JPH0677003A - 抵抗体薄膜 - Google Patents

抵抗体薄膜

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JPH0677003A
JPH0677003A JP4248936A JP24893692A JPH0677003A JP H0677003 A JPH0677003 A JP H0677003A JP 4248936 A JP4248936 A JP 4248936A JP 24893692 A JP24893692 A JP 24893692A JP H0677003 A JPH0677003 A JP H0677003A
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JP
Japan
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thin film
resistor
film
resistor thin
paste composition
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JP4248936A
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English (en)
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Kaoru Torigoe
薫 鳥越
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温で焼成が可能であって、経時変化がな
く、薄膜作製に際して印刷方法を選ばないペースト組成
物を使用して、基板との接着性が良好で、膜厚にばらつ
きがなく、しかもクラック、ピンホール等の欠陥がない
抵抗体薄膜を提供する。 【構成】 抵抗体薄膜は、白金族系の有機金属化合物、
Si、Bi、Pb、Sn、Al、B、Ti、Zr、Ca
およびBaから選択された少なくとも1成分を含有する
有機金属化合物、アクリル樹脂、不飽和脂肪酸およびフ
タル酸エステルを含有するペーストを、基板上に印刷ま
たは塗布し、焼成することによって形成される。アクリ
ル樹脂として、ポリアルキルメタクリレートが、不飽和
脂肪酸として、リノール酸またはリノレン酸が、また、
フタル酸エステルとして、炭素数4〜8の脂肪族アルコ
ールから誘導されたものが好ましく使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抵抗体形成用ペースト
組成物を用いて形成された抵抗体薄膜に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】抵抗体膜は、サーマルヘッド等に使用さ
れているが、その作製には、金属酸化物およびガラスフ
リットを含む厚膜抵抗ペーストを用いるものと、有機金
属化合物に各種溶剤および添加剤を加えたペーストを用
いるものとが知られている。前者の場合は、例えば、特
開昭53−100496号公報および特開昭54−11
9695号公報に記載されているように、酸化ルテニウ
ムとガラスフリットの粉体混合物を、溶剤と樹脂を混合
した有機ビヒクル中に分散させてペースト組成物を調製
し、このペースト組成物を基板上にスクリーン印刷し、
焼成することによって抵抗体膜を作製するものである。
また。後者の方法は、例えば、特開平1−220402
号公報に記載されているように、イリジウム等の有機金
属化合物と、焼成により絶縁性の酸化物となる有機金属
化合物を含むペーストを用い、基板上に印刷し、焼成す
ることによって抵抗体膜を作製するものである。
【0003】前者の場合は、ペーストが酸化ルテニウム
等の金属酸化物とガラスフリットの粉体から構成される
ため組成が不均一であり、そして形成された抵抗体膜は
膜厚が10μmまたはそれ以上の厚膜となり、膜厚のば
らつきも大きく、材料組成のかたよりも起こりやすいと
いう問題があり、抵抗率のばらつきの大きい抵抗体膜と
なってしまう。また、後者の場合は、有機金属化合物を
完全に熱分解させ、さらに生成する酸化物の酸化状態を
安定化させるために800℃程度の高温で焼成すること
が必要であり、その結果、例えば、耐熱性ポリイミドフ
ィルム等を基板として使用することができない等、基板
が限定されるという問題がある。ところで、抵抗体膜を
サーマルヘッドにおいて使用する場合、セラミック基板
上にアンダーグレーズと称されるガラス層を設けたもの
を基板として、その上に抵抗体膜を形成しているが、最
近、装置内の設置場所のフレキシビリティを増し設置面
積を低減することを目的として、可撓性の基体を用いて
フレキシブルなサーマルヘッドを作製することが求めら
れるようになってきている。
【0004】他方、通電転写用インクシートに関して
は、従来、その抵抗層としてはカーボンブラックを分散
させたポリイミドが使用されているが、通電時の発熱に
より抵抗層そのものが大きなダメージを受け、インクシ
ートの再生ができなくなる等の問題があった。また、イ
ンクシートの機械的強度を保つために抵抗層はある程度
の膜厚が必要であるが、膜厚が大きくなると発熱に際し
ての熱の広がりが大きくなり、解像度が悪くなるという
問題もあった。これらの問題点を解決する方法として、
耐熱性の高い無機酸化物薄膜などを用いた高抵抗層と、
カーボンブラックを分散したポリイミドからなる低抵抗
層の二層からなるインクシートが提案されている。この
場合には、耐熱性の高い高抵抗層に主に発熱層としての
作用を持たせ、印字エネルギー効率を向上させ、低エネ
ルギーでの印字を可能にさせ、また、熱の広がりを制御
することにより、高解像度化をはかることができる。と
ころで、上記従来の抵抗体膜を作製する場合には、焼成
に高温を必要とするため、上記のようなインクシートに
おいて、ポリイミドからなる低抵抗層の上に高抵抗層を
形成するためには、従来の抵抗体膜形成技術は適用する
ことはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、抵抗体
膜には、基板との接着性が良好であり、また、膜厚等の
ばらつきがなく、しかも基板の選択範囲が広がるように
なるべく低温で焼成でき、また、クラック、ピンホール
等の欠陥がなく、材料組成等のばらつきのない均質な膜
質を有する薄膜であることが要求される。従来、これら
の要求全てを満足する抵抗体薄膜は知られておらず、そ
の出現が望まれている。
【0006】本発明は、従来の技術における上記のよう
な実情に鑑みてなされたものである。 したがって、本
発明の目的は、低温で焼成が可能であって、経時変化が
なく、薄膜作製に際して印刷方法を選ばないペースト組
成物を使用して形成されたものであって、基板との接着
性が良好で、膜厚にばらつきがなく、しかもクラック、
ピンホール等の欠陥がない抵抗体薄膜を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、検討の結
果、抵抗体形成用ペーストにアクリル樹脂を用いると、
低温で焼成が可能になるばかりでなく、広範囲の粘度に
対応することができるペースト組成物が得られ、これま
で不可能であったポリイミド等の耐熱性ポリマーフィル
ム上に抵抗体薄膜を着膜させることが可能であることを
見出し、本発明を完成するに至った。本発明の抵抗体薄
膜は、基板上に印刷または塗布されたペースト組成物を
焼成することによって形成されたものであって、そのペ
ースト組成物が、白金族系の有機金属化合物、Si、B
i、Pb、Sn、Al、B、Ti、Zr、CaおよびB
aから選択された少なくとも1成分を含有する有機金属
化合物、アクリル樹脂、不飽和脂肪酸およびフタル酸エ
ステルを有機溶剤中に含有することを特徴とする。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の抵抗体薄膜は、白金族系の有機金属化合物、S
i、Bi、Pb、Sn、Al、B、Ti、Zr、Caお
よびBaから選択された少なくとも1成分を含有する有
機金属化合物、アクリル樹脂、不飽和脂肪酸およびフタ
ル酸エステルを有機溶剤中に含有するペースト組成物を
用いて形成される。
【0009】ペースト組成物に使用される白金族系の有
機金属化合物としては、Ru、Rh、Pd、Os、Ir
およびPtから選択された金属を含有する有機金属化合
物があげられる。これ等白金族系の有機金属化合物と併
用される有機金属化合物は、Si、Bi、Pb、Sn、
Al、B、Ti、Zr、CaおよびBaから選択された
少なくとも1成分を含有するものである。これ等の両者
の有機金属化合物としては、例えば、金属アルコキシ
ド、2−エチルヘキサン酸金属塩等の脂肪酸金属塩、ナ
フテン酸金属塩、金属アセチルアセトナート、樹脂酸金
属塩等が用いられる。前者と後者の比率は、抵抗体薄膜
の所望の抵抗率によって決定されるが、通常、原子比で
0.1〜10の範囲に設定される。
【0010】ペースト組成物に使用されるアクリル樹脂
は、比較的低温で熱分解し、また、その化学構造や重合
度等の樹脂物性を変化させることにより、各種溶媒への
溶解性や粘度等を容易に調整することができる。したが
って、これ等アクリル樹脂をペースト組成物用の添加剤
として用いることにより、低温で焼成が可能になるばか
りでなく、広範囲の粘度に対応できるペースト組成物を
得ることができ、その結果、基板の選択も広がり、従来
不可能であったポリイミド等の耐熱性ポリマーフィルム
に抵抗体薄膜を着膜することが可能になる。
【0011】アクリル樹脂としては、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル類、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ヘキシル等のメタアクリル酸アルキル
エステル類のホモポリマーが使用でき、特にポリアルキ
ルメタクリレートが好ましい。
【0012】不飽和脂肪酸は、アクリル樹脂と併用した
場合、ペースト組成物のレベリング性を改善し、膜厚の
均一性を向上させる作用を示すものであって、さらに、
基板との接着性も著しく向上させることができる。不飽
和脂肪酸が添加されていないペースト組成物を用いた場
合には、膜厚のばらつきが大きく、またピンホール等の
膜欠陥が発生し、さらに基板との接着性が悪く均一に着
膜できないという問題が生じ、また、アクリル樹脂を併
用せず、不飽和脂肪酸のみを添加した場合には、焼成後
の膜にクラックが発生する。したがって、アクルル樹脂
と不飽和脂肪酸とを併用することが必要である。本発明
において使用される不飽和脂肪酸としては、沸点がある
程度高く、しかも室温で液体であるもの、例えば、リノ
ール酸およびリノレン酸等が好ましいものとしてあげら
れる。
【0013】フタル酸エステルは、膜厚の均一化、ピン
ホール等の欠陥の減少、基板との接着性の向上、焼成後
の膜中の不純物(多成分の場合、均一混合物以外の各々
単独析出物)の消失、ペースト組成物の安定化向上の効
果を示すものであって、例えば、アクリル系樹脂とリノ
ール酸とを併用して作製された薄膜の場合、それを走査
型電子顕微鏡により観察すると、多くのピンホールが観
察されるが、上記フタル酸エステルを添加することによ
って、これ等の点が改善される。本発明においてフタル
酸エステルとしては、従来、塗料において可塑剤、ある
いはレベリング剤としても知られるものが使用でき、好
ましくは、アルコール成分として炭素数4〜8の脂肪族
アルコールを用いて誘導されたものが使用され、例え
ば、フタル酸ジブチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキ
シル)、フタル酸ジオクチル等があげられる。
【0014】本発明において上記ペースト組成物におけ
る上記3種の添加剤であるアクリル樹脂、不飽和脂肪酸
およびフタル酸エステルの配合量は、適宜設定すること
ができ、通常、有機金属化合物1重量部に対して、それ
ぞれ、0.2〜2重量部の範囲で使用される。
【0015】抵抗体薄膜を作製する場合、上記ペースト
組成物に使用する有機溶剤としては、例えば、トルエン
等の芳香族炭化水素類、α−テルピネオール、2−エチ
ルヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール
類、ベンジルアセテート、カルビトールアセテート、ジ
メチルフタレート等の高沸点エステル類、ブチルセロソ
ルブ、カルビトール、ブチルカルビトール等の高沸点ア
ルコールエーテル類、テトラヒドロフラン(THF)等
のエーテル類等が用いられる。
【0016】本発明において用いる上記ペースト組成物
は、アクリル樹脂、不飽和脂肪酸およびフタル酸エステ
ルの3種の添加剤の混合により、適度な粘性のもと、ヒ
ステリシスのない安定したものになる。またこのペース
ト組成物の熱分解挙動の解析から分かるように、これ等
3種の添加剤は、ペーストの急激な熱分解を抑え、材料
組成を均質化すると共に、形成される抵抗体薄膜におい
て膜欠陥を減らし、緻密化する作用を示す。そして、こ
れ等3種の添加剤の混合により、経時変化がなく、薄膜
作製に際して低温で焼成が可能であって、印刷方法を選
ばず、また、基板との接着性が良好で、膜厚にばらつき
がなく、しかもクラック、ピンホール等の欠陥がない抵
抗体薄膜を形成することが可能になる。
【0017】次に、本発明の抵抗体薄膜の作製法につい
て説明する。本発明の抵抗体薄膜は、基板上に上記ペー
スト組成物を印刷または塗布し、焼成することにより作
製することができる。本発明において使用できる基板と
しては、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リアミド等を始めとする耐熱性樹脂基板、およびアルミ
ナ、硼けい酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、
PLZT、PZT、BaTiO3 、MgO、Si、Ga
As基板等の無機基板、およびAl、ステンレス等の金
属基板等があげられる。印刷および塗布方法としては、
ディップコーティング法、ワイヤーバーコーティング
法、ドクターブレードコーティング法、ロールコートコ
ーティング法、スピンコートコーティング法、スクリー
ン印刷法等の方法を用いることができる。焼成条件とし
ては、用いる有機金属化合物の分解温度以上であればよ
いが、熱分解を完全に行なわせ、焼成後の膜の酸化状態
を安定化させるためには350℃以上の温度が必要であ
る。なお、温度が高いほど結晶性の向上をはかることが
できる。
【0018】上記のようにして作製された抵抗体薄膜
は、基板との接着性が良好で、膜厚にばらつきがなく、
しかもクラック、ピンホール等の欠陥がないものとな
る。本発明における抵抗体薄膜は、サーマルヘッド、通
電転写用インクシートの抵抗体膜、面状発熱体等、薄膜
状の抵抗体膜が使用できるものについては、全て使用す
ることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 ペースト成分として、Lrレジネート(A−1123、
N.E.ケムキャット社製)およびBiレジネート(#
28FC、N.E.ケムキャット社製)を原子比で1:
2になるように配合し、レジネート中に含まれる低沸点
成分を除くため、70%から80%になるまで濃縮し、
レジネート混合物を得た。さらに、下記の配合比で各成
分を混合し、抵抗体作製用ペーストを調製した。 レジネート混合物 100重量部 ポリブチルメタクリレート(東レ・デュポン社製、 エルバサイト2045)の10重量%α− テルピネオール溶液 100重量部 リノール酸 100重量部 フタル酸ジオクチル 100重量部 得られたペースト組成物を、カーボンブラックを分散し
たポリイミド(表面抵抗率1.5Ω・cm)上にワイヤ
ーバーを用いて塗布した。これを、70℃で乾燥した
後、マッフル炉において400℃で1時間焼成して、二
重抵抗層を持つ抵抗体薄膜を作製した。体積抵抗率を測
定するために、同一ペーストを用いて同様にしてポリイ
ミドフィルムに抵抗体薄膜を形成した。このものは、膜
厚0.2μmで、体積抵抗率15.0Ω・cmであっ
た。なお、体積抵抗率は、三菱油化社製表面抵抗率計
(MCP−T400)を用いて測定した。ポリイミドフ
ィルムの上に形成した抵抗体薄膜を膜を横切るように切
断し、透過型電子顕微鏡でその断面観察を行なったとこ
ろ、10〜100オングストローム以下の微粒子が層状
に積層した構造の緻密な膜を形成していることが確認さ
れた。また、走査型電子顕微鏡による表面観察では膜欠
陥が殆ど認められなかった。
【0020】カーボンブラックを分散したポリイミドフ
ィルム上に形成された抵抗体薄膜の上に、アルミニウム
を蒸着して帰路電極を形成した後、その上にインク層を
作成し、通電転写用インクシートを得た。このインクシ
ートを用いて、スタイラス電極が62.5μm、ピッチ
で210mm幅列状になっている固定印字ヘッドを用い
て、パルス幅200μsで15Vの印加電圧により、ド
ット画像を印字した。また同一の印字濃度とするために
必要な印字エネルギーは、カーボンブラックを分散した
ポリイミドフィルムのみを用いた場合と比較して、40
%も低減できることが判明した。その結果、インクシー
トの熱によるダメージが大幅に改善され、インク層の再
生によるリサイクル可能なインクシートが可能になっ
た。
【0021】実施例2 ペースト成分として、Rhレジネート(#8826、
N.E.ケムキャット社製)、Siレジネート(#28
FC、ケムキャット社製)およびPbレジネート(#2
07−A、N.E.ケムキャット社製)を原子比で1:
1:0.5になるように配合し、レジネート中に含まれ
る低沸点成分を除くため、70%から80%になるまで
濃縮し、レジネート混合物を得た。さらに、下記の配合
比で各成分を混合し、抵抗体作製用ペーストを調製し
た。 レジネート混合物 100重量部 ポリエチルメタクリレートの10重量%THF溶液 150重量部 リノール酸 100重量部 フタル酸ジオクチル 150重量部 ペースト組成物の調製) 得られた混合物をテトラヒドロフランで希釈し、または
濃縮することによって粘度を5000〜30000cp
に調整した。ここで得られた抵抗体用ペースト組成物
を、150〜400メッシュのステンレススクリーンに
よりグレーズセラミック基板(NK217:ノリタケ・
カンパニー・リミテッド製)上に印刷し、100℃で乾
燥した。その後、赤外線ベルト焼成炉において400℃
で焼成して、サーマルヘッド用抵抗体薄膜を作製した。
抵抗体薄膜の膜厚は0.4μmであり、表面抵抗率は
4.8KΩ/□であった。この抵抗体薄膜を用いてサー
マルヘッドを試作したところ、従来800℃程度の温度
で作製している抵抗体膜とまったく同様の性能を有する
ものが得られた。なお、上記実施例では、基板として、
グレーズセラミック基板を用いたが、ポリイミド等の耐
熱性樹脂基板を用いても同様の抵抗体薄膜を作製するこ
とができた。
【0022】実施例3 ペースト成分として、Ptレジネート(#9450、
N.E.ケムキャット社製)、Caレジネート(#4
0、ケムキャット社製)およびPbレジネート(#20
7−A、N.E.ケムキャット社製)を原子比で1:
0.5:0.5になるように配合し、レジネート中に含
まれる低沸点成分を除くため、70%から80%になる
まで濃縮し、レジネート混合物を得た。さらに、下記の
配合比で各成分を混合し、抵抗体用ペーストを調製し
た。 レジネート混合物 100重量部 ポリメチルメタクリレートの10重量%α− テルピネオール溶液 100重量部 リノール酸 100重量部 フタル酸ジブチル 150重量部 ペースト組成物の調製) 得られた混合物をα−テルピネオールで希釈し、または
濃縮することによって粘度を5000〜30000cp
に調整した。得られた抵抗体用ペースト組成物を用い、
上記実施例2と同様にして抵抗体薄膜を作製した。抵抗
体薄膜の膜厚は0.35μmであり、表面抵抗率は1.
3KΩ/□であった。
【0023】実施例4 ペースト成分として、Irレジネート(A−1123、
N.E.ケムキャット社製)、2−エチルヘキサン酸B
i、2−エチルヘキサン酸Caを原子比で1:1:1に
なるように配合し、レジネート中に含まれる低沸点成分
を除くため、70%から80%になるまで濃縮し、レジ
ネート混合物を得た。さらに、下記の配合比で各成分を
混合し、抵抗体用ペーストを調製した。 レジネート混合物 100重量部 ポリメチルメタクリレートの10重量%α− テルピネオール溶液 100重量部 リノール酸 100重量部 フタル酸ビス(2−エチルヘキシル) 100重量部 ペースト組成物の調製) 得られた混合物をα−テルピネオールで希釈し、または
濃縮することによって粘度を5000〜30000cp
に調整した。得られた抵抗体用ペースト組成物を用い、
上記実施例2と同様にして抵抗体薄膜を作製した。抵抗
体薄膜の膜厚は0.4μmであり、表面抵抗率は650
Ω/□であった。
【0024】
【発明の効果】本発明の抵抗体薄膜は、上記のように低
温で焼成可能なペースト組成物を用いて形成されるの
で、基板との接着性が良好で、膜厚にばらつきがなく、
しかもクラック、ピンホール等の欠陥のないものであ
る。また、基体として耐熱性樹脂、例えばポリイミドな
どのフィルム上に着膜が可能になり、広範な用途に対し
て適用することができる。また、発熱抵抗体として極め
て有用であり、例えば、通電転写用インクシート等に使
用した場合、著しい性能の向上をもたらす。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に印刷または塗布されたペースト
    組成物を焼成することによって形成されたものであっ
    て、該ペースト組成物が、白金族系の有機金属化合物、
    Si、Bi、Pb、Sn、Al、B、Ti、Zr、Ca
    およびBaから選択された少なくとも1成分を含有する
    有機金属化合物、アクリル樹脂、不飽和脂肪酸およびフ
    タル酸エステルを有機溶剤中に含有することを特徴とす
    る抵抗体薄膜。
  2. 【請求項2】 白金族系の有機化合物として、Ru、R
    h、Pd、Os、Ir、およびPtから選択された金属
    を含有する有機金属化合物を用いて形成された請求項1
    記載の抵抗体薄膜。
  3. 【請求項3】 アクリル樹脂として、ポリアルキルメタ
    クリレートを用いて形成された請求項1記載の抵抗体薄
    膜。
  4. 【請求項4】 不飽和脂肪酸として、リノール酸または
    リノレン酸を用いて形成された請求項1に記載の抵抗体
    薄膜。
  5. 【請求項5】 フタル酸エステルが、フタル酸と炭素数
    4〜8の脂肪族アルコールを用いて誘導されたものであ
    る請求項1記載の抵抗体薄膜。
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