JP5053334B2 - 炭素繊維強化プロピレン系複合材料およびその成形体 - Google Patents
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したがって、炭素繊維およびポリプロピレン樹脂からなる炭素繊維強化プロピレン系複合材料は、サイジング処理された炭素繊維とポリプロピレン樹脂とを溶融状態で混練するか、または含浸させるなどして製造される。炭素繊維強化プロピレン系複合材料の機械強度は、炭素繊維とポリプロピレン樹脂との相互作用やポリプロピレン樹脂マトリックス中での炭素繊維の分散性(炭素繊維の開繊性)によって大きく作用されると考えられる。そこで、炭素繊維とポリプロピレン樹脂との相互作用を高めることを目的として、炭素繊維用の特定のサイジング剤(特許文献1)や、サイジング処理した炭素繊維と無水マレイン酸で変性されたプロピレン樹脂とからなる複合材料(特許文献2)などが開示されているが、特に炭素繊維強化プロピレン系複合材料の曲げ強度や曲げ弾性率にはまだ改良の余地がある。
〔1〕メタロセン触媒の存在下で製造されたプロピレン系重合体(A)と、チーグラー・ナッタ触媒の存在下で製造されたプロピレン系重合体(H)をエチレン性不飽和結合含有モノマーでグラフト変性して得られた変性プロピレン系重合体(B)と、表面処理された炭素繊維(C)とから形成され、下記要件(i)から(iv)を満たすことを特徴とする炭素繊維強化プロピレン系複合材料。
(i)該炭素繊維(C)の使用量が、プロピレン系重合体(A)、変性プロピレン系重合体(B)および炭素繊維(C)の合計100重量%中、1〜80重量%である。
(ii)メルトフローレート(MFR;230℃、2.16kgf)が0.1〜10g/10minである。
(iii)融点(Tm)が150℃以上である。
(iv)熱キシレンに溶かして加熱濾過し、アセトン中で再析出させた成分のZ平均分子量(Mz)が600,000以下である。
(v)変性プロピレン系重合体(B)の使用量が、プロピレン系重合体(A)および変性プロピレン系重合体(B)の合計100重量%中、0.5〜40重量%である。
(a−1)メルトフローレート(MFR;230℃、2.16kgf)が1〜30g/10minである。
(a−2)分子量分布(Mw/Mn)が3.5未満である。
(a−3)90℃のo−ジクロロベンゼンに可溶な成分の量が1重量%以下である。
(a−4)融点(Tm)が150〜170℃である。
〔プロピレン系重合体(A)〕
本発明で用いられるプロピレン系重合体(A)は、メタロセン触媒の存在下で製造された重合体である。プロピレン系重合体(A)は、例えば、プロピレンの単独重合体、あるいはプロピレンと他の少量のモノマーとの共重合体が挙げられる。他の少量のモノマーとしては、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα-オレフィンが挙げられる。炭素原子数4〜20のα-オレフィンとしては、具体的には、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセンなどが挙げられ、好ましくは1-ブテン、1-ヘキセンおよび4-メチル-1-ペンテンが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
上記プロピレン系重合体(A)は、好ましくは下記要件(a−1)から(a−4)を満たす。
本発明で用いられるプロピレン系重合体(A)は、シクロペンタジエニル骨格などの配位子を分子内に持つメタロセン化合物を含む重合触媒の存在下でプロピレンを単独重合するか、あるいはプロピレンと、上述した他の少量のモノマーとを共重合することによって製造される。
Yは第14族元素、好ましくは炭素原子、ケイ素原子およびゲルマニウム原子であり、より好ましくは炭素原子である。
Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子、および孤立電子対で配位可能な中性配位子から選ばれる基であり、少なくとも1つがハロゲン原子またはアルキル基であることが好ましい。
一般式[III]で表されるメタロセン触媒の具体例としては、ジメチルメチレン(3-t-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(3,6-ジt-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、1-フェニルエチリデン(4-t-ブチル-2-メチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドおよび[3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)(1,1,3-トリメチル-5-t-ブチル-1,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライドなどが挙げられる。
変性プロピレン系重合体(B)は、チーグラー・ナッタ触媒の存在下で重合して製造されたプロピレン系重合体(H)をエチレン性不飽和結合含有モノマーでグラフト変性することにより得られる。ここで、変性プロピレン系重合体(B)は、表面処理された炭素繊維(C)が有する反応性官能基と反応し得る官能基を1種以上有することを特徴とする。官能基の種類としては、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、アミド基、イミド基、エステル基、アルコキシシラン基、酸ハライド基、芳香族環、およびニトリル基等が挙げられ、特にカルボキシル基や酸無水基またはこれらの誘導体であることが好ましい。
本発明で用いられるプロピレン系重合体(H)は、チーグラー・ナッタ触媒の存在下で製造される。プロピレン系重合体(H)としては、例えば、プロピレン単独重合体、あるいはプロピレンと他の少量のモノマーとのランダム共重合体またはブロック共重合体が挙げられ、好ましくはプロピレン単独重合体、およびプロピレンと他の少量のモノマーとのランダム共重合体が挙げられる。なお、他の少量のモノマーとしては、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα-オレフィンが挙げられる。炭素原子数4〜20のα-オレフィンとしては、プロピレン系重合体(A)を構成するα−オレフィンとして例示したものと同様のものが挙げられる。
プロピレン系重合体(H)のメルトフローレート(MFR;230℃、2.16kgf)は通常0.001〜1500g/10min、好ましくは0.005〜100g/10minである。
プロピレン系重合体(H)は、立体規則性の高いチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造される。この立体規則性の高いチーグラー・ナッタ触媒としては、種々の公知の触媒が挙げられ、例えば、(a’)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含有する固体状チタン触媒成分と、(b’)有機金属化合物触媒成分と、(c’)シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する有機ケイ素化合物触媒成分とからなる触媒が挙げられる。
マグネシウム化合物(a’−1)としては、マグネシウム−炭素結合またはマグネシウム−水素結合を有する化合物などの還元能を有するマグネシウム化合物、ならびに、ハロゲン化マグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、アリーロキシマグネシウムハライド、アルコキシマグネシウム、アリーロキシマグネシウムおよびマグネシウムのカルボン酸塩などの還元能を有さないマグネシウム化合物などが挙げられる。
(1)電子供与体(液状化剤)(a’−3)を含むマグネシウム化合物(a’−1)の炭化水素溶液を、有機金属化合物と接触反応させて固体を析出させた後、または析出させながらチタン化合物(a’−2)と接触反応させる方法。
(2)マグネシウム化合物(a’−1)および電子供与体(a’−3)からなる錯体を有機金属化合物と接触、反応させた後、チタン化合物(a’−2)を接触反応させる方法。
(3)無機担体と有機マグネシウム化合物(a’−1)との接触物に、チタン化合物(a’−2)および電子供与体(a’−3)を接触反応させる方法。この際予め接触物をハロゲン含有化合物および/または有機金属化合物と接触反応させてもよい。
(4)液状化剤および場合によっては炭化水素溶媒を含むマグネシウム化合物(a’−1)溶液、電子供与体(a’−3)および担体の混合物から、マグネシウム化合物(a’−1)の担持された担体を得た後、次いでチタン化合物(a’−2)を接触させる方法。
(5)マグネシウム化合物(a’−1)、チタン化合物(a’−2)、電子供与体(a’−3)、場合によってはさらに炭化水素溶媒を含む溶液と、担体とを接触させる方法。
(7)液状の有機マグネシウム化合物(a’−1)とハロゲン含有化合物とを接触させた後、チタン化合物(a’−2)を接触させる方法。この過程において電子供与体(a’−3)を少なくとも1回は用いる。
(8)アルコキシ基含有マグネシウム化合物(a’−1)と、ハロゲン含有チタン化合物(a’−2)とを接触させる方法。このとき電子供与体(a’−3)を少なくとも1回は用いる。
(9)アルコキシ基含有マグネシウム化合物(a’−1)および電子供与体(a’−3)からなる錯体と、チタン化合物(a’−2)とを接触させる方法。
(10)アルコキシ基含有マグネシウム化合物(a’−1)および電子供与体(a’−3)からなる錯体を、有機金属化合物と接触させた後、チタン化合物(a’−2)と接触反応させる方法。
(12)還元能を有さない液状のマグネシウム化合物(a’−1)と、液状チタン化合物(a’−2)とを、電子供与体(a’−3)の存在下で反応させて固体状のマグネシウム・チタン複合体を析出させる方法。
(13)上記(12)で得られた反応生成物に、チタン化合物(a’−2)をさらに反応させる方法。
(14)上記(11)または(12)で得られる反応生成物に、電子供与体(a’−3)およびチタン化合物(a’−2)をさらに反応させる方法。
(15)マグネシウム化合物(a’−1)と、チタン化合物(a’−2)と、電子供与体(a’−3)とを粉砕して得られた固体状物を、ハロゲン、ハロゲン化合物または芳香族炭化水素のいずれかで処理する方法。なおこの方法において、マグネシウム化合物(a’−1)のみを、あるいはマグネシウム化合物(a’−1)と電子供与体(a’−3)とからなる錯化合物を、あるいはマグネシウム化合物(a’−1)とチタン化合物(a’−2)とを粉砕する工程を含んでもよい。また、粉砕後に反応助剤で予備処理し、次いでハロゲンなどで処理してもよい。反応助剤としては、有機金属化合物またはハロゲン含有ケイ素化合物などが用いられる。
(17)上記(11)〜(16)で得られる化合物をハロゲン、ハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処理する方法。
(18)金属酸化物、有機マグネシウム(a’−1)およびハロゲン含有化合物との接触反応物を、電子供与体(a’−3)およびより好ましくはチタン化合物(a’−2)と接触させる方法。
(19)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウムおよびアリーロキシマグネシウムなどのマグネシウム化合物(a’−1)を、チタン化合物(a’−2)、電子供与体(a’−3)、および、必要に応じてハロゲン含有炭化水素と接触させる方法。
(20)マグネシウム化合物(a’−1)とアルコキシチタンとを含む炭化水素溶液と、電子供与体(a’−3)および必要に応じてチタン化合物(a’−2)とを接触させる方法。この際ハロゲン含有ケイ素化合物などのハロゲン含有化合物を共存させることが好ましい。
(21)還元能を有さない液状のマグネシウム化合物(a’−1)および有機金属化合物を反応させて固体状のマグネシウム・金属(アルミニウム)複合体を析出させ、次いで電子供与体(a’−3)およびチタン化合物(a’−2)を反応させる方法。
R1 mAl(OR2)nHpXq ・・・(1)
M1AlR1 4 ・・・(2)
式(2)中、M1はLi、NaまたはKであり、R1は上記と同じである。
R1R2M2 ・・・(3)
式(3)中、R1およびR2は上記と同様であり、M2はMg、ZnまたはCdである。
SiR1R2 n(OR3)3-n …(4)
式(4)中、nは0、1または2、R1はシクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる基、R2およびR3は炭化水素基を示す。
各段の重合条件は、重合温度が約−50〜200℃、好ましくは約20〜100℃の範囲で、重合圧力は常圧〜10MPa(ゲージ圧)、好ましくは約0.2〜5MPa(ゲージ圧)の範囲で適宜選択される。
本発明で用いられるエチレン性不飽和結合含有モノマーは、1分子内にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合と1種類以上の極性基とを併せ持つ化合物である。極性基としては、ハロゲン原子、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、イミド基、エステル基、アルコキシシラン基、酸ハライド、芳香環およびニトリル基などが挙げられる。
本発明で用いられる有機過酸化物としては、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バラレートおよび2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタンなどのペルオキシケタール類;ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルペルオキシド類;アセチルペルオキシド、イソブチルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、2,5−ジクロロベンゾイルペルオキシドおよびm−トリオイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;t−ブチルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシラウリレート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジt−ブチルペルオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシマレイックアシッド、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、クミルペルオキシオクテートなどのペルオキシエステル類;ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネートおよびジ(3−メチル−3−メトキシブチル)ペルオキシジカーボネートなどのペルオキシジカーボネート類;ならびにt−ブチルハイドロペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロペルオキシドおよび1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロペルオキシドなどのハイドロペルオキシド類などが挙げられ、好ましくはt−ブチルペルオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートおよびジクミルペルオキシドなどが挙げられる。
本発明で用いられる変性プロピレン系重合体(B)は、プロピレン系重合体(H)とエチレン性不飽和結合含有モノマーとを、加熱条件下で有機過酸化物の存在下にグラフト変性反応させることにより製造される。変性は、溶媒の存在下に行うこともできるし、溶媒の非存在下に行うこともできる。
本発明で用いられる表面処理された炭素繊維(C)「以下単に「炭素繊維(C)」という。」は、炭素繊維を表面処理したものである。
また、炭素繊維(C)は炭素繊維基布であってもよい。
本発明の炭素繊維強化プロピレン系複合材料には、必要に応じて、その他の成分を添加してもよい。その他の成分としては、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑材、スリップ材、塩酸吸収剤、分散剤、核剤および難燃剤などが挙げられる。これらの成分の添加量は、炭素繊維強化プロピレン系複合材料100重量部に対して、通常0.01〜10重量部である。
[工程2]プロピレンと、エチレンおよび/または炭素原子数4以上のα-オレフィンとをメタロセン触媒の存在下で共重合して、工程1よりもエチレンおよび/またはα−オレフィンが多く含まれるプロピレン・α−オレフィン共重合体を製造する工程。
本発明の炭素繊維強化プロピレン系複合材料は、メタロセン触媒の存在下で製造されたプロピレン系重合体(A)、変性プロピレン系重合体(B)および炭素繊維(C)を含む。上記炭素繊維強化プロピレン系複合材料は下記要件(i)〜(iv)を満たす。
本発明の成形体は、上記炭素繊維強化プロピレン系複合材料から得られる。
上記炭素繊維強化プロピレン系複合材料は、良好な機械強度(曲げ強度および引張強度に)を示すことから、本発明の成形体の好適な用途としては、例えば、自動車部品(フロントエンド、ファンシェラウド、クーリングファン、エンジンアンダーカバー、エンジンカバー、ラジエターボックス、サイドドア、バックドアインナー、バックドアアウター、外板、ルーフレール、ドアハンドル、ラゲージボックス、ホイールカバー、ハンドル、クーリングモジュール、エアークリーナー、スポイラー、燃料タンク、プラットフォームおよびサイドメンバ)、二輪自動車・自転車部品(ラゲージボックス、ハンドルおよびホイール)、住宅関連部品(温水洗浄便座部品、浴室部品、椅子の脚、バルブ類およびメーターボックス)、ならびにその他の部品(電動工具部品、草刈り機ハンドル、ホースジョイント、樹脂ボルトおよびコンクリート型枠)に用いられ、特に剛性および耐久性の要求される自動車部品(フロントエンドモジュール(ファンシェラウド、ファンおよびクーリングモジュールを含む)、エアークリーナーおよびドア部品)、バルブ類、医療機器、ロボット用フォーク・フレームおよびICトレイなどが挙げられる。
本発明の実施例および比較例において用いた分析方法は以下の通りである。
ASTM D1238(230℃、荷重2.16kg)に従って測定した。
[m2]融点(Tm)
示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製)を用いて下記の通り測定を行った。ここで、第3stepにおける吸熱ピークを融点(Tm)と定義した。
サンプルをアルミホイルで挟み、金型(厚さ:0.2mm)を用いて下記条件でプレス成形した。
成形温度:240℃(加熱温度240℃、予熱時間:7分)
プレス圧力:300kg/cm2
プレス時間:1分
プレス成形後、金型を氷水で室温付近まで冷却してサンプルシートを得た。
得られたサンプルシート約0.4gを下記測定容器に封入し、下記測定条件でDSC測定を行った。
アルミ製PAN(DSC PANS 10μl BO―14−3015)
アルミ製COVER(DSC COVER BO14−3003)
(測定条件)
第1step:30℃/分で240℃まで昇温し、10分間保持する
第2step:10℃/分で30℃まで降温する
第3step:10℃/分で240℃まで昇温する。
ウォーターズ社製GPC-150C Plusを用い、以下のようにして試料の分子量分布(Mw/Mn;Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量)を測定した。
クロス分別クロマトグラフィー(CFC)により、90℃および70℃のo-ジクロロベンゼンに可溶な成分量の測定を行った。
測定装置 : CFC T-150A型、三菱油化(株)製、
カラム : Shodex AT-806MS(×3本)
溶離液 : o-ジクロロベンゼン
流速 : 1.0 ml/分
試料濃度 : 0.3 wt%/vol%(0.1% BHT入り)
注入量 : 0.5 ml
溶解性 : 完全溶解
検出器 : 赤外吸光検出法、3.42μ(2924 cm-1)、NaCl板
溶出温度 : 0〜135℃、28フラクション
0、10、20、30、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、94、97、100、103、1
06、109、112、115、118、121、124、127、135 (℃)
変性プロピレン系重合体(B)を約2g採取し、500mlの沸騰p-キシレンに完全に加熱溶解した。変性プロピレン系重合体(B)が溶解したp-キシレン溶液を2Lビーカーに移して、23℃雰囲気下で約1時間放冷させた。その後、1200mlのアセトンを加えて、撹拌しながらポリマーを析出させた。析出物を濾過、乾燥して未グラフト分を除去した変性プロピレン系重合体(B)の精製物を得た。この精製物から作製したプレスフィルムのFT−IRを測定し、1790cm-1と974cm-1のピーク強度比により、変性プロピレン系重合体(B)中にグラフトした無水マレイン酸量をwt%換算で算出した。
炭素繊維強化プロピレン系複合材料を約1g採取し、70mlの沸騰p−キシレン中で30分以上撹拌させた。この加熱p−キシレン溶液を濾過して炭素繊維(C)を除去し、濾液を23℃雰囲気下で約1時間放冷させた。その後、400mlのアセトンを濾液に加えて、撹拌しながらポリマーを析出させた。析出物を濾過、乾燥した。
得られた成分を[m3]において記載したGPC装置を用いてZ平均分子量(Mz)を測定した。
JIS K7171に従って曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
試験片 :10mm(幅)×4mm(厚さ)×80mm(長さ)
曲げ速度:2mm/分
曲げスパン:64mm
(1)固体触媒担体の製造
内容量30Lの撹拌機付き反応槽にトルエン17LおよびSiO2(AGCエスアイテック製サンスフェアH122)650gを入れ、スラリー化した。次に、槽内温度45℃に保ち、トリイソブチルアルミニウムトルエン溶液をトリイソブチルアルミニウム量で64g装入し、15分間撹拌した。槽内温度50℃に保ち、MAO−トルエン溶液(20wt%溶液)2.2Lを約30分かけて導入し、30分間撹拌した。1時間で95℃に昇温し、4時間反応を行った。反応終了後、60℃まで冷却した。冷却後、上澄みトルエンを抜き出し、フレッシュなトルエンで置換率が95%になるまで置換した。
内容量14Lの撹拌機付き反応槽に(1)で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー7.9L(固体成分として1030g)を入れ、撹拌しながら温度を30〜35℃に保った。グローブボックス内にて、1Lフラスコに[3-(1’,1’,4’,4’,7’,7’,10’,10’-オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)(1,1,3-トリメチル-5-tert-ブチル-1,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライドを15.5g秤取しフラスコに入れた。フラスコを外へ出し、トルエン0.5リットルで希釈後、反応槽に加え、反応槽内液量を10Lになるまでトルエンを加えた。60分間撹拌し、担持を行った。得られた[3-(1’,1’,4’,4’,7’,7’,10’,10’-オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)(1,1,3-トリメチル-5-t-ブチル-1,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド/MAO/SiO2/トルエンスラリーは、室温まで冷却した後、n−ヘプタンにて92%置換を行い、最終的なスラリー量を10Lとした。
前記の(2)で調製した固体触媒成分1045gをあらかじめn−ヘプタン18Lを入れておいた内容量200Lの撹拌機付きオートクレーブに移液し、内温15〜20℃に保ち、トリイソブチルアルミニウム557gを入れ、n−ヘプタンにて液量を62Lに調整した。撹拌しながら、30〜35℃に保ち、エチレンを630g/hで3135g装入し、300分間撹拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で8g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この前重合触媒は固体触媒成分1g当たりポリエチレンを3g含んでいた。
内容量100Lの撹拌機付きベッセル重合器にプロピレンを119kg/h、水素を気相部の水素濃度が0.10mol%になるように供給した。(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として15.4g/h、トリエチルアルミニウム8.7ml/hを連続的に供給した。重合温度70℃、圧力は3.0MPa/Gであった。
(1)〜(3)は製造例1と同様の方法で行った。
(4)本重合
内容量100Lの撹拌機付きベッセル重合器にプロピレンを119kg/h、水素を気相部の水素濃度が0.14mol%になるように供給した。製造例1(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として11.4g/h、トリエチルアルミニウム8.7ml/hを連続的に供給した。重合温度70℃、圧力は3.0MPa/Gであった。
得られたスラリーは内容量1000Lの撹拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合を行った。重合器へは、プロピレンを17kg/h、水素を気相部の水素濃度が0.17mol%になるように供給した。重合温度69℃、圧力2.9MPa/Gで重合を行った。
(1)〜(3)は製造例1と同様の方法で行った。
(4)本重合
内容量100Lの撹拌機付きベッセル重合器にプロピレンを119kg/h、水素を気相部の水素濃度が0.20mol%になるように供給した。製造例1(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として8.1g/h、トリエチルアルミニウム8.7ml/hを連続的に供給した。重合温度70℃、圧力は3.0MPa/Gであった。
(1)固体触媒担体の製造
1L枝付フラスコにSiO2300gをサンプリングし、トルエン800mLを入れ、スラリー化した。次に5L4つ口フラスコへ移液をし、トルエン260mLを加えた。メチルアルミノキサン(以下、MAO)−トルエン溶液(10wt%溶液)を2830mL導入した。室温のままで、30分間撹拌した。1時間で110℃に昇温し、4時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した。冷却後、上澄みトルエンを抜き出し、フレッシュなトルエンで、置換率が95%になるまで置換した。
グローブボックス内にて、5L4つ口フラスコにイソプロピル(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3、6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを2.0g秤取した。フラスコを外へ出し、トルエン0.46リットルと(1)で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー1.4リットルを窒素下で加え、30分間撹拌し担持を行った。得られたイソプロピル(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3、6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド/MAO/SiO2/トルエンスラリーはn-ヘプタンにて99%置換を行い、最終的なスラリー量を4.5リットルとした。この操作は、室温で行った。
前記の(2)で調製した固体触媒成分404g、トリエチルアルミニウム218mL、ヘプタン100Lを内容量200Lの撹拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15〜20℃に保ちエチレンを1212g挿入し、180分間撹拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で6g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この前重合触媒は固体触媒成分1g当たりポリエチレンを3g含んでいた。
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを35kg/時間、水素を2.5NL/時間、(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として42g/時間、トリエチルアルミニウム8.0ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は30℃であり、圧力は3.1MPa/Gであった。得られたスラリーは内容量1000Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、さらに重合を行った。重合器へは、プロピレンを65kg/時間、水素を気相部の水素濃度が0.05mol%になるように供給した。重合温度70℃、圧力3.0MPa/Gで重合を行った。
(1)固体状チタン触媒成分の調製
無水塩化マグネシウム952g、デカン4420mlおよび2−エチルヘキシルアルコール3906gを、130℃で2時間加熱して均一溶液とした。この溶液中に無水フタル酸213gを添加し、130℃にてさらに1時間撹拌混合を行って無水フタル酸を溶解させた。
上記の様に調製された固体状チタン触媒成分はヘキサンスラリーとして保存されるが、このうち一部を乾燥して触媒組成を調べた。固体状チタン触媒成分は、チタンを2重量%、塩素を57重量%、マグネシウムを21重量%およびDIBPを20重量%の量で含有していた。
遷移金属触媒成分180g、トリエチルアルミニウム30.9mL、ヘプタン120Lを内容量200Lの撹拌機付きオートクレーブに装入し、内温5℃に保ちプロピレンを1080g装入し、60分間撹拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、遷移金属触媒成分濃度で1.5g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この前重合触媒は遷移金属触媒成分1g当たりポリプロピレンを6g含んでいた。
内容量100Lの撹拌機付きベッセル重合器にプロピレンを110kg/h、水素を気相部の水素濃度が0.8mol%になるように供給した。(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として1.4g/h、トリエチルアルミニウム5.8ml/h、ジシクロペンチルジメトキシシラン2.7ml/hを連続的に供給した。重合温度73℃、圧力は3.2MPa/Gであった。
(1)および(2)は、製造例5と同様の方法で行った。
(3)本重合
内容量100Lの撹拌機付きベッセル重合器にプロピレンを110kg/h、水素を気相部の水素濃度が1.1mol%になるように供給した。製造例4(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として2.0g/h、トリエチルアルミニウム5.8ml/h、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン3.3ml/hを連続的に供給した。重合温度73℃、圧力は3.2MPa/Gであった。
製造例5で製造されたプロピレン単独重合体(H−1)100重量部に対し、熱安定剤IRGANOX1010(チバガイギー(株)商標)0.1重量部、熱安定剤IRGAFOS168(チバガイギー(株)商標)0.1重量部、ステアリン酸カルシウム(塩酸吸収剤)0.1重量部およびデグラ剤パーブチルP(日油(株)商標)0.065重量部をタンブラーにて混合後、二軸押出機にて溶融混練してペレット状のプロピレン単独重合体(H−3)を調製した。
同方向二軸混練機 : 品番 KZW31−30HG、(株)テクノベル製
混練温度 : 210℃
スクリュー回転数 : 300rpm
フィーダー回転数 : 120rpm
プロピレン単独重合体(A−1)85重量部、無水マレイン酸変性プロピレン系重合体(B−1)(ユーメックス1010(商標)、三洋化成(株)製(チーグラー・ナッタ触媒系プロピレン系重合体を変性、[η]=0.27dl/g、無水マレイン酸グラフト量=4.4wt%)5重量部、チョップドファイバー炭素繊維(C−1)(エポキシ樹脂サイジング)(HTA−C6−SR(商標)、東邦テナックス(株)製)10重量部、熱安定剤IRGANOX1010(商標、チバガイギー(株))0.1重量部、熱安定剤IRGAFOS168(商標、チバガイギー(株))0.1重量部およびステアリン酸カルシウム0.1重量部をタンブラーにて混合後、単軸押出機にて下記条件で溶融混練してペレット状の炭素繊維強化プロピレン系複合材料を調製した。得られた炭素繊維強化プロピレン系複合材料を射出成形機[品番 EC40、東芝機械(株)製]にて下記条件で成形品を得た。
成形品の物性を表2に示す。
単軸混練機 : 品番 ラボプラストミル10M100、東洋精機(株)製
混練温度 : 220℃
スクリュー回転数 : 60rpm
ペレット長 : 5mm程度
<射出成形条件>
射出成形機:品番 EC40、東芝機械(株)製
シリンダー温度:210℃
金型温度:40℃
プロピレン単独重合体(A−2)85重量部、無水マレイン酸変性プロピレン系重合体(B−1)(ユーメックス1010(商標)、三洋化成(株)製)5重量部、チョップドファイバー炭素繊維(C−1)(エポキシ樹脂サイジング)(HTA−C6−SR(商標)、東邦テナックス(株)製)10重量部、熱安定剤IRGANOX1010(商標、チバガイギー(株))0.1重量部、熱安定剤IRGAFOS168(商標、チバガイギー(株))0.1重量部およびステアリン酸カルシウム0.1重量部をタンブラーにて混合後、実施例1と同様に単軸押出機で溶融混練してペレット状の炭素繊維強化プロピレン系複合材料を調製し、射出成形機にて成形品を得た。
成形品の物性を表2に示す。
実施例2において、チョップドファイバー炭素繊維(C−1)(エポキシ樹脂サイジング)(HTA−C6−SR(商標)、東邦テナックス(株)製)10重量部の代わりに、チョップドファイバー炭素繊維(C−2)(ナイロン樹脂サイジング)(HTA−C6−N(商標)、東邦テナックス(株)製)10重量部を使用した以外は、実施例2と同様にして行った。
成形品の物性を表2に示す。
実施例2において、チョップドファイバー炭素繊維(C−1)(エポキシ樹脂サイジング)(HTA−C6−SR(商標)、東邦テナックス(株)製)10重量部の代わりに、チョップドファイバー炭素繊維(C−3)(ウレタン樹脂サイジング)(HTA−C6−US(商標)、東邦テナックス(株)製)10重量部を使用した以外は、実施例2と同様にして行った。
成形品の物性を表2に示す。
実施例1において、プロピレン単独重合体(A−1)85重量部の代わりに、製造例3で製造されたプロピレン単独重合体(A−3)85重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして行った。
成形品の物性を表2に示す。
プロピレン単独重合体(A−2)75重量部、無水マレイン酸変性プロピレン系重合体(B−1)(ユーメックス1010(商標)、三洋化成(株)製)5重量部、チョップドファイバー炭素繊維(C−1)(エポキシ樹脂サイジング)(HTA−C6−SR(商標)、東邦テナックス(株)製)20重量部、熱安定剤IRGANOX1010(商標、チバガイギー(株))0.1重量部、熱安定剤IRGAFOS168(商標、チバガイギー(株))0.1重量部およびステアリン酸カルシウム0.1重量部をタンブラーにて混合後、実施例1と同様に単軸押出機で溶融混練してペレット状の炭素繊維強化プロピレン系複合材料を調製し、射出成形機にて成形品を得た。
成形品の物性を表2に示す。
プロピレン単独重合体(A−2)90重量部、無水マレイン酸変性プロピレン系重合体(B−1)(ユーメックス1010(商標)、三洋化成(株)製)5重量部、チョップドファイバー炭素繊維(C−1)(エポキシ樹脂サイジング)(HTA−C6−SR(商標)、東邦テナックス(株)製)5重量部、熱安定剤IRGANOX1010(商標、チバガイギー(株))0.1重量部、熱安定剤IRGAFOS168(商標、チバガイギー(株))0.1重量部およびステアリン酸カルシウム0.1重量部をタンブラーにて混合後、実施例1と同様に単軸押出機で溶融混練してペレット状の炭素繊維強化プロピレン系複合材料を調製し、射出成形機にて成形品を得た。
成形品の物性を表2に示す。
プロピレン単独重合体(H−1)85重量部、無水マレイン酸変性プロピレン系重合体(B−1)(ユーメックス1010(商標)、三洋化成(株)製)5重量部、チョップドファイバー炭素繊維(C−1)(エポキシ樹脂サイジング)(HTA−C6−SR(商標)、東邦テナックス(株)製)10重量部、熱安定剤IRGANOX1010(商標、チバガイギー(株))0.1重量部、熱安定剤IRGAFOS168(商標、チバガイギー(株))0.1重量部およびステアリン酸カルシウム0.1重量部をタンブラーにて混合後、単軸押出機にて下記条件で溶融混練してペレット状の複合材料を調製した。得られた複合材料を射出成形機[品番 EC40、東芝機械(株)製]にて下記条件で成形品を得た。
成形品の物性を表3に示す。
単軸混練機 : 品番 ラボプラストミル10M100、東洋精機(株)製
混練温度 : 220℃
スクリュー回転数 : 60rpm
ペレット長 : 5mm程度
<射出成形条件>
射出成形機:品番 EC40、東芝機械(株)製
シリンダー温度:210℃
金型温度:40℃
比較例1においてプロピレン単独重合体(H−1)85重量部の代わりに、製造例5で製造されたプロピレン単独重合体(H−2)85重量部を使用した以外は、比較例1と同様に行った。
成形品の物性を表3に示す。
比較例1においてプロピレン単独重合体(H−1)85重量部の代わりに、製造例4で製造されたプロピレン単独重合体(A−4)85重量部を使用した以外は、比較例1と同様に行った。
成形品の物性を表3に示す。
比較例1においてプロピレン単独重合体(H−1)85重量部の代わりに、製造例7で製造されたプロピレン単独重合体(H−3)85重量部を使用した以外は、比較例1と同様に行った。
成形品の物性を表3に示す。
プロピレン単独重合体(H−2)75重量部、無水マレイン酸変性プロピレン系重合体(B−1)(ユーメックス1010(商標)、三洋化成(株)製)5重量部、チョップドファイバー炭素繊維(C−1)(エポキシ樹脂サイジング)(HTA−C6−SR(商標)、東邦テナックス(株)製)20重量部、熱安定剤IRGANOX1010(商標、チバガイギー(株))0.1重量部、熱安定剤IRGAFOS168(商標、チバガイギー(株))0.1重量部およびステアリン酸カルシウム0.1重量部をタンブラーにて混合後、比較例1と同様に単軸押出機で溶融混練してペレット状の複合材料を調製し、射出成形機にて成形品を得た。
成形品の物性を表3に示す。
プロピレン単独重合体(H−2)90重量部、無水マレイン酸変性プロピレン系重合体(B−1)(ユーメックス1010(商標)、三洋化成(株)製)5重量部、チョップドファイバー炭素繊維(C−1)(エポキシ樹脂サイジング)(HTA−C6−SR(商標)、東邦テナックス(株)製)5量部、熱安定剤IRGANOX1010(商標、チバガイギー(株))0.1重量部、熱安定剤IRGAFOS168(商標、チバガイギー(株))0.1重量部およびステアリン酸カルシウム0.1重量部をタンブラーにて混合後、比較例1と同様に単軸押出機で溶融混練してペレット状の複合材料を調製し、射出成形機にて成形品を得た。
成形品の物性を表3に示す。
プロピレン単独重合体(H−2)90重量部、チョップドファイバー炭素繊維(C−1)(エポキシ樹脂サイジング)(HTA−C6−SR(商標)、東邦テナックス(株)製)10重量部、熱安定剤IRGANOX1010(商標、チバガイギー(株))0.1重量部、熱安定剤IRGAFOS168(商標、チバガイギー(株))0.1重量部およびステアリン酸カルシウム0.1重量部をタンブラーにて混合後、比較例1と同様に単軸押出機で溶融混練してペレット状の複合材料を調製し、射出成形機にて成形品を得た。
成形品の物性を表3に示す。
Claims (7)
- メタロセン触媒の存在下で製造されたプロピレン系重合体(A)と、
チーグラー・ナッタ触媒の存在下で製造されたプロピレン系重合体(H)をエチレン性不飽和結合含有モノマーでグラフト変性して得られた変性プロピレン系重合体(B)と、
表面処理された炭素繊維(C)と
から形成され、下記要件(i)から(iv)を満たすことを特徴とする炭素繊維強化プロピレン系複合材料。
(i)該炭素繊維(C)の使用量が、プロピレン系重合体(A)、変性プロピレン系重合体(B)および炭素繊維(C)の合計中、1〜80重量%である。
(ii)メルトフローレート(MFR;230℃、2.16kgf)が0.1〜10g/10minである。
(iii)融点(Tm)が150℃以上である。
(iv)熱キシレンに溶かして加熱濾過し、アセトン中で再析出させた成分のZ平均分子量(Mz)が600,000以下である。 - さらに下記要件(v)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化プロピレン系複合材料。
(v)変性プロピレン系重合体(B)の使用量が、プロピレン系重合体(A)および変性プロピレン系重合体(B)の合計中、0.5〜40重量%である。 - 前記プロピレン系重合体(A)が下記要件(a−1)から(a−4)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の炭素繊維強化プロピレン系複合材料。
(a−1)メルトフローレート(MFR;230℃、2.16kgf)が1〜30g/10minである。
(a−2)分子量分布(Mw/Mn)が3.5未満である。
(a−3)90℃のo−ジクロロベンゼンに可溶な成分の量が1重量%以下である。
(a−4)融点(Tm)が150〜170℃である。 - 前記変性プロピレン系重合体(B)が、カルボキシル基、酸無水物基またはこれらの誘導体を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維強化プロピレン系複合材料。
- 前記表面処理が、エポキシ系ポリマー、ナイロン系ポリマーまたはウレタン系ポリマーを用いたサイジング処理であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維強化プロピレン系複合材料。
- 前記炭素繊維(C)が炭素繊維基布であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭素繊維強化プロピレン系複合材料。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の炭素繊維強化プロピレン系複合材料を成形して得られる成形体。
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