JPH067628A - 二段階膜分離乾燥方法及び装置 - Google Patents

二段階膜分離乾燥方法及び装置

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JPH067628A
JPH067628A JP5046030A JP4603093A JPH067628A JP H067628 A JPH067628 A JP H067628A JP 5046030 A JP5046030 A JP 5046030A JP 4603093 A JP4603093 A JP 4603093A JP H067628 A JPH067628 A JP H067628A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガス中の不純物(湿分)を除去するための効
率がよく且つ経済的に有利な膜分離乾燥方法及び装置を
提供すること。 【構成】 本発明の湿分含有ガスを乾燥させるための膜
分離乾燥装置は、少なくとも2つ段階から成り、第一段
階においては比較的小さい膜面積及び比較的低品質の外
部源からのパージガスが用いられ、第二段階においては
大きい膜面積及び製品ガスの少なくとも一部から成る高
品質パージガスが用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般的には、気体の
乾燥に関する。より詳細には、この発明は、窒素、空気
及び他のガスの高乾燥のための二段階膜分離方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの原料ガス又はプロセスガス中の通
常の不純物は、水及び(又は)CO2のような他の凝縮
性ガスである。これらの不純物は、とりわけ、ガスを用
いる各種装置中で腐蝕及び望ましくない反応を引き起こ
すことが知られている。これらの有害作用を防止するた
めに、ガスは通常不純物を除去するために前処理され
る。不純物(本明細書においてはこれを『湿分』と称す
る)を除去するために用いられる慣用の技術としては、
圧縮、冷却、吸着及び膜分離が挙げられる。これら慣用
の技術の中で、膜分離は湿った(本明細書において『湿
った』とは、上記の湿分を含有することを意味する)ガ
ス流を特に小規模操作で経済的に脱水又は乾燥するため
に特に魅力的である。
【0003】膜分離は一般的に膜モジュール又はカート
リッジを用いた供給ガス流中の湿分の選択的透過を伴
う。膜モジュール又はカートリッジは代表的には多数の
小孔径中空繊維の形の膜材料が密閉容器内に配置されて
成る。中空膜繊維は合成ポリマー又は無機材料から作成
することができ、これは通常、供給ガスの湿分が効率よ
く選択的に透過できるようにするために、大きい膜表面
積及び特定の流れの形態を与えるように構成される。も
ちろん、供給ガスの湿分は、膜の両側に圧力差が保たれ
ている限り、大きい膜表面のいずれかの側から又はいず
れかの側へ、即ち、中空繊維の外側(即ちシェル側)か
ら繊維内孔へ、又は繊維内孔から中空繊維の外側(即ち
シェル側)へ、選択的に透過することができる。透過圧
における供給ガス中の湿分は、例えば、膜を透過して低
圧側(本明細書においてはこれを『低圧透過側』又は単
に『透過側』と称する。これに対して、高圧側を『高圧
非透過側』又は単に『非透過側』と称する。)に達す
る。しかしながら、透過をもたらす分圧差は、もしも膜
の低圧透過側に透過した湿分が除去されて透過側の該成
分の分圧が低く保たれなければ、有意に低減するだろ
う。ひとたび透過の飽和点に達してしまうと、毛管内凝
縮のような他の望ましくない影響が起こることがあり、
これは湿分の透過流れをさらに減少させることがある。
【0004】膜の透過側の湿分蒸気圧を飽和点以下に低
減させるために、乾燥させているガスを用いることが知
られている。米国ペンシルベニア州所在のペルミア社
(Permea Inc. )より商品名『Prism Cactus』として販
売されている膜モジュールは、例えば、特定量の乾燥さ
せているガスを湿分と一緒に透過させるように設計され
ている。この透過したガスが膜の低圧透過側から適切な
量の湿分を運び去り、この低圧透過側の湿分蒸気圧を飽
和点以下に保つことができる。しかしながら、この透過
技術は、湿分より透過性の低いガスを透過させるために
はより高い圧力差が必要であるという理由だけでなく、
この目的を果たすために透過させるガスの量が多く、製
品の損失となるという理由でもまた、効率が悪いことが
わかっている。
【0005】これらの効率の悪さを最小限にするため
に、膜分離乾燥から得られた乾燥製品の少なくとも一部
を又は外部源からの充分に乾燥したガスを用いて、膜の
低圧透過側の湿分を掃去又はパージすることが提唱され
ている。例えば米国特許第4931070号明細書及び
同第5084073号明細書に開示された膜モジュール
は、少なくとも4つの口を持ち、これらの口の内の1つ
は、乾燥製品ガスの再循環分又は外部源からのガスを膜
の低圧透過側に導入して、膜を透過した湿分を流し去る
ために用いられる。乾燥製品ガス又は外部源ガスをパー
ジ手段として用いた結果として、所望の製品ガスが膜の
透過側に損失される量が減る。さらに、ガスを湿分と共
に膜を透過させる必要がないので、膜の両側での高い圧
力差が必要ではない。しかしながら、これらの改良点に
も拘らず、ある種の制限が残っている。例えば、湿分を
パージするために製品ガスを用いる場合に、依然として
大量の製品ガスがパージ廃流として損失されなければな
らない。パージ手段としての製品ガスを充分に乾燥した
外部源ガスに置き換えると、製品ガスは、外部源パージ
ガスのいくらかが乾燥用の膜を逆透過することによって
汚染されることがある。従って、当技術分野において
は、膜の透過側に損失される製品ガスの量及び製品ガス
中の汚染物質の量を低減するための、改良型膜分離乾燥
方法及び装置を開発することが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】パージに必要な乾燥製
品ガスの量が低減された改良型透過乾燥法及び装置を提
供することが本発明の目的である。パージ手段として外
来の乾燥ガスを用いた場合の逆透過による汚染物質の量
を低減することが本発明の追加的な目的である。痕跡酸
素を除去するための『デオキソ(Deoxo )』法で処理さ
れた高純度窒素から水蒸気を除去するための効率がよく
且つ経済的な方法及び装置であって、乾燥工程の際に製
品窒素の再汚染が取るに足らない程度であるものを提供
することが、本発明のさらなる目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明の概要 本発明に従えば、上記の目的及び当業者に明らかであろ
う他の目的は次の方法によって達成される:特定の膜分
離装置を用いて湿ったガス流を乾燥させる方法であっ
て、(a)湿分含有供給ガス流を、上記装置中の総膜表
面積の約6%〜約80%の表面積を持つ少なくとも1つ
の第一段階膜に向けて加圧下で送り、(b)透過した湿
分を上記の少なくとも1つの第一段階膜の少なくとも1
つの低圧透過側の表面から運び去るために、外部源から
のガス流をこの少なくとも1つの低圧透過側に向けて送
り、(c)得られた不完全乾燥されたガス流を、上記装
置中の総膜表面積の約20%〜約94%の表面積を持つ
少なくとも1つの第二段階膜に向けて加圧下で送り、
(d)透過した湿分を上記の少なくとも1つの第二段階
膜の少なくとも1つの低圧透過側の表面から運び去るた
めに、上記第二段階膜から得られた乾燥製品ガスの少な
くとも一部をこの少なくとも1つの低圧透過側に向けて
送り、ここで、乾燥製品ガスの該低圧透過側で用いられ
る部分は約4より小さいクリーニング比が保たれるよう
なものとし、(e)残りの乾燥製品ガスを回収すること
から成る前記方法。
【0008】本明細書において用語『総膜表面積』と
は、所定量の湿分を効率よく透過させるのに必要な膜面
積を意味する。この膜面積は、膜の厚さ、用いる膜材料
のタイプ、処理すべきガスの容量及び透過させるべき湿
分の量に応じて変化し得る。本明細書において用語『外
部源からのガス』とは、所望の乾燥製品ガス以外の、膜
の低圧透過側から湿分を運び去ることができる任意の好
適なガスである。本明細書において用語『クリーニング
比』とは、パージ比と圧力比との乗を意味する。本明細
書において用語『パージ比』とは、「パージガスの量/
乾燥ガスとして回収されるべきガスの量」の比を意味す
る。本明細書において用語『圧力比』とは、「供給圧/
透過圧」の比を意味する。
【0009】発明の具体的な説明 本発明は、汚染物質の量が少ない乾燥製品ガスが有意の
量で製造される改良型膜分離乾燥方法及び装置に関す
る。これら乾燥製品ガスは汚染物質の量が少ないので様
々な用途に用いるのに適している。特定の膜分離乾燥配
列において、これら所望の製品ガスが有意の量で生成さ
れるということが見出された。この配列は、少なくとも
2つの膜分離乾燥器を含み、その1つはガス流中の湿分
の大部分を除去するためのものであり、他の1つは得ら
れた不完全乾燥されたガス流を完全に乾燥させるための
ものである。比較的小さい膜面積を乾燥用に用いた場合
にさえ、湿分の大部分が最初の段階で除去されることが
わかった。この発見が、最初の段階において透過した湿
分をパージするために外部源ガスを使用することに導い
た。何故ならば、膜面積が小さいのでこの外来のパージ
ガスの逆拡散による汚染物質の量が制限されるからであ
る。外部パージガスを用いてガス流中の湿分の大部分を
除去することによって、その後の膜分離乾燥段階におい
てパージ用に必要とされる乾燥製品ガスの量が有意に減
る。同品質のガスをパージに用いた場合には製品ガスの
汚染が起こらないので、後の段階では、最大の度合いの
乾燥を達成するために比較的大きい膜面積を用いること
ができる。従って、この配列は、製品ガスの汚染を最小
限にしながら、パージ手段として使用できる高品質製品
ガスの効率よい利用を提供する。この配列は、多等級の
パージガスを利用できる方法又は装置にとって、特に魅
力的である。
【0010】図1を参照して好ましいガス乾燥用二段階
膜分離装置を説明する。しかしながら、好ましい具体例
の記載は、膜分離ガス乾燥装置の多くの、当業者に容易
にわかる変更を何ら除外するものではない。図1に、一
連の2つの透過器又は膜モジュール(1及び2)を有す
る二段階膜分離装置を示す。各モジュールは中空繊維の
形の膜材料(3又は4)を含むことができる。湿分を選
択的に透過させることができさえすれば、任意の膜材料
を中空繊維の作成に用いることができる。しかしなが
ら、通常は複合中空繊維膜又は非対称中空繊維膜が、そ
の透過又は分離特性のために、好ましい。複合膜は一般
的に、多孔質支持体上に好適な透過性膜材料の薄い分離
層又はコーティングを重ね合わせて成る。薄い分離層が
複合構造体の分離特性を決定し、多孔質支持体は分離層
を物理的に支持するものである。他方、非対称膜は、薄
くて緻密な半透過性スキン部分(これが膜の分離特性を
決定する)と、緻密さが低く、多孔質で、一般的に非選
択性の支持部分(これは、複合膜の多孔質支持体と同様
に、加圧下でのスキン部分の破損を防止する役割を果た
す)とを有する単一の透過性膜材料から成る。両タイプ
の膜は、米国特許第5084073号明細書に記載され
たように、充分な程度の放射状方向の混合を達成するた
めに特定の支持体形態を有することができ、任意の既知
の材料及び方法(例えば米国特許第4981498号明
細書及び同第4881955号明細書に開示されたも
の)を用いて製造することができる。ここで言う複合膜
又は非対称膜は、H2 O/乾燥させるべきガスについて
の分離係数が少なくとも約50、好ましくは約500以
上、より好ましくは1000以上であることを特徴とす
る。
【0011】中空繊維膜はまた、膜の表面の全域に供給
側ガス及び透過側ガスの均一な流れを達成するような構
成にすることができる。中空繊維膜は、本質的に均一な
実効長さを持つ中空繊維を螺旋巻き状でシェルに収納し
たカートリッジの形の構成にするのが好ましい。かかる
螺旋巻きは、米国特許第4631128号明細書の開示
で証明されるように、当技術分野において周知である。
中空繊維を上記の特定の螺旋巻き形態ではなくて単に直
線方向に平行の形態で膜カートリッジ中に配置したので
は、中空繊維の表面の全域でガスの所望の均一な流れ分
布を達成することはできないということは、当業者には
明らかである。しかしながら、他の、経済上の望ましさ
が劣る手段をガスの均一な流れを達成するために用いる
ことができるということもわかるだろう。しかして、ス
クリーン又は他の流れ制限手段、例えばバッフルを提供
して、均一な流れの路を達成するような構成にすること
ができる。また、中空繊維は、所望の均一なガス流れを
達成せしめることができるような構造パターンを持つロ
ープ様の編んだ形の構成にすることもできる。
【0012】さらに、得られた中空繊維の束を、膜の透
過側(5及び7)表面及び非透過側(6及び8)表面に
沿って向流の流れパターンをもたらすような特定態様で
不透過性遮断材で覆うこともできる。かかる向流の流れ
パターンの創作が1987年6月24日付けのヨーロッ
パ特許公開第0226431号に開示されており、これ
は、所望の操作態様に応じて供給側ガス又は透過側ガス
のいずれか一方を中空繊維の外側に、中空繊維の内孔中
での透過側ガス又は供給側ガスのもう一方の流れ方向に
対して向流の流れで平行に通すことを可能にする。例え
ば、中空繊維の束の外側に供給ガスが、繊維束の中心軸
に対して直角ではなくて平行に流される。不透過性遮断
材は、不透過性フィルム、例えばポリビニリデン等のラ
ップであってよい。また、不透過性遮断材は、無害性溶
剤から塗布した例えばポリシロキサンのような不透過性
コーティング材料、又は膜の束全体に取り付けて束上で
収縮させた収縮スリーブであってもよい。また、中空繊
維束と膜モジュールのシェルとの間にO−リング又は他
の構造パッキングのような手段を用いてもよく、また、
シェル自体を膜の束に極めて近接して位置決めして所望
の遮断材とすることもできる。しかして、かかる具体例
の不透過性遮断材は、束の中の実質的に全ての中空繊維
の外表面に沿って中空繊維の束の軸に対して実質的に平
行方向に流体が流れるように、中空繊維束の中へ又はこ
の束から外へのガスの流れを可能にするための開口を除
いて、この中空繊維束を覆う。得られる流れパターン
は、湿った供給流と透過側ガス(これはパージガスを膜
材料を透過した湿分と共に含む)との向流流れの1つで
ある。しかしながら、必要ならば、供給ガス及びパージ
ガスを特定位置から供給することによって、向流流れパ
ターンを並流流れパターンに変えることもできる。
【0013】各膜モジュール(1又は2)は中空膜繊維
(3及び4)を有し、少なくとも4つのガス口、即ち供
給ガスの入口、非透過製品ガスの出口、パージガスの供
給口及びパージガスと透過ガスとが一緒にされた廃ガス
の出口を持つように設計することができる。供給ガス入
口及び非透過製品ガスの出口は共に膜(3又は4)の高
圧非透過側(5又は7)に設けられ、パージガスの入口
及び廃ガスの出口は共に膜(3又は4)の低圧透過側
(6又は8)に設けられる。膜の高圧非透過側(5又は
7)は中空繊維の内孔側であっても外のシェル側であっ
てもよく、その反対側、即ち中空繊維の内孔側又は外の
シェル側の内のもう一方が膜の低圧透過側(6又は8)
になる。
【0014】分離プロセスにおいては、湿分を含有する
供給ガス流が初めにモジュール(1)の膜(3)の高圧
非透過側(5)に高圧(湿分透過圧)で供給される。用
いられる供給ガスは、窒素から痕跡酸素をH2 Oの形で
除去するのに有用であることが知られている慣用の『デ
オキソ』法からの湿った窒素であるのが好ましい。慣用
の『デオキソ』法からのかかる湿った窒素は、例えば、
米国特許第4931070号に記載されている。しかし
ながら、湿った空気のような他の湿ったガスを供給ガス
として用いることもできるということに留意すべきであ
る。
【0015】この供給ガスが膜(3)の高圧非透過側
(5)を通る時に、その中の湿分が膜(3)の低圧透過
側(6)へと透過する。膜の全域での連続的な湿分除去
の推進力を高く保つために、透過した湿分を膜の透過側
から運び去るための手段として、膜(3)の低圧透過側
(6)に外部源パージガス又は外来のパージガスが送り
込まれる。このパージガスは、透過した湿分の除去を強
化する又は最も効果的にするために、膜の長手方向に沿
って供給ガスに対して向流で流すことができる。湿分を
含有するパージガスは、真空条件下でモジュール(1)
から除去することができる。モジュール(1)の利用で
きる膜面積は、乾燥させている非透過側ガスが大して汚
染されずに湿分の大部分が膜を透過することができるよ
うなものである。かかる汚染は、パージガスの成分が膜
の高圧側に逆透過することによって起こる。この膜面積
は、装置の総膜面積の約6%〜約80%、好ましくは約
6%〜約45%を占める。この特定の膜面積分布を用い
ることによって、乾燥の際の外部又は外来パージガスの
逆拡散又は逆透過による製品の汚染を制限することがで
きる。
【0016】モジュール(1)から得られる不完全乾燥
した供給ガスは、モジュール(2)の膜(4)の高圧非
透過側(7)に送られる。不完全乾燥した供給ガスが高
圧下で膜の非透過側(7)を通る時に、その中の残りの
湿分が膜の低圧透過側(8)へと透過する。得られた完
全に又は実質的に乾燥したガスの一部は、低圧透過側か
ら湿分を運び去るための還流パージガスとして、膜の低
圧透過側に送られる。還流ガスは、不完全乾燥した供給
ガスに対して並流又は向流で流すことができる。この段
階の膜面積は、不完全乾燥ガス流中の湿分を完全に又は
実質的に除去するのに充分大きくすべきである。この膜
面積は、装置の総膜面積の約20%〜約94%、好まし
くは約55%〜約94%を占めるべきである。得られる
湿分含有パージ流は真空条件下で取り出すことができ、
その中の製品を回収するためにしばしばプロセスの好適
な地点に再循環することができるので、廃棄物として捨
てる必要はない。
【0017】
【実施例】以下の実施例は、本発明を例示するためのも
のである。実施例は本発明の例示を目的とするものであ
って、その範囲を何ら限定するものではない。
【0018】実施例 慣用の『デオキソ』法においては、酸素を約1〜約5%
含有する窒素流がその中の酸素を水に転化させるために
水素の存在下で触媒処理されている。乾燥させるべき湿
った窒素流は、この『デオキソ』法から得た。図1に示
した二段階膜モジュール装置に約1.00MPa(約1
30psig)の圧力下で約43.3℃(約110°
F)の温度において湿った窒素流を標準状態に換算して
約283m3 /時間(約10000NCFH)の速度で
供給した。モジュール中に用いた透過膜は、O2 /N2
についての分離係数約6及びH2 O/N2 についての分
離係数約1000を有するものである。第一段階につい
ては、O2 約12.6%及びH2 O約42ppmを含有
する窒素流をパージガスとして約117kPa(約17
psia)で用い、第二段階においては乾燥製品ガスを
パージガスとして用いた。湿分13ppm未満を有する
製品ガスを得るために特定パージ比を維持する。これら
の条件下で、湿った窒素供給ガスを効率よく乾燥させる
ための総膜面積は約141.6m2 (約1524ft
3 )であると決定された。この総膜面積を、下記の第I
表に示したように、第一段階、第二段階のいずれかに充
てるか、又は第一段階及び第二段階の両方に配分した。
【0019】
【表1】
【0020】図2に、逆透過したO2 の量及び全N2
品損失率を総面積に対する第二段階の面積の百分率に対
してプロットしたグラフを示す。得られたグラフ及び第
I表のデータは、所定の外部乾燥パージガス及び製品パ
ージガスについて総膜面積を一段階のみに充てたのでは
不充分であるということを示す。例えば約141.6m
2 (約1524ft3 )の膜面積を持つ単一の膜モジュ
ール中で外部源パージガス、即ちO2 約12.6%及び
2 O約42ppmを含有する窒素流を湿った窒素ガス
と組合せて用いた場合には、窒素製品は不純なパージ流
の逆透過による酸素218ppmを含有する。酸素濃度
が高いので、この窒素製品は多くの用途において魅力が
劣る。他方、窒素製品の一部をパージ手段として用いた
場合には、約141.6m2 (約1524ft3 )の膜
面積を持つ単一段階で実質的に酸素を含有しない窒素製
品を製造することができる。しかしながら、この方法で
は窒素の回収量が少なくとも約20%低減する。
【0021】単一段階膜分離乾燥に関する上記の欠点
は、特定の膜面積及び特定のパージガスを特定の序列で
用いた二段階膜分離乾燥装置を用いることによって緩和
されるということが示される。酸素不純物の量は200
ppm未満、好ましくは100ppm以下に減らすこと
ができ、製品の損失量は約2%〜約13%減らすことが
できる。広範な用途のために多量のガスが乾燥を必要と
するので、これらの結果は商業上の操作において有意義
である。
【0022】以上、ある種の特定具体例に関して本発明
を詳細に説明したが、当業者ならば特許請求の範囲の技
術思想及び範囲内で他の具体例があることを認識するだ
ろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1具体例を表わす膜分離装置の概略流
れ図である。
【図2】総膜面積の内の第二段階膜に割り当てられた分
の百分率とO2 逆透過量及びN2 製品損失率との間の関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 :第1の膜モジュール 2 :第2の膜モジュール 3、4:膜 5、7:高圧非透過側 6、8:低圧透過側

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定の膜分離装置を用いて湿ったガス流
    を乾燥させる方法であって、(a)湿分含有供給ガス流
    を、上記装置中の総膜表面積の約6%〜約80%の表面
    積を持つ少なくとも1つの第一段階膜に向けて加圧下で
    送り、(b)透過した湿分を上記の少なくとも1つの第
    一段階膜の少なくとも1つの低圧透過側から運び去るた
    めに、外部源からのガス流をこの少なくとも1つの低圧
    透過側に向けて送り、(c)得られた不完全乾燥された
    供給ガス流を、上記装置中の総膜表面積の約20%〜約
    94%の表面積を持つ少なくとも1つの第二段階膜に向
    けて加圧下で送り、(d)透過した湿分を上記の少なく
    とも1つの第二段階膜の少なくとも1つの低圧透過側か
    ら運び去るために、上記の少なくとも1つの第二段階膜
    から得られた乾燥製品ガスの少なくとも一部をこの少な
    くとも1つの低圧透過側に向けて送り、(e)乾燥製品
    ガスの残りの部分を回収することから成る前記方法。
  2. 【請求項2】 工程(d)において、約4より小さいク
    リーニング比を採用する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 供給ガス流が湿った窒素である、請求項
    1記載の方法。
  4. 【請求項4】 透過した湿分を含有するパージガスを真
    空条件下で取り出す、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 湿分の透過が放射状方向に混合される条
    件下で行なわれる、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも1つの第一段階膜及び(又
    は)少なくとも1つの第二段階膜が、H2 O/乾燥させ
    るべきガスについての分離係数少なくとも約50を有す
    る複合膜である、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも1つの第一段階膜及び(又
    は)少なくとも1つの第二段階膜が、H2 O/乾燥させ
    るべきガスについての分離係数少なくとも約50を有す
    る非対称膜である、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 膜の全域で供給ガス流の本質的に均一な
    流れを達成した、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 直列に連結された少なくとも2個の膜モ
    ジュールから成り、 各モジュールが少なくとも4つのガス口並びに少なくと
    も1つの非透過側及び少なくとも1つの透過側を有する
    少なくとも1つの膜を有し、 前記各膜モジュールが上記の少なくとも2個の膜モジュ
    ールの合計膜面積に対して所定の膜面積を有するものと
    し、 第一のモジュールがその少なくとも1つの膜の透過側に
    パージ手段を提供するために外部パージガス源に連結さ
    れ、 第二のモジュールがその少なくとも1つの膜の非透過側
    から誘導されるガスを透過側に向けるための還流パージ
    手段を備えた、湿ったガス流を乾燥させることができる
    膜分離装置。
  10. 【請求項10】 第一のモジュール及び(又は)第二の
    モジュール中の少なくとも1つの膜が、H2 O/乾燥さ
    せるべきガスについての分離係数少なくとも約50を有
    する複合膜である、請求項9記載の膜分離装置。
  11. 【請求項11】 第一のモジュール及び(又は)第二の
    モジュール中の少なくとも1つの膜が、H2 O/乾燥さ
    せるべきガスについての分離係数少なくとも約50を有
    する非対称膜である、請求項9記載の膜分離装置。
  12. 【請求項12】 第一のモジュール及び(又は)第二の
    モジュール中の少なくとも1つの膜が不透過性遮断材で
    覆われた、請求項9記載の膜分離装置。
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