JPH0680495A - 結晶成長方法 - Google Patents

結晶成長方法

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JPH0680495A
JPH0680495A JP5093759A JP9375993A JPH0680495A JP H0680495 A JPH0680495 A JP H0680495A JP 5093759 A JP5093759 A JP 5093759A JP 9375993 A JP9375993 A JP 9375993A JP H0680495 A JPH0680495 A JP H0680495A
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single crystal
solid layer
layer
melt
pulling
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JP5093759A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Fujiwara
俊幸 藤原
Sumio Kobayashi
純夫 小林
Shunji Miyahara
俊二 宮原
Takayuki Kubo
高行 久保
Hideki Fujiwara
秀樹 藤原
Shuichi Inami
修一 稲見
Masahiko Okui
正彦 奥井
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B15/00Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
    • C30B15/30Mechanisms for rotating or moving either the melt or the crystal
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B15/00Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
    • C30B15/02Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method adding crystallising materials or reactants forming it in situ to the melt
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リメルト工程による単結晶中のドーパント濃
度にずれを生じずに、溶融液中のドーパント濃度の変化
を抑制できる単結晶成長方法を提供する。 【構成】 坩堝1は有底円筒状をなす石英製の内層容器
1bと、この内層容器1bの外側に嵌合されたグラファイト
製の外層容器1aとから構成されている。坩堝1上部の外
側にはヒータ2が同心円筒状に配設されており、その外
側には保温筒7,7が設置されている。坩堝1内には単
結晶原料が充填されており、これにドーパントを添加し
て均一化し、坩堝1底部から上向きに固体層Sを凝固さ
せ、ヒータ2の制御によって坩堝1の下部に固体層S
を、その上方に溶融層Lを共存させている。そして固体
層Sを一定速度で溶融しつつ、溶融液層Lに種結晶4を
浸してなじませた後、これを回転させつつ上方に引き上
げることにより、種結晶4の下端に単結晶3を成長させ
るようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶成長方法に関し、
特にドーピング不純物を添加した単結晶の成長方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】単結晶成長方法には種々の方法がある
が、その一つにチョクラルスキー法(以後CZ法とい
う)がある。図11は従来のCZ法に用いられる単結晶
成長装置を示す模式的断面図である。
【0003】図中1は図示されないチャンバ内に配設さ
れた坩堝を示している。坩堝1は有底円筒状をなす石英
製の内層容器1bと、この内層容器1bの外側に嵌合された
グラファイト製の外層容器1aとから構成されている。坩
堝1の外側にはヒータ2が同心円筒状に配設されてい
る。坩堝1にはヒータ2により溶融された結晶用原料の
溶融液が充填されており、溶融層Lが形成されている。
引上げ軸(ワイヤ)5にて吊り下げた種結晶4をこの溶
融層L中に浸し、この種結晶4を回転させつつ上方に引
き上げることにより、種結晶4の下端に溶融液を凝固さ
せて単結晶3を成長させるようになっている。
【0004】このような方法で溶融層L中にドーピング
不純物(以下ドーパント)を添加して単結晶3を成長さ
せる場合は、このドーパントは (1)式で示す Pfannの式
に従って単結晶3の引上げ方向に偏析する。このとき、
単結晶3の電気抵抗率が一定にならず、電気抵抗率の規
格値に対する製品の歩留りに限界を生じていた。 Cs =Ke ・Cc (1−fs Ke-1 …(1) 但し Ke :実効偏析係数 Cs :結晶中ドーパント濃度 Cc :結晶引上げ開始時溶融液中ドーパント濃度 fs :結晶引上げ率(使用結晶用原料重量に対する結晶
重量の比)
【0005】このドーパントの偏析を抑制する方法とし
て溶融層法が知られている。図12は従来の溶融層法に
用いられる単結晶成長装置の模式的断面図である。この
図において、ヒータ2が坩堝1上部の外側に同心円筒状
に配設されている以外は、図11に示したCZ法に用い
られる単結晶成長装置とほぼ同様であり、同部位に同符
号を記して説明を省略する。
【0006】坩堝1内には単結晶原料が充填されてお
り、坩堝1底部から上向きに固体層Sを凝固させ、ヒー
タ2の制御によって固体層Sを坩堝1の下層に、溶融層
Lを上層に共存させている。そして溶融層Lに種結晶4
を浸し、固体層Sを一定速度で溶融しつつ、これを引き
上げて単結晶3を成長させるようになっている。
【0007】この溶融層法には、溶融層厚一定法及び溶
融層厚変化法があり、溶融層厚一定法には以下の2つの
方法がある。ドーパントを含有させずに固体層Sを形成
し、単結晶3引上げにともなって固体層Sを溶融し、溶
融層Lの体積を一定に保ちながら結晶3中に取り込まれ
たドーパントの量を溶融層Lに連続的に添加し、溶融液
中のドーパント濃度を一定に保つ方法(特公昭34−8242
号公報,特公昭62−880 号公報)と、ドーパントを含有
させて固体層Sを形成し、単結晶3引上げにともなって
固体層Sを溶融し、単結晶3引上げ中に溶融層Lにドー
パントを添加せずに、溶融層Lの体積を一定に保って溶
融液中のドーパント濃度を一定にする方法(特公昭62−
880 号公報,特開昭62−252989号公報) とがある。
【0008】そして、溶融層厚変化法は、ドーパントを
含有させずに固体層Sを形成し、単結晶3引上げにとも
なって固体層Sを溶融し、単結晶3引上げ中に溶融層L
にドーパントを添加せずに、溶融層Lの体積を変化させ
ることにより溶融層L中のドーパント濃度を一定に保つ
方法(特公平3−79320 号公報)である。
【0009】このような溶融層法によりドーパントの偏
析が抑制される原理を以下に説明する。図13は溶融層
法により単結晶を成長させる場合の単結晶,溶融層及び
固体層夫々の重量並びにドーパント濃度の関係を示す一
次元モデルであり、横軸は相率座標を表している。ここ
でドーパントは溶融液中で完全に混合して溶融液中ドー
パント濃度は均一となっており、固体中での拡散は無し
とする。
【0010】図13 (イ) は単結晶引上げ開始状態を示
しており、fs ,fL 及びfp は夫々原料重量に対する
単結晶重量の比,溶融層の比及び固体層重量の比であ
り、Cs ,CL 及びCp は夫々単結晶中の,溶融層中
の,及び固体層中のドーパント濃度である。この状態で
のドーパントの総量Wd は 以下に示す (2)式で与えら
れる。
【0011】
【数1】
【0012】図13 (ロ) は単結晶引上げ途中状態を示
しており、単結晶引上げ率はfs +Δfs に、そして固
体層率はfp +Δfp に変化する。このとき溶融層率は
L−Δfs −Δfp となり、ΔfL =−Δfs −Δf
p の関係式が得られる。この状態でのドーパントの総量
Wd'は以下に示す (4)式で与えられる。
【0013】
【数2】
【0014】(2)式, (4)式及びΔfL =−Δfs −Δ
p の関係より、 (5)式を得る。
【0015】
【数3】
【0016】ここでCp (1−fp ) をCp (fp ) で
表している。そして (5)式を微分形で表現する場合は、
(6)式となる。
【0017】
【数4】
【0018】固体の成長界面では局所成長が成り立つと
仮定する場合には、固体層成長過程又は単結晶成長過程
では、以下の (7)式,(8)式が成立する。 単結晶中ドーパント濃度Cs =ke ・CL :Δfs >0 … (7) 固体層中ドーパント濃度Cp =ke ・CL :Δfp >0 … (8) 単結晶引上げ中( fs >0 )で固体層を溶融している場
合( Δfp >0) には、(6)式は以下に示す(9A)式, (9
B)式に変換できる。(9A)式は固体層が存在する状態,(9
B)式は固体層が全て溶融した状態を示している。
【0019】
【数5】
【0020】単結晶引上げ中の固体層の溶融速度は、引
上げ装置内の熱設計により決定するが、通常、溶融速度
は一定値であるので、溶融速度αを(10)式として考え
る。 dfp /dfs =−α<0 …(10) このとき、固体層率fp 及び溶融層率fL は、 固体層率fp =fpo−α・fs …(11) fpo:単結晶引上げ開始時の固体層率 溶融層率fL =1−fp −fs =1−fpo+(α−1)fs …(12) で表される。(12)式より(13)式を得る。
【0021】
【数6】
【0022】そして (9)式及び(13)式より(14A) 式,(14
B)式が導かれる。
【0023】
【数7】
【0024】(14A)式は固体層が存在する状態の場合、
(14B)式は固体層が全て溶融した後の場合であり、これ
は溶融液中ドーパント濃度を記述している。
【0025】このような溶融層法にて単結晶を成長させ
る場合には、上述したように、固体層中にドーパントを
含有させる方法と含有させない方法とがある。まず、固
体層中にドーパントを含有させない方法では、Cp =0
であり、上述の (14A)式は(15)式となる。
【0026】
【数8】
【0027】ドーパントの無偏析条件は、dCL /df
s =0であるので、(15)式から(16)式が導出される。 CL (ke −1+α)=Ca …(16) 溶融層法厚一定法ではα=1 であるので、次に示す(17)
式が無偏析条件となる。 Ca =ke ・CL =ke ・Cb …(17) Cb :結晶引上げ開始時の溶融液中ドーパント濃度 また、溶融層法厚変化法では、Ca =0であるので、次
に示す(18)式が無偏析条件となる。 α=1−ke …(18) なお、どちらの場合においても固体層が全て溶融した後
には、単結晶は(14b)式に従って偏析をおこす。
【0028】次に、固体層中にドーパントを含有させる
方法では、坩堝1内に充填した単結晶原料を全て溶融
し、ここにドーパントを添加して均一とした後、溶融液
を坩堝の底方向から上向きに凝固して固体層を形成す
る。このときの固体層中のドーパント濃度は次の(19)式
で表される。 Cp =ke ・C0 (1−fp ke-1 …(19) C0 :固体層形成前の溶融液中ドーパント濃度 また、単結晶引上げ開始時の溶融液中ドーパント濃度
は、(20)式で表される。 Cb =C0 (1−fpoke-1 …(20)
【0029】このような固体層にドーパントを含有させ
る方法では、溶融液中にドーパントを添加しないので、
a =0であり、また溶融層厚一定法はα=1であるの
で、(19)式及び (14A)式から(21)式を得る。
【0030】
【数9】
【0031】(21)式を変形して、(22)式を導く。
【0032】
【数10】
【0033】このようにして導出された(22)式は、固体
層にドーパントを含有させた溶融層厚一定法によるドー
パント濃度変化の記述式である。この記述式を数値積分
により解く。図14はこれにより単結晶の引上げに伴っ
て求められた、引上げ開始時の溶融液中ドーパント濃度
で正規化した溶融液中のドーパント濃度変化のグラフで
ある。横軸は単結晶引上げ率fs 、縦軸は引上げ開始時
の溶融液中ドーパント濃度で正規化した溶融液中のドー
パント濃度CL /Cb を示す。図中Aは、結晶引上げ開
始時の固体層率fpo=0.7, 実効偏析係数ke =0.8 の
場合のドーパント濃度変化を表し、BはCZ法の場合の
ドーパント濃度変化を表している。溶融層厚一定法で固
体層にドーパントを含有する場合は、上述したように無
偏析条件は有さないが、図14より明らかなように、C
Z法に比較してドーパント濃度変化が抑制されているこ
とが判る。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】以上のような溶融層法
により、図12に示した単結晶成長装置を用いて、シリ
コン等の単結晶3を成長させる場合に、単結晶3が引き
上げられる途中で多結晶化することが多々起こる。この
場合には、多結晶化した結晶を全て溶液中に溶かし込む
リメルト工程を経て、再度単結晶3を引き上げる。
【0035】このようなリメルト工程を行った場合に、
前述した溶融法の固体層S中にドーパントを含有させな
い方法(特公昭34−8242号公報,特公昭62−880 号公
報,特公平3−79320 号公報)では、再度、単結晶3を
引き上げる状態に形成される固体層S中に、ドーパント
が含有されてしまい、所望するドーパント濃度の単結晶
3が得られないという問題があった。
【0036】一方、上述した溶融層厚一定法の、ドーパ
ントを含有させて固体層Sを形成する方法では、リメル
ト工程を行った場合に、再度単結晶3を引き上げる状態
に形成される固体層Sは当初の固体層Sの状態とほぼ同
様であるので、リメルト工程による不都合は生じない。
【0037】しかしながら、ドーパントを含有させて固
体層Sを形成する溶融層厚一定法では、実効偏析係数k
e が1より小さくなるに従い、単結晶引上げに伴う濃度
変化が大きくなる。図15は、固体層にドーパントを含
有し、溶融層厚一定法により単結晶成長を行った場合
の、単結晶引上げに伴う溶融液中のドーパント濃度の変
化を示したグラフである。横軸は単結晶の引上げ率を、
縦軸は引上げ開始時の溶融液中のドーパント濃度におけ
る引上げ途中の溶融液のドーパント濃度CL /Cb を示
す。図中、Aは前述した(22) 式の引上げ開始時固体層
率fP0=0.7,実効偏析係数ke=0.8 の場合のドーパン
ト濃度変化、Cは引上げ開始時固体層率fP0=0.7,実効
偏析係数ke=0.35の場合のドーパント濃度変化を表し
ている。
【0038】このグラフから明らかなように、Aよりも
Cのドーパント濃度変化が大きいことから、実効偏析係
数ke が1より小さくなるに従い、単結晶引上げに伴う
溶融液中のドーパント濃度変化が大きくなることが判
る。
【0039】このように溶融液中のドーパント濃度変化
が大きい場合は、成長する単結晶のドーパント濃度が変
化し、単結晶の引上げに従い所望する電気抵抗率の単結
晶が得られなくなるという問題があった。
【0040】また、図12に示すように、シリコンの溶
融液は坩堝1の石英製の内層容器1b に充填されてお
り、溶融液に接触した石英( SiO2 ) の一部は溶融層L
中に溶け込む。溶融層L中に溶け込んだ石英は溶融液と
反応し、その一部が溶融層L表面からシリコン酸化物と
なって気化して、この酸化物が坩堝1の外層容器1a の
外壁に到達した場合には、固体のシリコンとして付着す
る。また、グラファイト製の抵抗加熱方式のヒータ2に
到達した場合には、グラファイトと反応してCOガスを
発生し、ヒータ2の形状を変化させる。
【0041】また、同じシリコン単結晶を成長させる場
合でも、シリコン単結晶に要求される他の品質、例えば
酸素濃度を調整するために、ヒータ2のさらに外側に配
設された保温筒の断熱材質を調整し、ヒータ2の加熱力
を異ならせた条件にて、結晶成長を行うことがある。
【0042】このように、ヒータ2又は坩堝1の表面形
状に経時変化を生じる場合、又はヒータの加熱力を異な
らせて成長せしめる場合には、その他の結晶引上げ条件
が同一であっても、引上げ開始時の固体層率fP0にばら
つきが生じ、所望の固体層率fP0が得られない。引上げ
開始時の固体層率fP0がばらつくと、それに従って溶融
層L中のドーパント濃度にもばらつきが生じる。例えば
ドーパントとしてリンを添加し、所望の引上げ開始時の
固体層率fP0が 0.5であり、実際の引上げ開始時の固体
層率fP0が0.55であった場合は、溶融層L中のドーパン
ト濃度は所望値の1.07倍になる。
【0043】このように、引上げ開始時の固体層率fP0
のばらつきにより、溶融液L中のドーパント濃度がばら
つき、成長した単結晶の電気抵抗率がばらつく。これに
より、単結晶の歩留りが低下するという問題があった。
【0044】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、リメルト工程による単結晶中のドーパント濃
度にずれを生じずに、溶融液中のドーパント濃度の変化
を抑制できる単結晶成長方法、また、溶融液中のリン濃
度の変化を低減してシリコン単結晶を歩留り良く成長さ
せる結晶成長方法、さらに引上げ開始時の固体層率がば
らついても溶融液中のリン濃度の変化を低減してシリコ
ン単結晶を歩留り良く成長させる結晶成長方法を提供す
ることを目的とする。
【0045】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る結晶成長
方法は、坩堝内に単結晶原料を充填し、この全てを溶融
してドーピング不純物を含有させ、前記坩堝底部から上
側へ向けて凝固させた固体層と、その上の溶融層とを共
存させ、前記坩堝周囲に設置されたヒータの加熱により
前記固体層を上側から溶融しつつ、前記溶融層から単結
晶を引き上げて成長させる結晶成長方法において、前記
溶融層の体積を変化させながら単結晶を成長させること
を特徴とする。
【0046】第2発明に係る結晶成長方法は、第1発明
において、前記単結晶原料としてシリコンを用い、前記
ドーピング不純物としてリンを用いて、単結晶成長開始
時の前記単結晶原料に対する重量比fP0の固体層を形成
する工程と、成長する単結晶のα倍の重量の固体層を溶
融させる工程とを有することを特徴とする。但し、fP0
及びαは、 0<fP0<0.85 fP0<14.9α4 −18.3α3 +7.98α2 −0.90α+0.08 0<α<1 を満たす。
【0047】第3発明に係る結晶成長方法は、第1発明
において、前記単結晶原料としてシリコンを用い、前記
ドーピング不純物としてリンを用いて、単結晶成長開始
時の前記単結晶原料に対する重量比fP0の固体層を形成
する工程と、成長する単結晶のα倍の重量の固体層を溶
融させる工程とを有することを特徴とする。但し、fP0
及びαは、 0<fP0<0.85 fP0<136.27α2 −263.28α4 +191.07α3 − 62.46α
2 +9.26α−0.42 0<α<1 を満たす。
【0048】第4発明に係る結晶成長方法は、第1発明
において、前記単結晶原料としてシリコンを用い、前記
ドーピング不純物としてリンを用いて、単結晶成長開始
時の前記単結晶原料に対する重量比fP0±0.05の固体層
を形成する工程と、成長する単結晶のα倍の重量の固体
層を溶融させる工程とを有することを特徴とする但し、
P0及びαは、 0<fP0<0.65−√〔{(α−3.1187)2 −5.6104}/
8.1455〕 及び 0<α<0.75 または 0<fP0<0.8 及び 0.75≦α<1 を満たす。
【0049】第5発明に係る結晶成長方法は、第1発明
において、前記単結晶原料としてシリコンを用い、前記
ドーピング不純物としてリンを用いて、単結晶成長開始
時の前記単結晶原料に対する重量比fP0±0.05の固体層
を形成する工程と、成長する単結晶のα倍の重量の固体
層を溶融させる工程とを有することを特徴とする。但
し、fP0及びαは、 0<fP0<0.635 −√〔{2.5975−(α+0.83165
2 }/4.1002〕 及び 0<α<0.78 または 0<fP0<0.77 及び 0.78≦α<1 を満たす。
【0050】
【作用】従来の溶融層厚一定法により、固体層にドーパ
ントを含有させて単結晶を成長させた場合は、図14,
図15に示すように単結晶を引き上げるに従って溶融液
中のドーパント濃度が低下する。これは、単結晶の偏析
を固体層の溶融により抑制する以上に、溶融液が固体層
の溶融によって希釈されるためである。溶融層が希釈さ
れ過ぎないために、固体層にドーパントを含有させ、単
結晶引上げ中にドーパントは添加せずに、単結晶引上げ
中の溶融液率を調節することにより、溶融液中のドーパ
ント濃度を一定とすることができる。
【0051】前述した、固体層にドーパントを含有させ
た溶融層厚一定法によるドーパント濃度変化の記述式で
ある(22)式の導出方法と同様に、(19)式, (14A) 式から
固体層にドーパントを含有させた溶融層厚変化法による
ドーパント濃度変化の記述式である(23)式を導出する。
このとき、溶融層厚変化法であるため溶融速度α≠1、
また単結晶引上げ中にドーパントを添加しないことから
a =0とする。
【0052】
【数11】
【0053】図16,図17,図18は、(23) 式を数
値積分により、実効偏析係数ke =0.35とし、夫々引上
げ開始時固体層率fP0=0.6,fP0=0.7,fP0=0.8 とし
てドーパント濃度変化を求めたグラフである。横軸は単
結晶の引上げ率を、縦軸は引上げ開始時の溶融液中のド
ーパント濃度における引上げ途中の溶融液のドーパント
濃度CL /Cb の割合を示す。溶融速度は、夫々につい
てα=0.50〜1.00の範囲で0.05毎に設定している。実効
偏析係数ke =0.35はシリコン単結晶のドーパントとし
て多く使用されるリンのものを用いた。また、夫々の図
において溶融速度α=1.00は溶融層厚一定法の場合を示
しており、図中、曲線が途切れているのは溶融層が無く
なり、引上げを中断することを意味する。
【0054】これらの図より明らかなように、ドーパン
トの溶融液中濃度の変化が最も小さい溶融速度は、引上
げ開始時固体層率fP0=0.6 の場合(図16)は溶融速
度α=0.9 のとき、引上げ開始時固体層率fP0=0.7
(図17)の場合は溶融速度α=0.85のとき、引上げ開
始時固体層率fP0=0.8 (図18)の場合は溶融速度α
=0.8 のときであり、これらの場合は、固体層にドーパ
ントを含有しない溶融層厚一定法よりもドーパントの溶
融液中濃度の変化が抑制されていることが判る。
【0055】以上により、第1発明の結晶成長方法で
は、固体層にドーパントを含有させる溶融層法にて、溶
融層の体積を変化させながら単結晶成長を行い、固体層
にドーパントを含有させた溶融層厚変化法によるドーパ
ント濃度変化の記述式に基づいて、単結晶原料に対する
引上げ開始時固体層率fP0及び固体層の溶融速度αを決
定することにより、ドーパントの溶融液中濃度の変化を
抑制することができる。
【0056】第2,第3発明の結晶成長方法では、第1
発明によりリンをドーパントとするシリコン単結晶を、
引上げ開始時固体層率fP0及び溶融速度αに応じて成長
させた夫々のシリコン単結晶の歩留りを求め、これによ
りCZ法及び溶融層厚一定法よりも歩留りの良い成長方
法の引上げ開始時固体層率fP0及び溶融速度αの範囲を
定めている。
【0057】半導体材料として使用されるシリコン単結
晶の多くは、電気抵抗率の許容範囲(規格値)の下限と
上限との比が1:1.3 又は 0.7:1であり、例えば1:
1.3の場合は10〜13Ωcmのように設定される。単結晶の
電気抵抗率と単結晶中ドーパント濃度との間には、逆比
例の関係があり、一般的な単結晶の成長には結晶引上げ
中の実効偏析係数ke が変化しないので、単結晶の電気
抵抗率と溶融液中ドーパントの濃度との間にも逆比例の
関係がある。従って、溶融液中ドーパント濃度の許容範
囲の下限と上限との比が、1:1.3 又は 0.7:1である
と考えられ、第2発明は 0.7:1の場合の引上げ開始時
固体層率fP0及び溶融速度αの範囲を示し、第3発明は
1:1.3 の場合の引上げ開始時固体層率fP0及び溶融速
度αの範囲を示している。
【0058】また、実際のシリコン単結晶の引上げ開始
時には、例えばヒータの熱供給量の経時変化に伴い、固
体層率にばらつきが生じる。固体層厚みの直接測定、及
びシリコン単結晶の成長初期の抵抗率からの算出により
求めた結果、このばらつきは±0.05範囲内であり、引上
げ開始時固体層率はfP0±0.05であることが判る。図1
9は、(23) 式を数値積分により、実効偏析係数ke =
0.35とし、溶融速度をα=0.75とし、狙いの引上げ開始
時固体層率fP0=0.6 の場合について、ドーパント濃度
変化を求めたグラフである。横軸は単結晶の引上げ率
を、縦軸は引上げ開始時の溶融液中のドーパント濃度に
おける引上げ途中の溶融液のドーパント濃度CL /Cb
の割合を示す。引上げ開始時固体層率fP0±0.05のばら
つきを考慮して、引上げ開始時固体層率fP0=0.55, f
P0=0.6,fP0=0.65の場合を夫々D,E,Fで示してい
る。
【0059】このような引上げ開始時固体層率fP0±0.
05のばらつきの範囲内で、図19に示した成長単結晶の
最大の歩留りを算出するとき、溶融液中ドーパント濃度
の許容範囲の下限と上限との比が 0.7:1の場合は、ま
ず、E,D,Fのうち0.7 Cd 〜Cd のリン濃度許容範
囲の歩留りが最小であるものを求める。図から明らかな
ように、Eの引上げ開始時固体層率fP0±ΔfP0=0.55
の場合が最小である。次に、このEの成長単結晶の歩留
りが最大になる引上げ開始時固体層率fP0と固体層の溶
融速度αとを求める。このときの歩留りが、引上げ開始
時固体層率fP0±0.05のばらつきを考慮した場合の、最
大歩留りとなる。このような最大歩留りを数式(24)に示
す。なお、ここでCd は許容上限の溶融液中のリン濃度
である。
【0060】
【数12】
【0061】また、引上げ開始時固体層率fP0±0.05の
ばらつきの範囲内で、溶融液中ドーパント濃度の許容範
囲の下限と上限との比が1:1.3 の場合の最大歩留り
は、上述と同様に求められ、数式(25)で示される。な
お、ここでCe は許容上限の溶融液中のリン濃度であ
る。
【0062】
【数13】
【0063】第4,第5発明の結晶成長方法では、第1
発明によりリンをドーパントとするシリコン単結晶を、
引上げ開始時固体層率fP0±0.05のばらつきを考慮し
て、引上げ開始時固体層率fP0及び溶融速度αに応じて
成長させた夫々のシリコン単結晶の歩留りを求め、これ
によりCZ法及び溶融層厚一定法よりも歩留りの良い成
長方法の引上げ開始時固体層率fP0及び溶融速度αの範
囲を定めている。
【0064】
【実施例】以下、本発明をその第1実施例を示す図面に
基づき具体的に説明する。図1は本発明の実施に用いる
単結晶成長装置の模式的断面図である。図中1は水冷式
のチャンバ8内に配設された坩堝を示している。坩堝1
は有底円筒状をなす石英製の内層容器1bと、この内層容
器1bの外側に嵌合されたグラファイト製の外層容器1aと
から構成されている。坩堝1上部の外側にはヒータ2が
同心円筒状に配設されており、その外側には保温筒7,
7が設置されている。そして、坩堝1の底部中央にはチ
ャンバ8の底部を貫通して軸9が連結されており、軸9
によって坩堝1を回転しつつ昇降できる構造としてい
る。そしてチャンバ8の上方に連接されたワイヤ5がチ
ャンバ8内に導入されており、その下端には種結晶4が
固定されている。
【0065】坩堝1内には単結晶原料が充填されてお
り、これにドーパントを添加して均一化する。そして坩
堝1底部から上向きに固体層Sを凝固させ、ヒータ2の
制御によって坩堝1の下部に固体層Sを、その上方に溶
融層Lを共存させる。そして固体層Sを一定速度で溶融
しつつ、溶融層Lに種結晶4を浸してなじませた後、こ
れを回転させつつ上方に引き上げることにより、種結晶
4の下端に単結晶3を成長させるようになっている。
【0066】
【表1】
【0067】表1に示した条件で、引上げ開始時固体層
率fP0=0.6,固体層の溶融速度α=0.9 にてシリコンの
単結晶3を成長させる。この単結晶3の最上部から1000
mmの範囲で100mm ピッチで試験片を切り出し、その電気
抵抗率ρを測定した。電気抵抗率ρと単結晶中のドーパ
ント濃度CS とは逆比例の関係があり、 CS ∝1/ρ …(26) で表される。また、単結晶中ドーパント濃度と引上げ時
の溶融液中ドーパント濃度は (7)式で表される。ここで
単結晶3の最上部を引上げ開始時とすると、前述した
(7) ,(26) 式より以下の(27)式が得られる。 CL /Cb =ρ0 /ρ …(27) 但し、ρ0 : 引上げ開始時の単結晶の電気抵抗率
【0068】図2は、単結晶3引上げ開始時の溶融液中
ドーパント濃度で正規化された溶融液中ドーパント濃度
L /Cb の変化を示すグラフである。(27)式より、シ
リコンの単結晶3の試験片の電気抵抗率の測定結果ρ0
/ρをCL /Cb として、●で示している。そして、図
2に示すDは、シリコン単結晶のリンに対する実効偏析
係数ke =0.35,引上げ開始時固体層率fP0=0.6,固体
層の溶融速度α=0.9の場合の、ドーパント濃度変化の
記述式である(23)式を表す。また、図2に示すEは、シ
リコン単結晶のリンに対する実効偏析係数ke =0.35,
引上げ開始時固体層率fP0=0.6,固体層の溶融速度α=
1.0の溶融層厚一定法の場合の、溶融液中ドーパント濃
度変化の記述式である(22)式を表す。
【0069】図2から明らかなように、このシリコンの
単結晶3は、固体層にドーパントを含有させて溶融層厚
一定法で単結晶を成長させる場合よりも、成長中の溶融
液中ドーパント濃度の変化が抑制される。また、このシ
リコンの単結晶3の結晶引上げ率に伴う溶融液中ドーパ
ント濃度の変化は、固体層にドーパントを含有させた溶
融層厚変化法のドーパント濃度変化の記述式である(23)
式とほぼ一致していることが判る。
【0070】なお、本実施例では、引上げ開始時固体層
率fP0=0.6,固体層の溶融速度α=0.9 にて単結晶を成
長させているが、これに限るものではない。現実的に
は、引上げ開始時固体層率fP0は 0.3〜0.6 ,固体層の
溶融速度αは 0.6〜1.0 の範囲で単結晶の成長を行う。
【0071】次に、本発明をその第2実施例を示す図面
に基づいて具体的に説明する。図3は、第1発明にてシ
リコンの単結晶3を成長させた場合の歩留りを算出して
示した説明図である。横軸は溶融速度αを、縦軸は引上
げ開始時固体層率fP0を示す。第1発明により、引上げ
開始時固体層率fP0を0〜1で 0.1間隔に、溶融速度α
を0〜2で 0.1間隔に設定し、リンをドーピングしてシ
リコン単結晶を成長させた場合の夫々の溶融液中のドー
パント濃度を、上述の(23)式及び(22)式を数値的に解い
て算出する。上述したように、単結晶の電気抵抗率ρと
溶融液中の(単結晶中の)ドーパント濃度CS とは逆比
例の関係がある((7) ,(27)式)。また、溶融液中ドー
パント濃度の上限値と下限値の比は、単結晶の電気抵抗
率許容範囲の下限値と上限値の比と一致するので、シリ
コンの単結晶の電気抵抗率許容範囲の下上限の比を 0.
7:1として、シリコン単結晶の歩留りを算出する。
【0072】図3において、引上げ開始時固体層率fP0
=0の場合はCZ法の歩留りを示し、溶融速度α=1の
場合は溶融層厚一定法の歩留りを示している。この図か
ら、同じ引上げ開始時固体層率fP0にて成長した単結晶
について、溶融速度α=1の場合, 即ち溶融層厚一定法
の場合よりも歩留りが高い溶融速度αの領域X1 を求め
る。また、CZ法での歩留り42%よりも高い歩留りの領
域Y1 を求める。
【0073】図4はこれらの領域X1 ,Y1 を提示した
グラフである。領域X1 ,Y1 に共通する範囲は、関数
P0=14.9α4 −18.3α3 +7.98α2 −0.90α+0.08 ,
関数fP0=0,関数fP0=0.85, 関数α=1で囲まれた
領域のfP0及びαであると言える。なお、領域はこの境
界線を含まず、αは正の実数である。このようなfP0
αの条件にて、電気抵抗率許容範囲の下上限の比が 0.
7:1のシリコン単結晶を、溶融層厚一定法よりも歩留
りを上昇させて成長させることができる。
【0074】また、シリコンの単結晶3の電気抵抗率許
容範囲の下上限の比が1:1.3 の場合の歩留りを同様に
して求めた結果、シリコン単結晶を溶融層厚一定法より
も歩留り良く成長させるfP0及びαの領域は、電気抵抗
率許容範囲の下上限の比が 0.7:1の場合とほぼ同じ領
域であった。
【0075】以下にシリコンの単結晶3の電気抵抗率許
容範囲の下上限の比が1:1.3 の場合の歩留りを示す。
図5は、シリコンの単結晶の電気抵抗率許容範囲の下上
限の比が1:1.3 の場合の、シリコンの単結晶3を成長
させた場合の歩留りを示した説明図である。横軸は溶融
速度αを、縦軸は引上げ開始時固体層率fP0を示す。上
述の図3と同様にして、溶融層厚一定法の場合よりも歩
留りが高い溶融速度αの領域X2 を求め、CZ法での歩
留り33%よりも高い歩留りの領域Y2 を求める。
【0076】図6はこれらの領域X2 ,Y2 を提示した
グラフである。領域X2 ,Y2 に共通する範囲は、関数
P0=136.27α−263.28α4 +191.07α3 − 62.46α2
+9.26α−0.42 ,関数fP0=0,関数fP0=0.85, 関数
α=1で囲まれた領域のfP0及びαであると言える。な
お、領域はこの境界線を含まず、αは正の実数である。
このようなfP0,αの条件にて、電気抵抗率許容範囲の
下上限の比が1:1.3のシリコン単結晶を、溶融層厚一
定法よりも電気抵抗に対する歩留りを上昇させて成長さ
せることができる。
【0077】次に、本発明をその第3実施例を示す図面
に基づいて具体的に説明する。図7は、第1発明方法に
てシリコンの単結晶3を成長させた場合の歩留りを、前
述の(24)式を用いて、開始時の固体層率がばらつくこと
を考慮に入れて算出し、示した説明図である。横軸は溶
融速度αを、縦軸は引上げ開始時固体層率fP0を示す。
第1発明により、引上げ開始時固体層率fP0を0〜1で
0.1間隔に、溶融速度αを0〜2で 0.1間隔に設定し、
リンをドーピングしてシリコン単結晶を成長させた場合
の夫々の溶融液中のドーパント濃度を、上述の(23)式及
び(22)式を数値的に解いて算出する。そして、(24)式に
基づいて、電気抵抗率許容範囲の下上限の比が 0.7:1
の単結晶3の歩留りを算出する。
【0078】図7において、引上げ開始時固体層率fP0
=0の場合はCZ法の歩留りを示し、溶融速度α=1の
場合は溶融層厚一定法の歩留りを示している。この図か
ら、同じ引上げ開始時固体層率fP0にて成長した単結晶
について、溶融層厚一定法の場合よりも歩留りが高い溶
融速度αの領域X3 ,X31を求める。また、CZ法での
歩留り42%よりも高い歩留りの領域Y3 を求める。
【0079】図8はこれらの領域X3 ,X31及びY3
提示したグラフである。領域X3 ,Y3 に共通する範囲
は、関数fP0=0.65−√〔{(α−3.1187)2 −5.614
}/8.1455〕 ,関数fP0=0,関数fP0=0.80, 関数
α=1で囲まれた領域のfP0及びαであると言える。な
お、領域はこの境界線を含まず、αは正の実数である。
領域X31, Y3 に共通する範囲はCZ法とほぼ同等の歩
留りであるので、除外している。このようなfP0,αの
条件にて、電気抵抗率許容範囲の下上限の比が 0.7:1
のシリコン単結晶を、溶融層厚一定法よりも電気抵抗に
対する歩留りを上昇させて成長させることができる。
【0080】また図9は、シリコンの単結晶の電気抵抗
率許容範囲の下上限の比が1:1.3の場合の、第1発明
方法にてシリコンの単結晶3を成長させた場合の歩留り
を、前述の(25)式を用いて、開始時の固体層率がばらつ
くことを考慮に入れて算出し、示した説明図である。横
軸は溶融速度αを、縦軸は引上げ開始時固体層率fP0
示す。上述の図7と同様にして、溶融層厚一定法の場合
よりも歩留りが高い溶融速度αの領域X4 ,X41を求
め、CZ法での歩留り33%よりも高い歩留りの領域Y4
を求める。
【0081】図10はこれらの領域X4 ,X41及びY4
を提示したグラフである。領域X4,Y4 に共通する範
囲は、関数fP0=0.635 −√〔{2.5975−(α+0.8316
5 )2 }/4.1002〕,関数fP0=0,関数fP0=0.78,
関数α=1で囲まれた領域のfP0及びαであると言え
る。なお、領域はこの境界線を含まず、αは正の実数で
ある。領域X41, Y4 に共通する範囲はCZ法とほぼ同
等の歩留りであるので、除外している。このような
P0,αの条件にて、電気抵抗率許容範囲の下上限の比
が1:1.3のシリコン単結晶を、溶融層厚一定法よりも
電気抵抗に対する歩留りを上昇させて成長させることが
できる。
【0082】次に、上述した図1に示した結晶成長装置
を用いて、表2に示す条件で、実効偏析係数ke が 0.3
5 であるリンをドーパントとして用い、シリコンの単結
晶3を成長させる。引上げ開始時固体層率fP0=0.6,固
体層の溶融速度α=0.9 にてこの単結晶3の最上部から
1000mmの範囲で100mm ピッチで試験片を切り出し、その
電気抵抗率ρを測定した。
【0083】
【表2】
【0084】この電気抵抗率ρにより歩留りを計算した
結果、電気抵抗率許容範囲の下・上限の比が1:1.3 の
場合は歩留りが75%であった。これは、引上げ開始時固
体層率fP0が理想的に実現した場合の歩留り計算値76%
(図3)と、引上げ開始時固体層率fP0のばらつきを考
慮した場合の歩留り計算値73%(図7)との中間値であ
る。また、電気抵抗率許容範囲の下・上限の比が 0.7:
1の場合は歩留りが78%であった。これは、やはり引上
げ開始時固体層率fP0が理想的に実現した歩留り計算値
とばらつきを考慮した歩留り計算値との中間値である。
【0085】さらに引上げ開始時固体層率fP0,固体層
の溶融速度αの他の条件で測定を行い同様の結果が得ら
れた。従って、図8又は図10で示した範囲の条件にて
結晶成長を行うことにより、溶融層厚一定法よりも電気
抵抗に対する歩留りを上昇させて成長させることができ
る。
【0086】
【発明の効果】以上のように、本発明の結晶成長方法
は、固体層にドーパントを含有させた溶融液厚変化法で
あり、リメルト工程による単結晶中のドーパント濃度に
ずれを生じずに、溶融液中のドーパント濃度の変化を抑
制できる。また、リンをドーピングするシリコン単結晶
を溶融液中のリン濃度の変化を低減して溶融層厚一定法
よりも歩留り良く成長でき、さらに引上げ開始時の固体
層率がばらついても、溶融液中のリン濃度の変化を低減
してシリコン単結晶を歩留り良く成長させる等、本発明
は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる単結晶成長装置の模式的
断面図である。
【図2】本発明の溶融液中ドーパント濃度CL /Cb
変化を示すグラフである。
【図3】第2発明によりシリコンの単結晶を成長させた
場合の歩留りを示した説明図である。
【図4】第2発明により溶融層厚一定法よりも歩留りが
高い領域を示すグラフである。
【図5】第3発明によりシリコンの単結晶を成長させた
場合の歩留りを示した説明図である。
【図6】第3発明により溶融層厚一定法よりも歩留りが
高い領域を示すグラフである。
【図7】第4発明によりシリコンの単結晶を成長させた
場合の歩留りを示した説明図である。
【図8】第4発明により溶融層厚一定法よりも歩留りが
高い領域を示すグラフである。
【図9】第5発明によりシリコンの単結晶を成長させた
場合の歩留りを示した説明図である。
【図10】第5発明により溶融層厚一定法よりも歩留り
が高い領域を示すグラフである。
【図11】従来のCZ法に用いられる単結晶成長装置を
示す模式的断面図である。
【図12】従来の溶融層法に用いられる単結晶成長装置
の模式的断面図である。
【図13】従来の溶融層法の単結晶,溶融層及び固体層
夫々の重量並びにドーパント濃度の関係を示す一次元モ
デルである。
【図14】従来の単結晶成長法によるドーパント濃度変
化の記述式を表すグラフである。
【図15】従来の、固体層にドーパントを含有させた溶
融層法により単結晶成長を行った場合の、単結晶引上げ
に伴う溶融液中のドーパント濃度の変化を示したグラフ
である。
【図16】実効偏析係数ke =0.35とし、引上げ開始時
固体層率fP0=0.6 としてドーパント濃度変化を求めた
グラフである。
【図17】実効偏析係数ke =0.35とし、引上げ開始時
固体層率fP0=0.7 としてドーパント濃度変化を求めた
グラフである。
【図18】実効偏析係数ke =0.35とし、引上げ開始時
固体層率fP0=0.8 としてドーパント濃度変化を求めた
グラフである。
【図19】引上げ開始時固体層率fP0=0.55, 0.6, 0.6
5 の場合のドーパント濃度変化を求めたグラフである。
【符号の説明】
1 坩堝 2 ヒータ 3 単結晶 L 溶融層 S 固体層 α 溶融速度 fP0 引上げ開始時の固体層率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 高行 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 藤原 秀樹 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 稲見 修一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 奥井 正彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坩堝内に単結晶原料を充填し、この全て
    を溶融してドーピング不純物を含有させ、前記坩堝底部
    から上側へ向けて凝固させた固体層と、その上の溶融層
    とを共存させ、前記坩堝周囲に設置されたヒータの加熱
    により前記固体層を上側から溶融しつつ、前記溶融層か
    ら単結晶を引き上げて成長させる結晶成長方法におい
    て、前記溶融層の体積を変化させながら単結晶を成長さ
    せることを特徴とする結晶成長方法。
  2. 【請求項2】 前記単結晶原料としてシリコンを用い、
    前記ドーピング不純物としてリンを用いて、単結晶成長
    開始時の前記単結晶原料に対する重量比fP0の固体層を
    形成する工程と、成長する単結晶のα倍の重量の固体層
    を溶融させる工程とを有することを特徴とする請求項1
    記載の結晶成長方法。但し、fP0及びαは、 0<fP0<0.85 fP0<14.9α4 −18.3α3 +7.98α2 −0.90α+0.08 0<α<1 を満たす。
  3. 【請求項3】 前記単結晶原料としてシリコンを用い、
    前記ドーピング不純物としてリンを用いて、単結晶成長
    開始時の前記単結晶原料に対する重量比fP0の固体層を
    形成する工程と、成長する単結晶のα倍の重量の固体層
    を溶融させる工程とを有することを特徴とする請求項1
    記載の結晶成長方法。但し、fP0及びαは、 0<fP0<0.85 fP0<136.27α2 −263.28α4 +191.07α3 − 62.46α
    2 +9.26α−0.42 0<α<1 を満たす。
  4. 【請求項4】 前記単結晶原料としてシリコンを用い、
    前記ドーピング不純物としてリンを用いて、単結晶成長
    開始時の前記単結晶原料に対する重量比fP0±0.05の固
    体層を形成する工程と、成長する単結晶のα倍の重量の
    固体層を溶融させる工程とを有することを特徴とする請
    求項1記載の結晶成長方法。但し、fP0及びαは、 0<fP0<0.65−√〔{(α−3.1187)2 −5.6104}/
    8.1455〕 及び 0<α<0.75 または 0<fP0<0.8 及び 0.75≦α<1 を満たす。
  5. 【請求項5】 前記単結晶原料としてシリコンを用い、
    前記ドーピング不純物としてリンを用いて、単結晶成長
    開始時の前記単結晶原料に対する重量比fP0±0.05の固
    体層を形成する工程と、成長する単結晶のα倍の重量の
    固体層を溶融させる工程とを有することを特徴とする請
    求項1記載の結晶成長方法。但し、fP0及びαは、 0<fP0<0.635 −√〔{2.5975−(α+0.83165
    2 }/4.1002〕 及び 0<α<0.78 または 0<fP0<0.77 及び 0.78≦α<1 を満たす。
JP5093759A 1992-06-16 1993-03-26 結晶成長方法 Pending JPH0680495A (ja)

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