JP4349064B2 - シロキサン化合物含有ガスの精製方法とその装置、および消化ガス発電設備 - Google Patents

シロキサン化合物含有ガスの精製方法とその装置、および消化ガス発電設備 Download PDF

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Description

本発明は、下水汚泥消化ガス、有機シリコン等を扱う各種工場からの排ガス、空調排ガスといったシロキサン化合物を含有するガスの精製方法および精製装置に関し、また、精製されたガスを発電に用いる発電設備に関する。
近年、地球温暖化防止対策のひとつとしてCO2削減が推進されている。このため、例えば、下水処理場においては発電設備を設置して電力を自給・買電することにより、エネルギーの効率的な利用とCO2の排出削減を図るケースが増加しつつある。すなわち、下水処理施設では、集積した下水を濃縮処理して各種有機物を含有する汚泥を得て、これを微生物の作用により嫌気性消化する。この過程で得られたメタンを主とする可燃性ガス(消化ガス)を、ガスエンジン、ガスタービン等の発電設備に供給して電力を得ている。
下水道の普及率向上や生活形態の変化に伴い、シャンプーやリンス等の頭髪仕上げ剤、カーワックス等の撥水剤などの消費が近年増加し、これらに含まれるシロキサン化合物が下水中に多量に混入するようになってきた。
シロキサン化合物は、その多くは水に不溶のため汚泥に吸着した形態で下水中に存在するが、引き続いて行われる消化過程で消化ガス側に揮散する。すなわち、シロキサン化合物は、発電用の燃料ガスである消化ガス中にメタンとともに存在して、その後段のガスエンジンに流入していた。ガスエンジンに流入したシロキサン化合物は、エンジン内の燃焼室でシリカ(SiO2)となり、エンジン内のシリンダーヘッドやその他各部品上に析出し、付着する。その結果、エンジンを摩耗・劣化させるという不具合を生じていた。
さらに、ガスエンジン等の発電設備を経て排出されるエンジン排ガスは、例えば、窒素酸化物処理のために脱硝触媒塔に導入されて処理されるが、この排ガス中にはシリカが含まれているために、触媒の表面に粉体状のシリカが付着する。粉体状のシリカはこうして触媒の表面を覆い、その一部は内部まで浸透するため、触媒活性が劣化して所望の窒素酸化物除去が達成されないという不具合も生じていた。
また、下水中のみならず、有機溶剤や有機シリコンを扱う印刷工場などの各種工場における排ガスや空調排ガスなどにも、シロキサン化合物は含まれている。この場合には、例えば、燃焼による除去方法または溶媒吸収方法などを用いてシロキサン化合物の除去を図っていた。
しかしながら、このような排ガス中に含まれるシロキサン化合物は低濃度であるために、完全燃焼することが困難であり、燃焼による手段では十分に除去することができないという不具合がある。また、溶媒吸収法では、シロキサン化合物を吸収させるための溶媒が別途必要とされ、しかも吸収済みの溶媒処理が煩雑でコストが甚大であるという問題も生じていた。
本発明者らは、これらのシロキサン化合物に由来する問題点を解決するためのひとつの手段として、所定の炭素質吸着剤を用いてシロキサン化合物を除去する方法を先の特許文献1、特許文献2、特許文献3において提案している。
特開2002−60767号公報 特開2002−58996号公報 特開2002−58997号公報
しかしながら、その後に本発明者らが追加研究した結果、特許文献1〜特許文献3で提案した除去方法にはまだ改良の余地が残されていることが判明した。すなわち、特許文献1〜特許文献3の除去方法は、上記課題をある程度は解決することができるが、その精製能は十分とは言えず、より効率の良い精製方法が望まれている。さらに、上記の消化ガス精製方法では吸着剤の寿命が比較的短いという問題もある。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、シロキサン化合物含有ガス中のシロキサン化合物を効率よく除去して精製ガスを得ることが可能であり、吸着剤の高寿命化を達成できるシロキサン化合物含有ガスの精製方法とその装置、およびこの精製装置を利用した発電設備を提供することを目的とする。
本発明のシロキサン化合物含有ガスの精製方法は、シロキサン化合物含有ガスを、表面にほとんど官能基が存在せず、表面が疎水性である水蒸気賦活吸着剤と接触させ、引き続き、表面に各種官能基を有する薬品賦活吸着剤に接触させ、前記シロキサン化合物含有ガスからシロキサン化合物を除去することを特徴とする。
また、前記シロキサン化合物含有ガスは、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサンのうちの少なくとも一方を含有する下水汚泥消化ガスであることが好ましい。
本発明のシロキサン化合物含有ガスの精製装置は、表面にほとんど官能基が存在せず、表面が疎水性である水蒸気賦活吸着剤が充填された第一の充填層と、前記第一の充填層よりも下流側に設けられ、表面に各種官能基を有する薬品賦活吸着剤が充填された第二の充填層とを具備することを特徴とする。
また、前記第一の充填層が下部に設けられ、前記第二の充填層が上部に設けられ、前記第一の充填層に下方からシロキサン化合物含有ガスを導入するガス導入口を有し、かつ前記第二の充填層を通過した前記シロキサン化合物含有ガスを上方に排出するガス排出口を有する縦型直列処理槽を具備することが好ましい。
本発明の消化ガス発電設備は、前記シロキサン化合物含有ガスとして下水汚泥消化ガスを用いる際に、該下水汚泥消化ガスから前記シロキサン化合物を除去する前記精製装置を有する精製ユニットと、前記精製ユニットにより精製された下水汚泥消化ガスを発電燃料として用いるエンジンまたはガスタービンを有する発電ユニットと、前記精製ユニットおよび前記発電ユニットのうちの少なくとも一方を車上引き渡し可能にパッケージする筐体とを具備することを特徴とする。
本明細書中において、シロキサン化合物とは、シロキサン結合(Si−O−Si)を基本骨格とした鎖状または環状構造の各種化合物を指す。鎖状化合物としては、例えば、メトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン等が挙げられ、環状化合物としては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3体)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4体)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5体)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6体)等が挙げられる。ここに列挙した化合物は、化合物中の官能基がメチル基で構成されているが、メチル基に類する炭化水素基で置換された化合物、水素の代わりにフッ素、塩素等で置換された化合物、および前述した化合物よりも分子量の大きい多重合化合物をも含む。
本発明では、上記したようなシロキサン化合物を含有するガス(シロキサン化合物含有ガス)を水蒸気による賦活を経て製造された水蒸気賦活吸着剤(第1の多孔質吸着剤)と接触させて精製し、次に薬品による賦活を経て製造された薬品賦活吸着剤(第2の多孔質吸着剤)と接触させてさらに精製する。このため結果として、シロキサン化合物含有ガスからシロキサン化合物およびその他の共存する不純物を高い水準で除去できるとともに、吸着剤の高寿命化を達成できる。
前者の工程では、主に物理吸着により各種のシロキサン化合物およびシロキサン化合物以外のH2SやNH3といった共存物を概ね吸着除去することができる。ここで用いる水蒸気賦活吸着剤は薬品賦活吸着剤とは異なり、表面にほとんど官能基が存在せず、表面が疎水性(親油性)である。このため、一般的に非水溶性であるシロキサン化合物のほとんどをこの水蒸気賦活吸着剤により吸着除去することができる。
しかしながら、シロキサン化合物の中には水溶性であるものや、メチル基でない水溶性官能基を保有するものが存在する。これらのシロキサン化合物は前述の水蒸気賦活吸着剤では必ずしも除去できなかった。また、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4体)やデカメチルシクロペンタシロキサン(D5体)、あるいはこれらの化合物よりも高分子のシロキサン化合物は非水溶性ではあるが、吸着剤に物理吸着された後、時間の経過とともに何らかの原因で、例えば、低分子化や、化合物中のメチル基が他の水溶性官能基に変化するなどといった性状の変化が生ずる。このため、一度吸着剤に吸着された上記したようなシロキサン化合物の一部が吸着剤から脱離、揮散する現象が見られ、結果として水蒸気賦活吸着剤ではシロキサン化合物を十分に除去できないことがあった。
そこで後者の工程では、引き続き、薬品賦活吸着剤に接触させる。薬品賦活吸着剤は吸着表面に酸性または塩基性からなる各種官能基を有する。この各種官能基は、上述した水蒸気賦活吸着剤により吸着できなかったシロキサン化合物および一度吸着された後脱離、揮散したシロキサン化合物と好適に物理結合または化学結合する。
より詳しく述べれば、薬品賦活吸着剤の表面(吸着サイト)には官能基として、炭素Cと酸素Oとの結合からなる酸性酸化物(C・・Oで示す)や、炭素Cと窒素等の化合物Rとの結合からなる塩基性化合物(C・・Rで示す)が生ずる。
これらのC・・OおよびC・・Rは、シロキサン化合物含有ガス中に含まれる被吸着物の一部であるH2SやNH3等と接触することにより、その性状は互いに可変であるものと考えられる。すなわち、C・・O⇔C・・Rの関係が吸着表面にて発生しているものと考えられる。C・・Oの例示として、−COOH(カルボキシル基)、−C65−OH(フェノール基)、−OCO(ラクトン基)、その他キノン型カルボニル基などが挙げられる。C・・Rの例示として、−C−NH2(アミノ基)、−C−NHNH2(ヒドラジン基)、その他、ジアゾ基、イミノ基、アジノ基などが挙げられる。
薬品賦活吸着剤は、これらの基の存在により水蒸気賦活吸着剤で除去できなかった多様な性質を有するシロキサン化合物を化学親和力により吸着除去することができる。
このように本発明においては水蒸気賦活吸着剤によって除去できなかったシロキサン化合物を薬品賦活吸着剤により吸着除去し、シロキサン化合物含有ガス中に含まれるシロキサン化合物を確実に除去する。
従来法のように単一種の吸着剤で被処理ガスの精製を行うと、吸着剤が本来の吸着破過点または平衡に達していないにもかかわらず、上述したように水溶性シロキサン化合物や高分子シロキサン化合物を十分に吸着せず、また、既吸着物が時間の経過とともに吸着剤から揮散、脱離する。この結果、吸着破過点または平衡に達していない吸着剤を新品に交換することが必要となり、吸着剤が本来有している寿命が短縮されるという問題を生ずる。
しかし、本発明のような被処理ガスを水蒸気賦活吸着剤、薬品賦活吸着剤の両者にこの順に接触させる方法を用いれば、2種の吸着剤の各特性を有効に活かすことができ、吸着剤の所定の吸着性能を十分に発揮させることが可能となる。これにより、吸着剤を長期間使用することができ、実質的に吸着剤の寿命を延ばすことが可能となる。
また、このような方法を用いてシロキサン化合物含有ガスとして下水汚泥消化ガスを精製することができ、精製された下水汚泥消化ガスをガスエンジンまたはガスタービンの発電用の燃料として使用することもできる。この場合、精製された下水汚泥消化ガスはシロキサン化合物を実質的に含有しないため、ガスエンジンまたはガスタービンにおいて、シロキサン化合物由来のシリカ(SiO2)の付着が原因であるエンジンの摩耗を回避することができる。
また、ガスエンジンまたはガスタービンから排ガスを処理するための脱硝触媒塔において、同シリカによる触媒の劣化、被毒をも確実に回避することができる。
さらに、前述したように水蒸気賦活吸着剤と薬品賦活吸着剤とを併用することによってこれらの吸着剤の作用をより長期に渡って得ることができるため、ガスエンジンまたはガスタービン、および脱硝触媒の保守点検・交換頻度を少なくすることが可能となる。
ここで、水蒸気賦活吸着剤の原料としては、石炭系、やしがら系、木炭系、ピッチ系原料およびその他の各種原料を用いることができる。中でも吸着剤の表面に官能基が生成されないことが多いため、石炭系原料を用いることが相対的に望ましい。
水蒸気による賦活処理には公知の方法を用いることができ、例えば、原料を予め600℃程度の不活性雰囲気下で炭化した後、800〜1000℃の温度範囲で水蒸気を流通しながら、必要に応じてCO2や空気を混入させて賦活処理を行う。
薬品賦活吸着剤の原料としては、石炭系、やしがら系、木炭系、ピッチ系原料およびその他の各種原料を用いることができる。中でも、吸着剤の表面に官能基が生成されやすいため、木炭系(木質系)原料を用いることが相対的に望ましい。
薬品による賦活処理には公知の方法を用いることができ、例えば、原料粉末に薬品を染み込ませ、これを乾燥した後、500〜800℃の温度範囲で焼成と賦活処理を同時に行う。薬品には、塩化亜鉛、リン酸やその他脱水性無機薬品を用いることができる。中でも、シロキサン化合物の除去に適した吸着剤が得られるため、リン酸を用いることが好ましい。
本発明で用いる水蒸気賦活吸着剤および薬品賦活吸着剤は、炭素系の吸着剤であることが好ましい。しかしながら薬品賦活吸着剤の場合、吸着表面に前述した各種の官能基を多く有する吸着剤であればよい。
また、賦活程度にもよるが、本発明に用いる吸着剤はN2ガスを用いたBET法による比表面積が500m2/g以上であることが好ましく、またN2ガス吸着法による細孔分布で細孔径が1〜2nmまたは1〜3nmの範囲の細孔容積が0.1cc/g以上であることが好ましい。
以上詳述したように本発明によれば、シロキサン化合物含有ガス中のシロキサン化合物を効率よく除去して精製ガスを得ることが可能であり、吸着剤の高寿命化を達成できるシロキサン化合物含有ガスの精製方法とその装置、およびこの精製装置を利用した発電設備を提供することができる。
以下、本発明を図1〜図4を参照してより詳細に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。但し、これらの図面では詳細機器および計装機器等の周辺機器の記載を省略している。
まず、本発明の第一実施形態を図1に基づいて説明する。図1は、本発明のシロキサン化合物含有ガスの精製方法および精製装置を説明するためのブロック図である。図示しない各種プロセスから発生するシロキサン化合物含有ガスをシロキサン化合物含有ガス精製装置3に導入する。ここで、シロキサン化合物含有ガスを発生させる各種プロセスとは、例えば、消化槽での下水汚泥消化ガスの製造プロセス、有機溶剤・有機シリコンを扱う印刷工場等での各種プロセス、各種工場での有機溶剤・有機シリコンを扱う過程で生じる雰囲気ガスおよび空調ガスの発生プロセス等を挙げることができる。ガス精製装置3は、上流側に第一充填塔1を、下流側に第二充填塔2を備えている。ガス精製装置3において被処理ガス(シロキサン化合物含有ガス)はまず水蒸気賦活吸着剤が充填された第一充填塔1に導入される。ここで、水蒸気賦活吸着剤により被処理ガス中のシロキサン化合物および微量共存物質が吸着され、被処理ガスから除去される。この第1段階の吸着は主に物理吸着によるものである。
第一充填塔1を通過した後に、被処理ガスは、引き続き薬品賦活吸着剤が充填された第二充填塔2に導入される。ここで、薬品賦活吸着剤により、第一充填塔1で除去されなかった一部のシロキサン化合物やその他の微量共存物質が確実に吸着除去される。この第2段階の吸着は物理吸着と化学吸着とによるものである。第二充填塔2を通過して清浄なガスとなった被処理ガスは、後続のプロセスに導入されるか、または大気放散される。
図1では説明を簡略化するために周辺機器を省略して第一充填塔1と第二充填塔2のみを示したが、本発明はこれだけに限定されるものではなく、例えば、被処理ガスが水分を含む場合には除湿処理装置を設置し、煤塵を含む場合にはフィルタ処理装置を設置し、高濃度のH2Sを含む場合には脱硫処理装置をさらに増設することが可能である。第一充填塔1に導入する前に、被処理ガスをこれらの装置により別途必要に応じて前処理しておくことが有効である。
また、図1では第一充填塔1と第二充填塔2とを別個の装置として示したが、単独の装置としてもよい。この実施形態については後に図3を参照して説明する。
次に、本発明の第二実施形態を図2に基づいて説明する。図2は、下水汚泥消化ガスの精製方法および精製装置を説明するためのブロック図である。図2に示す装置ではシロキサン化合物含有ガスとして下水汚泥消化ガスを精製する。
下水汚泥消化ガスは、図示しない卵形消化槽等における下水汚泥の嫌気性消化過程で発生する。このようにして得られる消化ガスはメタンを主成分とし、各種のシロキサン化合物およびH2S、NH3、水分等を含むため、まず、脱硫装置11に導入して湿式脱硫の処理を行う。ここで、消化ガス中の大部分のH2Sは除去される。脱硫された消化ガスは消化ガス貯槽12に貯留する。なお、一般的に卵型消化槽、脱硫装置11、消化ガス貯槽12は大型装置であることが多いため、通常は屋外に設置される。
次に、消化ガス貯槽12から消化ガスを消化ガス精製装置4に導入する。一般的に、消化ガス精製装置4は屋内または所定敷地内に設置される。消化ガス精製装置4は、上流側から順に除湿器13、ガスブースタ14、シロキサン化合物含有ガス精製装置3を備えている。消化ガス精製装置4において、消化ガスは、先ず除湿器13に導入され、所定範囲の水分量にまで徐湿される。除湿器13は、ドレンセパレータ、ミストセパレータ、減湿冷却器、チラー等である。除湿器13では、例えば一時冷却して凝縮水を除去し、相対湿度を下げ、さらに慣性力等により水滴が除去されて除湿される。
除湿器13を経た消化ガスはガスブースタ14に導入され、ガスエンジンヘの導入に適した圧力まで昇圧される。その後、消化ガスはシロキサン化合物含有ガス精製装置3に導入される。このガス精製装置3には図1と同様のものを用いることができ、シロキサン化合物含有ガスとしての消化ガスは図1に基づいて説明したように処理される。
シロキサン化合物含有ガス精製装置3を通過した消化ガスは、シロキサン化合物を実質的に含まない精製ガスとなる。この精製ガスは発電燃料として用いることができ、例えば図示しないガスエンジンに導入し、消化ガス中のメタンを燃焼させることができる。精製された消化ガス(精製ガス)はシロキサン化合物を含有しないため、燃焼してもシロキサン化合物由来のシリカ(SiO2)が発生することはない。このため、シリカの析出・付着によるガスエンジンの磨耗・劣化が起きず、安定した発電が可能となる。
図2では、消化ガス精製装置4における構成を除湿器13、ガスブースタ14、ガス精製装置3の順にしたが、必ずしも例示の順序である必要はなく、例えば、ガスブースタ14はガス精製装置3の後部に接続してもよい。また、ガスブースタ14の後に、消化ガスを適した温度に昇温調整するガスヒータを設置してもよい。また、消化ガス精製装置4についても、その他機器としてガスフィルタや乾式脱硫装置を具備してもよく、各種の配置を選択し、各種付属装置を追設することが可能である。いずれにしても精製装置4は、被処理ガスが第一充填塔1と第二充填塔2とをこの順に通過するように構成すればよい。
次に、本発明の第三実施形態を図3に基づいて説明する。図3は、上下直列に階層された2層の充填層を有する縦型消化ガス精製装置(縦型直列処理槽)20の断面模式図である。縦型消化ガス精製装置20は、最下段に第一充填層21が設けられ、その上段には仕切板25を介して第二充填層22が設けられる。さらに、第二充填層22の上段には、吸着剤飛沫粉体除去用のガスフィルタ26が設置される。縦型消化ガス精製装置20の本体の下部には消化ガス導入ダクト(ガス導入口)23が設けられ、上部には消化ガス排出ダクト(ガス排出口)24が設けられる。これらのダクト23,24を介して縦型消化ガス精製装置20内は外部と連通している。
前述したように消化槽等において生成されたシロキサン化合物を含有する消化ガスを、消化ガス導入ダクト23から縦型消化ガス精製装置20内に導入する。縦型消化ガス精製装置20において消化ガスは、まず最下段の水蒸気賦活吸着剤を充填した第一充填層21に導入され、続いて、薬品賦活吸着剤を充填した第二充填層22に導入される。第一充填層21および第二充填層22ではそれぞれ、図1の第一充填塔1および第二充填塔2における処理と同様に、消化ガス中に含まれるシロキサン化合物やその他の共存物質が吸着除去される。
第一充填層21および第二充填層22を経て精製された消化ガスは、ガスフィルタ26を経て、ガス中に飛散粉体として存在する吸着剤等が除去された後、消化ガス排出ダクト24から排出される。精製された消化ガスは前述したように発電燃料として使用することができる。この場合は、消化ガスを排出ダクト24から後続のプロセスであるガスエンジン等に導入する。
このように2つの充填層21,22を上下直列に階層すると、2つの吸着工程を単一の装置によって実施できるので設備が簡略化する。縦型消化ガス精製装置20には、第一充填層21、第二充填層22、ガスフィルタ26だけでなく、さらに縦型消化ガス精製装置20内あるいは縦型消化ガス精製装置20本体の前後に、消化ガス中の水分を除去する除湿器、消化ガス中のH2S等を除去する乾式脱硫装置、消化ガスをガスエンジン導入に適した圧力に昇圧するガスブースタ等を適宜配置してもよい。
また、充填層21,22は取付・交換作業が容易になるように、それぞれを着脱可能なカートリッジ型としてもよい。さらに、図3では第一充填層21と第二充填層22とを仕切板25により分割した縦型消化ガス精製装置20を示したが、仕切板25を設置せずに、単一の充填層に水蒸気賦活吸着剤を充填し、この上に直接薬品賦活吸着剤を充填する消化ガス精製装置を用いてもよい。また、縦型消化ガス精製装置20内の下部にはごく少量のドレンが発生することがあるのでドレン排出口を設置してもよい。
図1〜図3にそれぞれ示した装置において、被処理ガスは水蒸気賦活吸着剤と薬品賦活吸着剤とにこの順で接触されれば、シロキサン化合物の除去効果が得られる。このため、シロキサン化合物含有ガス精製装置3、消化ガス精製装置4,20は、例えば、被処理ガスが第1段の水蒸気賦活吸着剤、第2段の薬品賦活吸着剤、第3段の水蒸気賦活吸着剤を順次通過するように3段構成としてもよいし、または4段以上の構成としてもよい。また、水蒸気賦活吸着剤と薬品賦活吸着剤を混合した充填塔または充填層を設けてもよく、この場合は、例えば、第1段目を水蒸気賦活吸着剤充填塔(充填層)とし、第2段目を水蒸気賦活吸着剤と薬品賦活吸着剤の混合充填塔(充填層)とすることができる。これらのような充填塔または充填層を用いても、図1〜図3の装置と同等の効果を得ることができる。
また、図1〜図3の水蒸気賦活吸着剤および薬品賦活吸着剤の充填塔または充填層では、定期的に充填物を交換する固定層を例示したが、実質連続的に吸着剤を入れ替える移動層方式や、吸着剤を気体で流動させる流動層方式も採用できる。さらに、吸着剤を充填しない方式として、以下のような方式も用いることができる。すなわち、バグフィルタ等の集塵手段を直列二段に設置し、それぞれの集塵手段に対して粉体状の吸着剤を噴霧するためのノズルを設置する。このような装置において、前段の集塵手段側に設けられたノズルより水蒸気賦活吸着剤を噴霧し、後段の集塵手段側に設けられたノズルより薬品賦活吸着剤を噴霧する。ここに、各集塵装置は、下方から上方に向かって被処理ガスを通流させ、被処理ガスからシロキサン化合物を吸着除去する。いずれにしても、まず被処理ガスを水蒸気賦活吸着剤に接触させ、引き続き薬品賦活吸着剤に接触させる構成であれば本発明の効果が得られるため、各種の方式を採用することができる。
被処理ガスを水蒸気賦活吸着剤(充填塔1または充填層21)および薬品賦活吸着剤(充填塔2または充填層22)と接触させる際の空塔速度(ろ過速度)は、充填する吸着剤の粒が飛散せずに吸着効率を確保できる範囲として、0.5m/秒以下とすることが好ましく、さらに0.3m/秒以下とすることがより好ましい。
本発明の水蒸気賦活吸着剤および薬品賦活吸着剤の再生処理は必要に応じて実施され、公知の減圧脱着法、加温脱着法、水蒸気流通法、およびこれら組み合わせを用いて行うことができる。再生処理しない場合は、焼却・溶融処理等を行って破棄することができる。吸着剤の交換または再生頻度は、被処理ガスの処理前のシロキサン化合物濃度を検知して、この結果に基づいて決定してもよいし、被処理ガスの処理前および処理後のシロキサン化合物濃度を検知して、この結果から吸着剤の吸着能を算出し、この算出結果に基づいて決定してもよい。また、被処理ガスの処理後のシロキサン化合物濃度が規定値を超えたら吸着剤を交換または再生するようにしてもよい。
本発明の水蒸気賦活吸着剤および薬品賦活吸着剤の充填量の合計量は、処理前の被処理ガス中に含まれるシロキサン化合物の濃度の代表値、シロキサン化合物の平衡吸着量(例えば0.3g/g)、吸着剤の交換時期(交換インターバル)等に基づいて設定すればよい。水蒸気賦活吸着剤と薬品賦活吸着剤の充填割合は特に限定するものではない。例えば、被処理ガスが下水汚泥消化ガスである場合は非水溶性のシロキサン化合物が多く含まれるので、主に物理吸着によりシロキサン化合物を吸着する水蒸気賦活吸着剤を多めに設定することが好ましく、例えば、水蒸気賦活吸着剤に対する薬品賦活吸着剤の割合を2:1として充填塔または充填層に充填することが好ましい。また、吸着剤の交換に際して、前段の水蒸気賦活吸着剤のみを新鮮な剤と交換し、後段の薬品賦活吸着剤は前段の交換頻度の半分(2回に一度)とすることもできる。但し、これら数値に限定されるものではない。
以上、図1〜図3に基づいて説明した本発明の精製方法および精製装置によれば、被処理ガスを水蒸気賦活吸着剤と接触させることにより、被処理ガス中に含まれるシロキサン化合物およびH2SやNH3といった共存物を物理吸着により除去することができる。さらに、引き続き被処理ガスを薬品賦活吸着剤と接触させることにより、水蒸気賦活吸着剤によって除去することができなかったシロキサン化合物およびその他の共存物を化学吸着または物理吸着により除去することができる。すなわち、図1〜図3の装置によれば、被処理ガスを水蒸気賦活吸着剤と接触させて精製し、次に、薬品賦活吸着剤と接触させてさらに精製するので、結果としてシロキサン化合物を高い水準で除去できるとともに、吸着剤の高寿命化を達成できる。
また、被処理ガスとして下水汚泥消化ガスを用いてこれを精製し、この精製ガスを後続するガスエンジンまたはガスタービンにおいて発電用に用いる場合、シロキサン化合物由来のシリカ(SiO2)が付着してエンジンを摩耗することがなくなる。さらに、ガスエンジンまたはガスタービンからの排ガスを処理する脱硝触媒塔においてもシリカによる触媒の劣化、被毒を確実に回避することが可能となる。これにより、ガスエンジンおよび触媒の保守点検・交換頻度をごく少なくすることが可能となる。
次に、本発明の第4実施形態を図4に基づいて説明する。図4の(a)は消化ガス精製ユニットと発電ユニットとがパッケージ化された発電設備を示す内部透視平面図であり、図4の(b)は同発電設備を示す内部透視正面図である。ただし、これらの図において、その表現上、機器が重なり合って見にくくなる場合は、機器の表記を省略している場合がある。また、各機器を連結する配管やその他詳細機器、付属機器、計装機器も表記の簡便上省略している場合がある。
図4に示す消化ガス発電設備100は消化ガス精製ユニット103と発電ユニット122とを具備し、両ユニット103,122がともに車上引き渡し可能にパッケージ化されている。消化ガス発電設備100の右側に配置された消化ガス精製ユニット103は、ガスフィルタ104、減湿冷却器(除湿器)105、消化ガス精製装置106、およびガスブースタ107を具備する。
発電ユニット122は、ガスエンジン101、発電機102を主要な構成要素とし、付属機器として、排ガス熱交換器108、排ガス消音器111、吸気ダクト113、排気ダクト114、換気ファン115、制御盤116(計装盤116a、補助計装盤116b、発電機盤116c)、潤滑油サービスタンク117、および潤滑油循環タンク118を具備する。
図4の(a)に示すように、消化ガス精製ユニット103においては、入口ガスフィルタ104aが配管により図示しないガス供給装置としての消化槽等に連通し、消化ガスが導入されるようになっている。入口ガスフィルタ104aは配管を介して減湿冷却器105に連通し、減湿冷却器105は配管を介して消化ガス精製装置106a,106bに連通している。ここで、第1の消化ガス精製装置106aおよび第2の消化ガス精製装置106bの導入口と排出口とは、配管を介して連通している。第1の消化ガス精製装置106aと第2の消化ガス精製装置106bとを結ぶ配管と、減湿冷却器105から伸びる配管とは連通し、この配管接続部には図示しない三方切換弁が備えられている。消化ガス精製装置106a,106bは配管を介して出口ガスフィルタ104bに連通している。ここで、第1の消化ガス精製装置106aと第2の消化ガス精製装置106bとを結ぶ配管と、出口ガスフィルタ104bへと伸びる配管とは連通し、この配管接続部には図示しない三方切換弁が備えられている。出口フィルタ104bは配管を介してガスブースタ107に連通し、ガスブースタ107は配管を介して発電ユニット122のガスエンジン101に連通している。
なお、ガスブースタ107は減湿冷却器105と消化ガス精製装置106a(106b)との間に接続してもよいし、その他、減湿冷却器105、消化ガス精製装置106a,106b、ガスブースタ107の間でバイパスを設けてもよい。また、消化ガス精製ユニット103にはこれらの装置の他に、必要に応じてミストセパレータ、ガスヒータ、乾式脱硫装置などを併設してもよい。
消化ガス精製装置106a,106bには、図3に示した縦型2層の消化ガス精製装置20をそれぞれ用いる。図4では並列2塔の消化ガス精製装置106a,106bを例示したが、1塔または並列3塔の構成としてもよい。並列2塔の構成とすると、一方の消化ガス精製装置106a(106b)内に充填されている吸着剤を交換または再生する際に、三方切換弁により消化ガスの通流を他方の消化ガス精製装置106b(106a)へと切り換えることができるため好適である。また、消化ガス精製装置106a,106bには、消化ガス精製装置20の代わりに図1に示したようなシロキサン化合物含有ガス精製装置3を用いてもよいし、さらにガス精製装置3を多系列に配置したものを用いてもよい。消化ガス精製装置106にどのような装置を用い、何塔の構成とするかは、被処理ガスに含まれるシロキサン化合物およびその他の共存物質の濃度や処理速度などに応じて決定すればよい。
次に、発電ユニット122においては、ガスブースタ107と連通しているガスエンジン101は発電機102に接続されている。ガスエンジン101には図4の(b)に示すように排ガス昇温器111が接続され、ガスエンジン101はこの排ガス昇温器111を介して排ガス熱交換器108に連通している。排ガス熱交換器108は配管を介して発電ユニット122の外部に連通している。
さらに、発電ユニット122にはガスエンジン101および発電機102の可動面間の摩擦を減ずるために用いる潤滑油のサービスタンク117およびこれに潤滑油を供給する潤滑油循環タンク118が設けられ、また、ガスエンジン101と発電機102の運転を制御するための制御盤116も設けられる。制御盤116は、運転時のガスエンジン101の温度、圧力、回転数等を計測・制御する計装盤116aおよび補助計装盤116bと、発電機102の温度、圧力、回転数等を計測・制御する発電機盤116cとを有する。
発電ユニット122には、例えば、温水用または放熱用の各種熱交換器や、三元触媒等の脱硝装置等を必要に応じて組み込んでもよい。
図4の(b)に示すように、消化ガス精製ユニット103と発電ユニット122とは、ともに台板121に搭載される。ここで、発電ユニット122のガスエンジン101と発電機102には防振装置119aが設置され、台板121にこの防振装置119aを介して設置される。台板121に搭載された各種機器はこの台板121と防音用のエンクロージャ120とにより全体が覆われる。さらに、エンクロージャ120の下部にも防振装置119bが設置される。このように消化ガス発電設備100は装置全体が車上引き渡し可能なパッケージ型とされている。
なお、エンクロージャ121の上部にはエンクロージャ121内の換気のための吸気ダクト113および排気ダクト114がそれぞれ取付けられている。また、吸気ダクト113の吸気口には換気ファン115が取付けられている。
このようなパッケージ型消化ガス発電設備100は、例えば発電規模を300kW(60Hz)とする場合には横幅6500mm、奥行き2500mm、高さ3200mmにまでコンパクトにすることができ、積載容量30トンクラスの低床トレーラに容易に積載することが可能となる。すなわち、パッケージ型とすることにより、車上引き渡しが容易となり、発電設備の運搬作業の簡素化および施行の効率化が可能となり、これに伴い環境配慮型である本消化ガス発電設備の普及促進が可能となる。
このような発電設備100を使用する際は、まず、図示しない消化槽等から消化ガスを入口ガスフィルタ104aに導入し、ここで消化ガスをろ過して集塵する。入口ガスフィルタ104aを経た消化ガスは減湿冷却器105に送り、消化ガス中に含まれる水分を所望範囲まで除去する。続いて消化ガスを、三方切換弁を制御することにより消化ガス精製装置106a,106bのいずれか一方または両方に導入し、消化ガスに含まれるシロキサン化合物およびその他の共存物を水蒸気賦活吸着剤および薬品賦活吸着剤により吸着除去する。吸着除去の機構は、図1〜図3を用いて説明した通りである。
消化ガス精製装置106a(106b)を経て精製された消化ガスを、次に出口ガスフィルタ104bに導入して精製消化ガス中の飛散吸着剤等を集塵する。出口ガスフィルタ104bを経た精製消化ガスはガスブースタ107に導入し、ガスエンジン101への導入に適した圧力範囲まで昇圧する。この後、精製消化ガスをガスエンジン101に導入する。
ガスエンジン101から精製消化ガスは発電機102に送られ、通例の工程を経て精製消化ガスを燃料とした発電が行われる。発電後発生する精製消化ガスの排ガスは排ガス昇温器111に送られ、所定の温度範囲まで昇温して排ガス熱交換器108に送られる。熱交換器108において排ガスは熱交換され、その後、発電ユニット122の外部に排出される。なお、発電ユニット122での運転は制御盤116により制御され、適宜潤滑油サービスタンク117により潤滑油が供給される。
図4で例示した各種機器は、公知の機器を用いることができ、これらの機器を公知の配列により接続することができる。また、図4ではガスエンジン101を例示したが、この代わりにマイクロガスタービンを用いてもよい。また、ガスエンジン101の代わりに、燃料電池を採用してもよく、ガスエンジン101と燃料電池を併設してもよい。併設する場合は、精製消化ガスを用いた発電で起こる負荷変動に対応することができ、例えば、余剰消化ガスが生じた際にこれを用いて燃料電池を稼働させるといった制御も可能となる。ここで、燃料電池には、例えば、ジルコニア酸化物を用いた固体酸化物型燃料電池(SOFC)、イオン交換膜を用いた固体高分子型燃料電池(PEFC)等の固体燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、およびリン酸型燃料電池(PAFC)が採用できる。
図4に示す発電設備100においては、消化ガス精製ユニット103と発電ユニット122の両者を単一にパッケージ化したが、図4中、点線で示す部分で分割し、それぞれをパッケージ化して搬送先で接続させてもよい。これらの分割化、一体化は発電規模や付属機器の多寡により適宜採択される。
このように、水蒸気賦活を経て製造された炭素系吸着剤を充填した充填層と、薬品賦活を経て製造された炭素系吸着剤を充填した充填層とを具備する消化ガス精製装置106a,106bを主構成要素とする消化ガス精製ユニット103をパッケージ型とするか、これに後続する付属機器を含めたガスエンジン101またはガスタービンを主構成要素とする発電ユニット122をパッケージ型とするか、またはこれら両者をパッケージ型とすることにより、車上引き渡しが容易となる。これにより、設備の運搬作業の簡素化および施行の効率化が可能となり、これに伴い環境配慮型である本消化ガス発電設備の普及促進が可能となる利点を得ることができる。
以上詳述したように、図1〜図4に基づいて説明した方法および装置を用いれば、シロキサン化合物含有ガスからシロキサン化合物を高い水準で除去できるとともに、吸着剤の高寿命化を達成できる。すなわち、被処理ガスを水蒸気賦活吸着剤、薬品賦活吸着剤の両者にこの順に接触させる方法を用いれば、2種の吸着剤の各特性を有効に活かすことができ、吸着剤の所定の吸着性能を十分に発揮させることが可能となる。これにより、高効率にシロキサン化合物を除去することができるだけでなく、吸着剤を長期間使用することができ、実質的に吸着剤の寿命を延ばすことが可能となる。
また、このような方法および装置を用いて下水汚泥消化ガスを精製し、この精製消化ガスを発電燃料として発電を行うこともできる。この場合、後続するガスエンジンまたはガスタービンにおいて、シロキサン化合物由来のシリカ(SiO2)の付着が原因であるエンジンの摩耗を回避することができるだけでなく、さらに後続する脱硝触媒塔において、ガスエンジンまたはガスタービンからの排ガスを処理する際にも、同シリカによる触媒劣化、被毒を回避することができる。これに伴いガスエンジンまたはガスタービン、および脱硝触媒の保守点検・交換頻度を少なくすることが可能となる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
シロキサン化合物含有ガスの精製方法および精製装置を説明するためのブロック図。 下水汚泥消化ガスの精製方法および精製装置を説明するためのブロック図。 縦型直列2層の充填層を具備する消化ガス精製装置の断面模式図。 (a)は消化ガス精製ユニットと発電ユニットとがパッケージ化された発電設備を示す内部透視平面図、(b)は同発電設備を示す内部透視正面図。
符号の説明
1…第一充填塔(水蒸気賦活吸着剤用充填塔)、
2…第二充填塔(薬品賦活吸着剤用充填塔)、
3…シロキサン化合物含有ガス精製装置、
4,106a,106b…消化ガス精製装置、
11…湿式脱硫装置、12…消化ガス貯槽、13…除湿器、14…ガスブースタ、
20…縦型消化ガス精製装置(縦型直列処理槽)、
21…第一充填層(水蒸気賦活吸着剤用充填層)、
22…第二充填層(薬品賦活吸着剤用充填層)、
23…消化ガス導入ダクト(ガス導入口)、
24…消化ガス排出ダクト(ガス排出口)、
25…仕切板、26…ガスフィルタ、
100…消化ガス発電設備、101…ガスエンジン、102…発電機、
103…消化ガス精製ユニット、
104a…入口ガスフィルタ、104b…出口ガスフィルタ、
105…減湿冷却器(除湿器)、107…ガスブースタ、108…排ガス熱交換器、
111…排ガス消音器、113…吸気ダクト、114…排気ダクト、
115…換気ファン、116…制御盤、
116a…計装盤、116b…補助計装盤、116c…発電機盤、
117…潤滑油サービスタンク、118…潤滑油循環タンク、
119a,119b…防振装置、120…エンクロージャ、121…台板、
122…発電ユニット。

Claims (5)

  1. シロキサン化合物含有ガスを、表面にほとんど官能基が存在せず、表面が疎水性である水蒸気賦活吸着剤と接触させ、引き続き、表面に各種官能基を有する薬品賦活吸着剤に接触させ、前記シロキサン化合物含有ガスからシロキサン化合物を除去することを特徴とするシロキサン化合物含有ガスの精製方法。
  2. 前記シロキサン化合物含有ガスは、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサンのうちの少なくとも一方を含有する下水汚泥消化ガスであることを特徴とする請求項1に記載の精製方法。
  3. 表面にほとんど官能基が存在せず、表面が疎水性である水蒸気賦活吸着剤が充填された第一の充填層と、前記第一の充填層よりも下流側に設けられ、表面に各種官能基を有する薬品賦活吸着剤が充填された第二の充填層とを具備することを特徴とするシロキサン化合物含有ガスの精製装置。
  4. 前記第一の充填層が下部に設けられ、前記第二の充填層が上部に設けられ、前記第一の充填層に下方からシロキサン化合物含有ガスを導入するガス導入口を有し、かつ前記第二の充填層を通過した前記シロキサン化合物含有ガスを上方に排出するガス排出口を有する縦型直列処理槽を具備することを特徴とする請求項3に記載の精製装置。
  5. 前記シロキサン化合物含有ガスとして下水汚泥消化ガスを用いる際に、該下水汚泥消化ガスから前記シロキサン化合物を除去する前記請求項3または4のいずれか一方に記載の精製装置を有する精製ユニットと、
    前記精製ユニットにより精製された下水汚泥消化ガスを発電燃料として用いるエンジンまたはガスタービンを有する発電ユニットと、
    前記精製ユニットおよび前記発電ユニットのうちの少なくとも一方を車上引き渡し可能にパッケージする筐体と、
    を具備することを特徴とする消化ガス発電設備。
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