JPH0675238B2 - 楽音信号発生装置 - Google Patents

楽音信号発生装置

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JPH0675238B2
JPH0675238B2 JP4213245A JP21324592A JPH0675238B2 JP H0675238 B2 JPH0675238 B2 JP H0675238B2 JP 4213245 A JP4213245 A JP 4213245A JP 21324592 A JP21324592 A JP 21324592A JP H0675238 B2 JPH0675238 B2 JP H0675238B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電子楽器で使用される
楽音信号発生装置に関し、特に、波形メモリに記憶され
た楽音波形情報列を順次読出して楽音信号を発生するよ
うにした楽音信号発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において、波形メモリに外部から入
力される音信号に対応した複数周期分の波形データを任
意に書き込むことができるようにするとともに、この書
き込んだ複数周期分の波形データを読出すことによって
楽音信号を発生するようにした楽音信号発生装置が提案
されている(特開昭54−161313号公報参照)。
また、複数の音色のそれぞれに対応した複数の波形メモ
リを設け、これらの波形メモリにそれぞれ対応する音色
の楽音波形情報列を予め記憶させておき、音色スイッチ
等の出力信号により選択指定された音色に対応する特定
の波形メモリを読出し可能状態としたうえで、この特定
の波形メモリに例えば発生楽音の音高に対応した速度で
順次変化するアドレス信号を与えてその波形メモリに記
憶された楽音波形情報列を読出すような楽音信号発生装
置も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、波形メモリ
として用いるリードオンリメモリ(ROM)やランダム
アクセスメモリ(RAM)などのメモリ素子は一般に4
Kビット、16ビット等、メモリ容量が2N 単位で特定
されている。このため、このようなメモリ素子を波形メ
モリに用いた場合、記憶させる楽音情報列の大きさに制
限が加えられたり、逆に情報が何等記憶されない無駄な
記憶アドレスが生じたりしてメモリ素子を効率的に使用
できず不経済になってしまう問題点があった。この発明
は上述した問題点に鑑みなされたものであって、メモリ
素子を効率的に使用できるようにした楽音信号発生装置
を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】複数周期の楽音波形情報
列を順次連続して記憶した波形記憶手段と、上記複数周
期のいずれかを選択指定する指定手段と、上記指定手段
における選択指定に対応して上記波形記憶手段における
当該選択指定に対応する楽音波形情報列の記憶開始アド
レスを示すスタートアドレス情報を発生するスタートア
ドレス情報発生手段と、上記スタートアドレス情報が示
すアドレス値を初期値としてこの初期値から発生すべき
楽音に対応した速度で順次変化するアドレス情報を発生
して上記波形記憶手段に供給するアドレス情報発生手段
とから構成したものである。
【0005】
【作用】複数周期の楽音波形情報列が間隔を空けずに連
続的に波形記憶手段に記憶されており、スタートアドレ
ス情報により波形情報が特定される。
【0006】
【実施例】図1はこの発明に係る楽音発生装置を適用し
た電子楽器の一実施例を示すブロック図である。なお、
この明細書において楽音信号とは、図2の波形図に示す
ようにある任意の楽音を電気信号に変換したものを総称
するものであり、そしてその「周期」と図2の波形図に
おいて「T」で示すように、楽音信号全期間の中でほぼ
同一波形形状の信号が繰り返される期間を指す。従っ
て、この明細書において使用される「周期別楽音信号」
とは、図2の波形図において「T」で示す期間の楽音信
号を指す。この場合、図2に示すように「2T」を単位
周期としてもよい。なお、以下では「T」を単位周期と
して説明する。従って、周期別楽音信号を上記のように
定義づけた場合、外部から与えられる楽音を所定周期で
サンプリングし、その各サンプル点振幅値を楽音信号と
して楽音データメモリに記憶させると、楽音データメモ
リには複数の周期別楽音信号が記憶されることになる。
【0007】(1) 構成説明 図1において、この実施例に示す電子楽器は大別する
と、楽音データメモリ1、書込み装置2、周期別楽音信
号検出装置3、周期別アドレス情報メモリ4、キースイ
ッチ回路5、周期信号発生回路6、選択情報設定装置
7、読出しアドレス情報発生装置8、メモリ制御装置
9、発音装置10とから構成されている。 (楽音データメモリ1)楽音データメモリ1は、そのリ
ードライト制御端子(R/W)に与えられるモード制御
信号MD1が“1”のときにライトモードとなり、後述
するメモリ制御回路9を介して書込み装置2から供給さ
れる外部入力楽音の各サンプル点振幅値が各アドレスに
楽音信号として記憶され、モード制御信号MD1が
“0”のときにはリードモードとなり、メモリ制御回路
9を介してアドレス信号入力端子(ADR)に供給され
るアドレス情報A1RWによって指定されたアドレスに記
憶されている楽音信号が読出される。なお、以下におい
ては説明の便宜上、楽音データメモリ1にこれから書込
まれる楽音信号は記号「GDW」 で表わし、既に記憶さ
れている楽音信号および読出された楽音信号は記号「G
D」で表わす。また、周期別楽音信号は記号「GD1」
で表わす。
【0008】(書込み装置2)書込み装置2は、特にそ
の内部構成は図示しないが、所定周期のサンプリング用
クロック信号に基づいて順次値が変化するアドレス情報
を発生するアドレス情報発生回路と、入力楽音をディジ
タルの楽音信号に変換するAD変換器等を備え、モード
スイッチOP・SWにより電子楽器の動作モードが外部
入力楽音の書込みモードに設定されていると、その書込
みモード信号OP1 によりイネーブル状態となり、マイ
クMに対して外部から与えられる入力楽音を所定周期で
順次サンプリングして外部入力楽音の振幅値に対応した
ディジタルの楽音信号GDW を出力する。この場合、書
込み装置2は楽音信号GDW に同期して書込み用のアド
レス情報A0W を出力すると共に、書込みスイッチW・
SWの閉成により楽音データメモリ1をライトモードと
するために“1”のモード制御信号MD0を出力する。
【0009】(周期別楽音信号検出装置3)周期別楽音
信号検出装置3は、楽音データメモリ1に記憶された楽
音信号GDを順次読出して該楽音信号GDの全期間を構
成する各周期の楽音信号の各々を検出し、この検出した
周期別楽音信号GD1が記憶されている楽音データメモ
リ1のアドレスを表わす周期別アドレス情報ZXAを出
力する。この周期別楽音信号検出装置3による上記のよ
うな処理は、モードスイッチOP・SWにより電子楽器
の動作モードが周期別楽音信号検出モードに設定されて
いる状態において、“1”の周期検出モード信号OP2
が与えられている時にのみ実行される。つまり、“1”
の周期検出モード信号OP2 が与えられると、この周期
別楽音信号検出装置3は、まず楽音データメモリ1をリ
ードモードとするために“0”のモード制御信号MD3
を出力し、続いて楽音データメモリ1に記憶された楽音
信号GDを順次読出すためのアドレス情報A3RWを出力
する。次に、楽音データメモリ1から読出された楽音信
号GDから周期別楽音信号GD1の各々を検出し、これ
ら各周期別楽音信号GD1が記憶されている楽音データ
メモリ1の各アドレスを表わす周期別アドレス情報ZX
Aを書込み用のアドレス情報A2RWと共に周期別アドレ
ス情報メモリ4に対して出力する。これによって、周期
別アドレス情報メモリ4には、書込み用のアドレス情報
A2RWで指定されたアドレスに周期別アドレス情報ZX
Aが記憶される。
【0010】(周期別アドレス情報メモリ4)周期別ア
ドレス情報メモリ4は、電子楽器の動作モードが周期別
楽音信号検出モードに設定されている状態において、周
期別楽音信号検出装置3から供給される周期別アドレス
情報ZXAをアドレス情報A2RWで指定されるアドレス
に順次記憶する。なお、周期別アドレス情報ZXAの書
込み時には該メモリ4のリードライト制御端子(R/
W)に対して周期別楽音信号検出装置3から“1”のモ
ード制御信号MD2が供給され、これによって該メモリ
4はライトモードとなる。この場合、周期別アドレス情
報ZXAは、該情報ZXAに対応する周期別楽音信号G
D1が楽音データメモリ1に記憶されている順に記憶さ
れる。つまり、周期別アドレス情報メモリ4の最小アド
レスには外部入力楽音の立上がり部分における第1周期
目の周期別楽音信号GD1に対応する周期別アドレス情
報ZXAが記憶され、最大アドレスには外部入力楽音の
終了部分における最後の周期別楽音信号GD1に対応す
る周期別アドレス情報ZXAが記憶される。
【0011】一方、この周期別アドレス情報メモリ4は
読出しアドレス情報発生装置8からもアクセスされる。
つまり、電子楽器の動作モードが演奏モードに設定され
ている状態において読出しアドレス情報発生装置8から
“0”のモード制御信号MD4が供給されるとリードモ
ードとなり、読出し用のアドレス情報A4R で指定され
るアドレスに記憶された周期別アドレス情報ZXAが読
出される。この場合、周期別楽音信号検出装置3と読出
しアドレス情報発生装置8はモードスイッチOP・SW
によって所定の処理を実行すべきことが指示されるた
め、周期別アドレス情報メモリ4に対するアドレス情報
A2RWとA4R ,モード制御信号MD2とMD4の競合
は発生しない。
【0012】(キースイッチ回路5)キースイッチ回路
5は、鍵盤部の各鍵に対応したキースイッチを有し、あ
る鍵が押鍵されると対応するキースイッチが動作し、そ
の出力から押下鍵音高に対応するノートコードNCおよ
びブロックコードBCからなるキーコードKCを出力す
ると共に、いずれかの鍵が押鍵されたことを表わすキー
オン信号KONを出力する。なお、このキースイッチ回
路5には単音優先回路が内蔵されており、同時に2個以
上のキースイッチが動作した場合、優先度の高いキース
イッチに対応するキーコードKCのみが出力されるよう
に構成されている。
【0013】(周期信号発生回路6)周期信号発生回路
6は、各アドレスに各鍵の音高に対応した周波数ナンバ
Fを記憶している周波数ナンバメモリ60と、この周波
数ナンバメモリ60から読出された周波数ナンバFを所
定周期で累算する累算器61とから構成され、キースイ
ッチ回路5から押下鍵音高に対応したキーコードKCが
供給されると、このキーコードKCに対応した周波数ナ
ンバFが周波数ナンバメモリ60から読出される。累算
器61は、周波数ナンバメモリ60から読出された周波
数ナンバFを所定周期で順次累算して累算値qF(q=
1,2,3・・・)を形成する。そして、その累算値q
Fが所定値に達すると、そのキャリイ出力信号NqFを
押下鍵音高に対応した周期の周期信号NqFとして出力
する。
【0014】(選択情報設定装置7)選択情報設定装置
7は、所望の周期別楽音信号GD1を楽音データメモリ
1から読出すための選択情報SDを設定するテンキーな
どのデータ設定用キーボード等を備えている。そして、
この実施例においては、第1の選択情報SDとして順番
号Mn,繰り返し読出し回数情報Rnが読出し順位毎
に、また第2の選択情報SDとして1組の持続順番号情
報CNn,終了順番号情報Enが次の表1に示すような
フォーマットに従って設定される。
【0015】
【表1】
【0016】表1において、順番号情報Mnとは、所望
の周期別楽音信号GD1が楽音データメモリ1に記憶さ
れている順番号を表わす情報である。繰り返し読出し回
数情報Rnとは、前記順番号情報Mnによって指定され
る周期別楽音信号GD1の繰り返し読出し回数を表わす
情報である。持続順番号情報CNnとは、これから発生
する楽音の持続部分を形成する周期別楽音信号GD1が
楽音データメモリ1に記憶されている順番号を表わす情
報である。終了順番号情報Enとは、これから発生する
楽音の終了部分を形成する周期別楽音信号GD1が楽音
データメモリ1に記憶されている順番号を表わす情報で
あり、この終了順番号情報Enおよび上記持続順番号情
報CNnは1つの発生楽音に対してそれぞれ1個づつ設
定される。
【0017】従って、これら4種類の情報Mn,Rn,
CNn,Enが上記表1に示すようなものである場合、
第1番目に「Mn=1」で指定される周期別楽音信号G
D1が「Rn=2」で指定される回数だけ繰り返し読出
され、第2番目に「Mn=3」で指定される周期別楽音
信号GD1が「Rn=2」で指定される回数だけ繰り返
し読出される。そして、以後においても同様にして順番
号情報Mnで指定される周期別楽音信号GD1が繰り返
し読出し回数情報Rnで指定される回数だけ繰り返し読
出されるが、その後において「CNn=20」で示され
る周期別楽音信号GD1の読出しが指定されると、鍵が
解放されるまで「CNn=20」で示される周期別楽音
信号GD1が繰り返し読出される。これによって、サス
テイン部分(持続部分)に相当する楽音が発生される。
その後、鍵が解放されると、次の読出し順位の情報Mn
で指定される周期別楽音信号GD1が情報Rnで指定さ
れる回数だけ繰り返し読出されるが、この後「En=5
0」で示される周期別楽音信号GD1の読出しが指定さ
れると、新たな鍵が押鍵されるまで「En=50」で示
される周期別楽音信号GD1が繰り返し読出される。な
お、この選択情報設定装置7において設定された選択情
報SDは後に述べる読出しアドレス情報発生装置8内の
メモリに転送され記憶される。
【0018】(読出しアドレス情報発生装置8)読出し
アドレス情報発生装置8は、選択情報設定装置7によっ
て設定された読出し順位毎の各選択情報SDにより指定
される周期別楽音信号GD1が記憶されている楽音デー
タメモリ1のアドレスを周期別アドレス情報メモリ4に
記憶されている周期別アドレス情報ZXAに基づき検出
し、この検出した各選択情報SDに対応する周期別アド
レス情報ZXAに基づき周期信号発生装置6から出力さ
れる周期信号NqFの周期で順次変化する読出し用アド
レス情報RAを出力する。なお、このような処理はモー
ドスイッチOP・SWによって電子楽器の動作モードが
演奏モードに設定され、“1”の演奏モード信号OP3
が与えられている時のみ実行される。
【0019】つまり、“1”の演奏モード信号OP3
与えられると、読出しアドレス情報発生装置8は、まず
周期別アドレス情報メモリ4および楽音データメモリ1
をリードモードとするために“0”のモード制御信号M
D4を出力する。次に、選択情報設定装置7によって設
定された選択情報SDのうち各順番号情報Mn、持続順
番号情報CNnおよび終了順番号情報Enに対応する周
期別楽音信号GD1が記憶されている楽音データメモリ
1のアドレスを検出するため、各情報Mn,CNn,E
nに対応したアドレス情報A4R を周期別アドレス情報
メモリ4に順次供給する。すると、周期別アドレス情報
メモリ4から各情報Mn,CNn,Enに対応した周期
別アドレス情報ZXAが順次読出されてこの読出しアド
レス情報発生装置8内のメモリに記憶される。そして、
鍵盤部で押鍵操作がなされキースイッチ回路5からキー
オン信号KONが発生すると、上記周期別アドレス情報
ZXAに基づき周期信号NqFの周期で順次変化する読
出し用アドレス情報RAを作り、該アドレス情報RAを
メモリ制御装置9を介して楽音データメモリ1に供給す
る。この場合、読出し用アドレス情報RAは繰り返し読
出し回数情報Rn、持続順番号情報CNn、終了順番号
情報Enによってその変化態様が前述したように異な
る。
【0020】(メモリ制御装置9)メモリ制御装置9は
電子楽器の動作モード(書込みモード,周期別楽音信号
検出モード,演奏モード)に応じて書込み装置2,周期
別楽音信号検出装置3,読出しアドレス情報発生装置8
から楽音データメモリ1に対するアクセスの優先制御を
行い、楽音データメモリ1に対してアドレス情報A
RW,モード制御信号MD1,ライトデータD1W を出
力する。つまり、メモリ制御装置9は、入力信号を次に
示す表2に基づいて優先選択して楽音データメモリ1に
出力する。
【0021】
【表2】
【0022】(楽音装置10)発音装置10はDA変換
器(DAC)100,エンベロープ制御回路101,ス
ピーカ102とから構成され、楽音データメモリ1から
所望の周期別楽音信号GD1が順次読出され、連続的な
楽音信号GDとして供給されると、このディジタルの楽
音信号GDはDAC100において対応するアナログの
楽音信号GAに変換される。このアナログの楽音信号G
Aはエンベロープ制御回路101内において、キーオン
信号KONの立上りに同期して発生が開始されるエンベ
ロープ波形信号EVによってその振幅エンベロープの設
定が行われた後スピーカ102に供給される。これによ
って、スピーカ102からは楽音データメモリ1から順
次読出される周期別楽音信号GD1に対応した楽音が発
音される。以上が図1に示す電子楽器の全体構成の説明
である。
【0023】(2) 動作説明 次に、全体動作を図3に示すフローチャートを用いて説
明する。図3は全体動作の概略を示すフローチャートで
ある。まず、この電子楽器では、楽音データメモリ1に
対して外部入力楽音に対応する楽音信号GDW を書込む
ため、図3のステップ2001に示すように、モードス
イッチOP・SWを用いて電子楽器の動作モードを書込
むモードに選択設定する。次に、ステップ2002に示
すように書込みスイッチW・SWを閉成する。次に、こ
の状態において、マイクMに対して外部入力楽音が与え
られると、この外部入力楽音は書込み装置2において所
定周期でサンプリングされて対応するディジタルの楽音
信号GDW に変換される。このディジタルの楽音信号G
W はメモリ制御回路9に供給され、メモリ制御回路9
からライトデータD1W として楽音データメモリ1に供
給される。この時、書込み装置2からは楽音信号GDW
と共に該楽音信号GDW の書込みアドレスを指定する書
込み用のアドレス情報A0W および楽音データメモリ1
をライトモードとするためのモード制御信号MD0もメ
モリ制御回路9に供給され、メモリ制御回路9から楽音
データメモリ1に対してアドレス情報A1RWおよびモー
ド制御信号MD1として供給される。これによって、図
3のステップ2003に示すように、楽音データメモリ
1には外部入力楽音を所定周期でサンプリングした各サ
ンプル点振幅値に対応する楽音信号GDW がアドレス情
報A1RW(A0W) で指定されるアドレスに順次記憶さ
れる。この場合、楽音信号GDW は最小アドレスから最
大アドレスへ向かって順に記憶される。
【0024】楽音信号GDW の書込み処理が終了する
と、モードスイッチOP・SWを用いて電子楽器の動作
モードを周期別楽音信号検出モードに選択設定する。次
に、図3のステップ2004に示すように、楽音データ
メモリ1に連続的に記憶された楽音信号GDから各周期
の周期別楽音信号GD1の各々が検出され、次のステッ
プ2005においてこの検出された各々の周期別楽音信
号GD1の基点部分が記憶されている楽音データメモリ
1のアドレスを表わす基点アドレス情報が周期別アドレ
ス情報ZXAとして周期別アドレス情報メモリ4の各ア
ドレスに記憶される。この場合、周期別アドレス情報メ
モリ4の最小アドレスには外部入力楽音の立上り部分に
おける最初の周期別楽音信号GD1に対応する周期別ア
ドレス情報ZXAが記憶され、最大アドレスには外部入
力楽音の終了部分における最後の周期別楽音信号GD1
に対応する周期別アドレス情報ZXAが記憶される。周
期別楽音信号の検出処理が終了すると、モードスイッチ
OP・SWを用いて電子楽器の動作モードを演奏モード
に選択設定する。
【0025】演奏モードにおいては、ステップ2006
〜2010に示すように所望の周期別楽音信号GD1を
選択的に読出すための各種選択情報SDが設定される。
つまり、図3のステップ2006において、持続順番号
情報CNnが設定され、次のステップ2007において
終了順番号情報Enが設定され、次のステップ2008
において順番号情報Mnが設定され、更に次のステップ
2010において、繰り返し読出し回数情報Rnが設定
される。この場合、順番号情報Mnおよび繰り返し読出
し回数情報Rnは読出し順位毎に1対となって設定され
るものである。従って、図3のステップ2008および
2009の動作は各読出し順位毎に繰り返し行われる。
そして、このようにして順次設定される各情報CNn,
En,Mn,Rnは読出しアドレス情報発生装置8内に
設けられたメモリに前記表1に示すようなフォーマット
に従って順次記憶される。
【0026】このようにして全ての選択情報SD(CN
n,En,Mn,Rn)の設定が終了すると、ステップ
2011において、設定された順番号情報Mnに対応す
る周期別アドレス情報ZXA[Mn],持続順番号CN
nに対応する周期別アドレス情報ZXA[CNn],終
了順番号情報Enに対応する周期別アドレス情報ZXA
[En]が周期別アドレス情報メモリ4の記憶内容に基
づいて検出されるとともに、順番号情報Mnに対応する
周期別楽音信号GD1の楽音データメモリ1における記
憶アドレス長が周期別アドレス情報メモリ4の記憶内容
に基づき検出される。つまり、ステップ2011におい
ては、情報Mn,CNn,Enが対応する周期別アドレ
ス情報ZXA[Mn],ZXA[CNn],ZXA[E
n]に変換されると共に、情報Mnに対応する周期別楽
音信号GD1の記憶アドレス長が算出される。
【0027】なお、このステップ2011において得ら
れた周期別アドレス情報ZXA[Mn],ZXA[CN
n],ZXA[En]および記憶アドレス長を表わす記
憶アドレス長情報ALは読出しアドレス情報発生装置8
内に設けられたメモリに記憶される。ここで、上記周期
別アドレス情報ZXA[Mn]は順番号情報Mnに対応
する周期別楽音信号GD1の始点部分が記憶されている
楽音データメモリ1のアドレスを表わすものであり、ま
た上記周期別アドレス情報ZXA[CNn],ZXA
[En]は持続順番号情報CNnおよび終了順番号情報
Enにそれぞれ対応する周期別楽音信号GD1の終点部
分が記憶されている楽音データメモリ1のアドレスを表
わすものである。
【0028】従って、周期別アドレス情報メモリ4の各
アドレスに記憶されている周期別アドレス情報ZXAが
次の表3に示すようなものであり、また選択情報SDと
して設定された順番号情報Mnおよび持続順番号情報C
Nnならばに終了順番号情報Enが前記表1で示したよ
うなものであった場合、全ての読出し順位に関する情報
の設定処理が終了した段階においては次の表4に示すよ
うな周期別アドレス情報ZXA[Mn],ZXA[CN
n],ZXA[En]およびアドレス長情報ALならび
に繰り返し読出し回数情報Rnが設定されたことにな
る。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】このようにして全ての情報の設定処理が終
了した後、ステップ2012に示すように演奏者による
押鍵操作が行われると、ステップ2006〜2011で
設定した各種情報ZXA[Mn],AL,RnおよびZ
XA[CNn],ZXA[En]に基づく楽音が発生さ
れる。つまり、鍵盤部においてある鍵が押鍵されると、
キースイッチ回路5からキーオン信号KONおよび押下
鍵に対応したキーコードKCが出力される。キーコード
KCは周期信号発生回路6に供給され、これによって周
期信号発生回路6から押下鍵音高に対応した周期の周期
信号NqFが出力される。この周期信号NqFは読出し
アドレス情報発生装置8に供給される。一方、キースイ
ッチ回路5から出力されるキーオン信号KONも読出し
アドレス情報発生装置8に供給される。
【0032】読出しアドレス情報発生装置8は、キーオ
ン信号KONの立上り部分において初期状態化される。
そして、まず第1読出し順位の周期別アドレス情報ZX
A[Mn]を初期値として「ZXA[Mn]+AL」の
値まで周期信号NqFの周期で順次増加する読出し用ア
ドレス情報RAを繰り返し読出し回数情報Rnで指定さ
れた回数だけ繰り返し発生する。このようにして発生さ
れる読出し用アドレス情報RAはメモリ制御装置9を介
して楽音データメモリ1に供給される。これによって、
第1読出し順位に設定されている順番号情報Mnに対応
する周期別楽音信号GD1が繰り返し読出し回数情報R
nで指定された回数だけ楽音データメモリ1から読出さ
れる。第1読出し順位の選択情報SD(Mn,Rn)に
基づく周期別楽音信号GD1の読出しが終了すると、次
には第2読出し順位の選択情報SD(Mn,Rn)に基
づく周期別楽音信号GD1の読出しが同様に行われる。
【0033】その後押鍵中(キーオン信号KONが
“1”の期間中)において、持続順番号情報CNnに対
応する周期別楽音信号GD1の読出しが読出し用アドレ
ス情報RAによって指定されると、以後該情報CNnに
対応する周期別楽音信号GD1が繰り返し読出される。
この繰り返し読出しはキーオン信号KONが“0”にな
るまで続行される。これによって、発生楽音の持続部分
が形成される。そして、押下鍵が解放されると、次の読
出し順位の選択情報SD(Mn,Rn)に基づく周期別
楽音信号GD1の読出しが再び続行される。この後、終
了順番号情報Enに対応する周期別楽音信号GD1の読
出しが読出し用アドレス情報RAによって指定される
と、以後該情報Enに対応する周期別楽音信号GD1が
繰り返し読出される。この繰り返し読出しは次の新たな
鍵が押鍵されるまで続行される。これによって発生楽音
の終了部分が形成される。以上のようにして楽音データ
メモリ1から読出された周期別楽音信号GD1は連続的
に発音装置10に供給される。これによって発音装置1
0から選択情報SDに対応した楽音が発生される。
【0034】(3) 各部の詳細説明 次に、この発明による電子楽器の要部である周期別楽音
信号検出装置3および読出しアドレス情報発生装置8に
ついて詳細に説明する。 (周期別楽音信号検出装置3)周期別楽音信号検出装置
3は、いわゆるマイクロプロセッサ等で構成され、次に
述べるような方法によって周期別楽音信号を検出する。周期別楽音信号の検出方法 周期別楽音信号GD1を前述したように定義づけた場
合、楽音データメモリ1には複数の周期別楽音信号GD
1が記憶されていることになる。しかし、この楽音デー
タメモリ1に記憶されている複数の周期別楽音信号GD
1は各周期毎に分離されて記憶されているものでなく、
連続的な楽音信号GDとして記憶されているものであ
る。従って、この連続的な楽音信号GDから周期毎の周
期別楽音信号GD1を指定して読出すためには、まず各
周期の基点を定めなくてはならない。そこで、この実施
例においては、次のような条件に基づいて各周期別楽音
信号GD1の基点を定めるようにしている。
【0035】条件A(楽音信号振幅が零振幅値となるゼ
ロクロスサンプル点であること) [条件Aの説明];これは、図2の波形図に示したよう
に、ほぼ同一波形形状が繰り返される楽音信号の場合、
“周期の基点”はどのサンプル点でも採用し得るが、楽
音信号振幅が零振幅値となるゼロクロスサンプル点を採
用するのが一般的であるためである。
【0036】条件B(楽音信号振幅が正方向に変化する
ときのゼロクロスサンプル点であること) [条件Bの説明];楽音信号振幅が零振幅値となるゼロ
クロスサンプル点は、楽音信号振幅が正の値から負の値
へ変化するときの負方向のゼロクロスサンプル点と、楽
音信号振幅が負の値から正の値へ変化するときの正方向
のゼロクロスサンプル点との2種類ある。この実施例で
は正方向のゼロクロスサンプル点を採用している。
【0037】条件C(ある一定の楽音信号期間において
複数個の正方向ゼロクロスサンプル点が存在するときに
は、各正方向ゼロクロスサンプル点を中心とした所定期
間における楽音信号振幅の積分値が最大値を示す正方向
ゼロクロスサンプル点とすること) [条件Cの説明];図2の波形図に示すように、高調波
成分が多く含まれる楽音信号の場合、図2の波形図にお
いてa1、b1,c1またはa2,b2,c2の記号で示すよ
うにある一定の楽音信号期間に複数個の正方向ゼロクロ
スサンプル点が現れる。このような場合において、例え
ば記号b1 で示される正方向ゼロクロスサンプル点を採
用したとすると、次の楽音信号期間には記号b1 で示さ
れる正方向ゼロクロスサンプル点に相当する記号b2
示される正方向ゼロクロスサンプル点が存在するが、さ
らに次の楽音信号期間においてはこの記号b1 およびb
2 で示される正方向ゼロクロスサンプル点に相当するも
のは存在しない。このため、周期別楽音信号期間が不安
定なものとなる。
【0038】つまり、図2の波形図において記号b1
よびb2 およびc1 ,c2 で示される正方向ゼロクロス
サンプル点は、高調波成分のレベル変動や位相変動など
によって容易に生じたり消滅したりして不安定な正方向
ゼロクロスサンプル点となる。このような不安定な正方
向ゼロクロスサンプル点を周期別楽音信号の基点として
設定した場合には周期別楽音信号期間が不安定なものと
なることは明らかである。逆に、図2の波形図において
記号 a1,a2,a3,a4 で示されるような正方向ゼロ
クロスサンプル点は、その前後期間における振幅値が十
分大きいため、高調波成分のレベル変動や位相変動があ
っても大きな影響を受けず、相当長い楽音信号期間に亘
って存在するものと考えられる。従って、このような正
方向ゼロクロスサンプル点を周期別楽音信号の基点とし
て設定した場合には周期別楽音信号期間は比較的安定し
たものとなることが考えられる。
【0039】そこで、記号a1,a2,a3,a4で示され
るような正方向ゼロクロスサンプル点を周期別楽音信号
の基点として設定するため、図4の波形図において示す
ように、楽音信号の全期間におけるある一定の楽音信号
期間Tmに存在する複数個の正方向ゼロクロスサンプル
点a5,b6,c6 の各々を中心とした前後の所定期間T
αにおける楽音信号振幅の積分値Sa5,Sb6,Sc6を求
め、この求めた積分値のうち最大値を示す積分値Sa5
対応する正方向ゼロクロスサンプル点a5 を検出するよ
うにしている。この場合の検出処理の手順としては、楽
音の立上り付近における楽音信号は高調波成分のレベル
変動や位相変動が大きいため、楽音が充分安定したとき
の楽音信号期間においてまず楽音信号全期間の中の基準
となる正方向ゼロクロスサンプル点を上述した方法によ
って定め、この後この基準正方向ゼロクロスサンプル点
を中心にアタック方向,デイケイ方向へ順次検出範囲を
移動させるようにしている。
【0040】以上のようにして、周期別楽音信号の基点
となる正方向ゼロクロスサンプル点の設定が行われる
が、この基点となる正方向ゼロクロスサンプル点に対応
する終点に相当する正方向ゼロクロスサンプル点、すな
わち次の周期の周期別楽音信号の基点となる正方向ゼロ
クロスサンプル点は次のようにして設定される。つま
り、ある周波数の楽音を所定周期で順次サンプリングし
た場合、その楽音信号の周期に相当するサンプル点数は
予測できる(このサンプル点数をn個とする)。このた
め、上述の条件Cの項において説明したように、ある1
つの周期別楽音信号の基点となる正方向ゼロクロスサン
プル点が設定されれば、この設定した正方向ゼロクロス
サンプル点を中心として「+n+β」の範囲における正
方向ゼロクロスサンプル点を検出し、この検出した正方
向ゼロクロスサンプル点のうち、上述の条件Cに合致し
た正方向ゼロクロスサンプル点を1周期後の周期別楽音
信号の基点として設定する。すなわち、図5の波形図で
示すように、1周期後の周期別楽音信号の基点となる正
方向ゼロクロスサンプル点を設定する場合、最初に設定
した正方向ゼロクロスサンプル点a0 を基準点として
「+n+β」の範囲における正方向ゼロクロスサンプル
点a1 を検出し、この正方向ゼロクロスサンプル点a1
を新たな周期別楽音信号の基点として設定する。
【0041】この場合、「+n+β」の範囲において上
記条件Cに合致する正方向ゼロクロスサンプル点が存在
しなかった場合は検出範囲をさらに延長し、前述の条件
Cにおける積分値の大小に関係なく初めての正方向ゼロ
クロスサンプル点を新たな基点として設定する。なお、
最初に基点を検出したある周期の周期別楽音信号よりも
前の周期における周期別楽音信号の基点となる正方向ゼ
ロクロスサンプル点を検出する場合は、最初に検出した
正方向ゼロクロスサンプル点を基準点として「−n−
β」の範囲における正方向ゼロクロスサンプル点を上述
の場合と同様に検出するようにすれば良い。以上が周期
別楽音信号の基点となる正方向ゼロクロスサンプル点の
基本的な設定方法であるが、これ以外に各種の複雑な楽
音信号に対処するため、以下のケースA〜Bで示すよう
な設定方法が実行される。
【0042】ケースA(ゼロクロスサンプル点が存在し
ない場合) [ケースAの説明];前述したように、周期別楽音信号
の基点は、ある一定の楽音信号期間Tmに存在する複数
個の正方向ゼロクロスサンプル点のうち、各正方向ゼロ
クロスサンプル点を中心とした所定期間Tαにおける楽
音信号振幅の積分値が最大値を示す正方向ゼロクロスサ
ンプル点に設定されるが、楽音信号をサンプリングする
際のサンプリング周期に制限があるため、図6の波形図
に示すように、順次サンプル点a10〜a15の中に正方向
ゼロクロスサンプル点が存在しない場合がある。このよ
うな場合、楽音信号振幅が零振幅値となる前後のサンプ
ル点(図6の波形図の場合a12とa13)のうち、その絶
対値振幅が小さい方のサンプル点を正方向ゼロクロスサ
ンプル点として設定する。図6の波形図の場合、サンプ
ル点a12を正方向ゼロクロスサンプル点として設定す
る。
【0043】ケースB(条件Cに該当する正方向ゼロク
ロスサンプル点が2個以上あった場合) [ケースBの説明];図7の波形図において、前述の条
件Cに従って基準の正方向ゼロクロスサンプル点a0
設定した後、1周期後の正方向ゼロクロスサンプル点を
設定しようとする場合、「a0 +n±β」の範囲におい
て前記条件Cに該当する2個(以上)の正方向ゼロクロ
スサンプル点a1,a2が存在することがある。このよう
な場合は、各正方向ゼロクロスサンプル点a1,a2の前
後における各波形形状と検出基準の正方向ゼロクロスサ
ンプル点a0 の前後における波形形状との相関関係を比
較し、相関関係の大きい方の正方向ゼロクロスサンプル
点を採用する。この相関関係の比較判定は簡易的に次の
ようにして行われる。
【0044】つまり、図8(a)および図8(b)に示
すように、正方向ゼロクロスサンプル点a0 を通る楽音
信号波形f(t)と正方向ゼロクロスサンプル点a1
通る楽音信号波形g1(t) とが区間「−t〜+t」に
おいて囲む面積(|f(t)−g1(t)|の積分) を
求め、また楽音信号f(t)と正方向ゼロクロスサンプ
ル点a2 を通る楽音信号波形g2(t) とが区間「−t
〜+t」において囲む面積(|f(t)−g2(t)|
の積分) を求め、この求めた面積のうち小さい面積の
方に該当する正方向ゼロクロスサンプル点を基準の正方
向ゼロクロスサンプル点a0 と最も相関関係の大きいも
のとして判定する。図7における正方向ゼロクロスサン
プル点a1とa2の場合、図8(a)および(b)からも
明らかなように、正方向ゼロクロスサンプル点a2 が基
準の正方向ゼロクロスサンプル点a0 の1周期後におけ
る基点として設定される。
【0045】そして、全体的な処理としては以上のよう
な条件に基づき、前述のように第1番目にまず、楽音が
充分安定した楽音信号期間において基準となる基準正方
向ゼロクロスサンプル点を設定しておき、基準正方向ゼ
ロクロスサンプル点を基準として1周期前,2周期前・
・・という具合に楽音信号の開始部分に至るまでの正方
向ゼロクロスサンプル点を順次設定し、次に第1番目に
設定した基準正方向ゼロクロスサンプル点を基準として
1周期後,2周期後・・・という具合に楽音信号の減衰
部分までの正方向ゼロクロスサンプル点を順次設定す
る。このようにすることによって楽音の開始から終了に
至るまでの各周期別楽音信号の基点が全て設定される。
なお、以下においては基準正方向ゼロクロスサンプル点
に対応する周期別楽音信号を基準周期別楽音信号GD1
mという。
【0046】従って、楽音の開始から終了に至るまでの
楽音信号GDのうち、所望の周期別楽音信号GD1を指
定して読出すには次のような指定方法をとれば良い。 (イ) 各周期の基点としての正方向ゼロクロスサンプ
ル点に対応する楽音データメモリ1のアドレスを基点ア
ドレス情報として与え、この基点アドレス情報によって
所望の周期別楽音信号GD1を指定する。 (ロ) 各周期の基点および終点としての正方向ゼロク
ロスサンプル点に対応する楽音データメモリ1のアドレ
スを基点アドレス情報および終点アドレス情報として与
え、これらの情報によって所望の周期別楽音信号GD1
を指定する。 (ハ) 各周期別楽音信号GD1が楽音データメモリ1
に記憶されている順番を表わす順番号情報を与え、この
順番号情報がいずれの基点アドレス情報に該当するかを
解読し、これによって所望の周期別楽音信号GD1を指
定する。 (ニ) 各周期別楽音信号GD1別に楽音データメモリ
1におけるメモリ領域を定め、このメモリ領域を表わす
情報によって所望の周期別楽音信号GD1を指定する。
この(ニ)の方法は、前記(ロ)の方法による場合と実
際上は同一となる。 この実施例の電子楽器においては、前記(ハ)の指定方
法を採用している。
【0047】図9〜図11は周期別楽音信号検出装置3
における周期別楽音信号GD1の検出処理を示す詳細フ
ローチャートである。図9において、電子楽器の動作モ
ードが周期別楽音信号検出モード(ZXA検出モード)
に選択設定されると、周期別楽音信号検出装置3による
処理はステップ2041に示すように基準ZXA検出ル
ーチンの実行に移行し、このルーチンにおいて楽音信号
全期間の中で各周期別楽音信号GD1の検出基準となる
基準周期別楽音信号GD1mが検出される。つまり、基
準正方向ゼロクロスサンプル点が設定される。そして、
この後ステップ2042に示すように、ステップ204
1において設定された基準正方向ゼロクロスサンプル点
を検出基準として1周期前,2周期前,3周期前・・・
の周期別楽音信号GD1の基点部分に相当する正方向ゼ
ロクロスサンプル点が検出される。
【0048】このようにして楽音の立上り方向へ向かっ
ての各周期別楽音信号GD1の基点部分に相当する各正
方向ゼロクロスサンプル点の検出処理が行われ、この検
出処理を行うに当たり周期別楽音信号検出装置3から楽
音データメモリ1に対して順次送出していたアドレス情
報A3RWが楽音データメモリ1の前端アドレスを指定す
る値に達すると、ステップ2043の判断処理により検
出処理はステップ2044へ移行する。そして、このス
テップ2044および2045において、今度は基準正
方向ゼロクロスサンプル点を検出基準として1周期後,
2周期後,3周期後・・・の周期別楽音信号GD1の基
点部分に相当する正方向ゼロクロスサンプル点が楽音の
終端部分に至るまで順次検出される。このようにして各
周期別楽音信号GD1の基点部分に対応する正方向ゼロ
クロスサンプル点が検出され、この各正方向ゼロクロス
サンプル点に対応する楽音データメモリ1のアドレスを
表わす基点アドレス情報が周期別アドレス情報ZXAと
して周期別アドレス情報メモリ4に記憶される。
【0049】図10は基準ZXA検出ルーチンをさらに
詳細に示すフローチャートである。図10において、ス
テップ2050に示すようにまず、楽音データメモリ1
に記憶されている楽音信号GDのうち、外部入力楽音の
安定部分に対応する楽音信号GDが記憶されているアド
レス領域Eの一端を示すアドレス情報Aが周期別楽音信
号検出装置3内に設けられたアドレスカウンタADR・
Cに設定される。この後、ステップ2051に示すよう
に、アドレスカウンタADR・Cの内容に基づき楽音デ
ータメモリ1の対応するアドレスから楽音信号GDが読
出される。そして、次のステップ2052において、楽
音データメモリ1から読出した楽音信号GDがゼロ振幅
値に相当するかどうかが判断される。もし、ゼロ振幅値
に相当するものでなければ、ステップ2054に示すよ
うにアドレスカウンタADR・Cの内容(ADR・C)
が前記アドレス領域Eの他端を示すアドレス情報Bを越
えているかどうかが判断される。「(ADR・C)≦
B」であれば、アドレスカウンタADR・Cの内容はス
テップ2055においてインクリメント(+1)され、
ステップ2051の処理へ戻る。そして、新たなアドレ
スカウンタADR・Cの内容に基づき楽音データメモリ
1の対応するアドレスから新たな楽音信号GDが読出さ
れる。
【0050】そして、再びステップ2052において新
たな楽音GDがゼロ振幅値に相当するかどうかが判断さ
れる。もしゼロ振幅値に相当するものであれば、すなわ
ち当該アドレスカウンタADR・Cの内容で指定される
アドレスが正方向ゼロクロスサンプル点に対応するもの
であれば、この時のアドレスカウンタADR・Cの内容
および当該正方向ゼロクロスサンプル点を中心とした±
α領域における楽音信号GDの周辺面積値Sが一次記憶
される。この処理が終了すると、次のステップ2054
においてアドレスカウンタADR・Cの内容が前記アド
レス領域Eの他端を示すアドレス情報Bを越えているか
どうかが判断される。「(ADR・C)≦B」であれ
ば、アドレスカウンタADR・Cの内容はステップ20
55においてインクリメントされ、ステップ2051の
処理に戻る。そして、新たなアドレスカウンタADR・
Cの内容に基づき楽音データメモリ1の対応するアドレ
スから新たな楽音信号GDが読出される。そして、再び
ステップ2052において新たな楽音信号GDがゼロ振
幅値に相当するかどうかが判断される。
【0051】このようにして前記アドレス領域Eにおけ
る全ての正方向ゼロクロスサンプル点が検出され、その
正方向ゼロクロスサンプル点に対応する楽音データメモ
リ1のアドレスを表わすゼロクロスサンプル点アドレス
情報とこれに対応する周辺面積値Sとが一次記憶される
と、次にステップ2056において、各正方向ゼロクロ
スサンプル点に関する周辺面積値Sのうち最大の周辺面
積値を示す正方向ゼロクロスサンプル点が判別抽出され
る。そして、この判別抽出した正方向ゼロクロスサンプ
ル点を楽音信号全期間の中の基準ゼロクロスサンプル点
とし、これに対応する基準ゼロクロスサンプル点アドレ
ス情報が一次記憶される。そして、この基準ゼロクロス
サンプル点アドレス情報に基づいて1周期前,2周期前
・・・または1周期後,2周期後・・・における周期別
楽音信号GD1の基点部分に相当する正方向ゼロクロス
サンプル点が順次検出される。
【0052】図11は図9のステップ2044の1周期
後ZXA検出ルーチンをさらに詳細に示すフローチャー
トである。図11において、ステップ2070に示すよ
うに、まずアドレスカウンタADR・Cに基準ゼロクロ
ス点アドレス情報が初期値として設定される。次に、ス
テップ2071において、アドレスカウンタADR・C
の内容に定数nが加算される。この定数nは図5の波形
図において示したサンプル点数nに相当する。次に、ス
テップ2072において、アドレスカウンタADR・C
の内容が「+1」だけ増加される。そして、このアドレ
スカウンタADR・Cの内容に基づいて楽音データメモ
リ1の対応するアドレスから楽音信号GDが読出され、
次のステップ2073においてこの楽音信号GDがゼロ
振幅値に相当するかどうかが判断される。もし、ゼロ振
幅値に相当するものでなければ、ステップ2075にお
いて検査点数がβ個を越えたかどうかが判断される。こ
の「β」は図5の波形図に示したサンプル点数βに相当
する。
【0053】ステップ2075の判断処理の結果、「検
査点数≦β」であれば、アドレスカウンタADR・Cの
内容はステップ2072においてインクリメント(+
1)される。そして、新たなアドレスカウンタADR・
Cの内容に基づき新たな楽音信号GDが読出される。そ
して再びステップ2073において新たな楽音信号GD
がゼロ振幅値に相当するかどうかが判断される。もし、
正方向のゼロ振幅値に相当するものであれば、この時の
アドレスカウンタADR・Cの内容が一時記憶されると
共に、当該正方向ゼロクロスサンプル点を中心とした所
定区間「−t〜t」における楽音信号と先のステップ2
041(図9)で検出した基準正方向ゼロクロス点を中
心とした所定区間「−t〜t」における楽音信号(基準
楽音信号GD1m)との相関関係が求められ、この相関
関係が一時記憶される。この処理が終了すると、次のス
テップ2075において検査点数がβ個を越えたかどう
かが判断される。「検査点数≦β」であれば、アドレス
カウンタADR・Cの内容はステップ2072において
インクリメントされ、この後再びステップ2073の判
断処理が行われる。
【0054】このようにして、基準ゼロクロスサンプル
点から「+n」だけ離れたところの「+β」区間におけ
る正方向ゼロクロスサンプル点が順次検出されるが、次
のステップ2076において「+β」区間の中に正方向
ゼロクロスサンプル点が存在したかどうかが判断され
る。正方向ゼロクロスサンプル点が存在すれば、次のス
テップ2078においてステップ2074の処理で記憶
した相関係数のうち相関係数が最大の正方向ゼロクロス
サンプル点が判別抽出され、これが1周期後の基点とし
て設定される。ステップ2076の判断処理において、
もし正方向ゼロクロスサンプル点が存在しなければ、ア
ドレスカウンタADR・Cの内容はステップ2077に
おいて正方向ゼロクロスサンプル点が検出されるまで順
次インクリメントされる。そして、この場合には最初に
検出された正方向ゼロクロスサンプル点が1周期後の基
点として設定される。
【0055】このようにして、まず1周期後の周期別楽
音信号GD1の基点部分に相当する正方向ゼロクロスサ
ンプル点が設定される。そして、次にはさらに1周期後
の周期別楽音信号GD1の基点部分に相当する正方向ゼ
ロクロスサンプル点を設定するため、ステップ2079
において楽音データメモリ1に対するアドレス情報A3
RWが該メモリ1の後端アドレスに相当するかどうかが検
出される。もし、後端アドレスに達していなければ、ス
テップ2071において現在のアドレスカウンタADR
・Cの内容にさらに定数nが加算される。そして、この
新たなアドレスカウンタADR・Cの内容に基づきさら
に1周期後、つまり2周期後の周期別楽音信号GD1の
基点部分に相当する正方向ゼロクロスサンプル点が上記
の場合と同様にして設定される。この処理は、楽音デー
タメモリ1に対するアドレス情報A3RWが後端アドレス
に達するまで繰り返し行われる。以上の処理によって基
準正方向ゼロクロスサンプル点から1周期後,2周期
後,3周期後・・・における各周期別楽音信号GD1の
基点部分に相当する正方向ゼロクロスサンプル点が順次
設定される。
【0056】なお、図9のステップ2042の1周期前
ZXA検出ルーチンにおける処理も同様な方法で実施さ
れる。このため、その説明は省略する。以上のようにし
て各周期別楽音信号GD1が検出され、その基点部分が
記憶されている楽音データメモリ1のアドレスが周期別
アドレス情報ZXAとして周期別アドレス情報メモリ4
に記憶されると、次にはモードスイッチOP・SWによ
って電子楽器の動作モードが演奏モードに設定される。
【0057】(読出しアドレス情報発生装置8)図12
はアドレス情報発生装置8の一実施例を示すブロック図
である。図12において、読み出しアドレス情報発生装
置8は、選択情報メモリ800,スタートアドレス情報
メモリ801,読出し回数情報メモリ802,持続アド
レス情報メモリ803,終了アドレス情報メモリ80
4,アドレス長情報メモリ805,演算装置806,プ
ログラムメモリ807,アドレスポインタ808,カウ
ンタ809および810,比較器811,812,81
3,814、加算器815,ワンショット回路816を
備えている。
【0058】選択情報設定装置7において設定された前
述の選択情報SDとしての順番号情報Mn,繰り返し読
出し回数情報Rn,持続順番号情報CNn,終了順番号
情報Enは選択情報メモリ800に入力され記憶され
る。そして、この選択情報メモリ800に記憶された各
情報Mn,Rn,CNn,Enのうち情報Mn,CN
n,Enは、それぞれ対応する周期別楽音信号GD1が
記憶されている楽音データメモリ1におけるアドレスを
表わす周期別アドレス情報ZXA[Mn],ZXA[C
Nn],ZXA[En]に変換され、ZXA[Mn]が
スタートアドレス情報SAとして、またZXA[CN
n]が持続アドレス情報CNAとして、またZXA[E
n]が終了アドレス情報EAとしてそれぞれスタートア
ドレス情報メモリ801,持続アドレス情報メモリ80
3,終了アドレス情報メモリ804に記憶される。情報
Mn,CNn,Enの変換処理は、演算装置806によ
って実行される。
【0059】一方、繰り返し読出し回数情報Rnはその
まま読出し回数情報メモリ802へ転送されて記憶され
る。この場合、選択情報メモリ800,スタートアドレ
ス情報メモリ801,読出し回数情報メモリ802,持
続アドレス情報メモリ803,終了アドレス情報メモリ
804,アドレス長情報メモリ805は、演算装置80
6のI/Oデバイスとして構成されている。演算装置8
06は、モードスイッチOP・SWから“1”の演算モ
ード信号OP3 が供給されている状態において、選択情
報メモリ800に記憶されている選択情報SDのうちま
ず持続順番号情報CNnおよび終了順番号情報Enを読
出して、この情報CNnおよびEnに対応する周期別ア
ドレス情報ZXA[CNn]およびZXA[En]を周
期別アドレス情報メモリ4の記憶内容に基づき検出し、
この検出した周期別アドレス情報ZXA「CNn]およ
びZXA[En]をそれぞれ持続アドレス情報CNAお
よび終了アドレス情報EAとしてデータバスD・BUS
を介し1ワード構成の持続アドレス情報メモリ803お
よび終了アドレス情報メモリ804にそれぞれ転送し記
憶させる。
【0060】続いて、演算装置806は選択情報メモリ
800から周期別楽音信号GD1の読出し順位毎の順番
号情報Mn,繰り返し読出し回数情報Rnを読出し、繰
り返し読出し回数情報RnはそのままデータバスD・B
USを介して読出し回数情報メモリ802へ転送し、順
番号情報Mnは該情報Mnに対応した周期別アドレス情
報ZXA[Mn]を周期別アドレス情報メモリ4の記憶
内容に基づき検出し、この情報ZXA[Mn]をスター
トアドレス情報SAとしてデータバスD・BUSを介し
てスタートアドレス情報メモリ801に転送する。この
時、演算装置800はアドレスポインタ808に対して
これらの書込み情報(Rn,SA)の書込みアドレスを
表わすアドレス情報をデータバスD・BUSを用いて転
送し、アドレスポインタ808から制御アドレス情報A
Piとして出力させる。すると、スタートアドレス情報
メモリ801および読出し回数情報メモリ802の制御
アドレス情報APiで指定されるアドレスには前記スタ
ートアドレス情報SAおよび繰り返し読出し回数情報R
nがそれぞれ記憶される。
【0061】ところで、この場合、周期別アドレス情報
メモリ4は演算装置806と周期別楽音信号検出装置3
の双方からアクセス可能なように構成されており、情報
Mn,CNn,Enの各々に対応する周期別アドレス情
報ZXA[Mn],ZXA[CNn],ZXA[En]
を演算装置806が検出する場合、まず演算装置806
は周期別アドレス情報メモリ4に対して“0”のモード
制御信号MD4を送り、周期別アドレス情報メモリ4を
リードモードとする。続いて、選択情報メモリ800に
記憶されている持続順番号情報CNnを読出し、該情報
CNnに「+1」した情報「CNn+1」をアドレスバ
スA・BUSを介して読出し用のアドレス情報A4R
して周期別アドレス情報メモリ4に供給する。すると、
周期別アドレス情報メモリ4から情報「CNn+1」に
対応した周期別アドレス情報ZXA[CNn+1]が読
出される。つまり、周期別アドレス情報メモリ4からは
持続順番号情報CNn対応する周期別楽音信号GD1の
終点部分が記憶されている楽音データメモリ1のアドレ
スを表わす情報ZXA[CNn+1]が読出される。こ
のようにして読出された情報ZXA[CNn+1]は、
周期別アドレス情報ZXA[CNn]として持続アドレ
ス情報メモリ803に転送されることによって記憶され
る。
【0062】次に、演算装置806は選択情報メモリ8
00に記憶されている終了順番号情報Enを読出し、該
情報Enに「+1」した情報「En+1」を読出し用の
アドレス情報A4R として周期別アドレス情報メモリ4
に供給する。すると、周期別アドレス情報メモリ4から
は終了順番号情報Enに対応する周期別楽音信号GD1
の終点部分が記憶されている楽音データメモリ1のアド
レスを表わす情報ZXA[En+1]が読出される。こ
のようにして読出された情報ZXA[En+1]は、周
期別アドレス情報ZXA[En]として終了アドレス情
報メモリ804に転送されることによって記憶される。
【0063】ここで、情報CNnおよびEnにそれぞれ
「+1」した情報「CNn+1」および「En+1」を
周期別アドレス情報メモリ4にアドレス情報として供給
しているのは、該メモリ4に記憶されている周期別アド
レス情報ZXAが各周期別楽音信号GD1の基点部分の
記憶アドレスに相当するものであり、情報CNnおよび
Enでそれぞれ指定される周期別楽音信号GD1の終点
部分の記憶アドレスは次の周期の周期別楽音信号GD1
の基点部分の記憶アドレスに該当するからである。この
ようにして周期別アドレス情報ZXA[CNn],ZX
A[En]の検出処理が終わると、演算装置806は各
読出し順位毎の順番号情報Mnを選択情報メモリ800
から読出し、該情報Mnを読出し用のアドレス情報A4
R として周期別アドレス情報メモリ4に供給する。これ
によって、周期別アドレス情報メモリ4から情報Mnに
対応した周期別アドレス情報ZXA[Mn]が読出され
る。この読出された周期別アドレス情報ZXA[Mn]
はスタートアドレス情報SAとしてスタートアドレス情
報メモリ801に転送されて記憶される。
【0064】以上のようにしてメモリ801〜804に
対する各種情報の書込み処理が終了すると、次に順番号
情報Mnで指定された周期別楽音信号GD1の楽音デー
タメモリ1における記憶アドレスT洋画周期別アドレス
情報メモリ4の記憶内容に基づき検出される。つまり、
この実施例において、周期別アドレス情報ZXAは前述
したように周期別楽音信号GD1の基点部分が記憶され
ている楽音データメモリ1のアドレスを表わしている。
従って、ある所望の周期別楽音信号GD1を楽音データ
メモリ1から読出すためには、該周期別楽音信号GD1
の基点アドレスと共にその記憶アドレス長を知ることが
必要である。そこで、演算装置806は、選択情報メモ
リ800に記憶された順番号情報Mnに対応する周期別
楽音信号GD1の次の周期別楽音信号GD1に関する周
期別アドレス情報ZXAを周期別アドレス情報メモリ4
から読出す。この読出し処理は、上記順番号情報Mnに
対して「+1」を加算し、この加算値「Mn+1」を周
期別アドレス情報メモリ4に読出し用のアドレス情報A
R として供給することによって実現される。
【0065】これによって、次のアドレスに記憶されて
いる周期別楽音信号GD1の周期別アドレス情報ZXA
[Mn+1]がわかり、この情報ZXA[Mn+1]と
上記順番号情報Mnに対応する周期別アドレス情報ZX
A[Mn]との差を演算すれば、情報Mnに対応する周
期別楽音信号GD1の楽音データメモリ1における記憶
アドレス長を知ることができる。このようにして検出さ
れた情報Mnに対応する周期別楽音信号GD1の記憶ア
ドレス長情報ALはデータバスD・BUSを介してアド
レス長情報メモリ805に転送され、アドレスポインタ
808から出力される制御アドレス情報APiで指定さ
れる該メモリ805のアドレスに記憶される。この場
合、同一読出し順位に関するスタートアドレス情報S
A,繰り返し読出し回数情報Rn,アドレス長情報AL
は、同一制御アドレス情報APiで指定されるスタート
アドレス情報メモリ801,読出し回数情報メモリ80
2,アドレス長情報メモリ805のアドレスに記憶され
る。以上の処理は、プログラムメモリ807に記憶され
たプログラムに従って実行される。
【0066】次に、以上の処理が終了した段階におい
て、鍵盤部で押鍵操作が行われると、キースイッチ回路
5からキーオン信号KONが供給されると共に、周期信
号発生回路6から押下鍵音高に対応した周期信号NqF
が供給される。すると、キーオン信号KONは演算装置
806に対して演算開始コマンドとして入力され、これ
によって演算装置806は動作停止状態となり、スター
トアドレス情報メモリ801,読出し回数情報メモリ8
02,アドレス長情報メモリ805に対するアドレス制
御の主体はアドレスポインタ805に移される。一方、
キーオン信号KONはワンショット回路816にトリガ
信号として入力され、これによってワンショット回路8
16から狭いパルス幅のキーオンパルスKONPが出力
される。このキーオンパルスKONPはアドレスポイン
タ805,カウンタ809および810にリセット信号
として供給され、これによってアドレスポインタ80
5,カウンタ809および810はリセットされる。こ
の状態において、周期信号NqFがカウンタ809のク
ロック入力端子(CK)に順次供給されると、カウンタ
809は周期信号NqFをカウントし、その出力から該
信号NqFの周期で順次増加する歩進情報Q(Q=1,
2,3・・・)を出力する。
【0067】一方、アドレスポインタ808はキーオン
パルスKONPによってリセットされたことにより
「0」の制御アドレス情報APiを出力し、メモリ80
1,802および805に対して「0」番地に記憶され
ている情報の読出しを指定している。従って、これらの
メモリ801,802および805において周期別楽音
信号の読出し順位毎の記憶内容が次の表5に示すような
ものである場合、スタートアドレス情報メモリ801か
らは「1275」のスタートアドレス情報SAが出力さ
れ、また読出し回数情報メモリ802からは「3」の繰
り返し読出し回数情報Rnが出力され、またアドレス長
情報メモリ805からは「253」のアドレス長情報メ
モリALが出力される。一方、持続アドレス情報メモリ
803からは「4572」の持続アドレス情報が出力さ
れ、また終了アドレス情報メモリ704からは「759
7」の終了アドレス情報EAが出力される。
【0068】
【表5】
【0069】このようにして読出された情報SA,R
n,AL,CNA,EAのうち「1275」のスタート
アドレス情報SAは加算器815に供給され、ここにお
いてカウンタ809から出力される歩進情報Qと加算さ
れる。この加算器815において得られた加算値「SA
+Q」は、初期値を「1275」とし以後歩進情報Qの
順次増加に伴って順次増加する読出し用アドレス情報R
Aとして出力される。一方において、アドレス長情報メ
モリ805から読出された「253」のアドレス長情報
ALは比較器811に入力され、ここにおいてカウンタ
809から出力される歩進情報Qが「Q=AL」となっ
たかどうかの検出が行われる。つまり、スタートアドレ
ス情報SAでその基点部分のアドレスが指定された周期
別楽音信号GD1はその終点部分に至るまで読出しが終
了したかどうかが検査される。もし、「Q=AL」とな
っていれば、比較器811の比較結果出力端子(B≧
A)から1周期読出し終了信号REが出力される。この
1周期読出し終了信号REはカウンタ809に対してリ
セット信号として与えられると共に、カウンタ810の
カウント入力として与えられる。これによって、歩進情
報Qを出力するカウンタ809はリセットされ、再び
「0」の値から周期信号NqFの周期で順次増加する歩
進情報Qを出力するようになる。この結果、加算器81
5からは「1275」のスタートアドレス情報SAを初
期値とする第2回目の読出し用アドレス情報RAが出力
されるようになる。
【0070】一方、カウンタ810は比較器811から
供給される1周期読出し終了信号REによってカウント
アップされ、その出力から「1」の読出し回数現在値情
報nREを出力する。この読出し回数現在値情報nRE
は比較器812に入力され、ここにおいて読出し回数情
報メモリ802から読出された繰り返し読出し回数情報
Rnと比較される。もし、「Rn=nRE」となってい
れば、スタートアドレス情報SAでその基点部分が指定
された周期別楽音信号GD1は繰り返し読出し回数情報
Rnで指定された回数だけ読出しが終了したものとさ
れ、比較器812の比較結果出力端子(B≧A)から指
定回数読出し終了信号REEが出力される。しかし、表
5の例のように、「1275」のスタートアドレス情報
SAで指定される周期別楽音信号GD1に関する繰り返
し読出し回数情報Rnが「Rn=3」に設定されている
場合、「1275」のスタートアドレス情報SAで指定
される周期別楽音信号GD1の読出しが3回終了するま
では指定回数終了信号REEは出力されない。その後、
「1275」のスタートアドレス情報SAで指定される
周期別楽音信号GD1の第3回目の読出し用アドレス情
報RAが「RA=AL」となると、比較器811から第
3回目の1周期読出し終了信号REが出力される。
【0071】これによって、カウンタ810から出力さ
れている読出し回数現在値情報nREは「nRE=3」
となり、その結果比較器812から指定回数読出し終了
信号REEが出力される。この指定回数読出し終了信号
REEはアドレスポインタ808に対してインクリメン
ト信号として供給されると共に、カウンタ810に対し
てリセット信号として供給される。これによって、カウ
ンタ810はリセットされる一方、アドレスポインタ8
08はその内容がインクリメントされて新たに「1」の
制御アドレス情報APiが出力されるようになる。この
結果、次には読出し順位の2番目に当たる「2296」
(前記表5)のスタートアドレス情報SAで指定される
周期別楽音信号GD1を読出すための読出し用アドレス
情報RAが前述の場合と同様にして出力される。このよ
うにして各読出し順位におけるスタートアドレス情報S
Aで指定される周期別楽音信号GD1を楽音データメモ
リ1から読出すための読出し用アドレス情報RAが出力
されるが、その後においてこの読出し用アドレス情報R
Aが持続アドレス情報CNAと一致すると、比較器81
3の比較結果出力端子(B≧A)から持続アドレス到達
検出信号CNDが出力される。
【0072】この持続アドレス到達検出信号CNDはナ
ンドゲート817に入力されるが、この持続アドレス到
達検出信号CNDが出力された時点においてキースイッ
チ回路5から“1”のキーオン信号KONが出力されて
いれば、すなわちいずれかの鍵が押鍵中であれば、ナン
ドゲート817の条件が成立して、このナンドゲート8
17の出力は“0”となり、これによってアンドゲート
818から“0”のイネーブル信号ENBがカウンタ8
10のイネーブル信号端子(E)に供給される。これに
よって、カウンタ810はナンドゲート817の条件が
不成立となるまで、すなわち押鍵中の鍵が解放されてキ
ーオン信号KONが“0”となるまでカウント動作が禁
止される。つまり、押鍵中において読出し用アドレス情
報RAが持続アドレス情報CNAと一致すると、鍵が解
放されるまでカウンタ810のカウント動作は停止状態
となる。このため、カウンタ810の内容は1周期読出
し終了信号REが入力されても歩進せず、その結果とし
て比較器812は鍵が解放されるまでアドレスポインタ
808のインクリメント信号としての指定回数読出し終
了信号REEの送出を停止する。このため、当該読出し
順位のスタートアドレス情報SAで指定された周期別楽
音信号GD1の読出し用アドレス情報RAが鍵が解放さ
れるまで何回も繰り返し出力される。
【0073】その後、押鍵中の鍵が解放されると、ナン
ドゲート817の出力は“1”となり、アンドゲート8
18からは“1”のイネーブル信号ENBが出力されて
カウンタ810はカウント動作可能な状態に復帰する。
そして、そのカウント値、すなわち読出し回数現在値情
報nREが当該読出し順位の繰り返し読出し回数情報R
nと一致すると、比較器812から指定回数読出し終了
信号REEが出力されてアドレスポインタ808の内容
がインクリメントされる。これによって、新たな読出し
順位のスタートアドレス情報SAで指定される周期別楽
音信号GD1の読出し用アドレス情報RAが前述の場合
と同様にして作られる。この場合、読出し用アドレス情
報RAが持続アドレス情報CNAと一致する以前におい
て鍵が解放されると、ナンドゲート817の出力は
“1”のままで“0”にならず、この結果以後の各読出
し順位毎のスタートアドレス情報SAおよび繰り返し読
出し回数情報Rnに従って読出し用アドレス情報RAが
作られる。従って、持続アドレス情報CNAを設けると
いうことは、鍵が押鍵されている期間中において発生楽
音の持続部分を延長するという意味がある。
【0074】その後、読出し用アドレス情報RAが終了
アドレス情報EAと一致すると、比較器814から終了
アドレス到達検出信号EADが出力される。この終了ア
ドレス到達検出信号EADはナンドゲート819に入力
されるが、この時ナンドゲート819の一方の入力に供
給されているインバータ820の出力信号バーKONが
“1”であれば、すなわち鍵が解放されていれば、ナン
ドゲート819の条件が成立してその出力は“0”とな
り、これによりアンドゲート818から“0”のイネー
ブル信号ENBがカウンタ810のイネーブル信号端子
(E)に供給される。このため、比較器811から1周
期読出し終了信号REが出力されてもカウンタ810の
内容は歩進せず、そのために比較器812からアドレス
ポインタ808のインクリメント信号としての指定回数
読出し終了信号REEも出力されず、その結果としてス
タートアドレス情報SAも新たな読出し順位のものに更
新されず、加算器815からは終了アドレス情報EAに
到達した読出し順位におけるスタートアドレス情報SA
で指定された周期別楽音信号GD1を読出すための読出
し用アドレス情報RAが何回も繰り返し作られる。この
繰り返し動作は、新たな押鍵操作に伴うキーオン信号K
ONが入力されるまで続けられる。
【0075】従って、以上のようにして作られる読出し
用アドレス情報RAを楽音データメモリ1にアドレス情
報A1RWとして供給することにより、楽音データメモリ
1からは選択情報SDで指定した各周期別楽音信号GD
1が順次読出され、この順次読出される各周期別楽音信
号GD1を発音装置10のDA変換器100によって対
応するアナログの楽音信号GAに変換し、この後所望の
振幅エンベロープの制御を行ってスピーカ102から発
音させると、選択情報SDに対応する複雑な音色の楽音
が得られる。
【0076】なお、この実施例では、選択情報SDとし
て所望の周期別楽音信号GD1に対応する順番号情報M
nおよびこの情報Mnで指定される周期別楽音信号GD
1の繰り返し読出し回数情報Rn,発生楽音の持続部分
および終了部分に対応する周期別楽音信号GD1を指定
する持続順番号情報CNnおよび終了順番号情報Enを
設定入力として与えるようにしているが、複数の読出し
順位に亘って同一番号情報Mnを設定すれば繰り返し読
出し回数情報Rnを設定した場合と同様な楽音が得られ
る。また、発生楽音の持続部分の長さおよび終了部分の
長さが固定されているものであれば、持続順番号情報C
Nnおよび終了順番号情報Enは設定する必要がないこ
とはもちろんである(順番号情報Mnおよび繰り返し読
出し回数情報Rnにより設定されるから)。
【0077】D.周期別楽音信号検出装置3の他の実施
この発明による電子楽器では、前述したような指定方法
によって所望の周期別楽音信号GD1を順次指定して楽
音データメモリ1から読出すものである。換言すれば、
楽音データメモリ1に連続的に記憶された複数の周期別
楽音信号GD1を非連続的に読出すようにしたものであ
る。ところが、この非連続的な読出しを行う場合、周期
別楽音信号自体の連続性には何等問題はないが、各高調
波成分相互間においては“位相ずれ”に起因するノイズ
が発生する。つまり、図13(a)に示すような波形形
状に対応する周期別楽音信号GD1A を読出し、次に同
図(d)に示すような波形形状に対応する周期別楽音信
号GD1B を読出して接続する場合、同期別楽音信号G
D1A とGD1B とは図14(a)に示すように連続的
に接続される(何故ならば、各周期別楽音信号GD1の
基点および終点における楽音信号振幅値は必ずほぼ零レ
ベルとなっているからである)。
【0078】しかし、周期別楽音信号GD1A を構成す
る基本波成分GD1A1(第1高調波成分)およびその第
2次高調波成分GD1A2は、図13(b)および(c)
にそれぞれ示すように基点ZXPに対してφA1およびφ
A2の位相ずれを有し、また、周期別楽音信号GD1B
構成する基本波成分GD1B1およびその第2次高調波成
分GD1B2は図13(e)および(f)にそれぞれ示す
ように基点ZXPに対してφB1およびφB2の位相ずれを
有している。従って、周期別楽音信号GD1AとGD1B
とを接続した場合、基本波成分GD1A1とGDB1は基
点ZXPに対する位相ずれのために図14(b)に示す
ように接続されることになり、また第2次高調波成分G
D1A2とGD1B2も同様な理由によって図14(c)に
示すように接続されることになり、各高調波成分の接続
が不連続なものとなる。この結果、この不連続な接続部
分のために不要なノイズが発生してしまうという不都合
がある。そこで、この実施例では上記ノイズの発生を除
去するため、前述した周期別楽音信号検出装置3に次の
ような機能を付加するようにしたものである。つまり、
次の(1)式に基づき各周期別楽音信号GD1のフーリ
エ級数展開を行い、高調波次数i=1〜mまでの各次数
の正弦波成分および余弦波成分の係数ai およびbi
求める。
【0079】
【数1】
【0080】この場合、「ai sin θi +bi cos θ
i 」は「(ai 2+bi 21/2 sin(θi+φi),但しφi
= tan-1(bi/ai)」と表現できることは一般的によ
く知られている。従ってこの関係を利用して上記(1)
式を正弦項のみで表わし、かつ位相差φi を無視して
【0081】
【数2】
【0082】とし、そしてこの(2)式を用いて(ai 2
+bi 21/2 を各次数の高調波成分(sinθi)に対する
係数として各高調波成分の合成を行い、これを新たな周
期別楽音信号GD1′として楽音データメモリ1に再記
憶させる。このようにして各周期別楽音信号GD1の再
合成を行うことにより、各周期別楽音信号GD1を構成
する高調波成分の位相は全て同一位相となり、前述した
ようなノイズは発生しなくなる。そして、このような処
理を実行するためには、楽音データメモリ1から各周期
別楽音信号GD1を1つづつ順次読出す必要があり、こ
のために図1に破線で示すごとく周期別アドレス情報メ
モリ4に記憶されている周期別アドレス情報ZXAが利
用される。
【0083】メモリ4から周期別アドレス情報ZXAを
読出すためには周期別楽音信号検出装置3からメモリ4
に対し“0”のモード制御信号MD2および読出しアド
レスを指定するアドレス情報A2RWが出力される。これ
により検出装置3からは該情報ZXAに対応するアドレ
ス情報A3RWおよび“0”のモード制御信号MD3が出
力されメモリ制御装置9を介して楽音データメモリ1に
加えられる。従って、楽音データメモリ1からは該情報
ZXAに対応する周期別楽音信号GD1が読出される。
この読出された周期別楽音信号GD1は検出装置3にお
いて上述した再合成の処理が施され、図1に破線で示す
ごとく新たな周期別楽音信号GD1′としてアドレス情
報A3RW(上記周期別楽音信号GD1の読出しのときと
同一内容)および“1”のモード制御信号MD3ととも
にメモリ制御装置9を介して楽音データメモリ1に供給
され記憶される。このようにして1つの周期別楽音信号
GD1に関する処理が終了すると、上述と同様にして次
の周期別楽音信号GD1に関する処理が行われ楽音デー
タメモリ1に記憶されている全ての周期別楽音信号GD
1に関する処理が終了するまで繰り返される。なお、こ
のような処理は、図3に示したフローチャートにおける
ステップ2005の次に実行するように構成される。
【0084】E.読出しアドレス情報発生装置4の他の
実施例 図15は、図1に示した読出しアドレス情報発生装置8
の他の実施例を示す詳細ブロック図である。図15にお
いて、図12に示した読出しアドレス情報発生装置8と
異なる点は、キーコードKCによってアドレスされ、そ
の出力から押下鍵音高に対応した補正情報kを出力する
補正情報メモリ821と、読出し回数情報メモリ802
から出力される繰り返し読出し回数情報Rnと前記補正
情報kとを乗算する乗算器822とを新たに設け、この
乗算器822において得られた乗算値k・Rnを変更繰
り返し読出し回数情報k・Rnとして比較器812に供
給するようにしたことである。つまり、繰り返し読出し
回数情報Rnを押下鍵音高に応じて変更するようにした
ものである。
【0085】この場合、補正情報kは1オクターブ音域
が上昇する毎に例えばその値が2倍づつ変化するように
設定される。このようにすることによって、例えば2倍
の速度で順次値が変化する読出し用アドレス情報RAに
よって楽音データメモリ1をアドレスしても、繰り返し
読出し回数情報Rnに対し2倍の補正情報kが乗算され
るため、周期別楽音信号GD1は補正情報kの分だけ余
計に読出され、その結果として楽音の発音時間を押下鍵
音高が変化しても常に一定とすることができる。
【0086】F.選択情報設定装置7および読出しアド
レス情報発生装置8の他の実施例 図16は楽音データメモリ1に記憶されている各周期別
楽音信号GD1の記憶位置が予めわかっている場合に所
望の周期別楽音信号の指定を対応するアドレス情報によ
って直接行うようにしたものである。つまり、図12に
示した実施例と異なり、選択情報SDとしてスタートア
ドレス情報SA,アドレス長情報AL,繰り返し読出し
回数情報Rn,持続アドレス情報CNA,終了アドレス
情報EAを直接設定入力とするようにしたものである。
従って、この実施例の読出しアドレス情報発生装置8
は、図12の実施例で示した演算装置806,プログラ
ムメモリ807が省略された構成となっている。
【0087】このように構成された電子楽器において
は、周期別アドレス情報メモリ4に記憶された周期別ア
ドレス情報ZXAの全てをプリントアウトしておくと
か、表示装置等に表示させておくとかの手段によって周
期別アドレス情報ZXAの全てが予め演奏者に告知され
る。そして、演奏者は印字または表示された周期別アド
レス情報ZXAのリストをみながら所望の周期別楽音信
号GD1に対応する前記選択情報SDを各読出し順位毎
に選択情報設定装置7のデータ設定用キーボードを用い
て設定する。
【0088】この場合、選択情報設定装置7において
は、選択情報SDの書込みアドレスを指示するための書
込み用アドレス情報WAが各読出し順位に対応して設定
され、この書込み用アドレス情報WAがアドレスポイン
タ808を介してスタートアドレスメモリ801,読出
し回数情報メモリ802,アドレス長情報メモリ805
にアドレス情報として与えられる。また、楽音データメ
モリ1に対しては演奏モード信号OP3 を反転した信号
がモード制御信号MD4として供給される。従って、選
択情報設定装置7および読出しアドレス情報発生装置8
を以上のように構成することによっても図12に示した
構成の場合と同様な効果を得ることができる。
【0089】G.周期別楽音信号検出装置3,選択情報
設定装置7,読出しアドレス情報発生装置8の他の実施
図17は周期別楽音信号検出装置3,選択情報設定装置
7,読出しアドレス情報発生装置8の他の実施例を示す
ブロック図であって、周期別楽音信号検出装置3の各種
処理を読出しアドレス情報発生装置8の演算装置806
によって実行させるようにするとともに、読出しアドレ
ス情報発生装置8におけるカウンタや比較器等による計
測処理および比較処理も演算装置806に実行させるよ
うにしたものである。
【0090】従って、この実施例ではスタートアドレス
情報SAなどの選択情報SDはワーキングメモリ824
内に設けられた選択情報メモリエリアに記憶され、また
図12に示したカウンタ809および810に対応する
カウンタおよびアドレスポインタはワーキングメモリ8
24内のカウンタエリアに設けられる。そして、比較器
811〜814の機能は演算装置806における演算処
理プログラムによって代行される。また、周期信号Nq
Fは入力バッファ825を介してフラグ信号FLGとし
て演算装置806に与えられ、このフラグ信号FLGに
よってワーキングメモリ824内に設けられた歩進情報
出力用のカウンタ(図12のカウンタ809に相当)が
インクリメントされる。そして、読出し用アドレス情報
RAは出力レジスタ826に転送されてこの出力レジス
タ826からメモリ制御装置9を介して楽音データメモ
リ1に供給される。また、楽音データメモリ1に対する
モード制御信号MD4は出力レジスタ827から出力さ
れるように構成されている。この外に、フーリエ級数展
開を行うに必要な正弦関数メモリ823と、補正情報k
を出力する補正情報メモリ821が設けられている。
【0091】このように構成された電子楽器において、
モードスイッチOP・SWから周期検出モード信号OP
2 が与えられると、演算装置806は図9〜図11に示
したフローチャートと同様な処理をプログラムメモリ8
07に記憶された演算プログラムに従って順次実行す
る。そして、演奏モード信号OP3 が与えられ、選択情
報SDが順次入力されると、図3のフローチャートで示
したステップ2006〜2011の処理と同様な処理を
プログラムメモリ807に記憶された演算プログラムに
従って順次実行する。その後、キーオン信号KONが与
えられると、プログラムメモリ807に記憶されたプロ
グラムに従って図15に示した実施例と同様な動作を実
行して読出し用アドレス情報RAを作る。従って、この
ように構成することによって図15に示した実施例と同
様な効果を得ることができる。
【0092】H.この発明を適用した電子楽器の他の実
施例 以上の実施例において説明した電子楽器は、発音チャン
ネルが1系列のものであったが、発音チャンネルがN系
列(N≧2)の場合、次のように構成すれば各発音チャ
ンネル毎に異なる態様で周期別楽音信号GD1を指定し
て読出すことができる。つまり、図12におけるスター
トアドレス情報メモリ801,読出し回数情報メモリ8
02,持続アドレス情報メモリ803,終了アドレス情
報メモリ804,アドレス長情報メモリ805をN系列
の発音チャンネルに対応してN系列設ける。
【0093】また、周期信号発生回路6もN系列設け
る。また、図12におけるカウンタ809,810およ
びアドレスポインタ808もN系列設ける。そして、楽
音データメモリ1に対するリードアクセス時間をN系列
の発音チャンネルに対応してN個のタイムスロットに分
割し、この分割した各タイムスロットにおいて各発音チ
ャンネルに対応するスタートアドレス情報SAなどの選
択情報SDと周期信号NqFを用いて各発音チャンネル
別の読出し用アドレス情報RAを作る。そして、このよ
うにして時分割的に作られた読出し用アドレス情報RA
を楽音データメモリ1にアドレス情報として供給する。
すると、楽音データメモリ1からは各発音チャンネルの
選択情報SDで指定した周期別楽音信号GD1が時分割
的に読出されるものとなる。この場合、各発音チャンネ
ルにおける楽音信号のピッチはそれぞれ対応する発音チ
ャンネルの周期信号NqFで決定される。このようにす
ることによって1つの楽音データメモリの内容から異な
る複数系列の楽音を同時に発生させることができる。
【0094】なお、図12における比較器811〜81
4および加算器815はN系列の発音チャンネルで時分
割使用されるため、N系列分設ける必要はない。ところ
で、以上の実施例において説明した電子楽器では、楽音
データメモリ1に対して外部入力楽音に対応する楽音信
号GDを連続的に記憶させているが、一旦記憶させた楽
音信号GDから各周期別楽音信号GD1を検出した後、
この有機別楽音信号別にメモリエリアを定めて再記憶さ
せ、所望の周期別楽音信号の指定は対応するメモリエリ
アの指定によって行うようにしてもよい。
【0095】
【発明の効果】このようにこの発明に係る楽音信号発生
装置によると、連続して記憶された波形情報列をスター
トアドレス情報によって特定して読出すように構成して
いるので、波形情報を連続して記憶することができ、波
形メモリ全体としての規模を小容量にできるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る楽音信号発生装置を適用した電
子楽器の一実施例を示すブロック図である。
【図2】この発明において使用される周期別楽音信号の
意味を説明するための波形図である。
【図3】図1に示した電子楽器の全体動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図4】周期別楽音信号の検出方法を説明するための波
形図およびフローチャートである。
【図5】周期別楽音信号の検出方法を説明するための波
形図およびフローチャートである。
【図6】周期別楽音信号の検出方法を説明するための波
形図およびフローチャートである。
【図7】周期別楽音信号の検出方法を説明するための波
形図およびフローチャートである。
【図8】周期別楽音信号の検出方法を説明するための波
形図およびフローチャートである。
【図9】周期別楽音信号の検出方法を説明するための波
形図およびフローチャートである。
【図10】周期別楽音信号の検出方法を説明するための
波形図およびフローチャートである。
【図11】周期別楽音信号の検出方法を説明するための
波形図およびフローチャートである。
【図12】読出しアドレス情報発生装置の一実施例を示
すブロック図である。
【図13】高調波成分位相の整合理由の必要性を説明す
るための波形図である。
【図14】高調波成分位相の整合理由の必要性を説明す
るための波形図である。
【図15】読出しアドレス情報発生装置の他の実施例を
示す詳細ブロック図である。
【図16】選択情報設定装置および読出しアドレス情報
発生装置のさらに他の実施例を示す詳細ブロック図であ
る。
【図17】周期別楽音信号検出装置および選択情報設定
装置ならびに読出しアドレス情報発生装置の他の実施例
を示す詳細ブロック図である。
【符号の説明】
1 楽音データメモリ 2 書込み装置 3 周期別楽音信号検出装置 4 周期別アドレス情報メモリ 5 キースイッチ回路 6 周期信号発生回路 7 選択情報設定装置 8 読出しアドレス情報発生装置 9 メモリ制御装置 10 発音装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 敏夫 静岡県浜松市中沢町10番1号 日本楽器製 造株式会社内 (72)発明者 神月 宏一 静岡県浜松市中沢町10番1号 日本楽器製 造株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の楽音に関する楽音波形情報列を波
    形記憶手段に記憶し、この波形記憶手段を読出すことに
    よって楽音信号を発生するようにした楽音信号発生装置
    において、 複数周期の楽音波形情報列を順次連続して記憶した波形
    記憶手段と、 上記複数周期のいずれかを選択指定する指定手段と、 上記指定手段における選択指定に対応して上記波形記憶
    手段における当該選択指定に対応する楽音波形情報列の
    記憶開始アドレスを示すスタートアドレス情報を発生す
    るスタートアドレス情報発生手段と、 上記スタートアドレス情報が示すアドレス値を初期値と
    してこの初期値から発生すべき楽音に対応した速度で順
    次変化するアドレス情報を発生して上記波形記憶手段に
    供給するアドレス情報発生手段とを備えてなる楽音信号
    発生装置。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5178219A (ja) * 1974-12-27 1976-07-07 Kawai Musical Instr Mfg Co
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JPS59168492A (ja) * 1983-03-16 1984-09-22 ヤマハ株式会社 楽音波形発生装置
JPS59197096A (ja) * 1983-04-25 1984-11-08 ヤマハ株式会社 電子楽器

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