JPH06768Y2 - 検体採取装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は検体採取装置、特に糞便中のヘモグロビンの検
出に用いるための、必要最少量の検体を採取しうるよう
になった検体採取装置に関する。

〔従来の技術〕

消化器系統における異常を簡単に検出するために、糞便
を採取し、糞便中のヘモグロビンを検出することは知ら
れている。

この検出を集団検診等に適用するためには、被検者自身
による糞便の採取が不可欠であり、そのための器具が種
々開発されている。実開昭62−69160では採取棒の一端
に、その軸に直交する方向の通孔を形成しており、この
採取棒のその端部を糞便に差し入れてとり出すことによ
り、通孔内およびその周辺に糞便を付着させ採取するも
のが示されている。また実開昭61−102941には、端部に
切欠きまたは凹所を設けた採取部材が、そして特開昭61
−228351には格子溝を表面に形成した採取サジが示され
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

これら従来の採取棒あるいはサジは有効であるが、その
使用においては採取される検体の量が比較的大きくま
た、バラツキが大きいため、そしてまた、検体を付着し
た採取棒等を直接検査びんに入れるようになっているた
めに、多数の検体に対し均一な検査がしばしば困難とな
ることがある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は採取される検体の量を必要且つ充分な安定した
値にすることの出来る検体採取装置を提供する。

本考案の検体採取装置は採取スティックと、その一端に
着脱可能に装着されるラベリング用部材と採取スティッ
クを収納するための、柔軟な材料からなる袋部分と、か
ら成り、スティックの他端にテーパーを付すと共にその
テーパ面を、微少な多数の凹凸を形成した、いわゆるシ
ボ面としている。

〔作用〕

このシボ面の凹凸の数と深さは、その凹部の合計容積が
検査に必要且つ充分な検体量にほぼ等しくなるように適
当に選ばれる。検体の付着したスティックは袋部分に収
納されて持運ばれ、検査においてはその袋部分を介して
スティックを押えつつとり出すことにより、余分の検体
を袋部分により拭きとり、シボ面の凹所にのみ検体が存
在しうるようにする。そして、そのスティックを従来の
ごとくに検査びんに入れて検査を行う。

〔実施例〕

以下図面にもとづき本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の一実施例における検体（糞便）採取ス
ティック１０とラベリング部材１２を組立てた状態で示
す斜視図であり、第２図はスティック１０の斜視図であ
る。また、第３図は袋部材１４の一部をめくり上げた状
態で示す正面図であって、スティック１０とラベリング
部材１２は仮想線で示してある。

第１図および第２図から明らかなように、スティック１
０は丸棒状の本体部１０ａと、先端部１０ｂと、後端部
１０ｃを有し、先端部１０ｂはテーパーを与えられてく
さび状とされ、そのテーパ面１０ｄに多数の凹凸を形成
してシボ面としている。スティックの後端部１０ｃには
対称的な突起１０ｅが設けられる。一方、ラベリング部
材１２の円筒状結合部１２ａには突起１０ｅを受け入れ
て固定するためのＬ字形スロット１２ｂが形成されてお
り、スティック１０の後端１０ｃを軸方向においてこの
結合部１２ａのスロット１２ｂに沿ってそう入し、９０
°回転させることにより両者のバヨネット式の結合が得
られるようになっている。

スティック１０とラベリング部材１２の組立体は第３図
に示す袋部材１４に収納されて持ち運びされる。

袋部材１４は一端が開放し、また、一方の側が少くとも
一部分において開放可能とされている。袋部材１４は好
適には第３図(b)に示すように柔軟な適当な樹脂からな
り外被１４ａと、例えば和紙のようなスティック１０の
拭き取りを行うことの出来る材料からなる裏打機１４ｂ
の積層体で形成されており、開放しうる側部は例えば第
３図(a)に示すようにマジックテープのような適当な着
脱自在の部材１６を側部内面に設けてもよく、あるいは
再使用可能な接着テープをそれに用いてもよい。

検体の採取においてはラベリング部材１２とスティック
１０との組立体のラベリング部材１２の部分をつまみ、
スティック１０の先端部１０ｂを糞便に差し入れて拭き
取るだけでよい。その後、この組立体を第３図(a)に示
すように側部を開いた袋部材１４にそう入し、側部を閉
じる。

検査においては袋部材１４を指で押圧してスティック１
０を拭いつつ抜き出し、検査びんにそう入すればよい。

袋部材１４のこの押圧によりスティック１０は裏打機１
４ｂにより拭われ、余分な検体を拭い取り、シボ面に必
要量の検体が残される。これを第４図に示しており、第
４図(a)は袋部材１４に収納されたときのスティック１
０のシボ面１０ｄ上の検体Ｔを、第４図(b)は拭い取ら
れた後の検体Ｔを夫々示している。

第５図(a)および第５図(b)は第１，２図におけるシボ面
１０ｄに更に複数の連続する突出部を設けた変形シボ面
１０ｆ，１０ｇを夫々示しており、第５図(a)において
は突出部はスティック１０の軸に直角であり、第５図
(b)においては軸に対し９０°以下の角度を与えられて
いる。これら変更例においても本考案の期待する効果が
得られる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、採取される検体の
量を均一に予定の値とすることが極めて容易となり、以
降の検査の結果に対する信頼性を著しく高めることが出
来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるスティックとラベリ
ング部材の組立体を示す斜視図、第２図は第１図の実施
例におけるスティックの斜視図、第３図(a)は第１図の
組立体を収納するための袋部材の正面図、第３図(b)は
第３図(a)の袋部材の壁の断面図、第４図(a)は検体採取
時のスティック上の検体を示す図、第４図(b)は袋状部
材による検体の拭き取り効果を示す図、第５図(a)は第
１，２図におけるシボ面の変形例を示す図、第５図(b)
は他の変更例を示す図である。 １０…スティック、１２…ラベリング部材、１４…袋部
材、１０ｄ，１０ｆ，１０ｇ…シボ面。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】採取スティックと、その一端に対し着脱可
   能なラベリング用部材と、上記採取スティックを収納す
   るための柔軟な材料からなる袋状部材とから成り、上記
   スティックの他端はテーパーを与えられてくさび状とな
   っており、このくさび状端部の少くとも一方の主面をシ
   ボ面としたことを特徴とする検体採取装置。
2. 【請求項２】前記シボ面に前記スティックの軸に角度を
   有する少くとも１本の連続する突出部を設けたことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の検体採取
   装置。
3. 【請求項３】前記袋状部材は上端が開放し、且つ一方の
   側部の少くとも一部が開閉可能となっていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記載
   の検体採取装置。
4. 【請求項４】前記スティックと前記ラベリング部材との
   結合はバヨネット形であることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項乃至第３項の１に記載する検体採取
   装置。