JPH067860Y2 - 切断工具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案は鉄筋、金属パイプ等を切断する工具に関するも
のでる。

（従来の技術） ビルディング等の改築、あるいは冷暖房機器等の取付工
事等においては壁内外の鉄筋、金属パイプ等の切断除去
が必要となる場合があり、この切断除去には従来より円
盤型カッターからなる切断工具が使用されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、円盤型カッターの回転領域は被切断体を
切断するための前半部側が比較的広い角度範囲で露出し
ており、切断作業時の固定された被切断体に対する切断
工具の安定保持が難しく、円滑な切断及び安全性の上で
問題がある。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） そこで本考案では、円盤型カッターの回転領域を少なく
ともその周縁部の一部位を除いて保護カバーにより被覆
し、同保護カバーの前記カッター周縁部露出部位には前
記回転領域外から回転領域内にわたって被切断体を導入
保持する保持凹部を設ける一方、同保持凹部の内側壁に
端縁部が部分的に沿うよう形成された補助板を保護カバ
ーの周縁から延出するように重合固定し、同補助板によ
り前記保持凹部と対応しかつ同保持凹部よりも先端開口
縁が外方に位置する案内凹部を形成したことを要旨とし
ている。

（作用） 即ち、鉄筋、金属パイプ等の被切断体は、まず補助板に
て形成される案内凹部内に導入された後、同補助凹部の
内奥部が重合する保護カバーの保持凹部内に導入され
る。そして、被切断体が円盤型カッターの回転領域内に
入り切断が始まると、切断作用を受けた被切断体が前記
案内凹部の内側壁及び保持凹部の内側壁の双方に当接す
るとともに、その反力が前記被切断体にて受け止めら
れ、切断工具の反動が抑えられる。

（実施例） 以下、本考案を具体化した一実施例を第１，２図に基づ
いて説明する。

モータを内蔵する把持部１の前端には駆動力伝達方向転
換機構を被覆するカバー２が締付固定されており、カバ
ー２の下端開口部には保護カバー３が嵌合固定されてい
る。カバー２の下端開口部を通して駆動力伝達方向転換
機構に作動連結された駆動軸４には円盤型カッター５が
保護カバー３のフランジ３ａ下面の凹部内で回転可能に
ナット６により締付固定されており、フランジ３ａの周
縁垂下部には補助カバー７が円盤型カッター５を被覆す
るように締付固定されている。円盤型カッター５の周縁
部には多数の突部５ａが回転対称に設けられており、各
突部５ａの一側には刃先５ｂが固着されている。

フランジ３ａ及び補助カバー７の前半部には保持凹部
８，９，１０が円盤型カッター５の回転領域外となる周
縁から円盤型カッター５の回転領域内にわたって半径方
向へ設けられており、保持凹部８の幅が他の保持凹部
９，１０の幅よりも大きく設定されている。フランジ３
ａの上面には一対の補助板１１，１２がフランジ３ａの
周縁から延出するようにフランジ３ａ上面に締付固定さ
れている。そして、一方の補助板１１には前記保持凹部
９と対応する案内凹部１１ａが切欠形成されているとと
もに、端縁部の一部（後述する対向側縁）が前記保持凹
部８の両内側壁のうち保持凹部９側の内側壁に沿うよう
形成されている。又、他方の補助板１２には前記保持凹
部１０と対応する案内凹部１２ａが形成されているとと
もに、端縁部の一部（後述する対向側縁）が前記保持凹
部８の両内側壁のうち保持凹部１０側の内側壁に沿うよ
う形成されている。そして、両補助板１１，１２の互い
に対向する両対向側縁により前記保持凹部８と対応する
案内凹部８ａが形成されている。とが対応設定されてい
る。

なお、各保持凹部８，９，１０，１１ａ，１２ａの両内
側壁はそれぞれ円盤型カッター５の半径方向に延びる直
線、即ち、法線を挟んで互いに平行となるように設定さ
れている。

このような構成の切断工具では、第１図に鎖線で示すよ
うに固定された金属パイプ１３のような比較的径の大き
い被切断体の切断には保持凹部８が使われ、金属パイプ
１３がカバー２上に刻印された矢印Ｐ方向へ回転する円
盤型カッター５の切断作用を保持凹部８内で受ける。こ
の切断の反作用により保護カバー３側が円盤型カッター
５の回転方向と逆方向へ付勢され、金属パイプ１３と保
持凹部８の矢印Ｐ方向側の内側壁及び補助板１１の対向
側縁とが当接する。これにより反作用が保持凹部８及び
補助板１１を介して固定された金属パイプ１３により受
け止められ、切断工具の反動が抑えられる。従って、作
業者が特に力をいれるまでもなく切断工具が安定保持さ
れ、被切断が円滑に切断されると共に、作業者の安全が
確保される。

しかも、補助板１１，１２に切欠形成された案内凹部１
１ａ，１２ａの内側壁及び補助板１１，１２の両対向側
縁により保護カバー３に形成された各保持凹部８，９，
１０の内側壁部分を補強できるので、切断時に切断作用
を受けて矢印Ｐ方向へ付勢された金属パイプ１３が強く
当接しても保護カバー３に形成された保持凹部８，９，
１０の各内側壁部分が欠損したり変形したりするおそれ
を少なくできる。

又、前記補助板１１，１２はフランジ３ａの周縁から延
出するように締付固定されているので、切断の開始時に
おいて金属パイプ１３を円盤型カッター５の回転中心に
向けて導入保持する役目のほとんどを補助板１１，１２
の各案内凹部８ａ，１１ａ，１２ａにて受け持つことが
でき、その分、保持凹部８，９，１０が形成される保護
カバー３の大きさは円盤型カッター５を被覆するのに必
要最小限の大きさで済む。従って、保護カバー３の小型
化により切断工具全体の材料コスト低減及び重量軽減を
図ることができる。

第２図に鎖線で示すように被切断体が径の小さい鉄筋１
４等である場合には前記保持凹部８と案内凹部８ａの代
わりに保持凹部９と案内凹部１１ａあるいは保持凹部１
０と案内凹部１２ａが使用される。

なお、本考案は前記実施例の構成にのみに限定されるも
のではなく、この考案の趣旨を逸脱しない範囲内で任意
に設計変更することも可能である。

考案の効果 以上詳述したように、本願考案によれば保護カバーに保
持凹部を形成しただけでなく、保護カバーの周縁から延
出する補助板により前記保持凹部と対応しかつ同保持凹
部よりも先端開口部が外方に位置する案内凹部を形成し
たことにより、被切断体を切断開始当初から安定保持し
て円滑かつ安全に切断することができるとともに、保護
カバーに形成された保持凹部が切断時における被切断体
との当接により欠損したり変形したりするおそれを補助
板の補強作用により少なくすることができ、又、切断開
始時に被切断体を円盤型カッターの回転領域外から回転
領域内へ導入保持する役目は前記案内凹部がほとんど受
け持ち、その分、保持凹部が形成される保護カバーは円
盤型カッターの回転領域を被覆し得る必要最小限の大き
さで済むため、保護カバーの小型化により工具全体の材
料コスト低減と重量軽減に貢献することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具体化した切断工具の全体を示す斜視
図、第２図は要部斜視図である。 円盤型カッター５、保持凹部８，９，１０、補助板１
１，１２，案内凹部８ａ，１１ａ，１２ａ、被切断体と
しての金属パイプ１３及び鉄筋１４。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円盤型カッター（５）の回転領域を少なく
   ともその周縁部の一部位を除いて保護カバー（３）によ
   り被覆し、同保護カバー（３）の前記カッター周縁部露
   出部位には前記回転領域外から回転領域内にわたって被
   切断体（１３，１４）を導入保持する保持凹部（８，
   ９，１０）を設ける一方、同保持凹部（８，９，１０）
   の内側壁に端縁部が部分的に沿うよう形成された補助板
   （１１，１２）を保護カバー（３）の周縁から延出する
   ように重合固定し、同補助板（１１，１２）により前記
   保持凹部（８，９，１０）と対応しかつ同保持凹部
   （８，９，１０）よりも先端開口部が外方に位置する補
   助凹部（８ａ，１１ａ，１２ａ）を形成したことを特徴
   とする切断工具。