JPH0543384A - 結晶成長方法 - Google Patents

結晶成長方法

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JPH0543384A
JPH0543384A JP13110091A JP13110091A JPH0543384A JP H0543384 A JPH0543384 A JP H0543384A JP 13110091 A JP13110091 A JP 13110091A JP 13110091 A JP13110091 A JP 13110091A JP H0543384 A JPH0543384 A JP H0543384A
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single crystal
layer
melt
crucible
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JP13110091A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Fujiwara
俊幸 藤原
Sumio Kobayashi
純夫 小林
Shunji Miyahara
俊二 宮原
Takayuki Kubo
高行 久保
Hideki Fujiwara
秀樹 藤原
Shuichi Inami
修一 稲見
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 るつぼ内のシリコン単結晶用原料を上側から
下側へ向けて溶融させつつ、該溶融液を上方へ引き上げ
て単結晶を成長させる結晶成長方法において、前記シリ
コン単結晶用原料のすべてを溶融させて該溶融液にリン
をドーピング不純物として含有させた後該溶融液を前記
るつぼ底より上方へ向かって凝固させ、該凝固により形
成される固体層を、使用するシリコン単結晶原料の0.
3〜0.68倍の範囲で形成し、前記るつぼ上部に溶融
層を共存させ、前記固体層を上側から下側へ向けて溶融
させつつ前記溶融層の体積をほぼ一定に保ちながら該溶
融層よりシリコン単結晶を成長させる結晶成長方法。 【効果】 結晶引き上げ中の溶融液中ドーパントの偏析
を防止することができるとともに、結晶中ドーパント濃
度を均一化して結晶の歩留まりを改善することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は結晶成長方法、より詳細
にはるつぼ内のシリコン単結晶用原料を上側から下側へ
向けて溶融させつつ、該溶融液を上方へ引き上げて単結
晶を成長させる結晶成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶を成長させるには種々の方法があ
るが、半導体等の材料に使用されるシリコン単結晶は、
チョクラルスキー法(CZ法)やフローティングゾーン
法と呼ばれる引き上げ方法によって形成される。
【0003】図4は従来のCZ法で使用される単結晶成
長装置の要部の模式的断面図であり、図中11はるつぼ
を示している。るつぼ11は有底円筒状の石英製の内層
容器11aとこの内層容器11aの外側に嵌合された、
同じく有底円筒状の黒鉛製の外層容器11bとから構成
されており、るつぼ11の外側にはヒータ12が同心円
筒状に配設されている。また、るつぼ11内にはこのヒ
ータ12により溶融させた原料の溶融液13が充填され
ており、るつぼ11の中心軸上にワイヤ15が吊設され
て、このワイヤ15の先には種結晶(図示せず)が取り
付けられている。
【0004】単結晶14を成長させる際には、種結晶を
溶融液13の表面に接触させてワイヤ15を引き上げて
いくことにより溶融液13が凝固して形成される単結晶
14を成長させている。
【0005】ところで、半導体単結晶14をこの方法で
成長させる場合、単結晶14の引き上げ前に溶融液13
中に不純物元素を添加することが多い。例えば、半導体
材料として使用されるシリコン単結晶であれば電気伝導
型、電気抵抗率を調整するためドーパントとしてリン等
を使用する。しかし、この際添加した不純物は、数1の
Pfannの式で示されたように、単結晶14の結晶成
長方向に沿って偏析するという現象が生じ、その結果、
電気抵抗率が一定とならない等、結晶成長方向に均一な
電気的特性を有する単結晶14が得られず、歩留まりが
低いという問題があった。
【0006】
【数01】
【0007】上記不純物の偏析を抑制しながら結晶を成
長させる方法として、溶融層法がある。溶融層法は図5
に示したごとく、図4に示したものと同様に構成された
るつぼ11内の原料の上部のみをヒータ12にて溶融さ
せることにより、るつぼ11内の上部には溶融層16、
下部には固体層17を形成して単結晶14を成長させ
る。
【0008】溶融層法としては、ドーパントを含有しな
い固体層17を形成した後、溶融層16にドーパントを
添加し、引上げに伴って固体層17を溶融させつつ溶融
層16の体積を一定に保ちながら単結晶14中に取り込
まれただけのドーパントを連続的に溶融層16に添加
し、溶融液中ドーパント濃度を一定に保つ方法(特公昭
34−8242号公報、特公昭62−880号公報、実
開昭61−150862号公報)や、固体層17中にド
ーパントを含有させて単結晶14の引上げ中には溶融層
16に添加せずに上記と同様に溶融層16の体積を一定
に保って、溶融液中ドーパント濃度の変化を軽減させる
方法(特公昭62−880号公報、特開昭63−252
989号公報)の溶融層厚一定法がある。
【0009】さらに、ドーパントを含有しない固体層1
7を単結晶14の引上げに伴って溶融させるが、単結晶
14の成長とともに溶融層16の体積を変化させてドー
パントを溶融層16に添加せずに、溶融層16中のドー
パントの濃度を一定に保つ方法(特開昭61−2056
9号公報、特開昭61−205692号公報、特開昭6
1−215285号公報)である溶融層厚変化法があ
る。
【0010】溶融層法のドーパント偏析防止の原理は図
6(a)及び(b)に示す一次元モデルによって説明す
ることができる。図6(a)及び(b)は結晶引き上げ
中の状態を示し、横軸は相率座標を表わす。ここで、ド
ーパントは溶融液中で完全に混合されて溶融液中ドーパ
ント濃度は均一、固体中では拡散なしとする。このと
き、ドーパントの総量Wd は図6(a)において、数2
により与えられる。
【0011】
【数02】
【0012】fs +fL +fp =1 溶融させた結晶用原料上面からΔfs だけさらに結晶を
引き上げると、図6(b)に示したように、結晶の引き
上げ率がfs からfs +Δfs へ変化し、下部固体層率
がfp からfp +Δfp へ変化する。そして、fs から
Δfs だけ結晶を引き上げる間にCa・Δfs だけドーパ
ントを添加した場合、ドーパントの総量WD は数3によ
って表わされる。
【0013】
【数03】
【0014】したがって、数2、数3及びΔfL =−Δ
s −Δfp より、
【0015】
【数04】
【0016】が得られる。ここで、CP (1−fp )は
P (fp )と表わした。
【0017】数4を微分形で表現すると、
【0018】
【数05】
【0019】となり、固体の成長界面では局所平衡が成
り立つと仮定すると、結晶成長過程、固体層成長過程で
は数6及び数7が成立する。
【0020】
【数06】
【0021】
【数07】
【0022】引き上げ中(Δfs >0)、固体層を溶融
させている場合(Δfp <0)、数5は数8及び数9の
形にできる。
【0023】
【数08】
【0024】
【数09】
【0025】固体層の溶融速度を数10のように一定で
あると考えると、
【0026】
【数10】
【0027】となり、このとき、
【0028】
【数11】
【0029】
【数12】
【0030】となる。また数12より、
【0031】
【数13】
【0032】となり、数8、数9及び数13より、
【0033】
【数14】
【0034】
【数15】
【0035】が得られる。数15は固体層の全溶融以後
の溶融液中ドーパント濃度を示しており、数6より数1
を導出することができる。
【0036】例えば、固体層中にドーパントを含有させ
ない場合、つまりCP =0の場合、数14は数16とな
る。
【0037】
【数16】
【0038】ドーパントの無偏析条件は、 dCL/ dfs
=0より、数17を満足することである。
【0039】
【数17】
【0040】すなわち、溶融層厚一定法ではα=1であ
るから、数18が無偏析条件であり、
【0041】
【数18】
【0042】また、溶融層厚変化法に適用した場合は、
不純物の連続添加を行なわず、Ca=0であるので、数
19が無偏析条件である。
【0043】
【数19】
【0044】なお、どちらの場合も固体層がすべて溶融
した後は、数15に従って偏析を起こす。
【0045】一方、固体層中にドーパントを含有させる
場合、すなわちCP ≠0の場合、るつぼ内に挿入した結
晶用原料をすべて溶融させ、この溶融液にドーパントを
含有させた状態より、るつぼの底から上向きに溶融液を
凝固させ、固体層を形成するのが一般的である。このと
き、固体層中のドーパント濃度は数20で表わされる。
【0046】
【数20】
【0047】また、結晶引き上げ開始時の溶融液中ドー
パント濃度は数21で表わされる。
【0048】
【数21】
【0049】この方法では、結晶引き上げ中に溶融液へ
のドーパントの添加を行なわないからCa =0であり、
溶融層厚一定法ではα=1であるから数14から数22
を得る。
【0050】
【数22】
【0051】そして、数22を変形すると、
【0052】
【数23】
【0053】となる。
【0054】また、数23を数値積分し、fP0=0.
8、ke=0.8として解いた結晶引き上げ開始時の溶
融液中ドーパント濃度で正規化した溶液中ドーパント濃
度CL/C* の変化を図7に示す。図7より明らかなよ
うに、CZ法と比べてドーパントの偏析を軽減すること
ができる。また、α≠1の場合、数14は数24の形と
なる。
【0055】
【数24】
【0056】
【発明が解決しようとする課題】通常CZ法あるいは溶
融層法によってシリコン単結晶14等を製造する場合、
種結晶からネッキングを行ない単結晶14を無転位化し
た後、所定径にして引き上げを行なうが、単結晶14引
上げの途中で単結晶14中に転位が発生することがしば
しば起こる。一旦単結晶14に有転位化が起こると、そ
れ以降は転位が増殖してゆき、製品として使用すること
ができなくなる。このため、有転位化した単結晶14の
引上げを中止し、単結晶14を溶液中に溶かし込んで
(リメルト)、再度一から単結晶14を引上げるという
過程を行なうことがある。
【0057】溶融層法によって固体層17中にドーパン
トを含有させない方法で単結晶14の引上げを行なう場
合においてリメルトを行なうと、リメルトによって、ド
ーパントを含有した単結晶14を溶融させることとな
り、るつぼ11底から上向きに溶融液を凝固させて固体
層17を形成することによって固体層17中にドーパン
トが取り込まれることとなり、狙ったドーパント濃度の
単結晶14がリメルト後に引上げる単結晶14では得ら
れないという課題があった。
【0058】また、溶融層法において、固体層17中に
ドーパントを含有させる方法では、リメルトを行なうこ
とによって単結晶14に生じる、所定ドーパント濃度か
らのずれは軽減されるが、たとえば、シリコンに対して
実効偏析係数が≒0.35であるリンをドーパントとし
て使用した場合、図8に示した溶融層厚一定法による溶
融液中のドーパント濃度(図8中A)及びCZ法による
溶融液中ドーパント濃度(図8中B)の変化のように、
溶融層厚一定法において、引き上げ開始時の固体層率に
よってはCZ法と比較してもドーパントの偏析の軽減の
効果が期待できないことがあるという課題があった。
【0059】本発明はこのような課題に鑑み発明された
ものであって、リンをドーピングしたシリコン単結晶引
き上げの際に、有転位化に伴うリメルトによる結晶のド
ーパント濃度のずれがなく、ドーパントの偏析を軽減す
ることができるような結晶成長方法を提供することを目
的としている。
【0060】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る結晶成長方法は、るつぼ内のシリコン単
結晶用原料を上側から下側へ向けて溶融させつつ、該溶
融液を上方へ引き上げて単結晶を成長させる結晶成長方
法において、前記シリコン単結晶用原料のすべてを溶融
させて該溶融液にリンをドーピング不純物として含有さ
せた後該溶融液を前記るつぼ底より上方へ向かって凝固
させ、該凝固により形成される固体層を、使用するシリ
コン単結晶原料の0.3〜0.68倍の範囲で形成し、
前記るつぼ上部に溶融層を共存させ、前記固体層を上側
から下側へ向けて溶融させつつ前記溶融層の体積をほぼ
一定に保ちながら該溶融層よりシリコン単結晶を成長さ
せることを特徴としている。
【0061】一般に半導体材料として使用されるシリコ
ン単結晶の抵抗率の許容範囲は下限と上限との比がほぼ
1:1.3であり、例えば9〜12Ωcmというように
その許容量が限定される。抵抗率は結晶中のドーパント
濃度に対してほぼ逆数の関係があり、結晶成長中に実効
偏析係数が変化しなければシリコン単結晶の歩留まりを
評価するのに、溶液中ドーパント濃度を用いることがで
きる。従って、数23を用い、結晶引き上げ中の溶融液
中ドーパント濃度の許容範囲をC1 〜1.3C1 に設定
してこの範囲に入る結晶引き上げ率により、歩留まりを
評価することで最適な結晶引き上げ開始時の固体層率の
知見が得られる。
【0062】しかし、本発明者らは本発明の実施を行な
う過程で、狙いの引き上げ開始時の固体層率にばらつき
を生じたり、結晶引き上げ中の溶融層の体積が一定に保
たれない場合があることを発見した。これは以下の過程
に原因があると推定される。つまり、シリコン単結晶の
引き上げの際、炉内でシリコンの溶融液の表面から酸化
物の形態でシリコンが気化して蒸発し、この気化したシ
リコンはるつぼ外層容器の外壁等に到達し、固体シリコ
ンとして固着する。あるいは毎回のヒータ等の設置の
際、るつぼとヒータの相対位置等に若干のずれが生じた
りする。この結果、炉内の伝熱条件が変化するためであ
ると推定される。さらに、固体層率及び溶融層の体積に
ばらつきが生じると、それに伴って溶融液中のドーパン
ト濃度にもずれが生じる。例えばリンをドーパントとし
て添加し引き上げ開始時の固体層率を0.5と想定し、
ばらつきにより固体層率が0.55となった場合、溶融
液中ドーパント濃度は予定の約1.07倍になる。従っ
て、引き上げ開始時の固体層率や結晶引き上げ中の溶融
層の体積のばらつきを考慮することによって、総合的に
最適な引き上げ開始時の固体層率を見出し、本発明に至
ったものである。
【0063】
【作用】引き上げ開始時の固体層のばらつきと結晶引き
上げ中の溶融層の体積のばらつきを調査したところ、結
晶引き上げ開始時の固体層のばらつきは設定値±5%以
内に入ることを見出した。また、結晶引き上げ中の固体
層の体積は設定体積より徐々にずれる傾向が見られた。
つまり、前記溶融層法の原理で述べたαが1よりずれ、
ほぼ一定の値α(≠1)で固体層が変化し、溶融層体積
が一定値よりずれる。このαのばらつき範囲は1±0.
05であることを実験より見出した。
【0064】図2は数23に示した式を用いて実効偏析
係数を0.35、引き上げ時の固体層率を0.6として
完全な溶融層厚一定法(α=1)の解析を行なった場合
の溶融液中ドーパント濃度の変化を示す(図2中A)。
また併せて、数24に示した式を用いて引き上げ開始時
の固体層率(fP0)、結晶引き上げ中の固体層の変化
(α)がそれぞれ、B:fP0=0.63(0.6+5
%)、α=1.05(1+0.05)、C:fP0=0.
63(0.6+5%)、α=0.95(1−0.0
5)、D:fP0=0.57(0.6−5%)、α=1.
05(1+0.05)、E:fP0=0.57(0.6−
5%)、α=0.95(1−0.05)の場合の解析結
果を示す。ここで、溶融液中ドーパント濃度はfP0
0.6の時の溶融液中ドーパント濃度をC* としてこれ
で正規化して表わした。
【0065】図2より明らかなように、溶融液中ドーパ
ント濃度が最小となるのはDの場合の固体層が消滅する
ときであって、その溶融液中ドーパント濃度をC1 とし
て設定すればfP0=0.6として引き上げを行なった場
合のfP0、αのばらつきを見込んでも結晶の歩留まりと
して図2に示したように69〜72%の範囲で得られる
ことが分かる。
【0066】上記したように、結晶引き上げ開始時の固
体層率fP0に関してC1 〜1.3C1 の溶融液中ドーパ
ント濃度許容範囲に入る結晶引き上げ率で歩留まりを評
価したものを図3に示す。図3において、例えば結晶引
き上げ開始時の固体層率(f P0)が0.7の場合では、
P0及びαのばらつきにより結晶の歩留まりは45〜8
4%の値を取り得ることを示している。
【0067】溶融液中ドーパント濃度の許容範囲を上記
と同様にC1 〜1.3C1 として歩留まりを評価すると
約33%となる。そこで、溶融層法による歩留まり向上
の目標値として50%を設定した場合、これを達成する
ことが可能な引き上げ開始時の固体層率は図3から明ら
かなように0.3〜0.68であることが分かる。
【0068】従って上記した方法によれば、るつぼ内の
シリコン単結晶用原料を上側から下側へ向けて溶融させ
つつ、該溶融液を上方へ引き上げて単結晶を成長させる
結晶成長方法において、前記シリコン単結晶用原料のす
べてを溶融させて該溶融液にリンをドーピング不純物と
して含有させた後該溶融液を前記るつぼ底より上方へ向
かって凝固させ、該凝固により形成される固体層を、使
用するシリコン単結晶原料の0.3〜0.68倍の範囲
で形成し、前記るつぼ上部に溶融層を共存させ、前記固
体層を上側から下側へ向けて溶融させつつ前記溶融層の
体積をほぼ一定に保ちながら該溶融層よりシリコン単結
晶を成長させるので、結晶引き上げ中の溶融液中ドーパ
ント濃度の偏析が防止されるとともに、結晶中のドーパ
ント濃度の偏析も防止され、結晶の歩留まりが改善され
る。
【0069】
【実施例】以下、本発明に係る結晶成長方法の実施例を
説明する。図1は結晶成長装置を示す要部の模式的断面
図であり、図中18は水冷チャンバーを示している。水
冷チャンバー18の中にるつぼ11が配設されており、
るつぼ11は石英製の内層容器11aの外周にグラファ
イト製の外層容器11bが配された二重構造となってお
り、るつぼ11内部の下部には固体層17が、上部には
溶融層16が形成されている。またるつぼ11の底部中
央には水冷チャンバー18の底壁を貫通した軸19の上
端が連結され、軸19によってるつぼ11を回転させな
がら昇降させることができるようになっている。水冷チ
ャンバー18には水冷チャンバー18の上方に連設され
たワイヤ15が導入されており、その下端には種結晶
(図示せず)がチャックに固定され、この種結晶をるつ
ぼ11内の溶融液になじませた後、回転させつつ上昇さ
せることによって種結晶の下端に単結晶14を成長させ
ることができるようになっている。
【0070】この装置を用いて表1に示したような2つ
の異なるサイズ、原料量で試験を行なった。両方とも、
引き上げ開始時の固体層率として0.45が得られるよ
うに構成され、単結晶14引き上げを行なった。この結
果、実施例1では58%、実施例2では59%の歩留ま
りを得ることができた。
【0071】
【表1】
【0072】このように上記実施例によれば、引き上げ
開始時の固体層率及び結晶引き上げ中の溶融層の体積の
ばらつきを考慮して、溶融層法の溶融層厚一定法を、リ
ンをドーピングしたシリコン単結晶の成長方法に適用す
ることによって、単結晶引き上げ中の溶融液中ドーパン
ト濃度の偏析をCZ法と比較して防止することができ
る。従って、結晶中ドーパント濃度を均一化して結晶の
歩留まりを改善することができる。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る結晶成
長方法にあっては、るつぼ内のシリコン単結晶用原料を
上側から下側へ向けて溶融させつつ、該溶融液を上方へ
引き上げて単結晶を成長させる結晶成長方法において、
前記シリコン単結晶用原料のすべてを溶融させて該溶融
液にリンをドーピング不純物として含有させた後該溶融
液を前記るつぼ底より上方へ向かって凝固させ、該凝固
により形成される固体層を、使用するシリコン単結晶原
料の0.3〜0.68倍の範囲で形成し、前記るつぼ上
部に溶融層を共存させ、前記固体層を上側から下側へ向
けて溶融させつつ前記溶融層の体積をほぼ一定に保ちな
がら該溶融層よりシリコン単結晶を成長させるので、結
晶引き上げ中の溶融液中ドーパントの偏析を防止するこ
とができるとともに、結晶中のドーパント濃度を均一化
して結晶の歩留まりを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る結晶成長方法で使用する結晶成長
装置を示す模式的断面図である。
【図2】溶融液中ドーパント濃度の解析例を示すグラフ
である。
【図3】結晶引き上げ開始時における固体層率と歩留ま
りとの関係を示す相関図である。
【図4】従来のCZ法に用いる結晶成長装置を示す模式
的断面図である。
【図5】従来の溶融層法に用いる結晶成長装置を示す模
式的断面図である。
【図6】(a)(b)は溶融層法のドーパント偏析軽減
の原理を示す説明図である。
【図7】溶融液中のドーパント濃度の解析例を示すグラ
フである。
【図8】溶融液中のドーパント濃度の解析例を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 高行 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 藤原 秀樹 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 稲見 修一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 るつぼ内のシリコン単結晶用原料を上側
    から下側へ向けて溶融させつつ、該溶融液を上方へ引き
    上げて単結晶を成長させる結晶成長方法において、前記
    シリコン単結晶用原料のすべてを溶融させて該溶融液に
    リンをドーピング不純物として含有させた後該溶融液を
    前記るつぼ底より上方へ向かって凝固させ、該凝固によ
    り形成される固体層を、使用するシリコン単結晶原料の
    0.3〜0.68倍の範囲で形成し、前記るつぼ上部に
    溶融層を共存させ、前記固体層を上側から下側へ向けて
    溶融させつつ前記溶融層の体積をほぼ一定に保ちながら
    該溶融層よりシリコン単結晶を成長させることを特徴と
    する結晶成長方法。
JP13110091A 1991-06-03 1991-06-03 結晶成長方法 Pending JPH0543384A (ja)

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JP13110091A JPH0543384A (ja) 1991-06-03 1991-06-03 結晶成長方法

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ID=15049982

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