JP2013010647A - オゾン発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的簡易な構造の空気分離器により酸素富化ガス及び窒素富化ガスを生成するとともに、ドライヤの再生効率を向上する。
【解決手段】コンプレッサ11が空気を圧縮し、このコンプレッサにより圧縮された圧縮空気をドライヤ12が乾燥し、このドライヤにより乾燥された圧縮空気中の酸素の一部をオゾン発生装置13がオゾンに変換するように構成される。ドライヤとオゾン発生器との間に設けられた空気分離器14がドライヤにより乾燥された圧縮空気を酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスとに分離するように構成される。空気分離器で分離された酸素富化ガス中の酸素の一部をオゾン発生器に導入してオゾン発生器によりオゾンに変換し、空気分離器で分離された窒素富化ガスによりドライヤ内の水分を除去してドライヤを再生するように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、大気中の酸素からオゾンを発生する装置に関するものである。
従来、酸素濃縮装置がコンプレッサからの圧縮空気を窒素吸着剤の充填された吸着筒に供給して高濃度酸素を製造した後にこの高濃度酸素をバッファタンクに貯蔵し、オゾン発生装置が酸素濃縮装置から供給される高濃度酸素からオゾンを製造し、そのオゾン発生装置から供給されるオゾンをオゾン利用装置が利用し、更にそのオゾン利用装置から排出されるオゾンをオゾン分解触媒が分解するように構成されたオゾンシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このオゾンシステムでは、酸素濃縮装置が、PSA(Pressure Swing Adsorption)方式の酸素濃縮装置であり、空気を圧縮するためのコンプレッサと、窒素吸着剤が充填された2つの吸着筒を有するPSA本体と、PSA本体の吸着筒で濃縮された高濃度酸素を貯蔵するバッファタンクと、各吸着筒を原料ガス供給側及びパージガス排出側のいずれかに連通させる2つの切替弁とを備える。また吸着筒内には、窒素を選択的に吸着しかつ脱着可能なゼオライトなどの窒素吸着剤が充填される。
このように構成されたオゾンシステムでは、酸素濃縮装置の運転中に、外部の空気がコンプレッサで昇圧され、この昇圧された空気中の窒素が一方の吸着筒の窒素吸着剤で吸着されて酸素が濃縮され、この濃縮された高濃度酸素はバッファタンクに貯蔵される。このとき他方の吸着筒では、圧縮空気の供給が停止されるとともに、他方の吸着筒内に、上記製造された高濃度酸素の一部がバッファタンク又は一方の吸着筒から導入され、この高濃度酸素により他方の吸着筒の窒素吸着剤から窒素が脱離して、他方の吸着筒の窒素吸着剤が再生される。この窒素吸着剤を再生した再生ガス(再生パージガス)は、他方の吸着筒から排出される。そして酸素の濃縮を行う吸着筒と窒素吸着剤の再生を行う吸着筒とが交互に切り替えられ、連続的に高濃度酸素が製造される。また窒素吸着剤の再生により、窒素吸着剤に吸着した窒素が脱離するとともに、窒素吸着剤に吸着した水分も脱離する。
また、放電体内部での放電によりオゾンが発生され、電源により放電体に交流高電圧が印加され、放電体及び電源が液体冷却系により冷却され、上記放電体、電源及び液体冷却系が1つの筐体内に収納されたオゾン発生装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。このオゾン発生装置では、筐体外部の空気を導入して断熱圧縮するコンプレッサが設けられ、このコンプレッサの圧縮空気出口に圧縮空気を冷却・除湿するための除湿器が設置される。また除湿器の後に酸素富化器が接続され、この除湿した空気の少なくとも一部を酸素富化器を通して放電体に送るように構成される。更に酸素富化器から廃棄される乾燥されたガスを筐体内部に放出する管路のガス放出口が放電体及び電源の部分に直接面するように設けられる。
このように構成されたオゾン発生装置では、コンプレッサが筐体外部から空気(外気)を吸入しかつこの空気を断熱圧縮し、除湿器がこの圧縮空気を冷却し除湿し、酸素富化器の吸着剤がこの冷却されかつ除湿された圧縮空気を酸素富化空気と窒素及び水分とに分離する。そして酸素富化器を出た酸素富化空気は放電体に入り、この放電体で交流高電圧による放電によりオゾンが生成される。一方、酸素富化器から排出されて排気ガス路管の排気口から筐体内部に出るガスは、除湿器で冷却されかつ除湿された空気であるため、酸素富化器で吸着された水分を含んでいても、外気より乾燥しており、このガスを筐体内部に放出すると、筐体内部が乾燥雰囲気になるので、放電体表面での結露を防止できる。なお、除湿器で除去された水分はドレン水排出路管を通って筐体外部に排出される。
特開2009−18969号公報(請求項1、段落[0033]、[0038]、[0042]〜[0045]、図1及び図2) 特開平6−24710号公報(請求項2及び3、段落[0020]、[0023]、[0024]、図2)
しかし、上記従来の特許文献2に示されたオゾン発生装置では、酸素富化器から排出されて排気ガス路管の排気口から筐体内部に出るガスにより、筐体内部が乾燥雰囲気になり、放電体表面での結露を防止できるけれども、このガスが、除湿器に吸着された水分を除去して除湿器を再生するために利用されていないため、除湿器の再生効率が低い問題点があった。また、上記従来の特許文献1に示されたオゾンシステムでは、吸着筒内に充填された窒素吸着剤であるゼオライトに炭化水素が付着し易いため、この炭化水素のゼオライトへの付着により、窒素吸着剤の窒素吸着性能が低下してしまい、このオゾンシステムは車載装置に適さない不具合があった。
本発明の目的は、ドライヤの再生効率を向上できるとともに、炭化水素の存在下でも空気分離器による酸素富化ガス及び窒素富化ガスの分離性能を低下させない、オゾン発生装置を提供することにある。
本発明の第1の観点は、図1及び図2に示すように、空気を圧縮するコンプレッサ11と、このコンプレッサ11により圧縮された圧縮空気を乾燥させるドライヤ12と、このドライヤ12により乾燥された圧縮空気中の酸素の一部をオゾンに変換するオゾン発生器13とを備えたオゾン発生装置において、ドライヤ12とオゾン発生器13との間に設けられドライヤ12により乾燥された圧縮空気を酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスとに分離する空気分離器14を更に備え、空気分離器14で分離された酸素富化ガス中の酸素の一部をオゾン発生器13に導入してオゾン発生器13によりオゾンに変換し、空気分離器14で分離された窒素富化ガスによりドライヤ12内の水分を除去してドライヤ12を再生するように構成されたことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1、図2及び図5に示すように、空気分離器14が酸素富化膜14aにより構成され、酸素富化ガスはドライヤ12により乾燥された圧縮空気が酸素富化膜14aを通過することにより生成され、窒素富化ガスはドライヤ12により乾燥された圧縮空気が酸素富化膜14aを通過せずに素通りすることにより生成されることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は2の観点に基づく発明であって、更に図1及び図2に示すように、空気分離器14で分離された窒素富化ガスがパージ管16を通ってドライヤ12に供給されるように構成され、パージ管16にこのパージ管16を通過する窒素富化ガスの流量を調整する流量調整弁19が設けられたことを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1ないし3の観点に基づく発明であって、更に図1及び図2に示すように、コンプレッサ11とドライヤ12との間にコンプレッサ11で圧縮された圧縮空気を貯留するエアタンク18が設けられたことを特徴とする。
本発明の第1の観点のオゾン発生装置では、空気分離器で分離された酸素富化ガス中の酸素の一部をオゾン発生器に導入してオゾン発生器によりオゾンに変換し、空気分離器で分離された窒素富化ガスによりドライヤ内の水分を除去してドライヤを再生するので、ドライヤを効率良く再生できる。即ち、コンプレッサにより圧縮された空気がドライヤを再生するために直接用いられずに済むので、コンプレッサにより圧縮された空気の消費量を抑制できる。この結果、コンプレッサの吐出容量を低減できるので、コンプレッサの小型化を図ることができる。また、酸素富化ガスを増加させると、ドライヤで除去される圧縮空気中の水分量も増えるけれども、空気分離器で分離される窒素富化ガスも増加するので、この増加した窒素富化ガスによりドライヤ内の増加した水分を除去できる。この結果、酸素富化ガスが増減しても、この増減に伴って窒素富化ガスも増減するため、ドライヤを効率良く再生できる。
本発明の第2の観点のオゾン発生装置では、空気分離器を酸素富化膜により構成し、ドライヤにより乾燥された圧縮空気が酸素富化膜を通過することにより酸素富化ガスを生成し、ドライヤにより乾燥された圧縮空気が酸素富化膜を通過せずに素通りすることにより窒素富化ガスを生成するので、炭化水素が存在し、この炭化水素が酸素富化膜に付着しても或いは付着しなくても、酸素富化膜により酸素富化ガス及び窒素富化ガスが確実に分離される。この結果、炭化水素が酸素富化膜に付着するか否かに拘らず、酸素富化膜による酸素富化ガス及び窒素富化ガスの分離性能が低下することはない。換言すれば、比較的簡易な構造の空気分離器であっても、この空気分離器の酸素富化膜により酸素富化ガス及び窒素富化ガスを効率良く生成できる。
本発明の第3の観点のオゾン発生装置では、空気分離器で分離された窒素富化ガスをドライヤに供給するパージ管に流量調整弁を設けている。この結果、コンプレッサを定格運転に維持した状態で、パージ管を通過する窒素富化ガスの流量を流量調整弁で調整するだけで、酸素富化ガスの流量をも調整できる。更に、コンプレッサで圧縮された圧縮空気の圧力を調整するレギュレータを用いずに済み、また圧縮空気を一時的に貯留するバッファタンクやサージタンクを用いずに済むので、オゾン発生装置を比較的少ない部品で構成できるとともに、圧縮空気の流路抵抗を低減できるので、コンプレッサを更に小型化できる。
本発明の第4の観点のオゾン発生装置では、コンプレッサとドライヤとの間にコンプレッサで圧縮された圧縮空気を貯留するエアタンクを設けたので、酸素富化ガス及び窒素富化ガスの流量を急激に変化させても、空気分離器に十分な量の圧縮空気を供給できるとともに、圧縮空気の圧力変動を緩和できる。
本発明実施形態のオゾン発生装置のエア回路構成図である。 そのオゾン発生装置を示す図3のA−A線断面図である。 そのオゾン発生装置を示す図2のB−B線断面図である。 ドライヤの水蒸気分離膜を構成する中空糸の要部拡大断面図である。 空気分離器の酸素富化膜を構成する中空糸の要部拡大断面図である。 そのオゾン発生装置を含む車両の排ガス浄化装置を示す構成図である。 尿素系流体が尿素水でありかつオゾンの添加量を変えた実施例1、実施例2及び比較例1の排ガス浄化装置を用いたときの排ガス温度の変化に伴うNOx低減率の変化を示す図である。 尿素系流体がアンモニアガスでありかつオゾンの添加量を変えた実施例3、実施例4及び比較例2の排ガス浄化装置を用いたときの排ガス温度の変化に伴うNOx低減率の変化を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3に示すように、オゾン発生装置10は、空気を圧縮するコンプレッサ11と、このコンプレッサ11により圧縮された圧縮空気を乾燥させるドライヤ12と、このドライヤ12により乾燥された圧縮空気中の酸素の一部をオゾンに変換するオゾン発生器13とを備える。コンプレッサ11は、この実施の形態では、直流電圧24Vのバッテリで駆動されるように構成される。なお、この実施の形態では、コンプレッサを直流電圧24Vのバッテリで駆動したが、コンプレッサを、エンジンのクランク軸で駆動したり、或いはハイブリッド車であれば直流電圧200〜300Vのバッテリで駆動してもよい。
ドライヤ12は、水蒸気(水分)を透過し易くかつ空気を透過し難い水蒸気分離膜12a(図4)を筒状のハウジング12dに収容して構成される。この水蒸気分離膜12aは、例えば膜厚100μm、外径500μm及び長さ450mmの芳香族ポリイミドの非対称性中空糸12b(中央に通孔12cが形成され、膜厚方向に非対称の粗密構造を有する中空糸12b)を束ねて形成され、ハウジング12dにその長手方向に延びて収容される(図1〜図3)。またハウジング12dの下面には、コンプレッサ11により圧縮された空気を導入する空気導入口12eが形成され、ハウジング12dの上面には、ドライヤ12により乾燥された圧縮空気を排出する空気排出口12fが形成される(図2)。空気導入口12eは水蒸気分離膜12aの各中空糸12bの下端に接続され、空気排出口12fは水蒸気分離膜12aの各中空糸12bの上端に接続され、これにより空気導入口12e及び空気排出口12fは各中空糸12bの通孔12cに連通接続される。更にハウジング12dの側壁上部には、後述する窒素富化ガスをパージガスとして導入するパージガス導入口12gが形成され、ハウジング12dの側壁下部には、パージガスである窒素富化ガスを水蒸気(水分)とともに排出するパージガス排出口12hが形成される。そしてパージガス導入口12gから導入された窒素富化ガスは水蒸気分離膜12aの中空糸12bの外周面を通過してパージガス排出口12hから排出されるように構成される。
ここで、水蒸気分離膜12aの各中空糸12bの通孔12c(通孔12cの内径は例えば300μmに形成される。)を、水蒸気(水分)の含まれる圧縮空気が流れると、中空糸12bの膜の内面側及び外面側に存在する水蒸気分圧の差を駆動力として、通孔12cを流れる圧縮空気中の水蒸気が、水蒸気分圧の高い中空糸12bの膜の内面側から水蒸気分圧の低い中空糸12bの膜の外面側へ透過するため、中空糸12bの通孔12cを流れる圧縮空気中の水蒸気が減少し、乾燥した圧縮空気が空気排出口12fから排出されるようになっている。
オゾン発生器13は、この実施の形態では、無声放電型のものが用いられる(図1及び図2)。具体的には、オゾン発生器13は、図示しないが所定の間隔をあけて互いに平行に配設されかつ一方若しくは双方が誘電体で覆われた一対の電極間に高周波高電圧を印加してプラズマ放電を発生させ、このプラズマ放電によりエアに含まれる酸素の一部をオゾンに変換するように構成される。
一方、ドライヤ12とオゾン発生器13との間には、空気分離器14が設けられる(図1及び図2)。この空気分離器14は、空気中の窒素ガスより酸素ガスを透過し易い性質を有する酸素富化膜14a(図5)を筒状のハウジング14dに収容して構成される。酸素富化膜14aは、ドライヤ12により乾燥された圧縮空気を酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスとに分離するように構成される。具体的には、酸素富化膜14aは、窒素ガスと比較して酸素ガスを選択的に透過する高分子からなり中央に通孔14cが形成された中空糸14bを束ねて形成され、ハウジング14dにその長手方向に延びて収容される。また酸素富化膜14aを構成する中空糸14bは、酸素ガスと窒素ガスの分離度が大きいガラス状高分子により形成されることが好ましく、酸素ガスと窒素ガスの分離度が特に大きく、機械的強度、耐熱性及び耐久性などに優れるポリイミドにより形成されることが更に好ましい。また酸素富化膜14aを構成する中空糸14bの膜は、膜厚方向に密度が均一な均質膜であってもよく、或いは内径、外径及び密度の異なる複数の中空糸を嵌挿することにより膜厚方向に密度が不均一に形成された複合膜を用いてもよいが、膜厚方向に非対称の粗密構造を有することにより透過速度が大きい非対称膜を用いることが好ましい。更に中空糸14bの膜厚は10μm〜500μmの範囲に設定され、中空糸14bの外径は50μm〜2000μmの範囲に設定されることが好ましい。
酸素富化膜14aを収容するハウジング14dの上面には、ドライヤ12により乾燥された圧縮空気を導入する乾燥空気導入口14eが形成され、ハウジング14dの下面には、空気分離器14により分離された窒素富化ガスを排出する窒素富化ガス排出口14fが形成される(図2)。乾燥空気導入口14eは酸素富化膜14aの各中空糸14bの上端に接続され、窒素富化ガス排出口14fは酸素富化膜14aの各中空糸14bの下端に接続され、これにより乾燥空気導入口14e及び窒素富化ガス排出口14fは各中空糸14bの通孔14cに連通接続される。また酸素富化膜14aを収容するハウジング14dの側壁下部には、酸素富化ガスを排出する酸素富化ガス排出口14gが形成される。酸素富化膜14aの中空糸14bの膜を通過することにより、酸素濃度が高くなった酸素富化ガスは酸素富化ガス排出口14gから排出されるように構成される。
ここで、酸素富化膜14aにより酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスとに分離される原理を説明する。酸素富化膜14aの各中空糸14bの通孔14cを、乾燥した圧縮空気が流れると、中空糸14bの膜が熱振動して気体が通過する隙間が形成されるため、圧縮空気中の酸素分子や窒素分子が上記隙間に取込まれる。このとき酸素富化膜14aの厚さは比較的薄く形成され、酸素分子が中空糸14bの膜を透過する速度は窒素分子が中空糸14bの膜を透過する速度より約2.5倍大きいため、酸素分子が分圧の高い中空糸14bの膜の内面側から分圧の低い中空糸14bの外面側に速やかに透過する。これにより中空糸14bの膜の外面側の酸素濃度が高くなり、中空糸14bの膜の内面側の酸素濃度が低くなる。この結果、酸素富化ガスは圧縮空気が酸素富化膜14aを通過することにより生成され、窒素富化ガスは圧縮空気が酸素富化膜14aを通過せずに素通りすることにより生成される。なお、上記熱振動により中空糸14bの膜に形成される隙間は5nm程度である。
一方、コンプレッサ11の吐出口は第1供給管21によりドライヤ12の空気導入口12eに接続され、ドライヤ12の空気排出口12fは第2供給管22により空気分離器14の乾燥空気導入口14eに接続される(図1〜図3)。また空気分離器14の酸素富化ガス排出口14gは第3供給管23によりオゾン発生器13の酸素富化ガス導入口13aに接続され、オゾン発生器13のオゾン排出口13bには第4供給管24の一端が接続される。また空気分離器14の窒素富化ガス排出口14fはパージ管16によりドライヤ12のパージガス導入口12gに接続され、ドライヤ12のパージガス排出管12hにはドレン管17の一端が接続される。更に第1供給管21にはコンプレッサ11で圧縮された圧縮空気を貯留するエアタンク18が設けられ、パージ管16にはこのパージ管16を通過する窒素富化ガスの流量を調整する流量調整弁19が設けられる。上記エアタンク18は、酸素富化ガス及び窒素富化ガスの流量を急激に変化させても、空気分離器14に十分な量の圧縮空気を供給するとともに、圧縮空気の圧力変動を緩和するために設けられる。なお、図1及び図2の符号26は第4供給管24に設けられた逆止弁である。この逆止弁26は、オゾン発生器13から後述のオゾン噴射ノズル53にオゾンガスが流れるのを許容し、オゾン噴射ノズル53からオゾン発生器13にオゾンガスが流れるのを阻止するように構成される。また、図3中の符号27はオゾン発生器13に電力を供給するための高電圧電源装置であり、図2及び図3の符号28はオゾン発生装置10の各部材を収容する筐体である。更に、図2中の符号29,29はオゾン発生器13を冷却するファンである。
このように構成されたオゾン発生装置10は、この実施の形態では、車両の排ガス浄化装置の構成部品として用いられる。即ち、オゾン発生装置10は、車両のディーゼルエンジン31から排出された排ガス中のNOをNO2に酸化するオゾンを発生するために用いられる。この車両の排ガス浄化装置について説明する。図6に示すように、エンジン31の吸気ポートには吸気マニホルド32を介して吸気管33が接続され、排気ポートには排気マニホルド34を介して排気管36が接続される。吸気管33には、ターボ過給機37のコンプレッサハウジング37aと、ターボ過給機37により圧縮された吸気を冷却するインタクーラ38とがそれぞれ設けられ、排気管36にはターボ過給機37のタービンハウジング37bが設けられる。コンプレッサハウジング37aにはコンプレッサ回転翼(図示せず)が回転可能に収容され、タービンハウジング37bにはタービン回転翼(図示せず)が回転可能に収容される。コンプレッサ回転翼とタービン回転翼とはシャフト(図示せず)により連結され、エンジン31から排出される排ガスのエネルギによりタービン回転翼及びシャフトを介してコンプレッサ回転翼が回転し、このコンプレッサ回転翼の回転により吸気管内の吸入空気が圧縮されるように構成される。
排気管36の途中には選択還元型触媒39が設けられる。選択還元型触媒39は排気管36より大径のケース40に収容される。選択還元型触媒39はモノリス触媒であって、コージェライト製のハニカム担体に、ゼオライト又はジルコニアをコーティングして構成される。ゼオライトとしては、銅ゼオライト、鉄ゼオライト、亜鉛ゼオライト、コバルトゼオライト等が挙げられる。銅ゼオライトからなる選択還元型触媒39は、銅をイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。また鉄ゼオライト、亜鉛ゼオライト又はコバルトゼオライトからなる選択還元型触媒39は、鉄、亜鉛又はコバルトをイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にそれぞれコーティングして構成される。更にジルコニアからなる選択還元型触媒39は、ジルコニアを担持させたγ−アルミナ粉末又はθ−アルミナ粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。
一方、選択還元型触媒39より排ガス上流側の排気管36には、この排気管36に尿素系流体41を供給する流体供給手段42が設けられる。流体供給手段42は、選択還元型触媒39より排ガス上流側の排気管36に臨む流体噴射ノズル43と、流体噴射ノズル43に先端が接続された流体供給管44と、この流体供給管44の基端に接続され尿素系流体41が貯留された流体タンク46と、この流体タンク46内の尿素系流体41を流体噴射ノズル43に圧送するポンプ47と、流体噴射ノズル43から噴射される尿素系流体41の供給量(噴射量)を調整する流体供給量調整弁48とを有する。上記尿素系流体41は、選択還元型触媒39で還元剤として機能するアンモニアガス又は尿素水のいずれかである。また上記ポンプ47は流体噴射ノズル43と流体タンク46との間の流体供給管44に設けられ、流体供給量調整弁48は流体噴射ノズル43とポンプ47との間の流体供給管44に設けられる。更に流体供給量調整弁48は、流体供給管44に設けられ流体噴射ノズル43への尿素系流体41の供給圧力を調整する流体圧力調整弁49と、流体噴射ノズル43の基端に設けられ流体噴射ノズル43の基端を開閉する流体用開閉弁50とからなる。
流体圧力調整弁49は第1〜第3ポート49a〜49cを有する三方弁であり、第1ポート49aはポンプ47の吐出口に接続され、第2ポート49bは流体用開閉弁50に接続され、第3ポート49cは戻り管51を介して流体タンク46に接続される。流体圧力調整弁49を駆動すると、ポンプ47により圧送された尿素系流体41が第1ポート49aから流体圧力調整弁49に流入し、この流体圧力調整弁49で所定の圧力に調整された後、第2ポート49bから流体用開閉弁50に圧送される。また流体圧力調整弁49の駆動を停止すると、ポンプ47により圧送された尿素系流体41が第1ポート49aから流体圧力調整弁49に流入した後、第3ポート49cから戻り管51を通って流体タンク46に戻される。
一方、選択還元型触媒39より排ガス上流側の排気管36には、この排気管36に排ガス中のNOをNO2に酸化可能なオゾンを供給するオゾン供給手段52が設けられる。オゾン供給手段52は、選択還元型触媒39より排ガス上流側であって更に流体噴射ノズル43より排ガス上流側の排気管36に臨むオゾン噴射ノズル53と、先端がオゾン噴射ノズル53に接続され基端がオゾン発生装置10の第4供給管24の他端に接続されたオゾン供給管54とを有する。
オゾン噴射ノズル53より排ガス上流側の排気管36にはケース56が設けられ、このケース56には排ガス上流側から順に酸化触媒57とパティキュレートフィルタ58が収容される。酸化触媒57はモノリス触媒であって、コージェライト製のハニカム担体に白金ゼオライト、白金アルミナ、又は白金−パラジウムアルミナ等の貴金属系触媒をコーティングして構成される。具体的には、白金ゼオライトからなる酸化触媒57は、白金をイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。また白金アルミナからなる酸化触媒57は、白金を担持させたγ−アルミナ粉末又はθ−アルミナ粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。更に白金−パラジウムアルミナからなる酸化触媒57は、白金及びパラジウムを担持させたγ−アルミナ粉末又はθ−アルミナ粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。パティキュレートフィルタ58は、図示しないが、コージェライトのようなセラミックスからなる多孔質の隔壁で仕切られた多角形断面を有する。このフィルタ58はこれらの隔壁により多数の互いに平行に形成された貫通孔の相隣接する入口部と出口部を封止部材により交互に封止することにより構成される。このフィルタ58では、フィルタ58の入口部から導入されたエンジン31の排ガスが多孔質の隔壁を通過する際に、この排ガスに含まれるパティキュレートが捕集されて、出口部から排出されるようになっている。
一方、選択還元型触媒39より排ガス上流側のケース40には、選択還元型触媒39に流入する直前の排ガスの温度を検出する温度センサ59が設けられる。またエンジン31の回転速度は回転センサ61により検出され、エンジン31の負荷は負荷センサ62により検出される。温度センサ59、回転センサ61及び負荷センサ62の各検出出力はコントローラ63の制御入力に接続され、コントローラ63の制御出力は高電圧電源装置27、流量調整弁19、オゾン発生器13、ポンプ47、流体圧力調整弁49、及び流体用開閉弁50にそれぞれ接続される。コントローラ63にはメモリ64が設けられる。このメモリ64には、エンジン回転速度、エンジン負荷、選択還元型触媒39入口の排ガス温度に応じた、コンプレッサ11の作動の有無、流量調整弁19の開度、高電圧電源装置27により駆動されるオゾン発生器13の作動の有無、ポンプ47の作動の有無、流体圧力調整弁49の開度、流体用開閉弁50の単位時間当たりの開閉回数が予め記憶される。またメモリ64には、エンジン回転速度及びエンジン負荷の変化に基づく、エンジン31から排出される排ガス中のNO及びNO2の流量の変化がそれぞれマップとして記憶される。なお、エンジン31から排出される排ガス中のNO対NO2の流量比はエンジン31の種類によって異なるため、上記マップはエンジン31の種類毎に変更される。
このように構成されたオゾン発生装置10及び排ガス浄化装置の動作を説明する。エンジン31の始動直後やエンジン31の軽負荷運転時には、排ガス温度が180℃未満と低い。この温度範囲の排ガス温度を温度センサ59が検出し、回転センサ61及び負荷センサ62がエンジン31の無負荷運転又は軽負荷運転を検出すると、コントローラ63は温度センサ59、回転センサ61及び負荷センサ62の各検出出力に基づいて、コンプレッサ11を駆動し、流量調整弁19を所定の開度で開き、高電圧電源装置27によりオゾン発生器13を作動させるとともに、ポンプ47を駆動し、流体圧力調整弁49を所定の開度で開き、流体用開閉弁50を開閉させる。コンプレッサ11が駆動されると、空気が圧縮されてエアタンク18に貯留される。この圧縮空気はドライヤ12で水蒸気(水分)が除去されて乾燥し、この乾燥した圧縮空気は空気分離器14で酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスに分離される。空気分離器14で分離された酸素富化ガスはオゾン発生器13に供給され、酸素富化ガス中の酸素の一部がオゾン発生器13でオゾンに変換され、このオゾンガスは第4供給管24及びオゾン供給管54を通ってオゾン噴射ノズル53に供給される。一方、空気分離器14で分離された窒素富化ガスはパージ管16を通ってドライヤ12に供給され、ドライヤ12で分離された水蒸気(水分)とともにドレン管17から排出される。このように、オゾンを発生するために必要な酸素富化ガスを用いずに、オゾンを発生するために不要な窒素富化ガスを用いて、ドライヤ12が再生されるので、ドライヤ12を効率良く再生できる。またコンプレッサ11により圧縮された空気を、ドライヤ12を再生するために直接用いずに済むので、コンプレッサ11により圧縮された空気の消費量を抑制できる。この結果、コンプレッサ11の吐出容量を低減できるので、コンプレッサ11の小型化を図ることができる。
また、酸素富化ガスを増加させると、ドライヤ12で除去される圧縮空気中の水蒸気量(水分量)も増えるけれども、この場合、流量調整弁19の開度を大きくするため、空気分離器14で分離される窒素富化ガスも増加するので、この増加した窒素富化ガスによりドライヤ12内の増加した水蒸気(水分)を除去できる。この結果、酸素富化ガスが増減しても、この増減に伴って窒素富化ガスも増減するため、ドライヤ12を効率良く再生できる。またコンプレッサ11で圧縮された圧縮空気の圧力を調整するレギュレータを用いずに済むので、オゾン発生装置10を比較的少ない部品で構成できるとともに、圧縮空気の流路抵抗を低減できるので、コンプレッサ11を更に小型化できる。またコンプレッサ11で圧縮された圧縮空気中に炭化水素が存在し、この炭化水素が酸素富化膜14aに付着しても或いは付着しなくても、酸素富化膜14aにより酸素富化ガス及び窒素富化ガスを確実に分離できる。この結果、炭化水素が酸素富化膜14aに付着するか否かに拘らず、酸素富化膜14aによる酸素富化ガス及び窒素富化ガスの分離性能が低下することはない。
一方、オゾン噴射ノズル53に供給されたオゾンガスはオゾン噴射ノズル53から排気管36に噴射(供給)される。ここで、排気管36にオゾンガスを供給するのは、排ガス中のNOの一部を反応性の高いNO2にオゾンガスにより変換して、選択還元型触媒39に導入される排ガス中のNO対NO2の流量比を、選択還元型触媒39における尿素系流体41によるNO及びNO2のN2への還元反応が最も速く進む割合の1対1に近付けるためである。そこで、コントローラ63は、メモリ64に記憶されたマップに基づいて、エンジン31から排出された排ガス中のNO対NO2の流量比を求め、選択還元型触媒39に導入されるNO対NO2の流量比を1対1に近付けるように、上記オゾンガスの排気管36への供給流量を設定する。上記オゾンガスが排気管36に供給されると、次の式(1)に示すように、オゾン(O3)により排ガス中のNOの一部がNO2に速やかに変換される。
3+NO → O2+NO2 ……(1)
一方、ポンプ47が駆動され、流体圧力調整弁49が所定の開度で開かれ、流体用開閉弁50が開閉されると、尿素系流体41が流体供給管44を通って排気管36に間欠的に噴射(供給)される。ここで、排気管36に尿素系流体41を供給するのは、排ガス中のNOx(NO及びNO2)をN2に還元する還元剤として機能させるためである。エンジン31から排出された排ガス中に既に含まれているNO及びNO2と、この排ガス中のNOの一部がオゾンにより酸化されたNO2と、尿素系流体41とが選択還元型触媒39に導入されると、排ガス温度が180℃未満と低いときであっても、反応性の高いNO2が選択還元型触媒39で尿素系流体41と選択還元反応が進行してN2に還元される。この結果、排ガス温度が低いときであってもNOxを効率良く低減できる。なお、酸化触媒57は、排ガス温度が180℃未満と低いときには活性化せず、NOをNO2に酸化する機能を発揮しない。
選択還元型触媒39における具体的な化学反応は、尿素系流体41が尿素水である場合、次の式(2)及び式(3)で示され、尿素系流体41がアンモニアガスである場合、次の式(4)で示される。
(NH2)2CO+H2O → 2NH3+CO2 ……(2)
NO+NO2+2NH3 → 2N2+3H2O ……(3)
NO+NO2+2NH3 → 2N2+3H2O ……(4)
上記式(2)は、排ガス温度が180℃未満と比較的低いため、比較的少ない量であるけれども、尿素水(尿素系流体41)のアンモニアガスへの加水分解が進む化学反応式を示す。また、上記式(3)は、排ガス中のNO及びNO2が選択還元型触媒39で上記尿素水から加水分解したアンモニアガスと反応して、NO及びNO2がN2に還元される化学反応式を示す。更に、上記式(4)は排ガス中のNO及びNO2が選択還元型触媒39でアンモニアガス(尿素系流体41)と反応して、NO及びNO2がN2に還元される化学反応式を示す。ここで、尿素系流体41として尿素水を用いるよりアンモニアガスを用いた方がNO及びNO2のN2への還元反応が速やかに進むので、尿素系流体41としてアンモニアガスを用いた方が好ましい。
また、排ガス温度が180℃以上になると、コントローラ63は、温度センサ59の検出出力に基づいて、コンプレッサ11及びオゾン発生器13を停止させるとともに、流量調整弁19を閉じる。これは、排ガス温度が比較的高温になると、酸化触媒57が活性化して、NOをNO2に酸化する機能を発揮するためである。
なお、上記実施の形態では、オゾン発生装置を車両の排ガス中のNOをNO2に酸化するオゾンを発生するために用いたが、オゾン発生装置を、医療分野において病院施設内を殺菌し洗浄するオゾンを発生するため、食品加工分野において加工品や生鮮食品等を殺菌するオゾンを発生するため、畜産業分野において畜舎内の硫黄系臭気を分解するオゾンを発生するため、水産業分野において工場廃水や養殖場用循環水等を殺菌したり又は海水を浄化するオゾンを発生するため、農業分野において農作物に寄生する病害虫を殺菌するオゾンを発生するため、或いは先端技術分野において有機物を処理したり又は金属を処理するオゾンを発生するためなどに用いてもよい。また、上記実施の形態では、オゾン発生器として無声放電型のものを用いたが、オゾン発生器として沿面放電型のもの、空気に紫外線を放射してオゾンを発生する方式のもの、水を電気分解してオゾンを発生する方式のもの等を用いてもよい。また、上記実施の形態では、コンプレッサとドライヤとの間にエアタンクを設けたが、酸素富化ガス及び窒素富化ガスの流量が急激に変化しない場合には、エアタンクを設けなくてもよい。更に、上記実施の形態では、オゾン噴射ノズルを流体噴射ノズルより排ガス上流側の排気管に設けたが、オゾン噴射ノズルを流体噴射ノズルより排ガス下流側の排気管に設けてもよい。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図1〜図3に示すように、コンプレッサ11、エアタンク18、ドライヤ12、空気分離器14、オゾン発生器13、流量調整弁19、逆止弁26、高電圧電源装置27を備えたオゾン発生装置10を筐体28に収容した。コンプレッサ11は直流電圧24Vのバッテリで駆動した。またドライヤ12としては、宇部興産社製の『UBE メンブレンドライヤー』を用い、空気分離器14としては、宇部興産社製の『UBE N2セパレータ』を用いた。
一方、図6に示すように、排気量が8000ccである直列6気筒のターボ過給機37付ディーゼルエンジン31の排気管36に選択還元型触媒39を設けた。また選択還元型触媒39より排ガス上流側の排気管36に、尿素水を供給する流体噴射ノズル43を設けた。ここで、選択還元型触媒39は、銅をイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして作製した銅系の触媒であった。また流体噴射ノズル43より排ガス上流側の排気管36に、オゾンガスを供給するオゾン噴射ノズル53を設けた。ここで、流体噴射ノズル43から霧状に噴射した尿素水をアンモニア換算(尿素水の上記式(2)の反応に基づくアンモニアガスへの加水分解量)で200ppm供給するのに相当する量だけ噴射(供給)し、オゾン噴射ノズル53から噴射したオゾンガスの噴射量(供給量)を30ppmとした。更に流体噴射ノズル43及びオゾン噴射ノズル53より排ガス上流側の排気管36に、排ガス上流側から順に酸化触媒57及びパティキュレートフィルタ58を設けた。ここで、酸化触媒57は、白金をイオン交換したアルミナ粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして作製した白金系の触媒を用いた。この排ガス浄化装置を実施例1とした。
<実施例2>
オゾン噴射ノズルから噴射したオゾンの噴射量(供給量)を55ppmとしたこと以外は、実施例1と同一に排ガス浄化装置を構成した。この排ガス浄化装置を実施例2とした。
<実施例3>
流体噴射ノズルからアンモニアガスを噴射するように構成し、この流体噴射ノズルから噴射したアンモニアガスの噴射量(供給量)を200ppmとしたこと以外は、実施例1と同一に排ガス浄化装置を構成した。この排ガス浄化装置を実施例3とした。
<実施例4>
オゾン噴射ノズルから噴射したオゾンの噴射量(供給量)を55ppmとしたこと以外は、実施例3と同一に排ガス浄化装置を構成した。この排ガス浄化装置を実施例4とした。
<比較例1>
オゾン噴射ノズルからオゾンを噴射しなかったこと以外は、実施例1と同一に排ガス浄化装置を構成した。この排ガス浄化装置を比較例1とした。
<比較例2>
オゾン噴射ノズルからオゾンを噴射しなかったこと以外は、実施例3と同一に排ガス浄化装置を構成した。この排ガス浄化装置を比較例2とした。
<比較試験1及び評価>
エンジンの回転速度及び負荷を変化させて、実施例1〜4と比較例1及び2のエンジンの排気管から排出される排ガスの温度を150℃から200℃まで徐々に上昇させたときのNOx低減率をそれぞれ測定した。その結果を図7及び図8に示す。
図7から明らかなように、比較例1の排ガス浄化装置では、排ガス温度150℃及び170℃におけるNOx低減率がそれぞれ約36%及び約59%であったのに対し、実施例1の排ガス浄化装置では、排ガス温度150℃及び170℃におけるNOx低減率がそれぞれ約51%及び約66%と高くなり、実施例2の排ガス浄化装置では、排ガス温度150℃及び170℃におけるNOx低減率がそれぞれ約66%及び約73%と更に高くなった。即ち、オゾンを供給しなかった比較例1の排ガス浄化装置より、オゾンを30ppm供給した実施例1の排ガス浄化装置の方が、150〜170℃の排ガス温度範囲において、NOx低減率が向上し、またオゾンを30ppm供給した実施例1の排ガス浄化装置より、オゾンを55ppm供給した実施例2の排ガス浄化装置の方が、150〜170℃の排ガス温度範囲において、NOx低減率が向上した。これは、選択還元触媒に導入されるNO及びNO2の流量比が、比較例1より実施例1の方がN2への還元反応が速やかに進む1対1に近く、実施例1より実施例2の方がN2への還元反応が速やかに進む1対1に更に近いためであると考えられる。なお、比較例1、実施例1及び実施例2の排ガス浄化装置では、排ガス温度180℃以上におけるNOx低減率が殆ど同じになった。これは、排ガス温度180℃以上になると、酸化触媒が活性化して排ガス中のNOをNO2に酸化する機能を発揮したためであると考えられる。
図8から明らかなように、比較例2の排ガス浄化装置では、排ガス温度150℃及び170℃におけるNOx低減率がそれぞれ約49%及び約78%であったのに対し、実施例3の排ガス浄化装置では、排ガス温度150℃及び170℃におけるNOx低減率がそれぞれ約73%及び約89%と高くなり、実施例4の排ガス浄化装置では、排ガス温度150℃及び170℃におけるNOx低減率がそれぞれ約98%及び約99%と更に高くなった。即ち、オゾンを供給しなかった比較例2の排ガス浄化装置より、オゾンを30ppm供給した実施例3の排ガス浄化装置の方が、150〜170℃の排ガス温度範囲において、NOx低減率が向上し、またオゾンを30ppm噴射した実施例3の排ガス浄化装置より、オゾンを55ppm供給した実施例4の排ガス浄化装置の方が、150〜170℃の排ガス温度範囲において、NOx低減率が向上したことが分かった。これは、選択還元触媒に導入されるNO及びNO2の流量比が、比較例2より実施例3の方がN2への還元反応が速やかに進む1対1に近く、実施例3より実施例4の方がN2への還元反応が速やかに進む1対1に更に近いためであると考えられる。なお、比較例2、実施例3及び実施例4の排ガス浄化装置では、排ガス温度180℃以上におけるNOx低減率が殆ど同じになった。これは、排ガス温度180℃以上になると、酸化触媒が活性化して排ガス中のNOをNO2に酸化する機能を発揮したためであると考えられる。
図7及び図8から明らかなように、尿素水を選択還元型触媒に供給した実施例1、実施例2及び比較例1の排ガス浄化装置より、アンモニアガスを選択還元型触媒に供給した実施例3、実施例4及び比較例2の排ガス浄化装置の方が、150〜200℃の排ガス温度範囲において、NOx低減率がそれぞれ向上したことが分かった。これは、尿素水を選択還元型触媒に供給するより、アンモニアガスを選択還元型触媒に供給した方が、NO及びNO2のN2への還元反応が速やかに進むためであると考えられる。
10 オゾン発生装置
11 コンプレッサ
12 ドライヤ
13 オゾン発生器
14 空気分離器
14a 酸素富化膜
16 パージ管
18 エアタンク
19 流量調整弁

Claims (4)

  1. 空気を圧縮するコンプレッサ(11)と、このコンプレッサ(11)により圧縮された圧縮空気を乾燥させるドライヤ(12)と、このドライヤ(12)により乾燥された圧縮空気中の酸素の一部をオゾンに変換するオゾン発生器(13)とを備えたオゾン発生装置において、
    前記ドライヤ(12)と前記オゾン発生器(13)との間に設けられ前記ドライヤ(12)により乾燥された圧縮空気を酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスとに分離する空気分離器(14)を更に備え、
    前記空気分離器(14)で分離された酸素富化ガス中の酸素の一部を前記オゾン発生器(13)に導入して前記オゾン発生器(13)によりオゾンに変換し、
    前記空気分離器(14)で分離された窒素富化ガスにより前記ドライヤ(12)内の水分を除去して前記ドライヤ(12)を再生するように構成された
    ことを特徴とするオゾン発生装置。
  2. 前記空気分離器(14)が酸素富化膜(14a)により構成され、前記酸素富化ガスは前記ドライヤ(12)により乾燥された圧縮空気が前記酸素富化膜(14a)を通過することにより生成され、前記窒素富化ガスは前記ドライヤ(12)により乾燥された圧縮空気が前記酸素富化膜(14a)を通過せずに素通りすることにより生成される請求項1記載のオゾン発生装置。
  3. 前記空気分離器(14)で分離された窒素富化ガスがパージ管(16)を通って前記ドライヤ(12)に供給されるように構成され、前記パージ管(16)にこのパージ管(16)を通過する前記窒素富化ガスの流量を調整する流量調整弁(19)が設けられた請求項1又は2記載のオゾン発生装置。
  4. 前記コンプレッサ(11)と前記ドライヤ(12)との間に前記コンプレッサ(11)で圧縮された圧縮空気を貯留するエアタンク(18)が設けられた請求項1ないし3いずれか1項に記載のオゾン発生装置。
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