JPH0674480U - シートアジャスタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動源を一方のアッパレール側に支持させる
ために設けられるブラケットに格別の補強を施したりす
ることなく衝突時の反力によって変形するのを防止する
ことのできるシートアジャスタを提供する。 【構成】 アッパレール（３Ａ，３Ｂ）間を連結する連
結部材（７Ａ，７Ｂ）を有し、一方のアッパレール（３
Ｂ）にブラケット（１７）を介して固定された駆動源
（４１，４２）によりリードスクリュー（４３）を回転
させてシートの前後移動が可能なシートアジャスタにお
いて、ブラケット（１７）のリードスクリュー（４３）
側の端部（フランジ部１７Ａ）を連結部材（７Ａ）に近
接させるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、シートアジャスタに関し、詳しくは、乗員が好みに応じてシートを 前後方向に調整可能なシートアジャスタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年ではシートを上下に調整するシートリフタと共に操作スイッチにより電動 で操作されるこの種のシートアジャスタが自動車の乗員シートに多く採用されて いる。図４は乗員シートの下部に組込まれる従来のこのようなシートリフタおよ びシートアジャスタの概要を示すもので、ここで、１Ａおよび１Ｂは不図示のシ ート下部左右に取付けられるシート支持ブラケットである。なお、この図ではシ ートの前側が下側になるように記載されており、７Ａはシートの前側を上下させ るために回動される連動杆、７Ｂはシートの後側を上下させるために回動される 連動杆である。これらの連動杆７Ａおよび７Ｂはモータ９Ａおよび９Ｂにより中 間の駆動機構を介して駆動されるもので、その駆動によりシート支持ブラケット １Ａ，１Ｂを介してシートの前側および後側を個別に上下させることができる。

【０００３】 上述のシートリフタ機構に対し、従来のシートアジャスタ機構について説明す る。４１はそのシートアジャスタ用の駆動モータ、４２は駆動モータ４１に取付 けられ、モータ４１の回転力を支持ブラケット１Ｂ側のシートスライド用リード スクリュー４３に伝達するためのギヤボックス、４４はモータ４１に直結され、 支持ブラケット１Ａ側のギヤボックス４５を介してシートスライド用リードスク リュー４６（図４の（Ｂ）参照）に回転力を伝達するための連結軸である。なお 、ギヤボックス４２はモータ４１と共にモータ固定用ブラケット（以下でモータ ブラケットという）４７に取付けられており、さらにモータブラケット４７はア ッパレール４８に固定される一方、シートスライド用リードスクリュー４３に噛 合するナット部材４９の方はロアレール５０側に固定されている。６０はロアレ ール５０を車体側に固定するためのレッグ部材である。また、７０は安全ベルト 用のベルトアンカー部である。

【０００４】 このように構成されたシートアジャスタの機構では、操作スイッチによりモー タ４１を正逆回転させることによりリードスクリュー４３および４６を回転させ 、これらの回転により、ロアレール５０側に取付けられているナット部材４９に 対しアッパレール４８、アッパレール４８に保持されるシートスライドおよびシ ートアジャスタ機構と共にシート支持ブラケット１Ａ，１Ｂを介して不図示のシ ートを前後方向に移動させることができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来のシートアジャスタの機構では、例えば衝突時 などのように、ベルトアンカー部７０に矢印Ｐで示すような大きい力が作用した 時に、ロアレール５０に支持されるアッパレール４８を介してモータブラケット ４７およびリードスクリュー４３に片持梁の原理で矢印Ｒとして示すような強い 反力が作用する。そのために、モータブラケット４７およびブラケット４７が取 付けられるアッパレール４８に変形を阻止できるだけの十分な強度が要求され、 ブラケット４７の肉厚や大きさおよびそのアッパレール４８の取付部構造に対し て補強の必要があった。

【０００６】 本考案の目的は、上記従来の問題に着目し、モータブラケットに対し、格別の 補強を施したりすることなく、しかも衝突時等の反力Ｒによって変形するのを防 止することのできるシートアジャスタを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案は、左右のロアレールに沿って移動自在 なアッパレール同士間を連結する連結部材を有し、その一方のアッパレールにブ ラケットを介して固定された駆動源により前記アッパレールに沿った方向に配設 されたリードスクリューを回転させて前記アッパレールと共にシートの前後方向 の移動が可能なシートアジャスタにおいて、前記ブラケットの前記リードスクリ ューが設けられる側の端部を前記連結部材に近接させて配設したことを特徴とす るものである。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、駆動源を固定するために一方のアッパレールに取付けられる ブラケットのリードスクリュー配設側の端部を、左右のアッパレール同士間を連 結する連結部材に近接させるようにしたことによって、衝突などの衝撃力がベル トアンカー等を介してアッパレールに伝達され、その反力がブラケットに片持梁 の形で作用するときに、ブラケットを連結部材に当接させることで、ブラケット を補助的に受止め、ブラケットの変形を防止することができる。しかもかかる連 結部材は本来、この種のシート調整装置に設けられるものであり、その有効利用 によってブラケットの補強を軽減することができる。

【０００９】

【実施例】

以下に、図面を参照しつつ本考案の実施例を具体的に説明する。

【００１０】 図１および図２はシート下部に設けられるシート調整機構の概要を示す。図１ ではその左下が、また図２の（Ａ）では下側がそれぞれシートの前部側、図１で 右上、また図２の（Ｂ）で上側がそれぞれシートの後部側にあたる。これらの図 において１Ａ，１Ｂは不図示のシート下部が固定される左右のシート支持ブラケ ット、２は左右のシート支持ブラケット１Ａ，１Ｂをシート後部側で結合してい る結合部材、３Ａおよび３Ｂはアッパレール４Ａおよび４Ｂと一体型に形成され 、後述するようにしてシート支持ブラケット１Ａ，１Ｂを上下自在に保つ縦壁型 のブラケット部材、５はそのアッパレール４Ａ，４Ｂを移動自在に保つロアレー ル、６はロアレール５の前後を車体側に固定しているレッグ部材である。

【００１１】 なおシート支持ブラケット１Ａ，１Ｂを介して不図示のシート前後を個別に上 下させるための連動杆７Ａ，７Ｂの両端部はアッパレール４Ａ，４Ｂと一体の縦 壁型ブラケット部材３Ａ，３Ｂにそれぞれ回動自在に軸支されている。８は連動 杆７Ａおよび７Ｂを個別に回動させるためのギヤを収容したギヤ箱、９Ａおよび ９Ｂはその駆動源のモータ、１１は連動杆７Ａとシート支持ブラケット１Ａ，１ Ｂの前部支持脚１２との間に設けられシート（不図示）の前部を上下させるため のリンク機構、１３は連動杆７Ｂとシート支持ブラケット１Ａ，１Ｂの後部支持 脚１４との間に設けられ、シートの後部を上下させるためのリンク機構である。

【００１２】 ついで、本考案にかかるシートアジャスタについて説明する。なお本例の場合 、モータ４１によってギヤボックス４２，４５を介しリードスクリュー４３，４ ６を駆動させる機構については従来と変わらない。５Ａはロアレール５の側から ナット部材４９を取付けるために突設したナット支持部である。ただし、本例に 示すモータブラケット１７は板金加工等により形成されるもので従来例として図 ４に示したモータブラケット４７よりははるかに軽構造に構成することができる 。しかもこのようなモータブラケット１７はそのフランジ部１７Ａを図３に示す ように前側の連動杆７Ａに近接させる形で沿わせるようにしてある。ここで、連 動杆７Ａ，７Ｂはリンク機構１１，１３を介してシートの前後を持上げるに十分 なだけの強度を保持しており、従って、仮にモータブラケット１７に矢印Ｒ方向 の反力がかかったとしてもそのフランジ部１７Ａを近接して設けられた連動杆７ Ａに当接させることで連動杆７Ａを介してその反力を受止めることによりモータ ブラケット１７の変形を防止することができる。なお、以上に述べた実施例では 、モータブラケットと連動杆とを近接させて設けるようにしたが、連動杆に限ら ず、左右のアッパレールにかかわる部材間を連結する部材であれば連結杆に代え て、かかる部材によりモータブラケットの衝撃時の変形を防止するように構成す ることが可能なことはいうまでもない。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明してきたように、本考案によれば、ブラケットの前記リードスクリュ ーが設けられる側の端部を前記連結部材に近接させて配設したので、アジャスタ 用駆動モータとその駆動ギヤとをアッパレールと一体の縦壁型ブラケット部材に 支持させるために設けられるブラケットが衝撃を受けた時の反力により変形する のを連結部材によって受止める形で防止することができ、ブラケットおよびその アッパレールへの取付構造の補強の省略，軽量化を図ることができると共に、カ ンチレバーとして作用するリードスクリューと縦壁型ブラケット部材との間の間 隔を殊更に短縮するように設定しなくてすむ。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるシートアジャスタの構成をシー
トリフタの構成と共に示す斜視図である。

【図２】本考案にかかるシートアジャスタをシートリフ
タと共に上面からの平面図（Ａ）および前側からの正面
図（Ｂ）によって示す構成の説明図である。

【図３】本考案によるモータブラケットと連動杆との関
係を図２（Ａ）のＡ−Ａ線断面によって示す説明図であ
る。

【図４】従来例によるシートアジャスタをシートリフタ
と共に上面からの平面図（Ａ）および前側からの正面図
（Ｂ）によって示す構成の説明図である。

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ シート支持ブラケット ３Ａ，３Ｂ 縦壁型ブラケット部材 ４Ａ，４Ｂ アッパレール ５ ロアレール ５Ａ ナット支持部 ７Ａ，７Ｂ 連動杆 ８ ギヤ箱 ９Ａ，９Ｂ モータ １１，１３ リンク機構 １７ モータブラケット １７Ａ フランジ部 ４１ モータ ４２，４５ ギヤボックス ４３，４６ リードスクリュー ４９ ナット部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右のロアレールに沿って移動自在なア
   ッパレール同士間を連結する連結部材を有し、その一方
   のアッパレールにブラケットを介して固定された駆動源
   により前記アッパレールに沿った方向に配設されたリー
   ドスクリューを回転させて前記アッパレールと共にシー
   トの前後方向の移動が可能なシートアジャスタにおい
   て、 前記ブラケットの前記リードスクリューが設けられる側
   の端部を前記連結部材に近接させて配設したことを特徴
   とするシートアジャスタ。