JP2003253062A - ポリエチレン組成物 - Google Patents

ポリエチレン組成物

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JP2003253062A
JP2003253062A JP2002374456A JP2002374456A JP2003253062A JP 2003253062 A JP2003253062 A JP 2003253062A JP 2002374456 A JP2002374456 A JP 2002374456A JP 2002374456 A JP2002374456 A JP 2002374456A JP 2003253062 A JP2003253062 A JP 2003253062A
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Teruaki Masako
輝明 真子
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空成型に好適で、高速成形や成型体の薄肉
化が可能であり、また強度等の物性にも優れ、さらには
低ゲル性、耐ドローダウン性、熱融着性等の実用特性に
も優れたポリエチレン組成物を提供すること。 【解決手段】 クロム化合物担持触媒を用いて重合され
たポリエチレン(A)および高圧ラジカル重合法で重合
されたポリエチレンポリエチレン(B)とから成るポリ
エチレン組成物であって、ポリエチレン(B)の含有量
が1重量%以上、50重量%未満であるポリエチレン組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形加工性を改良し
たポリエチレン組成物、特に中空成型に好適で、高速成
形や成型体の薄肉化が可能であり、また強度等の物性に
も優れ、さらには低ゲル性、耐ドローダウン性、熱融着
性等の実用特性にも優れたポリエチレン組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、クロム化合物担持触媒を用い
て重合されるポリエチレン(以下クロム触媒ポリエチレ
ンという)は、比較的分子量分布が広いことから、中空
成型に好適なポリエチレンとして一般的に使用されてい
る。しかしながら、このようなクロム触媒ポリエチレン
は、中空成型し易い適当な溶融張力およびスウェルを有
するものの、耐ドローダウン性が不充分であるという欠
点を有していた。
【0003】一方、特許文献1、特許文献2、特許文献
3等では、チーグラー触媒を用いて単段または多段重合
で重合されるポリエチレンが、中空成型に適した広い分
子量分布を有するポリエチレンとして開示されている。
しかしながら、かかる方法によって得られるポリエチレ
ンは、高い耐環境応力亀裂性(以下ESCRという)等
の優れた物性を有するものの、溶融張力、スウェル、耐
ドローダウン性が低く、中空成型し難いという欠点を有
していた。かかる欠点を改良する方法として、クロム触
媒ポリエチレンとチーグラー触媒を用いて多段重合で重
合されるポリエチレンとを混合する方法が有効であるこ
とが公知であり、中空、押出し等の成形分野で広く実用
化されている。そのようなクロム触媒ポリエチレンと2
段重合のチーグラーポリエチレンとからなるポリエチレ
ン組成物が、例えば特許文献4、特許文献5、特許文献
6、特許文献7等で、ESCR等の物性および成型加工
性共に優れたポリエチレン組成物として開示されてい
る。
【0004】また多段重合のチーグラーポリエチレンの
代わりに高分子量のチーグラーポリエチレンを用いる方
法も公知である。この場合、分子量分布を広げるため、
クロム触媒ポリエチレンとしては分子量の低いポリエチ
レンを使用する。例えば、特許文献8にはチタニウムベ
ースの触媒系から製造された高分子量のポリエチレンお
よびクロムベースの触媒系から製造された低分子量のポ
リエチレンの混合物を含有するエチレンポリマー組成物
が開示されており、また特許文献9には、チタン触媒系
を使用して製造される高分子量エチレンコポリマー樹脂
とクロム触媒系を使用して製造される低分子量ポリエチ
レン樹脂とのポリエチレンブレンドが開示されている。
【0005】しかし、このようにクロム触媒ポリエチレ
ンにチーグラーポリエチレンを混合して製造されるポリ
エチレンは、ESCR等の物性はある程度改良されるも
のの、成型加工性の改良は不充分なものであった。近年
環境問題への対応から省資源化の動きが強まり、中空成
型体などの成型体の厚みを薄くする薄肉化への要求が高
まっており、また経済性の観点から高速成形への要求も
高く、さらなる成形加工性の向上が望まれている。しか
しながら従来技術では、そのような薄肉化や高速化の要
求に充分対応することはできなかった。またこれらの先
行技術は、その構成要素として高分子量ポリエチレンを
含んでいるため、該高分子量ポリエチレンに含まれる分
子量の非常に高い成分が原因となって成型体にゲル、ス
ジ、フィッシュアイ等が発生し易いという、実用特性に
おける欠点もあった。
【0006】
【特許文献1】特開平2−123108号公報
【特許文献2】特開平4−18407号公報
【特許文献3】特開平5−230136号公報
【特許文献4】特公平1−12777号公報
【特許文献5】特公平1−12778号公報
【特許文献6】特公平1−12781号公報
【特許文献7】特開平11−302465号公報
【特許文献8】特開平5−194797号公報
【特許文献9】特開平5−202242号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点を改良するものであり、成型加工性に優れ、
且つゲル等の実用特性を改良したポリエチレン組成物を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術の
欠点を改良するため鋭意研究を重ねた結果、クロム化合
物担持触媒を用いて得られる特定のポリエチレンに、高
圧ラジカル法で得られる特定のポリエチレンを、特定の
比率含有せしめたポリエチレン組成物は、驚くべきこと
に、成型加工性に優れ、またゲル等の実用特性をも改良
できることを見出し、本発明を成すに至った。
【0009】すなわち、本発明は、(1)エチレンの単
独重合体およびエチレンとα−オレフィンの共重合体の
群から選ばれるポリエチレン(A)およびポリエチレン
(B)とから成るポリエチレン組成物であって、(i)
ポリエチレン(A)はクロム化合物担持触媒を用いて重
合されたポリエチレンであり、(ii)ポリエチレン
(A)のHLMFR(高荷重メルトインデックスを表
し、JIS K7210により、温度190℃、荷重2
1.6kgの条件下で測定した値、以下同じ)が0.1
g/10分以上、MFR(JIS K7210により、
温度190℃、荷重2.16kgの条件下で測定した
値、以下同じ)が50g/10分以下、密度が910k
g/m3 以上980kg/m3 以下であり、(iii)
ポリエチレン(B)は高圧ラジカル重合法で重合された
ポリエチレンであり、(iv)ポリエチレン(B)のM
FRが0.1g/10分以上100g/10分以下、密
度が910kg/m3 以上940kg/m3 以下であ
り、(v)ポリエチレン(B)の含有量が1重量%以
上、50重量%未満であり、(vi)HLMFRが1g
/10分以上、MFRが100g/10分以下であり、
密度が910kg/m3 以上970kg/m3 以下であ
ることを特徴とするポリエチレン組成物であり、さらに
は(2)HLMFRが1g/10分以上MFRが5g/
10分以下、密度が940kg/m3 以上965kg/
3 以下であり、且つ中空成型用であることことを特徴
とする前記(1)に記載のポリエチレン組成物であり、
(3)ポリエチレン(B)の含有量が3重量%以上、1
5重量%未満であり、MFRが0.4g/10分以上1
g/10分以下、密度が955kg/m3 以上960k
g/m3 以下であることを特徴とする前記(1)、又は
(2)に記載のポリエチレン組成物であり、(4)ゲル
・パーミエーショイン・クロマトグラフィー(GPC)
から求められる重量平均分子量Mwと数平均分子量Mn
の比Mw/Mnの値が6以上10以下であることを特徴
とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエチ
レン組成物であり、(5)前記(1)〜(4)のいずれ
かに記載のポリエチレン組成物からなることを特徴とす
る中空成型体である。本発明のポリエチレン組成物は、
工業的に適用範囲の広い、優れた成型加工性を有し、ま
たゲル等の発生も少なく実用特性に優れており、中空、
押出等の幅広い成形分野に適用でき、特に高速・薄肉中
空成型に好適である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
構成成分であるポリエチレン(A)とポリエチレン
(B)はエチレンの単独重合体及びエチレンとα−オレ
フィンとの共重合体の群から選ばれる。共重合に用いる
α−オレフィンは、炭素数3乃至14のもので、例え
ば、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メ
チルペンテン−1、オクテン、デセン等が挙げられる。
本発明のポリエチレン(A)は、クロム化合物担持触媒
を用いて重合されたポリエチレンである。
【0011】ポリエチレン(A)を製造するのに用いる
クロム化合物担持触媒としては、無機酸化物担体にクロ
ム化合物を担持した固体触媒、または該固体触媒と有機
金属化合物とを組み合わせた触媒等、公知の触媒が挙げ
られる。具体的には、特公昭44−2996号公報、同
47−1365号公報、同44−3827号公報、同4
4−2337号公報、同47−19685号公報、同4
5−40902号公報、同49−38986号公報、同
56−18132号公報、同59−5602号公報、同
59−50242号公報、同59−5604号公報、特
公平1−1277号公報、同1−12778号公報、同
1−12781号公報、特開平11−302465号公
報、同9−25312号公報、同9−25313号公
報、同9−25314号公報、特表平7−503739
号公報、米国特許5,104,841号明細書、同5,
137,997号明細書等に記載された触媒が例示でき
る。
【0012】これら公知の触媒のうち、特に酸化クロム
または焼成によって少なくとも部分的に酸化クロムを形
成するクロム化合物を担持した固体触媒を触媒成分とし
て用いる触媒が、適度な溶融張力(Melt Tens
ion:MT)、溶融伸度(Melt Elongat
ion:ME)、スウェル、耐ドローダウン性等のバラ
ンスを有するため、本発明で用いるクロム化合物担持触
媒として好適である。本発明でポリエチレン(A)は、
クロム化合物担持触媒を用い、且つ重合反応器1基を用
いた単段重合で重合されたポリエチレンが好ましい。
【0013】本発明のポリエチレン(A)は特開平12
−86718号公報等に記載の方法によって製造され
る、無機酸化物担体にクロム化合物を担時した固体成分
と有機金属化合物を組み合わせてなる重合触媒存在下に
おいて製造されることがさらに好適である。本発明のポ
リエチレン(A)を得るために、もっとも好ましい重合
触媒は、耐火性化合物上に支持され非還元雰囲気下で熱
処理により活性化された酸化クロム触媒と、下記一般式
(1)で表される有機アルミニウム化合物とを組み合わ
せてなる重合触媒である。 R(3-n) −Al−Ln ・・・(1) (式中、Rは炭素数6以上12以下であるアルキル基、
Lは炭素数1以上8以下であるアルコキシ基またはフェ
ノキシ基であり、nは0を超えて1未満の実数)クロム
化合物担持触媒を用いる重合の方法は、懸濁重合、溶液
重合、気相重合等の公知の方法を用いることができる。
【0014】ポリエチレン(A)のHLMFRは0.1
g/10分以上である。ポリエチレン(A)のHLMF
Rが0.1g/10分よりも低ければ成形加工時にメル
トフラクチャーやシャークスキンと呼ばれる肌荒れが発
生し、成型体の品質低下を招くため好ましくない。本発
明のポリエチレン(A)のHLMFRは、好ましくは1
g/10分以上であり、より好ましくは10g/10分
以上であり、さらに好ましくは20g/10分以上であ
り、最も好ましくは30g/10分以上である。また、
ポリエチレン(A)のHLMFRは500g/10分以
下である。ポリエチレン(A)のHLMFRが500g
/10分よりも大きければ、ドローダウンが起こり成形
が困難になるため好ましくない。ポリエチレン(A)の
HLMFRは、好ましくは200g/10分以下であ
り、より好ましくは100g/10分以下であり、さら
に好ましくは60g/10分以下であり、最も好ましく
は45g/10分以下である。
【0015】更に、ポリエチレン(A)のHLMFR
は、0.1g/10分以上500g/10分以下、好ま
しくは1g/10分以上200g/10分以下、より好
ましくは10g/10分以上100g/10分以下、さ
らに好ましくは20g/10分以上60g/10分以
下、最も好ましくは30g/10分以上45g/10分
以下である。また、ポリエチレン(A)のMFRは50
g/10分以下である。MFRが50g/10分よりも
大きければ、ポリエチレン組成物の強度低下が著しく、
好ましくない。本発明のポリエチレン(A)のMFR
は、好ましくは10g/10分以下であり、より好まし
くは5g/10分以下であり、さらに好ましくは3g/
10分以下であり、最も好ましくは1.0g/10分以
下である。
【0016】ポリエチレン(A)のMFRは0.01g
/10分以上である。MFRが0.01g/10分より
も小さければ、成形時に樹脂圧が高くなり成形が困難に
なるため好ましくない。ポリエチレン(A)のMFR
は、好ましくは0.1g/10分以上であり、より好ま
しくは0.2g/10分以上であり、さらに好ましくは
0.3g/10分以上であり、最も好ましくは0.4g
/10分以上である。更に、ポリエチレン(A)のMF
Rは0.01g/10分以上50g/10分以下、好ま
しくは0.1g/10分以上10g/10分以下であ
り、より好ましくは0.2g/10分以上5g/10分
以下であり、さらに好ましくは0.3g/10分以上3
g/10分以下であり、最も好ましくは0.4g/10
分以上1.0g/10分以下である。
【0017】本発明のポリエチレン(A)の密度は、9
10kg/m3 以上である。密度が910kg/m3
りも低ければ、本発明のポリエチレン組成物の剛性を充
分確保することができず、好ましくない。本発明のポリ
エチレン(A)の密度は、好ましくは930kg/m3
以上であり、より好ましくは945kg/m3 以上であ
り、さらに好ましくは955kg/m3 以上であり、最
も好ましくは960kg/m3 以上である。また、本発
明のポリエチレン(A)の密度は980kg/m3 以下
である。密度が980kg/m3 以上を超えると、成型
加工時に樹脂の固化速度が速くなり過ぎ成型加工しづら
くなる。本発明のポリエチレン(A)は、好ましくは9
70kg/m3 以下であり、より好ましくは965kg
/m3 以下である。
【0018】更に、本発明のポリエチレン(A)の密度
は、910kg/m3 以上980kg/m3 以下、好ま
しくは930kg/m3 以上970kg/m3 以下、よ
り好ましくは945kg/m3 以上965kg/m3
下、さらに好ましくは955kg/m3 以上965kg
/m3 以下であり、最も好ましくは960kg/m3
上965kg/m3 以下である。本発明のポリエチレン
(A)の分子量分布Mw/Mnは、6以上30以下であ
る。Mw/Mnが6未満であれば、成型加工時の押出し
負荷が高くなりすぎ成型加工がしづらくなり、30を超
えると低温での耐衝撃性が低下する。好ましくは6以上
20以下であり、より好ましくは6以上15以下であ
り、さらに好ましくは6以上10以下である。
【0019】本発明のポリエチレン(B)は高圧ラジカ
ル重合法で重合されたポリエチレンである。高圧ラジカ
ル重合法は、公知のオートクレーブ型重合器やチューブ
型重合器等を用いた重合方法が適用できる。重合条件等
は、公知の条件が採用できる。例えば重合圧力は、10
00乃至3500気圧が推奨され、また重合温度は15
0℃乃至350℃が推奨される。本発明のポリエチレン
(B)のMFRは0.1g/10分以上である。MFR
が0.1g/10分よりも小さければ、高圧ラジカル法
でポリエチレンを製造する際にゲルを発生しやすくな
り、好ましくない。本発明のポリエチレン(B)のMF
Rは、好ましくは0.2g/10分以上であり、さらに
好ましくは0.5g/10分以上である。
【0020】また、本発明のポリエチレン(B)のMF
Rは100g/10分以下である。MFRが100g/
10分よりも大きければ、ポリエチレン(B)の製造時
に押出し機でペレタイズすることが困難になり、事実上
製造できず実用的ではない。本発明のポリエチレン
(B)のMFRは、好ましくは50g/10分以下であ
り、より好ましくは30g/10分以下であり、さらに
好ましくは15g/10分以下であり、よりさらに好ま
しくは5g/10分以下であり、最も好ましくは1g/
10分以下である。更に、本発明のポリエチレン(B)
のMFRは0.1g/10分以上100g/10分以
下、好ましくは0.2g/10分以上50g/10分以
下、より好ましくは0.5g/10分以上30g/10
分以下、さらに好ましくは0.5g/10分以上15g
/10分以下であり、よりさらに好ましくは0.5g/
10分以上5g/10分以下であり、最も好ましくは
0.5g/10分以上1g/10分以下である。
【0021】本発明のポリエチレン(B)の密度は、9
10kg/m3 以上である。密度が910kg/m3
りも低ければ、ポリエチレン組成物の剛性を確保でき
ず、好ましくない。本発明のポリエチレン(B)の密度
は、好ましくは915kg/m 3 以上であり、より好ま
しくは920kg/m3 以上である。また、本発明のポ
リエチレン(B)の密度は、940kg/m3 以下であ
る。密度が940kg/m3 よりも大きければ、ポリエ
チレン(B)の溶融張力が低下するため、ポリエチレン
(B)を使用する効果を充分に得ることができなくな
る。本発明のポリエチレン(B)の密度は、好ましくは
935kg/m3 以下であり、より好ましくは930k
g/m3 以下である。更に、本発明のポリエチレン
(B)の密度は、910kg/m3 以上940kg/m
3 以下、好ましくは915kg/m3 以上935kg/
3 以下であり、より好ましくは920kg/m3 以上
930kg/m3 以下である。
【0022】本発明のポリエチレン(B)の分子量分布
Mw/Mnは、2以上20以下である。Mw/Mnが2
未満であれば、成型加工時の押出し負荷が高くなりすぎ
成型加工がしづらくなり、20を超えると低温での耐衝
撃性が低下する。好ましくは2以上15以下であり、よ
り好ましくは5以上15以下であり、さらに好ましくは
5以上10以下である。一般にクロム触媒ポリエチレン
は、分子量分布の広いポリエチレンに特徴的に見られる
ように、Mw/Mnが比較的大きいことから、成型加工
性に優れ、中空成型に好適なポリエチレンとして一般的
に使用されている。しかしながら、最近急速に高まりつ
つある高速・薄肉成形の要求には充分対応できず、特に
溶融時の粘度が不足しており、成形時特に高速・薄肉成
形時に、成型体の肉厚が不均一になったり、極端な場合
には破裂する等という問題があった。
【0023】本発明では、クロム触媒ポリエチレンであ
るポリエチレン(A)に、高い溶融張力を有する高圧ラ
ジカル重合法ポリエチレンをポリエチレン(B)として
加えることで、ポリエチレン組成物の溶融張力を高める
ことができる。通常、クロム触媒ポリエチレンに高圧ラ
ジカル法ポリエチレンを加えることは、耐衝撃性を低下
させ、中空成型で得られるボトルの落下強度を低下せし
める等好ましからざる結果を招くと考えられ、敬遠され
てきた。しかしながら本発明者が鋭意研究した結果、驚
くべきことに、高速・薄肉中空成型では、特定のクロム
触媒ポリエチレンに高圧ラジカル法ポリエチレンを特定
の量加えたポリエチレン組成物を用いると、成型体の厚
みを均一に成形でき、融着部の強度も上がるため、結果
的にボトルの落下強度はむしろクロム触媒ポリエチレン
を超える値を示すことが明らかになった。また本発明の
ポリエチレン組成物は、チーグラーポリエチレンを使用
する場合に含まれていた高分子量ポリエチレンを成分と
して含んでいないため、ゲル等の実用特性における問題
の発生も少ない効果も判明した。
【0024】このように本発明のポリエチレン組成物
は、ポリエチレン(B)を含有することでゲル等の実用
特性を損なうことなく成型加工性を改良することが可能
になることから、成型体の外観不良の低減等の実用上の
効果および成型体の強度向上等の物性上の効果を実現で
きる。本発明のポリエチレン組成物は、ポリエチレン
(B)を1重量%以上含有することが好ましい。ポリエ
チレン組成物が本発明のポリエチレン組成物におけるポ
リエチレン(B)の含有量が1重量%未満であると、成
型加工性の改良効果を充分得ることができない。本発明
のポリエチレン(B)のより好ましい含有量は3重量%
以上であり、さらに好ましくは5重量%以上である。
【0025】また、本発明のポリエチレン組成物におけ
るポリエチレン(B)の含有量は50重量%未満が好ま
しい。ポリエチレン(B)の含有量が50重量%以上で
あると溶融伸度が低下し、高速で且つ薄肉化を目的とし
た延伸倍率の高い成形では、成型加工性が却って低下す
る。ポリエチレン(B)の、より好ましい含有量は30
重量%未満であり、さらに好ましくは15重量%未満で
あり、最も好ましくは10重量%未満である。更に、本
発明のポリエチレン組成物のポリエチレン(B)含有量
は、1重量%以上50重量%未満、好ましくは3重量%
以上30重量%未満、より好ましくは3重量%以上15
重量%未満、さらに好ましくは5重量%以上15重量%
未満、最も好ましくは5重量%以上10重量%未満であ
る。
【0026】本発明で、ポリエチレン(A)とポリエチ
レン(B)を用いて本発明のポリエチレン組成物を製造
する方法は、パウダー状、ペレット状等のポリエチレン
(A)とペレット状のポリエチレン(B)とを、公知の
一軸、二軸等の押出し機、混練機等を用いて、通常15
0乃至280℃の温度で混練して得ることができる。特
に重合時に得られるポリエチレン(A)のパウダーとポ
リエチレン(B)のペレットをブレンダー等で混合し、
押出し機等で混練しつつペレット化する方法が、均一混
合体を得ることができ且つポリエチレン製造工程内でで
きるため安価な方法として、推奨される。またポリエチ
レン(A)とポリエチレン(B)とを予め別々にペレッ
ト化しておき、ドラムタンブラーやヘンシェルミキサー
等の混合機を用いてドライブレンドして混合物とし、そ
の後成形機に投入して成型体を得ることも可能である。
【0027】このようにして製造される本発明のポリエ
チレン組成物は、HLMFRが1g/10分以上であ
り、MFRが100g/10分以下である。HLMFR
が1g/10分未満であると成型加工時の押出し負荷が
高くなりすぎ成型加工がしづらくなる。本発明のポリエ
チレン組成物は、好ましくはHLMFRが1g/10分
以上であり、MFRが5g/10分以下である。本発明
のポリエチレン組成物のHLMFRは、好ましくは3g
/10分以上であり、より好ましくは10g/10分以
上であり、さらに好ましくは20g/10分以上であ
り、もっとも好ましくは30g/10分以上である。
【0028】また、本発明のポリエチレン組成物のHL
MFRは、好ましくは500g/10分以下であり、よ
り好ましくは100g/10分以下であり、さらに好ま
しくは60g/10分以下であり、もっとも好ましくは
45g/10分以下である。更に、本発明のポリエチレ
ン組成物のHLMFRは、好ましくは3g/10分以上
500g/10分以下であり、より好ましくは10g/
10分以上100g/10分以下であり、さらに好まし
くは20g/10分以上60g/10分以下であり、も
っとも好ましくは30g/10分以上45g/10分以
下である。
【0029】また、本発明のポリエチレン組成物のMF
Rは、100g/10分以下である。MFRが100g
/10分より大きければ、樹脂の溶融時の粘度が低過ぎ
実用上成形が困難になる。本発明では、ポリエチレン組
成物のMFRは、好ましくは50g/10分以下であ
り、より好ましくは10g/10分以下であり、さらに
好ましくは5g/10分以下であり、最も好ましくは
1.0g/10分以下である。一方、本発明のポリエチ
レン組成物のMFRは、0.01g/10分以上、好ま
しくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.2g
/10分以上であり、さらに好ましくは0.3g/10
分以上であり、最も好ましくは0.4g/10分以上で
ある。更に、本発明のポリエチレン組成物のMFRは、
0.01g/10分以上100g/10分以下、好まし
くは0.1g/10分以上50g/10分以下、より好
ましくは0.2g/10分以上10g/10分以下、さ
らに好ましくは0.3g/10分以上5g/10分以下
であり、最も好ましくは0.4g/10分以上1.0g
/10分以下である。
【0030】本発明のポリエチレン組成物の密度は、9
10kg/m3 以上、970kg/m3 以下である。密
度が910kg/m3 未満であると、成型体が柔らかく
なりすぎるため中空、押出し等の成型加工がしづらく、
また成型体自体の剛性も不足し実用的でない。本発明の
ポリエチレン組成物の密度は、好ましくは930kg/
3 以上であり、より好ましくは940kg/m3 以上
であり、さらに好ましくは950kg/m3 以上であ
り、最も好ましくは955kg/m3 以上である。ま
た、ポリエチレン組成物の密度が970kg/m3 より
も高ければ、成型加工時に樹脂の固化速度が速くなり過
ぎ成型加工しづらくなる。ポリエチレン組成物の密度
は、好ましくは965kg/m3 以下であり、より好ま
しくは960kg/m3 以下である。また、本発明のポ
リエチレン組成物の密度は、好ましくは930kg/m
3 以上965kg/m3 以下であり、より好ましくは9
40kg/m3 以上965kg/m3 以下であり、さら
に好ましくは950kg/m3 以上965kg/m3
下であり、最も好ましくは955kg/m3 以上960
kg/m3 以下である。
【0031】本発明のポリエチレン組成物の分子量分布
Mw/Mnは、6以上30以下である。Mw/Mnが6
未満であれば、成型加工時の押出し負荷が高くなりすぎ
成型加工がしづらくなり、30を超えると低温での耐衝
撃性が低下する。好ましくは6以上20以下であり、よ
り好ましくは6以上15以下であり、さらに好ましくは
6以上10以下である。本発明のポリエチレン組成物の
スウェルは、35以上60以下である。スウェルが35
未満であれば、中空成型体の成型後の収縮が大きくな
り、内容量が小さくなる問題が生じる。また、スウェル
が60以上であれば、成形に必要な長さのパリソンを押
出す時間が長くなり、成形サイクルが低下する。よっ
て、本発明のポリエチレン組成物のスウェルは、好まし
くは40以上60以下であり、より好ましくは44以上
56以下であり、さらに好ましくは46以上52以下で
ある。
【0032】本発明のポリエチレン組成物の溶融張力
(MT)は、8以上20以下である。MTが8未満であ
れば、ドローダウンを起こし易くなり、20以上であれ
ば、ピンチオフ融着部の肉厚が薄くなる問題が生じ易
い。よって、本発明のポリエチレン組成物のMTは、好
ましくは8以上15以下であり、より好ましくは10以
上15以下である。本発明のポリエチレン組成物の溶融
伸度(ME)は、4以上20以下である。MEが4未満
であれば、溶融樹脂の均一延伸性が低下し、中空成型体
に厚み斑が生じ易くなり好ましくない。MEが20以上
であればピンチオフ融着部の肉厚が薄くなる問題が生じ
易い。よって、本発明のポリエチレン組成物のMEは、
好ましくは6以上15以下であり、より好ましくは6以
上12以下であり、さらに好ましくは6以上10以下で
ある。
【0033】本発明のポリエチレン組成物には、熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、滑
剤、充填剤、他のポリオレフィン、熱可塑性樹脂、ゴム
など通常ポリオレフィンに添加ブレンドされ得る物質を
必要に応じて使用できる。他のポリオレフィンとして、
上記ポリエチレン(A)およびポリエチレン(B)以外
のポリエチレンを使用するときは、本発明のポリエチレ
ン組成物100重量部に対して、該ポリエチレンの添加
量は5重量部以下であることが好ましく、より好ましく
は3重量部以下であり、さらに好ましくは1重量部以下
である。
【0034】本発明において示す記号、測定方法及び測
定条件は以下の通りである。 (i)MFR:メルトインデックスを表し、JIS K
7210により、温度190℃、荷重2.16kgの条
件下で測定した値で、単位はg/10分である。 (ii)HLMFR:高荷重メルトインデックスを表
し、JIS K7210により、温度190℃、荷重2
1.6kgの条件下で測定した値で、単位はg/10分
である。 (iii)密度:JIS K7112に従って測定し値
で、単位はkg/m3 である。
【0035】(iv)分子量分布:ゲル・パーミエーシ
ョン・クロマトグラフィー(GPC)から求められる重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw
/Mnの値である。GPC測定は、ウォーターズ社製G
PCV2000を用い、カラム昭和電工(株)製UT−
807(1本)と東ソー(株)製GMHHR−H(S)
HT(2本)を直列に接続、移動相トリクロロベンゼン
(TCB)、カラム温度140℃、流量1.0ml/
分、試料濃度20mg/15ml(TCB)、注入量4
13μl、試料溶解温度140℃、試料溶解時間2時間
の条件で行った。分子量の校正は、東ソー(株)製標準
ポリスチレンのMwが1050〜206万の範囲の12
点で行った。それぞれの標準ポリスチレンのMwに係数
0.43を掛けてポリエチレン換算分子量とし、溶出時
間とポリエチレン換算分子量のプロットから一次の校正
直線を作成し、各サンプルの分子量を決定した。
【0036】(v)溶融張力(MT):インストロン社
製キャピログラフを用い、温度190℃、オリフィス径
2.095mm、オリフィス長さ8mm、ダウンスピー
ド0.6cm/分の条件で溶融樹脂を押出し、巻取り機
にて2.0m/分の速度で巻き取った時の荷重で、単位
はgである。 (vi)溶融伸度(ME):MT測定と同条件で溶融樹
脂を押出し、ストランドの巻取り速度を上げていき、ス
トランドが破断する巻取り速度を溶融伸度(ME)とし
た。単位は、m/分である。 (vii)スウェル:50mm径スクリュー付中空成型
機( プラコー社製A−50) を用い、ダイス径16m
m、コア径10mm、シリンダー温度180℃、スクリ
ュー回転数45rpmの条件で押出した時の20cm長
さのパリソン重量であり、単位はgである。
【0037】(viii)ドローダウン指数:スウェル
測定と同条件で押出した時の50cm長さのパリソン重
量をスウェルの値で除した数値である。この値が小さい
ことは、ドローダウンし易いことを意味し、ブロー成形
時の肉厚斑の要因となるため好ましくない。 (ix)引張衝撃強度:ASTMD1822に準拠し、
S型ダンベルを使用し、厚さ1.1mm〜1.2mmの
プレスシートを試験片として測定された値であり、単位
はkg・cm/cm2 である。
【0038】評価に使用した中空成型体の成形条件及び
得られた成型体の評価方法は次に示すとおりである。 (i)中空成型体成形条件:55mm径スクリュー付中
空成型機( プラコー社製SB−55) を用い、ダイス径
58mm、コア径54mm、シリンダー温度200℃、
金型温度20℃、金型冷却時間18秒,押出量20kg
/時間の条件で成型体重量90g、内容量2100cc
の把手付き中空成型体を得た。 (ii)樹脂圧:(i)の成形条件での樹脂圧であり、
単位はkgf/cm2 である。 (iii)ボトル内容量:(i)で得た中空成型体を2
3℃で2日間状態調節した後、容器が満杯になるまで2
3℃の水を充填し、重量測定から内容量を測定した。 (iv)ボトル落下:(i)で得た中空成型体を23℃
で2日間状態調節した後、容器に冷水(5℃)を満た
し、密栓し、1.2mの高さからコンクリート面に落下
させたときに、破損した容器の本数(10本中)。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【実施例1】ポリエチレン(A−1) 触媒の合成 :三酸化クロム40ミリモルを蒸留水0.8
リットルに溶解し、この溶液中にシリカ(W.Rグレー
スアンドカンパニー製グレード952)200gを浸漬
し、室温にて1時間攪拌後、このスラリーを加熱して水
を留去し、続いて120℃にて10時間減圧乾燥を行っ
た後、800℃にて5時間乾燥空気を流通させて焼成
し、クロムを1.0重量%含有した固体触媒成分(A)
を得た。
【0040】一方、触媒成分(B)として、メタノール
とアルミニウムトリヘキシルとをモル比0.96:1で
反応させることにより得られた有機アルミニウム化合物
を使用した。エチレンの重合 :上記合成した固体触媒成分(A)を用
い、内容量350リットルのジャケット付き重合槽で、
液位170リットルで、イソブタン溶媒により重合を行
った。重合槽へは、上記固体触媒成分(A)を2.0g
/hrの速度で、触媒成分(B)を濃度が0.08mm
ol/リットルになるように供給し調整した。精製イソ
ブタンは32リットル/hrの速度で、またエチレンを
10kg/hrの速度で供給し、分子量調整剤として水
素を気相濃度が約18mol%になるように供給して重
合温度93℃、全圧2.4MPa、平均滞留時間3.7
時間で連続重合を行った。重合器内のポリマーは乾燥工
程を経た後パウダーとして得られ、パウダー状のポリエ
チレン(A−1)のHLMFRは58、MFRは1.0
(g/10分)、密度は965(kg/m3 )、Mw/
Mnは8であった。
【0041】ポリエチレン(B−1) 高圧ラジカル重合法で重合されたポリエチレンとして、
高圧法LD(旭化成株式会社製グレード名:M220
6)を使用した。ポリエチレン(B−1)のMFRは
0.6(g/10分)、密度は923(kg/m3 )、
Mw/Mnは6であった。ポリエチレン組成物 上記の如くして製造したポリエチレン(A−1)及び
(B−1)を使用して、組成物中におけるポリエチレン
(B−1)の含有量が15重量%になるように混合し、
次いでこの混合物にステアリン酸カルシウム60ppm
およびチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノ
ックス1076を300ppmの濃度になるよう添加
し、混合機で攪拌混合した。この混合物をシリンダー径
44mmの二軸押出機(日本製鋼所社製TEX44HC
T−49PW−7V)を使用し、220℃の温度で混練
しながら押出し、組成物を得た。このポリエチレン組成
物の性能を評価した結果を表1に示す。
【0042】
【実施例2】ポリエチレン(A−2) 実施例1のポリエチレン(A−1)の重合を重合温度8
5℃、水素の気相濃度約21mol%、ブテン−1の気
相濃度約0.2mol%で行った以外は同様にしてポリ
エチレン(A−2)を得た。パウダー状のポリエチレン
(A−2)のHLMFRは53、MFRは0.9(g/
10分)、密度は961(kg/m3 )、Mw/Mnは
8であった。ポリエチレン(B−2) 高圧ラジカル重合法で重合されたポリエチレンとして、
高圧法LD(旭化成株式会社製グレード名:M762
0)を使用した。ポリエチレン(B−2)のMFRは2
0(g/10分)、密度は926(kg/m3 )、Mw
/Mnは8であった。ポリエチレン組成物 上記の如くして製造したポリエチレン(A−2)及び
(B−2)を使用して、組成物中におけるポリエチレン
(B−2)の含有量が5重量%になるように混合した以
外は実施例1と同様にしてポリエチレン組成物を得た。
このポリエチレン組成物の性能を評価した結果を表1に
示す。
【0043】
【比較例1】ポリエチレン(B−1)を添加しなかった
以外は実施例1と同様にしてポリエチレンを得た。この
ポリエチレンの性能を評価した結果、表1に示す通り、
実施例1のポリエチレン組成物に比べて、溶融張力(M
T)が約27%低く、またドローダウン指数も約14%
劣るポリエチレン組成物であった。実施例1、2のポリ
エチレン組成物と比べて、引張衝撃強度に優れるもの
の、中空成型体の融着部強度が劣るため、ボトル落下で
は把手融着部の破損が10本中5本発生した。
【比較例2】ポリエチレン(B−2)を添加しなかった
以外は実施例2と同様にしてポリエチレンを得た。得ら
れたポリエチレンの物性測定結果を表1に示す。比較例
1と同様に引張衝撃強度に優れるものの、ボトル落下で
は把手融着部の破損が10本中6本発生した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明は、エチレンの単独重合体および
エチレンとα−オレフィンの共重合体の群から選ばれ
る、クロム化合物担持触媒を用いて重合されたポリエチ
レンと、高圧ラジカル重合法で重合されたポリエチレン
とから成るポリエチレン組成物に関する。本発明のポリ
エチレン組成物は、工業的に適用範囲の広い優れた成型
加工性を有しており、またゲル等の発生も少なく実用特
性に優れていることから、中空、押出等の幅広い成形分
野に適用でき、特に高速・薄肉中空成型に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA15 AA16 AA18 AA81 AA82 AA88 AF23 AF53 AH05 BA01 BC04 4F208 AA05A AA05K AA07A AA07K AG07 AM32 AR15 LA01 LG01 LG22 4J002 BB03W BB03X BB05W GG01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンの単独重合体およびエチレンと
    α−オレフィンの共重合体の群から選ばれるポリエチレ
    ン(A)およびポリエチレン(B)とから成るポリエチ
    レン組成物であって、(i)ポリエチレン(A)はクロ
    ム化合物担持触媒を用いて重合されたポリエチレンであ
    り、(ii)ポリエチレン(A)のHLMFR(高荷重
    メルトインデックスを表し、JIS K7210によ
    り、温度190℃、荷重21.6kgの条件下で測定し
    た値、以下同じ)が0.1g/10分以上、MFR(J
    IS K7210により、温度190℃、荷重2.16
    kgの条件下で測定した値、以下同じ)が50g/10
    分以下、密度が910kg/m3 以上980kg/m3
    以下であり、(iii)ポリエチレン(B)は高圧ラジ
    カル重合法で重合されたポリエチレンであり、(iv)
    ポリエチレン(B)のMFRが0.1g/10分以上1
    00g/10分以下、密度が910kg/m3 以上94
    0kg/m3 以下であり、(v)ポリエチレン(B)の
    含有量が1重量%以上、50重量%未満であり、(v
    i)HLMFRが1g/10分以上、MFRが100g
    /10分以下であり、密度が910kg/m3 以上97
    0kg/m3 以下であることを特徴とするポリエチレン
    組成物。
  2. 【請求項2】 HLMFRが1g/10分以上、MFR
    が5g/10分以下、密度が940kg/m3 以上、9
    65kg/m3 以下であり、且つ中空成型用であること
    を特徴とする請求項1記載のポリエチレン組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエチレン(B)の含有量が3重量%
    以上、15重量%未満であり、MFRが0.4g/10
    分以上1g/10分以下、密度が955kg/m3 以上
    960kg/m3 以下であることを特徴とする請求項
    1、又は請求項2に記載のポリエチレン組成物。
  4. 【請求項4】 ゲル・パーミエーション・クロマトグラ
    フィー(GPC)から求められる重量平均分子量Mwと
    数平均分子量Mnの比Mw/Mnの値が6以上10以下
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のポリエチレン組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポ
    リエチレン組成物からなることを特徴とする中空成型
    体。
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