JPH0678594B2 - 耐食性に優れた鉛−錫合金めつき鋼板の製造方法 - Google Patents

耐食性に優れた鉛−錫合金めつき鋼板の製造方法

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JPH0678594B2 JP62230492A JP23049287A JPH0678594B2 JP H0678594 B2 JPH0678594 B2 JP H0678594B2 JP 62230492 A JP62230492 A JP 62230492A JP 23049287 A JP23049287 A JP 23049287A JP H0678594 B2 JPH0678594 B2 JP H0678594B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、めつき皮膜のピンホールの発生を抑えるこ
とにより、耐食性を向上させ、更にはピンホールの発生
を抑えた上に、めつき皮膜の表層に不動態皮膜を形成す
ることにより、耐食性をより一層向上させた、鉛−錫合
金めっき鋼板の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来から、鉛−錫合金めっき鋼板は、ガソリンタンク、
家庭用電気製品などに広く使用されている。これは、鉛
−錫合金めっきが湿潤状態で耐食性に優れ、また加工
性、溶接性、ハンダ付け性にも非常に優れているためで
ある。しかし、鉛−錫合金めっき皮膜は下地の鉄と比較
して電気化学的に貴であるため、めつき皮膜にピンホー
ルが存在すると、地鉄がアノード、めつき皮膜がカソー
ドとなり局部電池を形成して、地鉄の腐食が促進され、
耐食性が劣化するという問題を有している。
この問題を解決するために、めつき時に生じたピンホー
ルの封孔を目的として、リン酸系水溶液浸漬処理が行な
われている。これは、鉛−錫合金めっき後リン酸系水溶
液に浸漬することにより、めつき皮膜に存在するピンホ
ールを溶解度の低いリン酸鉛などで封孔するというもの
である。しかし、このようなピンホールをおおつた薄い
リン酸皮膜だけで、数年もの間湿潤状態において健全な
まま、ピンホールを封孔し続けることができることに
は、大きな凝問がある。
その他、めつき皮膜のピンホールの発生を抑えた耐食性
に優れた鉛−錫合金めっき鋼板の製造方法として、次の
ような提案がなされている。
(1)鉛、錫を単独にめつきして、これに加熱溶融処理
を施すことにより、めつき皮膜にピンホールの少ない鉛
−錫合金めっき鋼板を製造する方法(特開昭57−39191
号)。
(2)ニッケルおよびニッケル合金めつきを施した上に
鉛、錫を単独にめつきして、これに加熱溶融処理を施す
ことにより、めつき皮膜にピンホールの少ない鉛−錫合
金めっき鋼板を製造する方法(特公昭57−61833号)。
(3)ニッケル、コバルトおよびこれらの合金をめつき
して、この上に溶融鉛−錫合金めつきを施すことによ
り、めつき皮膜にピンホールの少ない鉛−錫合金めつき
鋼板を製造する方法(特開昭59−104497号)。
しかしながら、上記(1)の方法では、鉛を下地とした
ときに、加熱溶融後も鋼板の鉄素地上に鉛層が残存し、
鉄素地と鉛とが反応しないために、ハンダ付け時にはじ
きが生じてしまう。一方、錫を下地としたときには、加
熱溶融を行なうと、脆い鉄−錫合金層が生成し、プレス
加工時にめつき皮膜にクラツクが生じて耐食性が著しく
低下するという欠点がある。
上記(2),(3)の方法では、非常に合金化し易いニ
ッケル−錫合金が加熱溶融時あるいは溶融めつき時に形
成され、(1)の方法と同様、プレス加工時にめつき皮
膜にクラツクが生じて耐食性が著しく低下するという欠
点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上のように、従来は、ピンホールの発生を抑えるため
に、脆い合金層が生成するような数百度にも達する加熱
溶融工程を必要としたり、錫と非常に合金化し易いニッ
ケルまたはニッケル合金の下地めつきを必要とすること
などから加工性が悪く、プレス加工時にめつき皮膜にク
ラックが生じて、耐食性が著しく低下する等の問題があ
つた。
従つて、この発明の目的は、上述の現状に鑑み、加工性
を悪化させる加熱溶融工程やニツケルまたはニツケル合
金の下地めつきを必要とすることなく、めつき皮膜にピ
ンホールが発生するのを抑えて、耐食性に優れた鉛−錫
合金めっき鋼板を得ることができるようにした製造方法
を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、従来の鉛−錫合金めっき鋼板が有してい
た欠点を克服すべく鋭意研究を重ねた結果、脆い合金属
が生成するような数百度にも達する加熱溶融工程を必要
とせず、且つ、常温でも錫と合金を形成するようなニッ
ケルまたはニッケル合金の下地めつきを行なうことなし
に、めつき皮膜にピンホールが発生するのを抑えて、耐
食性に優れた鉛−錫合金めっき鋼板を得ることができる
製造方法を見い出した。
即ち、本願発明は、鋼板表面上に下層の鉛−錫合金めっ
きを電気めつき法または溶融めつき法により施し、次い
で前記下層の鉛−錫合金めっき上にこれよりも錫含有率
が少なく、その錫含有率の差が1wt%以上である上層の
鉛−錫合金めっき、または、上層の鉛めつきを電気めつ
き法により施すことを特徴とする、めつき皮膜にピンホ
ールが発生するのを抑えて耐食性を向上させた、鉛−錫
合金めっき鋼板の製造方法である。
また、本願発明は、前記上層の鉛−錫合金めっきまたは
上層の鉛めつきを施したのち、必要に応じて得られため
つき鋼板を、リン酸根を0.5〜50g/含有する温度5〜8
5℃の溶液中に0.1〜20秒間浸漬することにより、ピンホ
ールの少ないめつき皮膜表層をリン酸鉛等からなる不動
態皮膜で覆つて、耐食性をより一層向上させるものであ
る。
以上、この発明の耐食性に優れた鉛−錫合金めっき鋼板
の製造方法について詳述する。
この発明においては、先ず、清浄な鋼板表面上に通常の
電気めつき法あるいは溶融めつき法により、下層めつき
として鉛−錫合金めっきを施す。次に、下層の鉛−錫合
金めっき上に上層めつきとして、これよりも錫含有率が
少なく、その錫含有率の差が1wt%以上である鉛−錫合
金めつき、または、鉛めつきを、電気めつき法により施
す。そして、これによつて、下層の鉛−錫合金めっき皮
膜と上層の鉛−錫合金めつき皮膜または鉛めつき皮膜と
からなる、ピンホールのない二層めつき皮膜を得るもの
である。
ここで、めつき浴組成やめつき条件は通常通りでよく、
特に規定はされない。
下層の鉛−錫合金めっきの溶融めつき条件の1例を掲げ
れば、次の通りである。
めつき浴:Sn10wt%の溶融Pb−Sn、 フラックス:40wt%ZnCl2水溶液、 浴温度:380℃。
下層の鉛−錫合金めっきの電気めつき条件の1例を掲げ
れば、次の通りである。
めつき浴: 浴温度:40〜50℃ 電流密度:40〜60A/dm2 上層の錫含有率の少ない鉛−錫合金めっきの電気めつき
条件は、例えば上記下層の鉛−錫合金めっきの電気めつ
き条件において、電流密度を小さくすることやめつき浴
中のSn(BF4の濃度を下げることでよい。上層の鉛
めつきのめつき条件も、同様に、Sn(BF4を添加し
ないことでよい。なお、下層の鉛−錫合金めっきも電気
めつきで行なう場合には、めつき浴中の成分が混合する
恐れがあるため、上記の様に下層めつき、上層めつきと
も同一成分のめつき浴を用いることが、操業管理上得策
である。
この発明において、上層の合金めつきの錫含有率が下層
の合金めつきの錫含有率よりも少なく、その錫含有率の
差が1wt%以上であるとは、下層の合金めつきの錫含有
率をx1(wt%)、上層の合金めつきの錫含有率をx2(wt
%)としたときに、x1−x2≧1であることをいう。この
発明では、上記x2が少なくなつて零となること、即ち、
上述したように、上層めつきが鉛めつきからなることも
可能である。
この発明では、以上のような二層めつきによりピンホー
ルの少ないめつき皮膜を得るものである。ピンホールの
ないめつき皮膜が得られる理由は、詳しくは不明である
が、次のように推定される。即ち、上層の合金めつきの
錫含有率が下層の合金めつきの錫含有率よりも少ない
と、上層の合金めつきは、下層の合金めつき皮膜上より
も地鉄上に優先的に析出し、その後に下層の合金めつき
皮膜上に析出するため、下層の合金めつき皮膜中に生じ
ているピンホールが確実に封孔される。従つて、このよ
うなことから、下層の錫−鉛合金めつき上に、下層の合
金めつきの錫含有率よりも錫含有率が少ない、その錫含
有率の差が1wt%以上である上層の鉛−錫合金めっき、
または、上層の鉛めつきを施すと、ピンホールの発生が
抑制されためつき皮膜が得られるものと考えられる。
なお、ここで述べた上層めつきの地鉄上への優先析出効
果は電気化学的反応により場合のみに認められるため、
上層の鉛−錫合金めつきまたは鉛めつきは電気めつき法
に限られる。
以上で、上層のめつきが鉛−錫合金めっきであり、その
錫含有率が下層の鉛−錫合金めつきの錫含有率より少な
くても、これらの間の錫含有率の差が1wt%未満の場
合、または、上層のめつきが鉛めつきでない場合には、
下層の合金めつき皮膜中に生じているピンホールを封孔
する効果が極端に低下し、ピンホールの発生を抑えた良
好なめつき皮膜が得られない。
下層の鉛−錫合金めつきと上層の鉛−錫合金めつきまた
は鉛めつきとからなるめつき皮膜全体の錫含有率は、め
つき鋼板のハンダ付け性を確保する観点から2wt%以上
とすることが好ましい。めつき皮膜全体の錫含有率の上
限は、25wt%とすることが好ましい。これは、25wt%を
超えると、めつきのコストが増加する割には、めつき鋼
板の赤錆発生率、加工性およびハンダ付け性等の向上効
果が小さいからである。しかし、錫含有率の上限は必ず
しも25wt%に限定されるものではなく、25wt%を超える
ことも妨げられない。
鉛−錫合金めつきまたは鉛めつきからなる上層のめつき
の付着量は、0.05g/m2以上であることが好ましい。上層
のめつきの付着量が0.05g/m2未満であると少なすぎて、
下層の鉛−錫合金めつき皮膜中のピンホールを有効に封
孔できない。めつき皮膜全体の付着量は5〜250g/m2
することが好ましい。めつき皮膜全体の付着量が5g/m2
未満では、地鉄全面をめつき皮膜で覆うことが困難にな
り、めつき鋼板の耐食性が劣化する。一方、250g/m2
超えると、めつき鋼板の加工性が低下する。
この発明では、以上のようなめつきにより、めつき皮膜
のピンホールの発生を抑えて耐食性を向上させた鉛−錫
合金めつき鋼板を得ることができ、そして、プレス加工
時にめつき皮膜にクラツクを発生させることもないが、
めつき皮膜の耐食性をより一層向上させることを目的と
して、更にめつき鋼板をリン酸系水溶液で浸漬処理する
ことができる。
浸漬処理の条件を示せば、次の通りである。
水溶液のリン酸根濃度:0.5〜50g/、 水溶液の温度:5〜85℃、 処理時間:0.1〜20秒. ここで、リン酸系水溶液のリン酸根濃度を0.5〜50g/
としたのは、リン酸根濃度が0.5g/未満でも処理効果
はあるものの、処理時間が短いと処理ムラが生じ、有効
な効果を得るには処理時間を長くする必要があるからで
あり、また50g/を超えると、処理後の洗浄が困難とな
り、操業上問題が生じるからである。水溶液の温度を5
〜85℃としたのは、水溶液の温度が5℃未満では、浸漬
処理によるリン酸鉛等の不動態膜生成速度が極端に減少
し、処理ムラを起こし易くなるからであり、また85℃を
超えると、水溶液の蒸発が著しく操業管理上問題が生じ
るからである。処理時間を0.1〜20秒としたのは、処理
時間が0.1秒未満でも効果は得られると考えられるが、
このような短時間の処理は装置的に実施不可能であるか
らであり、また20秒を超えると効果が飽和してしまうか
らである。
以上のような条件の浸漬処理を行なうとめつき皮膜の耐
食性がより一層向上するが、その理由は次のようである
と考えられる。即ち、前述の二層めつきによりピンホー
ルのないめつき皮膜が得られ、このめつき皮膜にピンホ
ールがないために、めつき皮膜に再びピンホールのよう
な皮膜欠陥が現われるまで、めつき鋼板は赤錆を発生し
ない。しかし、めつき皮膜表層には鉛および錫の金属が
露出しているために、その溶解度は比較的大きく、腐食
環境下に長期間置かれたときには、赤錆の発生を導くこ
とになる。ところが、これに対してリン酸系水溶液への
浸漬処理を行なえば、リン酸鉛やリン酸錫等の不活性な
化合物からなる不動態皮膜でめつき皮膜表層を覆うこと
ができ、めつき皮膜の溶解速度を低下させることができ
るので、めつき皮膜の耐食性をより一層向上させること
ができる。
〔実施例〕 この発明の実施例を比較例と共に説明する。
この発明の実施例として本発明めつき鋼板No.1〜4を、
比較例として比較めつき鋼板No.5〜9を製造した。
本発明めつき鋼板No.1 冷延鋼板を脱脂、酸洗、水洗したのち、以下の条件で下
層めつきとして鉛−錫合金めつきを溶融めつき法により
行ない、その上に上層めつきとして鉛−錫合金めつきを
電気めつき法により行なつて、本発明めつき鋼板No.1を
得た。
下層めつき条件(溶融めつき). めつき浴:Sn 10wt%の溶融Pb−Sn、 フラックス:40wt%ZnCl2水溶液、 浴温度:380℃. 上層めつき条件(電気めつき). めつき浴: 浴温度:40℃、 電流密度:40A/dm2. 本発明めつき鋼板No.1における下層の鉛−錫合金めつき
は、錫含有率が10wt%、付着量が40g/m2を、上層の鉛−
錫合金めつきは、錫含有率が5wt%、付着量が10g/m2
得た。
本発明めつき鋼板No.2 冷延鋼板を脱脂、酸洗、水洗したのち、以下の条件で下
層めつき、上層めつきとして共に鉛−錫合金めつきを電
気めつき法により行なつて、本発明めつき鋼板No.2を得
た。
下層めつき条件. めつき浴: 浴温度:40℃、 電流密度:40A/dm2. 上層めつき条件. めつき浴:同上、 浴温度:同上、 電流密度:5A/dm2. 本発明めつき鋼板No.2における下層の鉛−錫合金めつき
は、錫含有率が10wt%、付着量が40g/m2を、上層の鉛−
錫合金めつきは、錫含有率が5wt%、付着量が10g/m2
得た。
本発明めつき鋼板No.3 冷延鋼板を脱脂、酸洗、水洗したのち、以下の条件で下
層めつきとして鉛−錫合金めつきを電気めつき法により
行ない、その上に上層めつきとして鉛めつきを電気めつ
き法により行なつて、本発明めつき鋼板No.3を得た。
下層めつき条件. めつき浴: 浴温度:40℃、 電流密度:40A/dm2. 上層めつき条件. めつき浴: 浴温度:40℃ 電流密度:0.5A/dm2. 本発明めつき鋼板No.3における下層の鉛−錫合金めつき
は、錫含有率が10wt%、付着量が40g/m2を、上層の鉛め
つきは、付着量が1g/m2を得た。
本発明めつき鋼板No.4 本発明めつき鋼板No.2と同一のめつき鋼板に対して、以
下の条件でリン酸系水溶液への浸漬処理を行なつて、本
発明めつき鋼板No.4を得た。
浸漬処理条件. リン酸系水溶液:リン酸5g/水溶液、 水溶液の温度:40℃、 処理時間:1秒 比較めつき鋼板No.5 本発明めつき鋼板No.1での上層のめつきを行なわずに、
溶融めつき法による下層の鉛−錫合金めつきのままで止
め、これを比較めつき鋼板No.5とした。比較めつき鋼板
No.5は、通常の溶融鉛−錫合金めつき鋼板である。
比較めつき鋼板No.6 本発明めつき鋼板No.2での上層めつきを行なわずに、電
気めつき法による下層の鉛−錫合金めつきのままで止
め、これを比較めつき鋼板No.6とした。比較めつき鋼板
No.6は、通常の電気鉛−錫合金めつき鋼板である。
比較めつき鋼板No.7 本発明めつき鋼板No.2と同一のめつき鋼板に対して、以
下の条件でリン酸系水溶液への浸漬処理を行なつて、比
較めつき鋼板No.7を得た。
浸漬処理条件. リン酸系水溶液:リン酸0.2g/水溶液、 水溶液の温度:40℃、 処理時間:1秒. 比較めつき鋼板No.8 比較めつき鋼板No.7での浸漬処理条件を次のように変え
ることによつて、比較めつき鋼板No.8を得た。
浸漬処理条件. リン酸系水溶液:リン酸5g/水溶液、 水溶液の温度:2℃、 処理時間:1秒 比較めつき鋼板No.9 冷延鋼板を脱脂、酸洗、水洗したのち、以下の条件で下
層めつきとしてニツケルめつきを電気めつき法により行
ない、その上に上層めつきとして鉛−錫合金めつきを、
本発明めつき鋼板No.1の下層めつきのときと同一の条件
の溶融めつき法により行ない、比較めつき鋼板No.9を得
た。
ニッケルめつき条件. めつき浴: 浴温度:45℃、 電流密度:5A/dm2. 以上のめつき鋼板No.1〜9の平板および曲げ板について
塩水噴霧試験を行ない、耐食性および加工性を評価し
た。それらの結果を第1表に示す。また、リン酸系水溶
液浸漬処理を行なつためつき鋼板No.4,7,8の処理ムラに
よる外観不良発生の有無も第1表に示す。
塩水噴霧試験による耐食性の評価は、平板の試験片100m
m×100mm中に発生した赤錆の数で、次のように行なつ
た。
赤錆発生数 評価 0〜5 ◎ 6〜10 〇 11〜20 △ 21以上 × 塩水噴霧試験による加工性の評価は、180゜密着曲げを
行なつた曲げ板の試験片の加工部に発生した赤錆で、ク
ラックの発生を次のように推定することにより行なつ
た。
赤錆の程度 評価 かなり発生 ×(クラツクが多数発生) 多少発生 △(クラックが少なくとも1ケ所発
生) 発生なし 〇(クラックの発生なし) 第1表に示されるように、この発明の製造方法によるめ
つきままの本発明めつき鋼板No.1〜3では、耐食性およ
び加工性が共に優れており、また本発明めつき鋼板No.2
と同一のめつき鋼板にリン酸系水溶液浸漬処理を行なつ
た本発明めつき鋼板No.4では、浸漬処理により耐食性が
より一段と向上し、処理ムラによる外観不良の発生もな
い。これに対し、従来の製造方法によるめつきままの比
較めつき鋼板No.5,6では、加工性は良いものの耐食性に
劣つており、比較めつき鋼板No.9では、耐食性はかなり
あるものの加工性に劣つている。一方、本発明めつき鋼
板No.2と同一のめつき鋼板にリン酸系水溶液浸漬処理を
行なつた比較めつき鋼板No.7,8では、浸漬処理により耐
食性がより向上しているものの、処理条件がこの発明の
範囲から外れているので、処理ムラによる外観不良が発
生している。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明の方法によれば、めつき
皮膜にピンホールが発生するのを抑えて耐食性を向上さ
せた、耐食性に優れた鉛−錫合金めつき鋼板を製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大村 勝 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−73869(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板表面上に、下層の鉛−錫合金めっきを
    電気めっき法または溶融亜鉛めっき法により施し、次い
    で前記下層の鉛−錫合金めっき上にこれよりも錫含有率
    が少なく、その錫含有率の差が1wt.%以上である上層の
    鉛−錫合金めっきを電気めっき法により施すことによっ
    て、電気化学的反応により、地鉄上に前記上層の鉛−錫
    合金めっき皮膜を優先的に析出させ、前記下層の鉛−錫
    合金めっきのピンホール発生を抑制することを特徴とす
    る、耐食性に優れた鉛−錫合金めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記上層の鉛−錫合金めっきを施したの
    ち、得られためっき鋼板を、リン酸根を0.5〜50g/l含有
    する温度5〜85℃の溶液中に0.1〜20秒間浸漬すること
    を特徴とする、特許請求の範囲第1項記載の耐食性に優
    れた鉛−錫合金めっき鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】鋼板表面上に、下層の鉛−錫合金めっきを
    電気めっき法または溶融亜鉛めっき法により施し、次い
    で前記下層の鉛−錫合金めっき上に上層の鉛めっきを電
    気めっき法により施すことによって、電気化学的反応に
    より、地鉄上に前記上層の鉛めっき皮膜を優先的に析出
    させ、前記下層の鉛−錫合金めっきのピンホール発生を
    抑制することを特徴とする、耐食性に優れた鉛−錫合金
    めっき鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記上層の鉛めっきを施したのち、得られ
    ためっき鋼板を、リン酸根を0.5〜50g/l含有する温度5
    〜85℃の溶液中に0.1〜20秒間浸漬することを特徴とす
    る、特許請求の範囲第3項記載の耐食性に優れた鉛−錫
    合金めっき鋼板の製造方法。
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