JPH0674539A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マルチ型エアコンにおいて、室内ユニットの
アドレスの設定ミスをなくすとともに、エアコンの据え
付け時のアドレス設定作業の負担を軽減し、さらに、同
一の室内ユニットには常に同一のアドレスが設定される
ようにすること。 【構成】 マルチ型エアコン１００を、室内ユニット
２、３、４と室外ユニット１から構成し、室内ユニット
２、３、４と室外ユニット１とは、通信線２ａ、３ａ、
４ａと冷媒配管２ｂ、３ｂ、４ｂとによって接続され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】室内ユニットと室外ユニットとを
冷媒配管で接続した分離型空気調和機において、各室内
ユニットと室外ユニットを特定するためのアドレスを自
動的に設定する空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、オフィスや家庭あるいは乗り物な
どにおいて室内の温度や湿度あるいは換気を調整して快
適にする空気調和機（以下「エアコン」という）が普及
している。エアコンといっても様々な形式のものがあ
り、その１つに室内と室外に別々にユニットが配置さ
れ、両ユニットが冷媒配管で接続されて冷凍サイクルを
構成する分離型エアコンが広く用いられている。この種
の型式のエアコンでは主として家庭用には室内ユニット
と室外ユニットが１台ずつ設けられているものが多い
が、オフィスなどで用いられる業務用のエアコンでは１
台またはそれ以上の室外ユニットに対して複数の室内ユ
ニットが接続されたタイプ（以下、「マルチ型エアコ
ン」という）が普及している。いずれの型式において
も、マイコンを用いた制御装置が設けられ、外気温や室
温あるいは湿度、また各ユニットの熱交換機の温度など
に基づいて室内の温度や湿度を制御している。

【０００３】ところで、マルチ型エアコンでは、接続さ
れた複数の室内ユニットのそれぞれに対応して個別にア
ドレスを設定し、各室内ユニットをアドレスで識別でき
るようにしている。室外ユニットは接続された各室内ユ
ニットをアドレスで識別して室内ユニットと通信を行
い、各室内ユニットの状態監視や運転調節などの制御を
行っている。また、室内ユニットが故障した場合などに
は、エアコンの保守担当者は室内ユニットに設定された
アドレスを元にして故障した室内ユニットを見つけ出
し、修理を行っている。

【０００４】従来、マルチ型エアコンにおける室内ユニ
ットのアドレス設定は、各室内ユニットにアドレス設定
用のディップスイッチを内蔵しておき、エアコンの据え
付け時に作業者がこのディップスイッチを手で操作して
室内ユニットごとに異なるアドレスを設定している。

【０００５】また、別のアドレス設定方法として、エア
コン据え付け後の電源投入時に室外ユニットと室内ユニ
ットとの間で行う通信の中で、室外ユニットに対して応
答のあった室内ユニットから順に独自のアドレスを自動
的に設定していく方法がとられている（たとえば、特開
昭６１−１９４９４４号、特開昭６３−６１８３５号、
特開平２−４１５４号、特願平３−４５１０４）。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したディ
ップスイッチを用いたアドレス設定の場合、ディップス
イッチは誤って触れることがないようにユニット内に設
けられているために、作業者が据え付け時にディップス
イッチを手で操作するといってもエアコンを手で支えな
がら懐中電灯で照らして操作するといった極めてやりに
くい作業であるためアドレスの設定ミスをおこすおそれ
がある。

【０００７】一方、上述した室外ユニットに対して応答
のあった室内ユニットから順にアドレスを自動的に設定
していく方法では、停電などがあって再度電源投入がさ
れた場合にはアドレスの付け直しがやはり自動的に行わ
れるため、停電の前後で、同じ室内ユニットに対して別
のアドレスが設定されてしまうことがある。こうなる
と、停電前に室内ユニットの故障などがあった場合、停
電前に設定されたアドレスでの故障の報告が停電後には
まったく役に立たず、保守担当者が現場に到着した時に
はアドレスが変わってしまっていて、どの室内ユニット
が異常なのかがわからないという問題もある。

【０００８】本発明は上記の点にかんがみてなされたも
ので、アドレスの設定ミスをなくすとともに、エアコン
の据え付け時の作業負担を軽減し、さらに、同一の室内
ユニットには常に同一のアドレスが設定されるようにア
ドレス設定を確実に行うことを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、圧縮機および室外側熱交換機を有する単
数の室外ユニットと、室内側熱交換機を有する複数台の
室内ユニットとを冷媒配管で接続して構成される空気調
和機において、前記室内ユニットの各々に、重複しない
識別データを記憶した不揮発性記憶装置を設け、室内ユ
ニットごとに記憶された識別データを各室内ユニットを
識別するためのアドレスとして設定する室内ユニットア
ドレス設定手段を設けた。

【００１０】また、本発明は上記の目的を達成するため
に、圧縮機および室外側熱交換機を有する複数台の室外
ユニットと、室内側熱交換機を有する複数台の室内ユニ
ットとを冷媒配管で接続して構成される空気調和機にお
いて、前記室内ユニットの各々に、重複しない識別デー
タを記憶した不揮発性記憶装置を設けるとともに、前記
室外ユニットの各々に、重複しない識別データを記憶し
た不揮発性記憶装置を設け、室内ユニットごとに記憶さ
れた識別データを各室内ユニットを識別するためのアド
レスとして設定する室内ユニットアドレス設定手段と、
室外ユニットごとに記憶された識別データを各室外ユニ
ットを識別するためのアドレスとして設定する室外ユニ
ットアドレス設定手段と、室内ユニットと室外ユニット
のアドレス管理を行う制御装置とを設けた。

【００１１】

【作用】本発明は以上の構成によって、各室内ユニット
ごとに設けた不揮発性記憶装置に記憶した重複しない識
別データを、室内ユニットアドレス設定手段によって各
室内ユニットを特定するためのアドレスとして設定す
る。

【００１２】また、各室内ユニットごとに設けた不揮発
性記憶装置に記憶した重複しない識別データを、室内ユ
ニットアドレス設定手段によって各室内ユニットを特定
するためのアドレスとして設定し、各室外ユニットごと
に設けた不揮発性記憶装置に記憶した重複しない識別デ
ータを、室内ユニットアドレス設定手段によって各室内
ユニットを特定するためのアドレスとして設定し、室内
ユニットのアドレスと室外ユニットのアドレスとを制御
装置によって管理する。

【００１３】

【実施例】以下に、本発明について図面に基づいて説明
する。

【００１４】図１は本発明による空気調和機の第１の実
施例の概略構成図であり、本実施例は室外ユニットが１
台、室内ユニットが３台で構成されるマルチ型エアコン
について例示する。

【００１５】マルチ型エアコン１００は１台の室外ユニ
ット１と、３台の室内ユニット２、３、４とから構成さ
れており、室外ユニット１には、ＣＰＵ１１と各室内ユ
ニット２、３、４から通知されたそれぞれのアドレスを
記憶しておくＲＡＭ１２とが内蔵されており、本実施例
では室外ユニット１で室内ユニット２、３、４のアドレ
ス管理を行っている。室外ユニット１と室内ユニット
２、３、４は冷媒配管２ｂ、３ｂ、４ｂおよび通信線２
ａ、３ａ、４ａによって接続されている。

【００１６】一方、室内ユニット２、３、４はそれぞれ
ＣＰＵ２１、３１、４１およびＲＯＭ２２、３２、４２
を内蔵している。ＲＯＭ２２、３２、４２にはそれぞれ
のＲＯＭの製造番号が記憶されている。製造番号はエア
コン製造時にＲＯＭのすべてに連続的に付されたＲＯＭ
ごとに重複しない番号であり、特願平３−３５４５７７
号に記載したエアコンにおいては、他の固有データとと
もに各室内ユニットに外付けされたＲＯＭに記憶されて
いる。そこで本発明ではこの製造番号をそれぞれの室内
ユニットのアドレスとして用いるようにしたが、製造番
号を利用せずに各室内ユニットを識別するためにＲＯＭ
に識別用の番号を記憶させ、これを用いてもよい。

【００１７】図５および図６は外付けＲＯＭを用いた室
内ユニットの制御回路のマイコン１４（制御素子）を中
心とする実体配線図である。図５はマイコン１４の左側
の配線を、図６はマイコン１４の右側の配線を示してお
り、図５と図６が一体となって実体配線図の全体とな
る。マイコン１４は、内部に予めプログラムが格納され
たＲＯＭ、参照データを格納するＲＡＭおよびプログラ
ムを実行するＣＰＵを同一のパッケージに収納したもの
（たとえば、インテル社製Ｕ８７９ＪＰ）である。

【００１８】図６に示すように、マイコン１４のポート
Ｐ３４、Ｐ３５およびＰ４４には外付けＲＯＭ３０が接
続され、マイコン１４箱の外付けＲＯＭ３０に記憶され
た前述の固有データを必要に応じて読み出すようになっ
ている。

【００１９】固有データを読み出す時は、マイコン１４
は外付けＲＯＭ３０をポートＰ３４から出力する信号で
リセットした後、ポートＰ３５からクロックを出力し、
クロックに応じてポートＰ４４からデータを入力し、内
部のＲＡＭに格納する。外付けＲＯＭ３０としては一次
的に記録可能な順次読み出し専用メモリ（One timeprog
rammable sequential read only memory）が用いられ、
たとえば富士通社製のＭＢ８５４１９Ｐが使われる。

【００２０】本発明は、図５、図６に示した実体配線図
と同じ構成をとってもよい。

【００２１】次に、図２に本発明の第１の実施例におけ
るアドレス設定処理の室内ユニット側処理のフローチャ
ートを示す。

【００２２】図１に示すマルチ型エアコン１００の電源
が投入されると（Ｆ−１）、室内ユニットでは自分の動
作環境の初期値を設定するイニシャライズが行われる
（Ｆ−２）。イニシャライズが済んだら、ＲＯＭから製
造番号を読み込み（Ｆ−３）、その読み込んだ製造番号
を自分のアドレスとする（Ｆ−４）。次に、室内ユニッ
トは自分のアドレスを室外ユニットに対して登録するた
めの信号を送信する（Ｆ−５）。本実施例のように室外
ユニットが１台の場合は、予め室外ユニットのアドレス
をたとえば０というように決めておくので、アドレス登
録信号は予め定めた室外ユニットのアドレスに対して送
信すればよい。アドレス登録信号を送信した室内ユニッ
トでは、室外ユニットからの登録完了信号を待ち、登録
完了信号を受信したなら登録完了とみなす（Ｆ−６）。
アドレス登録信号を送信した後１分経過しても登録完了
信号が送られてこない場合は、ステップ（Ｆ−５）に戻
ってアドレス登録信号を再度送信する（Ｆ−７）。ステ
ップ（Ｆ−６）で登録完了となったなら、ステップ（Ｆ
−８）に進んでエアコンの通常の運転動作を行う。

【００２３】次に、図３に本発明の第１の実施例におけ
るアドレス設定処理の室外ユニット側処理のフローチャ
ートを示す。

【００２４】室外ユニット側処理も室内ユニット側処理
と同様に図１に示すマルチ型エアコン１００の電源投入
から始まる（Ｐ−１）。次に、室外ユニットの動作環境
の初期値を設定するイニシャライズが行われ（Ｐ−
２）、室内ユニットからのアドレス登録信号の待ち状態
になる（Ｐ−３）。アドレス登録信号を受信したなら、
その室内ユニットのアドレスをＲＡＭに登録し（Ｐ−
４）、今登録したアドレスに対して登録完了信号を送信
する（Ｐ−５）。ところで、室外ユニットには自分に接
続されている室内ユニットの数を予め登録しておき、登
録済のアドレスの数と比較を行うようにしてある（Ｐ−
６）。自分に接続されている室内ユニットすべてのアド
レス登録が完了したなら、ステップ（Ｐ−８）に進んで
エアコンの通常の運転動作を行う。そうでなければ、ス
テップ（Ｐ−３）に戻ってアドレス登録信号の待ち状態
になる。

【００２５】図４は本発明による空気調和機の第２の実
施例の概略構成図を示す。

【００２６】この実施例は室外ユニットが２台で、室内
ユニットが３台で構成されるマルチ型エアコンに関する
ものであり、５が室外ユニットで６が室内ユニットであ
る。各室外ユニット５にはＣＰＵ５１とＲＯＭ５２が、
また各室内ユニット６にはＣＰＵ６１とＲＯＭ６２が内
蔵されており、室外ユニット５と室内ユニット６は冷媒
配管８で接続されている。また、７はエアコン制御装置
であり、室外ユニット５と室内ユニット６の状態監視や
運転調節を行い、どの室外ユニットとどの室内ユニット
との間に冷凍サイクルを形成するかなどの制御も行って
いる。エアコン制御装置７はＣＰＵ７１とＲＡＭ７２を
内蔵しており、室外ユニット５および室内ユニット６と
通信線９で接続されている。

【００２７】本実施例ではＲＯＭ５２に記憶された製造
番号を室内ユニット５それぞれのアドレスとし、ＲＯＭ
６２に記憶された製造番号を室外ユニット６それぞれの
アドレスとしてエアコン制御装置７で室外ユニット５お
よび室内ユニット６のアドレス管理を行っている。つま
り、第１の実施例ようなアドレス登録信号は、室外ユニ
ット５、室内ユニット６の両者ともエアコン制御装置７
に対して送信する。

【００２８】上述した第１および第２の実施例では、室
内ユニットまたは室外ユニットごとのＲＯＭに書込まれ
ている製造番号をそのユニットのアドレスとして用いた
が、本発明は、製造番号でなくユニットごとに重複しな
い別の識別データを予めＲＯＭに書込んでおいて、その
識別データをアドレスとして用いてもよいし、製造番号
を用いる場合でもその全桁を用いるのではなく、ユニッ
トごとに異なる桁部分だけをアドレスとして用いてもよ
い。

【００２９】また、ユニットのアドレスとして用いられ
る製造番号などの識別データは必ずしもＲＯＭに記憶し
ておく必要はなく、たとえば磁気ディスクのようなもの
であってもよい。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エアコンの据え付け後電源を投入した時に自動的にアド
レスの設定が行われるようにしたので、エアコンの据え
付け時に厄介なアドレス設定作業は不要となり、アドレ
スの設定ミスをなくすことができることはもちろんであ
るが、各ユニットごとに重複しない識別データ（たとえ
ば、製造番号）をそのユニットのアドレスに用いるよう
にしたので、停電後の再起動時にも同一の室内ユニット
には常に同一のアドレスが設定されるので、従来のよう
に、停電の前後でアドレスが変わってしまうという問題
も避けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による空気調和機の第１の実施例の概略
構成図である。

【図２】図１に示した本発明による空気調和機における
室内ユニットのアドレス設定処理の室内ユニット側処理
のフローチャートである。

【図３】図１に示した本発明による空気調和機における
室内ユニットのアドレス設定処理の室外ユニット側処理
のフローチャートである。

【図４】本発明による空気調和機の第２の実施例の概略
構成図である。

【図５】外付けＲＯＭを用いた空気調和機の制御回路の
一部の実体配線図である。

【図６】外付けＲＯＭを用いた空気調和機の制御回路の
残部の実体配線図である。

【符号の説明】

１００ マルチ型エアコン １ 室外ユニット ２、３、４ 室内ユニット ２ａ、３ａ、４ａ 通信線 ２ｂ、３ｂ、４ｂ 冷媒配管 １１、２１、３１、４１ ＣＰＵ １２ ＲＡＭ ２２、３２、４２ ＲＯＭ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧縮機および室外側熱交換機を有する単
   数もしくは複数台の室外ユニットと、室内側熱交換機を
   有する複数台の室内ユニットとを冷媒配管で接続して構
   成される空気調和機において、前記室内ユニットの各々
   に、重複しない識別データを記憶した不揮発性記憶装置
   を設け、前記室内ユニットごとに記憶された前記識別デ
   ータを各室内ユニットを識別するためのアドレスとして
   設定する室内ユニットアドレス設定手段を設けたことを
   特徴とする空気調和機。
2. 【請求項２】 前記室外ユニットが複数台設けられ、前
   記室外ユニットの各々に、重複しない識別データを記憶
   した不揮発性記憶装置を設け、前記室外ユニットごとに
   記憶された前記識別データを各室外ユニットを識別する
   ためのアドレスとして設定する室外ユニットアドレス設
   定手段と、前記室内ユニットと前記室外ユニットのアド
   レス管理を行う制御装置とを設けたことを特徴とする請
   求項１に記載の空気調和機。
3. 【請求項３】 前記室内ユニットアドレス設定手段によ
   る前記室内ユニットのアドレスの設定を前記空気調和機
   の電源投入時にのみ行うことを特徴とする請求項１に記
   載の空気調和機。
4. 【請求項４】 前記室内ユニットアドレス設定手段によ
   る前記室内ユニットのアドレスの設定と、前記室外ユニ
   ットアドレス設定手段による前記室外ユニットのアドレ
   スの設定とを前記空気調和機の電源投入時にのみ行うこ
   とを特徴とする請求項２に記載の空気調和機。
5. 【請求項５】 前記識別データが前記不揮発性記憶装置
   の製造番号であることを特徴とする請求項１、請求項
   ２、請求項３もしくは請求項４に記載の空気調和機。
6. 【請求項６】 前記不揮発性記憶装置がＲＯＭであるこ
   とを特徴とする請求項１、請求項２、請求項３、請求項
   ４もしくは請求項５に記載の空気調和機。