JPH067761B2 - 耕耘爪の取付装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、耕耘爪の取付装置に係り、ロータリ耕耘機等
に利用される。

（従来の技術） ロータリ耕耘装置においては、爪軸に固設された筒状ブ
ラケット内に耕耘爪の基部を挿入して、ブラケットに耕
耘爪を着脱自在に取付けるようにしたものがある。

ところで、従来においては、第７図に示される如く、耕
耘爪101を爪軸105に固設したブラケット102にボルト10
3、ナット104により取付けるように構成されていた。

例えば、実公昭47-9601号公報に示される如くである。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、上記構造によれば、耕耘爪の取付け、取
外しに際し、ナット104をスパナ等の工具で螺合締結或
いは弛緩しなければならず、耕耘爪101の着脱に時間と
手間を要し、面倒であった。

そこで、本発明は斯る問題点を解決するために、ナット
に代えて板バネ機能を有する固定具を用いて、耕耘爪を
容易かつ短時間に着脱できるとともに、固定具の離脱、
脱落を防止できるようにした取付装置を提供するのが目
的である。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、爪軸13に固設された爪取付ブラケット21の互
いに対向する壁体24,25に挿通孔26,27が形成され、両壁
体24,25間に挿入された耕耘爪22の基部37を、挿通孔26,
27に貫通した頭部30を有する取付軸29とこれの突出部に
係合された固定金具33とによって、取付軸29の頭部30と
壁体25とで挟持状に取付け固定したものにおいて、叙述
の目的を達成するために、以下の技術的手段を講じたの
である。

すなわち、本発明は、取付軸29の突出部周面側に、軸方
向に係合する係合部31が形成され、固定金具33は係合脚
部35を備え、係合脚部35の長手方向に沿って湾曲形成さ
れた弾性板材よりなり、該係合脚部35と弾性力により耕
耘爪22の基部37を挟持すべく、係合部31に係合脚部35が
挿入係合され、更に、固定金具33は係合脚部35と反対側
に屈曲片部36を有し、この屈曲片部36が爪軸13の回転方
向Ａ側の爪取付ブラケット21の立上壁21Aに係合されて
いることを特徴とするのである。

（作用） 本発明によれば、爪取付ブラケット21に耕耘爪22を取付
ける場合には、爪取付ブラケット21の壁体24,25間に耕
耘爪22の基部37を挿入した後、取付軸29を一方の壁体24
側より貫通させ、他方の壁体25より突出する切欠係合部
31に固定金具33の係合脚部35を両側より係合状として打
込めばよい。

そうすれば、固定金具33の弾性力によって耕耘爪22の基
部37が頭部30と壁体25とで挟持状とされた固定状態が得
られる。

この固定状態で、爪軸13を耕耘方向Ａに回転して耕耘作
業がなされ、この耕耘中において、固定金具33に石や土
の抵抗Ｆが作用しても、屈曲片部36が爪取付ブラケット
21の立上壁21Aに、回転方向Ａ側で係合しているので、
抵抗Ｆはブラケット21で受け、固定金具33の離脱、脱落
が防止される。

また、耕耘爪22を取外す場合には、固定金具33に上記と
逆方向より打撃力を加えて切欠係合部31より係合脚部35
を離脱させればよい。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、第
６図において、１はロータリ機枠、２は耕耘部、３は耕
耘カバー装置であり、ロータリ機枠１は三点リンク機構
４を介してトラクタの後方に昇降自在に装着されてい
る。

ロータリ機枠１は入力ギヤーケース５の左右両側に突設
された腕体６の一端に伝動ケース７、他端に支持板８を
夫々有し、また腕体６から後方に延びる支持枠９を介し
て左右一対のゲージ輪10が設けられている。

ギヤーケース５はトラクタのＰＴＯ軸に接続される入力
軸11と正逆転切換機構とを有し、一方の腕体６内の伝動
軸12から伝動ケース７内の巻掛伝動機構を介して耕耘部
２の爪軸13を正逆転方向に切換駆動可能である。

耕耘カバー装置３はロータリ機枠１に固定された主カバ
ー14、この主カバー14の後端にヒンジ15を介して枢着さ
れた後部カバー16、及び左右両側の前側部カバー17、後
側部カバー18等から成り、その後部カバー16は弾下機構
19により下方に付勢されている。主カバー14の後端譜に
は、耕耘部２と後部カバー16との間に位置するように櫛
歯状のレーキ20が取付けられている。

耕耘部２は支持板８と伝動ケース７との下端部間に横架
された爪軸13に、回転方向及び横方向に適宜位置を変え
て筒状の爪取付ブラケット21を溶接等で固着し、その各
爪取付ブラケット21に耕耘爪22を夫々取付けてなる。

爪取付ブラケット21は第１図乃至第３図に示される如
く、互いに対向する左右一対のコ形状とされた壁体24,2
5を抱合せて溶着して箱形とされ、一方の壁体24には正
六角形の挿通（嵌合）孔26が形成され、他方の壁体25に
は円形の挿通孔27が形成されている。

29は耕耘爪22を取付けるための取付軸で、一端部に正六
角形の頭部30を備え、前記嵌合孔26に相対回動不能で、
かつ嵌脱自在に嵌合されるよう構成されている。また取
付軸29の他端部には外周面に沿って凹状とされた環状の
切欠係合部31が形成され、この係合部31と取付軸29の軸
方向に対して軸方向可動に係合される。

33は固定金具で、バネ鋼や鋼等の弾性を有する板材より
なり、一側中央より長手方向に沿って切欠溝34が形成さ
れることにより、二又状の係合脚部35を構成している。
そして係合脚部35の長手方向に沿って弓形又は三角二辺
を形造るように湾曲状に屈曲形成されているとともに、
係合脚部35の反対側は、円弧状に屈曲された屈曲片部36
を一体に有している。

そして、爪取付ブラケット21の両壁体24,25間に耕耘爪2
2の基部37が挿入されると共に、一側方より取付軸29
が、壁体24の嵌合孔26、基部37の挿通孔38及び壁体25の
挿通孔27を貫通して装着され、取付軸29の頭部30は壁体
24の嵌合孔26に嵌合状とされている。また他端部の切欠
係合部31は壁体25より突出状とされ、該切欠係合部31に
固定金具33の係合脚部35が両側より挟持状に、弾性変形
のもとに挿入係合されている。そして、固定金具33の弾
性力により取付軸29の頭部30を他方の壁体25方向に牽引
状とし、ここに頭部30と壁体25とで耕耘爪22の基部37を
挟持状に取付け固定し、更に、屈曲片部36は、爪軸13の
回転方向Ａ側において爪取付ブラケット21の立上壁21A
に係合されている。

ここにおいて、固定金具33の係合脚部35は、第５図に示
す如く係合部31に対して取付軸29の軸心より偏心した位
置において頂部35Aが係合され、ここに、切欠溝34の溝
底34Aが固定金具33を挿入する方向の弾性分力Ｂが生じ
るようにされている。

第１図から第３図の第１実施例では屈曲片部36が立上壁
21Aとの間に空間Ｃを有するものとされているが、第４
図の第２実施例では、屈曲片部36が立上壁21Aに重合状
に密着係合されている。

なお、35Bは挿入用ガイドを示している。

本発明の実施例は以上のように構成されており、耕耘爪
22を爪取付ブラケット21に取付ける場合には、第１図に
示される如く、爪取付ブラケット21の壁体24,25間に耕
耘爪22の基部37を挿入した後、取付軸29を一側方より貫
通させ、他方の壁体25より突出する切欠係合部31に両側
より固定金具33のガイド35Bを先行させて係合脚部35を
係合状としてハンマーで打込めばよい。そうすれば、第
１図に示される如く、固定金具33の弾性力によって耕耘
爪22が固定された状態が得られるとともに、屈曲片部36
が立上壁21Aに係合される。

また、耕耘爪22を取外す場合には、第１実施例では空間
Ｃにドライバー等を差込んで、挿入方向と反対方向に引
けばよく、第２実施例では、ガイド35Bをハンマー等で
挿入方向と反対方向にたたけばよい。

以上のように、耕耘爪22の取付け・取外しがハンマーに
よる固定金具33の打込みや逆方向の打撃によって簡単に
行なえ、従来のようなナット締結或いは弛緩作業に比較
して、短時間で、かつ容易に着脱できる。

また、耕耘中は、土、石等の抵抗Ｆが作用しても屈曲片
部36が立上壁21Aに押当られる方向に作用するので、固
定金具33の離脱、脱落を防止する方向となる。

なお、実施例において、嵌合孔26は六角とされている
が、これは円形、四角形等であってもよく、又、固定金
具33の挿入方向は横方向からで示しているが、これは耕
耘爪22の長手方向から挿入して後に、屈曲片部36を立上
壁21Aに係合するように回動させてもよい。

更に、耕耘爪22はナタ爪を示しているが、これは普通爪
でも、正逆転両用形の爪であってもよい。

（発明の効果） 本発明は以上の通りであり、爪取付ブラケットと爪基部
を貫通した取付軸の突出部周面側に切欠係合部が形成さ
れ、固定金具は係合脚部を備えると共に係合脚部の長手
方向に沿って湾曲形成されてなる弾性板材よりなり、固
定金具の弾性力により耕耘爪の基部を前期挟持状とすべ
く、切欠係合部に係合脚部が挟持状に挿入係合されたも
のであるから、耕耘爪の取付け・取外しが、短時間で、
容易に行える。

また、固定金具は係合脚部と反対側に屈曲片部を一体に
有し、この片部が爪軸回転方向側の爪取付ブラケットに
おける立上壁に係合されているので、耕耘中に、土、砂
等の抵抗を受けても、片部が立上壁に押当られる方向と
なり、ここに、固定具の離脱、脱落を確実に防止するこ
とができる。

本発明は以上の利点を有し、ロータリ耕耘機等に利用し
て実益大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例と従来例を示し、第１図は本発明
第１実施例の要部断面平面図、第２図は同じく立面側面
図、第３図は立面断面図、第４図は第２実施例の要部断
面平面図、第５図は要部の拡大断面図、第６図はロータ
リ耕耘機の全体側面図、第７図は従来例の断面図であ
る。 13…爪軸、21…爪取付ブラケット、22…耕耘爪、24,25
…壁体、26…嵌合孔（挿通孔）、27…挿通孔、29…取付
軸、30…頭部、31…係合部、33…固定金具、35…係合脚
部、36…屈曲片部、37…基部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】爪軸13に固設された爪取付ブラケット21の
   互いに対向する壁体24,25に挿通孔26,27が形成され、両
   壁体24,25間に挿入された耕耘爪22の基部37を、挿通孔2
   6,27に貫通した頭部30を有する取付軸29とこれの突出部
   に係合された固定金具33とによって、取付軸29の頭部30
   と壁体25とで挟持状に取付け固定したものにおいて、 取付軸29の突出部周面側に、軸方向に係合する係合部31
   が形成され、固定金具33は係合脚部35を備え、係合脚部
   35の長手方向に沿って湾曲形成された弾性板材よりな
   り、該係合脚部35と弾性力により耕耘爪22の基部37を挟
   持すべく、係合部31には係合脚部35が挿入係合され、更
   に、固定金具33は係合脚部35と反対側に屈曲片部36を有
   し、この屈曲片部36が爪軸13の回転方向Ａ側の爪取付ブ
   ラケット21の立上壁21Aに係合されていることを特徴と
   する耕耘爪の取付装置。