JPH0676622A - 機能性薄膜形成用ペースト組成物および機能性薄膜の作製法 - Google Patents

機能性薄膜形成用ペースト組成物および機能性薄膜の作製法

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JPH0676622A
JPH0676622A JP4248935A JP24893592A JPH0676622A JP H0676622 A JPH0676622 A JP H0676622A JP 4248935 A JP4248935 A JP 4248935A JP 24893592 A JP24893592 A JP 24893592A JP H0676622 A JPH0676622 A JP H0676622A
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functional thin
film
substrate
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Kaoru Torigoe
薫 鳥越
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温で焼成が可能であって、経時変化がな
く、薄膜作製に際して印刷方法を選ばず、また、基板と
の接着性が良好で、膜厚にばらつきがなく、しかもクラ
ック、ピンホール等の欠陥がない薄膜を形成することが
できる機能性薄膜形成用ペースト組成物を提供する。ま
たそのペースト組成物を使用して機能性薄膜の作製する
方法を提供する。 【構成】 機能性薄膜形成用ペースト組成物は、有機金
属化合物、アクリル樹脂、不飽和脂肪酸およびフタル酸
エステルを有機溶剤中に含有してなることを特徴とす
る。アクリル樹脂として、ポリメチルメタクリレート、
ポリエチルメタクリレートまたはポリブチルメタクリレ
ートが、不飽和脂肪酸として、リノール酸またはリノレ
ン酸が、また、フタル酸エステルとして、フタル酸と炭
素数4〜8の脂肪族アルコールから誘導されたものが好
ましく使用される。このペースト組成物を基板上に印刷
または塗布した後、焼成することによって機能性薄膜が
作製される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機能性薄膜形成用ペー
スト組成物およびこれを用いた機能性薄膜の作製法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、機能性薄膜については、ペースト
を基板上に塗布した後、焼成することによって作製する
ことが試みられている。この方法は、特別な装置を必要
とせず、また、比較的大面積の薄膜を容易に作製できる
ため、極めて有利な方法であり、例えば、サーマルヘッ
ドの抵抗体膜および透明導電膜等の作製は、この方法を
採用している。すなわち、サーマルヘッドの抵抗体膜に
関しては、例えば、特開昭53−100496号公報お
よび特開昭54−119695号公報に記載されている
ように、酸化ルテニウムとガラスフリットの粉体混合物
を、溶剤と樹脂を混合した有機ビヒクル中に分散させて
ペースト組成物を調製し、このペースト組成物を基板上
にスクリーン印刷し、焼成することによって抵抗体膜を
作製する方法が採用される。この方法に使用するペース
ト組成物は、ガラスフリット等を溶融させ、さらに基板
との接着性を向上させるために800℃程度の高温を必
要とする。また、透明導電膜に関しては、例えば、特開
昭59−18769号公報に記載されているように、焼
成によって透明導電性金属酸化物となる有機金属化合物
と有機溶媒と樹脂との混合物に、昇華性顔料を添加した
ペーストを使用し、スクリーン印刷性の向上を図ること
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来提
案されている機能性薄膜は、その作製のために特定の用
途に対応してそれぞれ異なった添加剤を用いたペースト
組成物を使用して形成されるものであって、種々の機能
性薄膜の作製に対して適用可能な汎用性のあるペースト
組成物は未だ知られていない。機能性薄膜を作製するた
めのペーストとしては、基板との接着性が良好で、印刷
方法を選ばず、膜厚などのばらつきがなく、しかも基板
の選択範囲が広がるようになるべく低温で焼成が可能で
あること、そして作製された膜には、膜厚のばらつき、
クラック、ピンホール等の欠陥がなく、また、材料組成
等のばらつきのない均質な膜質を有することが要求さ
れ、さらにペースト組成物自体に経時変化がないこと等
も要求される。従来、これら要求の全てを満足するペー
スト組成物は知られておらず、その出現が望まれてい
る。
【0004】ペースト組成物は、印刷方法或いは塗布方
法により、要求される粘度が異なるため、従来、粘度調
節のための樹脂として、エチルセルロース、ニトロセル
ロース等のセルロース系樹脂やブチラール樹脂が使用さ
れている。しかしながら、エチルセルロースおよびブチ
ラール樹脂等は、熱分解温度が高く、また完全に熱分解
しにくいため高温での焼成が必要となり、その結果、基
板の選択範囲が限られてくる。さらに、透明導電膜の作
製に用いる場合には、導電率の低下等、性能の劣化を招
くという問題がある。一方、ニトロセルロースは、分解
温度も低く、低温で完全に熱分解するが、それ自身に爆
発性があり、取り扱いが難しく、また、材料の入手の点
でも問題がある。
【0005】本発明は、従来の技術における上記のよう
な実情に鑑みてなされたものである。 したがって、本
発明の目的は、低温で焼成が可能であって、経時変化が
なく、薄膜作製に際して印刷方法を選ばず、また、基板
との接着性が良好で、膜厚にばらつきがなく、しかもク
ラック、ピンホール等の欠陥がない薄膜を形成すること
ができる機能性薄膜形成用ペースト組成物を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、種々の用途に適用可能
な機能性薄膜を作製する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、検討の結
果、従来使用されている粘度調整用の樹脂に代えて、ア
クリル樹脂を用いると、低温で焼成が可能になるばかり
でなく、広範囲の粘度に対応することができるペースト
組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成
するに至った。本発明の機能性薄膜形成用ペースト組成
物は、有機金属化合物、アクリル樹脂、不飽和脂肪酸お
よびフタル酸エステルを有機溶剤中に含有してなること
を特徴とする。本発明の機能性薄膜の作製方法は、上記
機能性薄膜形成用ペースト組成物を基板上に印刷または
塗布した後、焼成することを特徴とする。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。有
機金属化合物としては、機能性薄膜の作製に使用されて
いる公知のものならば何如なるものでも使用することが
できる。例えば、金属アルコキシド、2−エチルヘキサ
ン酸金属塩等の脂肪酸金属塩、ナフテン酸金属塩、金属
アセチルアセトナート等が用いられ、これらは、機能性
薄膜の種類によって適宜選択して使用される。
【0008】例えば、抵抗体膜を作製するためのものと
しては、焼成後導電性の酸化物となる有機金属化合物、
例えば、白金族系の有機金属化合物であるRu、Rh、
Pd、Os、Ir、Pt等を含有する有機金属化合物が
使用でき、これ等白金族系の有機金属化合物に、焼成後
絶縁性の酸化物となるSi、Bi、Pb、Sn、Al、
B、Ti、Zr、CaおよびBaから選択された金属を
含有する有機金属化合物の少なくとも1種を併用するこ
とができる。透明導電膜を作製するためのものとして
は、In、Sn、Zn、Cd、Ti等を含有する有機化
合物が使用される。蛍光体膜を作製するための有機金属
化合物としては、Ca、W、Ba、Si、Zn、Cd、
P、Sr、Mg、As、Ge、Y、V、Ga、Pb、M
n、Ti、Sn、Eu、Er、Sm、Tm、Tb、A
l、Nd、Ce、Bi等を含有する有機金属化合物が使
用される。
【0009】磁性体膜を作製するためのものとしては、
Fe、Co、Ba、Mn、Ni、Zn、Y、Mg、G
d、Sr、V等を含有する有機化合物が使用される。強
誘電体膜を作製するためのものとしては、Ti、Ba、
Pb、La、Zr、Li、Ge、Zn、Sr、Mg、C
a、Ta、Nb、V、W、Mn、Cu、Ga、Al等を
含有する有機化合物が使用される。エレクトロクロミッ
ク薄膜を作製するためのものとしては、V、W、Ni、
Mo、Ti等を含有する有機金属化合物が使用される。
フォトクロミック薄膜を作製するためのものとしては、
Ca、Ti、Ni、Mo、Pb、La、Zr、Fe等を
含有する有機金属化合物が使用される。
【0010】本発明の機能性薄膜形成用ペースト組成物
を構成するベヒクル成分である、アクリル樹脂は、比較
的低温で熱分解するものであり、また、その化学構造や
重合度等の樹脂物性を変化させることにより、各種溶媒
への溶解性や粘度等を容易に調整することができる。し
たがって、これ等アクリル樹脂をペースト組成物用の添
加剤として用いることにより、低温で焼成が可能になる
ばかりでなく、広範囲の粘度に対応できるペースト組成
物を得ることができ、その結果、基板の選択も広がり、
従来不可能であったポリイミド等の耐熱性ポリマーフィ
ルムへの機能性薄膜の着膜が可能になる。
【0011】アクリル樹脂としては、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル類、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ヘキシル等のメタアクリル酸アルキル
エステル類のホモポリマーが使用できるが、特にポリメ
チルメタクリレート、ポリエチルメタクリレートまたは
ポリブチルメタクリレートが好ましい。
【0012】不飽和脂肪酸は、アクリル樹脂と併用した
場合、ペースト組成物のレベリング性を改善し、膜厚の
均一性を向上させる作用を示すものであって、さらに、
基板との接着性も著しく向上させることができる。不飽
和脂肪酸が添加されていないペースト組成物を用いた場
合には、例えば、抵抗体膜形成用ペーストの場合、膜厚
のばらつきが大きく、またピンホール等の膜欠陥が発生
し、さらに基板との接着性が悪く均一に着膜できないと
いう問題が生じ、また、アクリル樹脂を併用せず、不飽
和脂肪酸のみを添加した場合には、焼成後の膜にクラッ
クが発生する。したがって、アクリル樹脂に不飽和脂肪
酸を併用することが必要である。本発明において使用さ
れる不飽和脂肪酸としては、沸点がある程度高く、しか
も室温で液体であるもの、例えば、リノール酸およびリ
ノレン酸等が好ましいものとしてあげられる。
【0013】フタル酸エステルは、膜厚の均一化、ピン
ホール等の欠陥の減少、基板との接着性の向上、焼成後
の膜内の不純物(多成分の場合、均一混合物以外の各々
単独析出物)の消失、ペースト組成物の安定化向上の効
果を示すものであって、例えば、アクリル系樹脂とリノ
ール酸とを併用して作製された薄膜の場合、それを走査
型電子顕微鏡すると、多くのピンホールが認められる
が、上記フタル酸エステルを添加することによって、こ
れ等の点が改善される。本発明においてフタル酸エステ
ルとしては、従来、塗料において可塑剤、あるいはレベ
リング剤としても知られるものが使用でき、好ましく
は、アルコール成分として炭素数4〜8の脂肪族アルコ
ールを用いて誘導されたものが使用され、例えば、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、
フタル酸ジオクチル等があげられる。
【0014】本発明のペースト組成物における上記3種
の添加剤である、アクリル樹脂、不飽和脂肪酸およびフ
タル酸エステルの配合量は、適宜設定することができ、
通常、有機金属化合物1重量部に対して、それぞれ0.
2〜2重量部の範囲で使用される。
【0015】また、有機溶剤としては、例えば、トルエ
ン等の芳香族炭化水素類、α−テルピネオール、2−エ
チルヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール
類、ベンジルアセテート、カルビトールアセテート、ジ
メチルフタレート等の高沸点エステル類、ブチルセロソ
ルブ、カルビトール、ブチルカルビトール等の高沸点ア
ルコールエーテル類、テトラヒドロフラン等のエーテル
類等が用いられる。
【0016】本発明のペースト組成物においては、アク
リル樹脂、不飽和脂肪酸およびフタル酸エステルの3種
の添加剤の混合により、適度な粘性のもと、ヒステリシ
スのない安定したペースト組成物になる。またペースト
組成物の熱分解挙動の解析から分かるように、これ等3
種の添加剤は、ペーストの急激な熱分解を抑え、材料組
成を均質化すると共に、膜の欠陥を減らし、緻密化する
作用を示す。そして、これ等3種の添加剤の混合により
得られるペースト組成物は、経時変化がなく、機能性薄
膜作製に際して低温で焼成が可能であって、印刷方法を
選ばず、また、基板との接着性が良好で、膜厚にばらつ
きがなく、しかもクラック、ピンホール等の欠陥がない
薄膜を形成することができる。
【0017】次に、本発明の機能性薄膜の作製法につい
て説明する。本発明の機能性薄膜は、基板上に上記機能
性薄膜形成用ペースト組成物を印刷または塗布し、焼成
することにより作製することができる。本発明において
使用できる基板としては、ポリイミド、ポリフェニレン
サルファイド、ポリアミド等を始めとする耐熱性樹脂基
板、およびアルミナ、硼けい酸ガラス、無アルカリガラ
ス、石英ガラス、PLZT、PZT、BaTiO3 、M
gO、Si、GaAs基板等の無機基板、およびAl、
ステンレス等の金属基板等があげられる。印刷および塗
布方法としては、ディップコーティング法、ワイヤーバ
ーコーティング法、ドクターブレードコーティング法、
ロールコートコーティング法、スピンコートコーティン
グ法、スクリーン印刷法等の方法を用いることができ
る。焼成条件としては、用いる有機金属化合物の分解温
度以上であればよいが、熱分解を完全に行なわせ、焼成
後の膜の酸化状態を安定化させ、さらに結晶化を促進さ
せるためには350℃以上の温度が必要である。なお、
温度が高いほど結晶性の向上をはかることができる。
【0018】上記のようにして作製された機能性薄膜
は、基板との接着性が良好で、膜厚にばらつきがなく、
しかもクラック、ピンホール等の欠陥がないものとな
る。また、上記機能性薄膜作製法によれば、上記各種の
タイプの機能性薄膜を多層化することができ、また同一
基板内に多種類の機能性薄膜を形成することができる。
したがって、本発明を実施することによって、機能性デ
バイスの多機能化、高集積化、高密度化を達成すること
ができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例において「部」は「重量部」を意味す
る。 実施例1(抵抗体薄膜の作製) (ペースト組成物の調製)2−エチルヘキサン酸イリジ
ウムと2−エチルヘキサン酸ビスマスを原子比で1:2
となるように配合した混合物1部、ポリブチルメタクリ
レート(東レ・デュポン社製、エルバサイト2045)
の10重量%α−テルピネオール溶液1部、リノール酸
1部およびフタル酸ジオクチル1部を混合してペースト
組成物を調製した。 (薄膜の作製)耐熱性ポリマー基板としてポリイミド
(東レ・デュポン社製、カプトン100H)フィルムを
使用し、上記のペースト組成物をワイヤーバーコーティ
ング法により塗布し、70℃で1時間乾燥した。次い
で、マッフル炉で400℃で1時間焼成して、抵抗体薄
膜を作製した。得られた抵抗体薄膜の膜厚は、0.2μ
mであり、体積抵抗率は、0.38Ω・cmであった。
なお、体積抵抗率は、三菱油化社製表面抵抗率計(MC
P−T400)を用いて測定した。この抵抗体薄膜を膜
を横切るように切断し、透過型電子顕微鏡でその断面観
察を行なったところ、10〜100オングストローム以
下の微粒子が層状に積層した構造の緻密な膜を形成して
いることが確認された。また、走査型電子顕微鏡による
表面観察では膜欠陥が殆ど認められなかった。上記のよ
うにして作製した抵抗体薄膜は、上記のように微粒子か
らなるため基板との接着性が高く、テープによる剥離テ
スト等では剥がれない強固な膜になっていた。
【0020】なお、この実施例では、基板としてポリイ
ミドフィルムを用いたが、350℃程度の温度で短時間
耐えるものであれば如何なるものでも利用できる。上記
のペースト組成物は、金属の配合比を変えることにより
抵抗体薄膜の抵抗率を変えることができ、目的に応じて
サーマルヘッド、通電転写用インクシート、面状発熱体
等の抵抗体膜として利用できる。
【0021】実施例2 (透明導電膜の作製) (ペースト組成物の調製)2−エチルヘキサン酸インジ
ウムに2−エチルヘキサン酸錫を錫の含有量が6モル%
になるように配合した混合物1部、ポリエチルメタクリ
レートの10重量%テトラヒドロフラン溶液1部、リノ
ール酸1部、フタル酸ジブチル1部を混合してペースト
組成物を調製した。 (薄膜の作製)得られたペースト組成物をガラス基板上
に、ワイヤーバーコーティング法により塗布した。次い
で、マッフル炉において600℃で1時間焼成して、透
明導電膜を作製した。この透明導電膜は、膜厚0.2μ
mであり、可視光透過率95%以上を示した。実施例1
と同様の装置によって体積抵抗率を測定したところ、
8.7×10-3Ω・cmであった。また、この透明導電
膜は、ピンホール等の欠陥や面内の抵抗率のばらつきも
殆どなく極めて均質なものであった。さらに、上記ペー
スト組成物をポリイミド等の耐熱性ポリマー上に上記と
同様な方法で着膜し、その耐熱温度以下で焼成すると、
耐熱性ポリマー上に透明導電膜を形成することができ
た。
【0022】実施例3 (螢光体薄膜の作製) (ペースト組成物の調製)2−エチルヘキサン酸イット
リウムとトリス(ピバロイルトリフルオロアセトナト)
ユウロピウムを原子比で1:0.03となるように配合
した混合物1部、ポリブチルメタクリレートの10重量
%α−テルピネオール溶液1部、リノール酸1部および
フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)1部を混合してペ
ースト組成物を調製した。 (薄膜の作製)得られたペースト組成物を、ガラス基板
上に150〜400メッシュのステンレススクリーンを
用いて印刷法により塗布した。次いで、マッフル炉にお
いて600℃で1時間焼成して、膜厚0.2μmの蛍光
体薄膜を作製した。キセノンランプを光源とし、干渉フ
ィルターにより360nmの波長にした光を照射して、
蛍光体薄膜に励起したところ、612nmの赤色発光が
認められた。これはユウロピウムの 50 72 の遷
移によるものと考えられる。
【0023】実施例4 (磁性体薄膜の作製) (ペースト組成物の調製)2−エチルヘキサン酸鉄1
部、ポリエチルメタクリレートの10重量%TFH溶液
1部、リノール酸1部およびフタル酸ジオクチル1部を
混合してペースト組成物を調製した。 (薄膜の作製)得られたペースト組成物を、ポリイミド
フィルム(カプトン100H)上にワイヤーバーコーテ
ィング法により塗布し、100℃、1時間乾燥した。そ
の後、マッフル炉において400℃で1時間焼成し、膜
厚0.2μmの磁性体薄膜を作製した。得られた磁性体
薄膜の磁化率を振動試料型磁力計で測定したところ、飽
和磁化率は、5Kエルステッドの磁場のもとで23em
u/gの飽和磁化率を示した。
【0024】実施例5 (強誘電体薄膜の作製) (ペースト組成物の調製)2−エチルヘキサン酸鉛、2
−エチルヘキサン酸ランタン、2−エチルヘキサン酸ジ
ルコニウムおよびチタンテトライソプロポキシドを、原
子比でPb1-x Lax (Zry Ti1-y 1-x/4 (x=
0.09、y=0.65)となるように配合した混合物
1部、ポリブチルメタクリレートの10重量%α−テル
ピネオール溶液1部、リノール酸1部、およびフタル酸
ビス(2−エチルヘキシル)1部を混合してペースト組
成物を調製した。 (薄膜の作製)得られたペースト組成物を、ITOガラ
ス基板上にスピンコーターコーティング法により塗布
し、マッフル炉で600℃で1時間焼成した。この操作
を3回繰り返して、膜厚1μmの強誘電体薄膜を作製し
た。得られた強誘電体薄膜上に金を蒸着し、インピーダ
ンスアナライザーで比誘電率を測定したところ、比誘電
率は300/1KHzの値を示した。
【0025】実施例6 (エレクトロクロミック薄膜の
作製) (ペースト組成物の調製)ナフテン酸バナジウムのトル
エン溶液(バナジウム2重量%含有)を約70%に濃縮
して、粘稠な液体とし、この液体1部にポリブチルメタ
クリレートの10重量%α−テルピネオール溶液1部、
リノレン酸1部、およびフタル酸ビス (2−エチルヘ
キシル)1部を添加し、混合してペースト組成物を調製
した。 (薄膜の作製)得られたペースト組成物を、ITOガラ
ス基板上にスピンコーターコーティング法により塗布
し、マッフル炉において500℃で1時間焼成し、黄色
のV2 5 よりなる膜厚0.5μmのエレクトロクロミ
ック薄膜を作製した。対極としてITOガラスを用い、
両者の間に過塩素酸リチウムをプロピレンカーボネート
に溶解したものを電解質として封入し、エレクトロクロ
ミックセルを作製した。得られたセルに直流電界を印加
したところ、色相が薄い黄色から灰色に変化した。この
色相の変化は、極性を変化することにより繰り返し観測
することができた。
【0026】実施例7 (フォトクロミック薄膜の作
製) (ペースト組成物の調製)2−エチルヘキサン酸鉛、2
−エチルヘキサン酸ランタン、2−エチルヘキサン酸ジ
ルコニウムおよびチタンテトライソプロポキシドを原子
比でPb1-x Lax (Zry Ti1-y 1-x/4 (x=
0.09、y=0.50)となるように配合し、これに
2エチルヘキサン酸鉄を原子比で0.3モル%添加して
得た混合物1部、ポリエチルメタクリレートの10重量
%THF溶液1部、リノール酸1部およびフタル酸ビス
(2−エチルヘキシル)1部を混合してペースト組成物
を調製した。 (薄膜の作製)得られたペースト組成物を、ガラス基板
上にワイヤーバーコーティング法により塗布した後、マ
ッフル炉で600℃で1時間焼成し、膜厚0.5μmの
透明なフォトクロミック薄膜を作製した。この薄膜に3
60nmの光を照射したところ、緑色に変色した。また
この薄膜を200℃に加熱すると消色することが確認さ
れた。
【0027】
【発明の効果】本発明の機能性薄膜形成用ペースト組成
物は、上記構成を有するので、印刷あるいは塗布し、そ
の後焼成するという極めて単純な方法により機能性薄膜
を作製することができ、従来のペースト組成物に比べて
機能性薄膜ごとにそれぞれ異なる添加剤を用意し、ペー
ストを構成する必要もない。しかも、低温での焼成が可
能であるために、基板の選択範囲が広がり、また、クラ
ックやピンホール等の欠陥がなく、材料組成物のばらつ
きのない均質な薄膜を形成することができる。したがっ
て、本発明のペースト組成物および機能性薄膜作製方法
は、高機能、多機能、高集積、高密度デバイスの作製に
非常に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01C 7/00 C H05K 1/09 A 6921−4E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機金属化合物、アクリル樹脂、不飽和
    脂肪酸およびフタル酸エステルを有機溶剤中に含有して
    なることを特徴とする機能性薄膜形成用ペースト組成
    物。
  2. 【請求項2】 アクリル樹脂が、ポリメチルメタクリレ
    ート、ポリエチルメタクリレートまたはポリブチルメタ
    クリレートである請求項1に記載の機能性薄膜形成用ペ
    ースト組成物。
  3. 【請求項3】 不飽和脂肪酸が、リノール酸またはリノ
    レン酸である請求項1に記載の機能性薄膜形成用ペース
    ト組成物。
  4. 【請求項4】 フタル酸エステルが、フタル酸と炭素数
    4〜8の脂肪族アルコールから誘導されたものである請
    求項1に記載の機能性薄膜形用ペースト組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の機能性薄膜形成用ペー
    スト組成物を基板上に印刷または塗布した後、焼成する
    ことを特徴とする機能性薄膜の作製法。
JP4248935A 1992-08-26 1992-08-26 機能性薄膜形成用ペースト組成物および機能性薄膜の作製法 Pending JPH0676622A (ja)

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