なくとくに剛性及び成形性がすぐれた重合体が得られ、
他の触媒例えば三塩化チタン−アルキルアルミニウム
系、四塩化チタン−トリアルコキシバナジル−アルキル
アルミニウム系を用いて製造されたポリオレフインを使
用した場合よりも有利である。
使用される触媒について説明するに、(a)の反応生成物
を調製する際に用いられるマグネシウムの酸素含有有機
化合物としては、 (式中、R1はアルキル基、アリール基又はシクロアル
キル基を示し、X1はハロゲン原子を示し、mは1又は
2を示す。)で表わされる化合物、例えばマグネシウム
ジエトキシド、マグネシウムジメトキシド、マグネシウ
ムジフエノキシド、マグネシウムモノエトキシクロリ
ド、マグネシウムモノフエノキシクロリド、マグネシウ
ムモノエトキシブロミド、マグネシウムモノエトキシヨ
ウジド等が挙げられる。このうちマグネシウムジエトキ
シドが好ましい。
一般式Ti(OR 4-n(式中、Rはアルキ
ル基、アリール基又はシクロアルキル基を示し、X
ハロゲン原子を示し、nは1〜4の数を示す)で表わさ
れる化合物は、例えば、テトラエトキシチタン、テトラ
ノルマルプロポキシチタン、テトラノルマルブトキシチ
タン、テトラフエノキシチタン、トリエトキシモノクロ
ルチタン、トリノルマルブトキシモノクロルチタン、ジ
エトキシジクロルチタン、トリノルマルブトキシモノブ
ロムチタン等が挙げられる。このうち、kが3又は4の
化合物が好ましい。アルミニウムハロゲン化合物として
は一般式AlR 3 3-l(式中、Rはアルキル、ア
リール又はシクロアルキル基を示し、Xはハロゲン原
子を示し、lは1≦l≦2の数である)で表わされる化
合物であり、例えば、エチルアルミニウムジクロリド、
ノルマルプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアル
ミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムモノク
ロリド等が挙げられる。このうちXが塩素でありlが
1である化合物が好ましい。マグネシウムアルコラート
とチタンの酸素含有有機化合物とアルミニウムハロゲン
化合物との反応は、まず、マグネシウムアルコラートと
チタンの酸素含有有機化合物とを混合し100℃〜16
0℃に加熱して均一な液状物を調製する。均一な液状物
を生成し難い場合には、アルコールを存在させることが
好ましい。アルコールとしてはエチルアルコール、n−
ブチルアルコール、n−オクチルアルコール等が挙げら
れる。次いで不活性炭化水素溶媒を添加して不活性炭化
水素溶液とする。以上のようにして得られた不活性炭化
水素溶液にアルミニウムハロゲン化合物を添加して常温
〜100℃で反応させると、反応生成物は沈澱として得
られ、未反応物は不活性炭化水素溶媒で洗浄除去され
る。各成分の量比は、マグネシウムに対するチタンの原
子比(Ti/Mg)で、0.1〜10、マグネシウムとチタン
のグラム当量の和に対する全ハロゲンのグラム当量の和
の比 で、1.0〜20であることが好ましい。
なお、ここで、全ハロゲンとは、マグネシウムアルコラ
ート、チタンの酸素含有有機化合物およびアルミニウム
ハロゲン化合物中に含まれるハロゲンをいう。
一方、共触媒としては、ジエチルアルミニウムモノクロ
リド、またはジエチルアルミニウムモノクロリドとトリ
エチルアルミニウムの混合物が用いられる。
本発明においては、上記触媒系を用いて炭化水素溶媒中
50℃〜100℃の温度でエチレンの単独重合をおこな
う。炭化水素溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の脂
肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等
の脂環式炭化水素等の不活性炭化水素溶媒が挙げられ
る。
しかして、本発明においては、重合反応を、下記(イ)、
(ロ)、(ハ)の条件下でおこなう。
(イ) 重合反応を2段階、すなわち第1の反応帯域で重
合して得られた反応混合物を第2の反応帯域においてさ
らに重合する方式でおこなう (ロ) 第1および第2の反応帯域のいずれか一方の帯域
において、気相中のエチレンに対するモル比で0.01〜1.
0の水素の存在下重合して粘度平均分子量10万〜70
万の重合体Aを、全重合体生成量の30重量%〜70重
量%生成させ、他方の帯域において、気相中のエチレン
に対するモル比で1.0〜15の水素の存在下重合して粘
度平均分子量1万〜4万の重合体Bを、全重合体生成量
の70重量%〜30重量%生成させ、さらに(重合体A
の粘度平均分子量)/(重合体Bの粘度平均分子量)を
10〜40とする (ハ) 第1、第2の反応帯域ともエチレンで単独重合と
し (ニ) 最終的に生成する全重合体のメルトインデツクス
を0.5〜1.0g/10分とする。
これら(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の3条件について説明する。
(イ)の2段階重合は、連続重合方式、回分重合方式のい
ずれでもおこなうことができる。連続重合の場合は、反
応器を2基シリーズにつなぎ、第1の反応器で重合して
得られた反応混合物を第2の反応器に導入して重合を続
ける。そして必要に応じて、2基の反応器の間に、水素
を大部分パージしうるフラツシユ槽を設置する。回分重
合の場合は反応器1基にて逐次反応させる。このうち連
続重合が好ましい。
(ロ)の反応条件によれば、まず、第1および第2の反応
帯域のいずれか一方の帯域において、気相中のエチレン
に対するモル比で0.01〜1.0、好ましくは0.05〜0.5の水
素の存在下重合して、最終的に生成する全重合体の全生
成量の30重量%〜70重量%の重合体Aを生成させる
が、ここで得られる重合体Aの粘度平均分子量は10万
〜70万とする。粘度平均分子量は、130℃テトラリ
ン溶液中での極限粘度を測定し、〔η〕=4.60×10-4×
M0.725(〔η〕は極限粘度、Mは粘度平均分子量)の式
から計算した値である。重合体Aを、第2の反応帯域に
おいて、第1の反応帯域で製造された重合体Bの存在
下、製造した場合には、重合体Aの粘度平均分子量は、
下記式、 〔η〕=(100〔η〕−W〔η〕)/W (式中、〔η〕は重合体Aの極限粘度を示し、〔η〕
は重合体Bの極限粘度を示し、〔η〕は第2の反応帯
域で最終的に得られる全重合体の極限粘度を示し、W
は第2の反応帯域で生成する重合体Aの重量%を示し、
は第1の反応帯域で生成する重合体Bの重量%を示
す) から〔η〕を求め粘度平均分子量を計算すればよい。
しかして、粘度平均分子量が10万未満であると、得ら
れる重合体(最終的に生成する全重量体)の衝撃強度、
引裂強度、耐環境亀裂性が低くなり、70万を超えると
成形性が低くなり好ましくない。好ましい範囲は15万
〜50万、特に好ましくは20万〜40万である。気相
中のエチレンに対する水素のモル比は、0.01未満では粘
度平均分子量が70万を超えることが多く、1.0を超え
ると粘度平均分子量が10万未満となることが多く好ま
しくない。生成量が30重量%未満であると、得られる
重合体(最終生成重合体)の衝撃強度、引裂強度、耐環
境亀裂性が低くなり、70重量%を超えると成形性が低
くなり好ましくない。好ましい範囲は30重量%〜60
重量%、とくに35重量%〜55重量%である。
重合反応は50℃〜100℃において、10分〜10時
間、0.5kg/cm2ゲージ〜100kg/cm2ゲージの圧力下
に実施すればよい。
次に、もう一方の反応帯域において、気相中のエチレン
に対するモル比で1.0〜15、好ましくは1.5〜8の水素
の存在下重合して、粘度平均分子量1万〜4万の重合体
Bを、最終的に生成する全重合体の全生成量の70重量
%〜30重量%生成させる。粘度平均分子量は130℃
テトラリン溶液中での極限粘度を測定し、前示式から計
算して求めることができる。重合体Bを第2の反応帯域
において、第1の反応帯域で製造された重合体Aの存在
下、製造した場合には、重合体Bの粘度平均分子量は、
下記式 〔η〕=(100〔η〕−W′〔η〕)/W′ (式中、〔η〕は重合体Bの極限粘度を示し、〔η〕
は重合体Aの極限粘度を示し、〔η〕は第2の反応帯
域で得られる最終生成重合体全体の極限粘度を示し、
W′は第1の反応帯域で得られる重合体Aの重量%を
示し、W′は第2の反応帯域で得られる重合体Bの重
量%を示す) から〔η〕を求め粘度平均分子量を計算すればよい。
しかして、粘度平均分子量が1万未満であると、得られ
る重合体(最終的に生成する全重合体)の衝撃強度が低
下し、4万を超えると成形性が低下するので好ましくな
い。気相中のエチレンに対する水素のモル比は1.0未満
であると重合体Bの粘度平均分子量が4万を超えること
が多く、15を超えると1万未満となることが多く好ま
しくない。好ましい範囲は1万〜3.5万である。生成量
は70重量%を超えると、得られる重合体(最終生成重
合体)の衝撃強度、引裂強度、耐環境亀裂性が低くな
り、30重量%未満であると成形性が低くなり好ましく
ない。好ましい範囲は70重量%〜40重量%とくに6
5重量%〜45重量%である。
重合反応は50℃〜100℃において、10分〜10時
間、0.5kg/cm2ゲージ〜100kg/cm2ゲージの圧力下
に実施すればよい。
重合の順序は、重合体Aを生成させたのち重合体Bを生
成させてもよいし、重合体Bをさきに生成させ、次いで
重合体Aを生成させてもよい。
(重合体Aの粘度平均分子量)/(重合体Bの粘度平均
分子量)は10〜40とする。この比が10未満である
と、成形性が低下し、40を超えると衝撃強度が低下
し、好ましくない。
しかして、(ニ)の条件に従い、最終的に生成する全重合
体すなわち重合体Aと重合体Bの混合物のメルトインデ
ツクスを0.5〜1.0g/10分とする。ここでメルトインデ
ツクスは、JISK6760に基き、190℃、2.16kg荷重
下で測定した値で、単位はg/10分である。メルトイン
デツクスが1.0以上となると、最終的に生成する全重合
体の衝撃強度が低下し好ましくない。メルトインデツク
スが0.5以下では成形性および高剪断下での肌荒れが不
良となり、本発明の目的である高速中空成形用ポリエチ
レンには適さない。
以上のようにして製造された重合体の密度は0.965〜0.9
74g/ccであつて、成形品は極めて高い剛性が得られ
る。又かくして得られた重合体は均一に伸び易く、吹き
込み成形時に高速で空気を吹き込んでも吹き破れが起り
にくい。更に高剪断下での肌荒れがない。そして本発明
によつて得られた重合体は均一化され易く単軸押出機に
よる連続的混練でも十分均一化され、得られた成形品の
フイツシユ・アイは極めて少い。
上記の特性をもつた重合体は高速薄肉吹込成形用省資源
省エネルギーポリエチレンとして、又強度を重視した高
剛性吹込成形用ポリエチレンとして好適に用いられる。
例えばミルクボトル、飲料水ボトル、食品ボトル、医薬
品ボトル、玩具、オイル缶等の用途に好適である。
次に本発明を実施例によつて詳細に説明するが本発明
は、その要旨を越えない限り以下の実施例に限定される
ものではない。
なお、図1は本発明に含まれる技術内容の理解を助ける
ためのフローチャート図であり、本発明はその要旨を逸
脱しない限り、フローチャート図によって何ら制約を受
けるものではない。
なお、以下の実施例において、物性試験は、得られた重
合体粉を20mmφ押出機(樹脂温度260℃±10℃)
で混練し、ペレツト化したサンプルによつて測定した。
メルトインデツクス(MJ):JIS K 6760 流出量比(FR): ASTMD−1238に基づくメルトインデツクス装置におい
て、剪断応力値が10dyne/cm2及び10dyne/cm2
における 流出量比(MI10/MI10) 密度(g/cc):JIS K 6760 ステイフネス(kg/cm2):ASTM D 747 (肌荒れの始まる剪断速度): 直接押出方式の吹込成形機(50mmφ、日本製鋼所社
製)のダイス(口径20mmφ/18.8mmφ、ストレートダ
イ(長さ3mm)より樹脂を190℃の温度で押出し、押
出量(せん断速度)を変化させ、バリソンの肌荒れの始
まるせん断速度を とした。
高速薄肉成形テスト: バリソンの径及び肉厚を変化させ、成形温度190℃、
ブロー圧6kg/cm2Gの成形条件で500ccの丸型ボト
ルを高速薄肉成形し、その成形性の可否を調べた(瓶重
量15〜30g)良好な高速薄肉性を示す場合は良好と
表示し、不良の場合はその状態を表示。
尚、座屈強度の測定:瓶重量30gの500cc丸型ボト
ル(空瓶、キヤツプなし)を10mm/分の圧縮スピード
で圧縮させた時に最初に座屈するときの強度を測定し
た。
実施例−1 (A) 触媒成分の調製 マグネシウムジエトキシド113gとトリ−n−ブトキ
シモノクロルチタン150gとn−プタノール37gと
を130℃で6時間混合して均一化した。次いで60℃
まで温度を下げてベンゼン3.75を加え、均一溶液
とした。次いでエチルアルミニウムセスキクロリドを4
57g滴下し、60℃で1時間撹拌を続けた。生成した
沈澱をn−ヘキサンで洗浄することにより褐色の触媒成
分209gが得られた。得られた固体の一部を乾燥し、
粉末とした。この粉末中にMgが10.1重量%、Tiが9.
8重量%含まれていた。(B) エチレンの重合 内容量10のオートクレーブに、ノルマルヘキサン
5.0l、上記(A)で得られた触媒成分100mgを仕込
んだ。また、ジエチルアルミニウムモノクロリド(DE
A)1.6mmolを別のフイーダーに仕込みオートクレーブ
に備え付けた。オートクレーブ内温を90℃まで昇温し
た後、所定量のH2を導入し、次いでエチレン及び別フイ
ーダーからジエチルアルミニウムモノクロリドを供給
し、重合を開始した。全圧が一定となる様、エチレンを
間歇的に供給しながら、1時間重合反応を続け、重合反
応量は、エチレンの供給積算量により求めた。この間の
平均気相組成 (ETyはエチレンを示す)は、480mol%であり、別の
実験によれば、 生成ポリマーの粘度平均分子量Mv=15,500であつ
た。
次いで、未反応モノマーをパージした後、 オートクレーブ内温を85℃にし、新たに所定量の水素
及びエチレンを導入して重合を再開した。全圧が一定と
なる様、エチレンを間歇的に供給しながら、90分間重
合反応を続けた後、未反応モノマーをパージした。この
2段目重合反応の間の平均気相組成 は45mol%であり、得られたポリマーのMIは0.74g
/10分、FR=72、密度は0.9702g/ccであつた。得
られたポリマーの物性を測定した結果を表1に示す。剛
性が高いうえ、肌荒れの出始めるせん断速度も高く、高
剛性、高速薄肉成形性良好なことが判る。
(C) 高速薄肉成形テスト 上記(B)で得られたポリエチレンを用い、上記の成形条
件でパリソンの径及び肉厚を表1のように変化させて高
速薄肉成形瓶の成形を試みた。
結果を表1にまとめて示した。高速薄肉成形テストで
も、パリソンの肌荒れも認められず、良好な薄肉成形性
を示した。
比較例1〜2 実施例1−2の(A)で得られた触媒を用い、重合条件を
表1のように変えたこと以外は実施例−1の(B)と同様
にして、エチレンの重合を行なつた。
その結果を表1に示す。
パリソン肉厚2mmの条件では、パリソン表面の一部に肌
荒れの発生が認められ吹き破れが発生した。
比較例−3 実施例−1の(A)で得られた触媒を用い、表1の重合条
件でエチレンの1段重合を行なつた。結果を表1に示
す。一段重合では同一MIでも低密度となり高い剛性が
得られない。また、同様にして得られたポリエチレンを
用い高速薄肉成形テストを実施したが低剪断速度領域で
肌荒れを発生し、高速成形に適さない。
比較例−4 (A) 触媒の成分の調製 市販の微粉シリカに三酸化クロム水溶液を含浸し、12
0℃で乾燥後800℃で乾燥空気下で活性化し、クロム
を0.5重量%含有する触媒第一成分を調製した。内容量
2のオートクレーブにヘキサン1、上記触媒第一成
分6.0g、トリエチルアルミニウム66mgを仕込み、8
0℃に昇温後水素圧が0.4kg/cm2となる様、H2ガスを
はり込んだ後、エチレンガスを導入し、30gのエチレ
ンを90分間で重合した。反応終了後、生成物を(触媒
−ポリエチレン混合物)をデカンテーシヨンによつてヘ
キサンで数回洗浄した。
(B) 重合 内容量10トクレーブに、上記(A)で得られた触媒−
ポリエチレン混合物1000 mg、ジエチルアルミニウムモノエトキシド28.5mg、ヘキ
サン5を仕込み、90℃で反応器内気相 組成が150mol%全圧14kg/cm2−Gで1.5時間重合
を行ない、ポリエチレン1.55kgを得た。
生成ポリエチレンのメルトインデツクス(MI)は0.
2、FR=130、密度(ρ)は0.962であつた。
(C) 高速薄肉成形テスト 実施例−1(C)と同様に高速薄肉成形瓶の成形を試み結
果を表1にまとめた。これは、代表的なブローグレード
の1つであるが、高剪断速度領域では、肌荒れの発生が
あり、また高ブロー比での薄肉成形においては吹破れが
発生した。また剛性も実施例−1に比較し、低く、及ば
ない。
比較例−5 実施例−1(A)で得られた触媒成分を用い、1−ブテン
共重合を行なつた。即ち、内容量2のオートクレーブ
に、ノルマルヘキサン1000ml、触媒成分20mgを仕込ん
だ。またジエチルアルミニウムモノクロリド0.32mmol
を別のフイーダーに仕込み、オートクレーブに備え付け
た。オートクレーブの内温を90℃まで昇温した後、所
定量のH2を導入し、次いでエチレン及び別フイーダーか
らジエチルアルミニウムモノクロリドを供給し、重合を
開始した。全圧が一定となる様エチレンを間歇的に供給
しながら1時間重合反応を続けた。この間の平均気相組
は530mol%であつた。
次いで未反応モノマーをパージした後、オートクレーブ
内温を80℃にし、新たに所定量の水素、共重合モノマ
ーの1−ブテン及びエチレンを供給して重合を再開し
た。全圧が一定となる様、エチレンを間歇的に供給しな
がら90分間重合反応を続けた後、未反応モノマーをパ
ージした。この2段目重合反応の間を平均気相組成は が35mol%、 が2.2mol%であつた。また、得られたポリマーのMIは
0.3g/10分、FR=61、密度は0.955g/ccであつ
た。
得られたポリマーの物性を測定した結果、剛性は密度見
合いで低く、プレス片ステイフネスは11,000kg/
cm2、ボルト座屈強度18kgであつた。
【図面の簡単な説明】 図1は本発明の一態様を示すフローチャート図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式Mg(OR1 2-m(式
    中、Rはアルキル、アリール又はシクロアルキル基を
    示し、Xはハロゲン原子を示し、mは1又は2であ
    る)で表わされる化合物及び一般式Ti(OR2)n
    2 4-n(式中、Rはアルキル、アリール又はシクロアル
    キル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜4
    である)で表わされる化合物を含む均一な炭化水素溶液
    を、一般式AlR3 lX3 3-l(式中、Rはアルキル、アリー
    ル又はシクロアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を
    示し、lは1≦l≦2の数である)で表わされる有機ハ
    ロゲン化アルミニウム化合物で処理して得られる炭化水
    素不溶性固体溶媒と (b)ジエチルアルミニウムモノクロリド、または、ジエ
    チルアルミニウムモノクロリドとトリエチルアルミニウ
    ムの混合物 とからなる触媒系を用いて、炭化水素溶媒中50〜10
    0℃の温度でエチレンの単独重合を行なうに際し、 (イ)重合反応を2段階、すなわち第1の反応帯域で重合
    して得られた反応混合物を第2の反応帯域において更に
    重合する方式で行ない、 (ロ)第1および第2の反応帯域のいずれか一方の帯域に
    おいて気相中のエチレンに対するモル比で0.01〜1.0の
    水素の存在下重合して、粘度平均分子量10万〜70万
    の重合体Aを全重合体生成量の30〜70重量%生成さ
    せ、他方の帯域において気相中のエチレンに対するモル
    比で1.0〜15の水素の存在下重合して粘度平均分子量
    1万〜4万の重合体Bを、全重合体生成量の70〜30
    重量%生成させ、更に、重合体Aの粘度平均分子量/重
    合体Bの粘度平均分子量を10〜40とし、更に、 (ハ)第1、第2の反応帯域とも、エチレン単独重合と
    し、 (ニ)最終的に生成する全重合体のメルトインデックスを
    0.5〜1g/10分、密度を0.965〜0.974g/ccとする ことを特徴とする高剛性、高速ブロー成形に適したポリ
    エチレンの製造法。
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