JPH0525955Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用シートにおけるアームレストの
取付構造、詳しくはアームレストを肘掛けとして
使用することができると共に、アームレストの高
さを変えて枕としても使用することができる車両
用シートにおけるアームレストの取付構造に関す
る。

（従来の技術） この種の自動車用シートとしては、第９，１０
図に示すものがある。

この自動車用シートは、ベンチタイプのシート
であり、シート本体１の左右外側面にはアームレ
スト２，３が設けられている。

一方のアームレスト３の高さは乗員Ｍがシート
本体に横臥した際に枕となるように、他方のアー
ムレスト２よりも低くなつている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記自動車用シートでは、第９図に示すよう
に、アームレスト３の高さが横臥時の乗員Ｍの枕
の高さに設定されているため、乗員Ｍがシート本
体１に着座してアームレスト３に肘を載せると、
第１０図に示すように、アームレスト３との間に
〓間ｇが生じ、肘掛けとして使用し難い不具合が
あつた。

本考案は、かかる不具合を解決すべくなされた
ものであり、アームレストを肘掛け、枕の双方に
使用することができるようにすることである。

（問題点を解決するための手段） この考案にかかる車両用シートにおけるアーム
レストの取付構造は、シート本体の左右方向に回
動可能に取付けた上下一対の平行リンクを、アー
ムレスト内の前後方向に向けて固定すると共にア
ームレスト内の上下に平行に固定し且つ前記平行
リンクの他端を回動可能に枢着してなるロツド
と、シート本体の外側面の上下に外方に向けて突
出する支持片との間にもうけてなるものである。

（作用） 肘掛けとしての使用状態からアームレストをシ
ート本体の左右方向に回動すると、シート本体側
の支持片とアームレスト側のロツドとを連結する
上下一対の平行リンクは支持片に対して起立状態
から支持片に対して垂下状態に回動するため、ア
ームレストの高さが低くなり、枕としての使用状
態となる。

（実施例） 本考案にかかる実施例を第１図から第８図に基
ずいて説明する。

図中、６はアームレストで、このアームレスト
６はシート本体５の外側面に沿つて設けられ、こ
のアームレスト６は、シート本体５との間の支持
片１１，１１、平行リンク９，９によつて、シー
ト本体５に横臥した乗員の枕としての高さに調節
することができるように、シート本体５に取り付
けられている。

シート本体５の外側面には、支持片１１，１
１，……の基端を固定するための支持板１０が取
り付けられている。支持片１１，１１，……は、
支持板１０の上下および前後の４箇所に、外方に
向けて突出している。

そして、この各支持片１１，１１，……の先端
には、シート本体５の左右方向に回動する平行リ
ンク９，９，……が取り付けられている。

平行リンク９，９，……はその一端が支持片１
１，１１，……の先端に回動可能に取付けられ、
上下一対で、支持板１０の前後に設けられてい
る。

そして、平行リンク９，９，……の他端はアー
ムレスト６内に固定したロツド１２，１２に回動
可能に枢着している。

ロツド１２，１２はアームレスト６内に配置さ
れた枠材１３の前後方向に向けて、上下に平行に
配設し、そのロツド１２，１２の両端は枠材１３
に固定している。

ロツド１２，１２はその後部が枠材１３から後
方へ突出して、その突出した箇所に係止板１４が
取り付けられている。係止板１４はその側面が固
定機構８のストツパ１５に当接するようになつて
いる。

固定機構８はストツパ１５が係止板１４の側面
に当接して、アームレスト６を枕の高さに固定す
ると共に、アームレスト６を肘掛けの高さに固定
することができるように構成されている。そし
て、この固定機構８を構成するストツパ１５は、
第６，７，８図に示すように、シート本体５の外
側面に固定した箱体１６内に挿入されている。

ストツパ１５はコ字状からなり、箱体１６内の
ばね１７により、係止板１４方向に付勢されてい
る。ストツパ１５には手掛け部１８が形成され、
この手掛け部１８に手をかけて、ばね１７の弾力
に抗して操作すると、ストツパ１５が後退して係
止板１４から離れてアームレスト６が回動可能と
なる。第７，８図における図中１９は箱体１６の
後部に形成されたストツパ１５の案内孔である。

上記構成によれば、アームレスト６を肘掛けと
して使用するには、アームレスト６の高さを高い
状態にする必要があり、第２，３図に示すよう
に、固定機構８の手掛け部１８をばね１７の弾力
に抗して操作すると、ストツパ１５が後退するた
め、シート本体５の左右方向にアームレスト６が
回動可能となり、アームレスト６をシート本体５
の左右方向に回動すると、それに伴つて、アーム
レスト６内のロツド１２，１２に枢着した平行リ
ンク９，９，……が支持片１１，１１，……に対
して起立状になる。

そこで、手掛け部１８に対する操作力を解除す
ると、ストツパ１５がばね１７の弾力により係止
板１４の側面に当接して係止され、アームレスト
６は肘掛けとしての高さに調節され固定される
（第１，２，３図）。

アームレスト６を枕として使用するには、アー
ムレスト６の高さを低い状態にする必要があり、
第４，５図に示すように、固定機構８の手掛け部
１８をばね１７の弾力に抗して操作すると、スト
ツパ１５が後退するため、シート本体５の左右方
向にアームレスト６が回動可能となり、アームレ
スト６をシート本体５の左右方向に回動すると、
それに伴つて、アームレスト６内のロツド１２，
１２に枢着した平行リンク９，９，……が支持片
１１，１１，……に対して垂下状に垂下する。

そこで、手掛け部１８に対する操作力を解除す
ると、第４図に示すように、ストツパ１５がばね
１７の弾力により係止板１４の側面に当接して係
止され、アームレスト６は肘掛けとしての高さか
らｈだけ低い位置に調節され固定される（第４，
５図）。

（考案の効果） 本考案によれば次の効果が生じる。

シート本体の外側面の上下に、支持片を外方
へ向けて突出し、アームレスト内の前後方向に
向けて上下にロツドを平行に固定し、支持片の
先端とロツドを上下一対のシート本体の左右方
向に回動可能な平行リンクによつて連結してい
るので、アームレストを肘掛け、枕の双方に利
用可能となると共に肘掛け及び枕の双方の状態
において、平行リンクが支持片に対して垂直状
になる。

その為、平行リンクはアームレストに加わる
荷重の方向と同方向でアームレストを支持する
ことになり、斯かる荷重による平行リンクと支
持片との変形が防止できる。

平行リンクはその一端を支持片の先端に、シ
ート本体の左右方向に回動可能に取り付けてい
るので、肘掛けの状態からアームレストを枕と
して使用する際、アームレストのシート本体に
対する前後位置が変わることなく、高さだけが
低くなる。

その為、アームレストを枕としての高さに調
節した際、アームレストがシート本体の前後方
向にズレることがないので、枕として最適の使
用位置になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案に係るアームレストの取り付け構
造の要部を示す側面図、第２図は同正面図、第３
図は同拡大側面図、第４図はアームレストを枕と
した際の要部の正面図、第５図は第４図の側面
図、第６図は第１図に示す固定機構の斜視図、第
７図は第６図に示す固定機構の側面図、第８図は
第７図の−線断面図、第９図は従来の自動車
用シートの正面図、第１０図は第９図の側面図で
ある。 図中、５はシート本体、６はアームレスト、９
は平行リンク、１１，１１は支持片、１２，１２
はロツドである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シート本体と、このシート本体の外側面に沿う
   アームレストと、前記シート本体の外側面の上下
   に外方に向けて突出する支持片と、この各支持片
   の先端に一端を前記シート本体の左右方向に回動
   可能に取付けた上下一対の平行リンクと、前記ア
   ームレスト内の前後方向に向けて固定すると共に
   アームレスト内の上下に平行に固定し且つ前記平
   行リンクの他端を回動可能に枢着してなるロツド
   とからなる車両用シートにおけるアームレストの
   取付構造。