JPH0699511B2 - オレフインの連続重合法 - Google Patents

オレフインの連続重合法

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JPH0699511B2
JPH0699511B2 JP16282085A JP16282085A JPH0699511B2 JP H0699511 B2 JPH0699511 B2 JP H0699511B2 JP 16282085 A JP16282085 A JP 16282085A JP 16282085 A JP16282085 A JP 16282085A JP H0699511 B2 JPH0699511 B2 JP H0699511B2
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茂樹 永松
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三井石油化学工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はオレフインの連続重合法に関する。さらに詳し
くは、工業的に有利な操作によつて、溶融張力および溶
融弾性に優れ、溶融成形性に優れたポリオレフインを製
造する方法に関する。
〔従来の技術〕
マグネシウム、チタン及びハロゲンを必須成分とする高
活性チタン触媒成分(A′)と有機アルミニウム化合物
触媒成分(B′)とから形成される触媒を用いたエチレ
ンの重合を行う方法に関しては、すでに多くの提案があ
る。また、エチレンなどのオレフインの単独重合及び共
重合において二段階以上の多段階重合を採用する方法に
関しても多くの提案がある。
一般に、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレ
フインは軽量で経済性に優れかつ溶融成形性に優れてい
ることから、押出成形、ブロー成形、射出成形などの溶
融成形の分野において汎用用途に利用されている。しか
し、これらのポリオレフイン、とくにエチレン成分を主
成分として含むエチレン系重合体、とりわけチーグラー
型重合触媒によつて重合したエチレン系重合体は溶融成
形性に優れてはいるものの、とくにブロー成形の分野に
おいては溶融張力及び溶融弾性に劣り、その結果成形時
にドローダウンの現象が起こり易かつたり、成形品にウ
エルドラインが発生し易いという欠点があり、その改善
が強く要望されている。そのため、エチレン系重合体な
どのポリオレフインのこれらの物性を改善しようとする
試みも種々提案されている。たとえば、ポリオレフイン
の製造時における触媒及びその組成や重合処方を改良す
ることによりその目的を達成しようとする方法、ポリオ
レフインに改質剤を配合することにより同様の目的を達
成しようとする方法、あるいはポリオレフインを部分的
に架橋させることにより同様の目的を達成しようとする
方法などが試みられているが、いずれの処方も煩雑であ
つたり、効果が充分でないなどの難点があり、さらに溶
融張力及び溶融弾性に優れたポリオレフインが求められ
ている。
例えば、特公昭48-42716号公報には、エチレンを特定の
触媒の存在下に、第1段階で5〜95容量%の水素の雰囲
気下で重合させそして第2段階で0〜2容量%の水素の
雰囲気下で重合させて、広い分子量分布を有するバイモ
ダル重合体を生成さる方法が開示されている。同重合体
は流動特性および環境応力ひずみに対する抵抗性に優れ
ていることも開示されている。
特公昭46-11,349号公報には、エチレン又はエチレンと1
0重量%までの炭素数3〜15のα‐オレフインとの混合
物を、50〜120℃の温度で2段階で重合させ、その際三
塩化チタン化合物の有機アルミニウム化合物の使用量お
よび有機アルミニウム化合物の種類を特定し且つ一方の
段階での重合を0〜10容量%の水素の雰囲気下で全重合
体の5〜30重量%実施しそして他の段階での重合を20〜
80容量%の水素の雰囲気下で全重合の70〜95重量%実施
して、分子量分布の広いポリオレフインを製造する方法
が開示されている。このポリオレフインは高い引裂き強
度と良好な表面性質を有することも開示されている。
また、特公昭59-10724号公報および対応米国特許第4,33
6,352号明細書には、直列に接続した3基以上の重合器
内でそれぞれ異つた分子量のポリエチレンを製造する多
段連続重合方法が開示されている。この方法では、最も
高い分子量を有するポリエチレンは粘度平均分子量が10
0万以上でありそしてその生成速度が全体のポリマー生
成速度の1〜10%であることが特定されさらに他の段で
重合されるポリエチレンのうちより低分子量のポリエチ
レンの粘度平均分子量が1,000〜50,000であり、より高
分子量ポリエチレンの粘度平均分子量がその2〜100倍
であり、しかも前者対後者の生成量比が3:7〜7:3である
ことが特定されている。同公報に開示された実施例1で
は、直列に結合した3基の重合器から成る重合装置を用
い、上流側の第1の重合器で分子量約300万の超高分子
量ポリエチレンを生成し、第2の重合器では比較的低分
子量のポリエチレンを生成し、そして第3の重合器では
比較的高分子量のポリエチレンを生成し、全体としてMI
値が0.3のポリマーを得ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、オレフインを新規な多段連続重合方法
を提供することにある。
本発明の他の目的は、銘柄変更によつても多量のトラン
ジシヨン品の生成を回避できるオレフインの多段連続重
合法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、比較的低分子量のポリオレ
フインを生成する重合工程を実施する重合器内の水素分
圧を、該重合器内に超高分子量のポリオレフインを存在
させることなく重合を実施することによつて、比較的低
水準に維持することができ、従つて操作が容易で且つ耐
圧度のあまり大きくない重合器を用いて実施することの
できるオレフインを多段連続重合法を提供することにあ
る。
本発明のさらに他の目的は、ホモポリオレフイン製造す
る際に好適であるのみならず、コポリオレフインを製造
する際にも好適なオレフインの多段連続重合法を提供す
ることにある。
本発明のさらに他の目的は、異なる重合度のポリオレフ
インを製造する重合器毎にあるいは少くとも重合系列毎
に異なる種類の適切な重合触媒を使用することのできる
工業的に有利なオレフインの多段重合法を提供すること
にある。
本発明のさらに他の目的は、メルトランシヨン、ダイス
ウエルドローダランあるいはストレスクラツク性等にお
いて優れているポリオレフインを与えることのできるオ
レフインの多段連続重合法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明
らかとなろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、
(A)チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分と
する固体状チタン触媒成分、及び(B)有機アルミニウ
ム化合物から形成される触媒の存在下に、原料オレフイ
ンを、少くとも3基の重合器から成る重合装置を用いて
多段階連続重合工程により重合させ、その際少くとも3
基の重合器内でそれぞれ異なった極限粘度[η](デカ
リン溶媒中で135℃で測定した値)のポリオレフインを
生成させるオレフインの連続重合法において、 (i) 重合装置として、直列に連結された少くとも2
基の重合器から成る第1重合系列と、該第1重合系列の
上流側の最初の重合器の後であって最後の重合器の前の
ライン又は中間の重合器と連結する第2重合系列とから
成る多段階重合装置を使用し、 (ii) 上記第2重合系列の重合工程において、全重合
工程で重合される原料オレフインの0.1重量%を超え5
重量%未満を重合させることにより、極限粘度[η]u
(デカリン溶媒中で135℃で測定した値)が15dl/g以上
の超高分子量ポリオレフインを生成させ、 (iii) 上記第1重合系列の重合工程において水素の
存在下に残余の原料オレフインを重合させ、極限粘度
(デカリン溶媒中で135℃で測定した値)が前記[η]
uよりも小さく且つ2基の重合器において少くとも極限
粘度(デカリン溶媒中で135℃で測定した値)が異なっ
たポリオレフインを生成させる、 ことを特徴とするオレフインの連続重合法によって達成
される。
本発明の重合方法の実施に際しては、例えば従来中・低
圧法に提案されているような各種の遷移金属含有触媒を
用いることができる。このような触媒としては、例えば
遷移金属化合物触媒成分と周期律表第1族ないし第3族
金属の有機金属化合物触媒成分とから形成された遷移金
属含有触媒を用いることができる。
前記遷移金属化合物触媒成分は、チタン、バナジウム、
クロム、ジルコニウムなどの遷移金属の化合物であつ
て、使用条件下で液状のものであつても固体状のもので
あつてもよい。これらは単一化合物である必要はなく、
他の化合物に担持されていたりあるいは混合されていて
もよい。さらに、他の化合物との錯化合物や複化合物で
あつてもよい。好適な上記成分は、遷移金属1ミリモル
当たり5,000g以上、とくに8,000g以上のオレフイン重合
体を製造することができる高活性遷移金属化合物触媒成
分であつて、その代表的なものとしてマグネシウム化合
物によつて高活性化されたチタン触媒成分を例示するこ
とができる。例えば、チタン、マグネシウム及びハロゲ
ンを必須成分とする固体状のチタン触媒成分であつて、
非晶化されたハロゲン化マグネシウムを含有し、その比
表面積は、好ましくは約40m2/g以上、とくに好ましくは
約80m2/gの成分を例示することができる。そして電子供
与体、例えば有機酸エステル、ケイ酸エステル、酸ハラ
イド、酸無水物、ケトン、酸アミド、第三アミン、リン
酸エステル、亜リン酸エステル、エーテルなどを含有し
ていてもよい。このチタン触媒成分は、例えば、チタン
を約0.5ないし約10重量%、とくに約1ないし約8重量
%含有し、チタン/マグネシウム(原子比)が約1/2な
いし約1/100、とくに約1/3ないし約1/50、ハロゲン/チ
タン(原子比)が約4ないし約100、とくに約6ないし
約80、電子供与体/チタン(モル比)が0ないし約10、
とくに0ないし約6の範囲にあるものが好ましい。
あるいは、このようなチタン触媒成分として、アルコー
ルのような電子供与体の共存下に炭化水素溶媒に溶解さ
れた状態のマグネシウム化合物と液状のチタン化合物と
を併用したチタン触媒成分を例示することができる。
有機金属化合物触媒成分は、周期律第1族ないし第3族
の金属と炭素の結合を有する有機金属化合物であつて、
その例としては、アルカリ金属の有機化合物、アルカリ
土類金属の有機金属化合物、有機アルミニウム化合物な
どが挙げられる。例えば、アルキルリチウム、アリール
ナトリウム、アルキルマグネシウム、アリールマグネシ
ウム、アルキルマグネシウムハライド、アリールマグネ
シウムハライド、アルキルマグネシウムヒドリド、トリ
アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハライ
ド、アルキルアルミニウムヒドリド、アルキルアルミニ
ウムアルコキシド、アルキルリチウムアルミニウム、こ
れらの混合物などが例示できる。
前記2成分に加え、立体規則性、分子量、分子量分布な
どを調節する目的で、水素、ハロゲン化炭化水素、電子
供与体触媒成分、例えば有機酸エステル、ケイ酸エステ
ル、カルボン酸ハイランド、カルボン酸アミド、第三ア
ミン、酸無水物、エーテル、ケトン、アレデヒドなどを
使用してもよい。この電子供与体成分は、重合に際し、
予め有機金属化合物触媒成分と錯化合物(又は付加化合
物)を形成した態様で使用してもよく、またトリハロゲ
ン化アルミニウムのようなルイス酸の如き他の化合物と
の錯化合物(又は付加化合物)を形成した形で使用して
もよい。触媒は、1段重合反応器のみに供給してもよ
く、1段及びその他の各々の重合反応器へパラレル供給
してもよい。
本発明の方法において、オレフインの重合反応には、少
くとも3基の重合器から成る重合装置が用いられる。こ
の重合装置は第1の重合系列と第2の重合系列とから成
る。また第1の重合系列は直列に連結された少なくとも
2期の重合器から成る。第1の重合系列と第2の重合系
列とは、第2の重合系列が第1の重合系列の上流側の最
初の重合器の後であつて最後の重合器の前のライン又は
中間の重合器と連結して連絡している。
本発明に用いられる重合装置の実施態様をいくつか例示
すれば次のとおりである。
第1の重合系列が2基の重合器から成り、これらの重合
器を結合するラインに1基の重合器から成る第2の重合
系列が連結している重合装置。この態様において、第1
の重合系列の上流側の重合器において比較的高分子量の
ポリオレフインを生成し下流側の重合器において比較的
低分子量のポリオレフインを生成する場合、とその逆に
第1の重合系列の上流側の重合器において比較的低分子
量のポリオレフインを生成し下流側の重合器において比
較的高分子量のポリオレフインを生成する場合とがあ
る。前者の場合には、上流側の重合器で比較的高分子量
のポリオレフインを生成するために採用した水素圧より
も下流側の重合器での水素圧を低くすることができるか
ら、重合工程の移行と共に水素圧を抜いて下げればよ
い。従つて、前者の場合はホモポリオレフインを製造す
る際に好適に採用される。後者の場合には、ストレスク
ラツク性(ESCR)を下げるため用いられるコモノマーを
比較的高分子量のポリオレフインを生成する重合器に添
加するのが好適であることが知られているから、かかる
コモノマーを下流側の重合器に添加することができる点
で有利である。なぜなら、上流側の重合器で比較的高分
子量のポリマーを生成する際にコモノマーを添加する
と、比較的低分子量のポリオレフインを生成する重合工
程に移行する際未反応のコモノマーを実質的に完全に重
合反応を実施する前に抜かなければならず、その操作が
極めて困難か実質的に不可能であるからである。
さらに別の実施態様は、第1の重合系列が直列に結合し
た、上流側から第1、第2および第3の3基の重合器か
らなり、これらの重合器を結合するラインのいずれか一
方に、1基の重合器から成る第2の重合系列が連結して
いる重合装置。この態様においては、第1の重合系列の
第1および第3の重合器中で比較的高分子量のポリオレ
フインを生成し、第2の重合器中で比較的低分子量のポ
リオレフインを生成しそして第2の重合系列からの超高
分子量ポリオレフインは第1の重合器と第2の重合器を
結合するラインに供給されるか又は第2の重合器と第3
の重合器を結合するラインに供給される。また、第1の
重合系列の第1および第2の重合器中で比較的高分子量
のポリオレフインを生成し、第3の重合器中で比較的低
分子量のポリオレフインを生成し、そして第1および第
2の重合器を結合するラインに第2の重合系列からの超
高分子量ポリオレフインを供給することができる。逆
に、第1の重合系列の第1および第2の重合器中で比較
的低分子量のポリオレフインを生成し、第3の重合器中
で比較的高分子量のポリオレフインを生成し、そして第
1および第2の重合器を結合するラインに、第2の重合
系列からの超高分子量ポリオレフインを供給することが
できる。
第2の重合系列は1基又はそれ以上の重合器から成るこ
とができる。第2の重合系列においては、全工程で重合
されるオレフインの0.1ないし5重量%を重合させるこ
とにより、極限粘度〔η〕u(デカリン溶媒中で135℃
で測定した値)が15dl/g以上の超高分子量ポリオレフイ
ンを生成させることが必要である。好ましくは全重合工
程で重合されるオレフインの0.5〜4重量%、特に好ま
しくは1.0〜3重量%重合させる。また、極限粘度は、
好ましくは20〜50dl/gであり、より好ましくは25〜50dl
/gである。重合工程において、生成される超高分子量ポ
リオレフインの極限粘度〔η〕が15dl/g未満であると、
ポリオレフインの溶融張力及び溶融弾性の改善効果が得
られなくなり、また重合工程で重合されるオレフインの
割合が0.1重量%未満であつても同様に溶融張力及び溶
融弾性に優れたポリオレフインが得られなくなり、さら
に10重量%を越えると成形物にフイツシユアイ、ブツ等
の生成が多くなるので前記範囲にあることが必要であ
る。
本発明の方法において、超高分子量ポリオレフインを生
成させる重合工程では前記遷移金属化合物触媒成分
(A)及び前記有機金属化合物触媒成分(B)からなる
触媒の存在下に重合が実施される。重合は気相重合法で
実施することもできるし、液相重合法で実施することも
できる。いずれの場合にも、超高分子量ポリオレフイン
を生成させる重合工程では、重合反応は必要に応じて不
活性媒体の存在下に実施され、たとえば気相重合法では
必要に応じて不活性媒体からなる希釈剤の存在下に実施
され、液相重合法では必要に応じて不活性媒体からなる
溶媒の存在下に実施される。
該超高分子量ポリオレフインを生成させる重合工程で
は、触媒として遷移金属化合物触媒成分(A)を例えば
媒体1当り約0.01ないし約200ミリモル、とくには約
0.05ないし約100ミリモル、有機金属化合物触媒成分
(B)を、(B)成分中の金属/(B)成分中の遷移金
属(原子比)が約0.01ないし約1000、とくには約0.1な
いし約500となるような割合で使用するのがよい。前記
超高分子量ポリオレフインを生成させる重合工程の温度
は通常約−20〜約200℃、好ましくは約0〜約150℃、特
に好ましくは約5〜約120℃の範囲にある。また、重合
反応の際に圧力は、前記温度で液相重合又は気相重合が
可能な圧力範囲があり、例えば大気圧ないし約100kg/cm
2、好ましくは大気圧ないし約50kg/cm2の範囲である。
また、重合工程における重合時間は、前重合ポリオレフ
インの生成量が該遷移金属触媒成分中の遷移金属1グラ
ム原子当たり約0.5g以上、好ましくは約1g以上となるよ
うに設定すればよい。また、該重合工程において、前記
超高分子量ポリオレフインを生成させるためには、該重
合反応を水素の不存在下に実施するのが好ましい。さら
には、該重合反応を実施後、重合体を不活性媒体雰囲気
下で一旦単離し、保存しておくことも可能である。
該超高分子量ポリオレフインを生成させる重合工程にお
いて使用することのできる不活性媒体としては、例えば
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、デカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペ
ンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジクロ
ルエタン、メチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素;あるいはこれらの混合物などを挙げ
ることができる。これらのうちとくに脂肪族炭化水素の
使用が望ましい。
また、本発明の方法において、前記超高分子量ポリオレ
フインを生成させる第2の重合工程以外の他の第1の重
合工程においては水素の存在下に残余のオレフインの重
合反応が実施させる。
第1の重合工程には第2の重合工程からの超高分子量ポ
リオレフインを含むポリオレフインが供給されるから、
第1の重合工程の少くとも1基の重合器では超高分子量
ポリオレフインの存在下に重合反応が実施される。第1
の重合系列における重合は、上流側第1の重合器に原料
オレフイン及び水素が供給され、さらに前記遷移金属化
合物触媒成分(A)及び有機金属化合物触媒成分(B)
からなる触媒が供給されて実施される。当該重合が第2
の重合器以降の重合工程である場合には、前工程で生成
した重合生成液中に含まれている触媒をそのまま使用す
ることができる。また必要に応じて前記遷移金属化合物
触媒成分(A)及び/又は有機金属化合物触媒成分
(B)を追加補充しても差しつかえない。第1の重合工
程(系列)で重合される原料オレフインの割合は、全重
合工程で重合される全オレフイン成分に対して95〜99.9
重量%であり、好ましくは96〜99.5重量%である。
第1の重合系列における各重合器中で実施される各重合
工程における水素の供給割合は、当該各重合工程に供給
されるオレフイン100モルに対して通常は1ないし99モ
ル、好ましくは5ないし95モルの範囲である。
第1の重合系列における各重合工程における重合器内の
重合生成液中の各触媒成分の濃度は、重合容積1当
り、前記処理した触媒を遷移金属原子に換算して約0.00
1ないし約0.1ミリモル、好ましくは約0.005ないし約0.1
ミリモルとし、重合系の有機金属化合物触媒成分(B)
中の金属/遷移金属化合物触媒成分(A)中の遷移金属
(原子比)が約1ないし約1000、好ましくは約2ないし
約500となるように調製するのが好ましい。そのために
必要に応じ、有機金属化合物触媒成分(B)を追加使用
することができる。重合系には、他に分子量、分子量分
布等を調節する目的で水素、電子供与体、ハロゲン化炭
化水素などを共存させてもよい。
重合温度はスラリー重合、溶解重合又は気相重合が可能
の温度範囲で、かつ約50℃以上、より好ましくは約60な
いし約200℃の範囲が好ましい。また、重合圧力は、例
えば大気圧ないし約200kg/cm2、とくには大気圧ないし
約100kg/cm2の範囲で推奨できる。そして重合体の生成
量が、遷移金属化合物触媒成分中の遷移金属1ミリモル
当り約5000g以上、とくには約10000g以上となるような
重合時間を設定するのがよい。
前記超高分子量ポリオレフインの重合工程と同様に、こ
の工程も気相重合法で実施することもできるし、液相重
合法で実施することもできる。もちろん各重合工程で異
なる重合方法を採用することも可能である。液相重合法
のうちでは懸濁重合法を採用することができ、また溶液
重合法を採用することも可能である。いずれの場合に
も、該重合工程では重合反応は通常は不活性媒体の存在
下に実施される。たとえば気相重合法では不活性媒体希
釈剤の存在下に実施され、液相重合法では不活性媒体溶
媒の存在下に実施される。不活性媒体としては前記超高
分子量ポリオレフインを生成させる重合工程において例
示した不活性媒体を同様に例示することができる。
超高分子量ポリオレフイン重合工程以外の上記第1系列
での連合工程では、極限粘度〔η〕が超高分子量ポリオ
レフインの極限粘度〔η〕uよりも小さくかつ2基の重
合器における各工程で少くとも異つた極限粘度のポリオ
レフインが生成される。
例えば超高分量ポリオレフインの極限粘度を〔η〕uで
表わし、第1の重合系列で生成する最も低い極限粘度の
ポリオレフインの該極限粘度を〔η〕で表わすと、
〔η〕L/〔η〕uの比は好ましくは0.005〜0.07であ
り、より好ましくは0.01〜0.05である。また、〔η〕
と〔η〕uに間に位置する極限粘度を持つ第1の重合系
列で生成するポリオレフインの該極限粘度を〔η〕
表わすと、好ましくは〔η〕H/〔η〕uの比が0.02〜0.
2であり、〔η〕L/〔η〕の比が0.02〜0.8であり、よ
り好ましくは〔η〕H/〔η〕uの比が0.05〜0.2であ
り、〔η〕L/〔η〕の比が0.05〜0.5である。
本発明の方法において、最終段階の重合工程で得られる
ポリオレフインの〔η〕が通常0.1ないし4.5dl/g、好ま
しくは0.5ないし4.0dl/g、とくに好ましくは0.7ないし
4.0dl/gに達するまで、重合反応が実施される。
本発明の方法で得られるポリオレフインは従来の方法で
製造されたポリオレフインにくらべて溶融張力及び溶融
弾性に優れ、溶融成形加工性に優れている。
本発明の方法は、回分式、半連続式又は連続式のいずれ
の方法でも実施することができる。
本発明のオレフインの重合方法が適用できるオレフイン
としては、炭素数2〜20のα‐オレフインを好ましいも
のとしてあげることができる。
かかるオレフインとしては、例えばエチレン、プロピレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、
1-デセン、1-ドデセン、4-メチル‐1-ペンテン、3-メチ
ル‐1-ペンテンなどのα‐オレフインを例示することが
できる。本発明方法はこれらのα‐オレフイン単独重合
体の製法に適用することもできるし、二種以上の混合成
分からなる共重合体の製法に適用することもできる。こ
れらのα‐オレフインのうちでは、エチレン又はエチレ
ンと他のα‐オレフインとの共重合体であつてエチレン
成分を主成分とするエチレン系重合体の製法に本発明の
方法を適用するのが特に好ましい。
〔実施例〕 次に本発明を実施例によつて具体的に説明する。なお、
実施例および比較例において溶融張力(メルトテンシヨ
ン)および膨比(ダイスウエル比)は次の方法で測定し
た。
メルトテンシヨン: 溶融させたポリマーを一定速度で延伸したときの応力を
測定した。すなわち、東京精機製作所製メルトテンシヨ
ン測定機を用い、樹脂温度190℃、押し出し速度10mm/mi
n、巻取り速度6.28mm/min、ノズル径2.09mmφ、ノズル
長さ8mmの条件で行つた。ポリマーはあらかじめ架橋安
定剤、2,6-ジ‐t-ブチル‐バラクレゾールを0.1wt%配
合した。
膨比(ダイスウエル比): メルトテンシヨンと同装置用い、樹脂温度190℃、10mm/
min、一定の押し出し速度で10cmまで押し出したパリソ
ンの冷却後の径のノズル径に対する半径方向の膨張度
(%)で測定した。この場合にも、メルトテンシヨンの
測定と同様に架橋安定剤を配合した。
実施例1〜8,比較例1〜2 <Ti触媒成分の調製> 無水塩化マグネシウム47.6kg、n-デカン250、2-エチ
ル‐ヘキサノール183を130℃で2時間加熱処理を行
い、均一溶液とした後、安息香酸エチル11.4を添加す
る。
この均一溶液を−20℃に冷却した2000の四塩化チタン
中に20分で撹拌滴下する。徐々に昇温後、80℃で安息香
酸エチル24.3を添加、さらに80℃で2時間撹拌した。
固体部分を過によつて採取しこれを1000の四塩化チ
タンに再び懸濁させ、90℃で2時間の加熱反応を行つ
た。その後、過により固体物質を採取し、洗液中に遊
離のチタン化合物が検出されなくなるまで精製ヘキサン
で充分洗浄した。該チタン触媒成分はチタン4.0重量
%、マグネシウム20.0重量%、塩素59.0重量%、安息香
酸エチル15.2重量%を含有し、その比表面積は225m2/g
であつた。
<重合> 図1に示した直径15cm、容積30の重合器A及び直径50
cm、容積200の重合器B,C及び直径50cm、容積100の
水素フラツシユドラムDから成る多段重合装置を用い
た。
重合器Aにヘキサンスラリーとしたチタン触媒を1.0mMo
l/MR、ヘキサン溶液としたトリエチルアルミニウムを表
1に示す割合で、及びヘキサンを、合計で30/HR、エ
チレンを表1に示すポリマー生成割合になる様に連続的
に導入し、重合を行なつた。重合温度は、ジヤケツトに
より、目標の温度に調節した。重合器Aの圧力は窒素を
添加することにより、0.5〜1.0kg/cm2 Gの範囲に調節し
た。重合器Aで生成したポリマーを含むスラリーは、ポ
ンプEの吸込部へ連続的に排出された。
重合器Bに、ヘキサンをスラリーとしたチタン触媒を4.
0mMol/HR、ヘキサン溶液としたトリエチルアルミニウム
を150mMol/HR、及びヘキサンを合計で80/HR、エチレ
ンを28kg/HRで連続的に導入し重合を行なつた。水素を
連続的に添加して分子量を調節した。重合温度は、ジヤ
ケツトにより80℃に調節した。このとき、圧力は3〜7k
g/cm2 Gの範囲であつた。重合器Bで生成したポリマー
を含むスラリーは、水素フラツシユドラムDへ連続的に
排出された。
水素フラツシユドラムDは、温度60℃、圧力0.5kg/cm2
Gに調節した。水素フラツシユドラムDから、連続的に
スラリーは排出され、ポンプEによつて、重合器Aより
排出されたスラリーとともに、重合器Cへ連続的に導入
された。
重合器Cにヘキサンを80/HR、エチレンを表1に示す
ポリマー生成割合となる様に連続的に導入し重合を行な
つた。1-ブテン又は4メチル‐1-ペンテンを、連続的に
添加してポリマーの密度を調節した。また、水素を連続
的に添加して分子量を調節した。重合温度はジヤケツト
により、80℃に調節した。
重合器Cより、排出されたスラリーを遠心分離機でポリ
マーとヘキサンに分離し、ポリマーは乾燥を行ない押出
機でペレタイズした。結果を表1に示した。
比較例3 <触媒調製> 実施例1と同様に行なつた。
<重合> 図2に示した直径15cm、容積30の重合器A及び直径50
cm、容積200の重合器B、C及び直径50cm、容積100
の水素フラツシユドラムDから成る多段重合装置を用い
た。
重合器Aに、ヘキサンスラリーとしたチタン触媒を4.0m
Mol/HR、ヘキサン溶液としたトリエチルアルミニウムを
20mMol/HR、及びヘキサンを合計で30/HR、エチレンを
1.2kg/Hで連続的に導入し、重合を行なつた。重合温度
はジヤケツトにより、目標の温度に調節した。重合器A
で生成したポリマーを含むスラリーは、ポンプFによ
り、重合器Bへ連続的に移送した。
重合器Bに、ヘキサン溶液としたトリエチルアルミニウ
ムを100mMol/HR、及びヘキサンを合計で50/HR、エチ
レンを28kg/HRで、連続的に導入し、重合を行なつた。
水素を連続的に添加して分子量を調節した。重合温度は
ジヤケツトにより、80℃に調節した。このとき、圧力は
約8.5kg/cm2 Gであつた。重合器Bで生成したポリマー
を含むスラリーは、水素フラツシユドラムDへ連続的に
排出された。
水素フラツシユドラムDは温度60℃、圧力0.5kg/cm2 G
に調節し、ベントより水素を除外した。水素フラツシユ
ドラムDから連続的にスラリーは排出され、ポンプFに
よつて、重合器Cへ連続的に導入された。
重合器Cに、エチレンを28kg/Hで連続的に導入し、重合
を行なつた。同時に、1-ブテンを連続的に添加してポリ
マーの密度を調節した。同時に、水素を連続的に添加し
て分子量を調節した。重合温度は、ジヤケツトにより、
80℃に調節した。
重合器Cより、排出されたスラリーを、遠心分離機でポ
リマーと、ヘキサン溶媒に分離し、ポリマーは、乾燥を
行ない押出機ペレタイズした。結果を表1に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はいずれも実施例および比較例にお
いて使用した重合装置の略図を示す。A、B、Cおよび
Dは重合器を示し、Eは水素フラツシユドラムを示し、
Fはポンプを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)チタン、マグネシウム及びハロゲン
    を必須成分とする固体状チタン触媒成分、及び(B)有
    機アルミニウム化合物から形成される触媒の存在下に、
    原料オレフインを、少くとも3基の重合器から成る重合
    装置を用いて多段階連続重合工程により重合させ、その
    際少くとも3基の重合器内でそれぞれ異なった極限粘度
    [η](デカリン溶媒中で135℃で測定した値)のポリ
    オレフインを生成させるオレフインの連続重合法におい
    て、 (i) 重合装置として、直列に連結された少くとも2
    基の重合器から成る第1重合系列と、該第1重合系列の
    上流側の最初の重合器の後であって最後の重合器の前の
    ライン又は中間の重合器と連結する第2重合系列とから
    成る多段階重合装置を使用し、 (ii) 上記第2重合系列の重合工程において、全重合
    工程で重合される原料オレフインの0.1重量%を超え5
    重量%未満を重合させることにより、極限粘度[η]u
    (デカリン溶媒中で135℃で測定した値)が15dl/g以上
    の超高分子量ポリオレフインを生成させ、 (iii)上記第1重合系列の重合工程において水素の存
    在下に残余の原料オレフインを重合させ、極限粘度(デ
    カリン溶媒中で135℃で測定した値)が前記[η]uよ
    りも小さく且つ2基の重合器において少くとも極限粘度
    (デカリン溶媒中で135℃で測定した値)が異なったポ
    リオレフインを生成させる、 ことを特徴とするオレフインの連続重合法。
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