JP2021169097A - 有機溶剤ガス濃縮装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産設備などの排ガス中の揮発性有機化合物を高い濃縮率で濃縮除去できる有機溶剤ガス濃縮装置を提供する。【解決手段】本発明の有機溶剤ガス濃縮装置は、有機溶剤ガスの吸着能力を有する吸着ロータを備え、吸着ロータを少なくとも処理ゾーン、パージゾーン、再生ゾーンに分割し、被処理ガスを処理ゾーンに通し、処理ゾーンを通過したガスを供給先へ送り、或いは大気放出し、被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーンへ通過させた後加熱手段へ通し、加熱手段を通過したガスを再生ゾーンに通し、再生ゾーンを通過したガスの一部を処理ゾーンの前に戻して被処理ガスと混合し、再生ゾーンを通過した残りの一部をVOC浄化装置へ送るようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、有機溶剤ガス濃縮装置に関するもので、生産設備などの排ガス中の揮発性有機化合物(以下、VOCと書く)の濃縮率を高くすることができる装置に関するものである。
従来、半導体や塗装工場、印刷工場などにおいて、各生産設備からの排ガス中のトルエンやキシレンなどのVOCは大気汚染の大きな原因となっており、排出を抑制することが重要な課題になっている。そこで、VOCを除去して空気を浄化させ、排出ガスを濃縮し、触媒や燃焼装置を用いて処理する方法が有効であると考えられている。
VOCの除去濃縮手段として、例えば疎水性ゼオライトなどのVOC吸着剤の担持されたハニカムロータを用いた有機溶剤ガス濃縮装置は省エネルギー効果が高く、多種多様なVOCの除去濃縮に適しているため急速に普及している。
このような有機溶剤ガス濃縮装置は、より濃縮率を高くし、ランニングコストを安くするものの開発が求められている。例えば、特許文献1に開示された有機溶剤ガス処理装置は、吸着ロータを吸着ゾーン、パージゾーン、再生ゾーンに分割し、被処理ガスを吸着ゾーンとパージゾーンとに通し、吸着ゾーンを通過したガスを大気放出するとともにパージゾーンを通過したガスをヒータへ通し、ヒータを通過したガスを再生ゾーンに通し、再生ゾーンを通過したガスの一部を酸化処理装置へ通すとともに再生ゾーンを通過したガスの残りをヒータの入口へ戻すようにしてあるので、これによって高い濃縮率を得ることができるようにしてある。
また、生産設備からの排ガス中のVOCは濃縮することによって無害化処理が容易になるのであるが、疎水性ゼオライトなどの吸着剤の特性で、被処理ガスの相対湿度が非常に高い場合は水分の吸着が大きくなり、VOCの吸着性能を阻害し、VOCの除去効率が非常に低下するという問題もある。
そこで、特許文献2に開示された有機ガス濃縮装置は、被処理ガス中のVOCを吸着ロータで吸着濃縮するととともに、湿気交換ロータを用いて除湿空気と被処理ガスとの間で湿気交換して吸着ロータの吸着ゾーンに入る前の被処理ガスの相対湿度を下げるようにしてあるので、被処理ガスの相対湿度が高くても、VOCの吸着作用の低下が小さく、吸着ロータの吸着能力を高く維持することができる。
特開2006−187698号公報 特許第4562893号
再生ゾーンを通過する風速は、性能低下を防ぎ、安全に装置を運転するために、概ね1.0m/s以上が望ましく、通常下限がある。即ち、再生ガス風量の最小値が決まっており、濃縮率には上限が生じる。
特許文献1に開示された有機溶剤ガス処理装置は、再生出口空気の一部を再生入口へ戻すことにより、再生ガス風速を1.0m/s以上を確保しつつ濃縮率を高めることができるが、再生循環することにより水分が蓄積し、再生循環ガス中の湿度が高くなり、VOCの濃縮処理能力が低下してしまう。
また、被処理ガスの相対湿度が高い場合には、特許文献2に記載の有機ガス濃縮装置のように、吸着ゾーンに導入する被処理ガスの相対湿度を下げるようにすると良いが、湿気交換ロータが必要となるため、装置が大きくなり、コストが高くなるという問題がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、再生に必要なガス風量を確保しながら安全かつ効果的にVOCを高濃縮することができ、特許文献1に開示された有機溶剤ガス処理装置と同等の高い濃縮率を維持しながら吸着ロータの吸着能力を高く維持することができる有機溶剤ガス濃縮装置を提供しようとするものである。また、被処理ガスの相対湿度が高い場合には、特許文献2に開示された有機ガス濃縮装置よりも簡易な構成で処理ゾーンに導入する被処理ガスの相対湿度を下げることのできる有機溶剤ガス濃縮装置を提供しようとするものである。
本発明は以上のような課題を解決するため、有機溶剤ガスの吸着能力を有する吸着ロータを少なくとも処理ゾーン、パージゾーン、再生ゾーンに分割し、生産工程などから排出した被処理ガスを処理ゾーンに通し、処理ゾーンを通過したガスを供給先へ送り、或いは大気放出し、被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーンへ通過させた後加熱手段へ通し、加熱手段を通過したガスを再生ゾーンに通し、再生ゾーンを通過したガスの一部を処理ゾーンの前に戻して被処理ガスと混合し、再生ゾーンを通過した残りの一部をVOC浄化装置やVOC回収装置などへ送るようにした。
また、本発明は、有機溶剤ガスの吸着能力を有する吸着ロータを少なくとも処理ゾーン、パージゾーン、第1の再生ゾーン、第2の再生ゾーンに分割し、生産工程などから排出した被処理ガスを処理ゾーンに通し、処理ゾーンを通過したガスを供給先へ送り、或いは大気放出し、被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーンへ通過させた後加熱手段へ通し、加熱手段を通過したガスの一部を第1の再生ゾーンに通し、第1の再生ゾーンを通過したガスをVOC浄化装置やVOC回収装置などへ送るようにし、加熱手段を通過したガスの残り一部を第2の再生ゾーンに通し、第2の再生ゾーンを通過したガスを加熱手段の前に戻してパージゾーンを通過したガスと混合するようにした。
さらに、本発明は、有機溶剤ガスの吸着能力を有する吸着ロータを少なくとも処理ゾーン、パージゾーン、再生ゾーンに分割し、生産工程などから排出した被処理ガスを処理ゾーンに通し、処理ゾーンを通過したガスを供給先へ送り、或いは大気放出し、被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーンへ通過させ、パージゾーンを通過したガスを処理ゾーンの前に戻して被処理ガスと混合するようにし、被処理ガスの残りの一部及び/又は外気を加熱手段へ通し、加熱手段を通過したガスを再生ゾーンに通し、再生ゾーンを通過したガスをVOC浄化装置やVOC回収装置などへ送るようにした。
本発明の有機溶剤ガス濃縮装置は、上記の如く構成したので、再生に必要なガス風量を確保しながら安全かつ効果的にVOCを高濃縮することができ、特許文献1に開示された有機溶剤ガス処理装置と同等の高い濃縮率を維持しながら吸着ロータの吸着能力を高く維持することができる。また、被処理ガスの相対湿度が高い場合には、特許文献2に開示された有機ガス濃縮装置よりも簡易な構成で処理ゾーンに導入する被処理ガスの相対湿度を下げることができる。
一般的に最も温度の低い被処理ガス及び/又は外気によって再生ゾーンを出た後の吸着ロータをパージしているため、吸着ロータの冷却効果が高く、吸着ロータは高い吸着性能を発揮することができる。そして再生ゾーンを出たガスのうち、後の燃焼装置などのVOC浄化装置へ送る割合を調整することができる場合は、被処理ガス中のVOCの濃縮率を自由に設定することができる。
VOC処理ガス濃度が低い場合でも、安全性の観点や偏流などにより、濃縮率の上限に限界がある。再生ゾーンを通過する風速が遅すぎると、偏流が生じて脱着できない部分が生じ、VOC吸着性能の低下や高温がかかることにより発火などの危険性につながるので、再生ゾーンを通過する風速は概ね1.0m/s以上が望ましい。本発明では、再生風量を調整することで、再生ゾーンを通過する再生風速を1.0m/s以上確保することができ、性能低下を防ぐとともに、安全に装置を運転することができる。
さらに、パージゾーン出口或いは再生ゾーン出口の温度が上昇したガスの一部を処理ゾーン入口へ戻すことで、処理ゾーン入口の相対湿度を下げることができVOC吸着効率向上が期待できる。また、パージ出口ガス或いは再生出口ガス中のVOCは、被処理ガスと混合することで、処理ガス中のVOC濃度が高まり、これが処理ゾーンを通過する際に、再び吸着ロータに除去されることになるので、濃縮率の向上を図ることができる。
以上のように、高い濃縮率で濃縮後のVOC濃度を高くすることができるため、VOC浄化装置を小さくすることができ、装置のイニシャルコストを低減できる。さらに燃焼装置を使う場合、VOC濃度を高くすることが可能となるため、燃焼用補助燃料ガスの使用量も削減できる。
図1は本発明の有機溶剤ガス濃縮装置の実施例1におけるフロー図である。 図2は本発明の有機溶剤ガス濃縮装置の実施例2におけるフロー図である。 図3は本発明の有機溶剤ガス濃縮装置の実施例3におけるフロー図である。
本発明の有機溶剤ガス濃縮装置は、有機溶剤ガスの吸着能力を有する吸着ロータを少なくとも処理ゾーン、パージゾーン、再生ゾーンに分割し、生産工程などから排出した被処理ガスを処理ゾーンに通し、処理ゾーンを通過したガスを供給先へ送り、或いは大気放出し、被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーンへ通過させた後加熱手段へ通し、加熱手段を通過したガスを再生ゾーンに通し、再生ゾーンを通過したガスの一部を処理ゾーンの前に戻して被処理ガスと混合し、再生ゾーンを通過した残りの一部をVOC浄化装置やVOC回収装置などへ送るようにした。
また、本発明の有機溶剤ガス濃縮装置は、有機溶剤ガスの吸着能力を有する吸着ロータを少なくとも処理ゾーン、パージゾーン、第1の再生ゾーン、第2の再生ゾーンに分割し、生産工程などから排出した被処理ガスを処理ゾーンに通し、処理ゾーンを通過したガスを供給先へ送り、或いは大気放出し、被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーンへ通過させた後加熱手段へ通し、加熱手段を通過したガスの一部を第1の再生ゾーンに通し、第1の再生ゾーンを通過したガスをVOC浄化装置やVOC回収装置などへ送るようにし、加熱手段を通過したガスの残り一部を第2の再生ゾーンに通し、第2の再生ゾーンを通過したガスを加熱手段の前に戻してパージゾーンを通過したガスと混合するようにした。
さらに、本発明の有機溶剤ガス濃縮装置は、有機溶剤ガスの吸着能力を有する吸着ロータを少なくとも処理ゾーン、パージゾーン、再生ゾーンに分割し、生産工程などから排出した被処理ガスを処理ゾーンに通し、処理ゾーンを通過したガスを供給先へ送り、或いは大気放出し、被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーンへ通過させ、パージゾーンを通過したガスを処理ゾーンの前に戻して被処理ガスと混合するようにし、被処理ガスの残りの一部及び/又は外気を加熱手段へ通し、加熱手段を通過したガスを再生ゾーンに通し、再生ゾーンを通過したガスをVOC浄化装置やVOC回収装置などへ送るようにした。
以下、有機溶剤ガス濃縮装置の実施例1について図1のフロー図に沿って説明する。吸着ロータ1には、セラミック基材やガラス基材などのハニカムロータにゼオライトや活性炭などのVOC吸着剤を担持したものが用いられる。この吸着ロータ1は処理ゾーン2、パージゾーン3、再生ゾーン4に分割されており、ギヤドモータ(図示せず)などによって回転駆動される。
図1に示すように生産設備などからのVOCを含む排気(被処理ガス)は、吸着ロータ1の処理ゾーン2に送られ、処理ゾーン2でVOCを吸着する。処理ゾーン2を通ったガスは、浄化空気として大気に放出される。この浄化空気は、大気放出に限定されるものでは無く、供給先としての生産設備に戻してもよい。
被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーン3に通過させた後加熱手段5へ通し、加熱手段5を通過したガスを再生ゾーン4に通す。再生ゾーン4を通過したガスの一部を処理ゾーン2の前に戻して被処理ガスと混合し、再生ゾーン4を通過した残りの一部をVOC燃焼装置、VOC酸化分解装置、VOC回収装置などのVOC浄化装置(図示せず)へ送る。
本発明の実施例1は以上のような構成よりなり、以下詳細を説明する。半導体や塗装工場のような生産設備から排出されるVOCを含んだガス(被処理ガス)は、処理ゾーン2へ送られ、被処理ガス中のVOCがVOC吸着剤によって吸着除去される。処理ゾーン2を通過したガスは、装置外へ大気放出されるか生産設備などの供給先に送られる。被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーン3に通過させることにより、再生ゾーン4で温度が上昇した吸着ロータ1のVOC吸着剤を冷却し、VOC吸着剤の吸着性能を回復させる。パージゾーン3を通過したガスは、加熱手段5に送られて吸着ロータ1のVOC吸着剤からVOCを脱着させるのに十分な温度まで加熱され、再生ゾーン4に送られる。再生ゾーン4を通過したガスの一部は、処理ゾーン2の前に戻して被処理ガスと混合し、再生ゾーン4を通過した残りの一部をVOC燃焼装置、VOC酸化分解装置、VOC回収装置などのVOC浄化装置や燃料として使うためにボイラなどの燃焼設備へ送られる。
このように、本実施例1の有機溶剤ガス濃縮装置では、濃縮された再生出口ガスの一部を処理入口側へ戻すことにより、吸着ロータ1の処理入口のVOC濃度を上げて、濃縮率の向上を図ることができる。
特許文献2の図2に記載のような、被処理ガスの一部をパージゾーンに通し、パージゾーンを通過したガスを加熱手段により加熱して再生ゾーンに通し、再生ゾーンを通過したガスをVOC浄化装置へ送るようにした従来のフローでは、被処理ガス中のVOC濃度が100mg/Nmの場合、処理出口のVOC濃度は2.2mg/Nm、再生出口のVOC濃度は2450mg/Nmとなり、除去効率は97.8%、濃縮率(再生出口ガス中のVOC濃度÷処理入口ガス中のVOC濃度)はおよそ25倍である。一方、本実施例1のフローでは、再生出口ガス風量の50%を処理ゾーン2の前(処理入口側)に戻して被処理ガスと混合した場合、処理出口のVOC濃度は3.9mg/Nm、再生出口のVOC濃度3850mg/Nmとなり、除去効率は96.1%と従来のフローに比べて若干劣るものの、被処理ガス中のVOC濃度に対し濃縮率は実質およそ39倍と大幅に濃縮率が向上する。このように、従来のフローでは達成できなかった高濃度まで濃縮することが可能となり、除去効率の低下も最小限に留めることができる。
特許文献1に記載の再生循環フローでは、同様の条件で、再生出口ガス風量の50%を加熱手段の前(再生入口側)に戻して被処理ガスと混合した場合、被処理ガス中のVOC濃度が100mg/Nmの場合、処理出口のVOC濃度は2.5mg/Nm、再生出口のVOC濃度は3903mg/Nmとなり、除去効率は97.5%、濃縮率はおよそ39倍である。このように、本実施例1のフローは、除去効率の低下を最小限に抑えながらも特許文献1と同等の高い濃縮率を発揮できる。
特許文献1に記載の再生循環フローでは、再生出口側から再生入口側へ循環させるために吸着ロータ1の反対側へ長いダクトをつなぐ必要があるが、本実施例1のフローでは、吸着ロータ1にとって同じ側である再生出口側から処理入口側へつなぐダクトは短くてよいので、コスト低減につながる。
本実施例1の有機溶剤ガス濃縮装置の被処理ガスのVOC濃度が変動する場合には、再生出口ガスを混合させることで、その変動幅が小さくなることにより、有機溶剤ガス濃縮装置から排出される処理出口ガスのVOC濃度の変動幅を小さくすることができる。また、被処理ガスの相対湿度が高い場合には、再生出口ガスを処理入口側へ導入することにより、被処理ガスの温度を上げ相対湿度を下げることができるので、VOC除去性能の低下を抑えることができる。
ここで、装置製造上、再生ゾーンの角度は30°程度が限界である。再生ゾーンを通過する風速が遅すぎると偏流が生じて脱着できない部分が生じるため、再生風速が低い(再生風量が少ない)場合、VOC吸着性能の低下につながる。このように、被処理ガス中のVOC濃度が低い場合でも、安全性の観点や偏流などにより、濃縮率の上限に限界がある。また、再生ゾーンではVOCが存在する状態で高温がかかると発火などの危険性があるので、再生ゾーンを通過する風速は概ね1.0m/s以上が望ましい。
本実施例1のフローでは、再生出口ガスの一部を処理入口側に戻すことで、高濃度のVOCを含むガスと被処理ガスが混合され、処理ガス中のVOC濃度が高まった状態で吸着ロータ1の処理ゾーン2に導かれる。このため、再生ゾーン4を通過する再生風速は1.0m/sを上回った状態で安全に運転することができる。 なお、再生出口ガスを処理入口側へ戻す風量は、再生出口ガス風量の0〜80%と任意に設定することができる。また、吸着ロータ1の再生風量が足りない場合は、被処理ガスの一部に加えて、外気を用いてもよい。
以下、有機溶剤ガス濃縮装置の実施例2について図2のフロー図に沿って説明する。実施例1と重複する部分の説明は省略する。実施例2では、吸着ロータ1は処理ゾーン2、パージゾーン3、第1の再生ゾーン6、第2の再生ゾーン7に分割されている。
図2に示すように生産設備などからのVOCを含む排気(被処理ガス)は、吸着ロータ1の処理ゾーン2に送られ、処理ゾーン2でVOCを吸着する。処理ゾーン2を通ったガスは、浄化空気として大気に放出される。この浄化空気は、大気放出に限定されるものでは無く、供給先としての生産設備に戻してもよい。
被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーン3に通過させた後加熱手段5へ通し、加熱手段5を通過したガスの一部を分岐して第1の再生ゾーン6に通し、第1の再生ゾーン6を通過したガスをVOC燃焼装置、VOC酸化分解装置、VOC回収装置などのVOC浄化装置(図示せず)へ送るようにし、加熱手段5を通過したガスの残り一部を第2の再生ゾーン7に通す。第2の再生ゾーン7を通過したガスを加熱手段5の前に戻してパージゾーン3を通過したガスと混合する。
本発明の実施例2は以上のような構成よりなり、以下詳細を説明する。半導体や塗装工場のような生産設備から排出されるVOCを含んだガス(被処理ガス)は、処理ゾーン2へ送られ、被処理ガス中のVOCがVOC吸着剤によって吸着除去される。処理ゾーン2を通過したガスは、装置外へ大気放出されるか生産設備などの供給先に送られる。被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーン3に通過させることにより、第1の再生ゾーン6及び第2の再生ゾーン7で温度が上昇した吸着ロータ1のVOC吸着剤を冷却し、VOC吸着剤の吸着性能を回復させる。パージゾーン3を通過したガスは、加熱手段5に送られて吸着ロータ1のVOC吸着剤からVOCを脱着させるのに十分な温度まで加熱される。加熱手段5を通過したガスは分岐され、一部は第1の再生ゾーン6に送られる。第1の再生ゾーン6を通過したガスは、VOC燃焼装置、VOC酸化分解装置、VOC回収装置などのVOC浄化装置や燃料として使うためにボイラなどの燃焼設備へ送られる。加熱手段5を通過したガスの残りの一部は、第2の再生ゾーン7に送られる。第2の再生ゾーン7を通過したガスは、加熱手段5の前に戻してパージゾーン3を通過したガスと混合する。
本実施例2のフローでは、処理入口のVOC濃度が100mg/Nmで加熱装置5を通過したガスを50%ずつ第1の再生ゾーン6及び第2の再生ゾーン7に分岐する場合、処理出口のVOC濃度は2.5mg/Nm、第1の再生ゾーン6を出た再生出口のVOC濃度は3903mg/Nmとなり、除去効率97.5%、濃縮率はおよそ39倍となる。よって、本実施例2のフローは、前述の特許文献1に記載の再生循環フローと同等の除去効率及び高い濃縮率を有する。
このように、本実施例2のフローは再生ゾーンを、第1の再生ゾーン6、第2の再生ゾーン7と2つに分割し、第2の再生ゾーン7の出口ガスを再生入口側へ戻すことで、再生ガスVOC濃度を高濃度化する。第1の再生ゾーン6出口温度は第2の再生ゾーン7出口温度よりも低く、第1の再生ゾーン6出口濃度は第2の再生ゾーン7出口濃度よりも高い。このことより、第2の再生ゾーン7の出口ガスを再生入口側へ戻して循環させるようにすると、特許文献1に記載の再生循環フローよりも加熱装置5の負荷を低減することができ、再生出口のVOC濃度を高濃縮化することができる。
また、吸着ロータ1の再生風量が足りない場合は、被処理ガスの一部に加えて、外気を用いてもよい。第1の再生ゾーン6、第2の再生ゾーン7を通過する再生風量の割合は調整することができる。これにより、再生風速は1.0m/s以上確保することができ、安全に高濃縮化することができる。
以下、有機溶剤ガス濃縮装置の実施例3について図3のフロー図に沿って説明する。
実施例1及び実施例2と重複する部分の説明は省略する。実施例3では、吸着ロータ1は処理ゾーン2、パージゾーン3、再生ゾーン4に分割されている。
図3に示すように生産設備などからのVOCを含む排気(被処理ガス)は、吸着ロータ1の処理ゾーン2に送られ、処理ゾーン2でVOCを吸着する。処理ゾーン2を通ったガスは、浄化空気として大気に放出される。この浄化空気は、大気放出に限定されるものでは無く、供給先としての生産設備に戻してもよい。
被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーン3に通過させ、パージゾーン3を通過したガスを処理ゾーン2の前に戻して被処理ガスと混合する。被処理ガスの残りの一部及び/又は外気を加熱手段5へ通した後再生ゾーン4に通し、再生ゾーン4を通過したガスをVOC燃焼装置、VOC酸化分解装置、VOC回収装置などのVOC浄化装置(図示せず)へ送る。
本発明の実施例3は以上のような構成よりなり、以下詳細を説明する。半導体や塗装工場のような生産設備から排出されるVOCを含んだガス(被処理ガス)は、処理ゾーン2へ送られ、被処理ガス中のVOCがVOC吸着剤によって吸着除去される。処理ゾーン2を通過したガスは、装置外へ大気放出されるか生産設備などの供給先に送られる。被処理ガスの一部及び/又は外気をパージゾーン3に通過させることにより、再生ゾーン4で温度が上昇した吸着ロータ1のVOC吸着剤を冷却し、VOC吸着剤の吸着性能を回復させる。パージゾーン3を通過したガスは、処理ゾーン2の前に戻して被処理ガスと混合する。被処理ガスの残りの一部及び/又は外気は加熱手段5に送られ、吸着ロータ1のVOC吸着剤からVOCを脱着させるのに十分な温度まで加熱される。加熱手段5を通過したガスは、再生ゾーン4に送られる。再生ゾーン4を通過したガスは、VOC燃焼装置、VOC酸化分解装置、VOC回収装置などのVOC浄化装置や燃料として使うためにボイラなどの燃焼設備へ送られる。
なお、被処理ガスの残りの一部及び/又は外気を加熱手段5へ通す前に、パージゾーン3を通過したガスの一部と混合するようにしてもよい。また、パージ風量が足りない場合は、被処理ガスの一部に加えて、外気を用いてもよい。
前述のように、吸着ロータ1の吸着剤である疎水性ゼオライトなどは、被処理ガスの相対湿度が非常に高い場合、水分の吸着が大きくなりVOCの吸着性能を阻害し、VOCの除去効率が急激に低下してしまう。そこで、本実施例3のフローでは、パージゾーン3を通過したガスの一部は高温かつ低湿度であるので、これを処理入口側へ戻して循環させることで、処理ゾーンに導入するガスの相対湿度を下げることができ、VOC除去性能の低下を抑えることができる。
また、パージ出口ガス中のVOCは、被処理ガスと混合して処理ゾーン2を通過する際に、再び吸着ロータ1に除去されることになり、被処理ガスのVOC濃度が変動する場合には、パージ出口ガスを混合させることで、その変動幅が小さくなることにより、有機溶剤ガス濃縮装置から排出される処理出口ガスのVOC濃度の変動幅を小さくすることができる。さらに、再生ガスとして、被処理ガスの一部を用いることで、吸着ロータ1を通過するガス風量を調整可能であり、外気を導入しない場合は、外気条件に依存せず安定したコントロールが可能になる。
特許文献2の図2に記載のような、被処理ガスの一部をパージゾーンに通し、パージゾーンを通過したガスを加熱手段により加熱して再生ゾーンに通し、再生ゾーンを通過したガスをVOC浄化装置へ送るようにした従来のフローでは、被処理ガス中のVOC濃度が500mg/Nmで相対湿度が100%RHの場合、処理出口のVOC濃度は75mg/Nm、再生出口のVOC濃度は8575mg/Nmとなり、除去効率は85%、濃縮率はおよそ17.2倍である。一方、本実施例3のフローでは、パージゾーン3を出たガスを処理ゾーン2の前(処理入口側)に戻して被処理ガスと混合した場合、処理ゾーン2に入る処理入口ガスの相対湿度は75%RHと低下して、処理出口のVOC濃度は16.6mg/Nm、再生出口のVOC濃度9685mg/Nmとなり、除去効率は96.7%、被処理ガス中のVOC濃度に対し濃縮率は実質19.4倍の濃縮率となって除去効率、濃縮率ともに向上する。
特許文献2に記載の有機ガス濃縮装置では、まず被処理ガス中の湿気が湿気交換ハニカムロータに吸着され除湿された後、ガス吸着ハニカムロータに送られ、被処理ガス中のVOCは95〜98%程度が吸着ロータに吸着される。即ち除去効率は95〜98%である。一方、本実施例3の有機溶剤ガス濃縮装置は、湿気交換ロータが不要となり、しかも特許文献2に記載の有機ガス濃縮装置と同等のVOC除去効率を有する。
実施例1〜実施例3において、加熱手段5は電気ヒータやガスヒータの他に、熱交換器や高温の燃焼排ガスを処理中のガスと混合するミキシングチャンバとしてもよい。
本発明は、排ガス中に多種多様なVOCを含む自動車、航空機、船舶などの塗装工場からの排気、半導体の洗浄工程からの排気、リチウムイオン二次電池に用いられる電極板製造工程からの排気、磁気記録媒体の製造工程からの排気などにも利用可能な有機溶剤ガス濃縮装置を提供する。
1 吸着ロータ
2 処理ゾーン
3 パージゾーン
4 再生ゾーン
5 加熱手段
6 第1の再生ゾーン
7 第2の再生ゾーン

Claims (4)

  1. 有機溶剤ガスの吸着能力を有する吸着ロータを備え、前記吸着ロータを少なくとも処理ゾーン、パージゾーン、再生ゾーンに分割し、被処理ガスを前記処理ゾーンに通し、前記処理ゾーンを通過したガスを供給先へ送り、或いは大気放出し、前記被処理ガスの一部及び/又は外気を前記パージゾーンへ通過させた後加熱手段へ通し、前記加熱手段を通過したガスを前記再生ゾーンに通し、前記再生ゾーンを通過したガスの一部を前記処理ゾーンの前に戻して前記被処理ガスと混合し、前記再生ゾーンを通過した残りの一部をVOC浄化装置へ送るようにしたことを特徴とする有機溶剤ガス濃縮装置。
  2. 有機溶剤ガスの吸着能力を有する吸着ロータを備え、前記吸着ロータを少なくとも処理ゾーン、パージゾーン、第1の再生ゾーン、第2の再生ゾーンに分割し、被処理ガスを前記処理ゾーンに通し、前記処理ゾーンを通過したガスを供給先へ送り、或いは大気放出し、前記被処理ガスの一部及び/又は外気を前記パージゾーンへ通過させた後加熱手段へ通し、前記加熱手段を通過したガスの一部を前記第1の再生ゾーンに通し、前記第1の再生ゾーンを通過したガスをVOC浄化装置へ送るようにし、前記加熱手段を通過したガスの残り一部を前記第2の再生ゾーンに通し、前記第2の再生ゾーンを通過したガスを前記加熱手段の前に戻して前記パージゾーンを通過したガスと混合するようにしたことを特徴とする有機溶剤ガス濃縮装置。
  3. 有機溶剤ガスの吸着能力を有する吸着ロータを備え、前記吸着ロータを少なくとも処理ゾーン、パージゾーン、再生ゾーンに分割し、被処理ガスを前記処理ゾーンに通し、前記処理ゾーンを通過したガスを供給先へ送り、或いは大気放出し、前記被処理ガスの一部及び/又は外気を前記パージゾーンへ通過させ、前記パージゾーンを通過したガスを前記処理ゾーンの前に戻して前記被処理ガスと混合するようにし、前記被処理ガスの残りの一部及び/又は外気を加熱手段へ通し、前記加熱手段を通過したガスを前記再生ゾーンに通し、前記再生ゾーンを通過したガスをVOC浄化装置へ送るようにしたことを特徴とする有機溶剤ガス濃縮装置。
  4. 前記被処理ガスの残りの一部及び/又は外気を加熱手段へ通す前に、前記パージゾーンを通過したガスの一部と混合するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の有機溶剤ガス濃縮装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7053079B1 (ja) * 2021-11-01 2022-04-12 株式会社西部技研 ガス処理装置

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