JP2003213053A - ポリエチレン組成物 - Google Patents

ポリエチレン組成物

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JP2003213053A
JP2003213053A JP2002014429A JP2002014429A JP2003213053A JP 2003213053 A JP2003213053 A JP 2003213053A JP 2002014429 A JP2002014429 A JP 2002014429A JP 2002014429 A JP2002014429 A JP 2002014429A JP 2003213053 A JP2003213053 A JP 2003213053A
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Hidenobu Takeyama
英伸 竹山
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 成型加工性に優れ、且つ衝撃強度に優れたポ
リエチレン組成物で、低ゲル性、ピンチオフ部熱融着性
等の実用特性をも改良した、大型の中空成形に優れたポ
リエチレン組成物の提供。 【解決手段】 ポリエチレン(A)およびポリエチレン
(B)とから成るポリエチレン組成物であって、ポリエ
チレン(A)はクロム化合物担持触媒を用いて重合され
たポリエチレンであり、HLMFRが3〜500g/1
0分、密度が950〜980kg/m3であり、ポリエ
チレン(B)はチーグラー触媒またはメタロセン触媒を
用いて重合されたポリエチレンであり、HLMFRが
0.01〜15g/10分、密度が910〜940kg
/m3であり、ポリエチレン(B)の含有量が30〜7
5重量%である。ポリエチレン(B)のHLMFRがポ
リエチレン(A)のHLMFRの0.8倍〜0.001
倍であることを特徴とするポリエチレン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形加工性を改良し
たポリエチレン組成物、特に中空成形とりわけ大型の中
空成形に好適であり、また衝撃強度等の物性にも優れ、
さらには低ゲル性、ピンチオフ部熱融着性等の実用特性
にも優れたポリエチレン組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、クロム化合物担持触媒を用い
て重合されるポリエチレン(以下クロム触媒ポリエチレ
ンという)は、比較的分子量分布が広いことから、中空
成形に好適なポリエチレンとして一般的に使用されてい
る。しかしながら、このようなクロム触媒ポリエチレン
は、中空成形し易い適当な溶融張力およびスウェルを有
するものの、耐ドローダウン性が不充分であるという欠
点を有しており、特に30L以上の中空成形体を製造す
る大型の中空成形で問題が顕著であった。また、衝撃強
度、耐環境応力亀裂性(以下ESCRという)等の物性
も充分ではなかった。
【0003】これらの問題を解決するため、分子量を極
めて高くすることでクロム触媒ポリエチレンの実用化が
図られている。しかしながらかかる方法での問題解決法
では、高分子量化のあまりHLMFRが低くなりすぎ、
該ポリエチレン製造時に押出し機でペレタイズできない
ことから粉体で顧客に供給せざるを得ず、顧客にとって
極めて使い勝手が悪いという欠点を有している。一方、
特開平2−123108号公報、同4−18407号公
報、同5−230136号公報等では、チーグラー触媒
を用いて単段または2段以上の多段で重合されるポリエ
チレンが、中空成形に適した広い分子量分布を有するポ
リエチレンとして開示されている。しかしながら、かか
る方法によって得られるポリエチレンは、優れたESC
Rを有するものの、溶融張力、スウェル、耐ドローダウ
ン性が低く、中空成形し難いという欠点を有していた。
【0004】これらの欠点を改良する方法として、クロ
ム触媒ポリエチレンとチーグラー触媒を用いて多段重合
で重合されるポリエチレンとを混合する方法が有効であ
ることが公知であり、中空、押出し等の成形分野で広く
実用化されている。そのようなクロム触媒ポリエチレン
とチーグラー触媒を用いて多段重合で重合されるポリエ
チレンとからなるポリエチレン組成物が、例えば特公平
1−12777号公報、特公平1−12778号公報、
特公平1−12781号公報、特開平11−30246
5号公報等で、ESCR等の物性と成型加工性とが共に
優れているポリエチレン組成物として開示されている。
【0005】しかし、このようにクロム触媒ポリエチレ
ンと多段重合チーグラーポリエチレンとを混合して製造
されるポリエチレンは、MFRを低くすることなくES
CR等の物性は改良されるが、耐ドローダウン性等の成
型加工性の改良は不充分なものであった。さらにこれら
従来技術ではいずれも多段重合チーグラーポリエチレン
をベースにしていたため、低分子量ポリエチレンに含ま
れている分子量の非常に低い成分が原因となって成形時
に発煙の問題を生じ易く、また高分子量ポリエチレンと
低分子量ポリエチレンの混ざりが充分でない場合には成
形体にゲル、スジ、フィッシュアイ等が発生し易い等、
実用特性の点で幾多の欠点があった。
【0006】一方で、クロム触媒ポリエチレンと、多段
重合のチーグラーポリエチレンの代わりに高分子量のチ
ーグラーポリエチレンとを混合したポリエチレンも公知
である。この場合、分子量分布を広げるため、クロム触
媒ポリエチレンとしては分子量の低いポリエチレンを使
用する。例えば、特開平5−194797号公報にはチ
タニウムベースの触媒系から製造された高分子量のポリ
エチレンおよびクロムベースの触媒系から製造された低
分子量のポリエチレンの混合物を含有するエチレンポリ
マー組成物が開示されており、また特開平5−2022
42号公報には、チタン触媒系を使用して製造される高
分子量エチレンコポリマー樹脂とクロム触媒系を使用し
て製造される低分子量ポリエチレン樹脂とのポリエチレ
ンブレンドが開示されている。
【0007】しかしながら、これら従来技術では分子量
の低いクロム触媒ポリエチレンを使用していたため、や
はり耐ドローダウン性等の成型加工性の改良は充分では
なく、大型の中空成形では実用に供することができない
という欠点があった。さらに、近年環境問題への対応か
ら省資源化の動きが強まり、中空成形体などの成形体の
厚みを薄くする薄肉化への要求が高まっており、また経
済性の観点から高速成形への要求も高く、さらなる成形
加工性の向上が望まれているが、上記例示の従来技術で
は成型加工性に劣るため、そのような薄肉成形や高速成
形の要求にはとうてい対応できないという欠点があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の幾多の欠点を改良するものであり、成型加工性に
優れ、また衝撃強度等の物性にも優れ、且つゲル等の実
用特性をも改良したポリエチレン組成物を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
の欠点を改良するため鋭意研究を重ねた結果、クロム化
合物担持触媒を用いて得られる特定のポリエチレンに、
チーグラー触媒またはメタロセン触媒を用いて重合され
た特定のポリエチレンを、特定の比率含有せしめたポリ
エチレン組成物は、驚くべきことに、成型加工性に優
れ、また衝撃強度等の物性にも優れ、ゲル等の実用特性
をも改良できることを見出し、本発明を成すに至った。
【0010】即ち、本発明のポリエチレン組成物は、
(1)エチレンの単独重合体およびエチレンとα−オレ
フィンの共重合体の群から選ばれるポリエチレン(A)
およびポリエチレン(B)とから成るポリエチレン組成
物であって、(I)ポリエチレン(A)はクロム化合物
担持触媒を用いて重合されたポリエチレンであり、(I
I)ポリエチレン(A)のHLMFRが3g/10分以
上、500g/10分以下、密度が950kg/m3
上980kg/m3以下であり、(III)ポリエチレン
(B)はチーグラー触媒またはメタロセン触媒を用いて
重合されたポリエチレンであり、(IV)ポリエチレン
(B)のHLMFRが0.01g/10分以上15g/
10分以下、密度が910kg/m3以上940kg/
3以下であり、(V)ポリエチレン(B)の含有量が3
0重量%以上、75重量%以下であり、(VI)HLMF
Rが1g/10分以上30g/10分以下であり、密度
が940kg/m3以上975kg/m3以下であり、
(VII)GPCにより求めたMwとMnとの比(Mw/
Mn)が8以上30以下であることを特徴とするポリエ
チレン組成物であり、(VIII)さらにはポリエチレン
(B)のHLMFRがポリエチレン(A)のHLMFR
の0.8倍以下0.001倍以上であることを特徴とす
る前記(1)に記載のポリエチレン組成物である。
【0011】(2)前記記載のポリエチレン組成物のポ
リエチレン(B)が35重量%以上、75重量%以下で
あることを特徴とするポリエチレン組成物である。本発
明のポリエチレン組成物は、優れた成型加工性を有し、
また衝撃強度等の物性にも優れ、ゲル等の発生も少なく
実用特性にも優れており、中空成形特に大型中空成形に
好適であり、高速・薄肉中空成形にも対応可能である。
尚、本発明で大型中空成形とは、30L以上の容量を有
する中空成形体を製造する中空成形をいう。以下、本発
明を詳細に説明する。
【0012】本発明の構成成分であるポリエチレン
(A)とポリエチレン(B)はエチレンの単独重合体及
びエチレンとα−オレフィンとの共重合体の群から選ば
れる。共重合に用いるα−オレフィンは、炭素数3乃至
14のもので、例えば、プロピレン、ブテン、ペンテ
ン、ヘキセン、4−メチルペンテン−1、オクテン、デ
セン等が挙げられる。本発明のポリエチレン(A)は、
クロム化合物担持触媒を用いて重合されたポリエチレン
である。
【0013】ポリエチレン(A)を製造するのに用いる
クロム化合物担持触媒としては、無機酸化物担体にクロ
ム化合物を担持した固体触媒、または該固体触媒と有機
金属化合物とを組み合わせた触媒等、公知の触媒が挙げ
られる。具体的には、特公昭44−2996号公報、同
47−1365号公報、同44−3827号公報、同4
4−2337号公報、同47−19685号公報、同4
5−40902号公報、同49−38986号公報、同
56−18132号公報、同59−5602号公報、同
59−50242号公報、同59−5604号公報、特
公平1−1277号公報、同1−12778号公報、同
1−12781号公報、特開平11−302465号公
報、同9−25312号公報、同9−25313号公
報、同9−25314号公報、同12−86718号公
報、特表平7−503739号公報、米国特許5,10
4,841号公報、同5,137,997号公報等に記
載された触媒が例示できる。これら公知の触媒のうち、
特に酸化クロムまたは焼成によって少なくとも部分的に
酸化クロムを形成するクロム化合物を担持した固体触媒
を触媒成分として用いる触媒が、適度な溶融張力(Me
lt Tension)、溶融伸度(Melt Elo
ngation)、スウェル、耐ドローダウン性のバラ
ンスを有するため、本発明で用いるクロム化合物担持触
媒として好適である。クロム化合物担持触媒を用いる重
合の方法は、懸濁重合、溶液重合、気相重合等の公知の
方法を用いることができる。
【0014】本発明のポリエチレン(A)は特開平12
−86718号公報等に記載の、無機酸化物担体にクロ
ム化合物を担時した固体成分と有機金属化合物を組み合
わせてなる重合触媒存在下において製造されることが好
適である。本発明のポリエチレン(A)を得るために、
もっとも好ましい重合触媒は、耐火性化合物上に支持さ
れ非還元雰囲気下で熱処理により活性化された酸化クロ
ム触媒と、下記一般式(1)で表される有機アルミニウ
ム化合物とを組み合わせてなる重合触媒である。 [化1] R(3-n)−Al−Ln・・・(1) (式中、Rは炭素数6以上12以下であるアルキル基、
Lは炭素数1以上8以下であるアルコキシ基またはフェ
ノキシ基であり、nは0を超えて1未満の実数)
【0015】本発明でポリエチレン(A)は、クロム化
合物担持触媒を用い且つ重合反応器1基を用いた単段重
合で重合されたポリエチレンが好ましい。本発明のポリ
エチレン(A)のHLMFRは3g/10分以上であ
る。ポリエチレン(A)のHLMFRが3g/10分よ
りも低ければ、エチレン組成物のHLMFRが低くなり
過ぎペレタイズできなくなる。本発明のポリエチレン
(A)のHLMFRは、好ましくは5g/10分以上で
あり、より好ましくは7g/10分以上であり、さらに
好ましくは10g/10分以上である。またポリエチレ
ン(A)のHLMFRは500g/10分以下である。
MFRが500g/10分よりも大きければ、ポリエチ
レン組成物の強度低下が著しく、好ましくない。本発明
のポリエチレン(A)のHLMFRは好ましくは100
g/10分以下であり、より好ましくは50g/10分
以下であり、さらに好ましくは30g/10分以下であ
る。
【0016】本発明のポリエチレン(A)の密度は、9
50kg/m3以上である。密度が950kg/m3より
も低ければ、本発明のポリエチレン組成物の剛性を充分
確保することができず、好ましくない。本発明のポリエ
チレン(A)の密度は、好ましくは955kg/m3
上であり、より好ましくは960kg/m3以上であ
り、さらに好ましくは965kg/m3以上である。ま
た、本発明のポリエチレン(A)は、密度が980kg
/m3以下である。密度が980kg/m3以上を超える
と、剛性は高くなるが、ESCRが低下するため好まし
くない。本発明のポリエチレン(A)は、好ましくは9
75kg/m3以下であり、より好ましくは970kg
/m3以下である。本発明のポリエチレン(B)はチー
グラー触媒またはメタロセン触媒を用いて重合されたポ
リエチレンである。
【0017】ポリエチレン(B)を製造するための触媒
としては、チーグラー触媒またはメタロセン触媒を用い
る。チーグラー触媒としては、チタン、バナジウム、ジ
ルコニウム、ハフニウム、コバルト、モリブデンのうち
少なくとも1種類の遷移金属を含有する化合物、もしく
はこれら遷移金属を含有する化合物をマグネシウム含有
化合物等に担持した固体触媒成分と、有機金属化合物と
を組み合わせた、公知の触媒がある。具体的には、特公
昭50−32270号公報、同52−36788、同5
2−36790号公報、同52−36791号公報、同
52−36792号公報、同52−36794号公報、
同52−36795号公報、同52−36796号公
報、同52−36915号公報、同52−36917号
公報、同52−50070号公報、同53−6019号
公報、同56−43046号公報、同57−19122
号公報、同61−24403号公報、同61−2680
5号公報、同61−34445号公報、同61−509
64号公報、特公平3−58368号公報等に記載され
た触媒が例示できる。
【0018】本発明のメタロセン触媒とは、一般にはシ
クロペンタジエン誘導体と遷移金属の錯体及び活性化剤
よりなり、これらは無機物に担持されていてもよい。シ
クロペンタジエン誘導体と遷移金属の錯体としては例え
ば、IVB族から選ばれた遷移金属(チタニウム、ジル
コニウム、ハフニウム)に、シクロペンタジエニル基、
置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換イン
デニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒド
ロインデニル基、フルオニル基または置換フルオニル基
が1ないし2結合しているか、あるいはこれらのうちの
二つの基が共有結合で架橋したものが結合しており、他
に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリール基、アセチルアセトナート基、カ
ルボニル基、窒素分子、酸素分子、ルイス塩基、ケイソ
原子を含む置換基、不飽和炭化水素等の配位子を有する
ものが挙げられる。活性化剤としては有機アルミ化合
物、有機ホウ素化合物などが挙げられ、例えばメチルア
ルミノキサン、ボレートなどが挙げられる。
【0019】また上記メタロセン触媒を担持させる無機
物としては、シリカゲル、ゼオライト、珪藻土等が挙げ
られる。具体的には、特開平11−166009号公
報、WO99−28353号公報、特公平6−811号
公報、同4−41164号公報、同4−41165号公
報、同4−41166号公報、同7−37488号公
報、同7−96570号公報、同7−80930号公
報、同7−80931号公報、同7−39432号公
報、特許2904301号、同2535249号、同3
088012号、同2939321号、同298989
0号、同2736935号、同2954351号、同2
136518号、同2139499号、同255696
9号、同2119158号、同2725010号、同2
775069号等に記載された触媒が公知である。
【0020】本発明のポリエチレン(B)は、上記チー
グラー触媒またはメタロセン触媒を用い、懸濁重合、溶
液重合、気相重合等の公知の重合方法で製造できる。本
発明のポリエチレン(B)は、重合反応器1基を用いて
重合する単段重合によって製造する。本発明でポリエチ
レン(B)として単段重合ポリエチレンを用いることに
より、多段重合ポリエチレンを用いた場合に見られるよ
うな発煙、ゲル等の実用特性における問題を大きく改良
することができる。これは、単段重合ポリエチレンが、
多段重合ポリエチレンのように低分子量ポリエチレンや
高分子量ポリエチレンを含まず、従って発煙の原因とな
る低分子量成分の含有量やゲルの原因となる高分子量成
分の含有量が少ないことに由来する。本発明でいう単段
重合は主たる重合を重合器1基で行うことをいい、主た
る重合以外の重合、例えば重合反応前に触媒の調整など
を目的に行われる予備重合などの実施を妨げるものでは
ない。
【0021】本発明のポリエチレン(B)の重合条件等
は、各重合方法における公知の条件が採用できる。例え
ば重合圧力は、常圧乃至50MPaが好ましく、より好
ましくは0.2乃至10MPaである。また重合温度は
50乃至200℃が好ましく、より好ましくは65乃至
150℃である。本発明でポリエチレン(B)は、チー
グラー触媒またはメタロセン触媒を用い且つ単段重合で
得られるため、分子量分布が比較的狭い。そのため、ポ
リエチレン組成物の成分としてポリエチレン(B)を用
いることにより、ポリエチレン組成物の衝撃強度を高め
ることができる。
【0022】本発明のポリエチレン(B)の分子量分布
は、分子量分布をGPCで求めたMwをMnで除した値
(Mw/Mn)で表したとき、Mw/Mnが12以下で
ある。ポリエチレン(B)のMw/Mnが12を超える
と衝撃強度が低下し、好ましくない。本発明のポリエチ
レン(B)のMw/Mnは、より好ましくは11以下で
あり、さらに好ましくは9以下であり、最も好ましくは
8以下である。またポリエチレン(B)のMw/Mnは
2以上である。Mw/Mnが2未満であると、成型加工
性が低下して好ましくない。ポリエチレン(B)のMw
/Mnは、好ましくは2.5以上、より好ましくは3以
上である。
【0023】本発明で、ポリエチレン(B)のHLMF
Rは0.01g/10分以上である。HLMFRが0.
01g/10分未満であると、ポリエチレン組成物の押
出し成形が困難になり、実用上問題を生じる。ポリエチ
レン(B)のHLMFRは、好ましくは0.05g/1
0分以上であり、より好ましくは0.1g/10分以上
であり、さらに好ましくは0.2g/10分以上であ
る。また、本発明のポリエチレン(B)のHLMFR
は、15g/10分以下である。MFRが15g/10
分を超えるとポリマーの分子量が低過ぎ、ポリエチレン
(A)を用いる物性向上効果が得られず、またエチレン
組成物の粘度が低くなり過ぎ、耐ドローダウン性等の成
型加工性も低下する。本発明のポリエチレン(B)のM
FRは、好ましくは10g/10分以下であり、より好
ましくは5g/10分以下であり、さらに好ましくは3
g/10分以下であり、最も好ましくは1.5g/10
分以下である。
【0024】本発明のポリエチレン(B)の密度は、9
00kg/m3以上である。好ましくは910kg/m3
以上であり、より好ましくは920kg/m3以上であ
る。また本発明のポリエチレン(B)の密度は、950
kg/m3以下である。好ましくは940kg/m3以下
であり、より好ましくは930kg/m3以下である。
一般にクロム触媒ポリエチレンは、分子量分布の広いポ
リエチレンに特徴的に見られるように、HLMFRをM
FRで除した値(以下MIRという)が比較的大きいこ
とから、成型加工性に優れ、中空成形に好適なポリエチ
レンとして一般的に使用されている。しかしながら、最
近急速に高まりつつある高速・薄肉成形の要求には充分
対応できず、特に溶融時の粘度が不足しており、成形時
特に高速・薄肉成形時に、成形体の肉厚が不均一になっ
たり極端な場合には破裂する等という問題があった。
【0025】本発明では、クロム触媒ポリエチレンであ
るポリエチレン(A)に、チーグラー触媒やメタロセン
触媒を用いて重合される、分子量が高く且つコモノマー
含有量が多い低密度ポリエチレンをポリエチレン(B)
として加えることで、ポリエチレン組成物の溶融張力を
高め且つ物性を向上することができる。通常、クロム触
媒ポリエチレンに超高分子量ポリエチレンを加えること
は、ピンチオフ融着強度を低下させまた中空成形で得ら
れるボトルの落下強度を低下せしめる等好ましからざる
結果を招くと考えられ、敬遠されてきた。しかしながら
本発明者らが鋭意研究した結果、クロム触媒ポリエチレ
ンに特定の超高分子量ポリエチレンを特定の量加えたポ
リエチレン組成物を用いると、大型中空成形では驚くべ
きことに成形体の厚みを均一に成形でき、結果的にボト
ルの落下強度はむしろ同等以上の値を示すことが明らか
になった。また本発明のポリエチレン組成物は、比較的
MFRの低いクロム触媒ポリエチレンを用いるため、高
分子量のポリエチレン(A)との混合性が高く、高分子
量ポリエチレン(A)を使用する場合に懸念されたゲル
等の実用特性における問題の発生も少ないことも判明し
た。
【0026】このように本発明のポリエチレン組成物で
は、比較的分子量の低いポリエチレン(A)と高分子量
のポリエチレン(B)を組み合わせることで、ゲル等の
実用特性を損なうことなく成型加工性を改良することが
可能になり、成形体の外観不良の低減等の実用上の効果
および成形体の強度向上等の物性上の効果を実現でき
る。本発明のポリエチレン組成物は、ポリエチレン
(B)を30重量%以上含有することが好ましい。ポリ
エチレン組成物が本発明のポリエチレン組成物における
ポリエチレン(B)の含有量が30重量%未満である
と、ESCR等の物性改良効果を充分得ることができ
ず、また耐ドローダウン性等の成型加工性向上効果も小
さい。本発明のポリエチレン(B)のより好ましい含有
量は35重量%以上であり、さらに好ましくは40重量
%以上である。
【0027】また、本発明のポリエチレン組成物におけ
るポリエチレン(B)の含有量は75重量%以下が好ま
しい。ポリエチレン(B)の含有量が75重量%より多
いと、ポリエチレン組成物の物性と成形性のバランスを
とることが難しくなる。ポリエチレン(B)の、より好
ましい含有量は65重量%以下であり、さらに好ましく
は60重量%以下であり、最も好ましくは55重量%以
下である。本発明で、ポリエチレン(A)とポリエチレ
ン(B)を用いて本発明のポリエチレン組成物を製造す
る方法は、パウダー状、ペレット状等のポリエチレン
(A)とペレット状のポリエチレン(B)とを、公知の
一軸、二軸等の押出し機、混練機等を用いて、通常15
0乃至280℃の温度で混練して得ることができる。特
に重合時に得られるポリエチレン(A)のパウダーとポ
リエチレン(B)のペレットをブレンダー等で混合し、
押出し機等で混練しつつペレット化する方法が、均一混
合体を得ることができ且つポリエチレン製造工程内でで
きるため安価な方法として、推奨される。またポリエチ
レン(A)とポリエチレン(B)とを予め別々にペレッ
ト化しておき、ドラムタンブラーやヘンシェルミキサー
等の混合機を用いてドライブレンドして混合物とし、そ
の後成形機に投入して成形体を得ることも推奨される。
【0028】このようにして製造される本発明のポリエ
チレン組成物は、HLMFRが1g/10分以上、30
g/10分以下である。HLMFRが1g/10分未満
であると成型加工時の押出し負荷が高くなりすぎ成型加
工がしづらくなる。本発明のポリエチレン組成物のHL
MFRは、好ましくは2.5g/10分以上であり、よ
り好ましくは3g/10分以上であり、さらに好ましく
は3.5g/10分以上である。また、本発明のポリエ
チレン組成物のHLMFRは、30g/10分である。
HLMFRが30g/10分より大きければ、物性、成
型加工性共に低下し好ましくない。本発明では、ポリエ
チレン組成物のHLMFRは、好ましくは20g/10
分以下であり、より好ましくは10g/10分以下であ
る。
【0029】本発明のポリエチレン組成物の密度は、9
40kg/m3以上、975kg/m3以下である。密度
が940kg/m3未満であると、成形体が柔らかくな
りすぎるため中空、押出し等の成型加工がしづらく、特
に大型中空成形には不向きであり、また成形体自体の剛
性も不足し実用的でない。本発明のポリエチレン組成物
の密度は、好ましくは945kg/m3以上であり、よ
り好ましくは950kg/m3以上であり、最も好まし
くは955kg/m3以上である。また、ポリエチレン
組成物の密度が975kg/m3よりも高ければ、成型
加工時に樹脂の固化速度が速くなり過ぎ成型加工しづら
くなる。
【0030】ポリエチレン組成物の密度は、好ましくは
970kg/m3以下であり、より好ましくは965k
g/m3以下である。本発明のポリエチレン組成物の分
子量分布(Mw/Mn)は8以上である。8未満である
と成型加工性が低下して好ましくない。ポリエチレン樹
脂組成物のMw/Mnは好ましくは9以上であり、さら
に好ましくは10以上であり、より好ましくは11以上
である。ポリエチレン組成物の分子量分布(Mw/M
n)は30以下である。30を超えると衝撃強度が低下
し、好ましくない。ポリエチレン樹脂組成物のMw/M
nは好ましくは26以下であり、さらに好ましくは24
以下である。
【0031】本発明では、ポリエチレン(B)のHLM
FRは、ポリエチレン(A)のHLMFRより低い。ポ
リエチレン(A)よりもHLMFRが低いポリエチレン
(B)を用いることにより、ポリエチレン(B)を用い
ることによる成型加工性や引張強度等の改良効果が、よ
り顕著となる。かかる改良効果を明確に発現させるため
には、ポリエチレン(B)のHLMFRは、ポリエチレ
ン(A)のHLMFRの0.8倍以下が好ましい。より
好ましくは0.5倍以下であり、さらに好ましくは0.
3倍以下であり、もっとも好ましくは0.15倍以下で
ある。
【0032】ただし、ポリエチレン(B)のHLMFR
がポリエチレン(A)のHLMFRに比べて低過ぎる
と、ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)を溶融混
合する際、溶融時の粘度差が大きくなり過ぎ、押出し機
等で機械的な混合方法では混合を充分行うことができな
くなるため、ゲルの発生や物性低下の原因となり、好ま
しくない。本発明では、ポリエチレン(B)のHLMF
Rは、ポリエチレン(A)のHLMFRの0.001倍
以上である。より好ましくは0.005倍以上であり、
さらに好ましくは0.01倍以上である。
【0033】本発明のポリエチレン組成物には、熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、滑
剤、充填剤、他のポリオレフィン、熱可塑性樹脂、ゴム
など、通常ポリオレフィンに添加、ブレンドされ得る物
質を、必要に応じて使用できる。ポリオレフィンとして
ポリエチレンを使用するときは、本発明のポリエチレン
組成物100重量部に対して、該ポリエチレンの添加量
は5重量部以下であることが好ましく、より好ましくは
3重量部以下であり、さらに好ましくは1重量部以下で
ある。
【0034】本発明において示す記号、測定方法及び測
定条件は以下の通りである。 (1) MFR:メルトインデックスを表し、JIS
K7210により、温度190℃、荷重21.18Nの
条件下で測定した値で、単位はg/10分である。 (2)HLMFR:高荷重メルトインデックスを表し、
JIS K7210により、温度190℃、荷重21
1.82Nの条件下で測定した値で、単位はg/10分
である。
【0035】(3)密度:JIS K7112に従って
測定した値で単位はkg/m3である。 (4)曲げ測定:JIS K7171に従って測定した
値で単位はMPaである。 (5)シャルピー測定:JIS K7111に従って測
定した値で単位はkJ/m2である。 測定は試験片ノッチを入れた後、温度を23℃、−25
℃で24時間状態調節を行った。
【0036】(6)GPC測定:分子量分布(Mw/M
n);ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィーの測定
によって求められるMwとMnの比である。装置はWa
ters社製15.0−C型を用い、東ソー(株)製T
SK−ゲルGMH6−HTの60cmのカラム2本と昭
和電工(株)製AT−807/Sカラム1本を使用し、
1、2、4−トリクロロベンゼンを溶媒として140℃
で測定した。 (7)b−ESCR:環境応力亀裂抵抗 (単位:hr
F50) JIS−K6760に準拠し測定を行った。試験液とし
ては、ライオン(株)製リポノックスNC−140の1
0重量%水溶液を使用し、環境応力による亀裂が発生す
る確率が50%(以下F50値)となる時間を計測し、E
SCRの値とした。
【0037】(8)レオメータースウェル比:レオメー
タースウェル比はインストロン社製キャピログラフを用
い、樹脂温度190℃、オリフィス径は2.095mm
φ、プランジャー降下速度2cm/minで20秒降下
後の長さ(L;mm)を読み、(1)式より求めた。 [数1] (レオメータースウェル比)=(137.7/L)1/2 ・・・(1) 評価に使用した中空成形体の成形条件及び得られた成形
体の評価方法は次に示すとおりである。
【0038】(9)5リットルボトル作成:プラコー社
製DA65成形機により直径が外ダイ62mmφ、内ダ
イ61mmφのダイバージタイプのダイスを用い、射出
圧力を100kg/cm2、樹脂温度220℃において
目付け400gとなるよう5リットルの丸瓶を成形し
た。 (10)5リットルボトル落下試験:5リットル丸瓶に
エチレングリコール(不凍液)を5リットル入れ、−19
度の恒温槽中に24時間調整したあと、8mの高さから
5リットルの丸瓶の底部落下試験を行った。 (11)ボトル座屈強度試験:(単位:MPa) 5リットル丸瓶の底を下にし、治具をボトル口部に水平
に接触するようにし、内容物を入れずに5mm/min
の圧縮速度で座屈試験を行った。この時、変位−荷重曲
線の初期勾配と座屈後の勾配の接線を引き、この交点か
ら座屈強度を求めた。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0040】
【実施例】ポリエチレン(A) 触媒の合成:三酸化クロム1.2モルを蒸留水24リッ
トルに溶解し、この溶液中にシリカ(W.Rグレースア
ンドカンパニ製グレード952)6kgを浸漬し、室温
にて1時間攪拌後、このスラリーを加熱して水を留去
し、続いて120℃にて10時間減圧乾燥を行った後、
800℃にて5時間乾燥空気を流通させて焼成し、クロ
ムを1.0重量%含有した固体触媒成分[a]を得た。
一方、助触媒成分[b]として、エタノールとアルミニ
ウムトリヘキシルとをモル比0.9:1で反応させるこ
とにより得られた有機アルミニウム化合物を使用した。
【0041】ポリエチレンA ポリエチレンA−1の重合:上記合成した固体触媒成分
[a]を用い、内容量350リットルのジャケット付き
重合槽で、液位170リットルでヘキサン溶媒によりエ
チレンの連続重合を行った。重合温度86℃、全圧1M
aで連続重合を行った結果、HLMFR=13.5(g
/10分)、密度=961(kg/m3)のポリマーが
得られた。 ポリエチレンA−2の重合 所定のHLMFRになるよう分子量調節剤として水素の
気相濃度を調節することにより重合を行った他は、A−
1と同じとした。ポリエチレンA−2はHLMFR=
2.1(g/10分)、密度=957(kg/m3)の
ポリマーが得られた。
【0042】ポリエチレン(B) 触媒の合成:充分に窒素置換された15リットルの反応
器に、トリクロルシランを2モル/リットルのn−ヘプ
タン溶液として3リットル仕込み、攪拌しながら65℃
に保ち、組成式AlMg6(C253(n−C49
6.4(On−C495.6で示される有機マグネシウム成
分のn−ヘプタン溶液7リットル(マグネシウム換算で
5モル)を1時間かけて加え、更に65℃にて1時間攪
拌下反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、n−
ヘキサン7リットルで4回洗浄を行い、固体物質スラリ
ーを得た。この固体を分離・乾燥して分析した結果、固
体1グラム当たり、Mg7.45ミリモル、Cl13.
8ミリモル、n−ブトキシ基(On−C492.4ミリ
モルを含有していた。
【0043】上記固体500gを含有する固体物質スラ
リーを、n−ブチルアルコール1モル/リットルのn−
ヘキサン溶液0.93リットルとともに、攪拌下50℃
で1時間反応させた。反応終了後上澄みを除去し、7リ
ットルのn−ヘキサンで1回洗浄した。このスラリーを
50℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロリド1モル/
リットルのn−ヘキサン溶液1.3リットルを攪拌下加
えて1時間反応させた。反応終了後上澄みを除去し、7
リットルのn−ヘキサンで2回洗浄した。このスラリー
を50℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロリド1モル
/リットルのn−ヘキサン溶液0.23リットルおよび
四塩化チタン1モル/リットルのn−ヘキサン溶液0.
23リットルを加えて、2時間反応した。反応終了後上
澄みを除去し、固体触媒を単離し、遊離のハロゲンが検
出されなくなるまでヘキサンで洗浄した。この固体触媒
成分[c]は2.5重量%のチタンを有していた。
【0044】ポリエチレンB−1の重合:上記固体触媒
成分[c]を用い、内容量280リットルのジャケット
付き重合槽で、液位140リットルでn−ヘキサン溶媒
によりエチレンの連続重合を行った。重合温度83℃、
全圧0.5MPaで連続重合を行った結果、HLMFR
=0.26(g/10分)、密度=946(kg/
3)のポリマーが得られた。 ポリエチレンB−2の重合 所定のHLMFRになるよう分子量調節剤として水素の
気相濃度を、また所定の密度になるようコモノマーとし
てブテン−1の濃度を調節することにより重合を行った
他は、B−1と同じとした。ポリエチレンB−2はHL
MFR=2.1(g/10分)、密度=953(kg/
3)のポリマーが得られた。
【0045】ポリエチレンB−3の重合 触媒の合成;6.2g(8.8mmol)のトリエチル
アンモニウムトリス(ペンタフルオロフェニール)(4
−ヒドロキシフェニール)ボレートを4lのトルエンに
加え、90℃、30分間攪拌した。次にこの溶液に1m
ol/Lのトリヘキシルアルミニウムのトルエン溶液4
0mlを加え90℃で1分間攪拌した。一方、シリカP
−10(日本、富士シリシア社製:商品名)を500℃
で3時間窒素気流で処理し、その処理後のシリカを1.
7lのトルエン中に入れ攪拌した。このシリカスラリー
溶液に上記トリエチルアンモニウムトリス(ペンタフル
オロフェニール)(4−ヒドロキシフェニール)ボレー
トとトリヘキシルアルミニウムのトルエン溶液を加え3
時間、90℃で攪拌した。
【0046】次に1mol/Lのトリヘキシルアルミニ
ウムのトルエン溶液206mlを加え、さらに90℃で
1時間攪拌した。その後上澄み液を90℃のトルエンを
用いてデカンテーションを5回行い過剰のトリヘキシル
アルミニウムを除いた。0.218mol/Lの濃い紫
色のチタニウム(N−1,1−ジメチルエチル)ジメチ
ル(1−(1,2,3,4,5,−eta)−2,3,
4,5−テトラメチル−2,4−シクロペンタジエン−
1−イル)シラナミナート)((2−)N)−(η4−
1,3−ペンタジエン)のISOPAR TME(米
国、Exxon化学社製)溶液20mlを上記混合物に
加え3時間攪拌し緑色の担持触媒[d]を得た。得られた
担持触媒[d]を用い、全圧0.8MPaを保ち2時間重
合を行い、連続重合を行った結果、HLMFR=0.2
6(g/10分)、密度=932(kg/m3)のポリ
マーが得られた。 ポリエチレン組成物
【0047】
【実施例1】上記のごとくして製造したポリエチレン
(A−1)及び(B−1)のパウダーを使用して、ポリ
エチレン組成物中におけるポリエチレン(B−1)の含
有量が40重量%になるように混合し、次いでこの混合
物に熱及び酸化防止剤として、オクタデシル−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル−4′−ヒドロ
キシ)プロピオネートを1500ppm、トリス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトを100
0ppm及びステアリン酸カルシウム300ppmを添
加し、混合機で攪拌混合した。この混合物をシリンダー
径65mmの一軸押出機を使用し、200℃の温度で混
練しながら押出し、組成物を得た。この組成物を再び同
じ押出機で同様の条件で押出し、ペレタイズをしてポリ
エチレン組成物を得た。このポリエチレン組成物の性能
を評価した結果を表1に示す。
【0048】
【実施例2】上記のごとくして製造したポリエチレン
(A−2)及び(B−3)のパウダーを使用して、ポリ
エチレン組成物中におけるポリエチレン(B−3)の含
有量が30重量%になるように混合した以外は実施例1
と同じとした。このポリエチレン組成物の性能を評価し
た結果を表1に示す。
【0049】
【比較例1】上記のごとくして製造したポリエチレン
(A−2)及び(B−2)のパウダーを使用して、ポリ
エチレン組成物中におけるポリエチレン(B−2)の含
有量が80重量%になるように混合した以外は実施例1
と同じとした。このポリエチレン組成物の性能を評価し
た結果、表1に示す通り、実施例1のポリエチレン組成
物に比べて、シャルピー衝撃強度及びボトル落下強度が
劣るポリエチレン組成物であった。
【0050】
【比較例2】上記のごとくして製造したポリエチレン
(A−2)のパウダーを使用して、実施例1と同じ押出
機で同様の条件で押出し、ペレタイズをした。このポリ
エチレン組成物の性能を評価した結果、表1に示す通
り、実施例1のポリエチレン組成物に比べて、シャルピ
ー衝撃強度及びボトル落下強度が劣るポリエチレン組成
物であった。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明は、エチレンの単独重合体および
エチレンとα−オレフィンの共重合体の群から選ばれ
る、クロム化合物担持触媒を用いて重合されたポリエチ
レンと、チーグラー触媒またはメタロセン触媒を用いて
重合されたポリエチレンとから成るポリエチレン組成物
に関する。本発明のポリエチレン組成物は中空成形に適
し、優れた成型加工性および物性を有し、また衝撃強度
等の物性にも優れ、ゲル等の発生も少なく実用特性に優
れており、特に大型中空成形に好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンの単独重合体およびエチレンと
    α−オレフィンの共重合体の群から選ばれるポリエチレ
    ン(A)およびポリエチレン(B)とから成るポリエチ
    レン組成物であって、(I)ポリエチレン(A)はクロ
    ム化合物担持触媒を用いて重合されたポリエチレンであ
    り、(II)ポリエチレン(A)のHLMFRが3g/1
    0分以上、500g/10分以下、密度が950kg/
    3以上980kg/m3以下であり、(III)ポリエチ
    レン(B)はチーグラー触媒またはメタロセン触媒を用
    いて重合されたポリエチレンであり、(IV)ポリエチレ
    ン(B)のHLMFRが0.01g/10分以上15g
    /10分以下、密度が910kg/m3以上940kg
    /m3以下であり、(V)ポリエチレン(B)の含有量が
    30重量%以上、75重量%以下であり、(VI)HLM
    FRが1g/10分以上30g/10分以下であり、密
    度が940kg/m3以上975kg/m3以下であり、
    (VII)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以
    下;GPC)により求めた重量平均分子量(以下;M
    w)と数平均分子量(以下;Mn)との比(Mw/M
    n)が8以上30以下であり、(VIII)ポリエチレン
    (B)のHLMFRがポリエチレン(A)のHLMFR
    の0.8倍以下0.001倍以上であることを特徴とす
    るポリエチレン組成物。
  2. 【請求項2】前記記載のポリエチレン組成物のポリエチ
    レン(B)の含有量が35重量%以上、75重量%以下
    であることを特徴とするポリエチレン組成物。
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