JPH0676358B2 - アミド誘導体及びこれを含有する皮膚外用剤 - Google Patents

アミド誘導体及びこれを含有する皮膚外用剤

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JPH0676358B2
JPH0676358B2 JP18478687A JP18478687A JPH0676358B2 JP H0676358 B2 JPH0676358 B2 JP H0676358B2 JP 18478687 A JP18478687 A JP 18478687A JP 18478687 A JP18478687 A JP 18478687A JP H0676358 B2 JPH0676358 B2 JP H0676358B2
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章 川俣
秀一 赤崎
玄爾 芋川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なアミド誘導体、更に詳しくは角質層の水
分保持力を高め、肌あれを改善することができるアミド
誘導体及びこれを含有する皮膚外用剤に関する。
〔従来の技術〕
従来、肌にうるおいを与え、肌を柔軟にするには、角質
層の水分が重要であることが知られている。そして、当
該水分の保持は、角質層に含まれている水溶性成分、す
なわち遊離アミノ酸、有機酸、尿素又は無機イオンによ
るものであるとされ、これらの物質は単独であるいは組
合せて薬用皮膚外用剤あるいは化粧料に配合して、肌あ
れの改善又は予防の目的で使用されている。
また、これとは別に水と親和性が高い多くの保湿性物質
が開発され、同様の目的で使用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、これらの保湿性物質を皮膚に適用した場
合、その作用は、皮膚角質層上にあつて水分を角質に供
給するというもので、しかもその効果は一時的であり、
根本的に角質層の水分保持能力を改善し、肌あれを本質
的に予防あるいは治癒するというものではなかつた。
〔問題点を解決するための手段〕
斯かる実情において、本発明者らは上記問題点を解決す
べく鋭意研究を行なつたところ、今回本発明者らによつ
て初めて合成された次の一般式(I) (式中、R1は炭素数10〜26の直鎖若しくは分岐鎖の飽和
若しくは不飽和の炭化水素基を、R2は炭素数9〜25の直
鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基
を、R3は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐
鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す) で表わされるアミド誘導体が角質層の水分保持力を根本
的に改善する効果を奏すること、そしてこのアミド誘導
体に界面活性剤を併用するとその効果を更に増大できる
ことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、前記式(I)で表わされる新規な
アミド誘導体、および前記式(I)で表わされるアミド
誘導体を含有する皮膚外用剤、並びに前記式(I)で表
わされるアミド誘導体及び界面活性剤を含有する皮膚外
用剤を提供するものである。
本発明に使用される式(I)で表わされるアミド誘導体
は、例えば次に示す反応式に従つて製造される。
(式中、R1、R2及びR3は前記と同じ意味を有する) すなわち、グリシジルエーテルとアミンから得られる化
合物(II)のアミノ基を選択的にアシル化するか、又は
該化合物(II)をアシル化し、次いでエステル基を選択
的に加水分解することによつて、本発明アミド誘導体
(1)が製造される。
ここで、グリシジルエーテルとアミンとの反応は、グリ
シジルエーテルとアンモニア、メチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン
又はヘキシルアミンとを、水又はメタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコー
ル又はテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエ
タン等のエーテル系溶媒あるいはこれらの任意の混合溶
媒系中において、25〜150℃で数十分〜5時間攪拌する
ことにより行なわれる。
上記反応により得られた化合物(II)のアミノ基のみの
アシル化は、例えば長鎖脂肪酸メチルエステルと化合物
(II)とを水酸化アルカリ、炭酸アルカリ等の塩基の存
在下、常圧〜0.01Torrの減圧下に25〜150℃で数十分〜
5時間反応させることにより行なわれる。
また、化合物(II)の非選択的アシル化は、例えば長鎖
脂肪酸ハライドと化合物(II)をピリジン、第三級アミ
ン等の存在下に反応させることにより行なわれる。得ら
れたアミド−エステル体のエステル基を選択的に加水分
解するには、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ等の塩基を
用いて常法により行なわれる。
斯くして得られるアミド誘導体(I)の本発明皮膚外用
剤への配合量は、特に制限されないが、通常乳化型の皮
膚外用剤の場合には全組成の0.001〜50重量%(以下単
に%で示す)、特に0.1〜20%が好ましく、またスクワ
レン等の液状炭化水素を基剤とする油性の皮膚外用剤の
場合には1〜50%、特に5〜25%が好ましい。
本発明皮膚外用剤に配合される界面活性剤としては、非
イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性
剤の何れをも使用できるが、就中特に非イオン界面活性
剤が好適である。
非イオン界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフエ
ニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、グリセリ
ルエーテル等が挙げられる。その中でも、次の一般式
(IV) (式中、Rは炭素数8〜24のアルキル基を示す) で表わされるグリセリルエーテル、就中Rが次式(V) (式中、pは4〜10の整数、qは5〜11の整数を示し、
p+q=11〜17でp=7、q=8を頂点とする分布を有
する) で表わされるものが特に好ましい。
界面活性剤の配合量は、全組成の0.01〜20%、特に0.1
〜5%が好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、その使用形態において、薬用皮
膚外用剤と化粧料に大別される。
薬用皮膚外用剤としては、例えば薬効成分を含有する各
種軟膏剤を挙げることができる。軟膏剤としては、油性
基剤をベースとするもの、油/水、水/油型の乳化系基
剤をベースとするもののいずれであつてもよい。油性基
剤としては、特に制限はなく、例えば植物油、動物油、
合成油、脂肪酸、及び天然又は合成のグリセライド等が
挙げられる。また薬効成分としては、特に制限はなく、
例えば鎮痛消炎剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、収斂剤、皮膚
軟化剤、ホルモン剤等を必要に応じて適宜使用すること
ができる。
また、化粧料として使用する場合は、上記必須成分の他
に化粧料成分として一般に使用されている油分、保湿
剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート剤、pH調整
剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料等を任意に組合せて配
合することができる。
化粧料としては、種々の形態、例えば水/油、油/水型
乳化化粧料、クリーム、化粧乳液、化粧水、油性化粧
料、口紅、フアウンデーシヨン、皮膚洗浄剤、ヘアート
ニツク、整髪剤、養毛剤、育毛剤等の皮膚化粧料とする
ことができる。
〔作用〕
本発明皮膚外用剤における式(I)で示されるアミド誘
導体の作用機構の詳細は完全には解明されていないが、
これが角質細胞間に脂質膜を再構築して角質層の水分保
持機能を発揮するものと考えられる。
〔発明の効果〕
本発明皮膚外用剤は、このような作用を有するアミド誘
導体(I)を含有するものであるため、肌あれに対して
優れた改善及び予防効果を発揮することができる。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて説明する。
実施例1 N−(3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)−N−メチルヘキサデカナミド(R1=C16H33,R2=C15
H31,R3=CH3)(Ia)の合成: 攪拌装置、滴下漏斗、温度計、還流冷却器を備えた1
4ツ口フラスコに、メチルアミン40%水溶液196g(26mo
l相当)およびTHF200mlを混合し、水冷下ヘキサデシル
グリシジルエーテル15.0g(0.05mol)のTHF100ml溶液を
約2時間かけて滴下、攪拌する。滴下終了後、室温下に
5時間攪拌をつづけたのち、エーテル可溶物を繰り返し
抽出する。エーテル層を水洗、塩析後、溶媒を留去する
と(IIa)の粗生成物16.6gを得る。これをクロロホルム
に溶解し、ピリジン7.9g(0.105mol)に加えたのち、室
温下で塩化ヘキサデカノイル27.5g(0.105mol)を約15
分かけて滴下し、更に2時間攪拌を続ける。反応終了
後、水洗してピリジン塩酸塩を除去し、溶媒を留去する
と(IIIa)の粗生成物41.5gを得た。これをエタノール3
00ml、水15mlの溶媒系に溶解し、KOH5.3g(0.08mol)を
加えて2時間加熱還流後、エタノールを留去して約1/5
になるまで濃縮し、5%食塩水500mlを添加してからエ
ーテル300mlで1回、100mlで2回抽出する。エーテル層
を芒硝で乾燥後、溶媒留去すると、粗生成物39.3gを得
る。ここにクロロホルム300mlを加え攪拌後、不溶物を
濾別し、溶媒留去後得られた粗生成物、21gをシリカゲ
ルフラツシユカラムクロマトグラフイーで精製すること
により、無色結晶の標題化合物20.0g(0.352mol)を得
た。収率70.4% m.p.60.1〜61.2℃ IRνKBr(cm-1)3352,2920,2854, 1614,1470,1416, 1122 元素分析 計算値;C76.13% H12.96% N2.47% 実測値;C76.11% H13.10% N2.48% 実施例2 実施例1およびこれに準じて得た化合物Ia〜Iiを使用
し、ワセリン/化合物(Ia〜Ii)=3/1(重量比)の混合物
(本発明品1)とワセリン(比較品1)の下記試験方法
による皮膚コンダクタンス及び肌あれについて評価し
た。結果を第1表に示す。
(試験方法) 冬期に頬部に肌あれを起こしている20〜50才の女性10名
を被験者とし、左右の頬に異なる皮膚外用剤を2週間塗
布する。2週間の塗布が終了した翌日に次の項目につき
試験を行なつた。
(1)皮膚コンダクタンス 37℃の温水にて洗顔後、温度20℃、湿度40%の部屋で20
分間安静にした後、角質層の水分含有量を皮膚コンダク
タンスメータ(IBS社製)にて測定した。コンダクタン
ス値は値が小さいほど皮膚は肌あれし、5以下ではひど
い肌あれである。一方この値が20以上であれば肌あれは
ほとんど認められない。
(2)肌あれスコア 肌あれは肉眼で観測し、下記基準により判定した。スコ
アは平均値で示した。
実施例3 実施例1およびこれに準じて得た化合物Ia〜Iiを用いて
下記第2表に示す組成の皮膚外用剤(乳化化粧料)を製
造し、その肌あれ改善効果を実施例2と同様の方法によ
り評価した。結果を第3表に示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(I)、 (式中、R1は炭素数10〜26の直鎖若しくは分岐鎖の飽和
    若しくは不飽和の炭化水素基を、R2は炭素数9〜25の直
    鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基
    を、R3は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐
    鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す) で表わされるアミド誘導体。
  2. 【請求項2】次の一般式(I)、 (式中、R1は炭素数10〜26の直鎖若しくは分岐鎖の飽和
    若しくは不飽和の炭化水素基を、R2は炭素数9〜25の直
    鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基
    を、R3は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐
    鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す) で表わされるアミド誘導体を含有する皮膚外用剤。
  3. 【請求項3】次の一般式(I)、 (式中、R1は炭素数10〜26の直鎖若しくは分岐鎖の飽和
    若しくは不飽和の炭化水素基を、R2は炭素数9〜25の直
    鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基
    を、R3は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐
    鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す) で表わされるアミド誘導体及び界面活性剤を含有する皮
    膚外用剤。
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