JPH0678465B2 - 強化熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

強化熱可塑性樹脂組成物

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JPH0678465B2
JPH0678465B2 JP61079067A JP7906786A JPH0678465B2 JP H0678465 B2 JPH0678465 B2 JP H0678465B2 JP 61079067 A JP61079067 A JP 61079067A JP 7906786 A JP7906786 A JP 7906786A JP H0678465 B2 JPH0678465 B2 JP H0678465B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性、剛性及び耐衝撃性のバランスに優
れ、且つ溶融流動性に優れた強化熱可塑性樹脂組成物に
関する。
〔従来の技術〕
ポリオレフインにガラス繊維等の補強材を添加して、ポ
リオレフインの引張強度、曲げ強度、衝撃強度等の機械
的性質や耐熱性を改善することは知られている。しかし
ながらポリオレフインにガラス繊維を単に混和させただ
けでは、ポリオレフインの機械的性質や耐熱性の改良効
果には自ずと限界があり、分子内に極性基を有する不飽
和ポリエステルやエポキシ樹脂の改良効果には及ばな
い。
一方、ポリオレフインとガラス繊維との結合力を改良す
る方法も数多く提案されている。例えばマレイン酸また
は無水マレイン酸と、ポリオレフインとアミノシラン系
化合物で表面処理したガラス繊維とを有機過酸化物の存
在下でポリオレフインの融点以上の温度で反応させる方
法(特公昭49−41096号公報)、ポリオレフインと芳香
族カルボン酸無水物単位を有する変性ポリオレフインと
アミノシラン系化合物で表面処理したガラス繊維とから
なる組成物(特公昭52−31895号公報)、ポリオレフイ
ンと無水マレイン酸とを有機過酸化物の存在下窒素雰囲
気下に溶融混練することによつて得た変性ポリオレフイ
ンとガラス系補強材、或はこれらと未変性ポリオレフイ
ンとからなる組成物の製法(特公昭51−10265号公報)
等が提案されており、それなりに効果を上げている。
しかしながら最近では、更に耐熱性に優れ、しかも機械
的強度、成形性をも優れた熱可塑性樹脂、所謂エンジニ
アリングプラスチツクスへの要求が高まつており、前述
の変性ポリオレフインとガラス繊維とからなる組成物で
はいずれも耐熱性及び機械的強度が不充分であり、更に
改良することが望まれている。その改良方法の一つとし
て、特公昭56−9943号公報に(A)不飽和カルボン酸付
加ポリオレフイン樹脂またはポリオレフイン樹脂で希釈
された不飽和カルボン酸付加ポリオレフイン樹脂、
(B)含窒素樹脂および(C)充填剤よりなるポリオレ
フイン樹脂組成物が提案され、含窒素樹脂を混合するこ
とにより、機械的強度、耐熱性、塗装性等にすぐれた組
成物が得られるとされている。しかしながらポリオレフ
インの中でもとくに耐熱性に優れるポリ4−メチル−1
−ペンテンに該公報に具体的に記載されているABSやナ
イロン6を添加しても、耐熱性は全く改善されず、ABS
等を混合すると、むしろ耐熱性が低下することが分かつ
た。
他方、従来のポリアミドに比べて耐熱性に優れたポリア
ミドとして本出願人は先にテレフタル酸を含む芳香族系
ジカルボン酸と脂肪族アルキレンジアミドとからなる成
形用ポリアミド組成物(特開昭59−53536号公報)を提
案しているが、かかるポリアミド組成物は耐熱性が優れ
る反面、従来のポリアミドに比べてやや溶融流動性が劣
ることが分かり、成形性の改良が要望されていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
かかる状況に鑑み、本発明者はかかるテレフタル酸を含
む芳香族系ジカルボン酸と脂肪族アルキレンジアミンと
からなるポリアミドの耐熱性、剛性等の優れた特徴を損
うことなく溶融流動性、耐衝撃性、耐水性(吸水による
寸法変化)等を改良すべく種々検討した結果、かかるポ
リアミドに不飽和カルボン酸等でグラフト変性した変性
プロピレン重合体又は変性4−メチル−1−ペンテン重
合体を添加した組成物が上記目的を達成することが分か
り、本発明を完成するに至つた。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、 (イ)テレフタル酸成分単位を主成分とする芳香族系ジ
カルボン酸成分単位(a)及び脂肪族系ジアミン成分単
位(b)からなるポリアミド(A)90ないし10重量%、 (ロ)不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量
が0.01ないし10重量%の範囲で一部もしくは全部がグラ
フト変性された変性プロピレン重合体(B)または変性
4−メチル−1−ペンテン重合体(C)10ないし90重量
%、及び (ハ)(A)+(B)または(C)=100重量部に対し
て、無機充填剤(D)5ないし200重量部 とからなることを特徴とする耐熱性、剛性及び耐衝撃性
のバランスに優れ、且つ溶融流動性、耐水性に優れた強
化熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
〔作 用〕
本発明の強化熱可塑性樹脂組成物(以下組成物と略すこ
とがある)に配合されるポリアミド(A)は、テレフタ
ル酸成分単位を主成分とする芳香族系ジカルボン酸成分
単位(a)および脂肪族系ジアミン成分単位(b)から
なるポリアミドであり、さらに具体的には、テレフタル
酸成分単位は、通常は60ないし100モル%の範囲および
テレフタル酸成分単位以外の芳香族ジカルボン酸成分単
位は通常は0ないし40モル%の範囲からなる芳香族系ジ
カルボン酸成分単位(a)および炭素数6ないし18の脂
肪族アルキレンジアミン成分単位(b)からなるポリア
ミドであり、該ポリアミドの濃硫酸中で30℃で測定した
極限粘度〔η〕は通常は0.5ないし3.0dl/g、好ましくは
0.5ないし2.8、とくに好ましくは0.6ないし2.5dl/gの範
囲である。
本発明の組成物のポリアミド(A)を構成する芳香族系
ジカルボン酸成分単位(a)として具体的には、テレフ
タル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタ
ル酸、ナフタリンジカルボン酸などの各成分単位を例示
することができる。芳香族系ジカルボン酸成分単位
(a)の組成は、テレフタル酸成分単位単独であつても
よいが、テレフタル酸成分単位とテレフタル酸成分単位
以外の前記例示の芳香族ジカルボン酸成分単位の混合物
であつてもよい。いずれの場合にも該ポリアミド(A)
を構成する芳香族系ジカルボン酸成分単位(a)の組成
は通常はテレフタル酸成分単位60ないし100モル%の範
囲およびテレフタル酸成分単位以外の芳香族ジカルボン
酸成分単位0ないし40モル%の範囲である。さらに芳香
族系ジカルボン酸成分単位(a)の組成は、ポリアミド
(A)を構成する脂肪族アルキレンジアミン成分単位
(b)が炭素数6の脂肪族アルキレンジアミンの場合
は、テレフタル酸成分単位が60ないし85モル%の範囲お
よびテレフタル酸成分単位以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位が15ないし40モル%の範囲にあると、熱変形温度
などの耐熱特性、曲げ強度、耐摩耗性などの機械的特
性、成形性が向上するようになるのでとくに好ましい。
また、ポリアミド(A)を構成する脂肪族アルキレンジ
アミン成分単位(b)が炭素数8の脂肪族アルキレンジ
アミンの場合は、テレフタル酸成分単位65ないし100モ
ル%の範囲およびテレフタル酸成分単位以外の芳香族ジ
カルボン酸成分単位0ないし35モル%の範囲にあると、
熱変形温度などの耐熱特性、曲げ強度、耐摩耗性などの
機械的特性、成形性が向上するようになるのでとくに好
ましい。また、ポリアミド(A)を構成する脂肪族アル
キレンジアミン成分単位(b)が炭素数10ないし18の脂
肪族アルキレンジアミンの場合は、テレフタル酸成分単
位75ないし100モル%の範囲およびテレフタル酸成分単
位以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0ないし25モル%
の範囲にあると、熱変形温度などの耐熱特性、曲げ強
度、耐摩耗性などの機械的特性、成形性が向上するよう
になるのでとくに好ましい。
該ポリアミド(A)を構成する芳香族系ジカルボン酸成
分単位(a)のテレフタル酸成分単位以外の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位のうちでは、イソフタル酸成分単位ま
たはナフタリンジカルボン酸成分単位であることが好ま
しく、とくにイソフタル酸成分単位であることが好まし
い。また、該ポリアミド(A)を構成する前記芳香族系
ジカルボン酸成分単位(a)は、テレフタル酸成分単位
およびテレフタル酸成分単位以外の前記芳香族ジカルボ
ン酸成分単位を主成分とするものであるが、前記必須成
分の他に、少量のトリメリツト酸、ピロメリツト酸など
の三塩基性以上の多価カルボン酸成分単位を含んでいて
も差し支えない。
本発明の組成物用のポリアミド(A)を構成する脂肪族
系ジアミン成分単位(b)は炭素数6〜18の直鎖状又は
分岐鎖状アルキレンジアミン成分単位である。かかるア
ルキレンジアミン成分単位の具体例として、例えば、1,
4−ジアミノ−1,1−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−
1−エチルブタン、1,4−ジアミノ−1,2−ジメチルブタ
ン、1,4−ジアミノ−1,3−ジメチルブタン、1,4−ジア
ミノ−1,4−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−2,3−ジ
メチルブタン、1,2−ジアミノ−1−ブチルエタン、1,6
−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジ
アミノオクタン、1,6−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサ
ン、1,6−ジアミノ−2,4−ジメチルヘキサン、1,6−ジ
アミノ−3,3−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,2
−ジメチルヘキサン、1,9−ジアミノノナン、1,6−ジア
ミノ−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,
4,4−トリメチルヘキサン、1,7−ジアミノ−2,3−ジメ
チルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,4−ジメチルヘプタ
ン、1,7−ジアミノ−2,5−ジメチルヘプタン、1,7−ジ
アミノ−2,2−ジメチルヘプタン、1,10−ジアミノデカ
ン、1,8−ジアミノ−1,3−ジメチルオクタン、1,8−ジ
アミノ−1,4−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−2,4
−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−3,4−ジメチルオ
クタン、1,8−ジアミノ−4,5−ジメチルオクタン、1,8
−ジアミノ−2,2−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−
3,3−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−4,4−ジメチ
ルオクタン、1,6−ジアミノ−2,4−ジエチルヘキサン、
1,9−ジアミノ−5−メチルノナン、1,11−ジアミノウ
ンデカン、1,12−ジアミノドデカン等の成分単位を例示
することができる。
これらのなかでは、特に、1,6−ジアミノヘキサン、1,8
−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジ
アミノドデカン等の成分単位又はこれらの混合成分単位
が好ましく用いられる。また該ポリアミド(A)は前記
脂肪族系ジアミン成分単位(b)を主成分とするもので
あるが、前記必須成分の他に、少量の1,3−または1,4−
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミ
ノシクロヘキシルメタン)、m−またはp−キシリレン
ジアミン等の脂環族、芳香族等のジアミン成分単位を含
んでいても差し支えない。
本発明の組成物に配合される変性プロピレン重合体
(B)は一部もしくは全部が不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体から選ばれるグラフトモノマーで0.01ないし10
重量%、好ましくは0.1ないし5重量%の範囲でグラフ
ト変性されたプロピレン重合体であり、通常デカリン溶
媒135℃における極限粘度〔η〕が0.3ないし15.0dl/g、
好ましくは0.4ないし10.0dl/gの範囲にある。好ましく
は融点(ASTM D 3418)が140℃以上の結晶性の重合体で
ある。不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量
が0.01重量%未満のものは前記ポリアミド(A)との相
容性に劣り、耐熱性、機械的強度が劣つた組成物となる
虞れがある。一方、グラフト量が10重量%を越えるもの
は組成物の耐水性が劣る傾向にある。
前記変性プロピレン重合体(B)の基体となるプロピレ
ン重合体(E)は通常密度が0.89ないし0.93g/cm3のプ
ロピレンの単独重合体もしくはプロピレンと20モル%以
下のエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル
−1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフインとの
ブロツクあるいはランダム共重合体であり、通常極限粘
度〔η〕が0.5ないし15.0dl/g、好ましくは0.8ないし12
dl/gの範囲の結晶性の重合体である。
本発明の組成物に配合される変性4−メチル−1−ペン
テン重合体(C)は一部もしくは全部が不飽和カルボン
酸またはその誘導体から選ばれるグラフトモノマーで0.
01ないし10重量%、好ましくは0.1ないし5重量%の範
囲でグラフト変性された4−メチル−1−ペンテン重合
体であり、通常デカリン容媒135℃における極限粘度が
0.5ないし15dl/g、好ましくは0.6ないし10dl/gの範囲の
好ましくは融点(ASTM D 3418)が200℃以上の結晶性の
重合体である。不飽和カルボン酸またはその誘導体のグ
ラフト量が0.01重量%未満のものは前記ポリアミド
(A)との相容性に劣り、耐熱性、機械的強度が劣つた
組成物となる虞れがある。一方、グラフト量が10重量%
を越えるものは組成物の耐水性が劣る傾向にある。
前記変性4−メチル−1−ペンテン重合体(A)の基体
となる4−メチル−1−ペンテン重合体(F)は、4−
メチル−1−ペンテンの単独重合体もしくは4−メチル
−1−ペンテンと他のα−オレフイン、例えばエチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オク
テン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセ
ン等の炭素数2ないし20のα−オレフインとの共重合体
で、通常4−メチル−1−ペンテンを85モル%以上含む
4−メチル−1−ペンテンを主体とした重合体であり、
好ましくは融点(ASTM D 3418)が230℃以上及びデカリ
ン溶媒135℃における極限粘度〔η〕が0.5ないし25dl/g
の結晶性の重合体である。
本発明に用いる前記プロピレン重合体(E)または4−
メチル−1−ペンテン重合体(F)にグラフトする不飽
和カルボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸、
マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタ
コン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、
ナジツク酸 (エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト
−5−エン−2,3−ジカルボン酸)などの不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体、例えば酸ハライド、アミド、イ
ミド、無水物、エステルなどが挙げられ、具体的には、
塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シト
ラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチ
ル、グリシジルマレエートなどが例示される。これらの
中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適
であり、とくにマレイン酸、ナジツク酸 またはこれら
の酸無水物が好適である。
該不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ばれるグラ
フトモノマーを前記プロピレン重合体(E)または4−
メチル−1−ペンテン重合体(F)にグラフト共重合し
て変性物を製造するには、従来公知の種々の方法を採用
することができる。たとえば、重合体(E)または
(F)を溶融させグラフトモノマーを添加してグラフト
共重合させる方法あるいは溶媒に溶解させグラフトモノ
マーを添加してグラフト共重合させる方法がある。いず
れの場合にも、前記グラフトモノマーを効率よくグラフ
ト共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下に反
応を実施することが好ましい。グラフト反応は通常60な
いし350℃の温度で行われる。ラジカル開始剤の使用割
合は重合体(E)または(F)100重量部に対して通常
0.001ないし1重量部の範囲である。ラジカル開始剤と
しては有機ペルオキシド、有機ペルエステル、その他ア
ゾ化合物が挙げられる。これらラジカル開始剤の中でも
ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキ
シ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブ
チルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチル
ペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペ
ルオキシドが好ましい。
本発明の組成物を構成する変性プロピレン重合体(B)
または変性4−メチル−1−ペンテン重合体(C)は、
不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量が前記
範囲内にある限り、全部が不飽和カルボン酸等でグラフ
ト変性されたプロピレン重合体または4−メチル−1−
ペンテン重合体と未変性のプロピレン重合体(E)また
は4−メチル−1−ペンテン重合体(F)との混合物
(即ち一部が変性された変性プロピレン重合体(B)ま
たは変性4−メチル−1−ペンテン重合体(C)であつ
てもよい。尚、未変性のプロピレン重合体(E)または
4−メチル−1−ペンテン重合体(F)と混合する場合
は、混合物で不飽和カルボン酸等のグラフト量が前記範
囲内に入る限り、やや高濃度、通常25重量%迄のグラフ
ト量の変性プロピレン重合体または4−メチル−1−ペ
ンテン重合体を用いてもよい。
本発明における無機充填剤(D)とは、粉末状充填剤、
例えば酸化鉄、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化カル
シウム、亜鉛華等の酸化物、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化カル
シウム、酸化スズ水和物、酸化ジルコニウム水和物など
のような水和金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウムなどのような炭酸塩;タルク、クレー、ベントナ
ント、アタパルジヤイトなどのようなケイ酸塩;ホウ酸
バリウム、ホウ酸亜鉛などのようなホウ酸塩、リン酸ア
ルミニウム、トリポリリン酸ナトリウム等のようなリン
酸塩;石コウなどのような硫酸塩;亜硫酸塩;及びこれ
らの2種以上の混合物、繊維状充填剤、例えばガラス繊
維、チタン酸カリウム繊維、金属被覆ガラス繊維、セラ
ミツクス繊維、ウオラストナイト、炭素繊維、金属炭化
物繊維、金属硬化物繊維等、その他、ガラスビーズ、ガ
ラスバルーン、シラスバルーン等の球状物、ガラス粉
末、ガラスフレーク、マイカなどを挙げることができ
る。また無機充填剤の表面をシラン系化合物、例えばビ
ニルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリエト
キシシラン、2−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン等で処理しておいてもよい。これらの中では繊維状
物とくにガラス繊維が補強効果に優れるので好ましい。
本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は前記ポリアミド
(A)90ないし10重量%、好ましくは80ないし20重量
%、前記変性プロピレン重合体(B)または変性4−メ
チル−1−ペンテン重合体(C)10ないし90重量%、好
ましくは20ないし80重量%、及び(A)+(B)または
(C)=100重量部に対して前記無機充填剤(D)5な
いし200重量部、好ましくは10ないし100重量部とからな
る。ポリアミド(A)の量が90重量%を越える組成物は
溶融流動性、衝撃強度、耐水性等が改良されず、一方、
10重量%未満のものは耐熱性、剛性が劣る。又、無機充
填剤(D)の量が5重量部以下のものは充分な耐熱性と
剛性が得られず、200重量部以上のものは溶融流動性が
極端に悪くなる。
本発明の組成物には、前記成分に加えて、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、光保護剤、耐熱安定剤、亜燐酸塩安定
剤、過酸化物分解剤、塩基性補助剤、増核剤、可塑剤、
潤滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料などを適宜に
配合することができる。
本発明の組成物を得るには、ポリアミド(A)、変性プ
ロピレン重合体(B)または変性4−メチル−1−ペン
テン重合体(C)及び無機充填剤(D)とを前記範囲で
種々公知の方法、例えばヘンシエルミキサー、Vブレン
ダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混
合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出
機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造
粒あるいは粉砕する方法を採用すればよい。
〔発明の効果〕
本発明の強化熱可塑性樹脂組成物は、従来のポリアミド
組成物に比べて、耐熱性、剛性及び耐衝撃性のバランス
に優れ、且つ溶融流動性、耐水性に優れるので、汎用の
熱可塑性樹脂と同様に圧縮成形、射出成形、押出成形、
熱成形等により容易に成形加工ができるので、前記特性
を活かして、ラジエータータンク、シリンダータンク、
シリンダーヘツドカバー、エアクリーナーハウジング、
クーリングフアン、オイルパン、チユーナー、シートバ
ツクコネクター等の自動車用部品、電動工具ハウジン
グ、モーターフアンコネクター、モーターカバー、コイ
ルボビン等の電気器具部品等の各種用途に好適に用いる
ことができる。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本
発明はその要旨を越えない限りこれらの例に何ら制約さ
れるものではない。
〔I〕 ポリアミドの製造 参考例1 1,6−ジアミノヘキサン291g(2.5M)、テレフタル酸ジ
メチル340g(1.75M)、イソフタル酸ジメチル146g(0.7
5M)、イオン交換水600mlを2の反応器に仕込み、N2
雰囲気下100℃で4hr還流した後、140℃で留出物を4hrか
けて留去した。その後、6hrかけて140℃から350℃まで
昇温しながら留出物を留去して〔η〕が0.70dl/g(濃硫
酸、30℃)のポリアミド590gを得た。次いで300℃、1mm
Hgの条件下10hr固相重合して〔η〕が1.5dl/g(濃硫
酸、30℃)のポリアミド(PA−I)を得た。ポリアミド
中のテレフタル酸成分単位のモル%は71%、融点は330
℃であつた。
実施例1 前記参考例で得たPA−I:67重量部、無水マレイン酸グラ
フト量:4重量%、〔η〕0.5dl/g及び融点155℃の変性ポ
リプロピレン(MAH−PP−I)2重量部と〔η〕:2.8dl/
g、融点:162℃の未変性ポリプロピレン(pp−I)31重
量部とからなる変性ポリプロピレン組成物(pp組成物−
I:無水マレイン酸グラフト量:0.24重量%、〔η〕:2.7d
l/g)及びガラス繊維(日東紡績(株)製、CS−6PA−47
3S:直径12μ、長さ6mm)67重量部とをヘンシエルミキサ
ーで混合後、40mmφ一軸押出機で340℃で溶融混練造粒
して組成物−1を製造した。この組成物−1を乾燥後35
0℃で射出成形して物性測定用試験片を作製し、以下の
方法で評価した。
曲げ弾性率(FM:kg/cm2):ASTM D 790 アイゾツト衝撃強度(IZ:kg・cm/cm):ASTM D 256 熱変形温度(HDT:℃):ASTM D 678荷重:18.6kg/cm2 吸水率(重量%):23℃の水中に24時間浸漬し、浸漬前
後の重量変化率で表わした。
スパイラルフロー長さ(SFL:cm): 射出成形機:東芝機械(株)製IS−50を用い以下の射出
圧力及び樹脂温度のもとでスパイラルフロー検定用金型
に射出された樹脂の長さを測定する。
スパイラル金型:半円接続型R1=30mm(最小直径) スパイラル断面積9.1mm2 金型温度:60℃ 射出圧力:1000kg/cm2 樹脂温度:340℃ 結果を第1表に示す。
実施例2、比較例1〜2 実施例1で用いたpp−1の代わりに〔η〕1.8dl/g、融
点160℃の未変性ポリプロピレン(pp−2)を用い、PA
−I及びMAH−PP−1の量比を第1表の如く変える以外
は実施例1と同様に行つた。結果を第1表に示す。
実施例3 PA−I:40重量部、無水マレイン酸グラフト量:0.6重量
%、〔η〕1.3dl/g及び融点235℃の変性ポリ4−メチル
−ペンテン−1(MAH−PMP−1):60重量部及び実施例
1と同様のガラス繊維67重量部とをヘンシエルミキサー
で混合した後は実施例1と同様に行つた。結果を第1表
に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)テレフタル酸成分単位を主成分とす
    る芳香族系ジカルボン酸成分単位(a)及び脂肪族系ジ
    アミン成分単位(b)からなるポリアミド(A)90ない
    し10重量%、 (ロ)不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量
    が0.01ないし10重量%の範囲で一部もしくは全部がグラ
    フト変性された変性プロピレン重合体(B)または変性
    4−メチル−1−ペンテン重合体(C)10ないし90重量
    %、及び (ハ)(A)+(B)または(C)=100重量部に対し
    て、 無機充填剤(D)5ないし200重量部、 とからなることを特徴とする強化熱可塑性樹脂組成物。
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