JPH0680169B2 - 磁束密度の高い無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁束密度の高い無方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH0680169B2
JPH0680169B2 JP62043534A JP4353487A JPH0680169B2 JP H0680169 B2 JPH0680169 B2 JP H0680169B2 JP 62043534 A JP62043534 A JP 62043534A JP 4353487 A JP4353487 A JP 4353487A JP H0680169 B2 JPH0680169 B2 JP H0680169B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、磁気特性の優れた、とくに磁束密度の高い
無方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
省エネルギーは分野を問わず重要な課題である。電気機
器分野においても近年、電力消費量の節減が叫ばれ、機
器特性の向上、機器の小型化等の要求がますます高まっ
てきている。
無方向性電磁鋼板は、主に変圧器、安定器、電動機、発
電機等の鉄心材料として用いられるが、このような機器
の特性向上、小型化等の要求に対処するには、低鉄損で
かつ磁束密度の高い無方向性電磁鋼板が必要である。
ところで、無方向性電磁鋼板の製造方法としては、いわ
ゆる一回冷延法がよく知られている。これは熱間圧延鋼
帯を比較的大きな圧下率、具体的には70〜80%程度の圧
下率で一回冷間圧延し、次いで焼鈍を行うものである。
しかしながら通常の一回冷延法では、昨今の高度の要求
には到底応えられるものではない。
なお、鉄損についてはSiあるいはAlのような固有抵抗を
増加させる元素を添加して過電流損を低下させる対策が
あるが、Si、Alは磁束密度を低下させる副作用があり、
このためこの種の対策でも低鉄損、高磁束密度の高レベ
ルでの両立は不可能である。
このようなことから、無方向性電磁鋼板については、従
来より低鉄損と高磁束密度の両立を図るべく種々研究が
進められ、その製造方法につき様々な提案が出されてい
る。例えば、特公昭57-52410号では、C0.05%以下、Si
またはSiとAlの合計量が1.5%以下、Mn0.1〜1%、P0.2
%以下の素材を用いAr1点の中央温度と750℃との間の温
度で熱間圧延を終了し、さらに680℃以上の温度で巻取
りを行う方法が提案され、また特公昭58-55210号では、
Si1.5未満、Sol.Al0.0010%未満、Mn0.1〜1.0%、P0.2
%未満、S0.010%未満、N0.0035未満の素材を先の提案
と同様の温度条件で熱間圧延するという方法が提案され
ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前者の方法は680℃以上(望ましくは700℃以上)という
高温の条件下で巻取りを行うことが必要であり、また後
者についてもすぐれた磁気特性を得ようとすれば、やは
り上記同様の高温巻取りが必要となる。これらの方法に
おいて高温巻取りは、熱延鋼板の結晶組織を完全に再結
晶させ、かつ粗大な結晶粒を得る上で必要とされるもの
である。
ところがこのような高温巻取りを実施すると、スケール
の生成が多くなって熱延板の脱スケール性が悪くなり、
酸洗能率の低下が問題となる。また、高温巻取りをして
も、コイルの最内周部や最外周部はたちまち冷却され、
高温保持の時間がコイルのトップ部およびボトム部にお
いて非常に短くなる。その結果、コイルのトップ部およ
びボトム部では高温巻取りの効果が十分期待できず、そ
の部分の磁気特性はミドル部にくらべ著しく劣ったもの
となり、磁気特性の均一な成品が得られない。
上記に鑑み本発明は、高温巻取りを行うことなく、鉄
損、磁束密度がともにすぐれかつこれらの特性が鋼帯全
長にわたって安定した均質性の高い無方向性電磁鋼板を
能率よく製造することができる方法の提供を目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
一般に高温巻取りは、熱間圧延(熱延板)の段階で再結
晶を生じさせ結晶粒を粗大化させることになる。そし
て、これは、例えば前出特公昭57-52410号の例にみられ
るように磁気特性の改善に有効である。
このことから、一般に無方向性電磁鋼板にあっては熱延
板の段階で再結晶および粒成長を生じさせるようにすれ
ば、焼鈍後の成品段階の結晶粒および集合組織に影響が
出て、磁気特性(鉄損、磁束密度)の改善がもたらされ
ることになると考えられる。
そこで本発明者らは、熱延板の結晶組織に対し高温巻取
りと同様の効果が期待できる対策を見出すべく、とくに
素材鋼成分の面から種々実験、検討を行った結果、次の
ことを知見した。
○素材中のSとMnをそれぞれ特定量以下に制限すれば、
熱延板での再結晶および粒成長が早められ、比較的低温
の巻取りでも、熱延板段階において再結晶を十分に進行
させ結晶粒を効果的に粗大化させることが可能となる。
なお、この場合熱間圧延の圧延終了温度は、フェライト
領域温度することが条件となる。
そして、このような方法を採用すれば、従来の高温巻取
りを適用した場合に比べ、とくに鋼帯トップ部およびボ
トム部の磁気特性が向上し、鋼帯全長にわたって良好な
磁気特性が実現される。また、熱延板の脱スケール性が
向上し、能率よく酸洗することが可能となる。
本発明は以上の知見に基づくものであって、C0.005%以
下、Si0.1〜1.0%、Mn0.20%以下、P0.050〜0.200%、S
0.005%以下、Sol.Alは0.002%未満か0.150〜1.0%、残
部Feおよび不可避的不純物よりなる鋼素材を、圧延終了
温度を700℃以上でかつフェライト域内の温度として熱
間圧延し、続いて600〜680℃の温度で巻取りを行い、次
いで脱スケール、冷間圧延、焼鈍を実施することを特徴
とする磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法を
要旨とする。
第1図は、低S下における鋼中Mn量と鉄損および磁束密
度との関係を示す実験データである。これは、C0.003
%、Si0.5%、P0.085%、S0.002%、Sol.Al0.230%と
し、Mn量を0.05〜0.50%のレンジで種々に変化させた鋼
素材をフェライト領域温度(820℃)を圧延終了温度と
して熱間圧延を行って板厚を2.3mmとし、その後650℃で
巻取りを行い、次いで脱スケール酸洗後0.5mmの板厚ま
で冷間圧延し、さらに750℃×20秒の連続焼鈍を実施
し、こうして得たものについて磁気特性(鋼帯ミドル
部)を調査した結果である。
図において、磁束密度については鋼中Mn量が低くなると
改善される傾向が認められ、とくにMn0.2%以下におい
てその傾向が著しい。このMn0.2%以下において磁束密
度は、従来の高温巻取り適用材(鋼帯ミドル部)と同等
のレベルに達する。
一方鉄損は、Mn0.005〜0.50%の範囲においてMn量によ
らず一定の値を示している。この一定値のレベルは、通
常の一回冷延材より低く、高温巻取適用材(鋼帯ミドル
部)のそれに匹敵するものである。
鉄損についてはこのように、低Sの条件下ではMn量が本
発明範囲(≦0.2%)をこえる領域においてまで良好な
レベルを示すが、これは次のように考えられる。
高Sの条件下ではMnS等の析出量が多く連続焼鈍で結晶
粒が微細化し鉄損は高い。しかし、低S化するとMnSの
析出量も少なくなり連続焼鈍での結晶粒径も大きく、ま
たMnの増加は比抵抗増加に寄与し、結果として鉄損は良
好なレベルになる。
ただし、Mnの増加は磁束密度に関しては低下させる方向
である。
何れにしても本発明の条件を満たす低S、低Mn化によ
り、低鉄損と高磁束密度の両立が実現でき、同時に鋼帯
全域について磁気特性の安定化が図られるのである。
因みに従来においては、鋼中Mnは、Sによる鋼の熱間脆
性を抑制するために必要であり、更に鋼中介在物MnSを
粗大化して焼鈍時の粒成長性を改善し鉄損を低下させる
ためにも必要であるとされ、少なくとも0.2%は添加さ
れるのが通例であった。
なお、熱間脆性については、低Sの条件の下ではMn量を
低下させても実際上問題とならないことを、本発明者ら
は確認している。
以下、本発明の方法について更に詳しく説明する。
○まず使用する鋼素材の成分限定理由は次のとおりであ
る。
C:Cは鉄損低下の観点から、少ない方がよい。
Cが0.005%をこえると磁気時効による鉄損増加がとく
に顕著となることから、0.005%を上限とした。なお、
下限についてはCは少ないほど好ましいので、とくに限
定しない。
Si:Siは固有抵抗を増加させ、鉄損低下に有効に寄与す
る元素であるが、反面磁束密度の低下をもたらす。1%
をこえると、この磁束密度の低下が著しく、本発明の目
的である高磁束密度が達成不可能になる。また0.1%未
満では、鉄損の面で十分な効果が期待できない。よっ
て、0.1〜1.0%の範囲とした。
Mn:本発明においても最も重要な意味をもつ元素であ
る。先に述べたとおり従来はSによる熱間脆性の防止お
よび鉄損の観点から0.2%をこえて添加するのが普通で
あったが、本発明では0.2%以下にする。
低Sの条件の下において、Mn量を0.2%以下にすれば、
前出第1図で説明したように高温巻取り適用材と同レベ
ルのすぐれた磁気特性(低鉄損、高磁束密度)が実現さ
れるのである。これは、熱延板での再結晶および結晶粒
の粗大化が促進されることによる。なお、低S、低Mn化
により再結晶、粒成長が加速される理由は、未だ不明な
点も多いが、固溶Mn、MnSの量がともに著しく低くなる
ことが関与しているものと考えられる。なお、Mn0.2%
ごえでは、第1図に明らかなようにとくに磁束密度が低
下を来すことになる。
このようなことから本発明では、Mnの上限を0.2%とし
たのである。
なお、下限については熱間脆性の観点からMn/Sで10以上
が望ましいがとくに規定しない。P:Pはとくに磁束密度
の向上に有効に寄与する。
Pの効果を第2図に示す。このデータは、C0.004%、Si
0.4%、Mn0.15%、S0.002%、Sol.Al0.200%でPを0.01
5〜0.150%の間で変化させ磁気特性への影響をみたもの
で、供試材は熱間圧延を圧延終了温度830℃(フェライ
ト領域温度)で行って板厚2.1mmとし、これを640℃で巻
取り、次いで脱スケール後板厚0.5mmまで冷間圧延し、7
80℃×10秒の連続焼鈍を実施して得た。
同図において、磁束密度はP量が0.05%以上の範囲にお
いて高い値となっている。また鉄損についてもその範囲
で改善の傾向がみられる。
よってPの下限は、0.050%とした。
また上限については、磁気特性の点からは必要ないが、
余り多くすると鋼板の脆化が避けられず、この意味から
0.200%を上限とした。
S:Mnとの間でMnSを形成し、焼鈍時の粒成長を妨げ、鉄
損の低下を阻む方向に作用するとともに、多量に存在す
ると熱間脆性を惹起する。また、熱延鋼板の再結晶、粒
成長の促進上、有害である。このような悪影響は本発明
が対象とするような低Mn鋼において特に著しく、このこ
とからS量の管理は特に厳しくすることが求められる。
このような観点からSは、0.005%以下とした。このS0.
005%以下は、現在の清浄鋼の溶製技術では、十分に可
能なレベルである。
なおSについては、特性上下限の規定は不要である。た
だし実際には、製鋼技術、経済性の面から実施可能な範
囲は自ずと決まる。
Sol.Al:AlはSiと同様固有抵抗を増加させ鉄損低下に寄
与する元素であるが、その一方でAlNを形成し焼鈍時の
粒成長性を悪化させ鉄損を高める方向に作用する。ただ
しこの好ましくない作用は、添加量を多くしてAlNを粗
大化してやれば取除かれる。鉄損に対する有効性は引き
出しかつAlNによる悪影響を排除するには、0.150%以上
の添加が必要である。しかし1%をこえる添加は磁束密
度の低下を来す。
また、Alの添加は特性上必ずしも必要ではない。鉄損に
対する有効性を放棄するなら、AlNによる悪影響を取除
くのに、Al量を低レベルに制限するのも一つの方法であ
り、この場合は許容量を0.002%以下にすべきである。
以上のことから、Sol.Al量は0.15〜1%または0.002%
以下の範囲とした。
○次に、製造プロセスについて述べる。
上記のような成分の素材鋼は常法に従って転炉等で溶製
され、まず連続鋳造または造塊‐分塊圧延を経てスラブ
とされる。
次いでこのスラブを熱間圧延し、その後巻取りを行い、
次いで脱スケールを経て冷間圧延を施し、しかるのち焼
鈍を実施する。
熱間圧延以降の各工程について以下に詳述する。
熱間圧延 この工程は、圧延終了温度を700℃以上のフェライト領
域温度とすることを条件とする。
本発明は既述したとおり、熱延板の段階で再結晶および
粒成長を促進させることにより磁気特性を向上させると
ころに大きな特徴がある。熱延板の再結晶および粒成長
を十分に促進させるためには熱延終了時に十分な歪が蓄
積されていなければならない。熱間圧延は、このような
観点から、圧延終了温度をフェライト域内の温度とする
ことが必要である。
熱延板の再結晶および粒成長の意味からは圧延終了温度
はフェライト域内の温度とする上限規定だけで十分であ
るが、現実には圧延終了温度が700℃を下廻ると、圧延
負荷が大きくなりすぎ通常の圧延機では操業が困難とな
る。
以上のことから圧延終了温度は700℃以上でかつフェラ
イト域内の温度とした。
巻取り 巻取り温度を600〜680℃の範囲とすることを条件とす
る。
巻取りは、熱延板の再結晶、粒成長を期待する立場から
いえば高温巻取りを行うのが有利である。具体的には68
0℃以上の温度で巻取るのが有効であるとされている。
しかしながらこのよう高温での巻取りは、脱スケール性
の悪化、単位コイル内での特性値のバラツキを招来する
ことは先に述べたとおりである。
本発明は、素材成分を適正化することにより、このよう
な高温巻取りを行うことなく熱延板の再結晶、粒成長を
保証するものである。
スケールの生成を抑えて脱スケール性を良好に維持しか
つ特性バラツキを小さくする意味から、巻取温度は680
℃以下とすべきである。
ただし600℃未満になると、再結晶、粒成長が十分に進
まず、良好な磁気特性が期待できないこととなる。
以上の理由により、巻取温度は600〜680℃の範囲に限定
した。
脱スケール、冷間圧延 何れも通常どおりでよい。脱スケールは酸洗いを実施す
る。本発明の場合、熱延板の脱スケール性が良好に維持
されるので、酸洗いは高能率で行い得る。
冷間圧延は1回を原則とし、圧下率は70〜80%程度が普
通である。
冷延後の焼鈍 この焼鈍は、上記冷延後の加工組織を再結晶させるとと
もに、硬度調整等も目的とし、連続焼鈍が普通である。
無方向性電磁鋼板には、所定の磁気特性を付与して出荷
されるフルプロセス品と、出荷後ユーザー側で打ち抜き
等の加工後に歪取焼鈍(750℃×2h程度)を施されて所
定の磁気特性を保有するに至るセミプロセス品とがあ
る。
なおフルプロセス品の場合も、当然ユーザー側において
歪取焼鈍が施されることもあるわけで、したがってフル
プロセス品としては、出荷時はもとより、ユーザー側で
の歪取焼鈍実施時にも規定の磁気特性を示すことが要求
される。
本発明はこのようなフルプロセス品、セミプロセス品の
両方を対象とするものであるが、冷延後の焼鈍は一般
に、フルプロセス品では650〜900℃×5秒以上程度、セ
ミプロセス品の場合600〜800℃×5秒以上程度とされ、
本発明の場合にもこれに準ずる条件としてよい。
なお、電磁鋼板を製造する場合、通常はさらに絶縁コー
ティングを付与する工程が入ってくるが、本発明の場合
にも、製造の最終工程としてコーティングの工程を追加
することは可能であり、本発明はこのようなケースをも
含むものとする。
〔実施例〕
○実施例1 第1表に示す各成分組成の鋼を転炉で溶製し、これを連
続鋳造により鋳片となし、続いて熱間圧延を行って厚み
2.3mmとし、これをコイルに巻取った。熱間圧延の圧延
終了温度は全て750〜810℃の範囲とした。各供試鋼のAr
1変態点は850℃以上であり、全ケースともフェライト域
内の温度で圧延終了したわけである。また巻取温度は64
0〜660℃とした。
次いでこの熱延鋼帯に対し、酸洗→冷間圧延(2.3mm→
0.5mm)→連続焼鈍を施した。連続焼鈍条件は第1表の
とおりとした。
こうして得た各供試鋼板について、30mm×280mmのエプ
スタイン試験片を鋼帯ミドル部の圧延方向とこの直角方
向から8枚ずつ採取して磁気特性を調査した。
結果を第1表の右欄に示す。
本実施例は、製造プロセスを本発明範囲内の条件とした
上で、素材鋼成分を変化させたものである。
○No.1〜No.8は約0.5%Siの鋼種においてMn量を変化さ
せた例であるが、Mn量が0.2%以下の本発明例No.4〜No.
8は、Mn量が本発明範囲を上廻るNo.1〜No.3に比べとく
に磁束密度が高い値となっている。
○No.9〜No.13は約0.35%のSiの鋼種においてP量を変
化させた例であるが、P量が0.05%以上の本発明例No.1
1〜No.13は、P量がそれ未満のNo.9、No.10に対しとく
に磁束密度が著しく向上している。
○No.14〜No.19は約0.7%Siの鋼種においてS量を変化
させた例であるが、S0.005%以下の本発明例No.14〜No.
17は、S量がその範囲を上廻るNo.18、No.19に比べ鉄
損、磁束密度がともに良好な値となっている。
○No.20〜No.25は約0.5%Siの鋼種においてSol.Al量を
低Al領域内で変化させた例であるが、Sol.Al0.002%未
満の本発明例No.20〜No.23は、Sol.Al量がその範囲をこ
えるNo.24、No.25に比べより低鉄損、高磁束密度となっ
ている。
〔実施例2〕 第2表に示す各成分組成の鋼を転炉で溶製し、これを連
続鋳造により鋳片となし、続いて熱間圧延を行って厚み
2.1mmとし、これをコイルに巻取った。熱間圧延終了温
度は全て800〜830℃とし、巻取温度は第2表に示す通り
とした。供試鋼は何れもAr1変態点が850℃以上であり、
熱間圧延は全てフェライト域で終了した。
次いでこれらの熱延鋼帯に対し、酸洗→冷間圧延(2.1m
m→冷延5mm)→連続焼鈍(第2表)を施した。
こうして得た供試鋼板について、熱延時のコイルトッ
プ、ミドル、ボトム部より実施例1と同様にエプスタイ
ン試験片を採取し磁気特性を調査した。この調査結果お
よび酸洗時完全な脱スケールが可能な最高の酸洗ライン
スピード(以下、単に酸洗スピードという)を第2表に
併せて示した。
〔実施例3〕 実施例1、2はエプスタイン試験片を切断採取後そのま
ま磁気測定を行った結果であるが、ここでは実施例1の
No.2、5、12、13、16、19、21のものから、採取したエ
プスタイン試験片に更に750×2hの歪取焼鈍を施したの
ち、磁気特性を評価した。これはフルプロセス品に歪取
焼鈍が施されるケースをシミュレートしたものである。
結果を第3表に示す。
No.5、12、13、19が本発明例であるが、これらは歪取焼
鈍後においても、低鉄損、高磁束密度の良好な磁気特性
を示した。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように本発明の方法によれば、
低鉄損で磁束密度が高く、かつ磁気特性が鋼帯長手方向
について安定した均質性の高い無方向性電磁鋼板を製造
することが可能であり、しかも高温巻取りを行わないか
熱圧板の脱スケール性が良好に維持され脱スケール処理
としての酸洗を高能率にて遂行し得るものである。
よって本発明は、無方向性電磁鋼板の性能向上ならびに
製造能率の改善に寄与するところがきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図が低S条件におけるMn量と磁気特性との関係を示
すプロット図、第2図はPの磁気特性に及ぼす効果を示
すプロット図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C0.005%以下、Si0.1〜1.0%、Mn0.20%以
    下、P0.050〜0.200%、S0.005%以下、Sol.Al0.002%未
    満残部はFeおよび不可避的不純物よりなる鋼素材を、圧
    延終了温度を700℃以上でかつフェライト域内の温度と
    して熱間圧延し、続いて600〜680℃の温度で巻取りを行
    い、次いで脱スケール、冷間圧延、焼鈍を実施すること
    を特徴とする磁束密度の高い無方向性電磁鋼板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】C0.005%以下、Si0.1〜1.0%、Mn0.20%以
    下、P0.05〜0.200%、S0.005%以下、Sol.Al0.150〜1.0
    %、残部はFeおよび不可避的不純物よりなる鋼素材を、
    圧延終了温度を700℃以上でかつフェライト域内の温度
    として熱間圧延し、続いて600〜680℃の温度で巻取りを
    行い、次いで脱スケール、冷間圧延、焼鈍を実施するこ
    とを特徴とする磁束密度の高い無方向性電磁鋼板の製造
    方法。
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