JP2765671B2 - 酸素富化気体の製造法 - Google Patents
酸素富化気体の製造法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B13/00—Oxygen; Ozone; Oxides or hydroxides in general
- C01B13/02—Preparation of oxygen
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空糸分離膜を用いて
空気等の少なくとも酸素、窒素及び水分を含有する気体
から、乾燥した酸素富化気体を製造する方法に関するも
のである。
空気等の少なくとも酸素、窒素及び水分を含有する気体
から、乾燥した酸素富化気体を製造する方法に関するも
のである。
【0002】更に詳しくは、本願発明は、中空糸膜の束
からなる分離膜モジュ−ルを内蔵する脱湿装置で、少な
くとも酸素、窒素及び水分を含有する原料気体中の水分
を除去した後、乾燥気体を酸素を選択的に透過する中空
糸膜の束からなる分離膜モジュ−ルを内蔵する酸素富化
装置に供給して酸素富化気体を回収すると共に、酸素富
化装置から回収される未透過の窒素を含有する乾燥気体
の一部を前記脱湿装置に供給し、原料気体中の水分の除
去を促進させることによって、効率よく乾燥した酸素富
化気体を製造する方法に関する。
からなる分離膜モジュ−ルを内蔵する脱湿装置で、少な
くとも酸素、窒素及び水分を含有する原料気体中の水分
を除去した後、乾燥気体を酸素を選択的に透過する中空
糸膜の束からなる分離膜モジュ−ルを内蔵する酸素富化
装置に供給して酸素富化気体を回収すると共に、酸素富
化装置から回収される未透過の窒素を含有する乾燥気体
の一部を前記脱湿装置に供給し、原料気体中の水分の除
去を促進させることによって、効率よく乾燥した酸素富
化気体を製造する方法に関する。
【0003】
【従来の技術】酸素富化気体は、燃焼分野、医療分野、
スポ−ツ・レジャ−分野、化学工業分野、バイオ分野、
電子工業分野等々において、その利用が拡大している。
従来、中空糸膜及びその製造方法、分離膜モジュ−ル等
については既に多数知られている。また酸素を選択的に
透過する中空糸膜の束からなる分離膜モジュ−ルを内蔵
する酸素富化装置及び酸素富化気体の製造方法について
も、例えば特公昭62−14066号公報、特開平2−
252609号公報等において提案されている。
スポ−ツ・レジャ−分野、化学工業分野、バイオ分野、
電子工業分野等々において、その利用が拡大している。
従来、中空糸膜及びその製造方法、分離膜モジュ−ル等
については既に多数知られている。また酸素を選択的に
透過する中空糸膜の束からなる分離膜モジュ−ルを内蔵
する酸素富化装置及び酸素富化気体の製造方法について
も、例えば特公昭62−14066号公報、特開平2−
252609号公報等において提案されている。
【0004】しかしながら、酸素富化気体、例えば酸素
富化空気を得るに際して予め原料空気が乾燥されていな
い場合、酸素富化装置から回収される酸素富化空気(製
品)中の水分が多くなり、分離膜モジュ−ルの膜面で水
分が凝縮したり、配管途中で水分が凝縮したりする。ま
た酸素富化燃焼をさせる場合は酸素富化空気中の水分は
できるだけ少ない方が効果的である。それ故、酸素富化
装置に供給する原料空気は予め乾燥されたものであるの
が好ましい。
富化空気を得るに際して予め原料空気が乾燥されていな
い場合、酸素富化装置から回収される酸素富化空気(製
品)中の水分が多くなり、分離膜モジュ−ルの膜面で水
分が凝縮したり、配管途中で水分が凝縮したりする。ま
た酸素富化燃焼をさせる場合は酸素富化空気中の水分は
できるだけ少ない方が効果的である。それ故、酸素富化
装置に供給する原料空気は予め乾燥されたものであるの
が好ましい。
【0005】一方気体中の水分を除去する方法の一つと
して、例えば冷凍除湿機を用いて圧縮空気を5°C〜1
0°Cに冷却することによって空気中の水分を凝縮さ
せ、乾燥空気を得ると共に、凝縮させた水分をドレンと
して排出させる方法や、分離膜に水分を含有する加圧気
体を供給すると水分が選択的に膜を透過するという性質
を利用して、中空糸膜の束からなる分離膜モジュ−ルを
内蔵する脱湿装置を用いて原料空気を除湿する方法が、
例えば特開平1−224028号公報、特開平1−22
4029号公報、特開昭54−15349号公報等で提
案されている。
して、例えば冷凍除湿機を用いて圧縮空気を5°C〜1
0°Cに冷却することによって空気中の水分を凝縮さ
せ、乾燥空気を得ると共に、凝縮させた水分をドレンと
して排出させる方法や、分離膜に水分を含有する加圧気
体を供給すると水分が選択的に膜を透過するという性質
を利用して、中空糸膜の束からなる分離膜モジュ−ルを
内蔵する脱湿装置を用いて原料空気を除湿する方法が、
例えば特開平1−224028号公報、特開平1−22
4029号公報、特開昭54−15349号公報等で提
案されている。
【0006】しかし、酸素富化装置に供給する原料空気
の乾燥方法として、冷凍除湿機を用いる方法は、装置が
大型化し、動力源を必要とするだけでなく、可動部があ
るために、騒音、振動が発生するという問題があり、さ
らには可動部が故障したり、連続動作時の寿命という点
で問題がある。また冷凍除湿機の冷媒としては一般にフ
ロンが使用されており、地球環境の面からも問題点を含
んでいる。
の乾燥方法として、冷凍除湿機を用いる方法は、装置が
大型化し、動力源を必要とするだけでなく、可動部があ
るために、騒音、振動が発生するという問題があり、さ
らには可動部が故障したり、連続動作時の寿命という点
で問題がある。また冷凍除湿機の冷媒としては一般にフ
ロンが使用されており、地球環境の面からも問題点を含
んでいる。
【0007】また、前記中空糸膜の束からなる分離膜モ
ジュ−ルを内蔵する脱湿装置を用いて原料空気を除湿す
る方法は、冷凍除湿機を用いる方法の難点がなく、装置
がコンパクトでメンテナンスも容易という大きな利点が
あるが、例えば特開平1−224028号公報に記載さ
れているように、脱湿装置の乾燥能力を維持するために
脱湿装置で乾燥した空気の一部を、原料空気の流動方向
と反対方向に流動させて水蒸気のパ−ジ(水分の排出)
に使用している。この方法は乾燥空気の大気圧露点を下
げるためには必要である。しかし、この方法と酸素富化
装置とを組み合わせて酸素富化空気を製造した場合は、
酸素富化装置に供給される乾燥空気を減少させることに
なり、酸素富化空気の収量が低下するという難点があ
る。
ジュ−ルを内蔵する脱湿装置を用いて原料空気を除湿す
る方法は、冷凍除湿機を用いる方法の難点がなく、装置
がコンパクトでメンテナンスも容易という大きな利点が
あるが、例えば特開平1−224028号公報に記載さ
れているように、脱湿装置の乾燥能力を維持するために
脱湿装置で乾燥した空気の一部を、原料空気の流動方向
と反対方向に流動させて水蒸気のパ−ジ(水分の排出)
に使用している。この方法は乾燥空気の大気圧露点を下
げるためには必要である。しかし、この方法と酸素富化
装置とを組み合わせて酸素富化空気を製造した場合は、
酸素富化装置に供給される乾燥空気を減少させることに
なり、酸素富化空気の収量が低下するという難点があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者等は、空気
等の少なくとも酸素、窒素及び水分を含有する気体か
ら、乾燥した酸素富化気体を効率よく製造することがで
き、前記の難点、特に分離膜を用いて脱湿と酸素富化を
行った場合の難点をも改善することができる乾燥した酸
素富化気体の製造法を開発することを目的として鋭意研
究を行った結果、本願発明に到達した。
等の少なくとも酸素、窒素及び水分を含有する気体か
ら、乾燥した酸素富化気体を効率よく製造することがで
き、前記の難点、特に分離膜を用いて脱湿と酸素富化を
行った場合の難点をも改善することができる乾燥した酸
素富化気体の製造法を開発することを目的として鋭意研
究を行った結果、本願発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は、(1)少な
くとも酸素、窒素及び水分を含有する気体を加圧し、こ
れを中空糸膜の束からなる分離膜モジュ−ルを内蔵する
脱湿装置の中空糸膜の内側へ供給して該気体中の水分を
選択的に該中空糸膜の外側へ透過させて水分を除去する
と共に、該中空糸膜の内側に乾燥された気体を生成させ
て脱湿装置から乾燥気体を取り出すこと、(2)前記乾
燥気体を、酸素を選択的に透過する中空糸膜の束からな
る分離膜モジュ−ルを内蔵する酸素富化装置の中空糸膜
の内側に供給して該気体中の酸素を該中空糸膜の外側へ
透過させて該酸素富化装置から乾燥した酸素富化気体を
回収すると共に、(3)該中空糸膜の内側から得られる
未透過の窒素を含有する乾燥気体を該酸素富化装置から
回収し、その一部を前記脱湿装置の中空糸膜の外側へ供
給して水分の除去を促進させることを特徴とする酸素富
化気体の製造法に関する。
くとも酸素、窒素及び水分を含有する気体を加圧し、こ
れを中空糸膜の束からなる分離膜モジュ−ルを内蔵する
脱湿装置の中空糸膜の内側へ供給して該気体中の水分を
選択的に該中空糸膜の外側へ透過させて水分を除去する
と共に、該中空糸膜の内側に乾燥された気体を生成させ
て脱湿装置から乾燥気体を取り出すこと、(2)前記乾
燥気体を、酸素を選択的に透過する中空糸膜の束からな
る分離膜モジュ−ルを内蔵する酸素富化装置の中空糸膜
の内側に供給して該気体中の酸素を該中空糸膜の外側へ
透過させて該酸素富化装置から乾燥した酸素富化気体を
回収すると共に、(3)該中空糸膜の内側から得られる
未透過の窒素を含有する乾燥気体を該酸素富化装置から
回収し、その一部を前記脱湿装置の中空糸膜の外側へ供
給して水分の除去を促進させることを特徴とする酸素富
化気体の製造法に関する。
【0010】本願発明の酸素富化気体の製造法につい
て、図面を参照にして水分(水蒸気)を含有する空気か
ら乾燥した酸素富化空気を製造する場合を例にとって詳
細に説明する。しかし、本願発明は空気からの酸素富化
空気の製造に限定されることなく、少なくとも酸素、窒
素及び水分を含有する気体から酸素富化気体を製造する
いずれの場合も本願発明の範囲に包含される。
て、図面を参照にして水分(水蒸気)を含有する空気か
ら乾燥した酸素富化空気を製造する場合を例にとって詳
細に説明する。しかし、本願発明は空気からの酸素富化
空気の製造に限定されることなく、少なくとも酸素、窒
素及び水分を含有する気体から酸素富化気体を製造する
いずれの場合も本願発明の範囲に包含される。
【0011】第1図は、本願発明の酸素富化気体の製造
法を実施するための工程を例示する概略図である。水分
(水蒸気)を含有する原料空気は小型の加圧機(コンプ
レッサ)1に供給されて、約2〜30Kg/cm2 に加圧さ
れ、タンク2に貯蔵される。タンク2に貯蔵された加圧
空気は、エアフィルタ3を経て、減圧弁4で圧力調整さ
れ、ライン7を経て、中空糸膜の束からなる分離膜モジ
ュ−ルを内蔵する脱湿装置5の中空糸膜の内側(孔中)
に供給される。
法を実施するための工程を例示する概略図である。水分
(水蒸気)を含有する原料空気は小型の加圧機(コンプ
レッサ)1に供給されて、約2〜30Kg/cm2 に加圧さ
れ、タンク2に貯蔵される。タンク2に貯蔵された加圧
空気は、エアフィルタ3を経て、減圧弁4で圧力調整さ
れ、ライン7を経て、中空糸膜の束からなる分離膜モジ
ュ−ルを内蔵する脱湿装置5の中空糸膜の内側(孔中)
に供給される。
【0012】中空糸膜の束からなる分離膜モジュ−ルを
内蔵する脱湿装置5としては、水蒸気と空気とのガス透
過速度の比(P’H2 0/P’空気)が500以上、好
ましくは1000以上の分離膜モジュ−ルを内蔵したも
のがで好適である。このガス透過速度の比が小さすぎる
と後記酸素富化装置6から得られる酸素の収量、酸素濃
度等が低下したりする。
内蔵する脱湿装置5としては、水蒸気と空気とのガス透
過速度の比(P’H2 0/P’空気)が500以上、好
ましくは1000以上の分離膜モジュ−ルを内蔵したも
のがで好適である。このガス透過速度の比が小さすぎる
と後記酸素富化装置6から得られる酸素の収量、酸素濃
度等が低下したりする。
【0013】脱湿装置5の構成としては、中空糸膜を適
当な長さに切断して多数(100〜100000本)束
ねて形成させた中空糸膜束が、その両端の中空(孔)が
塞がらない様に両端をエポキシ樹脂の如き樹脂で一体的
に固着されている分離膜モジュ−ルを、原料気体供給
口、乾燥気体排出口、パ−ジ気体供給口、パ−ジ気体排
出口を有する容器に収納した脱湿装置、例えば特開平1
−224028号公報、特開昭54−15349号公報
等に記載された脱湿装置を使用することができる。この
場合、原料空気は、原料気体供給口から分離膜モジュ−
ルの一方の中空糸膜の内側、即ち中空(孔)に入り、中
空中を流動して通過する間に水分が中空糸膜の外側に透
過して、未透過の空気は乾燥されてもう一方側の中空
(孔)を通って乾燥気体排出口から取り出される。
当な長さに切断して多数(100〜100000本)束
ねて形成させた中空糸膜束が、その両端の中空(孔)が
塞がらない様に両端をエポキシ樹脂の如き樹脂で一体的
に固着されている分離膜モジュ−ルを、原料気体供給
口、乾燥気体排出口、パ−ジ気体供給口、パ−ジ気体排
出口を有する容器に収納した脱湿装置、例えば特開平1
−224028号公報、特開昭54−15349号公報
等に記載された脱湿装置を使用することができる。この
場合、原料空気は、原料気体供給口から分離膜モジュ−
ルの一方の中空糸膜の内側、即ち中空(孔)に入り、中
空中を流動して通過する間に水分が中空糸膜の外側に透
過して、未透過の空気は乾燥されてもう一方側の中空
(孔)を通って乾燥気体排出口から取り出される。
【0014】中空糸膜としては、水蒸気(水分)を選択
的に透過する性能のものであれば特に制限はなく、例え
ばポリイミド系、ポリアミド系、ポリエステル系、セル
ロ−ス系、ポリスルホン系、ポリオレフィン系等の高分
子系の中空糸膜のなかから適宜選択して使用される。ま
た中空糸膜、分離膜モジュ−ル等はそれ自体従来公知の
方法で容易に製造することができ、また中空糸膜は多孔
質膜でも、膜の表面に緻密な層(スキン層)を有する非
対称性膜でもよい。
的に透過する性能のものであれば特に制限はなく、例え
ばポリイミド系、ポリアミド系、ポリエステル系、セル
ロ−ス系、ポリスルホン系、ポリオレフィン系等の高分
子系の中空糸膜のなかから適宜選択して使用される。ま
た中空糸膜、分離膜モジュ−ル等はそれ自体従来公知の
方法で容易に製造することができ、また中空糸膜は多孔
質膜でも、膜の表面に緻密な層(スキン層)を有する非
対称性膜でもよい。
【0015】脱湿装置5の中空糸膜の内側に供給された
原料空気は、前記のように中空中を流動して通過し、そ
の間に原料空気中の水分が中空糸膜の外側に透過して原
料空気から除去される。供給にあたっては、中空糸膜の
長さ方向の流速が0.05m/sec 以上、好ましくは
0.1m /sec 以上が適当であり、また中空糸膜との接
触時間が0.5秒〜60秒、好ましくは2秒〜40秒の
範囲にするのが適当である。
原料空気は、前記のように中空中を流動して通過し、そ
の間に原料空気中の水分が中空糸膜の外側に透過して原
料空気から除去される。供給にあたっては、中空糸膜の
長さ方向の流速が0.05m/sec 以上、好ましくは
0.1m /sec 以上が適当であり、また中空糸膜との接
触時間が0.5秒〜60秒、好ましくは2秒〜40秒の
範囲にするのが適当である。
【0016】脱湿装置5で中空糸膜の外側に透過した水
分は、中空糸膜の乾燥能力を維持するために、また乾燥
空気の大気圧露点を下げるために、後記する酸素富化装
置6から回収されて系外に排出される乾燥した窒素富化
空気の一部をライン11から供給し、原料空気の流動方
向と反対方向に流動させて、脱湿装置5のライン8を経
て系外に排出される。本願発明においては、従来公知の
例えば特開平1−224028号公報に記載の原料空気
の脱湿方法のように、中空糸膜の外側に透過した水分を
除去するのに脱湿装置で乾燥した空気を使用せずに、後
記する酸素富化装置6から回収され、系外に排出される
乾燥した窒素富化空気の一部を使用するので、酸素富化
装置6に供給される乾燥空気を減少させることがなく、
酸素富化空気の収量も低下しないという顕著な効果を達
成することができる。
分は、中空糸膜の乾燥能力を維持するために、また乾燥
空気の大気圧露点を下げるために、後記する酸素富化装
置6から回収されて系外に排出される乾燥した窒素富化
空気の一部をライン11から供給し、原料空気の流動方
向と反対方向に流動させて、脱湿装置5のライン8を経
て系外に排出される。本願発明においては、従来公知の
例えば特開平1−224028号公報に記載の原料空気
の脱湿方法のように、中空糸膜の外側に透過した水分を
除去するのに脱湿装置で乾燥した空気を使用せずに、後
記する酸素富化装置6から回収され、系外に排出される
乾燥した窒素富化空気の一部を使用するので、酸素富化
装置6に供給される乾燥空気を減少させることがなく、
酸素富化空気の収量も低下しないという顕著な効果を達
成することができる。
【0017】中空糸の内側を通過して乾燥された空気
は、次いで脱湿装置5から取り出され、ライン9を経
て、酸素を選択的に透過する中空糸膜の束からなる分離
膜モジュ−ルを内蔵する酸素富化装置6の中空糸膜の内
側(孔中)に供給される。供給する際の空気圧は必要に
応じて適宜調整し、1〜7Kg/cm2 程度にするのが適当
である。
は、次いで脱湿装置5から取り出され、ライン9を経
て、酸素を選択的に透過する中空糸膜の束からなる分離
膜モジュ−ルを内蔵する酸素富化装置6の中空糸膜の内
側(孔中)に供給される。供給する際の空気圧は必要に
応じて適宜調整し、1〜7Kg/cm2 程度にするのが適当
である。
【0018】本願発明において、酸素富化装置6は、少
なくとも乾燥された空気を供給するための供給口、未透
過の乾燥した窒素富化空気を回収・排出させるための排
出口及び中空糸膜を透過した乾燥酸素富化空気を回収す
るための排出口を備えた容器に、酸素を選択的に透過す
る中空糸膜の束からなる分離膜モジュ−ルが内蔵されて
いるものが使用される。このような酸素富化装置6は、
例えば特開平2−252609号公報にも記載されてい
る。
なくとも乾燥された空気を供給するための供給口、未透
過の乾燥した窒素富化空気を回収・排出させるための排
出口及び中空糸膜を透過した乾燥酸素富化空気を回収す
るための排出口を備えた容器に、酸素を選択的に透過す
る中空糸膜の束からなる分離膜モジュ−ルが内蔵されて
いるものが使用される。このような酸素富化装置6は、
例えば特開平2−252609号公報にも記載されてい
る。
【0019】酸素富化装置6の分離膜モジュ−ルに使用
される中空糸膜としては、酸素を選択的に透過する性能
を有するものであれば、多孔質膜でも、非対称性膜でも
特に制限されないが、酸素ガスと窒素ガスとの透過速度
の比(P' O2 /P' N2 )が3.0〜15、好ましく
は4.0〜10のものが好適である。中空糸膜の材質と
しては、例えばポリイミド系、ポリアミド系、ポリエス
テル系、セルロ−ス系、ポリスルホン系、ポリオレフィ
ン系等の高分子系のものが使用されるが、中空糸膜とし
ては透過速度の比が大きい芳香族ポリイミド製の非対称
性膜が好適に使用される。
される中空糸膜としては、酸素を選択的に透過する性能
を有するものであれば、多孔質膜でも、非対称性膜でも
特に制限されないが、酸素ガスと窒素ガスとの透過速度
の比(P' O2 /P' N2 )が3.0〜15、好ましく
は4.0〜10のものが好適である。中空糸膜の材質と
しては、例えばポリイミド系、ポリアミド系、ポリエス
テル系、セルロ−ス系、ポリスルホン系、ポリオレフィ
ン系等の高分子系のものが使用されるが、中空糸膜とし
ては透過速度の比が大きい芳香族ポリイミド製の非対称
性膜が好適に使用される。
【0020】酸素富化装置6の供給口から分離膜モジュ
−ルの中空糸膜の内側(孔中)に供給された乾燥空気
は、中空中を流動して通過し、その間に乾燥空気中の酸
素が中空糸膜の外側に透過して酸素富化装置6の排出口
からライン13を経て例えば吸引ポンプ等の吸引手段に
よって系外に回収される。
−ルの中空糸膜の内側(孔中)に供給された乾燥空気
は、中空中を流動して通過し、その間に乾燥空気中の酸
素が中空糸膜の外側に透過して酸素富化装置6の排出口
からライン13を経て例えば吸引ポンプ等の吸引手段に
よって系外に回収される。
【0021】一方、中空糸膜を透過しなかった未透過の
乾燥した窒素富化空気は、酸素富化装置6の排出口から
ライン10を経て回収され、その一部がライン11を経
て脱湿装置5の分離膜モジュ−ルの中空糸膜の外側、換
言すると透過側へ供給される。中空糸膜の外側へ供給さ
れた窒素富化空気は、脱湿装置5の分離膜モジュ−ルの
中空糸膜を透過した原料空気中の水分のパ−ジに有効利
用され、系外への水分の除去を促進させる。なお残部の
窒素富化空気は、ライン12を経て系外に排出される。
本願発明において、脱湿装置5及び酸素富化装置6は、
それぞれ複数(多段)で用いてもよい。次に実施例及び
比較例を示し、本願発明を説明する。
乾燥した窒素富化空気は、酸素富化装置6の排出口から
ライン10を経て回収され、その一部がライン11を経
て脱湿装置5の分離膜モジュ−ルの中空糸膜の外側、換
言すると透過側へ供給される。中空糸膜の外側へ供給さ
れた窒素富化空気は、脱湿装置5の分離膜モジュ−ルの
中空糸膜を透過した原料空気中の水分のパ−ジに有効利
用され、系外への水分の除去を促進させる。なお残部の
窒素富化空気は、ライン12を経て系外に排出される。
本願発明において、脱湿装置5及び酸素富化装置6は、
それぞれ複数(多段)で用いてもよい。次に実施例及び
比較例を示し、本願発明を説明する。
【0022】
実施例1 第1図の工程に従って、膜厚60μm 、外径400μm
及び長さ75cmの芳香族ポリイミドの非対称性の中空糸
膜を束ねた中空糸膜束からなる分離膜モジュ−ル(有効
膜面積15.2m2、水蒸気の空気に対するガス透過速度
の比1000)を内蔵した脱湿装置5と、膜厚60μm
、外径400μm 及び長さ150cmの芳香族ポリイミ
ドの非対称性の中空糸膜を束ねた中空糸膜束からなる分
離膜モジュ−ル(有効膜面積35m2)を内蔵した酸素富
化装置6とを用い、30°C飽和の水蒸気を含んだ原料
空気の乾燥及び酸素富化を行った。
及び長さ75cmの芳香族ポリイミドの非対称性の中空糸
膜を束ねた中空糸膜束からなる分離膜モジュ−ル(有効
膜面積15.2m2、水蒸気の空気に対するガス透過速度
の比1000)を内蔵した脱湿装置5と、膜厚60μm
、外径400μm 及び長さ150cmの芳香族ポリイミ
ドの非対称性の中空糸膜を束ねた中空糸膜束からなる分
離膜モジュ−ル(有効膜面積35m2)を内蔵した酸素富
化装置6とを用い、30°C飽和の水蒸気を含んだ原料
空気の乾燥及び酸素富化を行った。
【0023】原料空気は、脱湿装置5の中空糸膜の内側
に6Kg/cm2 Gの加圧下、132.5Nm3/h の流速で
供給し、また中空糸膜の外側(透過側)に後記の乾燥し
た窒素富化空気の一部を31.47Nm3/h の流速でラ
イン11を経て供給して、中空糸膜を透過した水蒸気の
パ−ジを行いながら、原料空気の乾燥を行い、乾燥され
た空気はライン9を経て、酸素富化装置6の中空糸膜の
内側に供給し、酸素を中空糸膜の外側に透過させて酸素
富化空気を生成させ、未透過の窒素富化空気は酸素富化
装置6からライン10を経て、その一部を前記水蒸気の
パ−ジに使用し、残部の窒素富化空気はライン12から
系外に排出させた。ライン13からは、大気圧露点マイ
ナス14°C(0.19%)の乾燥した酸素富化空気
(酸素濃度43.5%)が、24.32Nm3/h で回収
された。
に6Kg/cm2 Gの加圧下、132.5Nm3/h の流速で
供給し、また中空糸膜の外側(透過側)に後記の乾燥し
た窒素富化空気の一部を31.47Nm3/h の流速でラ
イン11を経て供給して、中空糸膜を透過した水蒸気の
パ−ジを行いながら、原料空気の乾燥を行い、乾燥され
た空気はライン9を経て、酸素富化装置6の中空糸膜の
内側に供給し、酸素を中空糸膜の外側に透過させて酸素
富化空気を生成させ、未透過の窒素富化空気は酸素富化
装置6からライン10を経て、その一部を前記水蒸気の
パ−ジに使用し、残部の窒素富化空気はライン12から
系外に排出させた。ライン13からは、大気圧露点マイ
ナス14°C(0.19%)の乾燥した酸素富化空気
(酸素濃度43.5%)が、24.32Nm3/h で回収
された。
【0024】比較例1 実施例1の脱湿装置5に代えて、空冷式冷凍除湿機を用
いたほかは、実施例1と同様の条件で酸素富化を行っ
た。その結果、大気圧露点マイナス6°C(0.93
%)の乾燥した酸素富化空気(酸素濃度43.5%)
が、24.38Nm3/h で回収された。この際空冷式冷
凍除湿機を駆動させのに毎時0.5K Wの電力を消費し
た。
いたほかは、実施例1と同様の条件で酸素富化を行っ
た。その結果、大気圧露点マイナス6°C(0.93
%)の乾燥した酸素富化空気(酸素濃度43.5%)
が、24.38Nm3/h で回収された。この際空冷式冷
凍除湿機を駆動させのに毎時0.5K Wの電力を消費し
た。
【0025】比較例2 原料空気の乾燥において水蒸気のパ−ジに実施例1の窒
素富化空気を使用する代わりに、脱湿装置5からとりだ
された乾燥空気の一部を31.47Nm3/h の流速で脱
湿装置5の中空糸膜の外側に供給したほかは、実施例1
と同様の条件で酸素富化を行った。その結果、大気圧露
点マイナス14°C(0.19%)の乾燥した酸素富化
空気(酸素濃度43.5%)が、18.53Nm3/h で
回収された。
素富化空気を使用する代わりに、脱湿装置5からとりだ
された乾燥空気の一部を31.47Nm3/h の流速で脱
湿装置5の中空糸膜の外側に供給したほかは、実施例1
と同様の条件で酸素富化を行った。その結果、大気圧露
点マイナス14°C(0.19%)の乾燥した酸素富化
空気(酸素濃度43.5%)が、18.53Nm3/h で
回収された。
【0026】
【発明の効果】本願発明は、分離膜を用いた脱湿装置及
び酸素富化装置が巧みに有機的に組み合わされ、酸素富
化装置から回収される乾燥した窒素等の富化気体を、脱
湿装置での原料気体中の水分の除去に有効利用する方法
であるため、特別の動力源を必要とせずに、また乾燥さ
れた酸素富化気体の収量を低下させることなく、コンパ
クトな装置で効率よく、酸素富化気体を製造することが
できる。
び酸素富化装置が巧みに有機的に組み合わされ、酸素富
化装置から回収される乾燥した窒素等の富化気体を、脱
湿装置での原料気体中の水分の除去に有効利用する方法
であるため、特別の動力源を必要とせずに、また乾燥さ
れた酸素富化気体の収量を低下させることなく、コンパ
クトな装置で効率よく、酸素富化気体を製造することが
できる。
【0027】
【図1】は本願発明の酸素富化気体の製造法を実施する
ための工程を例示する概略図。
ための工程を例示する概略図。
5 脱湿装置 6 酸素富化装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 13/02 B01D 53/22 B01D 53/26
Claims (1)
- 【請求項1】(1)少なくとも酸素、窒素及び水分を含
有する気体を加圧し、これを中空糸膜の束からなる分離
膜モジュ−ルを内蔵する脱湿装置の中空糸膜の内側へ供
給して該気体中の水分を選択的に該中空糸膜の外側へ透
過させて水分を除去すると共に、該中空糸膜の内側に乾
燥された気体を生成させて脱湿装置から乾燥気体を取り
出すこと、 (2)前記乾燥気体を、酸素を選択的に透過する中空糸
膜の束からなる分離膜モジュ−ルを内蔵する酸素富化装
置の中空糸膜の内側に供給して該気体中の酸素を該中空
糸膜の外側へ透過させて該酸素富化装置から乾燥した酸
素富化気体を回収すると共に、 (3)該中空糸膜の内側から得られる未透過の窒素を含
有する乾燥気体を該酸素富化装置から回収し、その一部
を前記脱湿装置の中空糸膜の外側へ供給して水分の除去
を促進させることを特徴とする酸素富化気体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5021370A JP2765671B2 (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 酸素富化気体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5021370A JP2765671B2 (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 酸素富化気体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06234505A JPH06234505A (ja) | 1994-08-23 |
JP2765671B2 true JP2765671B2 (ja) | 1998-06-18 |
Family
ID=12053214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5021370A Expired - Fee Related JP2765671B2 (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 酸素富化気体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2765671B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
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---|---|---|---|---|
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DE10300141A1 (de) | 2003-01-07 | 2004-07-15 | Blue Membranes Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zur Sauerstoffanreicherung von Luft bei gleichzeitiger Abreicherung von Kohlendioxid |
WO2005074466A2 (en) | 2004-01-28 | 2005-08-18 | Apio Inc. | Packaging |
US9021792B2 (en) | 2011-03-15 | 2015-05-05 | Hino Motors, Ltd. | Exhaust gas purification device |
JP5952533B2 (ja) * | 2011-06-28 | 2016-07-13 | 日野自動車株式会社 | 排ガス浄化装置 |
JP2013010647A (ja) * | 2011-06-28 | 2013-01-17 | Hino Motors Ltd | オゾン発生装置 |
EP2759517A4 (en) | 2011-09-21 | 2015-08-26 | Hino Motors Ltd | EXHAUST CLEANER |
JP6848307B2 (ja) * | 2016-09-29 | 2021-03-24 | 宇部興産株式会社 | 貯蔵用ガス製造システム及びその製造方法並びに、貯蔵システム及び貯蔵方法 |
JP6860197B2 (ja) * | 2017-02-06 | 2021-04-14 | Vigo Medical株式会社 | 酸素濃縮装置 |
-
1993
- 1993-02-09 JP JP5021370A patent/JP2765671B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06234505A (ja) | 1994-08-23 |
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