JP2011252113A - 炭素繊維強化ポリ−4−メチル−1−ペンテン複合材料およびその成形体 - Google Patents

炭素繊維強化ポリ−4−メチル−1−ペンテン複合材料およびその成形体 Download PDF

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和俊 藤原
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亮一 関
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Abstract

【課題】耐熱性、成形性および耐薬品性が向上した炭素繊維強化プラスチックを提供し、さらに種々の用途に適用可能な成形体を提供する。
【解決手段】官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテンと、前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテンの官能基と反応可能な基が導入されるように表面処理された炭素繊維とを含む、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテンは、ポリ-4-メチル-1-ペンテンをグラフト変性したものであることが好ましく、炭素繊維の表面処理は、サイジング処理であることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料およびその成形体に関する。
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、鋼やガラス繊維強化プラスチック(GFRP)と比べて、力学特性(強度、弾性率)において優れているため、航空宇宙用途、スポーツ用途、産業用途など、さまざまな用途で用いられている。炭素繊維強化プラスチックは、炭素繊維と、種々の樹脂から所望の目的に合致するように選択された樹脂とを、複合化することにより得られる。具体的には、炭素繊維とフッ素系樹脂との複合化材料(非特許文献1、2)や、炭素繊維とエンジニアリングプラスチックとの複合化材料、つまり、炭素繊維とポリカーボネートとの複合化材料(特許文献1、非特許文献3)、炭素繊維とナイロンとの複合化材料(非特許文献4)、炭素繊維とポリブチレンテレフタレートとの複合化材料(非特許文献5)などが挙げられる。
炭素繊維強化プラスチックのうち、炭素繊維とフッ素系樹脂との複合化材料は、炭素繊維と樹脂との界面接着性が弱く、炭素繊維による剛性の向上効果が十分でない。その結果、高温環境にさらされる用途では、耐熱剛性が十分でないことが予想され、そのような用途に用いることができないという問題点がある。また、炭素繊維とエンジニアリングプラスチックとの複合化材料は、成形性に劣るため、複雑な形状の成形体とすることが困難である。また、マトリックス樹脂自体の耐薬品性が劣るために(非特許文献6、7)、用途に制限がある。
特開2004−244531号公報
Radiation Physics and Chemistry 62, 77-81, 2001. Tribology Letters, 21, 2, 153−60, 2006. Composite Interfaces, 15, 477−91, 2009. Polymer Testing, 22, 185-9, 2003. Biomaterials, 11, 8, 541−7, 1990. Polymer Degradation and Stability, 82 451−61, 2003. Polymer Degradation and Stability, 94 1315−24, 2009.
本発明は、上記の背景技術を鑑みてなされたものであって、耐熱性、成形性および耐薬品性が向上した炭素繊維強化プラスチックを提供し、さらに種々の用途に適用可能な成形体を提供することを課題とする。
本発明者らは、1)炭素繊維と複合化する樹脂としてポリ-4-メチル-1-ペンテン、より詳しくは、官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテンを用いること、2)炭素繊維として、表面処理された炭素繊維を用いることで、良好な耐熱性、成形性および耐薬品性を示す炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明には以下の事項が含まれる。
[1] 官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)と、前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)の官能基と反応可能な基が導入されるように表面処理された炭素繊維(C)とを含む、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
[2] 前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)が、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)を、前記官能基を有するエチレン性不飽和結合含有モノマーでグラフト変性した変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)である、[1]に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
[3] 前記ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)が、以下の(A−i)および(A−ii)の要件を満たす、[2]に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
(A−i)ASTM D1238に準じて、測定温度260℃、荷重5kgfの条件下にて測定されたメルトフローレートが1〜500g/10minであること
(A−ii)融点(Tm)が220〜250℃であること
[4] 前記変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)が、以下の(D−i)〜(D−iii)の要件を満たす、[2]または[3]に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
(D−i)融点(Tm)が200〜240℃であること
(D−ii)変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)中のエチレン性不飽和結合含有モノマーグラフト量が0.1〜10重量%であること
(D−iii)135℃、デカリン中での極限粘度[η]が0.2〜4dl/gであること
[5] 前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)と前記炭素繊維(C)との質量比が、(B):(C)=10:90〜90:10の割合である、[1]〜[4]のいずれかに記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
[6] 前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)の官能基が、カルボキシル基、酸無水物基またはこれらの誘導基を有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
[7] 前記表面処理が、エポキシ系ポリマー、ナイロン系ポリマーまたはウレタン系ポリマーを用いたサイジング処理である、[1]〜[6]のいずれかに記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
[8] 前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)と前記炭素繊維(C)とは、溶融混練されている、[1]〜[7]のいずれかに記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
[9] 前記炭素繊維(C)が炭素繊維基布であり、前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)が前記炭素繊維基布に含浸されている、[1]〜[7]のいずれかに記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
[10] 下記要件(i)および(ii)を満たす、[1]〜[9]のいずれかに記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
(i)ASTM D1238に準じて、測定温度260℃、荷重5kgfの条件下にて測定されたメルトフローレートが、10〜200g/10minであること
(ii)融点(Tm)が220℃以上であること
[11] 前記[1]〜[10]のいずれかに記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料からなる成形体。
本発明の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料は、従来の炭素繊維強化プラスチックに比べて、耐熱剛性、成形における流動性および耐薬品性に特に優れる。このため、本発明の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料は、力学特性に加えて耐熱性、成形性や耐薬品性が要求される自動車構造部材などに好適に用いられる。
実施例1で得られた炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテンの断面写真(写真横軸TD方向、拡大倍率100倍)である。 実施例1で得られた炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテンの引張破壊面の電子顕微鏡(SEM)写真(拡大倍率1000倍)である。 実施例1で得られた炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテンの引張破壊面の電子顕微鏡(SEM)写真(拡大倍率5000倍)である。 比較例2で得られた炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテンの引張破壊面の電子顕微鏡(SEM)写真(拡大倍率1000倍)である。 比較例2で得られた炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテンの引張破壊面の電子顕微鏡(SEM)写真(拡大倍率5000倍)である。
本発明の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料は、官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)と、表面処理された炭素繊維(C)とを含有する。
<官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)>
官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)は、モノマー単位として4-メチル-1-ペンテンユニットを含むポリオレフィンであって、官能基を含有するポリマーをいう。官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)のオレフィンユニット(モノマーユニット)のうち、50〜100モル%が4-メチル-1-ペンテンユニットであることが好ましい。他のオレフィンユニットは、特に限定されないが、炭素原子数3〜20のオレフィンなどでありうる。
官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)の官能基の例には、ハロゲン原子、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、イミド基、エステル基、アルコキシシラン基、酸ハライド、芳香族環およびニトリル基などが含まれる。好ましい官能基は、カルボキシル基、酸無水物基、またはこれらの誘導基である。誘導基とは、アミド基、エステル基、酸ハライド基などをいう。いずれにしても、後述の炭素繊維(C)に導入された基と反応可能な官能基であることが好ましい。
官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)は、例えば以下の手法により得ることができる。
a)チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒などの公知のオレフィン重合用触媒の存在下で、4-メチル-1-ペンテンを含む炭化水素系オレフィンと官能基含有オレフィンとを共重合する方法
b)ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)をエチレン性不飽和結合含有モノマーでグラフト変性する方法
方法a)において、官能基含有オレフィンとは、官能基を有する鎖状あるいは環状の不飽和炭化水素化合物をいう。
官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)は、得られる重合体中の官能基含有量の調整が容易という観点から、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)を、エチレン性不飽和結合含有モノマーでグラフト変性して得ることが好ましい。このようにして得られるグラフト変性体を、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)ともいう。
<ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)>
官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)の製法である方法b)におけるポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)は、4-メチル-1-ペンテンの単独重合体であってもよく、4-メチル-1-ペンテンと他のモノマーとの共重合体などであってもよい。ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)が共重合体である場合、共重合体を構成する4-メチル-1-ペンテンに由来する単位の含有量は95モル%以上、好ましくは98モル%以上である。
4-メチル-1-ペンテンと共重合する他のモノマーの例には、エチレン、および4-メチル-1-ペンテンを除く炭素原子数3〜20のα-オレフィンが含まれる。4-メチル-1-ペンテンを除く炭素原子数3〜20のα-オレフィンの具体例には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセンなどが含まれ;好ましくは、4-メチル-1-ペンテンを除く炭素原子数6〜20のα-オレフィンであり;さらに好ましくは、炭素原子数8〜20のα-オレフィンである。これらのオレフィンは1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)は、下記要件(A-i)および(A-ii)を満たすことが好ましい。
(A-i)メルトフローレート(MFR)が、1〜500g/10min、好ましくは2〜100g/10min、より好ましくは3〜30g/10minである。MFRは、ASTM D1238に準じて、測定温度260℃、荷重5kgfの条件下にて測定される。MFRが上記範囲にあると、得られる複合材料の成形金型内での流動性が高まり、かつ繊維への樹脂含浸性がよくなる。
(A-ii)融点(Tm)が、220〜250℃、好ましくは224〜245℃、より好ましくは228〜240℃である。融点220℃未満であると、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)自体の強度が低下するので、得られる複合材料の強度も十分でない場合がある。融点250℃を越えると、得られる炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の衝撃強度、及び、靭性が低下する場合がある。ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)の融点は、JIS−K7121に準拠して、30〜280℃の温度範囲において窒素雰囲気下で測定する。この時、昇温速度、及び、冷却速度は、それぞれ10℃/minとすればよい。
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)は、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒などの公知のオレフィン重合用触媒の存在下で、4-メチル-1-ペンテンを含むモノマーを重合することにより製造されうる。より具体的に、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)は、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)を構成するモノマーを、遷移金属触媒成分および共触媒成分を含む重合触媒の存在下にて、重合することにより製造されうる。重合反応は、例えば重合反応器にて行われる。
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)の製造におけるモノマー重合は、溶液重合、懸濁重合、バルク重合法などの液相重合法や、気相重合法や、その他公知の重合方法で行うことができる。好ましくは、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)の製造は、溶解重合および懸濁重合(スラリー重合)などの液相重合法が用いられ、さらに好ましくは懸濁重合(スラリー重合)法が用いられる。
前記重合を液相重合法で行う場合には、溶媒として不活性炭化水素を用いることもでき、反応条件下において液状であるオレフィンを用いることもできる。また、重合は回分式、半連続式、連続式の何れの方法においても行なうことができ;重合を、反応条件を変えて2段以上に分けて行なうこともできる。重合反応系に水素を供給することで、得られる重合体の分子量を調節することができ、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)のメルトフローレートを調整することができる。
前記重合における重合温度および重合圧力は、重合方法および重合するモノマーの種類により異なる。通常は、重合温度は10〜200℃、好ましくは30〜150℃に設定され、重合圧力は常圧〜5MPaG、好ましくは0.05〜4MPaGに設定される。
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)の製造に用いられる遷移金属触媒成分は、遷移金属としてマグネシウムとチタンを有し、配位子としてハロゲンおよび電子供与体を有する固体状チタン触媒やメタロセン触媒などであり;好ましくは固体状チタン触媒である。
遷移金属触媒成分は、特に好ましくは、不活性炭化水素溶媒に懸濁させたマグネシウム化合物と、電子供与体として複数の原子を間に介してエーテル結合を2以上有する化合物と、液体状態のチタン化合物とを接触させて得られる固体状チタン触媒である。当該固体状チタン触媒は、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲンおよび複数のエーテル結合を有する。
前記固体状チタン触媒の製造に用いられる不活性炭化水素溶媒としては、ヘキサン、デカンおよびドデカンなどが挙げられ;マグネシウム化合物としては、無水塩化マグネシウムおよびメトキシ塩化マグネシウムなどが挙げられ;電子供与体としての複数の原子を間に介してエーテル結合を2以上有する化合物としては、2-イソブチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパンおよび2-イソペンチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパンなどが挙げられる。
固体状チタン触媒に含まれる電子供与体の種類を選定することにより、得られる重合体の立体規則性を調整することが可能である。これにより、重合体の融点が調整されうる。
固体状チタン触媒におけるハロゲンおよびチタンの原子比率(ハロゲン/チタン)は、通常2〜100であり、好ましくは4〜90である。固体状チタン触媒における、2以上のエーテル結合を含む化合物とチタンのモル比率(2以上のエーテル結合を含む化合物/チタン)は、0.01〜100、好ましくは0.2〜10である。固体状チタン触媒におけるマグネシウムおよびチタンの原子比率(マグネシウム/チタン)は、2〜100、好ましくは4〜50である。
さらに、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)を得るためのオレフィン重合に用いる重合触媒の好適な例には、特開昭57−63310号公報、特開昭58−83006号公報、特開平3−706号公報、特許3476793号公報、特開平4−218508号公報、特開2003−105022号公報等に記載されているマグネシウム担持型チタン触媒;国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3-193796号公報あるいは特開平02-41303号公報などに記載のメタロセン触媒などが含まれる。電子供与体成分としてポリエーテルを含むマグネシウム担持型チタン触媒を用いると、分子量分布の比較的狭いポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)を得られる傾向があるため特に好ましい。
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)の製造におけるモノマー重合を、液相重合法で行う場合には、固体状チタン触媒を、全液体容積1リットル当りチタン原子に換算して0.0001〜0.5ミリモル、好ましくは0.0005〜0.1ミリモルの量で用いることが好ましい。
遷移金属触媒成分は、不活性有機溶媒(好ましくは、飽和脂肪族炭化水素)に懸濁して重合反応系に供給することが好ましい。
また、遷移金属触媒成分は、4-メチル-1-ペンテンなどのα-オレフィンと予備重合した固体触媒成分として用いることが好ましい。予備重合によって、遷移金属触媒成分1g当たり、α-オレフィンを0.1〜1000g、好ましくは0.3〜500g、より好ましくは1〜200g重合させる。予備重合は、4-メチル-1-ペンテンの重合における反応系内の触媒濃度よりも高い触媒濃度で行うことができる。
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)の製造に用いられる共触媒成分は、有機金属化合物触媒成分であることが好ましく、具体的には有機アルミニウム化合物が挙げられる。有機アルミニウム化合物は、たとえば、R AlX3−nで示される。
AlX3−nにおけるRは、炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基およびアリール基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基およびトリル基などである。R AlX3−nにおけるXはハロゲンまたは水素であり、nは1〜3である。
AlX3−nで示される有機アルミニウム化合物の具体例には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムおよびトリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリドおよびジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリドおよびエチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリドおよびエチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイドライドおよびジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなどが含まれる。
これらのうち、トリエチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムが好ましい。
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)の製造における共触媒成分(有機金属化合物触媒成分)の使用量は、遷移金属触媒成分が固体状チタン触媒である場合には、固体状チタン触媒1g当たり、0.1〜1×10g、好ましくは1×10〜1×10gの重合体が生成するような量であればよい。また、共触媒成分(有機金属化合物触媒成分)の使用量は、固体状チタン触媒中のチタン原子1モル当たり、0.1〜1000モル、好ましくは約0.5〜500モル、より好ましくは1〜200モルである。
<変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)>
変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)は、後述する表面処理された炭素繊維(C)が有する基との反応性を有する官能基を1種以上有することを特徴とする。変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)が有する官能基の例には、ハロゲン原子、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、イミド基、エステル基、アルコキシシラン基、酸ハライド基、芳香族環、およびニトリル基等が挙げられ;特にカルボキシル基や酸無水基またはこれらの誘導基であることが好ましい。誘導基とは、アミド基、エステル基、酸ハライド基などをいう。
変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)は、下記要件(D-i)〜(D-iii)を満たすことが好ましい。
(D-i)融点(Tm)は、通常200〜240℃、好ましくは210〜235℃、より好ましくは215〜230℃である。変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)の融点は、JIS−K7121に準拠して、30〜280℃の温度範囲において窒素雰囲気下で測定する。この時、昇温速度、及び、冷却速度は、それぞれ10℃/minとすればよい。
詳細は後述するが、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料は、変性ポリ-4-メチル-1−ペンテン(D)と、後述する表面処理された炭素繊維(C)とを混練して得られうる。この混練温度は、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)の融点以上であることが好ましい。混練温度が200℃よりも低いと、混練状態が悪くなり、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)と表面処理された炭素繊維(C)との接着性が低下する。接着性が低下すると、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の曲げ弾性率や曲げ強度が低下する場合がある。したがって、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)の融点は200℃以上であることが好ましい。
(D-ii)変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)中の、エチレン性不飽和結合含有モノマーのグラフト量は、0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜7重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)のグラフト量は、IRのマレイン基のピーク強度、またはNMRのマレイン価量による検量線を作成して求めることができる。あるいは、変性反応に用いたエチレン性不飽和結合含有モノマーの仕込み量から、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)のグラフト量を算出してもよい。
後述の通り、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)は、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)を、エチレン性不飽和結合含有モノマーでグラフト変性させることにより製造される。このグラフト量が0.1重量未満であると、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)と、後述する表面処理された炭素繊維(C)との接着性が低下する。前記接着性が低下すると、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の曲げ弾性率や曲げ強度が低下する。また、前記グラフト量が10重量%よりも高いと、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)と後述する表面処理された炭素繊維(C)との接着性を阻害し、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の曲げ弾性率、曲げ強度が低下する場合がある。
(D-iii)135℃、デカリン中での極限粘度[η]は、0.2〜4dl/g、好ましくは0.3〜2dl/gである。変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)の極限粘度[η]が0.2dl/g未満であると、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)自体の強度が低下するため、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の曲げ強度が低下する場合がある。また、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)の極限粘度[η]が4dl/gよりも高いと、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料中での、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)の分散性が低下する。そのため、表面処理された炭素繊維(C)との接着性が悪化する。結果、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の曲げ強度が低下する場合がある。
前記の通り、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)は、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)を、エチレン性不飽和結合含有モノマーでグラフト変性することにより得られる。より具体的に、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)は、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)に、上記官能基を有するエチレン性不飽和結合含有モノマーを、有機過酸化物を用いてグラフト変性することにより得られる。以下、エチレン性不飽和結合含有モノマー、有機過酸化物および変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)の製造方法について説明する。
<エチレン性不飽和結合含有モノマー>
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)をグラフト変性させるためのエチレン性不飽和結合含有モノマーは、1分子内にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合と、1種類以上の官能基とを併せ持つ化合物である。官能基は、表面処理された炭素繊維(C)が有する官能基との反応性を有する官能基である。官能基は、通常極性基であり;官能基の例には、ハロゲン原子、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、イミド基、エステル基、アルコキシシラン基、酸ハライド、芳香族環およびニトリル基などが含まれる。特にカルボキシル基や酸無水基またはこれらの誘導基であることが好ましい。誘導基とは、アミド基、エステル基、酸ハライド基などをいう。
エチレン性不飽和結合含有モノマーの具体例には、不飽和カルボン酸およびその誘導体(酸無水物、酸アミド、エステル、酸ハロゲン化物および金属塩)、イミド、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、スチレン系モノマー、アクリロニトリル、酢酸ビニルならびに塩化ビニルなどが含まれる。エチレン性不飽和結合含有モノマーの好ましい具体例には、不飽和カルボン酸およびその誘導体、水酸基含有エチレン性不飽和化合物およびエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物が挙げられる。
不飽和カルボン酸およびその誘導体の具体例には、(メタ)アクリル酸、α-エチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,3-ジカルボン酸(ナジック酸、商標)、無水ナジック酸およびメチル-エンドシス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック酸、商標)などの不飽和カルボン酸およびその無水物;ならびにメタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル;不飽和カルボン酸ハライド;不飽和カルボン酸アミドおよびイミドなどが含まれる。
不飽和カルボン酸およびその誘導体の好ましい例には、塩化マロニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水ナジック酸、アクリル酸、ナジック酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチルおよびメタクリル酸メチルなどが挙げられる。より好ましくはアクリル酸、マレイン酸、ナジック酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸およびメタクリル酸メチルが挙げられる。不飽和カルボン酸およびその誘導体は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水酸基含有エチレン性不飽和化合物の具体例には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタンモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートおよび2-(6-ヒドロキシヘキサノイルオキシ)エチルアクリレート、10-ウンデセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、2-メチロールノルボルネン、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N-メチロールアクリルアミド、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、アリロキシエタノールおよび2-ブテン-1,4-ジオールおよびグリセリンモノアルコールなどが含まれる。
水酸基含有エチレン性不飽和化合物の好ましい例には、10-ウンデセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、2-メタノールノルボルネン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N-メチロールアクリルアミド、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、アリロキシエタノール、2-ブテン-1,4-ジオールおよびグリセリンモノアルコールなどが挙げられる。より好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。水酸基含有エチレン性不飽和化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物の例としては、下記式(I)で表される不飽和グリシジルエステル類、下記式(II)で表される不飽和グリシジルエーテル類、および下記式(III)で表されるエポキシアルケン類などが挙げられる。
式(I)におけるRは、重合可能なエチレン性不飽和結合を有する炭化水素基を示す。
式(II)におけるRは重合可能なエチレン性不飽和結合を有する炭化水素基を示し、Xは−CH−O−または−C−O−で表される2価の基を示す。
式(III)におけるRは重合可能なエチレン性不飽和結合を有する炭化水素基を示し、Rは水素原子またはメチル基を示す。
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物の具体例には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸のモノまたはジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸のモノ、ジまたはトリグリシジルエステル、テトラコン酸のモノまたはジグリシジルエステル、エンド-シス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(ナジック酸、商標)のモノまたはジグリシジルエステル、エンド-シス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジメチル-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック酸、商標)のモノまたはジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノまたはジグリシジルエステル、p-スチレンカルボン酸のグリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2-メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン-p-グリシジルエーテル、3,4-エポキシ-1-ブテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ブテン、3,4-エポキシ-1-ペンテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ペンテン、5,5-エポキシ-1-ヘキセンおよびビニルシクロヘキセンモノオキシドなどが含まれる。
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物の好ましい例には、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートが挙げられる。エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)をグラフト変性させるためのエチレン性不飽和結合含有モノマーは、不飽和カルボン酸またはその誘導体であることがより好ましく、不飽和カルボン酸無水物であることがさらに好ましく、無水マレイン酸であることが特に好ましい。
<有機過酸化物>
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)のグラフト変性に用いられる有機過酸化物の例には、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)オクタン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バラレートおよび2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)ブタンなどのペルオキシケタール類;ジ-t-ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、α,α'-ビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキサンおよび2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3などのジアルキルペルオキシド類;アセチルペルオキシド、イソブチルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、2,5-ジクロロベンゾイルペルオキシドおよびm-トリオイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;t-ブチルオキシアセテート、t-ブチルペルオキシイソブチレート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシラウリレート、t-ブチルペルオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルペルオキシイソフタレート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t-ブチルペルオキシマレイックアシッド、t-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、クミルペルオキシオクテートなどのペルオキシエステル類;ジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネートおよびジ(3-メチル-3-メトキシブチル)ペルオキシジカーボネートなどのペルオキシジカーボネート類;ならびにt-ブチルハイドロペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロペルオキシド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロペルオキシドおよび1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロペルオキシドなどのハイドロペルオキシド類などが挙げられる。
有機過酸化物の好ましい例には、t-ブチルペルオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートおよびジクミルペルオキシドなどが挙げられる。
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)のグラフト変性反応は、溶媒中で行うこともできるし、溶媒の非存在下に行うこともできる。溶媒の例には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカンおよび灯油などの脂肪族炭化水素;メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタンおよびシクロドデカンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、エチルトルエン、トリメチルベンゼン、シメンおよびジイソプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素;ならびにクロロベンゼン、ブロモベンゼン、o-ジクロロベンゼン、四塩化炭素、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタンおよびテトラクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
溶媒中でのグラフト変性反応の反応温度は、50〜300℃、好ましくは60〜290℃である。変性反応の時間は1分〜10分、好ましくは2分〜9分である。変性反応は、常圧および加圧のいずれの条件下においても行うことができる。
溶媒の存在下でのグラフト変性反応において、反応に供給されるエチレン性不飽和結合含有モノマーの割合は、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)100重量部に対して、0.2〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部である。
溶媒の非存在下でのグラフト変性反応は、各成分の混合物の溶融物を混練して行うことが好ましい。各成分の混合物は、樹脂同士の混合、あるいは樹脂と添加物(固体または液体)とを混合するための公知の方法を用いて得る。例えば、混合物は、全ての成分をヘンシェルミキサー、リボンブレンダーおよびブレンダーなどで一度に混ぜ合わせて得てもよい。また、混合物は、いくつかの成分を別個にヘンシェルミキサー、リボンブレンダーおよびブレンダーなどに加えて混合して均一な混合物としてもよい。混合物の溶融物を混練するには、例えば、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、および一軸または二軸の押出機などが用いられる。
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)のグラフト変性は、一軸または二軸押出機を用いて混練により行われることが特に好ましい。例えば、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)、エチレン性不飽和結合含有モノマーおよび/またはその誘導体、ならびに有機過酸化物を、予め十分に予備混合し;予備混合物を、押出機の供給口より供給して混練する。押出機を用いてグラフト変性反応をすれば、連続生産が可能であり、生産性が向上する。
グラフト変性反応における混練機の混練を行う部分のシリンダ温度は、190〜300℃、好ましくは200〜290℃である。シリンダ温度が190℃よりも低いと変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)中のグラフト量が向上しない場合がある。シリンダ温度が300℃よりも高いと、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)の分解が起こる場合がある。混練時間は、0.1〜30分間、特に好ましくは0.5〜5分間である。混練時間が0.1分に満たないと十分なグラフト量が得られない場合がある。また、混練時間が30分を超えると変性ポリ−4−メチル−1−ペンテン(D)の分解が起こる場合がある。
変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)の製造におけるグラフト変性を溶融混練で行う場合の各成分の配合割合は、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)100重量部に対して、エチレン性不飽和結合含有モノマーを通常0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。また、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)100重量部に対して、有機過酸化物を0.001〜10重量部、好ましくは0.005〜5重量部、より好ましくは0.01〜4重量部である。
変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)は、用いるエチレン性不飽和結合含有モノマーの種類に応じて、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、イミド基、エステル基、アルコキシシラン基、酸ハライド基、芳香族環およびニトリル基などを有し;好ましくはカルボキシル基、酸無水物基またはこれらの誘導基を有し;より好ましくはカルボキシル基、酸無水物基、アミド基、エステル基、酸ハライド基などを有する。
<表面処理された炭素繊維(C)>
本発明の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料は、官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)と、表面処理された炭素繊維(C)とを含む。表面処理された炭素繊維(C)(以下単に「炭素繊維(C)」ともいう)は、前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)の官能基と反応可能な基が導入されるように表面処理された炭素繊維である。
炭素繊維の例には、従来公知の炭素繊維が含まれ、例えば、ポリアクリロニトリルを原料としたPAN系炭素繊維、およびピッチを原料としたピッチ系炭素繊維などが挙げられる。ピッチ系炭素繊維の例には、ダイアリード(商品名;三菱化学産資(株)製)、ドナカーボ(チョップ)(商品名;大阪ガスケミカル(株)製)およびクレカチョップ(商品名;呉羽化学(株)製)などが含まれる。
また、炭素繊維は、繊維原糸を所望の長さに裁断した、いわゆるチョップドカーボンファイバーなどであってもよい。チョップドカーボンファイバーの例には、PAN系炭素繊維では、トレカチョップ(商品名;東レ(株)製)、パイロフィル(チョップ)(商品名;三菱レーヨン(株)製)およびテナックス(チョップ)(商品名;東邦テナックス(株)製)などが含まれる。
炭素繊維の表面処理は、一般的な公知の方法を用いて行えばよく、例えば、炭素繊維に酸性またはアルカリ性水溶液で電解表面処理を行って炭素繊維表面に官能基を付与してもよく、炭素繊維をサイジング剤で処理してもよい。
より好ましい炭素繊維の表面処理はサイジング処理である。電解表面処理は、熱硬化性樹脂がマトリックスである樹脂組成物に一般的に好適に用いられる方法であるが、炭素繊維表面に導入される官能基がOH基、COOH基などに限られる。一方、熱可塑性樹脂がマトリックスである樹脂組成物の場合には、熱可塑性樹脂の構造に応じた官能基の導入が必要であり、様々な官能基が導入できるサイジング処理が好ましい。また、炭素繊維を表面処理する際には、数千本の繊維を集束させなければならず、サイジング処理の場合は、官能基の導入と繊維の集束とを同時に行える点で好ましい。
サイジング剤の例には、エポキシ系ポリマー、ナイロン系ポリマーおよびウレタン系ポリマーなどが含まれる。エポキシ系ポリマーの例には、東邦テナックス(株)のテナックス(HTA−C6−SR(エポキシ樹脂サイジング)が、ナイロン系ポリマーの例には、HTA−C6−N(ナイロン樹脂サイジング)が、ウレタン系ポリマーの例には、HTA−C6−US(ウレタン樹脂サイジング)などが挙げられる。エポキシ樹脂サイジングによりエポキシ基が、ナイロン樹脂サイジングによりアミド基が、ウレタン樹脂サイジングによりウレタン基(カーバメート基)が導入される。いずれにしても、サイジング処理により、官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)の官能基と反応可能な基が、炭素繊維の表面に導入される。
炭素繊維(C)の繊維径は、通常、2μmより大きく15μm以下であり、好ましくは3〜12μm、より好ましくは4〜10μmである。繊維径が2μm以下であると、繊維の剛性が著しく低下する場合がある。繊維径が15μmを超えると、繊維のアスペクト比(L/D:Lは長さ、Dは太さを表す)が低下し、剛性および耐熱性などの十分な補強効率が十分に得られない場合がある。炭素繊維(C)の繊維径は、繊維を繊維方向に垂直に裁断し、その断面を顕微鏡で観察して直径を計測し、100本以上の繊維の直径の平均値を求めたものである。
炭素繊維(C)をチョップドカーボンファイバーとする場合、炭素繊維(C)の繊維長は、通常、0.01〜20mm、好ましくは0.5〜15mm、より好ましくは1〜10mmである。繊維長が0.01mm未満であると、アスペクト比が小さく十分な補強効率が得られない。繊維長が20mmを超えると、加工性および外観が著しく悪化してしまう場合がある。炭素繊維(C)の繊維長はノギスなどを用いて計測し、100本以上の繊維の繊維長の平均値を求めたものである。
炭素繊維(C)は炭素繊維基布であってもよい。炭素繊維基布とは、炭素繊維の編織物や不織布をいう。
<その他の任意成分>
炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料にはエラストマーを添加してもよい。それにより耐衝撃性を向上させうる。エラストマーとしては、プロピレン・α-オレフィンブロック共重合体、エチレン・α-オレフィンランダム共重合体、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体、水素添加プロピレン・α-オレフィンブロック共重合体およびその他の弾性重合体、ならびにこれらの混合物などが挙げられる。α-オレフィンの例には、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)の共重合体成分として述べたα-オレフィンと同様のものが含まれる。これらのα-オレフィンは一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料100重量部に対する、エラストマーの添加量は、0.5〜50重量部、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは5〜30重量部である。
本発明の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料には、必要に応じて、その他の成分を添加してもよい。その他の成分の例には、耐熱安定剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、充填剤、滑材、スリップ材、アンチブロッキング剤、塩酸吸収剤、分散剤、結晶核剤、軟化剤、防曇剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、および難燃剤などが含まれる。例えば公知のフェノール系安定剤、有機ホスファイト系安定剤、チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、無機酸化物などが挙げられる。他の成分の添加量は、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましい。
前述の通り、本発明の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料は、官能基含有ポリ-4-メチル−1-ペンテン(B)および炭素繊維(C)、ならびに任意の他の成分を含む。官能基含有ポリ-4-メチル−1-ペンテン(B)は、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)でありうる。
官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)の含有量は、官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン重合体(B)と炭素繊維(C)の合計100重量部中、好ましくは10〜90重量部、より好ましくは12〜30重量部、特に好ましくは15〜25重量部である。官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)の含有量が10重量部よりも少ないと、炭素繊維(C)と官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)との相互作用が低下する。そのため、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の強度が低下する場合がある。一方、官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)の含有量が90重量部よりも大きいと、官能基含有プロピレン系重合体(B)自体の強度の影響で、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の強度が低下する場合がある。
本発明の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料は、下記要件(i)および(ii)を満たすことが好ましい。
(i)メルトフローレート(MFR)が、10〜200g/10min、好ましくは10〜180g/10min、より好ましくは20〜100g/10minである。MFRが10g/10minよりも低いと、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の成形加工性が低下する場合がある。一方、MFRが200g/10minよりも高いと、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の靭性が失われる場合がある。MFRは、ASTM D1238に準じて、測定温度260℃、荷重5kgfの条件下にて測定される。
(ii)融点(Tm)が、220℃以上、好ましくは224℃以上、より好ましくは228℃以上である。融点が220℃よりも低いと、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の耐熱剛性が低下し、耐熱性が要求される用途には適さない場合がある。炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の融点は、JIS−K7121に準拠して、30〜280℃の温度範囲において窒素雰囲気下で測定する。この時、昇温速度、及び、冷却速度は、それぞれ10℃/minとすればよい。
炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の製法
本発明の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料は、例えば、官能基含有ポリ-4-メチル-1−ペンテン(B)と、炭素繊維(C)と、他の任意成分とを溶融混練して得られる。混練の手段は、特に制限されず、押出機などの溶融混練装置を用いて行えばよい。
ただし、前記混練は、炭素繊維(C)の過剰な折損を防止するように行うことが好ましい。炭素繊維(C)の折損を防止するには、例えば、押出機による溶融混練において、炭素繊維(C)成分以外の成分を十分に溶融混練した後に、炭素繊維(C)成分をサイドフィード法などにより供給することが好ましい。これにより、樹脂成分の完全溶融位置よりも川下側の位置で炭素繊維(C)成分をフィードすることができる。したがって、繊維の折損を最小限に抑えながら、収束繊維を分散させることができる。
炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料にエラストマーを添加することで、マトリックス樹脂の靭性が改良されうる。炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料にエラストマーを添加する場合には、例えば、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料とエラストマーとを溶融ブレンドすればよい。溶融ブレンドとは、ミキシングロール、バンバリーミキサー、または一軸もしくは二軸押出機などを用いて炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料を加熱して可塑化させながら、エラストマーと機械的に練り合わせる方法である。
エラストマーであるプロピレン・α-オレフィン共重合体の製造は、次の二つの工程(工程1および工程2)を連続的に実施することによって行われ得る。それにより、エラストマーであるプロピレン・α-オレフィン共重合体の靭性を調整することができる。
[工程1]プロピレン、あるいは、プロピレンと、エチレンおよび/または炭素原子数4以上のα−オレフィンとを公知のオレフィン重合用触媒の存在下で(共)重合し、プロピレン単独重合体またはプロピレン・α−オレフィン共重合体を製造する工程。
[工程2]プロピレンと、エチレンおよび/または炭素原子数4以上のα−オレフィンとを公知のオレフィン重合用触媒の存在下で共重合して、工程1よりもエチレンおよび/またはα−オレフィンが多く含まれるプロピレン・α−オレフィン共重合体を製造する工程。
前述の通り、炭素繊維(C)は炭素繊維基布であってもよい。炭素繊維(C)が炭素繊維基布である場合には、炭素繊維基布に、官能基含有ポリ-4-メチル-1−ペンテン(B)を含む樹脂組成物を含浸させればよい。含浸の手段は特に限定されないが、1)二軸押出機による溶融混練による含浸や、2)ポリ-4-メチル-1-ペンテンをシクロヘキサンなどの溶媒に溶解させ、そこに炭素繊維束を浸漬した後、溶媒を除去して樹脂を含浸させることができる。炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料は、炭素繊維基布に官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)を含浸させたペレットであってもよい。当該ペレットにおいて、ペレットの長さ方向(長軸方向)に沿って、炭素長繊維が配列していることが好ましく、ペレットの長さと炭素繊維の長さとが一致していることがより好ましい。
<成形体>
本発明の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料は、成形体に加工されうる。成形体への加工手段は特に制限されず、混練や含浸により得られた炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料のペレットを、射出成形や圧縮成形などで成形加工したりして加工すればよい。
本発明の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料は、良好な機械強度(曲げ強度および引張強度に)、機械弾性率(曲げ弾性率および引張弾性率)、及び、熱変形温度を示す。そのため、その成形体の用途の例として、自動車部品(フロントエンド、ファンシェラウド、クーリングファン、エンジンアンダーカバー、エンジンカバー、ラジエターボックス、サイドドア、バックドアインナー、バックドアアウター、外板、ルーフレール、ドアハンドル、ラゲージボックス、ホイールカバー、ハンドル、クーリングモジュール、エアークリーナー、スポイラー、燃料タンク、プラットフォームおよびサイドメンバ、モータコネクタ筐体、バンパー、インストラメントパネル)、二輪自動車・自転車部品(ラゲージボックス、ハンドルおよびホイール)、住宅関連部品(温水洗浄便座部品、浴室部品、椅子の脚、バルブ類およびメーターボックス)、電子機器筐体(パソコン、OA機器、デジタルカメラ、オーディオ、エアコンなどの家電製品)、ならびにその他の部品(電動工具部品、草刈り機ハンドル、ホースジョイント、樹脂ボルトおよびコンクリート型枠)が挙げられる。
特に、本発明の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の成形体は、剛性および耐久性の要求される自動車部品(フロントエンドモジュール(ファンシェラウド、ファンおよびクーリングモジュールを含む)、エアークリーナーおよびドア部品)、バルブ類、医療機器、ロボット用フォーク・フレームおよびICトレイなどに適用されうる。
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において用いた材料は以下の通りである。
(1)ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)
三井化学株式会社製、商標名:TPX、銘柄名:DX810UP(融点:233℃ MFR(ASTM D1238、260℃、5kgf):5g/10min)
(2)エチレン性不飽和結合含有モノマー
無水マレイン酸(製品名:クリスタルMAN、日本油脂株式会社製、化学式C
(3)有機過酸化物
2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3(製品名:パーへキシン25B、日本油脂株式会社製、化学式C1930
(4)炭素繊維(C)
以下の炭素繊維の繊維を用いた。いずれも6000本の繊維束として市販されているものを用いた。
1)ナイロンサイジング処理物(HTA-C6-N、東邦テナックス株式会社製)
2)エポキシサイジング処理物(HTA-C6-S、東邦テナックス株式会社製)
3)ウレタンサイジング処理物(HTA-C6-US、東邦テナックス株式会社製)
4)サイジング未処理物(引張強度3920MPa,引張弾性率235GPaの炭素繊維)
実施例および比較例における試験条件は以下の通りである。
(1)MFR
ASTM D1238に準拠して、260℃、5kgf荷重下で測定した。
(2)融点(Tm)
JIS−K7121に準拠して、30〜280℃の温度範囲において窒素雰囲気下で測定した。この時、昇温速度、及び、冷却速度は、それぞれ10℃/minとした。
(3)炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料の各試験片を作製するための射出成形条件
射出成形機:日精30トン(φ=19mm)
射出温度:280℃、金型温度:60〜80℃、冷却時間:15秒
試験片の種類:引張試験片、曲げ試験片、IZOD衝撃試験片(ノッチ有り)、熱変形温度試験片
(4)引張試験
ASTM−D638に準拠して、40mmのチャック間距離、及び、1mm/minのクロスヘッド速度で測定した。
(5)曲げ試験
ASTM−D790に準拠して、50mmのスパン長さ、及び、1mm/minのクロスヘッド速度で測定した。
(6)Izod衝撃試験
ASTM−D256に準拠して、3.92Jのハンマー容量(40kgf−cm、空振り角度=148.9度)にて測定した。
(7)熱変形速度測定試験
ASTM−D648に準拠して、以下の条件にて測定を実施した。
荷重条件=1.8MPa、スパン長さ=50mm、
たわみ量=0.26mm、昇温速度=120℃/hour
(8)モルフォロジー観察
引張試験片の中心部をTD方向に切り出し、光学顕微鏡による断面観察を行った(実施例1のみ)。それにより、炭素繊維の分散の様子を確認した。また、引張試験後の破断面観察を走査型電子顕微鏡(日本電子(株):JSM6380)にて行った(実施例1および比較例2)。
[合成例1]
変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)の合成
上記ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)100重量部と、エチレン性不飽和結合含有モノマー0.04重量部、有機過酸化物0.002重量部とを、2軸押出機(φ=45mm,L/D=30)、シリンダ温度:270℃で溶融混練を3分行い、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)を得た。得られた変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)の融点(Tm)は232℃であり、エチレン性不飽和結合含有モノマーグラフト量は、変性反応に用いたエチレン性不飽和結合含有モノマーの仕込み量から推定した算出値で0.04重量%であり、135℃、デカリン中での極限粘度[η]は2.5dl/gであった。
[実施例1]
合成例1で得られた変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)と、炭素繊維(C)としてHTA-C6-N(ナイロンサイジング処理物)とを、80/20wt%との組成比にて、2軸押出機(φ=15mm、L/D=30、炭素繊維:トップフィード投入、窒素ガスパージ使用、シリンダ温度:290℃)で混練を3分間行い、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料1を得た。得られた炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料1から射出成形により各試験片を得た。各試験片のMFR、融点、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃値、熱変形温度を測定した結果を表1にまとめた。また、図1には、試験片の断面写真を示す。図1の写真の横軸はTD方向である。図2および図3には、引張試験における試験片の引張は界面のSEM写真を示す。図2の拡大倍率は1000倍、図3の拡大倍率は5000倍である。
[実施例2]
炭素繊維(C)としてHTA-C6-S(エポキシサイジング処理物)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料2を得た。得られた炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料2の各試験片のMFR、融点、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃値、熱変形温度を測定した結果を表1にまとめた。
[実施例3]
炭素繊維(C)としてHTA-C6-US(ウレタンサイジング処理物)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料3を得た。得られた炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料3の各試験片のMFR、融点、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃値、熱変形温度を測定した結果を表1にまとめた。
[比較例1]
ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)のみからなる樹脂から射出成形により各試験片を得た。各試験片のMFR、融点、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃値、熱変形温度を測定した結果を表1にまとめた。
[比較例2]
変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)に代えてポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料4を得た。得られた炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料4の試験片のMFR、融点、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃値、熱変形温度を測定した結果を表1にまとめた。また、図4および図5には、引張試験における試験片の引張は界面のSEM写真を示す。図4の拡大倍率は1000倍、図5の拡大倍率は5000倍である。
[比較例3]
変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)に代えてポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)を用い、かつ炭素繊維(C)としてHTA-C6-N(ナイロンサイジング処理)に代えてサイジング未処理物を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料5を得た。得られた炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料5の各試験片のMFR、融点、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃値、熱変形温度を測定した結果を表1にまとめた。
[比較例4]
炭素繊維(C)としてHTA-C6-N(ナイロンサイジング処理)に代えてサイジング未処理物を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料6を得た。得られた炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料6の試験片のMFR、融点、引張強度、引張伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃値、熱変形温度を測定した結果を表1にまとめた。
図1に示すように、炭素繊維(C)を示す白色部分が、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)を示す着色部分中に、分散していることがわかる。このように、実施例1においては炭素繊維束が良好に解繊し、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)が十分に含浸している様子が分かる。これは、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)の高流動性によるもので、本発明の複合材料は成形流動性に優れることがわかる。
また、図2および図3に示すように、実施例1の複合材料の破壊後の破断面を観察したところ、炭素繊維表面にマトリックス樹脂の付着が認められる。このように、実施例1の複合材料は、変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)/炭素繊維(C)間の界面で両者の接着が確認された。
実施例1のみならず、実施例2および3においても、同様の結果が確認された。
一方、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)を単独で用いた比較例1において、引張特性、曲げ特性、Izod衝撃値、熱変形温度、ともに、実施例1〜3で得られた複合材料と比較して著しく低い。特に、比較例1の熱変形温度は、実施例1〜3の約1/3倍であった。
図4および図5に示すように、比較例2の複合材料の破壊後の破断面を観察したところ、炭素繊維(C)の表面にポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)の付着が認められず、界面での接着が確認されなかった。このように、比較例2では、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)が変性されていないことから、炭素繊維(C)との密着性が悪い(化学的に結合していない)と考えられる。
そのため、比較例2では、実施例1〜3と比較して、同等の曲げ弾性率を示したものの、引張強度、曲げ強度、Izod衝撃値および熱変形温度において低い値を示した。
比較例3および比較例4では、表面処理を施さない炭素繊維と、無変性のポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)または変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)とを用いた。比較例3および4の複合材料は、比較例2の複合材料とほぼ同様の、引張強度、曲げ強度、Izod衝撃値および熱変形温度を示した。比較例3および比較例4の破壊後の破断面を観察したところ、比較例2と同様に界面での接着が確認されなかった。これらの結果から、炭素繊維を表面処理するだけでは、実施例1〜3と同等の物性を得ることができないことが明らかとなった。
本発明の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料は、成形流動性、軽量性、及び耐熱剛性に優れた新規なポリオレフィン複合材料となる。例えば、自動車部品、二輪自動車・自転車部品、住宅関連部品、及び、電子機器筐体に用いることができる。

Claims (11)

  1. 官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)と、前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)の官能基と反応可能な基が導入されるように表面処理された炭素繊維(C)とを含む、炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
  2. 前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)が、ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)を、前記官能基を有するエチレン性不飽和結合含有モノマーでグラフト変性した変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)である、請求項1に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
  3. 前記ポリ-4-メチル-1-ペンテン(A)が、以下の(A-i)および(A-ii)の要件を満たす、請求項2に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
    (A-i)ASTM D1238に準じて、測定温度260℃、荷重5kgfの条件下にて測定されたメルトフローレートが1〜500g/10minであること
    (A-ii)融点(Tm)が220〜250℃であること
  4. 前記変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)が、以下の(D-i)〜(D-iii)の要件を満たす、請求項2または3に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1−ペンテン複合材料。
    (D-i)融点(Tm)が200〜240℃であること
    (D-ii)変性ポリ-4-メチル-1-ペンテン(D)中のエチレン性不飽和結合含有モノマーグラフト量が0.1〜10重量%であること
    (D-iii)135℃、デカリン中での極限粘度[η]が0.2〜4dl/gであること
  5. 前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)と前記炭素繊維(C)との質量比が、(B):(C)=10:90〜90:10の割合である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
  6. 前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)の官能基が、カルボキシル基、酸無水物基またはこれらの誘導基を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
  7. 前記表面処理が、エポキシ系ポリマー、ナイロン系ポリマーまたはウレタン系ポリマーを用いたサイジング処理である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
  8. 前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)と前記炭素繊維(C)とは、溶融混練されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
  9. 前記炭素繊維(C)が炭素繊維基布であり、前記官能基含有ポリ-4-メチル-1-ペンテン(B)が前記炭素繊維基布に含浸されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
  10. 下記要件(i)および(ii)を満たす、請求項1〜9のいずれか一項に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料。
    (i)ASTM D1238に準じて、測定温度260℃、荷重5kgfの条件下にて測定されたメルトフローレートが、10〜200g/10minであること
    (ii)融点(Tm)が220℃以上であること
  11. 請求項1〜10のいずれかに一項に記載の炭素繊維強化ポリ-4-メチル-1-ペンテン複合材料からなる成形体。
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