JP6581662B2 - オレフィン系樹脂、その製造方法、組成物、成形体および積層体 - Google Patents

オレフィン系樹脂、その製造方法、組成物、成形体および積層体 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン系樹脂、その製造方法、組成物および成形体に関するものであり、より詳しくは、特定の主鎖と側鎖とを有し、極性基を含有するグラフト型重合体を含む樹脂、その製造方法、それを用いた樹脂組成物、成形体および積層体に関する。
ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン樹脂は、生産に係るエネルギーが小さく、軽量かつリサイクル性にも優れることから、各産業界における、循環型社会を形成するための3R(Reduce、Reuse、Recycle)への取り組みのなかで、更に注目が高まっている。ポリオレフィン樹脂は、日用雑貨、台所用品、包装用フィルム、家電製品、機械部品、電気部品、自動車部品など、種々の分野で利用されている。
しかしながら、一般にポリオレフィン樹脂は分子中に極性基を含まないため、ナイロン、ポリエステル、アクリル樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)などの極性樹脂との相溶性に乏しく、また、極性樹脂や炭素繊維、ガラス、あるいは金属との接着性が低く、これらの材料とブレンドして利用したり、積層して利用したりすることが困難であるという問題があった。
この問題を解決するために、例えば特許文献1〜5に開示されるように、ポリオレフィンに極性基含有モノマーをグラフトして、極性樹脂との親和性を向上させる方法が広く行われている。さらに、柔軟性や耐熱性、接着性等の物性を改良するために変性ポリオレフィンと未変性ポリオレフィンとの組成物が提案されている。しかしながら、これらの方法は、用途等によっては柔軟性や耐熱性、接着性等のバランスにおいて十分とは言い難い。例えば特許文献6〜8に示されるように、エチレン−α−オレフィン共重合体変性物をオレフィン系エラストマーにブレンドさせることで、オレフィン系エラストマーの柔軟性を大きく損なうことなく接着性を付与させうるが、融点が低く耐熱性が低下する傾向となる。耐熱性の改良のためにシングルサイト触媒により製造した結晶性成分を有する組成物が特許文献9で提案されているが、密度が比較的高く柔軟性が十分とはいえない場合がある。さらに、2種以上の樹脂を混ぜて樹脂組成物にすることによる生産上の手間、コストが必要である。
特開昭50−4144号公報 特開昭52−49289号公報 WO07/114134号公報 特開2015−137343号公報 特開2010−116498号公報 特開平06−206946号公報 特開平09−235319号公報 特開平09−087603号公報 特開2010−248409号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、接着性が良く、柔軟でありながら耐熱性が高いといった物性バランスに優れるオレフィン系樹脂を提供することにある。さらに、当該オレフィン系樹脂を用いて、ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂などの各種熱可塑性樹脂の機械強度を向上させた樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、エチレン系共重合体から構成される主鎖と、結晶性のオレフィン系重合体から構成される側鎖を有する、極性基含有グラフト型重合体を含む樹脂を見出した。
当該樹脂は、直鎖構造のポリオレフィン樹脂の変性体では達成しえない柔軟性と耐熱性との両立がなされた接着性樹脂特性を与える。さらには、当該樹脂は、各種材料とのコンパウンド材や積層体等に好適に適用することが可能となることを本発明者らは見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[15]に関する。
[1] エチレン系共重合体から構成される主鎖(MC)およびオレフィン系重合体から構成される側鎖(SC)を有し、下記要件(i)および(ii)を満たし、極性基(P)を含む構造単位を含有するグラフト型重合体[GP]を含み、さらに
下記要件(I)および(II)を満たす、オレフィン系樹脂(β)。
(i)主鎖(MC)を構成するエチレン系共重合体が、エチレンから導かれる繰り返し単位と、炭素原子数3〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンから導かれる繰り返し単位とからなり、前記α-オレフィンから導かれる繰り返し単位の含有割合が主鎖(MC)に含まれる全繰り返し単位に対し10〜50mol%の範囲にある。
(ii)側鎖(SC)が、エチレン重合体から構成される側鎖(SE)またはプロピレン重合体から構成される側鎖(SP)である。
(I)極性基(P)を含む構造単位の含有量が、0.1〜10質量%の範囲にある。
(II)示差走査熱量分析(DSC)により測定される融点(Tm)が80℃〜170℃の範囲にあり、ガラス転移温度(Tg)が−80〜−30℃の範囲にある。
[2] 前記のグラフト型重合体[GP]が、下記要件(iii)および(iv)をさらに満たす、[1]に記載のオレフィン系樹脂(β)。
(iii)側鎖(SC)が、エチレン重合体から構成される側鎖(SE)であり、エチレンから導かれる繰り返し単位、および必要に応じて炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる繰り返し単位からなり、前記エチレンから導かれる単位の含有割合が側鎖(SE)に含まれる全繰り返し単位に対し95〜100mol%の範囲である。
(iv)前記側鎖(SE)を構成するエチレン重合体の重量平均分子量が、1000〜30000の範囲である。
[3] 前記のグラフト型重合体[GP]が、下記要件(v)および(vi)をさらに満たす、[1]に記載のオレフィン系樹脂(β)。
(v)側鎖(SC)が、プロピレン重合体から構成される側鎖(SP)であり、プロピレンから導かれる繰り返し単位、および必要に応じてエチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位からなり、前記プロピレンから導かれる単位の含有割合が側鎖(SP)に含まれる全繰り返し単位に対し95〜100mol%の範囲である。
(vi)前記側鎖(SP)を構成するプロピレン重合体の重量平均分子量が、5000〜100000の範囲である。
[4] 前記極性基(P)が、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、シラノール基、チオール基、ハロゲン含有基からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)。
[5] 下記(A)および/または(B)、(C)ならびに(D)の工程を含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)の製造方法。
(A)ジメチルシリルビスインデニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属の化合物[A]を含むオレフィン重合用触媒の存在下でプロピレンを重合し、末端不飽和ポリプロピレンを製造する工程
(B)フェノキシイミン配位子を有する周期表第4族または第5族の遷移金属の化合物[B]を含むオレフィン重合用触媒の存在下でエチレンを重合し、末端不飽和ポリエチレンを製造する工程
(C)周期表第4族の遷移金属化合物[C]を含むオレフィン重合用触媒の存在下で、工程(A)で製造される末端不飽和ポリプロピレンおよび/または工程(B)で製造される末端不飽和ポリエチレンと、エチレンと少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合し、グラフト型重合体[GP’]を含むオレフィン系樹脂(β’)を製造する工程
(D)工程(C)で製造されるオレフィン系樹脂(β’)に極性基(P)を含む構造単位を導入し、グラフト型重合体[GP]を含むオレフィン系樹脂(β)を製造する工程。
[6] 前記工程(D)が、工程(C)で製造されるオレフィン系樹脂(β’)を、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニル、ビニル基含有有機ケイ素化合物、またはカルボジイミド化合物にて変性させる工程である、[5]に記載のオレフィン系樹脂(β)の製造方法。
[7] [1]〜[4]のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)2〜95質量部と、該オレフィン系樹脂(β)以外の熱可塑性樹脂(α)5〜98質量部(ただし、オレフィン系樹脂(β)と該熱可塑性樹脂(α)との合計を100質量部とする)とを含む、オレフィン系樹脂組成物。
[8] [1]〜[4]のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)5〜95質量部と、該オレフィン系樹脂(β)以外の熱可塑性樹脂(α)5〜95質量部(ただし、オレフィン系樹脂(β)と該熱可塑性樹脂(α)との合計を100質量部とする)とを含む、オレフィン系樹脂組成物。
[9] [1]〜[4]のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)2〜30質量部と、ポリアミド樹脂(E2)60〜98質量部(ただし、オレフィン系樹脂(β)とポリアミド樹脂(E2)との合計を100質量部とする)とを含む、オレフィン系樹脂組成物。
[10] [1]〜[4]のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)2〜30質量部と、該オレフィン系樹脂(β)以外のオレフィン系樹脂0〜30質量部と、ポリエステル樹脂(E1)60〜98質量部(ただし、オレフィン系樹脂(β)と(β)以外のオレフィン系樹脂とポリエステル樹脂(E1)との合計を100質量部とする)とを含む、オレフィン系樹脂組成物。
[11] [1]〜[4]のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)2〜40質量部と、ポリフェニレンスルフィド樹脂(E4)60〜98質量部(ただし、オレフィン系樹脂(β)と、ポリフェニレンスルフィド樹脂(E4)との合計を100質量部とする)とを含む、オレフィン系樹脂組成物。
[12] [1]〜[4]のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)を含んでなる成形体。
[13] [7]〜[11]のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂組成物を含んでなる成形体。
[14] [1]〜[4]のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)を含む層を少なくとも1層含む積層体。
[15] [7]〜[11]のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂組成物を含む層を少なくとも1層含む積層体。
本発明によれば、接着性が良く、柔軟でありながら耐熱性が高いといった物性バランスに優れるオレフィン系樹脂を提供できる。また、当該オレフィン系樹脂を用いて、ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂などの各種熱可塑性樹脂の機械強度を向上させた樹脂組成物を提供できる。
図1は、実施例19〜24におけるポリアミド樹脂組成物の剛性と耐衝撃性とのバランスを示すグラフである。 図2は、実施例26〜29におけるポリアミド樹脂組成物の剛性と耐衝撃性とのバランスを示すグラフである。
以下、本発明に係るオレフィン系樹脂(β)、その製造方法、組成物および成形体について詳説する。
<オレフィン系樹脂(β)>
オレフィン系樹脂(β)は、グラフト型重合体[GP]を含む。グラフト型重合体[GP]は、エチレン系共重合体から構成される主鎖(MC)およびオレフィン系重合体から構成される側鎖(SC)を有し、要件(i)および(ii)を満たし、極性基(P)を含む構造単位を含有する。オレフィン系樹脂(β)は下記要件(I)および(II)を満たし、好ましくは下記要件(III)をさらに満たす。また、さらに好ましくは後述する要件(IV)および(V)のうちの何れか一つをさらに満たす。オレフィン系樹脂(β)は、オレフィン系重合体一種のみで構成されていてもよいし、二種以上のオレフィン系重合体から構成されていてもよい。
(I)極性基(P)を含む構造単位の含有量が、0.1〜10質量%の範囲にある。
(II)示差走査熱量分析(DSC)により測定される融点(Tm)が80℃〜170℃の範囲にあり、ガラス転移温度(Tg)が−80〜−30℃の範囲にある。
(III)135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5dl/gの範囲にある。
以下、グラフト型重合体[GP]および、上記要件(I)〜(III)について具体的に説明する。また、要件(IV)および(V)について後述する。
〔グラフト型重合体[GP]〕
オレフィン系樹脂(β)は、前記グラフト型重合体[GP]を必須の構成成分として含む。該グラフト型重合体[GP]は、エチレン系共重合体から構成される主鎖(MC)およびオレフィン系重合体から構成される側鎖(SC)を有し、要件(i)〜(ii)を満たし、極性基(P)を含む構造単位を含有する。
なお、本発明において「グラフト型重合体」という語は、主鎖に対し側鎖が1本以上結合したポリマーである。
グラフト型重合体[GP]は、極性基(P)を含む構造単位を含有するので、オレフィン系樹脂(β)は、各種樹脂や炭素繊維、ガラス、あるいは金属等の異種材料に対して高い接着性を示し、さらに各種樹熱可塑性樹脂材料に高い相溶性を示すため改質性能にも優れる。
なお、グラフト型重合体[GP]における極性基(P)を含む構造単位の好ましい含有量は、オレフィン系樹脂(β)に対する極性基(P)を含む構造単位の含有量および好ましい含有量と同様である。すなわち、グラフト型重合体[GP]は、極性基(P)を含む構造単位の含有量が、0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%、さらにより好ましくは0.2〜3質量%である。極性基(P)は、後述する要件(I)の項で挙げるものと同様である。
また、オレフィン系樹脂(β)は、グラフト型重合体[GP]の主鎖を構成するエチレン系共重合体が実質的に非晶性であることに起因して柔軟性や接着性に優れ、側鎖を構成するオレフィン系重合体が実質的に結晶性であることに起因して耐熱性が優れることから、オレフィン系樹脂(β)は耐熱性と柔軟性とのバランスに優れるという特徴を持つ。
なお、オレフィン系樹脂(β)は、グラフト型重合体[GP]以外の成分を含みうる。後述する製造方法によれば、工程(A)で製造される末端不飽和ポリプロピレン、および工程(B)で製造される末端不飽和ポリエチレンのうち一部は工程(C)で共重合されてグラフト型重合体[GP]の側鎖となるが、一部は工程(C)での共重合に寄与せず、すなわちグラフト型重合体[GP]の側鎖とならずにオレフィン系樹脂(β)に含まれうる。オレフィン系樹脂(β)全体において、グラフト型重合体[GP]の含まれる割合は5〜99質量%が好ましく、10〜99質量%がより好ましい。
グラフト型重合体[GP]は、前記の要件(i)および(ii)を満たす。また、グラフト型重合体[GP]は、好ましい態様として、次の態様(1)および(2)が挙げられる。
(1)側鎖(SC)が、エチレン重合体から構成される側鎖(SE)であり、グラフト型重合体[GP]が要件(iii)および(iv)をさらに満たす態様。
(2)側鎖(SC)が、プロピレン重合体から構成される側鎖(SP)であり、グラフト型重合体[GP]が要件(v)および(vi)をさらに満たす態様。
以下、これらの要件および好ましい態様について具体的に説明する。
〔要件(i)〕
主鎖(MC)を構成するエチレン系共重合体が、エチレンから導かれる繰り返し単位と、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位とからなり、前記α-オレフィンから導かれる繰り返し単位の含有割合が主鎖(MC)に含まれる全繰り返し単位に対し10〜50mol%の範囲にある。
グラフト型重合体[GP]の主鎖(MC)はエチレン系共重合体から構成され、グラフト型重合体[GP]において、接着剤として要求される柔軟性や改質材として要求される耐衝撃性等の低温特性を担う部位となる。そのような特性を担保するために、グラフト型重合体[GP]の主鎖は、エチレンから導かれる繰り返し単位と、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位とからなる。
ここでエチレン・α−オレフィン共重合体においてエチレンと共重合している炭素原子数3〜20のα−オレフィンの具体例としてはプロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等を挙げることができる。
より好ましくは、炭素原子数3〜10のα−オレフィンであり、さらより好ましくは炭素原子数3〜8のα−オレフィンである。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの直鎖状オレフィン、および4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等の分岐状オレフィンを挙げることができ、中でもプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが更に好ましい。エチレンと共重合する炭素原子数3〜20のα−オレフィンとして1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、または1−オクテンを用いることで、最も接着樹脂として適した柔軟性を有し、熱可塑性樹脂に配合した場合、剛性と耐衝撃性との物性バランスが良好な樹脂組成物が得られる。
グラフト型重合体[GP]の主鎖中のエチレンから導かれる繰り返し単位の割合は、主鎖に含まれる全繰り返し単位に対し好ましくは50〜90mol%、より好ましくは60〜90mol%、より好ましくは65〜90mol%の範囲である。また、α−オレフィンから導かれる繰り返し単位の割合は主鎖に含まれる全繰り返し単位に対し10〜50mol%、好ましくは10〜40mol%、より好ましくは10〜35mol%の範囲である。なお「主鎖中」とは、主鎖に含まれる全繰り返し単位を100モル%とした際の割合を意味する。
主鎖中のエチレンから導かれる繰り返し単位およびα−オレフィンから導かれる繰り返し単位の割合が上記範囲にあることで、オレフィン系樹脂(β)は接着樹脂として適した柔軟性を有し、さらに低温特性に優れた性質となるので、オレフィン系樹脂(β)を含む樹脂組成物は低温耐衝撃性に優れる。
主鎖中のエチレンから導かれる繰り返し単位およびα−オレフィンから導かれる繰り返し単位のモル比は、主鎖を製造する工程で重合反応系中に存在させるエチレンの濃度とα−オレフィンの濃度との割合を制御することにより調整できる。主鎖を製造する工程は、後述する製造方法においては工程(C)である。
なお、主鎖に含まれるα−オレフィンから導かれる繰り返し単位のモル比(mol%)、すなわち主鎖中のα−オレフィン組成は、例えば、後述する末端不飽和ポリプロピレンあるいは末端不飽和ポリエチレンを含まない条件下で得られるエチレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフィン組成を常法により求めることや、オレフィン系樹脂(β)のα−オレフィン組成から末端不飽和ポリプロピレンや末端不飽和ポリエチレン、側鎖(SC)に由来する影響を差し引くことから求められる。
〔要件(ii)〕
側鎖(SC)が、エチレン重合体から構成される側鎖(SE)またはプロピレン重合体から構成される側鎖(SP)である。
〔要件(iii)〕
側鎖(SC)が、エチレン重合体から構成される側鎖(SE)であり、エチレンから導かれる繰り返し単位、および必要に応じて炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる繰り返し単位からなり、前記エチレンから導かれる単位の含有割合が側鎖(SE)に含まれる全繰り返し単位に対し95〜100mol%の範囲である。前記エチレンから導かれる単位の含有割合は、さらに好ましくは98〜100mol%、より好ましくは99.5〜100mol%である。
炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、要件(i)の項で挙げたものと同様である。エチレンから導かれる単位の含有割合が上記範囲にあることによって、側鎖(SE)は結晶性のエチレン重合体鎖となる。側鎖(SE)が結晶性であることによりオレフィン樹脂(β)はべたつきが低減されハンドリングに優れる。さらにオレフィン樹脂は接着樹脂として耐熱性に優れ、適度な弾性率を備える。さらに、熱可塑性樹脂と配合した場合、剛性と低温耐衝撃性のバランスにおいても優れる。なお「側鎖(SE)中」とは、側鎖(SE)に含まれる全繰り返し単位を100モル%とした際の割合を意味する。
〔要件(iv)〕
側鎖(SE)を構成するエチレン重合体の重量平均分子量が、1000〜30000の範囲にある。好ましくは1000〜10000の範囲である。
側鎖(SE)を構成するエチレン重合体の重量平均分子量が1000を下回ると、側鎖(SE)に由来する融点が低下し、オレフィン系樹脂(β)の耐熱性が低下するとともに、該結晶成分が形成する物理架橋点の脆弱化により、機械物性に劣る重合体となるおそれがある。
一方、側鎖(SE)を構成するエチレン重合体の重量平均分子量が30000を上回ると、主鎖(MC)にあたるエチレン系共重合体部位からなる非晶もしくは低結晶成分の相対量が低下するため、重合体全体として柔軟性が確保できないおそれがある。
なお、側鎖(SE)を構成するエチレン重合体の重量平均分子量は、GPCにおける低分量側の溶出成分として分離された側鎖(SE)に相当するエチレン重合体(マクロモノマー)、または予め合成された、側鎖(SE)に相当するエチレン重合体(マクロモノマー)のGPC分析を行うこと、すなわち工程(B)で生成する末端不飽和ポリエチレンの重量平均分子量をGPC測定することで求められる。
側鎖(SE)を構成するエチレン重合体の重量平均分子量の調整としては、後述する末端不飽和ポリエチレン生成用触媒に用いる遷移金属化合物の種類を変更する方法や、重合条件を調整する方法が挙げられる。
〔要件(v)〕
側鎖(SC)が、プロピレン重合体から構成される側鎖(SP)であり、プロピレンから導かれる繰り返し単位、および必要に応じてエチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる繰り返し単位からなり、前記プロピレンから導かれる単位の含有割合が側鎖(SP)に含まれる全繰り返し単位に対し95〜100mol%の範囲である。前記プロピレンから導かれる単位の含有割合は、好ましくは99.5〜100mol%である。すなわち、側鎖(SP)においては、その役割と特徴を損なわない範囲でエチレンおよびプロピレン以外のα−オレフィンが少量共重合されていてもよい。炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、要件(i)の項で炭素原子数3〜20のα−オレフィンとして挙げたプロピレン以外のα−オレフィンと同様である。プロピレンから導かれる単位の含有割合が上記範囲にあることによって、側鎖(SP)は結晶性のプロピレン重合体鎖となる。側鎖(SP)が結晶性であることによりオレフィン樹脂(β)はハンドリングに優れ、耐熱性と適度な弾性率を示す。さらに、熱可塑性樹脂と配合した場合、剛性と低温耐衝撃性のバランスにおいても優れる。なお「側鎖(SP)中」とは、側鎖(SP)に含まれる全繰り返し単位を100モル%とした際の割合を意味する。
〔要件(vi)〕
側鎖(SP)を構成するプロピレン重合体の重量平均分子量が、5000〜100000の範囲である。好ましくは5000〜60000、さらに好ましくは5000〜25000の範囲である。
グラフト型重合体[GP]の側鎖(SP)を構成するプロピレン重合体の重量平均分子量が上記範囲にあることで、オレフィン樹脂(β)は接着剤として柔軟でありながら耐熱性が高いといった物性バランスに優れ、熱可塑性樹脂と配合した場合は機械物性と成形性とのバランスに優れる。
グラフト型重合体[GP]の側鎖(SP)を構成するプロピレン重合体の重量平均分子量が5000より小さいと、オレフィン系樹脂(β)において、耐熱性の低下や熱可塑性樹脂と配合した場合は樹脂組成物の伸びや耐衝撃性が低下する場合がある。
グラフト型重合体[GP]の側鎖(SP)を構成するプロピレン重合体の重量平均分子量が100000より大きいと、オレフィン系樹脂(β)において、成形時における流動性が悪くなり、加工性の悪化の原因となる場合がある。また、非晶もしくは低結晶成分の相対量が低下するため柔軟性が低下したり、熱可塑性樹脂と配合した場合は樹脂組成物の伸びや耐衝撃性が低下する場合がある。
なお、側鎖(SP)を構成するプロピレン重合体の重量平均分子量は、工程(A)で生成する末端不飽和ポリプロピレンの重量平均分子量を常法にて測定することで求めることができる。例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる前記末端不飽和ポリプロピレンのポリプロピレン換算の重量平均分子量を、側鎖を構成するプロピレン重合体の重量平均分子量として用いことが出来る。
側鎖(SP)を構成するプロピレン重合体の重量平均分子量の調整方法としては、後述する製造工程(A)において、重合温度や重合圧力を調整する方法が挙げられる。
〔要件(I)〕
オレフィン系樹脂(β)は、極性基(P)を含む構造単位の含有量が、0.1〜10質量%の範囲にある。
極性基(P)としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、シラノール基、チオール基、ハロゲン含有基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。中でも、カルボキシル基、水酸基が好ましく、カルボキシル基が最も好ましい。
極性基(P)を含む構造単位としては、具体的には、後述する工程(D)の項で挙げる極性基(P)を含む構造単位を付与する化合物から導かれる構造単位が例示される。
極性基(P)を含む構造単位の含有量は、0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%である。
極性基(P)を含む構造単位の含有量が0.1質量%未満では積層基材の接着強度や熱可塑性樹脂との親和性が劣り、10質量%を超える濃度では、組成物中にゲルが生じるおそれがあり、かつ経済的でない。
極性基(P)を含む構造単位の含有量は、一般的には、実施例の項に記載したように、1H−NMRやIR(赤外吸収スペクトル)によって評価することができる。あるいは、元素分析による評価や、酸または塩基による滴定による評価も可能である。
極性基(P)を含む構造単位の含有量をかかる範囲とするには、後述する製造工程(D)において、ラジカル開始剤の存在下にて反応を実施する方法が挙げられる。
〔要件(II)〕
オレフィン系樹脂(β)は、示差走査熱量分析(DSC)において、80〜170℃の範囲に融点(Tm)がある。すなわち、オレフィン系樹脂(β)は、示差走査熱量分析(DSC)により測定される融解ピークを80〜170℃の範囲に有する。また、ガラス転移温度(Tg)が−80〜−30℃の範囲にある。
上記融解ピークが現れる温度、すなわち融点(Tm)は、試料をDSCにより一度昇温工程により融解させた後、30℃までの冷却工程により結晶化させ、2度目の昇温工程(昇温速度10℃/分)で現れる吸熱ピークを解析したものである。
上述した好ましい態様(1)において、側鎖(SE)に起因する融点は、通常80〜130℃の範囲に観測される。主鎖(MC)が非晶であり側鎖(SE)に起因する融点が当該範囲にあることで、オレフィン系樹脂(β)は低温でのヒートシール性(接着強度等)を維持しながら耐熱性に優れた接着樹脂となる。融点が80℃より低い場合は十分な耐熱性を付与することができないおそれが生じる。また、オレフィン系樹脂(β)において、グラフト型重合体[GP]の側鎖(SE)由来の上記性質を持つことによって、樹脂のベタつきを抑える効果が得られると考えられる。側鎖(SE)に起因する融点を上記範囲に調整する方法として、後述する製造工程(B)において、重合温度や重合圧力を調整する方法が挙げられる。
上述した好ましい態様(2)において、側鎖(SP)に起因する融点は、通常100〜170℃の範囲に観測される。側鎖(SE)に起因する融点が当該範囲にあることで、オレフィン系樹脂(β)は低温でのヒートシール性(接着強度等)を維持しながら耐熱性に優れた接着樹脂となる。融点が100℃より低い場合は十分な耐熱性を付与することができないおそれが生じる。側鎖(SP)に起因する融点を上記範囲に調整する方法として、後述する製造工程(A)において、重合温度や重合圧力を調整する方法が挙げられる。
ガラス転移温度(Tg)は、−80〜−30℃、より好ましくは−80〜−50℃、特に好ましくは−75℃〜−55℃である。
ガラス転移温度(Tg)は、主にグラフト型重合体[GP]の主鎖(MC)を構成するエチレン系共重合体の性質に起因する。ガラス転移温度(Tg)が、−80℃〜−30℃の範囲にあることにより、オレフィン系樹脂(β)を含んだ樹脂組成物は、耐衝撃性を良好に発現する。
前記範囲のガラス転移温度(Tg)は、主鎖(MC)を構成するエチレン系共重合体に含まれるα−オレフィン構成単位の種類や組成を制御することで得ることができる。
〔要件(III)〕
オレフィン系樹脂(β)は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gの範囲にある。前記極限粘度[η]は、好ましくは1.0〜4.0dl/g、さらに好ましくは1.0〜3.0dl/gである。前記極限粘度[η]が前記範囲にあることにより、オレフィン系樹脂(β)を含んだ樹脂組成物は、耐衝撃性に加え、良好な剛性や機械強度を有し、さらに良好な成形加工性も有する。
〔要件(IV)〕
オレフィン系樹脂(β)に含まれるエチレン重合体の割合が好ましくは2〜60質量%、より好ましくは3〜40質量%、さらにより好ましくは5〜30質量%である。エチレン重合体の割合が前記の範囲にあることで、オレフィン系樹脂(β)は、樹脂のベタつきを抑える効果が得られると考えられる。
ここで、オレフィン系樹脂(β)に含まれるエチレン重合体とは、後述する製造方法によれば工程(B)において製造される末端不飽和ポリエチレンに由来する重合体あるいは側鎖に相当し、すなわち、工程(C)において共重合された側鎖(SE)と、主鎖に取り込まれなかったポリエチレン直鎖状ポリマーとの総和を示す。
オレフィン系樹脂(β)に含まれるエチレン重合体の割合は、たとえば、後述する重合工程(B)に用いる末端不飽和ポリエチレンの重量と、得られたオレフィン系樹脂(β)の重量の比率から求められる。
〔要件(V)〕
オレフィン系樹脂(β)に含まれるプロピレン系重合体の割合が好ましくは2〜60質量%、さらに好ましくは5〜55質量%、さらにより好ましくは5〜50質量%である。
ここで、オレフィン系樹脂(β)に含まれるプロピレン系重合体とは、後述する製造方法によれば工程(A)において製造される末端不飽和ポリプロピレンに由来する重合体あるいは側鎖に相当し、すなわち、工程(C)において共重合された側鎖(SP)と、主鎖に取り込まれなかったポリプロピレン直鎖状ポリマーとの総和を示す。
オレフィン系樹脂(β)に含まれるプロピレン系重合体割合は、たとえば、後述する重合工程(A)に用いる末端不飽和ポリプロピレンの重量と、得られたオレフィン系樹脂(β)の重量の比率から求められる。
<オレフィン系樹脂(β)の製造方法>
オレフィン系樹脂(β)は、たとえば下記(A)および/または(B)、(C)ならびに(D)の各工程を含む製造方法により製造される。
(A)ジメチルシリルビスインデニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属の化合物[A]を含むオレフィン重合用触媒の存在下でプロピレンを重合し、末端不飽和ポリプロピレンを製造する工程
(B)フェノキシイミン配位子を有する周期表第4族または第5族の遷移金属の化合物[B]を含むオレフィン重合用触媒の存在下でエチレンを重合し、末端不飽和ポリエチレンを製造する工程
(C)周期表第4族の遷移金属化合物[C]を含むオレフィン重合用触媒の存在下で、工程(A)で製造される末端不飽和ポリプロピレンおよび/または工程(B)で製造される末端不飽和ポリエチレンと、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合し、グラフト型重合体[GP’]を含むオレフィン系樹脂(β’)を製造する工程
(D)工程(C)で製造されるオレフィン系樹脂(β’)に極性基(P)を含む構造単位を導入し、グラフト型重合体[GP]を含むオレフィン系樹脂(β)を製造する工程。
なお、工程(B)と工程(C)は同時に行ってもよい。工程(B)と工程(C)とを同時に行えるのは、フェノキシイミン配位子を有する周期表第4族または第5族の遷移金属の化合物[B]を含むオレフィン重合用触媒は、エチレンとα−オレフィン等のコモノマーとが共存する条件下においても、エチレンを選択的に重合し、末端不飽和ポリエチレンを生成できるからであり、工程(B)と工程(C)とを同時に行うことは、製造工程の簡略化の上でも好ましい。
以下、(A)、(B)、(C)および(D)の工程について順に説明する。
〔工程(A)〕
工程(A)は、グラフト型重合体[GP]のプロピレン重合体から構成される側鎖(SP)の原料となる末端不飽和ポリプロピレンを製造する工程である。
本工程は、ジメチルシリルビスインデニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属の化合物[A](以下、遷移金属化合物[A]ともいう)の存在下で、プロピレンを重合し末端不飽和ポリプロピレンを製造する工程である。
末端不飽和ポリプロピレンとは、下記末端構造(I)〜(IV)で表される不飽和末端をもつポリプロピレンを意味する。末端構造(I)〜(IV)における「Poly」は、末端構造と、該末端構造以外のプロピレン重合体分子鎖との結合位置を示す。
Figure 0006581662


















前記末端不飽和ポリプロピレンにおける不飽和末端の割合は1000炭素原子あたり通常0.1〜10であるが、より好ましくは0.4〜5.0である。さらに、一般的に末端ビニルと呼ばれる末端構造(I)で表される不飽和末端割合は炭素原子1000個あたり、通常0.1〜2.0個であるが、好ましくは、0.2〜2.0個の範囲にある。
前記不飽和末端の定量は、末端不飽和ポリプロピレンの末端構造を1H−NMRで決定することにより求められる。1H−NMRは常法に従って測定すればよい。末端構造の帰属は、Macromolecular Rapid Communications 2000, 1103等に記載の方法に従って行うことができる。
例えば、末端構造(I)の場合、δ4.9〜5.1(2H)の積分値A、プロピレン重合体に由来する全積分値をBとすると、1000炭素原子あたりの末端構造(I)の割合は1000×(A/2)/(B/2)の式で求められる。他の末端構造の割合を求める場合も、水素の比に注意しながら各構造に帰属されるピークの積分値に置き換えればよい。
前記不飽和末端のうち末端構造(I)の占める割合は通常、30%以上であり、好ましくは50%以上、より好ましく60%以上である。なお、前述の不飽和末端のうち末端構造(I)の占める割合は、末端不飽和ポリプロピレンに含まれる1000炭素原子あたりに存在する前述の末端構造 (I)〜(IV)のそれぞれの個数の和に対する、1000炭素原子あたりに存在する末端構造 (I)の個数の比を百分率で表したものである。
遷移金属化合物[A]は後述する化合物[D]と組み合わせて末端不飽和ポリプロピレンを製造する重合触媒として機能する。
末端不飽和ポリプロピレンを製造するオレフィン重合用触媒としては、Resconi, L. JACS 1992, 114, 1025−1032などで古くから知られているが、グラフト型重合体[GP]の側鎖としては、アイソタクチック又はシンジオタクチックな末端不飽和ポリプロピレン、より好ましくはアイソタクチックな末端不飽和ポリプロピレンが好適である。
このような高立体規則性かつ、末端構造(I)を持つ末端不飽和ポリプロピレン含量の高いポリプロピレンを製造するのに用いられるオレフィン重合用触媒に含まれる遷移金属化合物[A]としては、特開平6−100579、特表2001−525461、特開2005−336091、特開2009−299046、特開平11−130807、特開2008−285443等により開示されている化合物を好適に用いることができる。
上記遷移金属化合物[A]としてより具体的には、架橋ビス(インデニル)ジルコノセン類又はハフノセン類からなる群から選択される化合物を好適な例として挙げることができる。より好ましくは、ジメチルシリル架橋ビス(インデニル)ジルコノセン又はハフノセンである。さらに好ましくは、ジメチルシリル架橋ビス(インデニル)ジルコノセンであり、ジルコノセンを選択することで、末端不飽和ポリプロピレンの挿入反応により生じる長鎖分岐ポリマーの生成が抑制され、オレフィン系樹脂(β)は接着樹脂としての耐熱性、熱可塑性樹脂と配合した場合の物性バランスを発現する。一方、工程(A)において前記長鎖分岐ポリマーが多く生成される場合、オレフィン系樹脂(β)は耐熱性の悪化や熱可塑性樹脂と配合した場合に剛性を損なうおそれがある。
より具体的には、ジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド又はジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチルを好適な化合物として用いることができる。
工程(A)は、気相重合、スラリー重合、バルク重合、溶液(溶解)重合のいずれの方法においても実施可能であり、特に重合形態は限定されない。
工程(A)が、溶液重合で実施される場合、重合溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素などが挙げられる。具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられ、これら重合溶媒は1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。なお、これらのうち、後処理工程の負荷低減の観点から、ヘキサンが好ましい。
また、工程(A)の重合温度は、通常50℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃の範囲、より好ましくは、80℃〜130℃の範囲であり、重合温度を適切にコントロールすることで、所望の分子量及び立体規則性の末端不飽和ポリプロピレンを得ることが可能となる。
工程(A)の重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。本発明ではこのうち、モノマーを連続して反応器に供給して重合を行う方法を採用することが好ましい。
反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常0.5分間〜5時間、好ましくは5分間〜3時間である。
工程(A)における、ポリマー濃度は、定常運転時は、5〜50wt%であり、好ましくは、10〜40wt%である。重合能力における粘度制限、後処理工程(脱溶媒)の負荷及び生産性の観点から、15〜50wt%であることが好ましい。
工程(A)にて製造される末端不飽和ポリプロピレンの重量平均分子量は、5000〜100000の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは5000〜60000、さらにより好ましくは5000〜25000の範囲である。前記範囲の重量平均分子量を有する末端不飽和ポリプロピレンであることにより、後述する工程(C)において、末端不飽和ポリプロピレンのモル濃度をエチレンあるいはα−オレフィンに対して相対的に高めることができ、主鎖への導入効率が高くなる。一方、上記範囲を上回る場合、末端不飽和ポリプロピレンのモル濃度が相対的に低くなり、主鎖への導入効率が低くなる。また、上記範囲を下回る場合、融点が低下など実用上の問題がある。
工程(A)にて製造される末端不飽和ポリプロピレンの分子量分布(Mw/Mn)は、1.5〜3.0、典型的には1.7〜2.5程度である。場合によっては、異なる分子量を有する側鎖の混合物を用いてもよい。
工程(A)において製造される末端不飽和ポリプロピレンの1H−NMRにて測定する不飽和末端の割合は、1000炭素原子あたり通常0.1〜10個であるが、より好ましくは0.4〜5.0個である。さらに末端構造(I)を持つ不飽和末端の割合、いわゆる末端ビニル量は、炭素原子1000個あたり、通常0.1〜2.0個であるが、好ましくは、0.4〜2.0個の範囲にある。末端ビニル量が少ない場合、後工程(B)における当該末端不飽和ポリプロピレンの主鎖への導入量が低くなり、グラフト型オレフィンポリマーの生成量が少なくなるため所望の効果が得られない場合がある。
1H−NMR測定による不飽和末端の量および各末端構造の割合の算出は、前述したとおり、例えばMacromolecular Rapid Communications 2000, 1103に記載の方法に従って行うことができる。
〔工程(B)〕
工程(B)は、グラフト型重合体[GP]のエチレン重合体から構成される側鎖(SE)の原料となる末端不飽和ポリエチレンを製造する工程である。
本工程は、フェノキシイミン配位子を有する周期表第4族または第5族の遷移金属の化合物[B](以下、錯体[B]ともいう)を含むオレフィン重合用触媒の存在下で、エチレンを重合し、末端不飽和ポリエチレンを製造する工程である。
ここで、末端不飽和ポリエチレンとは、ポリマー鎖の片末端にビニル基をもつポリエチレンを含むものであり、前記末端不飽和ポリエチレンは、片末端にビニル基をもつポリエチレンを、通常は60%以上、好ましくは70%、さらに好ましくは、80%以上、さらにより好ましくは、90%以上含む。末端不飽和ポリエチレンは、ポリマー鎖の片末端にビニル基をもつポリエチレン以外に、ビニレン基やビニリデン基等の不飽和炭素−炭素結合を有するポリエチレンや両末端飽和ポリエチレンを含む場合がある。末端ビニル率(全不飽和炭素-炭素結合に対するビニル基数の割合)は、通常は60%以上、好ましくは70%、さらに好ましくは、80%以上、さらにより好ましくは、90%以上である。
末端不飽和ポリエチレンにおける末端ビニル基の割合は1000炭素原子あたり、通常0.1〜30個であるが、好ましくは、0.5〜20個の範囲、さらに好ましくは、1.0〜10個の範囲にある。前記ビニル基率および末端不飽和ポリエチレンにおける末端ビニル基の割合は、1H−NMR測定によるポリマー構造解析により常法にて算出することが出来る。
錯体[B]としてより具体的には、下記一般式[B0],[B1],[B2]で表わされる錯体が挙げられる。
錯体[B]は後述する化合物[D]と組み合わせて末端不飽和ポリエチレンを製造する重合触媒として機能する。
Figure 0006581662



(一般式[B0]中、Mは周期表第4または5族の遷移金属の原子を示し、mは1〜4の整数を示し、R1は、炭素原子数1〜20の非環式炭化水素基(Cn'2n'+1,n'=1〜20)または水素原子を示し、R2〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR2〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合には、互いに同一であっても、異なっていてもよく、また、Xで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
Figure 0006581662








(一般式[B1]中、Mは周期表第4〜5族の遷移金属の原子を示し、mは1〜4の整数を示し、R1は、1つまたは複数の置換基を有していてもよい3〜10員環の脂環式炭化水素基を示し、R2〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR2〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。なお、nが2以上の場合には、互いに同一であっても、異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
Figure 0006581662



(一般式[B2]中、Mは周期表第4〜5族の遷移金属の原子を示し、mは1〜4の整数を示し、R1は、1つまたは複数の置換基を有していてもよい炭素原子数4〜20の少なくとも1つ以上の炭素を共有する2環性脂肪族炭化水素基であり、R2〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR2〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合には、互いに同一であっても、異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
以下、本発明で用いられる錯体[B]の化学構造上の特徴について説明する。
錯体[B]は、下記一般式[B0],[B1],[B2]で表される錯体である。
Figure 0006581662




一般式[B0]中、N……Mは、一般的には配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。
一般式[B0]において、Mは周期表第4または5族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどであり、好ましくは周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウムであり、より好ましくはジルコニウムである。
mは1〜4の整数を示し、好ましくは1〜2であり、特に好ましくは2である。
1は、炭素原子数1〜20の非環式炭化水素基(Cn'2n'+1,n'=1〜20)または水素原子を示す。好ましくは、炭素原子数1〜10の直鎖炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。これらの中では、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。R1として、より好ましくは、メチル基、エチル基、及び水素原子である。
2〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR2〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル基、プロパルギル基など炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基などの炭素原子数5〜30の環状不飽和炭化水素基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;トリル基、イソプロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジ−t−ブチルフェニル基などのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、たとえば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、たとえば、ベンジル基、クミル基などのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を有していてもよい。
これらのうち、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが好ましい。
酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基としては、上記例示したものと同様のものが挙げられる。ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基など、具体的には、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基などが挙げられる。これらの中では、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基などが好ましい。特にトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基が好ましい。炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシ基などが挙げられる。
ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムおよびスズに置換したものが挙げられる。
次に上記で説明したR2〜R6の例について、より具体的に説明する。アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられる。
アルキルチオ基として具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられる。アリーロキシ基として具体的には、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基などが挙げられる。アリールチオ基として具体的には、フェニルチオ基、メチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
アシル基として具体的には、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基などが挙げられる。エステル基として具体的には、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、p−クロロフェノキシカルボニル基などが挙げられる。
チオエステル基として具体的には、アセチルチオ基、ベンゾイルチオ基、メチルチオカルボニル基、フェニルチオカルボニル基などが挙げられる。アミド基として具体的には、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基などが挙げられる。イミド基として具体的には、アセトイミド基、ベンズイミド基などが挙げられる。アミノ基として具体的には、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。
イミノ基として具体的には、メチルイミノ基、エチルイミノ基、プロピルイミノ基、ブチルイミノ基、フェニルイミノ基などが挙げられる。スルホンエステル基として具体的には、スルホン酸メチル基、スルホン酸エチル基、スルホン酸フェニル基などが挙げられる。スルホンアミド基として具体的には、フェニルスルホンアミド基、N−メチルスルホンアミド基、N−メチル−p−トルエンスルホンアミド基などが挙げられる。
6としては特に、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の分岐状アルキル基、より好ましくはこれらの基の水素原子を炭素原子数が6〜20のアリール基で置換した基であるフェニルエチル基、ジフェニルメチル基、クミル基、ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基、更にアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基から選ばれる基であることが好ましく、あるいはフェニル、ナフチル、フルオレニル、アントラニル、フェナントリルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基、または炭化水素置換シリル基であることも好ましい。
2〜R6は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは互いに隣接する2個以上の基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。また、mが2以上の場合には、R2〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。さらに、mが2以上の場合にはR1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。
nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。なお、nが2以上の場合には、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基としては、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、アイコシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアリールアルキル基;フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などのアリール基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの炭化水素基には、ハロゲン化炭化水素、具体的には炭素原子数1〜20の炭化水素基の少なくとも一つの水素がハロゲンに置換した基も含まれる。
これらのうち、炭素原子数が1〜20のものが好ましい。
ヘテロ環式化合物残基としては、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。
酸素含有基としては、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基などのアリーロキシ基;フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基などのアリールアルコキシ基;アセトキシ基;カルボニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イオウ含有基としては、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、メチルスルフォネート基、トリフルオロメタンスルフォネート基、フェニルスルフォネート基、ベンジルスルフォネート基、p−トルエンスルフォネート基、トリメチルベンゼンスルフォネート基、トリイソブチルベンゼンスルフォネート基、p−クロルベンゼンスルフォネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフォネート基などのスルフォネート基;メチルスルフィネート基、フェニルスルフィネート基、ベンジルスルフィネート基、p−トルエンスルフィネート基、トリメチルベンゼンスルフィネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート基などのスルフィネート基;アルキルチオ基;アリールチオ基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
窒素含有基として具体的には、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、アミノ基;メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基などのアルキルアミノ基;フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナフチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ホウ素含有基として具体的には、BR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられる。リン含有基として具体的には、トリメチルホスフィン基、トリブチルホスフィン基、トリシクロヘキシルホスフィン基などのトリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン基、トリトリルホスフィン基などのトリアリールホスフィン基;メチルホスファイト基、エチルホスファイト基、フェニルホスファイト基などのホスファイト基(ホスフィド基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ケイ素含有基として具体的には、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、フェニルシリル基、ジフェニルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基などの炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテル基などの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチル基などのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニル基などのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
ゲルマニウム含有基として具体的には、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した基が挙げられる。スズ含有基として具体的には、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、より具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基が挙げられる。
ハロゲン含有基として具体的には、PF6、BF4などのフッ素含有基、ClO4、SbCl6などの塩素含有基、IO4などのヨウ素含有基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルミニウム含有基として具体的には、AlR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0006581662


一般式[B1]中、N……Mは、一般的には配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。
一般式[B1]において、Mは周期表第4〜5族の遷移金属を示し、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルであり、好ましくは4族の金属原子であり、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウムであり、より好ましくはジルコニウムである。
mは1〜4の整数を示し、好ましくは1〜2であり、特に好ましくは2である。
1は、1つまたは複数の置換基を有していてもよい3〜10員環の脂環式炭化水素基を示す。脂環式炭化水素基として具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
1の置換基としては特に制限はないが、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基から選ばれる基であるか、それらの基を含有する炭化水素基または炭化水素置換シリル基が挙げられる。
上記R1に有していても良い置換基として、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ブトキシメチル基、フェノキシメチル基、エトキシエチル基、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ニトロメチル基、ニトロエチル基、シアノメチル基、シアノエチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、などが挙げられる。
上記R1の置換基を2つ以上有する3〜5員環の脂環式炭化水素基においては、2つ以上の置換基の位置に特に制限はない。
2〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR2〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル基、プロパルギル基など炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基などの炭素原子数5〜30の環状不飽和炭化水素基;フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;トリル基、イソプロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジ−t−ブチルフェニル基などのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、たとえば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、たとえば、ベンジル基、クミル基などのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を有していてもよい。
これらのうち、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが好ましい。
酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基としては、上記例示したものと同様のものが挙げられる。ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基など、具体的には、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基などが挙げられる。これらの中では、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基などが好ましい。特にトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基が好ましい。炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシなどが挙げられる。
ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムおよびスズに置換したものが挙げられる。
次に上記で説明したR2〜R6の例について、より具体的に説明する。アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられる。
アルキルチオ基として具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられる。アリーロキシ基として具体的には、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基などが挙げられる。アリールチオ基として具体的には、フェニルチオ基、メチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
アシル基として具体的には、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基などが挙げられる。エステル基として具体的には、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、p−クロロフェノキシカルボニル基などが挙げられる。
チオエステル基として具体的には、アセチルチオ基、ベンゾイルチオ基、メチルチオカルボニル基、フェニルチオカルボニル基などが挙げられる。アミド基として具体的には、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基などが挙げられる。イミド基として具体的には、アセトイミド基、ベンズイミド基などが挙げられる。
アミノ基として具体的には、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。イミノ基として具体的には、メチルイミノ基、エチルイミノ基、プロピルイミノ基、ブチルイミノ基、フェニルイミノ基などが挙げられる。スルホンエステル基として具体的には、スルホン酸メチル基、スルホン酸エチル基、スルホン酸フェニル基などが挙げられる。
スルホンアミド基として具体的には、フェニルスルホンアミド基、N−メチルスルホンアミド基、N−メチル−p−トルエンスルホンアミド基などが挙げられる。本発明では、R6としては特に、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の分岐状アルキル基、より好ましくはこれらの基の水素原子を炭素原子数が6〜20のアリール基で置換した基であるフェニルエチル基、ジフェニルメチル基、クミル基、ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基、更にアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基から選ばれる基であることが好ましく、あるいはフェニル、ナフチル、フルオレニル、アントラニル、フェナントリルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基、または炭化水素置換シリル基であることも好ましい。
2〜R6は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは互いに隣接する2個以上の基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。また、mが2以上の場合には、R2〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。さらに、mが2以上の場合にはR1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。
nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。なお、nが2以上の場合には、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基としては、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、アイコシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアリールアルキル基;フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などのアリール基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの炭化水素基には、ハロゲン化炭化水素、具体的には炭素原子数1〜20の炭化水素基の少なくとも一つの水素がハロゲンに置換した基も含まれる。
これらのうち、炭素原子数が1〜20のものが好ましい。
ヘテロ環式化合物残基としては、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。
酸素含有基としては、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基などのアリーロキシ基;フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基などのアリールアルコキシ基;アセトキシ基;カルボニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イオウ含有基としては、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、メチルスルフォネート基、トリフルオロメタンスルフォネート基、フェニルスルフォネート基、ベンジルスルフォネート基、p−トルエンスルフォネート基、トリメチルベンゼンスルフォネート基、トリイソブチルベンゼンスルフォネート基、p−クロルベンゼンスルフォネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフォネート基などのスルフォネート基;メチルスルフィネート基、フェニルスルフィネート基、ベンジルスルフィネート基、p−トルエンスルフィネート基、トリメチルベンゼンスルフィネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート基などのスルフィネート基;アルキルチオ基;アリールチオ基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
窒素含有基として具体的には、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、アミノ基;メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基などのアルキルアミノ基;フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナフチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ホウ素含有基として具体的には、BR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられる。リン含有基として具体的には、トリメチルホスフィン基、トリブチルホスフィン基、トリシクロヘキシルホスフィン基などのトリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン基、トリトリルホスフィン基などのトリアリールホスフィン基;メチルホスファイト基、エチルホスファイト基、フェニルホスファイト基などのホスファイト基(ホスフィド基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ケイ素含有基として具体的には、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、フェニルシリル基、ジフェニルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基などの炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテル基などの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニル基などのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
ゲルマニウム含有基として具体的には、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した基が挙げられる。スズ含有基として具体的には、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、より具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基が挙げられる。
ハロゲン含有基として具体的には、PF6、BF4などのフッ素含有基、ClO4、SbCl6などの塩素含有基、IO4などのヨウ素含有基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルミニウム含有基として具体的には、AlR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0006581662




一般式[B2]中、N……Mは、一般的には配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。
一般式[B2]において、Mは周期表第4〜5族の遷移金属を示し、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルであり、好ましくは4族の金属原子であり、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウムであり、より好ましくはジルコニウムである。
mは1〜4の整数を示し、好ましくは1〜2であり、特に好ましくは2である。
1は、1つまたは複数の置換基を有していてもよい炭素原子数4〜20の少なくとも1つ以上の炭素を共有する2環性脂肪族炭化水素基であり、2環性脂肪族炭化水素基として具体的には、スピロ[2.2]ペンタン、スピロ[2.3]ヘキサン、スピロ[2.4]ヘプタン、スピロ[2.5]オクタン、スピロ[3.3]ヘプタン、スピロ[3.4]オクタン、スピロ[3.5]ノナン、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[5.5]ウンデカン、ビシクロ[1.1.0]ブタン、ビシクロ[2.1.0]ペンタン、ビシクロ[2.2.0]ヘキサン、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、ビシクロ[3.2.0]ヘプタン、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.1.0]ヘプタン、ビシクロ[4.2.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、ビシクロ[4.4.0]デカン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2.]オクタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、ビシクロ[3.3.2]デカン、ビシクロ[3.3.3]ウンデカン、などが挙げられる。
好ましくは、R1は、1つまたは複数の置換基を有していてもよい炭素原子数4〜20の2つの炭素を共有する2環性脂肪族炭化水素基であり、2環性脂肪族炭化水素基として具体的には、ビシクロ[1.1.0]ブタン、ビシクロ[2.1.0]ペンタン、ビシクロ[2.2.0]ヘキサン、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、ビシクロ[3.2.0]ヘプタン、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.1.0]ヘプタン、ビシクロ[4.2.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、ビシクロ[4.4.0]デカン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2.]オクタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、ビシクロ[3.3.2]デカン、ビシクロ[3.3.3]ウンデカン、などが挙げられる。
より好ましくは、R1は、1つまたは複数の置換基を有していてもよい炭素原子数5〜20の2つの炭素を共有する橋かけ2環性脂肪族炭化水素基であり、2環性脂肪族炭化水素基として具体的には、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2.]オクタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、ビシクロ[3.3.2]デカン、ビシクロ[3.3.3]ウンデカン、などが挙げられる。
特に好ましくは、R1は、1つまたは複数の置換基を有していてもよいビシクロ[2.2.1]ヘプタンである。R1の置換基としては特に制限はないが、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基から選ばれる基であるか、それらの基を含有する炭化水素基または炭化水素置換シリル基が挙げられる。
上記R1に有していても良い置換基として、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ブトキシメチル基、フェノキシメチル基、エトキシエチル基、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ニトロメチル基、ニトロエチル基、シアノメチル基、シアノエチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、などが挙げられる。
上記R1の置換基を2つ以上有する2環性炭化水素基においては、2つ以上の置換基の位置に特に制限はない。
2〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR2〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル基、プロパルギル基など炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基などの炭素原子数5〜30の環状不飽和炭化水素基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;トリル基、イソプロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジ−t−ブチルフェニル基などのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、たとえば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、たとえば、ベンジル基、クミルなどのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を有していてもよい。
これらのうち、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが好ましい。
酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基としては、上記例示したものと同様のものが挙げられる。ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基など、具体的には、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基などが挙げられる。これらの中では、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基などが好ましい。特にトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基が好ましい。炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシ基などが挙げられる。
ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムおよびスズに置換したものが挙げられる。
次に上記で説明したR2〜R6の例について、より具体的に説明する。アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられる。
アルキルチオ基として具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられる。アリーロキシ基として具体的には、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基などが挙げられる。アリールチオ基として具体的には、フェニルチオ基、メチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
アシル基として具体的には、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基などが挙げられる。エステル基として具体的には、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、p−クロロフェノキシカルボニル基などが挙げられる。
チオエステル基として具体的には、アセチルチオ基、ベンゾイルチオ基、メチルチオカルボニル基、フェニルチオカルボニル基などが挙げられる。アミド基として具体的には、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基などが挙げられる。イミド基として具体的には、アセトイミド基、ベンズイミド基などが挙げられる。
アミノ基として具体的には、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。イミノ基として具体的には、メチルイミノ基、エチルイミノ基、プロピルイミノ基、ブチルイミノ基、フェニルイミノ基などが挙げられる。スルホンエステル基として具体的には、スルホン酸メチル基、スルホン酸エチル基、スルホン酸フェニル基などが挙げられる。
スルホンアミド基として具体的には、フェニルスルホンアミド基、N−メチルスルホンアミド基、N−メチル−p−トルエンスルホンアミド基などが挙げられる。
2〜R6は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは互いに隣接する2個以上の基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
また、mが2以上の場合には、R2〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。さらに、mが2以上の場合にはR1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。
nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。なお、nが2以上の場合には、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基としては、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、アイコシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアリールアルキル基;フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などのアリール基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの炭化水素基には、ハロゲン化炭化水素、具体的には炭素原子数1〜20の炭化水素基の少なくとも一つの水素がハロゲンに置換した基も含まれる。
これらのうち、炭素原子数が1〜20のものが好ましい。
ヘテロ環式化合物残基としては、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。
酸素含有基としては、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基などのアリーロキシ基;フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基などのアリールアルコキシ基;アセトキシ基;カルボニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イオウ含有基としては、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、メチルスルフォネート基、トリフルオロメタンスルフォネート基、フェニルスルフォネート基、ベンジルスルフォネート基、p−トルエンスルフォネート基、トリメチルベンゼンスルフォネート基、トリイソブチルベンゼンスルフォネート基、p−クロルベンゼンスルフォネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフォネート基などのスルフォネート基;メチルスルフィネート基、フェニルスルフィネート基、ベンジルスルフィネート基、p−トルエンスルフィネート基、トリメチルベンゼンスルフィネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート基などのスルフィネート基;アルキルチオ基;アリールチオ基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
窒素含有基として具体的には、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、アミノ基;メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基などのアルキルアミノ基;フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナフチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ホウ素含有基として具体的には、BR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられる。リン含有基として具体的には、トリメチルホスフィン基、トリブチルホスフィン基、トリシクロヘキシルホスフィン基などのトリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン基、トリトリルホスフィン基などのトリアリールホスフィン基;メチルホスファイト基、エチルホスファイト基、フェニルホスファイト基などのホスファイト基(ホスフィド基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ケイ素含有基として具体的には、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、フェニルシリル基、ジフェニルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基などの炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテル基などの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチル基などのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニル基などのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
ゲルマニウム含有基として具体的には、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した基が挙げられる。スズ含有基として具体的には、前記R2〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、より具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基が挙げられる。
ハロゲン含有基として具体的には、PF6、BF4などのフッ素含有基、ClO4、SbCl6などの塩素含有基、IO4などのヨウ素含有基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルミニウム含有基として具体的には、AlR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
上記一般式[B0],[B1],[B2]で表される錯体の好ましい化合物構造の例示としては、特開2003−73412公報に開示されている遷移金属化合物を挙げることができる。
以上のような、上記一般式[B0],[B1],[B2]で表される錯体[B]は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
[錯体[B]の好ましい態様]
錯体[B]として好ましくは、上記一般式[B0]で表される構造を有する化合物である。上記一般式[B0]の好ましい態様については上記した通りであるが、特に好ましい態様は、次の通りである。
一般式[B0]中、Mは周期表第4族の遷移金属原子を示し、
mは1〜4の整数を示し、
1は、炭素原子数1〜10の直鎖炭化水素基であり、
2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
6は炭素原子数が3〜20の分岐状アルキル基であって、少なくとも一つの水素原子を、炭素原子数が6〜20のアリール基で置換した基であり、
nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の整数である場合には、複数のXは互いに同一であっても、異なっていてもよく、また、Xで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
〔工程(C)〕
工程(C)は、周期表第4族の遷移金属化合物[C]を含むオレフィン重合用触媒の存在下で、工程(A)で製造される末端不飽和ポリプロピレンおよび/または工程(B)で製造される末端不飽和ポリエチレンと、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合する工程である。なお、工程(C)で用いるオレフィン重合用触媒は、工程(A)で用いるオレフィン重合用触媒と同一であってもよいし、異なっていてもよい。工程(A)で用いるオレフィン重合用触媒と同一である場合、工程(A)で用いた触媒を工程(C)においても用いることができる点において好ましい。
なお、周期表第4族の遷移金属化合物[C]は、ジメチルシリルビスインデニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物[A]の上位概念である。
周期表第4族の遷移金属化合物[C]は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物であることが好ましい。なお、シクロペンタジエニル骨格はインデニル骨格やフルオレニル骨格の上位概念として認識される。工程(A)で用いるオレフィン重合用触媒と異なる触媒を用いる場合、工程(C)は、好ましくは、下記一般式[C]で表される架橋メタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒の存在下で、工程(A)で製造される末端不飽和ポリプロピレンおよび/または工程(B)で製造される末端不飽和ポリエチレンと、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合する工程である。
工程(C)で製造されるオレフィン系樹脂(β’)は、グラフト型重合体[GP’]を含み、グラフト型重合体[GP’]は、極性基(P)を含む構造単位を必ずしも含有しないこと以外は、グラフト型重合体[GP]の特徴を備えていることが好ましく、すなわち、要件(i)(ii)を満たし、さらに、前述した好ましい態様(1)または(2)に記載した要件をさらに満たすことが好ましい。また、オレフィン系樹脂(β’)は、オレフィン系樹脂(β)の要件(I)以外の特徴を備えていることが好ましく、すなわち、要件(II)を満たすことが好ましく、要件(III)をさらに満たすことがより好ましい。
Figure 0006581662





(式[C]中、R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9およびR12はそれぞれ独立に水素原
子、炭化水素基、ケイ素含有基またはケイ素含有基以外のヘテロ原子含有基を示し、R1〜R4のうち相互に隣り合う二つの基同士は互いに結合して環を形成していてもよい。
6およびR11は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基およびケイ素含有基以外のヘテロ原子含有基から選ばれる同一の原子または同一の基であり、R7およびR10は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基およびケイ素含有基以外のヘテロ原子含有基から選ばれる同一の原子または同一の基であり、R6およびR7は互いに結合して環を形成していてもよく、R10およびR11は互いに結合して環を形成していてもよく;ただし、R6、R7、R10およびR11が全て水素原子であることはない。
13およびR14はそれぞれ独立にアリール基を示す。
1はジルコニウム原子またはハフニウム原子を示す。
1は炭素原子またはケイ素原子を示す。
Qはハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、炭素原子数4〜10の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子を示し、jは1〜4の整数を示し、jが2以上の整数の場合は複数あるQはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
工程(C)において、高温にて十分な活性を発現し、高共重合性かつ高分子量化可能な触媒の選定が重要となる。末端ビニルポリプロピレン(前記末端構造(I))は、4位にメチル分岐を有し、立体的に嵩高い構造を有するので、直鎖状のビニルモノマーに比べ重合が難しい。また、末端ビニルポリプロピレンは、ポリマーが析出してくる低温条件では、共重合されにくい。このため、触媒には、好ましくは、90℃以上の重合温度にて十分な活性を発現し、主鎖を所望の分子量にする性能が求められる。
このような観点から、高含量のポリプロピレンを含有したオレフィン系樹脂(β)を得るには、工程(C)において、架橋メタロセン化合物[C]が好適に用いられる。
架橋メタロセン化合物[C]は、後述する化合物[D]と組み合わせて、工程(A)で製造される末端不飽和ポリプロピレンおよび/または工程(B)で製造される末端不飽和ポリエチレンと、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合するオレフィン重合用触媒として機能する。
以下、本発明で用いられる架橋メタロセン化合物[C]の化学構造上の特徴について説明する。
架橋メタロセン化合物[C]は、構造上、次の特徴[m1]および[m2]を備える。
[m1]二つの配位子のうち、一つは置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基であり、他の一つは置換基を有するフルオレニル基(以下「置換フルオレニル基」ともいう。)である。
[m2]二つの配位子が、アリール(aryl)基を有する炭素原子またはケイ素原子からなるアリール基含有共有結合架橋部(以下「架橋部」ともいう。)によって結合されている。
以下、架橋メタロセン化合物[C]が有する、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基、置換フルオレニル基、架橋部およびその他特徴について、順次説明する。
(置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基)
式[C]中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基またはケイ素含有基以外のヘテロ原子含有基を示すものであり、末端ビニルポリプピレンを良好に取り込む構造として、R1、R2、R3およびR4は全て水素原子であるか、またはR1、R2、R3およびR4のいずれか一つ以上がメチル基である構造が特に好ましい。
(置換フルオレニル基)
式[C]中、R5、R8、R9およびR12はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基またはケイ素含有基以外のヘテロ原子含有基を示し、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有基が好ましい。R6およびR11は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基およびケイ素含有基以外のヘテロ原子含有基から選ばれる同一の原子または同一の基であり、水素原子、炭化水素基およびケイ素含有基が好ましく;R7およびR10は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基およびケイ素含有基以外のヘテロ原子含有基から選ばれる同一の原子または同一の基であり、水素原子、炭化水素基およびケイ素含有基が好ましく;R6およびR7は互いに結合して環を形成していてもよく、R10およびR11は互いに結合して環を形成していてもよく;ただし、"R6、R7、R10およびR11が全て水素原子であること"はない。
重合活性の視点からは、R6およびR11がいずれも水素原子でないことが好ましく;R6、R7、R10およびR11がいずれも水素原子ではないことがさらに好ましく;R6およびR11が炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれる同一の基であり、且つR7とR10が炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれる同一の基であることが特に好ましい。また、R6およびR7が互いに結合して脂環または芳香環を形成し、R10およびR11が互いに結合して脂環または芳香環を形成していることも好ましい。
5〜R12における炭化水素基の例示および好ましい基としては、例えば、炭化水素基(好ましくは炭素原子数1〜20の炭化水素基、以下「炭化水素基(f1)」として参照することがある。)またはケイ素含有基(好ましくは炭素原子数1〜20のケイ素含有基、以下「ケイ素含有基(f2)」として参照することがある。)が挙げられる。その他、置換シクロペンタジエニル基における置換基としては、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基などのヘテロ原子含有基(ケイ素含有基(f2)を除く)を挙げることもできる。炭化水素基(f1)としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、アリル(allyl)基などの直鎖状炭化水素基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、3−メチルペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−プロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基などの分岐状炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの環状飽和炭化水素基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの環状不飽和炭化水素基およびこれらの核アルキル置換体;ベンジル基、クミル基などの、飽和炭化水素基が有する少なくとも1つの水素原子がアリール基で置換された基が挙げられる。R5〜R12におけるケイ素含有基(f2)としては、好ましくは炭素原子数1〜20のケイ素含有基であり、例えば、シクロペンタジエニル基の環炭素にケイ素原子が直接共有結合している基が挙げられ、具体的には、アルキルシリル基(例:トリメチルシリル基)、アリールシリル基(例:トリフェニルシリル基)が挙げられる。
ヘテロ原子含有基(ケイ素含有基(f2)を除く)としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基N−メチルアミノ基、トリフルオロメチル基、トリブロモメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
炭化水素基(f1)の中でも、炭素原子数1〜20の直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などが好適な例として挙げられる。
6およびR7(R10およびR11)が互いに結合して脂環または芳香環を形成した場合の置換フルオレニル基としては、後述する一般式[II]〜[VI]で表される化合物に由来する基が好適な例として挙げられる。
(架橋部)
式[C]中、R13およびR14はそれぞれ独立にアリール基を示し、Y1は炭素原子またはケイ素原子を示す。オレフィン重合体の製造方法において重要な点は、架橋部の架橋原子Y1に、互いに同一でも異なっていてもよいアリール(aryl)基であるR13およびR14を有することである。製造上の容易性から、R13およびR14は互いに同一であることが好ましい。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基およびこれらが有する芳香族水素(sp2型水素)の一つ以上が置換基で置換された基が挙げられる。置換基としては、上記炭化水素基(f1)およびケイ素含有基(f2)や、ハロゲン原子およびハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基などの炭素原子数6〜14、好ましくは6〜10の非置換アリール基;トリル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基などのアルキル基置換アリール基;シクロヘキシルフェニル基などのシクロアルキル基置換アリール基;クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジクロロフェニル基、ジブロモフェニル基などのハロゲン化アリール基;(トリフルオロメチル)フェニル基、ビス(トリフルオロメチル)フェニル基などのハロゲン化アルキル基置換アリール基が挙げられる。置換基の位置は、メタ位および/またはパラ位が好ましい。これらの中でも、置換基がメタ位および/またはパラ位に位置する置換フェニル基がさらに好ましい。
(架橋メタロセン化合物[C]のその他の特徴)
式[C]中、Qはハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、炭素原子数4〜10の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子を示し、jは1〜4の整数を示し、jが2以上の整数の場合は複数あるQはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Qにおける炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜10の直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜10の脂環族炭化水素基が挙げられる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1,2,2−テトラメチルプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、ネオペンチル基が挙げられる。脂環族炭化水素基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基が挙げられる。
Qにおけるハロゲン化炭化水素基としては、Qにおける上記炭化水素基が有する少なくとも一つの水素原子がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
式[C]中、M1はジルコニウム原子またはハフニウム原子を示し、ハフニウム原子が末端不飽和ポリプロピレンを高効率で共重合し、また高分子量に制御出来る点でも好ましい。末端不飽和ポリプロピレンを高効率で共重合し、また高分子量に制御出来る性能を備えた触媒を用いることは、高い生産性を確保するために重要である。なぜなら、高い生産性を確保するために高温条件下で反応を行うことが望ましいが、高温条件下では生成分子量の低下が起こる傾向となるためである。
(好ましい架橋メタロセン化合物[C]の例示)
以下に架橋メタロセン化合物[C]の具体例を示す。なお、例示化合物中、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニルとは式[II]で示される構造の化合物に由来する基を指し、オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニルとは式[III]で示される構造の化合物に由来する基を指し、ジベンゾフルオレニルとは式[IV]で示される構造の化合物に由来する基を指し、1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニルとは式[V]で示される構造の化合物に由来する基を指し、1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニルとは式[VI]で示される構造の化合物に由来する基を指す。
Figure 0006581662

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架橋メタロセン化合物[C]としては、例えば、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラメチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(m−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(p−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−トリフルオロメチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(p−tert−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(p−n−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−n−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−n−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−n−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−n−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−n−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−n−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−n−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−n−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−n−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−n−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−n−ブチル−フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(p−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(1−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(1−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(1−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(1−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(1−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(1−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(1−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(1−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(1−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(1−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(1−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(1−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジ(p−イソプロピルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−イソプロピルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−イソプロピルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジ(p−イソプロピルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(1,1',3,6,8,8'−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(1,3,3',6,6',8−ヘキサメチル−2,7−ジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(トリメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−(ジメチルフェニル)−3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7−テトラtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリドが挙げられる。
架橋メタロセン化合物[C]としては、上記例示の化合物の「ジクロリド」を「ジフロライド」、「ジブロミド」、「ジアイオダイド」、「ジメチル」または「メチルエチル」などに代えた化合物、「シクロペンタジエニル」を「3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル」、「3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル」、「3−tert−ブチル−シクロペンタジエニル」または「3−メチル−シクロペンタジエニル」などに替えた化合物を挙げることもできる。
以上の架橋メタロセン化合物は公知の方法によって製造可能であり、特に製造方法が限定されるわけではない。公知の方法としては、例えば、本出願人による国際公開第01/27124号パンフレット、国際公開第04/029062号パンフレットに記載の方法が挙げられる。
以上のような架橋メタロセン化合物[C]は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
工程(C)は、溶液(溶解)重合において実施可能であり、重合条件については、オレフィン系ポリマーを製造する溶液重合プロセスを用いれば、特に限定されないが、下記重合反応液を得る工程を有することが好ましい。
重合反応液を得る工程とは、脂肪族炭化水素を重合溶媒として用いて、架橋メタロセン化合物[C]、好ましくは、前記一般式[C]におけるY1に結合しているR13、R14がフェニル基、あるいは、アルキル基またはハロゲン基により置換されたフェニル基であり、R7、R10がアルキル置換基を有する遷移金属化合物を含むメタロセン触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンと、工程(A)で製造される末端不飽和ポリプロピレンおよび/または工程(B)で製造される末端不飽和ポリエチレンとの共重合体の重合反応液を得る工程である。
工程(C)では、工程(A)にて製造される末端不飽和ポリプロピレンおよび工程(B)にて製造される末端不飽和ポリエチレンが溶液状またはスラリー状にて工程(C)における反応器にフィードされる。フィード方法は、特段限定されるものではなく、工程(A)にて得られた重合液を連続的に工程(C)の反応器にフィードしても、工程(A)および工程(B)の重合液を一旦バッファータンクに溜めたのちに、工程(C)にフィードしても良い。
工程(C)の重合溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素などが挙げられる。具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられ、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、工程(C)の重合溶媒は、工程(A)の重合溶媒と同一でも異なっていてもよい。なお、これらのうち、工業的観点からはヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素が好ましく、さらにオレフィン系樹脂(β)との分離、精製の観点から、ヘキサンが好ましい。
また、工程(C)の重合温度は、90℃〜200℃の範囲が好ましく、より好ましくは、100℃〜200℃の範囲である。このような温度が好ましいのは、上述の重合溶媒として工業的に好ましく用いられるヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素中で、末端不飽和ポリプロピレンが良好に溶解する温度が90℃以上であるためである。より高温であることがポリプロピレン側鎖の導入量を向上させる上で好ましい。さらに生産性向上の観点からもより高温であることが好ましい。
工程(C)の重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。本発明ではこのうち、モノマーを連続して反応器に供給して共重合を行う方法を採用することが好ましい。
工程(C)の反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常0.5分間〜5時間、好ましくは5分間〜3時間である。
工程(C)における、ポリマー濃度は、定常運転時は、5〜50wt%であり、好ましくは、10〜40wt%である。重合能力における粘度制限、後処理工程(脱溶媒)負荷及び生産性の観点から、15〜35wt%であることが好ましい。
得られる共重合体の分子量は、重合系内に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによっても調節することができる。さらに、後述の化合物[C1]の使用量により調節することもできる。具体的には、トリイソブチルアルミニウム、メチルアルミノキサン、ジエチル亜鉛等が挙げられる。水素を添加する場合、その量はオレフィン1kgあたり0.001〜100NL程度が適当である。
[化合物[D]]
本発明にかかるオレフィン系樹脂(β)の製造方法では、上述した工程(A)、(B)および(C)においてオレフィン重合用触媒として用いられる遷移金属化合物[A]、錯体[B]および架橋メタロセン化合物[C]と共に、後述する化合物[D]を用いることが好ましい。
化合物[D]は、遷移金属化合物[A]、錯体[B]および架橋メタロセン化合物[C]と反応して、オレフィン重合用触媒として機能するものであり、具体的には、[D1]有機金属化合物、[D2]有機アルミニウムオキシ化合物、および、[D3]遷移金属化合物[A]または架橋メタロセン化合物[C]と反応してイオン対を形成する化合物、から選ばれるものである。以下、[D1]〜[D3]の化合物について順次説明する。
([D1]有機金属化合物)
本発明で用いられる[D1]有機金属化合物として、具体的には下記の一般式(D1−a)で表わされる有機アルミニウム化合物、一般式(D1−b)で表わされる周期表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、および一般式(D1−c)で表わされる周期表第2族または第12族金属のジアルキル化合物が挙げられる。なお、[D1]有機金属化合物には、後述する[D2]有機アルミニウムオキシ化合物は含まないものとする。
Figure 0006581662
上記一般式(D1−a)中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3、qは0≦q<3、rは0≦r<3、sは0≦s<3の数であり、かつp+q+r+s=3である。)
Figure 0006581662
上記一般式(D1−b)中、M3はLi、NaまたはKを示し、Rcは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
Figure 0006581662
上記一般式(D1−c)中、RdおよびReは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M4はMg、ZnまたはCdである。
前記一般式(D1−a)で表わされる有機アルミニウム化合物としては、次のような一般式(D1−a−1)〜(D1−a−4)で表わされる有機アルミニウム化合物を例示できる。
Figure 0006581662
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、pは好ましくは1.5≦p≦3の数である。)
Figure 0006581662
(式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは好ましくは0<p<3の数である。)
Figure 0006581662
(式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、pは好ましくは2≦p<3の数である。)
Figure 0006581662
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3、qは0≦q<3、sは0≦s<3の数であり、かつp+q+s=3である。)
一般式(D1−a)に属する有機アルミニウム化合物としてより具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn−アルキルアルミニウム;
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルブチルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ3−メチルペンチルアルミニウム、トリ4−メチルペンチルアルミニウム、トリ2−メチルヘキシルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;
(i−C49xAly(C510z(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるトリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
a 2.5Al(ORb0.5で表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す);
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
また(D1−a)に類似する化合物も本発明に使用することができ、そのような化合物として例えば、窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、(C252AlN(C25)Al(C252などを挙げることができる。
前記一般式(D1−b)に属する化合物としては、LiAl(C254、LiAl(C7154などを挙げることができる。
前記一般式(D1−c)に属する化合物としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛、ジメチルカドミウム、ジエチルカドミウムなどを挙げることができる。
またその他にも、[D1]有機金属化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリドなどを使用することもできる。
また重合系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、例えばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組み合わせ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組み合わせなどを、前記[D1]有機金属化合物として使用することもできる。
上記のような[D1]有機金属化合物は、1種類単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
([D2]有機アルミニウムオキシ化合物)
本発明で用いられる[D2]有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。[D2]有機アルミニウムオキシ化合物としては、具体的には、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン等が挙げられる。
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお前記アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、得られたアルミノキサンを溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記一般式(C1−a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であることが好ましい。
本発明で用いられる[D2]有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式(III)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
Figure 0006581662

(一般式(III)中、R17は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示し、4つのR18は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。)
前記一般式(III)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(IV)で表されるアルキルボロン酸と、有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
Figure 0006581662
(一般式(IV)中、R19は前記一般式(III)におけるR17と同じ基を示す。)
前記一般式(IV)で表されるアルキルボロン酸の具体的な例としては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記一般式(C1−a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
前記有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
上記のような[D2]有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
([D3]遷移金属化合物[A]、錯体[B]、または架橋メタロセン化合物[C]と反応してイオン対を形成する化合物)
本発明で用いられる、遷移金属化合物[A]、錯体[B]、または架橋メタロセン化合物[C]と反応してイオン対を形成する化合物[D3](以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
具体的には、前記ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示される化合物が挙げられ、例えばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどである。
前記イオン化イオン性化合物としては、例えば下記一般式(V)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006581662


(一般式(V)中、R20はH+、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオンまたは遷移金属を有するフェロセニウムカチオンであり、R21〜R24は、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。)。
前記カルボニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
15としては、カルボニウムカチオンおよびアンモニウムカチオンが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
またイオン化イオン性化合物として、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などを挙げることもできる。
前記トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、例えばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素などが挙げられる。
前記N,N−ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、例えばN,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
前記ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、例えばジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
さらにイオン化イオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式(VI)または(VII)で表されるホウ素化合物などを挙げることもできる。
Figure 0006581662
(式(VI)中、Etはエチル基を示す。)
Figure 0006581662
(式(VII)中、Etはエチル基を示す。)
イオン化イオン性化合物(化合物[D3])の例であるボラン化合物として具体的には、例えば、デカボラン;
ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
イオン化イオン性化合物の例であるカルボラン化合物として具体的には、例えば4−カルバノナボラン、1,3−ジカルバノナボラン、6,9−ジカルバデカボラン、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン、2,7−ジカルバウンデカボラン、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルウンバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム7−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム2,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
イオン化イオン性化合物の例であるヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素および錫から選ばれる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子とを含む化合物である。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ゲルマノタングストバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、およびこれらの酸の塩が挙げられるが、この限りではない。また、前記塩としては、前記酸の、例えば周期表第1族または2族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等の有機塩が挙げられる。
イオン化イオン性化合物の例であるイソポリ化合物は、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種の原子の金属イオンから構成される化合物であり、金属酸化物の分子状イオン種であるとみなすことができる。具体的には、バナジン酸、ニオブ酸、モリブデン酸、タングステン酸、およびこれらの酸の塩が挙げられるが、この限りではない。また、前記塩としては、前記酸の例えば周期表第1族または第2族の金属、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等の有機塩が挙げられる。
上記のようなイオン化イオン性化合物(化合物[D3]:遷移金属化合物[A]、錯体[B]、架橋メタロセン化合物[C]と反応してイオン対を形成する化合物)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
遷移金属化合物[A]、錯体[B]、架橋メタロセン化合物[C]に加えて、助触媒成分としてのメチルアルミノキサンなどの[D2]有機アルミニウムオキシ化合物を併用すると、オレフィン化合物に対して非常に高い重合活性を示す。
有機金属化合物[D1]は、有機金属化合物[D1]と、工程(A)においては遷移金属化合物[A]中の遷移金属原子(M)とのモル比(C1/M)が、工程(B)においては錯体[B]中の遷移金属原子(M)とのモル比(C1/M)が、工程(C)においては架橋メタロセン化合物[C]中の遷移金属原子(M)とのモル比(C1/M)が、通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜50000となるような量で用いられる。
有機アルミニウムオキシ化合物[D2]は、有機アルミニウムオキシ化合物[D2]中のアルミニウム原子と、工程(A)においては遷移金属化合物[A]中の遷移金属原子(M)とのモル比(C2/M)が、工程(B)においては錯体[B]中の遷移金属原子(M)とのモル比(C1/M)が、工程(C)においては架橋メタロセン化合物[C]中の遷移金属原子(M)とのモル比(C2/M)が、通常10〜500000、好ましくは20〜100000となるような量で用いられる。
イオン化イオン性化合物(化合物[D3])は、イオン化イオン性化合物と、工程(A)においては遷移金属化合物[A]中の遷移金属原子(M)とのモル比(D3/M)が、工程(B)においては錯体[B]中の遷移金属原子(M)とのモル比(C1/M)が、工程(C)においては遷移金属化合物[C]中の遷移金属原子(M)とのモル比(D2/M)が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
〔工程(E)〕
オレフィン系樹脂(β)の製造方法は、工程(A)、(B)および(C)の後、工程(D)の前に、必要に応じて、各工程で生成する重合体を回収する工程(E)を含んでも良い。本工程は、工程(A)、(B)および(C)において用いられる有機溶剤を分離してポリマーを取り出し製品形態に変換する工程であり、溶媒濃縮、押し出し脱気、ペレタイズ等の既存のポリオレフィン樹脂を製造する過程であれば特段制限はない。
〔工程(D)〕
工程(D)は、工程(C)で製造されるオレフィン系樹脂(β’)に極性基(P)を含む構造単位を導入する工程である。言い換えれば、工程(D)は、工程(C)で製造されるオレフィン系樹脂(β’)を構成する重合体に極性基(P)を含む構造単位を導入する工程である。この工程において、オレフィン系樹脂(β’)に含まれるグラフト型重合体[GP’]に極性基(P)を含む構造単位が導入され、グラフト型重合体[GP’]はグラフト型重合体[GP]となる。すなわち、工程(D)を経て得られるオレフィン系樹脂(β)には、グラフト型重合体[GP]が含まれる。
前記極性基(P)を含む構造単位を付与する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸およびその誘導体、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、ビニル基含有有機ケイ素化合物などの化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、塩化ビニル、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル化合物、カルボジイミド化合物、メルカプト基含有化合物などが挙げられる。
これらのうち、不飽和カルボン酸およびその誘導体、ビニル基含有有機ケイ素化合物、水酸基含有エチレン性不飽和化合物が好ましく、不飽和カルボン酸およびその誘導体が最も好ましい。
不飽和カルボン酸およびその誘導体としては、カルボン酸基を1つ以上有する不飽和化合物、カルボン酸基を有する化合物とアルキルアルコールとのエステル、無水カルボン酸基を1つ以上有する不飽和化合物等を挙げることができ、不飽和基としては、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基などを挙げることができる。これらの化合物は従来公知のものが使用でき、特に限定されない。具体例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸〔商標〕(エンドシス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸)等の不飽和カルボン酸;およびその誘導体である、酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル等が挙げられる。かかる誘導体の具体例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ナジック酸ジメチル(エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジメチル)、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸およびその誘導体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸〔商標〕またはこれらの酸無水物が好ましく用いられる。 無水マレイン酸が、反応性が高い点で特に好ましい。
ビニル基含有有機ケイ素化合物としては、従来公知のものが使用でき、特に制限されない。具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシーエトキシシラン)、γ−グリシドキシプロピルートリピルトリーメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジメメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが使用できる。好ましくは、γ−グリシドキシプロピルトリピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、さらに好ましくは、立体障害が小さくグラフト変性効率の高いビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
極性基(P)を含む構造単位を導入する方法としては代表的にはグラフト変性が挙げられ、グラフト変性は、例えばオレフィン系樹脂(β’)を有機溶媒に溶解し、次いで極性基を含む構造単位を付与する化合物(無水マレイン酸など)及びラジカル開始剤などを溶液に加え、好ましくは70〜200℃、より好ましくは80〜190℃の温度で、好ましくは0.5〜15時間、より好ましくは1〜10時間反応させることにより行うことができる。
また、押出機などを用いて、無溶媒で、オレフィン系樹脂(β’)と、極性基を含む構造単位を付与する化合物とを反応させることもできる。この反応は、通常オレフィン系樹脂(β’)の融点以上、具体的には120〜300℃の温度で、通常0.5〜10分間行なわれることが望ましい。特に、好ましくは300℃以下、より好ましくは280℃以下で混練する。
このグラフト重合は、通常ラジカル開始剤の存在下に行なわれる。ラジカル開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物などが挙げられる。具体的には、例えばジグミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルペルパーオキシ)-3-ヘキシン等のジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート等のパーオキシエステル類;ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;およびこれらの混合物等が挙げられる。
ラジカル開始剤は、オレフィン系樹脂(β’)及び極性基を含む構造単位を付与する化合物にそのまま混合して使用することもできるが、少量の有機溶媒に溶解してから使用することもできる。この有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく用いることができる。
グラフト変性させる際には、還元性物質を用いてもよい。還元性物質を用いると、極性基を含む構造単位を付与する化合物のグラフト量を向上させることができる。
極性基(P)を含む構造単位を付与する化合物は、オレフィン系樹脂(β’)100質量部に対して、通常0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜80質量部、より好ましくは1〜50質量部の量で使用される。
極性基(P)を含む構造単位を付与する化合物は、1種類単独で使用することもできるし、2種類以上を組み合せて使用することもできる。
[その他の成分]
本発明のオレフィン系樹脂(β)は本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂、ゴム、無機充填剤などを配合することができ、また耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等、結晶核剤などの添加剤を配合することができる。本発明にかかるオレフィン系樹脂においては、前記他の樹脂、他のゴム、無機充填剤、添加剤等の添加量は本発明の目的を損なわない範囲であれば、特に限定されるものではないが、例えばオレフィン系樹脂(β)のうちの50質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは10質量%以下となるように含まれている態様を例示することができる。
<オレフィン系樹脂組成物>
本発明のオレフィン系樹脂組成物は、オレフィン系樹脂(β)2〜95質量部と、該オレフィン系樹脂(β)以外の熱可塑性樹脂(α)5〜98質量部とを含み、好ましくはオレフィン系樹脂(β)5〜95質量部と、該オレフィン系樹脂(β)以外の熱可塑性樹脂(α)5〜95質量部とを含む。ただし、オレフィン系樹脂(β)と該熱可塑性樹脂(α)との合計を100質量部とする。
<熱可塑性樹脂(α)>
熱可塑性樹脂(α)は、オレフィン系樹脂(β)以外の熱可塑性樹脂である。具体的な例を以下(E1)〜(E7)に示す。なお熱可塑性樹脂(α)としては1種を用いることが好ましいが複数種を組み合わせて用いることもできる。
(E1)ポリエステル樹脂、
(E2)ポリアミド樹脂、
(E3)ポリアセタール樹脂、
(E4)ポリフェニレンスルフィド樹脂、
(E5)ポリカーボネート樹脂、
(E6)ポリオレフィン樹脂
(E7)その他の樹脂
[ポリエステル樹脂(E1)]
ポリエステル樹脂(E1)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール、ビスフェノール等の芳香族ジヒドロキシ化合物と、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、あるいはこれらから選ばれる2種以上のジカルボン酸とから形成される結晶性の熱可塑性樹脂が挙げられる。このポリエステル樹脂(E1)は、熱可塑性を示す限り、少量のトリオールやトリカルボン酸等の3価以上のポリヒドロキシ化合物やポリカルボン酸などで変性されていてもよい。このポリエステル樹脂(E1)の具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート・テレフタレート共重合体、ポリ乳酸等が挙げられる。なかでも、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタラート(PET)が好ましい。
本発明のオレフィン系樹脂組成物がオレフィン系樹脂(β)以外の熱可塑性樹脂(α)としてポリエステル樹脂(E1)を含む場合、あわせてポリオレフィン樹脂(E6)を含むことも好ましい態様の一つである。より具体的には、オレフィン系樹脂(β)2〜40質量部と、ポリオレフィン樹脂(E6)0〜30質量部と、ポリエステル樹脂(E1)60〜98質量部とを含むことが好ましい。オレフィン系樹脂(β)2〜20質量部と、ポリオレフィン樹脂(E6)5〜30質量部と、ポリエステル樹脂(E1)60〜93質量部とを含むことが好ましい。ただし、オレフィン系樹脂(β)とポリオレフィン樹脂(E6)とポリエステル樹脂(E1)との合計を100質量部とする。
[ポリアミド樹脂(E2)]
ポリアミド樹脂(E2)としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)、m−又はp−キシリレンジアミン等の脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン又は芳香族ジアミンなどのジアミン類と、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸類との重縮合によって得られるポリアミド、ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸の縮合によって得られるポリアミド、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等のラクタムから得られるポリアミド、あるいはこれらの成分からなる共重合ポリアミド、さらにはこれらのポリアミドの混合物などが挙げられる。このポリアミド樹脂(E3)の具体例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン66/610、ナイロン6/11、芳香族ナイロン、ナイロン4T、ナイロン6T、ナイロン9T、ナイロン10T、MXD6等が挙げられる。
本発明のオレフィン系樹脂組成物がオレフィン系樹脂(β)以外の熱可塑性樹脂(α)としてポリアミド樹脂(E2)を含む場合、オレフィン系樹脂組成物は、オレフィン系樹脂(β)2〜40質量部とポリアミド樹脂(E2)60〜98質量部とを含むことが好ましく、オレフィン系樹脂(β)2〜30質量部とポリアミド樹脂(E2)70〜98質量部とを含むことがより好ましい。ただし、オレフィン系樹脂(β)とポリアミド樹脂(E2)との合計を100質量部とする。
[ポリアセタール樹脂(E3)]
ポリアセタール樹脂(E3)は、例えば、オキシメチレン基を主たる構成単位とする熱可塑性樹脂であり、ポリアセタールホモポリマー又はポリオキシメチレンと、オキシメチレン単位とコモノマー単位とを含有するポリアセタールコポリマーが含まれる。本発明においては、ポリアセタールホモポリマー、ポリアセタールコポリマーのいずれも使用することが可能である。
[ポリフェニレンスルフィド樹脂(E4)]
ポリフェニレンスルフィド樹脂(E4)は、その種類、分子量等とくに限定されない。ポリフェニレンスルフィド樹脂(E4)としては、例えば、直鎖型、架橋型、半架橋型等の重合方法により得られたものを用いることができる。
[ポリカーボネート樹脂(E5)]
ポリカーボネート樹脂(E5)は、特に限定されるものではない。その具体例としては、例えば、炭酸エステル結合を分子鎖中に有する高分子量重合体の中でも、芳香族ジオキシ化合物(ビスフェノール)、特にビスフェノールAを原料として合成される高分子重合体が挙げられる。
[ポリオレフィン樹脂(E6)]
ポリオレフィン樹脂(E6)は、オレフィン系樹脂(β)と異なるものであればとくに限定されるものではない。その具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−1−メチルペンテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。
[その他の樹脂(E7)]
その他の樹脂(E7)としては、熱可塑性ビニル芳香族系樹脂;例えばポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、スチレン系エラストマー;熱可塑性ポリウレタン;塩化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;アクリル樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体;エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体;アイオノマー;エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH);ポリビニルアルコールが挙げられる。
<その他の成分>
本発明に係るオレフィン系樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂、ゴム、無機充填剤、有機充填剤などを配合することができ、また耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等、結晶核剤などの添加剤を配合することができる。前記他の樹脂、他のゴム、無機充填剤、添加剤等の添加量は本発明の目的を損なわない範囲であれば、特に限定されるものではないが、樹脂組成物全体に対して30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
<オレフィン系樹脂組成物の製造方法>
本発明におけるオレフィン系樹脂組成物の調製方法としては、溶融法、溶液法等が挙げられ、特に限定されないが、実用的には溶融混練方法が好ましい。溶融混練方法としては、熱可塑性樹脂について一般に実用されている溶融混練方法が適用できる。例えば、粉状または粒状の各成分を、必要であれば付加的成分の項に記載の添加物等と共に、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した後、一軸または多軸混練押出機、混練ロール、バッチ混練機、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練することにより調製することができる。
各成分の溶融混練温度(例えば、押出機ならシリンダー温度)は、用いる樹脂の種類により決定されるが、通常170〜250℃、好ましくは180〜230℃である。さらに各成分の混練順序および方法は、特に限定されるものではない。
<成形体>
オレフィン系樹脂(β)および本発明のオレフィン系樹脂組成物は、射出成形、押出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、カレンダー成形、発泡成形などの公知の成形方法により、各種成形体に成形することができ、自動車部品、食品用途や医療用途などの容器、食品用途や電子材料用途の包材など公知の多様な用途に適用することができる。
自動車部品としては、例えば、ラジエータグリル、リアスポイラー、ホイールカバー、ホイールキャップ、カウルベント・グリル、エアアウトレット・ルーバー、エアスクープ、フードバルジ、フェンダーおよびバックドア等の外装部品;シリンダーヘッド・カバー、エンジンマウント、エアインテーク・マニホールド、スロットルボディ、エアインテーク・パイプ、ラジエータタンク、ラジエータサポート、ウォーターポンプ・インレット、ウォーターポンプ・アウトレット、サーモスタットハウジング、クーリングファン、ファンシュラウド、オイルパン、オイルフィルター・ハウジング、オイルフィラー・キャップ、オイルレベル・ゲージ、タイミング・ベルト、タイミング・ベルトカバーおよびエンジン・カバー等のエンジンルーム内部品;フューエルキャップ、フューエルフィラー・チューブ、燃料タンク、フューエルセンダー・モジュール、フューエルカットオフ・バルブ、クイックコネクタ、キャニスター、フューエルデリバリー・パイプおよびフューエルフィラーネック等の燃料系部品;シフトレバー・ハウジングおよびプロペラシャフト等の駆動系部品;スタビライザーバー・リンケージロッド等のシャシー部品;ウインドーレギュレータ、ドアロック、ドアハンドル、アウトサイド・ドアミラー・ステー、アクセルペダル、ペダル・モジュール、シールリング、軸受、ベアリングリテーナー、ギアおよびアクチュエーター等の機能部品;ワイヤーハーネス・コネクター、リレーブロック、センサーハウジング、エンキャプシュレーション、イグニッションコイルおよびディストリビューター・キャップ等のエレクトロニクス部品などに使用することができる
食品用途や医療用途などの容器としては、例えば、食器、レトルト容器、冷凍保存容器、レトルトパウチ、電子レンジ耐熱容器、冷凍食品容器、冷菓カップ、カップ、飲料ボトルなどの食品容器、レトルト容器、ボトル容器などや、輸血セット、医療用ボトル、医療用容器、医療用中空瓶、医療バッグ、輸液バッグ、血液保存バック、輸液ボトル薬品容器、洗剤容器、化粧品容器、香水容器、トナー容器などが挙げられる。
包材としては、例えば、食品包材、食肉包材、加工魚包材、野菜包材、果物包材、発酵食品包材、菓子包装材、酸素吸収剤包材、レトルト食品用包材、鮮度保持フィルム、医薬包材、細胞培養バック、細胞検査フィルム、球根包材、種子包材、野菜・キノコ栽培用フィルム、耐熱真空成形容器、惣菜容器、惣菜用蓋材、業務用ラップフィルム、家庭用ラップフィルム、ベーキングカートン、などが挙げられる。
フィルム・シート・テープとしては、例えば、偏光板用保護フィルム、液晶パネル用保護フィルム、光学部品用保護フィルム、レンズ用保護フィルム、電気部品・電化製品用保護フィルム、携帯電話用保護フィルム、パソコン用保護フィルム、マスキングフィルム、コンデンサー用フィルム、反射フィルム、積層体(ガラス含む)、耐放射線フィルム、耐γ線フィルム、多孔フィルムなどの保護フィルムが挙げられる。
その他の用途としては、例えば、家電製品の筐体、ホース、チューブ、電線被覆材、高圧電線用碍子、化粧品・香水スプレー用チューブ、医療用チューブ、輸液チューブ、パイプ、ワイヤーハーネス、自動二輪・鉄道車両・航空機・船舶等の内装材、インストルメントパネル表皮、ドアトリム表皮、リアーパッケージトリム表皮、天井表皮、リアピラー表皮、シートバックガーニッシュ、コンソールボックス、アームレスト、エアバックケースリッド、シフトノブ、アシストグリップ、サイドステップマット、リクライニングカバー、トランク内シート、シートベルトバックル、インナー・アウターモール、ルーフモール、ベルトモールなどのモール材、ドアシール、ボディシールなどの自動車用シール材、グラスランチャンネル、泥よけ、キッキングプレート、ステップマット、ナンバープレートハウジング、自動車用ホース部材、エアダクトホース、エアダクトカバー、エアインテークパイプ、エアダムスカート、タイミングベルトカバーシール、ボンネットクッション、ドアクッションなどの自動車内外装材、制振タイヤ、静動タイヤ、カーレースタイヤ、ラジコンタイヤなどの特殊タイヤ、パッキン、自動車ダストカバー、ランプシール、自動車用ブーツ材、ラックアンドピニオンブーツ、タイミングベルト、ワイヤーハーネス、グロメット、エンブレム、エアフィルタパッキン、 家具・履物・衣料・袋物・建材等の表皮材、建築用シール材、防水シート、建材シート、建材ガスケット、建材用ウインドウフィルム、鉄芯保護部材、ガスケット、ドア、ドア枠、窓枠、廻縁、巾木、開口枠等、床材、天井材、壁紙、健康用品(例:滑り止めマット・シート、転倒防止フィルム・マット・シート)、健康器具部材、衝撃吸収パッド、プロテクター・保護具(例:ヘルメット、ガード)、スポーツ用品(例:スポーツ用グリップ、プロテクター)、スポーツ用防具、ラケット、マウスガード、ボール、ゴルフボール、運搬用具(例:運搬用衝撃吸収グリップ、衝撃吸収シート)、制振パレット、衝撃吸収ダンパー、インシュレーター、履物用衝撃吸収材、衝撃吸収発泡体、衝撃吸収フィルムなどの衝撃吸収材、グリップ材、雑貨、玩具、靴底、靴底ソール、靴のミッドソール・インナーソール、ソール、サンダル、吸盤、歯ブラシ、床材、体操用マット、電動工具部材、農機具部材、放熱材、透明基板、防音材、クッション材、電線ケーブル、形状記憶材料、医療用ガスケット、医療用キャップ、薬栓、ガスケット、ベビーフード・酪農製品・医薬品・滅菌水等を瓶に充填後、煮沸処理、高圧蒸気滅菌等高温処理される用途のパッキング材、工業用シール材、工業用ミシンテーブル、ナンバープレートハウジング、ペットボトルキャップライナーなどのキャップライナー、文房具、オフィス用品、OAプリンタ脚、FAX脚、ミシン脚、モータ支持マット、オーディオ防振材などの精密機器・OA機器支持部材、OA用耐熱パッキン、アニマルケージ、ビーカー、メスシリンダー等の理化学実験機器、光学測定用セル、衣装ケース、クリアーケース、クリアーファイル、クリアーシート、デスクマット、繊維としての用途として、例えば、不織布、伸縮性不織布、繊維、防水布、通気性の織物や布、紙おむつ、生理用品、衛生用品、フィルター、バグフィルター、集塵用フィルター、エアクリーナー、中空糸フィルター、浄水フィルター、ガス分離膜、などが挙げられる。
<積層体>
本発明の積層体は、オレフィン系樹脂(β)または前記オレフィン系樹脂組成物を含む層を少なくとも1層含む。
オレフィン系樹脂 (β)は接着性に優れるため各種材料と組み合わせて用いることができる。例えば各種樹脂や、炭素繊維、ガラス、各種金属との積層体として用い得る。発泡体層との積層、繊維層との積層、ハニカム積層、管状積層、有孔層、網状層、凹凸層、変形シート積層等にも適用できる。また、積層体の表面層としても用い得るし、中間層もしくは接着層としても用い得る。積層体としての全体および各層厚みに制約はなく、フィルム状、シート状、ブロック状等が挙げられる。積層する方法としては公知の方法が適用できる。各種樹脂としては、例えば前記した熱可塑性樹脂(α)を挙げることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例になんら制約されるものではない。
(各種測定方法)
本実施例等においては、以下の方法に従って測定を実施した。
[融点(Tm)、融解熱量(ΔH)、ガラス転移温度(Tg)の測定]
融点(Tm)、融解熱量(ΔH)およびガラス転移温度(Tg)は、以下の条件でDSC測定を行い、求めた。
示差走査熱量計〔SII社 DSC220〕を用いて、約5.0mgの試料を窒素雰囲気下で30℃から昇温速度10℃/minで200℃まで昇温し、その温度で10分間保持した。さらに降温速度10℃/minで30℃まで冷却し、その温度で5分間保持した後、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温した。この2度目の昇温の際に観測される吸熱ピークを融解ピークとし、融解ピークが現れる温度を融点(Tm)として求めた。各製造例、実施例および比較例について、80℃〜170℃の範囲における融点(Tm)を表1〜表3に示した。また、融解熱量(ΔH)は80℃〜170℃の範囲における前記融解ピークの面積を算出し求めた。なお融解ピークが多峰性の場合は、全体の融解ピークの面積を算出し求めた。ガラス転移温度(Tg)は、2度目の昇温の際に、比熱の変化によりDSC曲線が屈曲し、ベースラインが平行移動する形で感知される。この屈曲より低温のベースラインの接線と、屈曲した部分で傾きが最大となる点の接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
[メルトフローレート(MFR:〔g/10分〕)]
メルトフローレートは、ASTM D1238Eに準拠して、2.16kg荷重、190℃で測定した。
[極限粘度測定]
極限粘度[η]は135℃のデカリン中で測定した。
具体的には、約20mgの樹脂をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、前記と同様にして比粘度ηspを測定した。
この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求めた(下記の式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
[GPC分析]
側鎖を構成する重合体の分子量分析のために、次の条件でGPC分析を実施した。装置:Waters社製 Alliance GPC 2000型、カラム:TSKgel GMH6−HTx2 TSKgel GMH6−HTLx2(いずれも東ソー社製、内径7.5mmx長さ30cm)、カラム温度:140℃、移動相:オルトジクロロベンゼン(0.025%ジブチルヒドロキシトルエン含有)、検出器:示差屈折計、流量:1.0mL/min、試料濃度:0.15%(w/v)、注入量:0.5mL、サンプリング時間間隔:1秒、カラム校正:単分散ポリスチレン(東ソー社製)。
上記測定により得られたポリスチレン換算の平均分子量を、下記、オレフィン系樹脂β'−1〜β'−7はポリエチレンに換算し、末端不飽和ポリプロピレンM−1はポリプロピレンに換算した。なお前述したように、側鎖(SE)を構成するエチレン重合体の重量平均分子量は、GPCにおける低分量側の溶出成分として分離された側鎖(SE)に相当するエチレン重合体、または予め合成された、側鎖(SE)に相当するエチレン重合体のGPC分析を行うこと、すなわち工程(B)で生成する末端不飽和ポリエチレンの重量平均分子量をGPC測定することで求められる。
13C−NMR測定]
ポリマーのエチレンおよびα−オレフィンの組成比分析を目的に、次の条件で13C−NMR測定を実施した。装置:ブルカーバイオスピン社製AVANCEIII500CryoProbe Prodigy型核磁気共鳴装置、測定核:13C(125MHz)、測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅:45°(5.00μ秒)、ポイント数:64k、測定範囲:250ppm(−55〜195ppm)、繰り返し時間:5.5秒、積算回数:512回、測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/ベンゼン−d6(4/1 v/v)、試料濃度:ca.60mg/0.6mL、測定温度
:120℃、ウインドウ関数:exponential(BF:1.0Hz)、ケミカルシフト基準:ベンゼン−d6(128.0ppm)。さらに、末端不飽和ポリプロピレンの立体規則性の確認を目的に、ペンタド分率(mmmm,%)をMacromolecules 8,687(1975)に基づいて帰属した13C−NMRスペクトルのピーク強度比より算出した。
1H−NMR測定]
末端不飽和ポリプロピレンの末端構造の分析のため、次の条件で1H−NMR測定を実施した。装置:日本電子製ECX400P型核磁気共鳴装置、測定核:13H(400MHz)、測定モード:シングルパルス、パルス幅:45°(5.25μ秒)、ポイント数:32k、測定範囲:20ppm(−4〜16ppm)、繰り返し時間:5.5秒、積算回数:64回、測定溶媒:1,1,2,2,−テトラクロロエタン−d2、試料濃度:ca.60mg/0.6mL、測定温度:120℃、ウインドウ関数:exponential(BF:0.12Hz)、ケミカルシフト基準:1,1,2,2,−テトラクロロエタン(5.91ppm)。
[極性基を含む構造単位の含有量]
未反応不飽和カルボン酸を除去したオレフィン系樹脂を240℃で熱プレスして100μmのフィルムを作成し、赤外吸収スペクトルを測定し、1790cm-1付近の吸収より、不飽和カルボン酸に由来する構造単位の含有量を定量した。この値を、予め求めておいた1H−NMRによる測定値と赤外吸収スペクトルによる値との相関による検量線により、1H−NMRによる測定値に換算した。
[α−オレフィンの組成割合の算出]
グラフト型重合体[GP]の主鎖(MC)を構成するエチレン系共重合体のα−オレフィンの組成比を以下の方法で算出した。
後述のオレフィン系樹脂β−1〜β−8及びオレフィン系樹脂β’−1〜β’−6については、エチレン−1−ブテン共重合体の1−ブテンの組成比(mol%)とガラス転移温度[Tg](℃)との相関による検量線より算出した。検量線の作成方法は、後述する製造例1において、化合物(1)を用いない以外は同様に重合を実施し、さらに、連続供給するエチレンと1−ブテンの供給割合を変化させることにより、ブテン組成割合の異なる複数のエチレン-ブテン共重合体樹脂を得た。得られたエチレン-ブテン共重合体樹脂について、上述の方法で、1−ブテンの組成比およびガラス転移温度を測定し、検量線を作成した。同様に、β−9及びβ’−7については1−オクテンの組成比を、β−10及びβ’−8についてはプロピレンの組成比を算出した。
後述のオレフィン系樹脂b−1〜b−2及びb'−1〜b'−2については、前述の13C−NMR測定により直接算出した。
[エチレン重合体の割合]
オレフィン系樹脂に含まれるエチレン重合体の割合は以下の方法で算出した。
すなわち、エチレン重合体に由来する融解熱量ΔH(J/g)とエチレン重合体含量(wt%)との相関による検量線によりエチレン重合体の割合を算出した。
検量線の作成方法: 後述する製造例1おいて、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジメチルを使用しない以外は同様に実施し、末端不飽和ポリエチレン得た。回分式重合法により、得られた末端不飽和ポリエチレンとエチレンと1-ブテンをジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジメチルを含む重合触媒により共重合した。ここで、末端不飽和ポリエチレンの装入量を変化させることにより、含まれるエチレン重合体の割合が異なるオレフィン系樹脂を複数種類採取した。得られた複数のオレフィン系樹脂のエチレン重合体含量(wt%)は、末端不飽和ポリエチレンの装入量とオレフィン樹脂の生成量の比からを求め、融解熱量ΔH(J/g)は上述の方法により測定し、両数値の相関から検量線を作成した。
なお、後述するオレフィン系樹脂β−1〜β−10、β−12〜β−17に含まれるエチレン重合体の割合は、それぞれ原料に用いたオレフィン系樹脂β’−1〜β’−10に含まれるエチレン重合体の割合と同等であった。
[プロピレン系重合体の割合]
プロピレン系重合体の割合は、製造例6において、末端不飽和ポリプロピレンの装入量とオレフィン樹脂の生成量との比から求めた。
なお、後述するオレフィン系樹脂β−11に含まれるプロピレン系重合体の割合は、原料に用いたオレフィン系樹脂β’−11に含まれるプロピレン系重合体の割合と同等であった。
[密度]
密度は、JIS−K6922に準拠して得られた樹脂のストランドを120℃で1時間熱処理し、1時間かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定した。
(使用試薬)
トルエンはGlassContour社製有機溶媒精製装置を用いて精製して用いた。メチルアルミノキサンとしては、東ソーファインケム社製の10wt%メチルアルミノキサン/ヘキサン溶液MMAO−3Aを用いた。トリイソブチルアルミは、東ソー・ファインケム社製のトリイソブチルアルミをトルエンで1.0Mに希釈して用いた。トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートは、旭硝子株式会社製のトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートをトルエンで0.2mMに希釈して用いた。
(使用したオレフィン系樹脂)
実施例及び比較例において使用したオレフィン系樹脂を以下に示す。なお、分析および評価サンプルの合成のため、複数回実施していることがある。
[製造例1]
<オレフィン系樹脂(β’−1)の製造>
工程(B)および工程(C):容積950mLの連続重合器に、その一つの供給口から、脱水精製したn−ヘプタンを1712mL/hrの速度で供給し、同時に連続重合器の別の供給口から、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.2mmol/L)を47mL/hrの速度で、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジメチルのトルエン溶液(0.03mmol/L)を63mL/hrの速度で、下記式(1)で示される化合物(1)のトルエン溶液(0.01mmol/L)を40mL/hrの速度で、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(4mmol/L)を38mL/hrの速度で連続的に供給した(成分全体の供給速度:1900mL/hr)。また、同時に連続重合器の別の供給口から、エチレンを300 g/hrの割合で、水素を3.5L/hrの割合で、1−ブテンを88 g/hrの割合で連続供給し、重合温度110℃、全圧0.6Mpa−G、滞留時間約30min、攪拌回転数970rpmの条件下で連続溶液重合を行った。 重合器で生成したエチレン/1−ブテン/ポリエチレングラフト型共重合体のヘプタン溶液は、重合器上壁部に設けられた排出口を介して流量約1900mL/hrの速度で連続的に排出させ、採取瓶に重合反応液を回収した。得られた重合反応液を130℃にて10時間減圧乾燥した。その結果、オレフィン系樹脂(β'−1)が約167g/hrの生産スピードで得られた。分析結果を表1に示す。
Figure 0006581662

[製造例2]
<オレフィン系樹脂(β’−2)の製造>
工程(B)および工程(C):製造例1において、水素の供給量を2.2L/hrにした以外は製造例1と同様に実施した。その結果、オレフィン系樹脂(β'−2)が約134g/hrの生産スピードで得られた。分析結果を表1に示す。
[製造例3]
<オレフィン系樹脂(β’−3)の製造>
工程(B)および工程(C):製造例1において、水素の供給量を1.9L/hrに、1−ブテンを120 g/hrにした以外は製造例1と同様に実施した。その結果、オレフィン系樹脂(β'−3)が約127g/hrの生産スピードで得られた。分析結果を表1に示す。
[製造例4]
<オレフィン系樹脂(β'−4)の製造>
工程(B)および工程(C):製造例1において、水素の供給量を2.7L/hrにした以外は製造例1と同様に実施した。その結果、オレフィン系樹脂(β'−4)が約152g/hrの生産スピードで得られた。分析結果を表1に示す。
[製造例5]
<オレフィン系樹脂(β'−5)の製造>
工程(B)および工程(C): 製造例2において、化合物(1)のトルエン溶液(0.01mmol/L)の供給速度を20mL/hrにしたこと、および、n-ヘプタンの供給速度を1742mL/hrにしたこと以外は製造例2と同様に実施した。その結果、オレフィン系樹脂(β'−5)が約140g/hrの生産スピードで得られた。分析結果を表1に示す。
[製造例6]
<オレフィン系樹脂(β’−6)の製造>
工程(B)および工程(C):製造例2において、化合物(1)の代わりに下記式(2)で示される化合物(2)を使用したこと以外は製造例2と同様に実施した。その結果、オレフィン系樹脂(β'−6)が約136g/hrの生産スピードで得られた。分析結果を表1に示す。
Figure 0006581662

(化合物(2))
[製造例7]
<オレフィン系樹脂(β’−7)の製造>
工程(B)および工程(C):容積950mLの連続重合器に、その一つの供給口から、脱水精製したn−ヘプタンを1495mL/hrの速度で供給し、同時に連続重合器の別の供給口から、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.2mmol/L)を47mL/hrの速度で、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジメチルのトルエン溶液(0.03mmol/L)を63mL/hrの速度で、化合物(1)のトルエン溶液(0.01mmol/L)を39mL/hrの速度で、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(4mmol/L)を38mL/hrの速度で連続的に供給した(成分全体の供給速度:1682mL/hr、1−オクテンの供給速度を加えて1900mL/hr)。また、同時に連続重合器の別の供給口から、エチレンを300 g/hrの割合で、水素を0.7L/hrの割合で、1−オクテンを156 g/hrの割合で連続供給し、重合温度110℃、全圧0.53Mpa−G、滞留時間約30min、攪拌回転数970rpmの条件下で連続溶液重合を行った。 重合器で生成したエチレン/1−オクテン/ポリエチレングラフト型共重合体のヘプタン溶液は、重合器上壁部に設けられた排出口を介して流量約1900mL/hrの速度で連続的に排出させ、採取瓶に重合反応液を回収した。得られた重合反応液を140℃にて10時間減圧乾燥した。その結果、オレフィン系樹脂(β'−7)が約130g/hrの生産スピードで得られた。分析結果を表1に示す。
[製造例8]
<オレフィン系樹脂(β’−8)の製造>
工程(B)および工程(C):容積950mLの連続重合器に、その一つの供給口から、脱水精製したn−ヘプタンを1683mL/hrの速度で供給し、同時に連続重合器の別の供給口から、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.2mmol/L)を56mL/hrの速度で、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジメチルのトルエン溶液(0.03mmol/L)を75mL/hrの速度で、化合物(1)のトルエン溶液(0.01mmol/L)を48mL/hrの速度で、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(4mmol/L)を38mL/hrの速度で連続的に供給した(成分全体の供給速度:1900mL/hr)。また、同時に連続重合器の別の供給口から、エチレンを300 g/hrの割合で、水素を2.6L/hrの割合で、プロピレンを53 g/hrの割合で連続供給し、重合温度110℃、全圧0.66Mpa−G、滞留時間約30min、攪拌回転数970rpmの条件下で連続溶液重合を行った。 重合器で生成したエチレン/プロピレン/ポリエチレングラフト型共重合体のヘプタン溶液は、重合器上壁部に設けられた排出口を介して流量約1900mL/hrの速度で連続的に排出させ、採取瓶に重合反応液を回収した。得られた重合反応液を130℃にて10時間減圧乾燥した。その結果、オレフィン系樹脂(β'−8)が約135g/hrの生産スピードで得られた。分析結果を表1に示す。
[製造例9]
<オレフィン系樹脂(β'−9))の製造>
工程(A):末端不飽和ポリプロピレン(M−1)の製造
触媒として使用したジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドは特許第3737134号に開示されている方法に従って合成した。
充分に窒素置換した内容積2Lのガラス製反応器に、トルエン1.5Lを入れたのち、85℃に昇温した。そこに600rpmで重合器内部を撹拌しながらプロピレンを240L/hrで連続的に供給し、液相および気相を飽和させた。引き続きプロピレンを連続的に供給した状態で、メチルアルミノキサン(DMAOとも記す)のトルエン溶液(1.5mol/L)を5.0mL(7.5mmol)、ついでジメチルシリルビス(2−メチル−4−フィニルインデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.0020mol/L)を6.0mL(0.012mmol)加え、常圧下、85℃で30分間重合を行った。重合の停止は少量のイソブタノールを添加することにより行った。得られた重合反応液を、少量の塩酸を含む5Lのメタノール中に加え、重合体を析出させた。析出物をメタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、プロピレン重合体(末端不飽和ポリプロピレン(M−1))63.4gを得た。得られた重合体を分析した結果、不飽和末端量は0.43個/1000C、末端ビニル量は0.27個/1000C、mmmmは94%、重量平均分子量は55300であった。
工程(C):オレフィン系樹脂(β'−9))の製造
充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製反応器に、末端不飽和ポリプロピレン(M−1)5.0gとキシレン500mlを入れたのち、97℃に昇温し末端不飽和ポリプロピレン(M−1)を溶解させた。そこに、600rpmで重合器内部を撹拌しながら、エチレンおよび1−ブテンをそれぞれ120L/hrおよび30L/hrで連続的に供給し、液相および気相を飽和させた。引き続きエチレンおよび1−ブテンを連続的に供給した状態で、トリイソブチルアルミニウム(iBu3Alとも記す)のデカン溶液(1.0mol/L)を1.0mL(1.00mmol)、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジメチルのトルエン溶液(0.0020mol/L)を10.0mL(0.02mmol)、ついでトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3CB(C654とも記す)のトルエン溶液(4.0mmol/L)を6.25mL(0.025mmol)加え、常圧下、97℃で40分間重合を行った。重合の停止は少量のイソブタノールを添加することにより行った。得られた重合反応液を、少量の塩酸を含む1.5Lのメタノール中に加え、重合体を析出させた。析出物をメタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥し、29.3gのオレフィン系樹脂(β'−9)を得た。オレフィン系樹脂(β'−9)の分析結果を表1に示す。
[製造例10]
<オレフィン系樹脂(b’−1))の製造>
容積950mLの連続重合器に、その一つの供給口から、脱水精製したn−ヘプタンを1761mL/hrの速度で供給し、同時に連続重合器の別の供給口から、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.2mmol/L)を38mL/hrの速度で、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジメチルのトルエン溶液(0.03mmol/L)を63mL/hrの速度で、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(4mmol/L)を38mL/hrの速度で連続的に供給した(成分全体の供給速度:1900mL/hr)。また、同時に連続重合器の別の供給口から、エチレンを300 g/hrの割合で、水素を3.9L/hrを22秒間隔で供給し、1−ブテンを65 g/hrの割合で連続供給し、重合温度110℃、全圧0.6Mpa−G、滞留時間約30min、攪拌回転数970rpmの条件下で連続溶液重合を行った。 重合器で生成したエチレン/1−ブテン共重合体のヘプタン溶液は、重合器上壁部に設けられた排出口を介して流量約1900mL/hrの割合で連続的に排出させ、採取瓶に重合反応液を回収した。得られた重合反応液を130℃にて10時間減圧乾燥した。その結果、エチレン/1−ブテン共重合体樹脂であるオレフィン系樹脂(b’−1)が約122g/hrの生産スピードで得られた。分析結果を表1に示す。
[製造例11]
<オレフィン系樹脂(b’−2))の製造>
製造例10において、水素の供給量を2.4L/hrに、1−ブテンの供給量を76 g/hrにした以外は製造例10と同様に実施した。その結果、オレフィン系樹脂(b’−2)が約118g/hrの生産スピードで得られた。分析結果を表1に示す。
Figure 0006581662





[実施例1]
<オレフィン系樹脂(β−1)の製造>
オレフィン系樹脂(β'−1)100質量部に、無水マレイン酸(日本油脂社製、MAHとも記す)1.2質量部、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン(日本油脂社製、商品名パーヘキシン25B)0.06質量部をアセトンに溶解させて得られた溶液をドライブレンドした。 その後、二軸混練機(日本製鋼所製、TEX−30)を用いて樹脂温度250℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量50g/分にて押し出し、マレイン酸変性オレフィングラフト型重合体(GP1)を含むオレフィン系樹脂(β−1)を得た。得られたオレフィン系樹脂(β−1)の分析結果を表2に示す。
[実施例2]
<オレフィン系樹脂(β−2)の製造>
表2に示した配合割合に従い実施例1と同様にオレフィン系樹脂(β−2)を製造した。得られたオレフィン系樹脂(β−2)の分析結果を表2に示す。
[実施例3]
<オレフィン系樹脂(β−3)の製造>
表2に示した配合割合に従い実施例1と同様にオレフィン系樹脂(β−3)を製造した。得られたオレフィン系樹脂(β−3)の分析結果を表2に示す。
[実施例4]
<オレフィン系樹脂(β−4)の製造>
表2に示した配合割合に従い実施例1と同様にオレフィン系樹脂(β−4)を製造した。得られたオレフィン系樹脂(β−4)の分析結果を表2に示す。
[実施例5]
<オレフィン系樹脂(β−5)の製造>
表2に示した配合割合に従い実施例1と同様にオレフィン系樹脂(β−5)を製造した。得られたオレフィン系樹脂(β−5)の分析結果を表2に示す。
[実施例6]
<オレフィン系樹脂(β−6)の製造>
表2に示した配合割合に従い実施例1と同様にオレフィン系樹脂(β−6)を製造した。得られたオレフィン系樹脂(β−6)の分析結果を表2に示す。
[実施例7]
<オレフィン系樹脂(β−7)の製造>
表2に示した配合割合に従い実施例1と同様にオレフィン系樹脂(β−7)を製造した。得られたオレフィン系樹脂(β−7)の分析結果を表2に示す。
[実施例8]
<オレフィン系樹脂(β−8)の製造>
表2に示した配合割合に従い実施例1と同様にオレフィン系樹脂(β−8)を製造した。得られたオレフィン系樹脂(β−8)の分析結果を表2に示す。
[実施例9]
<オレフィン系樹脂(β−9)の製造>
表2に示した配合割合に従い実施例1と同様にオレフィン系樹脂(β−9)を製造した。得られたオレフィン系樹脂(β−9)の分析結果を表2に示す。
[実施例10]
<オレフィン系樹脂(β−10)の製造>
表2に示した配合割合に従い実施例1と同様にオレフィン系樹脂(β−10)を製造した。得られたオレフィン系樹脂(β−10)の分析結果を表2に示す。
[実施例11]
<オレフィン系樹脂(β−11)の製造>
オレフィン系樹脂(β'−9)100質量部を1リットルのガラス製反応器に仕込み、室温、窒素雰囲気下で攪拌しつつ、無水マレイン酸0.8質量部をトルエン17質量部に溶解させた溶液および有機過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油株式会社、商品名パーヘキサ25B)2.7質量部をトルエン3.5質量部に溶解させた溶液を同時に並行して約20分かけて滴下した。滴下終了後、30分攪拌を継続した後、オイルバスにより5時間加熱還流した。反応終了後、冷却して内容物にアセトンを加えて合計の体積を1リットルとし、室温で10分間攪拌した後、濾過を行った。同様の操作を合計で4回繰り返し、60℃で5時間、真空乾燥を行った。得られたオレフィン系樹脂(β−6)の分析結果を表2に示す。
[比較例1]
<オレフィン系樹脂(b−1)の製造>
表2に示した配合割合に従い実施例1と同様に製造した。得られたオレフィン系樹脂(b−1)の分析結果を表2に示す。
[比較例2]
<オレフィン系樹脂(b−2)の製造>
表2に示した配合割合に従い実施例1と同様に製造した。得られたオレフィン系樹脂(b−2)の分析結果を表2に示す。
Figure 0006581662




[実施例12]
<オレフィン系樹脂(β−12)の製造>
オレフィン系樹脂(β’−1)60gにクロロベンゼン1175mLを加え、120℃に加温してオレフィン系樹脂(β’−1)を溶解させた。このポリマー溶液に、日本油脂(株)社製パーヘキサC(1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン)3.6gをグリシジルメタクリレート(GMA)36gに溶解させた溶液を4時間かけて滴下した。更に2時間100℃にて撹拌した後、室温に戻し、重合液をアセトン2Lに注いだ。析出したポリマーをろ取し、120℃の真空オーブンにて10時間減圧乾燥することでGMAをグラフト変性したポリマーを得た。GMAの含有量はFT−IRにてエステル結合のカルボニル基に帰属される波数1730cm-1〜1740cm-1の吸収ピーク強度を元に別途作成した検量線から求めた。得られたオレフィン系樹脂(β−12)の分析結果を表3に示す。
[実施例13]
<オレフィン系樹脂(β−13)の製造>
オレフィン樹脂として、β’−1の代わりにβ’−2を用いる以外は、実施例12と同様な方法にてGMAをグラフト変性したポリマーを得た。得られたオレフィン系樹脂(β−13)の分析結果を表3に示す。
[実施例14]
<オレフィン系樹脂(β−14)の製造>
オレフィン樹脂として、β’−1の代わりにβ’−3を用いる以外は、実施例12と同様な方法にてGMAをグラフト変性したポリマーを得た。得られたオレフィン系樹脂(β−14)の分析結果を表3に示す。
[実施例15]
<オレフィン系樹脂(β−15)の製造>
オレフィン系樹脂(β’−1)60gにクロロベンゼン1175mLを加え、120℃に加温してオレフィン系樹脂(β’−1)を溶解させた。このポリマー溶液に、日本油脂(株)社製パーヘキサC(1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン)3.6gを2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)36gに溶解させた溶液を4時間かけて滴下した。更に2時間100℃にて撹拌した後、室温に戻し、重合液をアセトン2Lに注いだ。析出したポリマーをろ取し、120℃の真空オーブンにて10時間減圧乾燥することで、HEMAをグラフト変性したポリマーを得た。得られたオレフィン系樹脂(β−15)の分析結果を表3に示す。
[実施例16]
<オレフィン系樹脂(β−16)の製造>
オレフィン系樹脂(β’−1)60gにクロロベンゼン1175mLを加え、120℃に加温してオレフィン系樹脂(β’−1)を溶解させた。このポリマー溶液に、日本油脂(株)社製パーヘキサC(1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン)3.6gをメチルメタクリレート(MMA)36gに溶解させた溶液を4時間かけて滴下した。更に2時間100℃にて撹拌した後、室温に戻し、重合液をアセトン2Lに注いだ。析出したポリマーをろ取し、120℃の真空オーブンにて10時間減圧乾燥することで、MMAをグラフト変性したポリマーを得た。得られたオレフィン系樹脂(β−16)の分析結果を表3に示す。
[実施例17]
<オレフィン系樹脂(β−17))の製造>
オレフィン系樹脂(β’−1)100重量部に、ビニルトリメトキシシラン(東京化成社製)を1.5重量部、有機過酸化物1として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂社製、商品名パーヘキシン25B)0.05重量部を配合し、二軸混練機(日本製鋼所製、TEX−30)を用いて樹脂温度210℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量50g/分にて押し出し、ビニルトリメトキシシラン変性オレフィングラフト型重合体(GP1)を含むオレフィン系樹脂(β−17)を得た。得られたオレフィン系樹脂(β−17)の分析結果を表3に示す。
シラングラフト含有量は、オレフィン系樹脂(β−17)をアセトン溶媒にてソックスレー抽出を行ったサンプルを採取し、そのサンプルを湿式分解後、純水にて定容しICP発光分析装置(島津製作所社製、ICPS−8100)にて、ケイ素(Si)を定量化することにより求めた。
Figure 0006581662





[実施例18]
<積層体の製造>
ポリエステル樹脂層は、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、商品名ルミラ−S10)(100ミクロン厚み)(以下、PET−S10と略記)を使用した。
接着樹脂層は、実施例1で得たオレフィン系樹脂(β−1)をPTFEシートではさみ180℃に設定した油圧式熱プレス成形機を用いて、10分余熱した後2分間加圧し、すぐに20℃に設定した油圧式熱プレス成形機で4分間冷却して150ミクロン厚さに調整したシートを使用した。
積層体は、PET−S10/オレフィン系樹脂(β−1)/PET−S10の順で各シートを重ね、ヒートシーラーにより240℃、1kg/cm2の圧力で3分間押圧して融着させて作製した。
<積層体の接着力評価>
上記で製造した積層体を15mm幅に切り、ポリエステル樹脂層と接着樹脂層との界面における接着力(単位:N/15mm)を、引張試験機を使用して180度ピ−ルにて室温23℃、60℃、80℃のそれぞれの温度雰囲気下、引張速度50mm/minで測定した。評価結果を表4に示す。
[比較例3]
実施例18で接着樹脂層に使用した樹脂をオレフィン系樹脂(b−1)に変更した以外は、実施例7と同様に積層体を製造し、接着力評価を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 0006581662
実施例18と比較例3との比較から、グラフト型重合体[GP]を含むオレフィン樹脂(β−1)はグラフト型重合体[GP]を含まないオレフィン樹脂(b−1)と比較して高い接着力を有していることが分かる。特に高温においてグラフト型重合体[GP]を含むオレフィン樹脂(β−1)は優れた接着力を有することが確認された。具体的には80℃評価において、比較例3では実用に耐えない1.0N/15mm未満の接着力であるのに対して、実施例18では実用に耐えうる1.0N/15mmを超える接着力を示した。
[実施例19]
<ポリアミド樹脂(6ナイロン)組成物の製造>
6ナイロン[東レ株式会社製、商品名アミランCM1017]95質量部と、オレフィン系樹脂(β−4)5質量部とを、ヘンシェルミキサーを用いて混合してドライブレンド物を調製した。次いで、このドライブレンド物を245℃に設定した2軸押出機(L/D=42、30mmφ)に供給し、ポリアミド樹脂組成物のペレットを調製した。得られたポリアミド樹脂組成物のペレットを80℃で1昼夜乾燥した後、下記条件で射出成形を行ない、物性試験用試験片を作製した。
(射出成形条件)
シリンダー温度:245℃
射出圧力:400kg/cm2
金型温度:80℃
<ポリアミド樹脂(6ナイロン)組成物の物性評価>
続いて、下記の方法により、ポリアミド樹脂組成物の物性評価を行った。評価結果を表5に示す。
(1)曲げ試験
厚み1/8”の試験片を用い、ASTM D790に従って、曲げ弾性率(FM;kg/cm2)を測定した。なお、試験片の状態調製は、乾燥状態で23℃の温度で2日間行った。
(2)アイゾット衝撃試験
厚み1/8”の試験片を用い、ASTM D256に従って、23℃及び−40℃でノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。なお、試験片の状態調製は、乾燥状態で23℃の温度で2日間行った。
[実施例20〜24、比較例4〜6]
表5に示した6ナイロンとオレフィン系樹脂を用いた以外は実施例19と同様にしてポリアミド樹脂組成物を調製した。結果を表5に示す。
[実施例25]
オレフィン系樹脂(β−4)に変えて、オレフィン系樹脂(β−11)を用い、2軸押出機に変えて、ラボプラストミル(東洋精機社製)を用いバッチ式で混合した以外は実施例19と同様にしてポリアミド樹脂組成物を調製した。
Figure 0006581662


実施例19〜24と比較例4〜6との比較から、グラフト型重合体[GP]を含むオレフィン系樹脂(β−4)および(β−5)を配合したポリアミド樹脂組成物は、グラフト型重合体[GP]を含まないオレフィン系樹脂(b−1)を用いたポリアミド樹脂組成物と比較して、優れた剛性と耐衝撃性のバランスを有していることが分かる。特に低温(-40℃)においてその効果が大きく、特にオレフィン樹脂(β−5)を用いたポリアミド樹脂組成物の剛性と耐衝撃性のバランスが優れている。(図1参照。)
[実施例26〜29、比較例7〜8]
<ポリアミド6T樹脂(6Tナイロン)組成物の製造>
(ポリアミド6T樹脂の製造)
ポリアミド6T(PA6T)樹脂は、以下のように調整した。
テレフタル酸2184g(13.1モル)、1,6−ヘキサンジアミン2800g(24.1モル)、アジピン酸1572g(10.8モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物5.7g及び蒸留水550gを内容量13.6Lのオートクレーブに入れ、窒素置換した。190℃から攪拌を開始し、3時間かけて内部温度を250℃まで昇温した。このとき、オートクレーブの内圧を3.01MPaまで昇圧した。このまま1時間反応を続けた後、オートクレーブ下部に設置したスプレーノズルから大気放出して低縮合物を抜き出した。その後、室温まで冷却後、粉砕機で1.5mm以下の粒径まで粉砕し、110℃で24時間乾燥した。得られた低縮合物の水分量は3500ppm、極限粘度(η)は0.13dl/gであった。次に、この低縮合物を棚段式固相重合装置にいれ、窒素置換後、約1時間30分かけて220℃まで昇温した。その後、1時間反応し、室温まで降温した。得られたポリアミドの極限粘度(η)は0.49dl/gであった。その後、スクリュー径30mm、L/D=36の二軸押出機にて、バレル設定温度330℃、スクリュー回転数200rpm、6Kg/hの樹脂供給速度で溶融重合して、ポリアミド6T樹脂を調製した。得られたポリアミド樹脂の極限粘度(η)は0.99dl/g、融点(Tm)は310℃であった。
なお、得られたポリアミド6T樹脂の極限粘度(η)は以下のようにして測定した。ポリアミド0.5gを96.5%硫酸溶液50mlに溶解させた。得られた溶液の、25℃±0.05℃の条件下での流下秒数を、ウベローデ粘度計を使用して測定し、「数式:(η)=ηSP/(C(1+0.205ηSP))」に基づき算出した。
(η):極限粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
t:試料溶液の流下秒数(秒)
0:ブランク硫酸の流下秒数(秒)
ηSP=(t−t0)/t0
また、得られたポリアミド6T樹脂の融点(Tm)を以下のようにして測定した。ポリアミドを、PerkinElemer社製DSC7を用いて、350℃で5分間保持し、次いで10℃/分の速度で23℃まで降温させた後、10℃/分で昇温した。このときの融解に基づく吸熱ピ−クのピークトップを融点(Tm)とした。
(ポリアミド6T樹脂(6Tナイロン)組成物の製造)
表6に示される組成比で、ポリアミド6T樹脂、オレフィン系樹脂、ガラス繊維(オーウェンスコーニング社製、FT756D)を、タンブラーブレンダーを用いて混合し、二軸押出機((株)日本製鋼所製 TEX30α)にて、シリンダー温度をポリアミド6T樹脂の融点(Tm)よりも15℃高い温度((Tm+15)℃)である325℃とし、で原料を溶融混錬後、ストランド状に押出し、水槽で冷却した。その後、ペレタイザーでストランドを引き取り、カットすることでペレット状組成物を得た。
得られた各樹脂組成物について、以下の各試験項目について、以下の条件で試験片を調整し試験を行った。得られた結果を表6にまとめて示す。
(IZOD衝撃強度)
下記の射出成型機を用い、下記の成形条件で調整したノッチ付き、厚さ:3.2mmの試験片を作成して、ASTM D256に準拠して、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下でのIZOD衝撃強度で測定した。
成型機:住友重機械工業(株)社製、SE50DU
成型機シリンダー温度:325℃((Tm+15)℃)、金型温度:120℃
(曲げ弾性率)
下記の射出成型機を用い、下記の成形条件で調整した長さ64mm、幅6mm、厚さ0.8mmの試験片を、温度23℃、窒素雰囲気下で24時間放置した。次いで、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で曲げ試験機:NTESCO社製 AB5、スパン26mm、曲げ速度5mm/分で曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。
成型機:(株)ソディック プラスティック、ツパールTR40S3A
成型機シリンダー温度:325℃((Tm+15)℃)、金型温度:120℃
Figure 0006581662

実施例26〜29と比較例7〜8との比較から、グラフト型重合体[GP]を含むオレフィン系樹脂(β−4)および(β−5)を配合したポリアミド樹脂組成物は、グラフト型重合体[GP]を含まないオレフィン系樹脂(b−2)を用いたポリアミド6T樹脂組成物と比較して、優れた剛性と耐衝撃性のバランスを有していることが分かる。(図2参照。)
[実施例30〜34、比較例9〜13]
<PBT樹脂組成物、PPS樹脂組成物の製造>
前述の実施例に記載のオレフィン系樹脂に加え、以下の樹脂を使用した。
(α−1)PBT樹脂:ポリプラスチック社製ジュラネックス2000を使用した。
(α−2)PPS樹脂:東レ株式会社製トレリナA900を使用した。
(α−3)エチレン/1-ブテン共重合体:メタロセン触媒にて重合品(MFR4.1g/10min(190℃、2.16kg荷重)、エチレン含有量82モル%、ブテン含有量18モル%、密度0.863g/cm3)を使用した。
(b−3 )エチレン/アクリル酸/グリシジルメタクリレートコポリマー:アルケマ社製ロタダーAX8900を使用した。
(b−4)極性基をグラフト化したエチレン-αオレフィンコポリマー:三井化学社製 タフマーMH−7020を使用した。
表7に記載の配合割合となるよう各成分を混合し、バレル径37mmのベント付き二軸押出機(東芝機械社製 TEM37BS)を用いて、250℃〜280℃のシリンダー温度の設定で、スクリュー回転速度400rpmで溶融混練し、ストランド状に押し出して樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを、住友重機械社製射出成型機(型式SG−75SYCAP−MIII)を用い、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で、ISO試験片を成形した。
<PBT樹脂組成物、PPS樹脂組成物の評価>
続いて、下記の方法により、樹脂組成物の物性評価を行った。
(1)引張特性は、ASTM D638法に準じて評価した。
(2)ノッチ付きIZOD衝撃強度は、ASTM D256法に準じて評価した。
(3)曲げ特性は、ASTM D790法に準じて評価した。
評価結果は表7に示した。なお、表7のIZOD衝撃強度評価結果における(※)は、試験片が非破壊であったことを示す。
Figure 0006581662




実施例30〜33と比較例9〜12との比較から、グラフト型重合体[GP]を含むオレフィン樹脂(β)を配合したポリエステル樹脂組成物は比較例のポリエステル樹脂組成物と比較して、優れた耐衝撃性を有していることが分かる。また、実施例34と比較例13との比較から、オレフィン樹脂(β)を配合したPPS樹脂組成物の耐衝撃性が優れていることが分かる。

Claims (15)

  1. エチレン系共重合体から構成される主鎖(MC)およびオレフィン系重合体から構成される側鎖(SC)を有し、下記要件(i)および(ii)を満たし、極性基(P)を含む構造単位を含有するグラフト型重合体[GP]を含み、さらに
    下記要件(I)および(II)を満たす、オレフィン系樹脂(β)であって、
    末端不飽和ポリプロピレンおよび/または末端不飽和ポリエチレンと、エチレンと、少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合して得られたグラフト型重合体[GP’]を含むオレフィン系樹脂(β’)に、前記極性基(P)を含む構造単位を導入して得られたオレフィン系樹脂(β)
    (i)主鎖(MC)を構成するエチレン系共重合体が、エチレンから導かれる繰り返し単位と、炭素原子数3〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンから導かれる繰り返し単位とからなり、前記α-オレフィンから導かれる繰り返し単位の含有割合が主鎖(MC)に含まれる全繰り返し単位に対し10〜50mol%の範囲にある。
    (ii)側鎖(SC)が、エチレン重合体から構成される側鎖(SE)またはプロピレン重合体から構成される側鎖(SP)である。
    (I)極性基(P)を含む構造単位の含有量が、0.1〜10質量%の範囲にある。
    (II)示差走査熱量分析(DSC)により測定される融点(Tm)が80℃〜170℃の範囲にあり、ガラス転移温度(Tg)が−80〜−30℃の範囲にある。
  2. 前記のグラフト型重合体[GP]が、下記要件(iii)および(iv)をさらに満たす、請求項1に記載のオレフィン系樹脂(β)。
    (iii)側鎖(SC)が、エチレン重合体から構成される側鎖(SE)であり、エチレンから導かれる繰り返し単位、および必要に応じて炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる繰り返し単位からなり、前記エチレンから導かれる単位の含有割合が側鎖(SE)に含まれる全繰り返し単位に対し95〜100mol%の範囲である。
    (iv)前記側鎖(SE)を構成するエチレン重合体の重量平均分子量が、1000〜30000の範囲である。
  3. 前記のグラフト型重合体[GP]が、下記要件(v)および(vi)をさらに満たす、請求項1に記載のオレフィン系樹脂(β)。
    (v)側鎖(SC)が、プロピレン重合体から構成される側鎖(SP)であり、プロピレンから導かれる繰り返し単位、および必要に応じてエチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位からなり、前記プロピレンから導かれる単位の含有割合が側鎖(SP)に含まれる全繰り返し単位に対し95〜100mol%の範囲である。
    (vi)前記側鎖(SP)を構成するプロピレン重合体の重量平均分子量が、5000〜100000の範囲である。
  4. 前記極性基(P)が、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、シラノール基、チオール基、ハロゲン含有基からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)。
  5. 下記(A)および/または(B)、(C)ならびに(D)の工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)の製造方法。
    (A)ジメチルシリルビスインデニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属の化合物[A]を含むオレフィン重合用触媒の存在下でプロピレンを重合し、末端不飽和ポリプロピレンを製造する工程
    (B)フェノキシイミン配位子を有する周期表第4族または第5族の遷移金属の化合物[B]を含むオレフィン重合用触媒の存在下でエチレンを重合し、末端不飽和ポリエチレンを製造する工程
    (C)周期表第4族の遷移金属化合物[C]を含むオレフィン重合用触媒の存在下で、工程(A)で製造される末端不飽和ポリプロピレンおよび/または工程(B)で製造される末端不飽和ポリエチレンと、エチレンと少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合し、グラフト型重合体[GP']を含むオレフィン系樹脂(β')を製造する工程
    (D)工程(C)で製造されるオレフィン系樹脂(β')に極性基(P)を含む構造単位を導入し、グラフト型重合体[GP]を含むオレフィン系樹脂(β)を製造する工程。
  6. 前記工程(D)が、工程(C)で製造されるオレフィン系樹脂(β')を、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニル、ビニル基含有有機ケイ素化合物、またはカルボジイミド化合物にて変性させる工程である、請求項5に記載のオレフィン系樹脂(β)の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)2〜95質量部と、該オレフィン系樹脂(β)以外の熱可塑性樹脂(α)5〜98質量部(ただし、オレフィン系樹脂(β)と該熱可塑性樹脂(α)との合計を100質量部とする)とを含む、オレフィン系樹脂組成物。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)5〜95質量部と、該オレフィン系樹脂(β)以外の熱可塑性樹脂(α)5〜95質量部(ただし、オレフィン系樹脂(β)と該熱可塑性樹脂(α)との合計を100質量部とする)とを含む、オレフィン系樹脂組成物。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)2〜40質量部と、ポリアミド樹脂(E2)60〜98質量部(ただし、オレフィン系樹脂(β)とポリアミド樹脂(E2)との合計を100質量部とする)とを含む、オレフィン系樹脂組成物。
  10. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)2〜40質量部と、オレフィン系樹脂(β)以外のポリオレフィン樹脂(E6)0〜30質量部と、ポリエステル樹脂(E1)60〜98質量部(ただし、オレフィン系樹脂(β)とポリオレフィン樹脂(E6)と、ポリエステル樹脂(E1)との合計を100質量部とする)とを含む、オレフィン系樹脂組成物。
  11. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)2〜40質量部と、ポリフェニレンスルフィド樹脂(E4)60〜98質量部(ただし、オレフィン系樹脂(β)と、ポリフェニレンスルフィド樹脂(E4)との合計を100質量部とする)とを含む、オレフィン系樹脂組成物。
  12. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)を含んでなる成形体。
  13. 請求項7〜11のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂組成物を含んでなる成形体。
  14. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂(β)を含む層を少なくとも1層含む積層体。
  15. 請求項7〜11のいずれか一項に記載のオレフィン系樹脂組成物を含む層を少なくとも1層含む積層体。
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