JPH0680917U - チルトヒンジ - Google Patents

チルトヒンジ

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JPH0680917U
JPH0680917U JP2799793U JP2799793U JPH0680917U JP H0680917 U JPH0680917 U JP H0680917U JP 2799793 U JP2799793 U JP 2799793U JP 2799793 U JP2799793 U JP 2799793U JP H0680917 U JPH0680917 U JP H0680917U
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JP2799793U
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兼次 宮崎
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加藤電機株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディスプレー体や蓋体等を開成時において軽
く開かしめることができ、閉成時における急激な落下や
閉成時の浮き等を防止でき、かつディスプレー体や蓋体
等を任意の開成角度で安定的に停止保持させることので
きる上に、永年使用の後においてもその機能が低下する
ことを可及的に防止できるチルトヒンジを提供する。 【構成】 装置本体側に取り付けられる取付部材にそれ
ぞれスラストフリクション機構を設置した第1回転シャ
フトと第2回転シャフトを回転可能に軸着し、第1回転
シャフトに欠歯ギアとディスプレー体や蓋体等とを取り
付け、第2回転シャフトに欠歯ギアと間欠的に噛合する
ワンウェイクラッチ手段付きのフリクションギアを回転
可能に軸着させ、取付部材にはさらに欠歯ギアと間欠的
に噛合しフリクションギアとは常時噛合する中間ギアを
回転自在に軸着させる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、OA機器のディスプレー体、ピアノの蓋体、或は洋式便器の便座 や便蓋等の開閉装置として用いて好適なチルトヒンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のチルトヒンジとして、ディスプレー体や蓋体等を所定の開成角 度で安定的に停止保持させ、閉成時には急激に落下することを防ぐために、捩じ りコイルスプリングを用いたり、支軸の端部を各種ワッシャーを介してかしめる ことによって構成したスラストフリクション機構を設けたり、或はダンパー機構 を用いたり、さらにはこれらの各手段を適宜組み合わせて成るものが公知である 。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
この従来のチルトヒンジで捩じりコイルスプリングを用いたものは、開成時に 所定角度からディスプレー体や蓋体等が急激に弾ね上がらないように、また、閉 成時に蓋体等に浮きが生じないようにスプリングのトルクを選定したり、或はそ の他の手段等による格別な工夫を凝らす必要があり煩雑であるという難点があっ た。支軸に対するかしめによるスラストフリクション機構を用いるものは、開成 時に蓋体等が重く感じられる上に、どうしても永年使用の後においてフリクショ ン機構のフリクショントルクが摩耗のため減衰してしまうのを避けることができ ないという問題があった。ダンパー機構を用いるものはそれだけではディスプレ ー体や蓋体等の自立状態を維持できず、必ず他のコイルスプリングやスラストフ リクション機構を併用しなくてはならないという問題があった。
【0004】 この考案は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ディ スプレー体や蓋体等を開成時において軽く開かしめることができ、閉成時におけ る急激な落下や閉成時の浮きを防止でき、かつディスプレー体や蓋体等を任意の 開成角度で安定的に停止保持させることのできる上に、永年使用の後においても その機能が低下することを可及的に防止できる、チルトヒンジを提供せんとする にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するためにこの考案は、装置本体側に取り付けられる取付 部材に第1回転シャフトと第2回転シャフトを適宜間隔を置いて回転可能に軸着 してその各端部に第1と第2のスラストフリクション機構をそれぞれ設け、前記 第1回転シャフトの他側部側に欠歯ギアとディスプレー体や蓋体等とを取り付け 、前記第2回転シャフトの他側部側には前記欠歯ギアと間欠的に噛合するワンウ ェイクラッチ手段付きのフリクションギアを回転可能に軸着させ、前記取付部材 にはさらに前記欠歯ギアと前記フリクションギアとに噛合する中間ギアを回転自 在に軸着させたものである。
【0006】 その際にこの考案は、ワンウェイクラッチ手段を、前記回転シャフトに環巻き させつつ前記フリクションギアと前記第2回転シャフトとの間に弾設させた捩じ りコイルスプリングで構成することができる。
【0007】
【作用】
第1回転シャフトに設置させた第1のスラストフリクション機構は、この第1 回転シャフトに取り付けたディスプレー体や蓋体等の開閉動作の間中常に動作し ているが、第2回転シャフトに設置させた第2のフリクション機構は該第2回転 シャフトが回転する場合にのみ動作する。この第2回転シャフトは、蓋体等の開 閉角度によって欠歯ギアを介して直接的に、或は中間ギアを介して間接的に欠歯 ギアの回転角度によりいずれも間欠的に回転させられるワンウェイクラッチ手段 を附設したフリクションギアを介して回転する。これによって、蓋体等は所定の 開成角度までは第1のフリクション機構のみが動作して軽く開かれ、使用開成角 度においては第1と第2のフリクション機構が共に動作して安定的に停止保持さ れ、閉成時においては所定の閉成角度までは第1のフリクション機構のみが動作 して軽く閉じられ、しかる後は第1と第2のフリクション機構が共に動作するこ とによって、急激に落下することなく閉じられる。
【0008】 捩じりコイルスプリングを用いたワンウェイクラッチ手段は、フリクションギ アを一方向へ回転させた時に第2回転シャフトを締め付けてフリクションギアの 回転駆動力を第2回転シャフトへ伝達する。
【0009】
【実施例】
図1はこの考案に係るチルトヒンジを用いた卓上型のOA機器を示し、装置本 体1に開閉自在に取り付けたディスプレー体2を開閉するために図中のA視の部 分にチルトヒンジが装着されている。
【0010】 図2はこの考案に係るチルトヒンジの分解斜視図を示し、装置本体側に取り付 けられる取付部材3には、所定間隔を空けて第1回転シャフト4と第2回転シャ フト5が回転可能に軸着されており、第1回転シャフト4には欠歯ギア6が固着 されている。この第1回転シャフト4の欠歯ギア6を取り付けた側には断面略矩 形状の取付部4aが設けられ、ディスプレー体にこの取付部4aに固定させた支 持部材7を介して第1回転シャフト4に取り付けられるようになっている。第1 回転シャフト4の他端部側には、取付部材3を挟んで欠歯ギア6側に例えばナイ ロン等の合成樹脂製のスライダ−ワッシャ−8が、その反対側に例えば燐青銅製 のフリクションワッシャ−9、スプリングワッシャ−10、及び平ワッシャ−1 1が順に装着され、第1回転シャフト4の端部をかしめることによって第1のス ラストフリクション機構12が設置されており、第1回転シャフト4が所定の回 転トルクを加えられた時にのみ回転するように構成されている。
【0011】 第2回転シャフト5には、フランジ部5aを挟んで一側部側に欠歯ギア6と間 欠的に噛合するようにフリクションギア13が回転自在に軸着されており、この フリクションギア13にはこれに一端部を係止し第2回転シャフト5に環巻きさ せつつ他端部を該第2回転シャフト5に係止させた捩じりコイルスプリング14 から成るワンウェイクラッチ手段15が設置されている。16はフリクションギ ア13が抜け出ないように係止するEリングである。
【0012】 この第2回転シャフト5の他側部側には、取付部材3を挟んでフランジ部5a 側に例えばナイロン等の合成樹脂製のスライダーワッシャー17が、その反対側 に例えば燐青銅製のフリクションワッシャー18、スプリングワッシャー19、 及び平ワッシャー20が順に装着され、第2回転シャフトの端部をかしめること によって第2のスラストフリクション機構21が設置されており、第2回転シャ フト5が所定の回転トルクを加えられた時にのみ回転するように構成されている 。
【0013】 取付部材3にはさらに中間ギア22が支軸23を介して回転自在に軸着されて おり、この中間ギア22は欠歯ギア6とは間欠的に噛合するが、フリクションギ ア13とは常時噛合している。24は支軸23が抜け出ないように係止するため のEリングである。
【0014】 図3は支持部材7にディスプレー体2を取り付けて開閉させた場合の状態を角 度ごとに分割したものを示し、各開閉角度ごとに1〜6の符号がつけられている 。この各符号ごとにおけるチルトヒンジの各動作を示したものが図4〜図7であ る。各図における矢印はディスプレー体2の各開閉角度における各ギアの回転角 度をそれぞれ示している。以下に説明する。
【0015】 図7はディスプレー体2を閉じた状態を示し、この状態よりディスプレー体2 を開く図3の1の行程において、欠歯ギア6の第1歯部6aはフリクションギア 13と噛合し、中間ギア22とは噛合していない。従って、ディスプレイ体2を 開くと第2回転シャフト5は第1回転シャフト4と連動して該ディスプレー体2 とは逆の方向の時計方向へ回転する。この第2回転シャフト5の時計方向の回転 は捩じりコイルスプリング14を弛める方向となるので、該捩じりコイルスプリ ング14による第2回転シャフト5に対する締めつけは解かれて第2のスラスト フリクション機構21は動作しないことになり、第1回転シャフト4に作用して いる第1のスラストフリクション機構12によるフリクショントルクのみが作用 することから、ディスプレー体2は比較的に軽く60°の開成角度まで開かれる 。この開成角度を超えてディスプレー体2を開くと、図3に示した2の行程の開 成動作に入り、ディスプレー体2と共に第1回転シャフト4を介して反時計方向 へ回転する欠歯ギア6がフリクションギア13との噛合を解き、かつ中間ギア2 2とも噛合していないので、ディスプレー体2には継続して第1回転シャフト4 に設置した第1のスラストフリクション機構12のみが作用することになり、デ ィスプレー体2はこの状態で90°の開成角度まで軽く開かれる。この状態にお ける各ギアの位置を示したものが図4である。
【0016】 このようにしてディスプレー体が約90°の開成角度まで開かれると、欠歯ギ ア6の第2歯部6bが中間ギア22と噛合し始めるので、これ以上の開成角度に おいてはフリクションギア13は中間ギア22を介して反時計方向へ回転し始め てワンウエイクラッチ手段15の捩じりコイルスプリング14が第2回転シャフ ト5を絞めつけ、そのフリクションにより第2回転シャフト5が第2スラストフ リクション機構21を作用させた状態でフリクションギア13と共に反時計方向 へ回転を始める。これによりディスプレー体2は第1と第2のスラストフリクシ ョン機構12、21によるフリクショントルクが作用した状態となり、図3に示 した3の行程となる145°の開成角度まで、ディスプレー体2には強いフリク ショントルクが作用し任意の位置での安定した停止保持状態を保つことができる ようになる。この状態の各ギアの位置を示したものが図5である。
【0017】 図3の4の行程はディスプレー体2を閉じる行程であるが、この145°から 90°の閉成角度の間は、ディスプレー体2の閉成動作に伴い最初は欠歯ギア6 が時計方向へ回転を始め中間ギア22を介してフリクションギア13は時計方向 へ回転する。しかるに、この回転方向は捩じりコイルスプリング14を弛める方 向であるので、ディスプレー体2には第1のスラストフリクション機構12によ るフリクショントルクのみが作用しており、該ディスプレー体2を軽く閉じるこ とができる。
【0018】 続く図3の5の行程であるディスプレー体の開成角度の90°〜60°の間は 、上述したように欠歯ギア6はフリクションギア13及び中間ギア22の相方と 噛合していないことから、ディスプレー体2には第一のスラストフリクション機 構12のフリクショントルクのみが作用することになり60°まで軽く閉じるこ とができる。この閉成角度60°の状態における各ギアの位置を示したものが図 6である。
【0019】 続く図3の6の行程である60°〜0°の間は、欠歯ギア6の第1歯部6aと フリクションギア13が噛み合いこれを時計方向へ回転させるので、ディスプレ ー体2に第1と第2のスラストフリクション機構12、21が作用した状態で閉 じられることから、例えばディスプレー体2の示す回転トルクが増大しても急激 に落下してしまうことがないものである。このようにディスプレー体2が完全に 閉じられた状態における各ギアの位置を示したものが図7である。
【0020】 尚、以上の実施例は、OA機器のディスプレー体2を開閉する場合について説 明したが、この考案に係るチルトヒンジはその他の例えば洋式トイレの便座や便 蓋或はピアノの蓋体等の開閉用ヒンジのように、蓋体等の開閉トルクを制御する 必要のあるものにそのまま応用ができることは言うまでもない。
【0021】
【考案の効果】
請求項1のように構成すると、回転トルクを制御する必要のあるOA機器のデ ィスプレー体や洋式トイレの便座や便蓋、或はピアノの蓋などを開閉する際に、 最初の開閉操作を軽くし、使用開成角度においてフリクショントルクが増大して 停止保持状態を安定させ、閉成操作時には最初の行程は軽くし、さらに閉じられ て各種蓋体等の回転トルクが増大する所では再びフリクショントルクが増大して 急激に落下しないようにすることができるという、この種のディスプレー体や蓋 体等に要求される最も望ましい開閉操作を行うことができるものである。
【0022】 請求項2のように構成すると、簡単な構成でワンウェイクラッチを構成するこ とができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係るチルトヒンジを使用したOA機
器の斜視図である。
【図2】この考案に係るチルトヒンジの分解斜視図であ
る。
【図3】この考案に係るチルトヒンジの動作を説明する
ための説明図である。
【図4】この考案に係るチルトヒンジの動作を説明する
ための説明図である。
【図5】この考案に係るチルトヒンジの動作を説明する
ための説明図である。
【図6】この考案に係るチルトヒンジの動作を説明する
ための説明図である。
【図7】この考案に係るチルトヒンジの動作を説明する
ための説明図である。
【符号の説明】
1 装置本体 2 ディスプレー体 3 取付部材 4 第1回転シャフト 5 第2回転シャフト 6 欠歯ギア 7 支持部材 12 第1のスラストフリクション機構 13 フリクションギア 14 捩じりコイルスプリング 15 ワンウェイクラッチ手段 21 第2のスラストフリクション機構 22 中間ギア

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体側に取り付けられる取付部材に
    第1回転シャフトと第2回転シャフトを適宜間隔を置い
    て回転可能に軸着し、その各端部に第1と第2のスラス
    トフリクション機構をそれぞれ設けると共に、前記第1
    回転シャフトの他側部側に欠歯ギアとディスプレー体や
    蓋体等とを取り付け、前記第2回転シャフトの他側部側
    には前記欠歯ギアと間欠的に噛合するワンウェイクラッ
    チ手段付きのフリクションギアを回転可能に軸着させ、
    前記取付部材には前記欠歯ギアと前記フリクションギア
    とに噛合する中間ギアを回転自在に軸着させたことを特
    徴とする、チルトヒンジ。
  2. 【請求項2】 前記ワンウェイクラッチ手段を、前記回
    転シャフトに環巻きさせつつ前記フリクションギアと前
    記第2回転シャフトとの間に弾設させた捩じりコイルス
    プリングで構成したことを特徴とする、請求項1記載の
    チルトヒンジ。
JP1993027997U 1993-04-27 1993-04-27 チルトヒンジ Expired - Lifetime JP2599238Y2 (ja)

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JPH0680917U true JPH0680917U (ja) 1994-11-15
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006234162A (ja) * 2005-01-25 2006-09-07 Sanyo Electric Co Ltd 折畳み式電子機器
WO2008105324A1 (ja) * 2007-02-27 2008-09-04 Nifco Inc. 回動機構及びそれを用いた収納装置
JP2013228630A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Canon Inc 画像形成装置

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