JPH0674476U - バス用座席シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 後方に着座する人の足元の邪魔となったり目
障りとなることなく、大人も子供も共に快適に着座でき
るようにしたバス用座席シートを提供する。 【構成】 大人用座席シートをベースとし、そのシート
クッション３を子供対応の後部シートクッション部３ｂ
と、この後部シートクッション部３ｂに対し前下方に略
直角に倒伏回動して子供対応のフットレストを兼用する
前部シートクッション部３ｃとに前後に分割構成すると
共に、前部シートクッション部３ｃを後部シートクッシ
ョン部３ｂと連続した基本位置に保持可能な係止部材８
と、前部シートクッション部３ｃを後部シートクッショ
ン部３ｂに対し前下方に略直角に倒伏回動した倒伏位置
に保持可能な保持部材７とを設けたバス用座席シート
１。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、観光バスなどの座席シートであって、詳しくは、大人も子供も自然 な形で足が届き、快適に着座できるようにしたバス用座席シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

観光バスなどの座席シートは、一般に平均的な体格の大人を対象として設計さ れている。このため子供などが座ると床面に足が届かないことがあり、この場合 には着座姿勢が不安定となって安全で快適な着座姿勢が得られない。そこで従来 、子供なども安全で快適に着座できるようにしたバス用座席シートが提案されて いる（実開昭６３−４７３５号公報、実開昭５６−３６５３５号公報参照）。

【０００３】 実開昭６３−４７３５号公報に示されたバス用座席シートは、大人用の座席シ ートをベースとして幼児も着座できるようにしたもので、幼児が座る場合には、 シートバック本体の穴に嵌め込まれたシートバックセンタを屈伸可能なヒンジに よりシートバック本体から前方に引出すと共に、シートバックセンタの背面に巻 取り器を介して取付けられたシートベルトの前端の身体保持部材をシートクッシ ョン前端部の受具に着脱自在に係止することで幼児を安全に着座させるようにし ている。

【０００４】 また、実開昭５６−３６５３５号公報に示されたバス用座席シートは、前後に 配置した２席の子供用座席シートをベースとして大人も着座できるようにしたも ので、大人が着座する場合には、前方の子供用座席シートのシートバックを取外 し、これを後方の子供用座席シートのシートバックの上部に接続するとともに、 前方の子供用座席シートのシートクッションを平行リンク式の脚部により後方に 移動して後方の子供用座席シートのシートクッションの前部に連続させるように している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記実開昭６３−４７３５号公報に示されたバス用座席シートにあ っては、大人が着座する場合、シートバックセンタに取付けられたシートベルト 及び身体保持部材は邪魔にならないようにシートバックの背面側に格納されるの が必然であり、そのため、その後方に着座する人にとっては、足元の邪魔となっ たり目障りとなるなどの問題がある。

【０００６】 また、前記実開昭５６−３６５３５号公報に示されたバス用座席シートにあっ ては、子供用座席の２つのシートクッションを前後に連続させることで大人が座 れるようにしているため、大人が座ると低すぎて膝が浮いてしまい、快適な着座 姿勢はとても望めない。

【０００７】 そこで本考案は、後方に着座する人の足元の邪魔となったり目障りとなること なく、大人も子供も共に快適に着座できるようにしたバス用座席シートを提供す ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この目的のため本考案によるバス用座席シートは、大人用座席シートをベース とし、そのシートクッションを子供対応の後部シートクッション部と、この後部 シートクッション部に対し前下方に略直角に倒伏回動して子供対応のフットレス トを兼用する前部シートクッション部とに前後に分割構成すると共に、前部シー トクッション部を後部シートクッション部と連続した基本位置に保持可能な係止 部材と、前部シートクッション部を後部シートクッション部に対し前下方に略直 角に倒伏回動した倒伏位置に保持可能な保持部材とを設けたことを手段としてい る。

【０００９】

【作用】

このような手段を採用した本考案のバス用座席シートでは、シートバックは大 人と子供に共用される。そして大人が着座する場合には、係止部材により前部シ ートクッション部を後部シートクッション部と連続した基本位置に保持する。そ うすることで前部シートクッション部と後部シートクッション部とで大人用のシ ートクッションが構成される。

【００１０】 また子供が着座する場合には、係止部材による前部シートクッション部の保持 状態を解除してこれを前下方に倒伏回動させ、保持部材により前部シートクッシ ョン部を略直角の倒伏位置に保持する。そうすることで後部シートクッション部 が子供の体格に応じたシートクッションとなり、また前部シートクッション部が 子供の体格に応じたフットレストとなる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付の図面に基づいて具体的に説明する。 図２において符号１で示すバス用座席シートは、フロア上に左右の脚板２，２ を介して支持されるシートクッション３と、このシートクッション３の後部に配 置されるシートバック４と、このシートバック４の左右の一側から前方に突出す るアームレスト５などを備えた大人用のものをベースとしている。

【００１２】 なお、シートクッション３の左右両サイドには上面が若干盛り上がったサポー ト部３ａ，３ａが形成され、またシートバック４の左右両サイドには上記サポー ト部３ａ，３ａに連続する同様のサポート部４ａ，４ａが形成されており、シー トクッション３に着座した人の腰部、背中を左右両側からサポートできるように なっている。

【００１３】 ここで、図１および図３に示すように、前記シートクッション３における左右 のサポート部３ａ，３ａを除く部分は、左右のサポート部３ａ，３ａと共に前記 脚板２，２に支持された後部シートクッション部３ｂと、これらから分離した前 部シートクッション部３ｃとに分割構成されている。そして図１に示すように、 後部シートクッション部３ｂと前部シートクッション部３ｃとはヒンジ部材６を 介して下面同士が連結され、これにより前部シートクッション部３ｃは後部シー トクッション部３ｂの前端から前下方に倒伏回動して略直角に倒伏できるように なっている（図３参照）。

【００１４】 前記後部シートクッション部３ｂは、シートバック４にもたれて着座した子供 が膝を曲げて楽に座れる奥行きと厚みを有するもので、その際、略直角に倒伏回 動した前部シートクッション部３ｃの上面がフットレストとして機能するように なっている。

【００１５】 そして前部シートクッション部３ｃを後部シートクッション部３ｂに対し略直 角に倒伏回動した倒伏位置に保持してフットレストとして機能させるべく、前記 脚板２，２および前部シートクッション部３ｃには保持部材７が設けられている 。すなわち、脚板２，２間にはヒンジ部材６の下方に位置して既存のシート補強 用のパイプ７ａが横架されて、このパイプ７ａに着脱自在に係合するキャッチャ ７ｂが前部シートクッション部３ｃの下面に固定されている。

【００１６】 また、前部シートクッション部３ｃを後部シートクッション部３ｂと連続した 基本位置に保持すべく、後部シートクッション部３ｂおよび前部シートクッショ ン部３ｃには係止部材８が設けられている。この係止部材８は、前部シートクッ ション部３ｃに固定された係合パイプ８ａと、この係合パイプ８ａに上方から着 脱自在に係合するフック８ｂを前端部に有して後部シートクッション部３ｂに枢 着された係止レバー８ｃと、この係止レバー８ｃの後端部に長孔結合して係止レ バー８ｃを上下に揺動させる操作レバー８ｄとを主体に構成されたもので、係止 レバー８ｃはその後端部が後部シートクッション部３ｂとの間に張設されたスプ リング８ｅによって常時上方に揺動付勢されている。また係止レバー８ｃはその 後部上面が後部シートクッション部３ｂに固定された規制ピン８ｆに係合するこ とでフック８ｂが係合パイプ８ａに係合した略水平の揺動位置に保持されるよう になっている。

【００１７】 なお、前記係合パイプ８ａは前部シートクッション部３ｃの左右の側面におけ る上後部に形成した凹部３ｄ内に突設され、また、係止レバー８ｃ、スプリング ８ｅ、規制ピン８ｆなどは後部シートクッション部３ｂの左右の側面における上 前部に形成した凹部３ｅ内に配置されている。そして前記操作レバー８ｄは、一 方のサポート部３ａを貫通してこれに枢着され、その端部のグリップ８ｇがサポ ート部３ａの側面から突出している。

【００１８】 また図３に示すように、前方に略直角に倒伏した前部シートクッション部３ｃ の上面と、この形態で露出する後部シートクッション部３ｂの前面およびサポー ト部３ａ，３ａの内側面には汚れ防止等の目的で化粧板９が貼設されている。

【００１９】 次に、このように構成された一実施例のバス用座席シート１につき、その作用 を説明する。 まず、大人が着座する場合には、図１のように係止部材８により前部シートク ッション部３ｃを後部シートクッション部３ｂと連続した基本位置に保持してお く。すなわち、後部シートクッション部３ｂ側の係止レバー８ｃの先端のフック ８ｂで前部シートクッション部３ｃ側の係合パイプ８ａを係止する。この基本形 態では、前部シートクッション部３ｃと後部シートクッション部３ｂと左右のサ ポート部３ａ，３ａとで大人用のシートクッションが構成されるのであり、図４ に示すように、大人は大人用のシートバック４にもたれて快適に着座することが できる。

【００２０】 また、子供が着座する場合には、サポート部３ａの側面から突出したグリップ ８ｇを前方に回動操作する。そうすると係止レバー８ｃがスプリング８ｅに抗し て揺動し、その前端のフック８ｂが上方に移動することで係合パイプ８ａとの係 合状態が解除されるのであり、前部シートクッション部３ｃが前下方に倒伏回動 する。そこで前部シートクッション部３ｃ側のキャッチャ７ｂを脚板２，２間に 横架されたパイプ７ａに係着して前部シートクッション部３ｃを略直角に倒伏し た位置に保持する。この子供対応の形態では、後部シートクッション部３ｂは子 供の体格にに対応したシートクッションとなり、前部シートクッション部３ｃが 子供の体格に対応したフットレストとして機能し、また左右のサポート部３ａに より子供の膝あたりサポートするため、図４に示すように子供も楽な姿勢で安全 かつ快適に着座することができる。

【００２１】 このような子供対応の形態から大人対応の基本形態に復帰するには、保持部材 ７のキャッチャ７ｂをパイプ７ａから外し、前部シートクッション部３ｃを上方 へ起立回動させる。そうすることで、前部シートクッション部３ｃ側の係合パイ プ８ａが後部シートクッション部３ｂ側の係止レバー８ｃにおけるフック８ｂを スプリング８ｅに抗して上方に回動させるのであり、やがてフック８ｂが下方に 移動することで係合パイプ８ａはフック８ｂに係止され、こうして前部シートク ッション部３ｃは後部シートクッション部３ｂと連続した基本位置に保持される 。

【００２２】 なお、前記前部シートクッション部３ｃは、後部シートクッション部３ｂの下 面に基端部が枢着される左右一対のＬ形アーム１０の先端部に固定することで後 部シートクッション部３ｂと連続した基本位置と、後部シートクッション部３ｂ に対して下方に倒伏回動した倒伏位置との２位置をとり得るように構成してもよ い（図５参照）。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したとおり本考案では、シートバックは大人と子供に共用される。そ して大人が着座する場合には、係止部材により前部シートクッション部を後部シ ートクッション部と連続した基本位置に保持する。そうすることで前後のシート クッション部により大人用のシートクッションが構成される。

【００２４】 また子供が着座する場合には、係止部材による前部シートクッション部の保持 状態を解除してこれを前下方に倒伏回動させ、保持部材により前部シートクッシ ョン部を略直角の倒伏位置に保持する。そうすることで後部シートクッション部 が子供の体格に応じたシートクッションとなり、また前部シートクッション部が 子供の体格に応じたフットレストとなる。

【００２５】 従って、本考案によれば、大人も子供も共に快適に着座することができる。

【００２６】 また、シートバックは通常通りの構成であるから、その後方に着座する人の足 元の邪魔となったり目障りとなることは皆無である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例によるバス用座席シートの概
要を示す側断面図である。

【図２】一実施例によるバス用座席シートの基本形態を
示す前方斜視図である。

【図３】一実施例によるバス用座席シートの子供対応の
形態を示す前方斜視図である。

【図４】一実施例の作用説明図である。

【図５】本考案の他の実施例を示す側面図である。

【符号の説明】

１ バス用座席シート ２ 脚板 ３ シートクッション ３ａ サポート部 ３ｂ 後部シートクッション部 ３ｃ 前部シートクッション部 ４ シートバック ４ａ サポート部 ５ アームレスト ６ ヒンジ部材 ７ 保持部材 ７ａ パイプ ７ｂ キャッチャ ８ 係止部材 ８ａ 係合パイプ ８ｂ フック ８ｃ 係止レバー ８ｄ 操作レバー ８ｅ スプリング ８ｆ 規制ピン ８ｇ グリップ ９ 化粧板 １０ Ｌ形アーム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 大人用座席シートをベースとし、そのシ
   ートクッションを子供対応の後部シートクッション部
   と、この後部シートクッション部に対し前下方に略直角
   に倒伏回動して子供対応のフットレストを兼用する前部
   シートクッション部とに前後に分割構成すると共に、前
   部シートクッション部を後部シートクッション部と連続
   した基本位置に保持可能な係止部材と、前部シートクッ
   ション部を後部シートクッション部に対し前下方に略直
   角に倒伏回動した倒伏位置に保持可能な保持部材とを設
   けたことを特徴とするバス用座席シート。