JPH0678754U - 空気調和機の風向板構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気調和機の風向板構造に関し、上下風向板
組の駆動中の異音発生を防止する空気調和機の風向板構
造を提供することを目的とする。 【構成】 上下風向板組を構成する２枚の風向板の連結
部の互いに接触する近傍部分に植毛シートを貼付け、上
下風向板組の駆動時にステッピングモータの振動による
共振を防止するようにしてなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は空気調和機の風向板構造に関し、詳しくは風向板操作時の異音発生を 防止する風向板構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、空気調和機の吹出口に設けられた風向板は、連動する複数の羽根を垂直 に軸支し吹出空気の方向を左右に向ける左右風向板組と、吹出空気の方向を上下 に偏向する上下風向板組から構成され、それぞれの風向板組を独立したステッピ ングモータにより駆動して吹出空気の方向を偏向させるようにしている。 上下風向板組は吹出口の形状に合わせて、左右に細長い２枚の羽根状に形成さ れ、左右両端およびその間の複数個所で同軸に連結され、左右両端でコイルバネ により互いに連動するように付勢され、その状態で左右両端に設けた回転軸を吹 出口の側壁により、その間に設けた複数の支持ボスを吹出口に突出した複数の支 持部により軸支し、回転軸を側壁の一側に取付けられたステッピングモータに連 結し、ステッピングモータにより吹出空気の方向を冷房運転時には上方に、暖房 運転時には下方に偏向させるようにしている。 この時、ステッピングモータの駆動パルス（ 200 PPS )の振動が回転軸を通じ て上下風向板組に伝わり、上下風向板組の連結部分で共振して異音を発生する場 合があり、特に暖房運転時には上下風向板組は下方に向いており、下方の風向板 Ｚの自重により上方の風向板Ｕと下方の風向板Ｚの間に隙間を生じ、駆動パルス の振動により耳障りな異音を発生する場合があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、上下風向板組の駆動時に 発生する異音を防止する風向板構造を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、２枚の上下風向板の連結部接触面に植毛シートを 貼付けるようにした。 また、２枚の上下風向板の内、上方に位置する風向板を上に向かって凸状に、 下方の風向板を上に向かって凹状になるように形成するようにした。

【０００５】

【作用】

上記の構成によれば、２枚の上下風向板の連結部接触面に植毛シートを貼付け ることにより、２枚の上下風向板の隙間を埋めてステッピングモータの振動によ る共振を抑えることができる。 また、樹脂成形時に発生する変形を、上方に位置する風向板を上に向かって凸 状に、下方の風向板を上に向かって凹状になるように矯正し、それぞれを連結す ることにより、連結部以外では双方の上下風向板が近接しないようにすることに より、植毛シート貼付けによる効果を高めることができる。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。 図１は本考案の吹出口部分の詳細を示す要部分解斜視図で、吹出口１には垂直 に軸支され左右に回動する複数の左右風向板２が取付けられ、その間に本体から 吹出口１を仕切る形で垂直に形成され、その上部に前方に突出した支持アーム３ を形成した複数の支持部４が形成されている。 吹出口１の両側壁と支持部４の支持アーム３の先端には同軸状に軸支孔５が形 成され、上下風向板組６の両端の回転軸７と、支持アーム３に対向して形成され た連結部の突出ピン８を挿入し、上下風向板組６を水平に軸支している。 さらに、吹出口１の一方の側壁には上下風向板組６を駆動するステッピンクモ ータ10が上下風向板組６の回転軸７と同軸に係合して取付けられている。

【０００７】 図２は本考案の上下風向板組の要部裏面平面図、図３は上下風向板組の連結部 分の詳細を示す要部側面図で、（ａ）は中間の連結部分、（ｂ）は左側面の連結 部分を示している。 上下風向板組６は、上部の風向板Ｕと下部の風向板Ｚから構成され、風向板Ｕ には両端に回転軸７と所定の位置に複数の連結リブ10が立設され、連結リブ10の 先端には回転軸７と同軸状に連結孔11が形成されている。 一方、風向板Ｚには両端に風向板Ｕの回転軸７を覆うように円筒状に形成され た連結筒部12と、風向板Ｕの連結リブ10に対向して垂直に突出し先端に左右両側 に突出した突出ピン８を有する複数の連結片13が立設されている。 この状態で、風向板Ｕの回転軸７にコイルスリング14を挿着し、風向板Ｚの連 結筒部12に挿入すると同時に、風向板Ｕの連結孔11に風向板Ｚの連結片13の突出 ピン８を挿入することにより、風向板Ｕと風向板Ｚが連結され、風向板Ｚの上縁 が風向板Ｕの下縁に接するようにコイルスリング14により付勢される。 風向板Ｕと風向板Ｚは樹脂成形により形成され、羽根状で細長いため成形した ままでは収縮により変形し、風向板Ｕと風向板Ｚを連結した場合に、風向板Ｚの 上縁が風向板Ｕの下縁が均一に接するようにすることができず、部分的の接した り、または隙間を生じる場合があり、外観上の問題の他に、ステッピンクモータ ９の振動により異音を発生する問題があり、図４に示すように成形直後に冷やし 型等により、風向板Ｕは上に向かって凸に、風向板Ｚは上に向かって凹になるよ うに矯正し、風向板Ｕと風向板Ｚを連結した時に連結部のみで接し、他の部分で は隙間を形成するようにしている。 風向板Ｕと風向板Ｚの接触する部分を連結部に限定することにより、図２に示 すように、連結部にフエルト等の植毛シート15を貼付け、ステッピンクモータ９ の振動を吸収することにより、上下風向板組６の駆動時に発生する異音を減少す ることができる。

【０００８】

【考案の効果】

以上のように本考案においては、上下風向板組の成形時の変形を冷やし型等で 矯正し、連結部近傍以外で互いに接触しないようにするとともに、連結部近傍に 植毛シートを貼付け、ステッピンクモータの振動を吸収することにより、上下風 向板組の駆動時に異音を発生しないようにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の吹出口部分の詳細を示す要部分解斜視
図である。

【図２】本考案の上下風向板組の要部裏面平面図であ
る。

【図３】上下風向板組の連結部分の詳細を示す要部側面
図である。

【図４】上下風向板組の成形後の変形矯正と連結状態を
示す要部側面図である。

【図５】上下風向板組の成形後の変形状態を示す要部側
面図である。

【符号の説明】

１ 吹出口 ２ 左右風向板 ３ 支持アーム ４ 支持部 ５ 軸支孔 ６ 上下風向板組 ７ 回転軸 ８ 連結部 ９ 突出ピン 10 ステッピンクモータ 11 連結リブ 12 連結孔 13 連結筒部 14 連結片 15 コイルスリング 16 植毛シート

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気調和機の吹出口に、上下２枚の羽根
   状の上下風向板を、左右両側で回動自在に連結するとと
   もに左右両側に設けたコイルスプリングにより双方が連
   動するにように付勢し、吹出口の左右両側壁とその間複
   数個所に設けた支持部により回動自在に軸支し、吹出口
   の一方の側壁に同軸に取付けたステッピングモータによ
   り回動し、吹出空気の方向を上下に偏向するようにして
   なる風向板構造において、上記２枚の上下風向板の連結
   部接触面に植毛シートを貼付けてなることを特徴とする
   空気調和機の風向板構造。
2. 【請求項２】 上記２枚の上下風向板の内、上方に位置
   する風向板を上に向かって凸状に、下方の風向板を上に
   向かって凹状になるように形成してなることを特徴とす
   る請求項１記載の空気調和機の風向板構造。