JPH09263479A - 単結晶成長方法および単結晶成長装置 - Google Patents

単結晶成長方法および単結晶成長装置

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JPH09263479A
JPH09263479A JP7702596A JP7702596A JPH09263479A JP H09263479 A JPH09263479 A JP H09263479A JP 7702596 A JP7702596 A JP 7702596A JP 7702596 A JP7702596 A JP 7702596A JP H09263479 A JPH09263479 A JP H09263479A
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single crystal
crucible
melt
layer
growing
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JP7702596A
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Teruo Izumi
輝郎 和泉
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Sitix Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所謂「全融再凝固方式」の溶融層法において、
溶融液を凝固させる際に溶融液内の攪拌を十分に行い、
引上げ方向の抵抗率が均一な単結晶の成長方法およびこ
れに使用される単結晶成長装置を提供する。 【解決手段】(1) 「全融再凝固方式」を採用する溶融層
法において、坩堝に収容される溶融液を凝固させる際、
撹拌治具を溶融液中で作動させ強制的に溶融液を撹拌し
ながら前記固体層を形成することを特徴とする単結晶成
長方法。 (2) 成長させるべき単結晶の原料溶融液13を収容する坩
堝1と、この溶融液を加熱する手段2と、坩堝内の溶融
液の表面に種結晶6を接触させて単結晶を育成させる引
上げ手段5と、前記各部材を収納する金属チャンバー8
とを具備する単結晶成長装置において、前記金属チャン
バー8の上部を貫通して前記溶融液を攪拌する手段21、
22、23と、この攪拌手段を昇降させる手段24とが設けら
れていることを特徴とする単結晶成長装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶の成長方法
およびこの方法に使用する単結晶成長装置に関し、さら
に詳しくは、例えば半導体材料として使用されるシリコ
ン結晶のような単結晶を成長させる単結晶成長方法およ
び単結晶成長装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体材料として使用される単結晶の成
長方法には種々の方法があるが、そのなかでもチョクラ
ルスキー法(以下、単に「CZ法」と記す)が汎く用い
られている。
【0003】図7は、CZ法によって単結晶を成長させ
る方法を説明する模式的断面図であり、図中の符号1は
坩堝を示している。坩堝1は有底円筒状の石英製坩堝1b
と、この石英製坩堝1bの外側に設置された同じく有底円
筒状の黒鉛製坩堝1aとから構成されており、坩堝1は図
中矢印で示した一定方向に所定の速度で回転する支持軸
7に支持されている。この坩堝1の外側には抵抗加熱方
式の加熱ヒーター2が同心円筒状に配設され、加熱ヒー
ター2の外側には黒鉛製の保温筒(図示せず)が同心円
筒状に配設される。また、坩堝1の中心軸上には、支持
軸7と同一軸心で逆方向に所定の速度で回転する引上げ
ワイヤ等の引上げ手段5が配設されている。
【0004】坩堝1内に収容された所定重量の結晶用原
料は加熱ヒーター2によって加熱されて溶融し、全てが
溶融液13になる。そして、引上げワイヤ5の先端に取り
付けられた種結晶6を溶融液13の表面に接触させて引上
げワイヤ5を引き上げていくことにより、溶融液13が凝
固して形成される単結晶12を成長させている。
【0005】通常、単結晶12の抵抗率あるいは電気伝導
型を調整するため、溶融液13中にドーピング不純物元素
が添加される。この場合、溶融液13と単結晶12の成長界
面における単結晶12中の不純物濃度CS と溶融液13中の
不純物濃度CL との比(CS/CL )、すなわち、平衡
偏析係数ko は、シリコン (Si) に対する不純物として
リン(P)を採用する場合には0.35となる(「Si単結晶
とドーピング」、35頁、丸善発行参照) 。この場合に
は、CZ法での単結晶12の成長に伴い溶融液13中の不純
物濃度が高くなり、これにともなって引上げられる単結
晶12中の不純物濃度は次第に増加していくので、単結晶
12中の不純物は結晶の引上げ方向に対して偏析が生じ、
そのため単結晶12の抵抗率は不均一になる。
【0006】上述のドーピング不純物元素の偏析を抑制
して結晶を成長させる方法として、従来からCZ法とし
て溶融層法が採用されている。
【0007】図8は、従来から採用されている溶融層法
を説明する模式的断面図である。CZ法の説明の場合と
同様に、坩堝1は有底円筒状の石英製坩堝1bと、この石
英製坩堝1bの外側に設置された同じく有底円筒状の黒鉛
製坩堝1aとから構成されており、坩堝1は図中の矢印で
示した一定方向に所定の速度で回転する支持軸7に支持
されている。この坩堝1の外側には加熱ヒーター2が同
心円筒状に配設され、加熱ヒーター2の外側には黒鉛製
の保温筒(図示せず)が同心円筒状に配設され、また坩
堝1の中心軸上には、支持軸7と同一軸心で逆方向に所
定の速度で回転する引上げワイヤ等による引上げ手段5
が配設されている。
【0008】溶融層法では、坩堝1内に収容された所定
重量の結晶用原料の上部のみを加熱ヒーター2で溶融さ
せることによって、坩堝1内の上部には溶融層15、下部
には固体層14を形成し、溶融層15中のドーピング不純物
濃度を一定に保ちながら単結晶を引上げるとともに、上
側から下側へ向けて固体層14を溶融させていく。単結晶
の成長は、引上げワイヤ先に取り付けられた種結晶6を
溶融層15の表面に接触させて引上げることによって、溶
融層液を凝固させて行われる。
【0009】上記の溶融層法を改善して、一層単結晶中
のドーピング不純物濃度の均一化を図るため、いわゆる
「全融再凝固方式」が提案されている (特開昭63−2529
89号公報参照) 。すなわち、この方式では、結晶用原料
を一旦全て溶融させてドーピング不純物元素を添加して
のち、坩堝内の溶融液13を凝固させて固体層14を形成
し、その後、上側から下側へ向けて固体層14を溶融させ
て、一定層厚さの溶融層15を形成し、溶融層15の液面に
種結晶を接触させて引上げることによって単結晶12を成
長させる。しかし、提案のあった「全融再凝固方式」の
溶融層法では、固体層14が全て溶融した後は通常のCZ
法と同様の条件になることから、単結晶の引上げ方向に
ドーピング不純物が偏析するという問題が解消できな
い。また、実際の操業において、固体層14が全て溶融す
る前段階から単結晶中のドーピング不純物濃度が増加
し、抵抗率が低下し始めるという問題がある。しかも、
単結晶の引上げ率が13%までの引上げ初期の段階で、単
結晶の抵抗率が目標値より高く外れるという問題もあ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り、「全融再
凝固方式」の溶融層法では、多くの解決すべき問題が存
在している。これらの問題のうち、特に、引上げ初期の
段階で単結晶の抵抗率が目標値より高く外れるという問
題を解決するため、本願出願人は、固体層14を形成する
際に坩堝1を正逆回転させる「全融再凝固方式」に関す
る結晶成長方法を出願した。この方法によれば、固体層
14内の不純物濃度を均一化することが可能になり、上記
の問題が解決できるのである(特開平6− 92777号公報
参照、以下、単に「先願」という)。先願では、固体層
14内のドーピング不純物元素の不均一性を改善する効果
は見られる。しかし、シリコン溶融液のように、結晶原
料の溶融液の粘性が低い場合には、坩堝の正逆回転では
溶融液の攪拌が十分でない場合も生じる。しかも、固体
層14が全て溶融する前段階から単結晶中のドーピング不
純物濃度が増加し、抵抗率が低下し始めるという課題を
解決することを意図したものではない。
【0011】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであり、「全融再凝固方式」を採用する溶融層法に
おいて、溶融液を凝固させる際に溶融液内の攪拌を十分
に行い、単結晶の引上げ方向における抵抗率を均一にす
るのに適する単結晶成長方法およびこの方法に使用され
る単結晶成長装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の(1) の単
結晶成長方法および(2) の単結晶成長装置を要旨として
いる。
【0013】(1) 坩堝内に収容された結晶用原料を全て
溶融して溶融液となし、こののち該溶融液を前記坩堝の
底部から上方へ向けて凝固させて多結晶からなる固体層
を形成し、さらに前記固体層を上側から下側へ向けて溶
融して溶融層を形成して、この溶融層の液面に種結晶を
接触させ上方に引き上げて結晶を成長させる単結晶成長
方法において、前記溶融液を凝固させる際、撹拌治具を
溶融液中で作動させ強制的に溶融液を撹拌しながら前記
固体層を形成することを特徴とする単結晶成長方法。
【0014】(2) 成長させるべき単結晶の原料溶融液13
を収容する坩堝1と、この溶融液を加熱する手段2と、
坩堝内の溶融液の表面に種結晶6を接触させて単結晶を
育成させる引上げ手段5と、前記各部材を収納する金属
チャンバー8とを具備する単結晶成長装置において、前
記金属チャンバー8の上部を貫通して前記溶融液を攪拌
する手段21、22、23と、この攪拌手段を昇降させる手段
24とが設けられていることを特徴とする単結晶成長装置
(図1参照)。
【0015】
【発明の実施の形態】一般に、引上げられた単結晶の抵
抗率が低くなるのは、結晶中に溶け込むドーピング不純
物元素の濃度が高くなるためである。したがって、引き
上げ後期で固体層が全て溶融する前に単結晶の抵抗率が
低下するのは、溶融液中のドーピング不純物の濃度が目
標値に比べて高くなるからである。
【0016】図2は、坩堝(有効内半径:40cm)を一定
の方向に所定の回転速度(1rpm) で回転させて結晶用原
料(例えば、多結晶シリコン)を全て溶融させた後、坩
堝の下部を冷却して溶融液を凝固させたときの固体層内
の半径方向のドーピング不純物(例えば、P)の濃度分
布を示す図である。
【0017】図3は、同じ条件で坩堝の下部を冷却して
溶融液を凝固させたときの固体層内の坩堝中心軸上およ
び坩堝周辺部(例えば、坩堝中心から35cmの部分)の鉛
直方向のドーピング不純物の濃度分布を示す図である。
図2から、ドーピング不純物の濃度分布は、半径方向で
は中心部のドーピング不純物濃度が高く、周辺部に向か
って連続的にその濃度が減少していることがわかる。一
方、図3から明らかなように、鉛直方向のドーピング不
純物の濃度分布では、坩堝の中心部では底部から上方に
向かってその濃度が減少する傾向が顕著になる。
【0018】図3、図4の条件である、一定の方向に一
定の回転速度で坩堝を回転させる場合には、坩堝に収容
される溶融液内での自然対流が小さく、溶融液/固体層
の境界面における拡散層厚さには分布がある。この場
合、坩堝の中央部では淀み層が存在して拡散層が厚くな
るが、坩堝の周辺部に向かうにしたがって拡散層が連続
的に薄くなると想定される。一方、溶融液/固体層の境
界面における固体層の濃度CSSと溶融液中の濃度CLL
の関係は、下記の(A)式で表される。
【0019】 CSS= ke CLL ・・・・ (A) (A)式中のke は実効偏析係数を示しており、次の
(B)式で表される。
【0020】
【数1】
【0021】上記(B)式において、ko は平衡偏析係
数を、Rは結晶の成長速度を、Dは溶融液中の不純物の
拡散係数を、さらにδは拡散層厚さを示している。上記
(B)式から拡散層厚さδが増加すると、ke が増大す
ることが分かる。さらにkeが増大すると、(A)式か
ら固体層内の不純物濃度が増加することが明らかであ
る。したがって、前記の図2で示す半径方向におけるド
ーピング不純物の濃度分布は、溶融液/固体層の境界面
における拡散層厚さの分布に起因している。
【0022】図4は、前述の図2および図3と同じ条件
で固体層を形成したときの固体層の厚さとその形成時間
の関係を示す図である。同図から明らかなように、固体
層の形成速度(mm/min)は凝固開始時に速く、時間の経
過とともに次第に遅くなる。一方、上記(B)式から、
拡散層厚さδが増加することによってke が増大すると
同様に、成長速度Rが速くなると、ke が増大すること
が分かる。したがって、図3に示す鉛直方向のドーピン
グ不純物濃度分布において、坩堝の中心部では底部から
上方に向かってその濃度が減少する傾向が顕著になるの
は、拡散層厚さδが増加することと成長速度Rが速くな
ることの相乗作用に基づくものである。これに対し、周
辺部での濃度変化が小さいのは、拡散層厚さδが減少
し、成長速度Rが速くなることによるke の増大作用が
相殺されるからである。
【0023】このような認識から、溶融液を凝固させて
固体層を形成させる際に溶融液を十分に攪拌し、溶融液
/固体層の境界面における拡散層厚さを薄くすることに
よって、固体層内のドーピング不純物濃度を半径方向の
みならず鉛直方向にわたって均一にできることが明らか
になる。
【0024】本発明は上記の知見に基づいて完成された
ものである。すなわち、本発明に係る単結晶成長方法に
よれば、坩堝内に収容された結晶用原料を全て溶融して
溶融液となし、こののち該溶融液を前記坩堝の底部から
上方へ向けて凝固させて多結晶からなる固体層を形成
し、さらに前記固体層を上側から下側へ向けて溶融して
溶融層を形成して、この溶融層の液面に種結晶を接触さ
せ上方に引き上げて結晶を成長させる単結晶成長方法に
おいて、前記溶融液を凝固させる際、撹拌治具を溶融液
中で作動させることにより溶融液が強制的に撹拌される
ので、溶融液/固体層の境界面における拡散層厚さを、
坩堝内の全域にわたって薄く制御でき、前述の通り、固
体層内のドーピング不純物濃度を均一化し、単結晶の引
上げ方向の抵抗率を適正に制御しうることとなる。
【0025】また、本発明に係る単結晶製造装置によれ
ば、成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容する坩堝
と、この溶融液を加熱する手段と、坩堝内の溶融液の表
面に種結晶を接触させて単結晶を育成させる引上げ手段
と、前記各部材を収納する金属チャンバーとを具備する
単結晶成長装置において、前記金属チャンバーの上部を
貫通して前記溶融液を攪拌する手段とこれを昇降させる
手段とが設けられているので、溶融液を凝固させる際、
溶融液を強制的に撹拌し、溶融液/固体層の境界面にお
ける拡散層厚さを薄く制御でき、固体層内のドーピング
不純物濃度を均一にできる。
【0026】
【実施例】以下、本発明に係る単結晶成長方法を用いた
実施例を、他の成長方法と比較しながら説明する。
【0027】図1は、本発明に係る成長方法に用いる単
結晶成長装置を模式的に示した断面図であり、図中の符
号1は、金属チャンバー8内に配設された坩堝を示して
いる。従来のものと同様、坩堝1は有底円筒状の石英製
坩堝1bと、この石英製坩堝1bの外側に配設された同じく
有底円筒状の黒鉛製坩堝1aとから構成され、坩堝1の外
側には抵抗加熱方式の加熱ヒーター2が同心円状に配設
され、加熱ヒーター2の外側には黒鉛製の保温筒3が同
心円筒状に配設されている。坩堝1の下部は中心軸の延
長上において支持軸7に支持されている。また、坩堝1
の中心軸上には、一定方向に所定速度で回転する引上げ
ワイヤで構成される引上げ手段5が配設されている。さ
らに本発明に係る成長装置の特徴として、金属チャンバ
ー8の上部を貫通して坩堝1内に達する攪拌治具21と伝
達装置22を介して攪拌治具21を回転作動させる駆動装置
23が設けられ、これらの攪拌治具21、伝達装置22および
駆動装置23が攪拌手段を構成する。この攪拌手段は溶融
液を凝固させる際に使用されるものであるから、その他
の場合に攪拌治具21を坩堝1の内部から昇降移動させる
ために、攪拌手段を昇降させる手段24が設けられてい
る。
【0028】このように構成された装置を用いて、「全
融再凝固方式」の溶融層法を採用して結晶を成長させる
こととした。まず坩堝1内に収容した結晶用原料を加熱
ヒーター2により全て溶融したのちに、ドーピング不純
物(P)を添加して溶融液13を形成し、その後、後述す
る方法および条件によって、坩堝1内の下部に固体層14
を形成し、その後、上側から下側へ向けて固体層14を溶
融させて一定厚さの溶融層15を形成し、種結晶6を溶融
層15に接触させ引上げ手段5を回転させつつ引き上げる
ことによって、前記種結晶の下端から溶融層15液を凝固
させて単結晶を成長させる。
【0029】本実施例では、何れの条件においても長さ
1100mmの結晶を引き上げたが、そのときに採用した成長
条件は下記1〜4の通りである。ただし、固体層を形成
するときの条件は後述する。
【0030】1.引上げ結晶:直径6インチのN型シリ
コン単結晶 2.結晶原料:高純度多結晶シリコン、65Kgチャージ 3.雰囲気:10Torr、アルゴンガス流量40リットル/min 4.石英製坩堝:直径 400mm、高さ 350mm 固体層を形成するときの条件は次のA〜Cの通りとし、
その後、上記の「全融再凝固方式」の溶融層法で単結晶
を成長させた。
【0031】A.溶融液13を凝固させる際、石英製の撹
拌治具21を溶融液中で5rpm で回転させ強制的に溶融液
を撹拌しながら固体層14を形成する。そののち、撹拌治
具21を昇降手段24によって坩堝の上方に移動させて、単
結晶を成長させた。このとき引上げられた単結晶を試料
Aとする。
【0032】B.先願(特開平6− 92777号公報参照)
で採用した固体層14の形成方法であり、図5に示す回転
パターンによって坩堝を回転させながら固体層14を形成
した。回転パターンは+側は正方向の回転速度、−側は
逆方向の回転速度を示し、坩堝の回転速度を+3rpm か
ら−3rpm まで1サイクル当たり180secで変化させた。
このとき引上げられた単結晶を試料Bとする。
【0033】C.坩堝1を一定方向に1rpm の一定速度
で回転させながら固体層14を形成した。このとき引上げ
られた単結晶を試料Cとする。
【0034】図6は、引上げられた各単結晶について結
晶長と抵抗率の関係を示す図であり、ここでは、目標の
抵抗率を9〜11Ωcmとした。同図から明らかなように、
試料Cでは、抵抗率が目標値を満たす結晶長は単結晶の
全長に対して52%程度であった。また、坩堝を正逆回転
させて固体層を形成した試料Bは、目標値を満たす結晶
長は全長に対して72%程度に留まっている。これらに対
し、本発明に係る成長方法によって引上げられた試料A
では、目標値を満たす結晶長は単結晶の全長に対して96
%程度まで向上している。この結果、試料Aの目標抵抗
率を満たす結晶長の比率は、試料Cに比べ約44%、試料
Bに比べ24%、それぞれ向上している。
【0035】上記の結果から、本発明に係る単結晶の成
長方法では、引上げ初期の段階で単結晶の抵抗率が目標
値より高く外れることがなく、しかも、引上げ後期で固
体層が全て溶融する前段階で単結晶の抵抗率が低下し始
めるのを抑制できることが分かる。これにより、単結晶
の歩留を向上することができ、コストの低減を図ること
ができる。
【0036】
【発明の効果】本発明に係る単結晶成長方法および単結
晶製造装置によれば、坩堝内に収容された溶融液を凝固
させる際、撹拌治具を溶融液中で回転させるので溶融液
がよく撹拌されて、溶融液/固体層の境界面における拡
散層厚さを薄くでき、形成された固体層中のドーピング
不純物を均一化することができる。これによって、引上
げ初期の段階で単結晶の抵抗率が目標値より高く外れる
こと、さらに引上げ後期で固体層が全て溶融する前段階
で単結晶の抵抗率が低下することを抑制できて、単結晶
の歩留を向上させ、製造コストの大幅低減を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成長方法に用いる単結晶成長装置
を模式的に示した断面図である。
【図2】坩堝を一定の方向に所定の回転速度(1rpm) で
回転させて結晶用原料を全て溶融させた後、坩堝の下部
を冷却して溶融液を凝固させたときの固体層内の半径方
向のドーピング不純物の濃度分布を示す図である。
【図3】図2と同じ条件で坩堝の下部を冷却して溶融液
を凝固させたときの固体層内の坩堝中心軸上および坩堝
周辺部の鉛直方向のドーピング不純物の濃度分布を示す
図である。
【図4】図2および図3と同じ条件で固体層を形成した
ときの固体層の厚さとその形成時間の関係を示す図であ
る。
【図5】実施例で試料B作製時に結晶成長方法に使用さ
れるるつぼの回転パターンを示す図である。
【図6】実施例で引上げられた各単結晶について結晶長
と抵抗率の関係を示す図である。
【図7】CZ法によって単結晶を成長させる方法を説明
する模式的断面図である。
【図8】従来から採用されている溶融層法を説明する模
式的断面図である。
【符号の説明】
1…坩堝、 1a…黒鉛製坩堝、 1b…石英製坩堝、 2
…加熱ヒーター 3…保温筒、 5…引上げ手段、 6…種結晶、 7…
支持軸 8…金属チャンバー、 12…単結晶、 13…溶融液、
14…固体層 15…溶融層、 21…攪拌治具、 22…伝達装置、 23…
駆動装置 24…昇降装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】坩堝内に収容された結晶用原料を全て溶融
    して溶融液となし、こののち該溶融液を前記坩堝の底部
    から上方へ向けて凝固させて多結晶からなる固体層を形
    成し、さらに前記固体層を上側から下側へ向けて溶融し
    て溶融層を形成して、この溶融層の液面に種結晶を接触
    させ上方に引き上げて結晶を成長させる単結晶成長方法
    において、前記溶融液を凝固させる際、撹拌治具を溶融
    液中で作動させ強制的に溶融液を撹拌しながら前記固体
    層を形成することを特徴とする単結晶成長方法。
  2. 【請求項2】成長させるべき単結晶の原料溶融液を収容
    する坩堝と、この溶融液を加熱する手段と、坩堝内の溶
    融液の表面に種結晶を接触させて単結晶を育成させる引
    上げ手段と、前記各部材を収納する金属チャンバーとを
    具備する単結晶成長装置において、前記金属チャンバー
    の上部を貫通して前記溶融液を攪拌する手段と、この攪
    拌手段を昇降させる手段とが設けられていることを特徴
    とする単結晶成長装置。
JP7702596A 1996-03-29 1996-03-29 単結晶成長方法および単結晶成長装置 Pending JPH09263479A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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