JP2005177737A - シロキサン除去用活性炭、シロキサン除去方法およびシロキサン除去用吸着剤 - Google Patents

シロキサン除去用活性炭、シロキサン除去方法およびシロキサン除去用吸着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 スラッジから発生させる消化ガスのような消化ガスに含有されるシロキサンを効率的に除去できる活性炭および吸着剤を提供する。
【解決手段】 平均細孔直径が2.4〜3.5nmで、且つ細孔容積が0.65〜1.4ml/gであることを特徴とするシロキサン除去用活性炭、又は細孔容積の最大ピークが2.0nm以上の細孔直径で示されることを特徴とするシロキサン除去用活性炭とする。また、平均細孔直径が2.0〜4.0nmの活性炭と平均細孔直径が2.0nm未満の活性炭とを有することを特徴とするシロキサン除去用吸着剤とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シロキサン含有消化ガスのガスエンジン又はタービンでの利用に関する。
近年、地球温暖化防止対策のひとつとしてCO2削減が推進されており、この目的のために、廃棄物から生じる消化ガス、特に下水処理後のスラッジ又は汚泥から発生する消化ガスを利用した発電システムが注目されてきている。
この発電システムにおいては、下水処理後のスラッジから発生する消化ガス(メタンを主とする可燃性ガス)等を燃料とし、ガスエンジン又はタービンを用いて発電を行っている。
しかしながら、このような消化ガスには一般的にシロキサンが含有されており、このシロキサンは、発電時の燃焼によって酸化ケイ素になる。この酸化ケイ素は、ガスエンジン又はガスタービンの内部に付着し、耐久性を著しく低下させる。また更に、この酸化ケイ素は、前処理工程及び/又は排気処理に用いられる触媒にも好ましくない影響を与えることがある。
これに対して特許文献1では、消化ガスに含有されるシロキサンを除去する消化ガス精製装置を備えた消化ガス発電設備を提案している。ここでこの消化ガス精製装置の例としては、水分を凝縮分離する減湿冷却器と、シロキサンを吸着除去する多孔質吸着剤と有する消化ガス精製装置を挙げている。また、多孔質吸着剤としては、比表面積が500m2/g以上、及び/又は1〜2nm(10Å〜20Å)の範囲の細孔径を有する細孔の積算容量が0.1cm3/g以上となる細孔分布を有する多孔質吸着剤、例えば活性炭、ゼオライト、アルミナ、モレキュラシーブズを使用するとしている。
またこの特許文献1では、シロキサンとして、鎖状シロキサン、例えばメトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びドデカメチルペンタシロキサン、並びに環状シロキサン、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3体)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4体)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5体)、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6体)を挙げている。
この引用文献1の消化ガス発電設備では、スラッジから発生する消化ガス等を燃料としてガスエンジン又はタービンで発電を行う場合の上記の問題を、消化ガス精製装置によって部分的に解決している。
しかしながらこの特許文献1では、消化ガスに主に含有されるのは環状シロキサン、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4体)であることを認識しておらず、また使用する多孔質吸着剤は細孔径が1〜2nm(10Å〜20Å)であるとしている。
特許文献2では、比表面積が500m2/g以上、及び/又は1〜2nm(10Å〜20Å)の範囲の細孔径を有する細孔の積算容量が0.1cm3/g以上となる細孔分布を有する炭素質材料を提案している。特許文献2に示された炭素質材料は、特許文献1の多孔質吸着剤と同様に、細孔径が1〜2nm(10Å〜20Å)であるとしている。
特許文献3では、平均細孔径が2.0〜4.0nmの細孔を有する活性炭を用いて時メチルシロキサンを吸着する方法を提案している。
特許文献3の活性炭は、平均細孔径が2.0nm以上と大きいため、一度吸着したシロキサンが活性炭から脱離するという問題があった。また、平均細孔径の大きな活性炭は、シロキサンの濃度が低いガスのシロキサンの吸着性能が低いという問題があった。
特開2002−138851号公報 特開2002−58996号公報 特開2003−225525号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、すぐれたシロキサンの吸着性能をもつシロキサン除去用活性炭およびシロキサン除去用吸着剤を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者はシロキサン除去用活性炭について検討を重ねた結果本発明をなすに至った。
本発明では、平均細孔直径が2.4〜3.5nmで、且つ細孔容積が0.65〜1.4ml/gであることを特徴とするシロキサン除去用活性炭を提供する。
また本発明では、細孔容積の最大ピークが2.0nm以上、例えば2.0nm〜3.0nmの細孔直径で示されることを特徴とするシロキサン除去用活性炭を提供する。
本発明のシロキサン除去用活性炭は、全細孔容積の40%以上、例えば50〜80%が、直径2.0〜4.0nmの細孔であってよい。
本発明のシロキサン除去用活性炭は、細孔直径の調節及び耐久性のために、石炭系の活性炭であることが好ましい。
また更に本発明では、前記活性炭に、シロキサン含有消化ガスを流通させることを特徴とするシロキサン除去方法を提供する。
ここでこのシロキサン含有消化ガスは、例えば廃棄物から生じる消化ガス、特に下水処理後のスラッジ又は汚泥から発生する消化ガスである。また用語「消化ガス」は、有機物を嫌気性分解する廃棄物処理過程で発生するガスをいう。
本発明によれば、スラッジから発生させる消化ガスのような消化ガスに含有されるシロキサンを、効率的に除去することができる。
尚、「全細孔容積」、「細孔容積の最大ピーク」及び「平均細孔直径」は、例えばユアサアイオニクス社の窒素細孔分布測定装置(商品名NOVA3200)を使用して測定することができる。
この窒素細孔分布測定装置の使用においては、活性炭入り容器を真空にした後で、大気圧になるまで一定の窒素分圧間隔ステップで、活性炭入り容器に窒素を注入していき、各窒素分圧間隔ステップにおける窒素吸着量を測定する。
ここで全細孔容積は、大気圧までの総窒素吸着量に基づいて算出される。また各窒素分圧間隔ステップにおいて窒素を吸着する細孔の直径は一般に決まっているので、細孔直径分布は、各窒素分圧間隔ステップにおける窒素吸着量に基づいて算出される(図1の細孔直径分布では、細孔直径を横軸にとり、その細孔直径での細孔容積を縦軸にとっている)。細孔容積の最大ピークは、最大の細孔容積を示す細孔直径として、細孔直径分布から知ることができる。更に、平均細孔直径は、細孔直径分布に基づいて、細孔直径の小さい方から細孔容積を積算し、積算細孔容積が全細孔容積の50%に達するときの細孔直径として得ることができる。
本発明のシロキサン除去用吸着剤は、平均細孔直径が2.0〜4.0nmの第一の活性炭と、第一の活性炭の下流側に配設された平均細孔直径が2.0nm未満の第二の活性炭と、を有することを特徴とする。
本発明のシロキサン除去用吸着剤において、第一の活性炭は、2.0〜4.0nmの平均細孔直径をもつ。2.0〜4.0nmの平均細孔直径をもつことで、第一の活性炭は高いシロキサンの吸着性能を有する。一般的に、活性炭においては、平均細孔直径が大きいほど、吸着性能が高くなる。このため、本発明のシロキサン除去用吸着剤において第一の活性炭が2.0nm以上の平均細孔直径をもつことで、第一の活性炭のシロキサンの吸着性能が高くなる。第一の活性炭は、平均細孔直径が高くなればなるほどシロキサンの吸着性能が高くなるが、4.0nmを超えると吸着したシロキサンが細孔から脱離しやすくなる。すなわち、平均細孔直径が4.0nmを超えると吸着したシロキサンが細孔から脱離することで、シロキサンの吸着性能が低下する。
第一の活性炭の平均細孔直径は、2.0〜3.5nmであることが好ましく、より好ましくは、2.4〜3.5nmである。第一の活性炭の平均細孔直径がこれらの範囲内となることで、資源ガス中のシロキサンの吸着に効果を発揮する。
本発明のシロキサン除去用吸着剤において、第二の活性炭は、2.0nm未満の平均細孔直径をもつ。第二の活性炭は、消化ガス中のシロキサンの含有量が低濃度である場合に、消化ガス中のシロキサンの吸着に効果を有する。活性炭の平均細孔直径が大きくなると高濃度で資源ガス中に含まれるシロキサンの吸着性能が増すが、低濃度で資源ガス中に含まれるシロキサンの吸着性能は低下する。第二の活性炭は、第一の活性炭より平均細孔直径の小さい活性炭よりなるため、第一の活性炭で吸着が難しい低濃度で資源ガス中に含まれるシロキサンを吸着できる。
第二の活性炭の平均細孔直径は、0.65〜1.4nmであることが好ましい。第二の活性炭の平均細孔直径がこれらの範囲内となることで、資源ガス中の低濃度のシロキサンの吸着に効果を発揮する。
そして、第二の活性炭は、第一の活性炭の下流側に配設される。第二の活性炭が第一の活性炭の下流側に配設されることで、第一の活性炭が吸着できなかったシロキサンおよび/または第一の活性炭から脱離した低濃度のシロキサンを吸着する。この結果、本発明のシロキサン除去用吸着剤は、低濃度から高濃度まで広い濃度領域でシロキサンが含まれる資源ガスからシロキサンを吸着除去できる。一般的に、シロキサンの吸着は、細孔直径の小さな細孔から起こる。このため、第二の活性炭と第一の活性炭とが混合して配設されると、第二の活性炭からシロキサンの吸着が発生することとなり、低濃度のシロキサンを吸着するという第二の活性炭の効果が得られなくなる。
第一の活性炭は、細孔容積の最大ピークが2.0nm以上の細孔直径で示されることが好ましい。細孔容積の最大のピークが2.0nm以上となることで、第一の活性炭の平均細孔直径が2.0nm以上となる。
第一の活性炭は、全細孔容積の40%以上が直径2.0〜4.0nmの細孔であることが好ましい。全細孔容積の40%以上が直径2.0〜4.0nmの細孔となることで、第一の活性炭は、資源ガス中のシロキサンの吸着に効果を発揮する。
本発明のシロキサン除去用活性炭において、第一の活性炭は、上記シロキサン除去用活性炭であることが好ましい。
第一の活性炭および第二の活性炭は、その材質が限定されるものではない。すなわち、ヤシ系、木質系、石炭系のいずれの活性炭を用いてもよい。第一の活性炭は、石炭系の活性炭であることが好ましい。また、第二の活性炭はヤシ系であることが好ましい。石炭系の活性炭は所望の細孔直径をもつ細孔を形成しやすく、硬さにおいてもすぐれているためである。また、ヤシ系の活性炭は、2nm未満の小さな細孔直径を形成しやすい。
本発明のシロキサン除去用吸着剤は、第一の活性炭が配設された前段吸着剤部と、第二の活性炭が配設された後段吸着剤部と、をもつことが好ましい。前段吸着剤部と後段吸着剤部をもつ構造とすることで、本発明のシロキサン除去用吸着剤を形成できる。
前段吸着剤部の下流側の端部と後段吸着剤部の上流側の端部とは、当接した状態であっても、離れた状態であってもどちらでもよい。また、前段吸着剤部の下流側の端部と後段吸着剤部の上流側の端部との距離は、特に限定されるものではない。
前段吸着剤部に配設される第一活性炭量および後段吸着剤部に配設される第二の活性炭量は特に限定されるものではない。吸着されるシロキサンが含まれる資源ガスの種類により使用条件が異なるためである。たとえば、シロキサンが高濃度で含まれる一般的な資源ガスからシロキサンを吸着するときには、第一の活性炭量は第二の活性炭量より多いことが好ましい。また、前段吸着剤部の資源ガスの流れ方向の長さが後段吸着剤部の長さより長いことが好ましい。好ましくは、前段吸着剤部の長さは、後段吸着剤部の長さの3〜14倍である。
前段吸着剤部および後段吸着剤部は、資源ガスの流れ方向での長さが長ければ長いほど好ましい。吸着剤部の長さが長くなると、吸着剤部を通過する資源ガスがより活性炭と接触することとなり、資源ガス中のシロキサンを吸着除去できるようになる。吸着剤部の長さが過剰に長くなると、吸着剤部の前後における圧損が発生し、資源ガスが流れにくくなる。前段吸着剤部および後段吸着剤部の具体的な長さについては、実際の使用状況により異なるため一概に決定できるものではない。
本発明のシロキサン除去用吸着剤は、内部を資源ガスが流れ資源ガスのガス流路を形成する外筒と、外筒の内部にもうけられた第一の活性炭を配設した前段吸着剤部と、外筒の内部にもうけられた第二の活性炭を配設した後段吸着剤部と、により形成することができる。
前段吸着剤部および後段吸着剤部は、資源ガスの流れ方向の上流側および下流側の端部が通気性を有する通気性部材により区画される。通気性部材により吸着部が区画されることで、前段吸着剤部および後段吸着剤部のそれぞれに充填された活性炭に資源ガスが接触することができる。通気性部材は、通気性を有していればその材質が特に限定されない。そして、前段吸着剤部の下流側の端部と後段吸着剤部の上流側の端部が当接した状態であるときには、前段吸着剤部の下流側の通気性部材と後段吸着剤部の上流側の通気性部材とを同一の通気性部材とすることができる。
前段吸着剤部および後段吸着剤部は、外筒と、外筒内に配設された二つの通気性部材と、により区画された内部に第一のあるいは第二の活性炭を充填して形成することができる。また、筒状部材と、筒状部材の両端部に配設された二つの通気性部材と、により区画された内部に第一のあるいは第二の活性炭を充填して形成したカートリッジを外筒の内部に配設して形成してもよい。
本発明によれば、スラッジから発生する消化ガス等に含有されるシロキサンを効率的に除去できるシロキサン除去用活性炭が提供される。
また、本発明によれば、前段に配設された第一の活性炭がシロキサン(有機シリカ化合物)の分子サイズに適した細孔直径を有することでシロキサンの吸着量が高められ、後段に配設された第二の活性炭が低濃度のシロキサンを吸着するシロキサン除去用吸着剤が提供される。これにより、あらゆる環境において完全にシロキサン(有機シリカ化合物)の除去が可能となった。
以下では実施例によって本発明を具体的に説明するが、この実施例は本発明のシロキサン除去用活性炭およびシロキサン除去用吸着剤を例示するものであり、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
実施例の活性炭は、石炭粉を原料としてピッチ成型し、700℃の温度で炭化後、950℃の温度において水蒸気雰囲気で賦活して得た。ここで賦活時間は、細孔容積の約60%が直径2.0〜4.0nmの細孔であるように調整した。この活性炭の平均細孔直径は、2.67nmであった。得られた活性炭は、直径3.8mm、長さ5mmの円柱状ペレット(4〜8メッシュ:2.36〜4.75mm)であった。得られた活性炭の細孔分布は図1に示す。この活性炭の細孔容積の最大ピークは、2.32nmであった。尚、当業者は、水蒸気賦活の際の温度及び処理時間を調節することによって、所望の細孔分布を得ることができる。
この実施例の活性炭をガラスカラムに充填し、下記の条件を用いて、オクタメチルシクロテトラシロキサンを含有する窒素で流通試験を行った。
活性炭の充填量:22.5mL
オクタメチルシクロテトラシロキサン濃度:10ppm
ガス流量:7.5L/分
空間速度:20,000h-1
線速度:0.4m/秒
温度:25℃
湿度:30%
この流通試験では、入口濃度と出口濃度を測定し、各時間毎の除去率及びカラムの重量増加について検討した。
[比較例1]
比較例1の活性炭は、細孔容積の約20%が直径2.0〜4.0nmの細孔であり、マクロ孔が比較的多い直径3.8mm、長さ5mmのペレット状(4〜8メッシュ:2.36〜4.75mm)の水処理用活性炭であった。この活性炭の平均細孔直径は、2.09nmであった。この比較例の活性炭の細孔分布は図1に示している。この活性炭の細孔容積の最大ピークは、1.21nmであった。この比較例1の活性炭について実施例と同様に流通試験を行った。
[比較例2]
比較例2の活性炭は、細孔容積の約15%が直径2.0〜4.0nmの細孔である直径3.8mm、長さ5mmのペレット状(4〜8メッシュ:2.36〜4.75mm)の気体脱臭用活性炭であった。この活性炭の平均細孔直径は、2.19nmであった。この比較例2の活性炭の細孔分布は図1に示している。この活性炭の細孔容積の最大ピークは、1.68nmであった。この比較例2の活性炭について実施例と同様に流通試験を行った。
[比較例3]
細孔容積の約8%が直径2.0〜4.0nmの細孔である破砕状(6〜10メッシュ:1.70〜3.35mm)の気体脱臭用ヤシ殻活性炭を用いた。この活性炭の平均細孔直径は、1.80nmであった。この比較例3の活性炭の細孔分布は図1に示している。この活性炭の細孔容積の最大ピークは、1.15nmであった。この比較例3の活性炭について実施例と同様に流通試験を行った。
下記の表1では、実施例及び比較例1〜3で得られた結果をまとめている。
Figure 2005177737
この表1から容易に理解されるように、比較例1〜3の活性炭(平均細孔径1.80〜2.19nm、細孔直径の最大ピーク2.0nm以下)と比較して、実施例の活性炭(平均細孔径2.67nm、細孔直径のピーク約2.3nm)は、予想外に優れた吸着性能を有する。
実施例及び比較例1〜3の活性炭の浄化性能の変化及び重量増加推移を、それぞれ図2及び3に示している。これらの図から理解されるように、実施例の活性炭は安定的にシロキサンを吸着しており、従って比較例1〜3の活性炭と比較して明らかに優れている。
つづいて、実施例および各比較例の活性炭を用いてシロキサン除去用吸着剤を作製した。
まず、実施例および比較例2,3の活性炭をそれぞれガラスカラム(内径:20mm)に充填した。ガラスカラムに充填された活性炭は、見かけの容積(活性炭が占めるガラスカラム内の容積)で40mLであった。なお、ガラスカラムへの活性炭の充填は、ガラスカラム内に活性炭を投入した後に、鉛直方向に保持したガラスカラムを数回叩打して充填密度を向上させて行われた。
このようにして、実施例の活性炭が充填したガラスカラム(実施例のカラムと称する)、比較例2の活性炭が充填したガラスカラム(比較例2のカラムと称する)、比較例3の活性炭が充填したガラスカラム(比較例3のカラムと称する)、が製造された。
[吸着剤実施例]
実施例のカラムと比較例3のカラムとを、直列な状態で通気可能に接続して本吸着剤実施例のシロキサン除去用吸着剤を製造した。すなわち、本実施例のシロキサン除去用吸着剤は、実施例のカラムが前段吸着剤部を、比較例3のカラムが後段吸着剤部を形成している。本吸着剤実施例のシロキサン除去用吸着剤の構成を表2に示した。
Figure 2005177737
製造されたシロキサン除去用吸着剤に上記各活性炭に施された試験と同様の流通試験を行った。この流通試験は、オクタメチルシクロテトラシロキサンを含有する窒素を下記の条件で流通させて行った。
オクタメチルシクロテトラシロキサン濃度:0.8ppm
ガス流量:6.4L/分
空間速度:4800h-1
線速度:0.15m/秒
温度:25℃
湿度:30%
この流通試験では、入口濃度と出口濃度を測定し、各時間毎の除去率について検討した。試験結果を図4に示した。
[吸着剤比較例1]
二つの比較例3のカラムを、直列な状態で通気可能に接続して本吸着剤比較例のシロキサン除去用吸着剤を製造した。すなわち、本吸着剤比較例のシロキサン除去用吸着剤は、前段吸着剤部および後段吸着剤部が比較例3のカラムにより形成されている。本吸着剤比較例のシロキサン除去用吸着剤の構成を表2にあわせて示した。この吸着剤比較例1の吸着剤について吸着剤実施例と同様に流通試験を行った。
[吸着剤比較例2]
二つの比較例2のカラムを、直列な状態で通気可能に接続して本吸着剤比較例のシロキサン除去用吸着剤を製造した。すなわち、本吸着剤比較例のシロキサン除去用吸着剤は、前段吸着剤部および後段吸着剤部が比較例2のカラムにより形成されている。本吸着剤比較例のシロキサン除去用吸着剤の構成を表2にあわせて示した。この吸着剤比較例2の吸着剤について吸着剤実施例と同様に流通試験を行った。
[吸着剤比較例3]
二つの実施例のカラムを、直列な状態で通気可能に接続して本吸着剤比較例のシロキサン除去用吸着剤を製造した。すなわち、本吸着剤比較例のシロキサン除去用吸着剤は、前段吸着剤部および後段吸着剤部が実施例のカラムにより形成されている。本吸着剤比較例のシロキサン除去用吸着剤の構成を表2にあわせて示した。この吸着剤比較例3の吸着剤について吸着剤実施例と同様に流通試験を行った。
図4に示されたように、吸着剤実施例のシロキサン除去用吸着剤は、各吸着剤比較例の吸着剤より長時間にわたって100%の浄化率でシロキサンの吸着が行われている。すなわち、吸着剤実施例のシロキサン除去用吸着剤は、シロキサンの高い吸着特性が長期間にわたって維持されている。
具体的には、吸着剤実施例のシロキサン除去用吸着剤においては、まず、流れの上流側に配設された実施例のカラムにおいてシロキサンが吸着される。そして、実施例のカラムを通過したガスには、実施例のカラムにおいて吸着されなかったシロキサンおよび/または実施例の活性炭から脱離したシロキサンを含有している。このガスに含まれるシロキサン濃度は低濃度である。その後、このガスは、比較例3のカラムに流れ込む。比較例3のカラムにおいて比較例3の活性炭にシロキサンが吸着される。比較例3の活性炭は、実施例の活性炭より平均細孔直径が小さいため、実施例の活性炭より吸着したシロキサンが脱離しにくく、吸着したシロキサンの脱離が生じなくなっている。すなわち、吸着剤実施例のシロキサン除去用吸着剤は、シロキサンの吸着性能が高くなっている。
吸着剤比較例1,2の吸着剤は、細孔容積の小さな活性炭よりなることから、吸着剤の吸着容量が実施例の吸着剤より小さい。この結果、吸着剤比較例1,2の吸着剤は、吸着性能の低下がはやくなっている。
吸着剤比較例3の吸着剤は、活性炭の平均細孔直径が大きいため、吸着剤の寿命が短くなっている。
実施例及び比較例1〜3で使用した活性炭の細孔分布を示す図である。 実施例及び比較例1〜3で使用した活性炭のシロキサン除去性能を示す図である。 実施例及び比較例1〜3で使用した活性炭の流通試験における重量増加推移を示す図である。 吸着剤実施例及び吸着剤比較例1〜3のシロキサン除去性能を示す図である。

Claims (12)

  1. 平均細孔直径が2.4〜3.5nmで、且つ細孔容積が0.65〜1.4ml/gであることを特徴とするシロキサン除去用活性炭。
  2. 細孔容積の最大ピークが2.0nm以上の細孔直径で示されることを特徴とするシロキサン除去用活性炭。
  3. 全細孔容積の40%以上が直径2.0〜4.0nmの細孔であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシロキサン除去用活性炭。
  4. 上記活性炭が石炭系であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシロキサン除去用活性炭。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の活性炭に、シロキサン含有消化ガスを流通させることを特徴とするシロキサン除去方法。
  6. 平均細孔直径が2.0〜4.0nmの第一の活性炭と、
    該第一の活性炭の下流側に配設された平均細孔直径が2.0nm未満の第二の活性炭と、
    を有することを特徴とするシロキサン除去用吸着剤。
  7. 前記第一の活性炭は、平均細孔直径が2.4〜3.5nmである請求項6記載のシロキサン除去用吸着剤。
  8. 前記第一の活性炭は、細孔容積が0.50〜1.4ml/gである請求項6記載のシロキサン除去用吸着剤。
  9. 前記第一の活性炭は、細孔容積が0.65〜1.4ml/gである請求項8記載のシロキサン除去用吸着剤。
  10. 前記第一の活性炭は、細孔容積の最大ピークが2.0nm以上の細孔直径で示される請求項6記載のシロキサン除去用吸着剤。
  11. 前記第一の活性炭は、全細孔容積の40%以上が直径2.0〜4.0nmの細孔である請求項6記載のシロキサン除去用吸着剤。
  12. 前記第一の活性炭は、石炭系である請求項6記載のシロキサン除去用吸着剤。
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