JPH0635773Y2 - シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は子供が使用する場合に子供を安全に囲う枠が形
成出来るシートに関するもので、該シートは主として自
動車に設置されて有用である。

〔従来の技術〕

従来、自動車の内部に設置されるシートとしては第６図
に示すように座部（１）と、背もたれ部（２）と該背も
たれ部（２）に前倒し可能に取付けられている周縁部
（３）と、該背もたれ部（２）の上端に取付けられてい
るヘッドレスト（４）とからなり、該シート（10）を子
供等が使用する時にはヘッドレスト（４）を取はずした
上で点線に示すような背もたれ部（２）の周縁部（３）
を前倒れさせて保護枠とする構成（実開昭59−100633
号）、あるいは第７図に示すように周縁部（３）を前倒
れさせてからヘッドレスト（４）とステー（５）で支持
して保護枠とする構成（実開昭57−48142号）等が提供
されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながらこのような従来のシート（10）にあって
は、大人が使用する場合には背もたれ部（２）の周縁部
（３）は実線位置に起立させるのであるが、この状態で
はアームレストが存在しなくなってしまう。また実開昭
59−100633号では取はずしたヘッドレストの収納場所を
確保しなければならないし、実開昭57−48142号ではヘ
ッドレストやステーが子供の足に干渉して邪魔になる。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記問題点を解決する手段として、座部（11）
と、背もたれ部（12）と、該背もたれ部（12）両側縁中
間部に根端部が取付けられ前方へ向って差出されている
左右一対のアームレスト（13），（13）と、該背もたれ
部（12）上端に取付けられる下段ヘッドレスト（15）
と、該下段ヘッドレスト（15）の上側へ着脱可能に取付
けられる上段ヘッドレスト（14）とからなり、該アーム
レスト（13），（13）先端には該上段ヘッドレスト（1
4）の取付手段が設けられているシートを提供するもの
である。

〔作用〕

大人が使用する時は下段ヘッドレスト（15）上に上段ヘ
ッドレスト（14）を取付け、アームレスト（13）は本来
のアームレストとして使用する。

子供等が使用する時は該上段ヘッドレスト（14）を背も
たれ部（12）からはずし、取付手段（13）Ａを介して左
右一対のアームレスト（13）の先端に該ヘッドレスト
（14）を取付け差渡す。かくして側枠としてのアームレ
スト（13）と前枠としてのヘッドレスト（14）によって
子供の体を囲う保護枠が形成される。この時下段ヘッド
レスト（15）は子供等の頭の位置にある。

〔考案の効果〕

したがって本考案においては、大人が使用する場合でも
シートにはアームレストが存在するし、子供等が使用す
る場合にはヘッドレストは保護枠の前枠として使用され
るから、ヘッドレストが邪魔になることはなく、またヘ
ッドレストの収納場所を別に確保する必要もない。そし
てこの状態ではシートに坐る子供の体が保護枠に囲われ
るから急停止等の場合でも子供がシートから飛び出すこ
となく、シートに坐る子供等は極めて安全に保護され
る。しかも下段ヘッドレストは子供等の頭の位置にあっ
てヘッドレストになる。また上段ヘットレストをテーブ
ルとして使用することも出来る。

〔実施例〕

本考案を第１図〜第４図に示す一実施例によって説明す
れば、図に示すシート（20）は座部（11）と、背もたれ
部（12）と、該背もたれ部（12）の両側縁の中間部に根
端部を介して第１図実線位置から点線位置の間で前方へ
向って倒立可能に取付けられているアームレスト（1
3），（13）と、該背もたれ部（12）の上端に形成され
ている下段ヘッドレスト（15）と、該下段ヘッドレスト
（15）の上端に着脱可能に取付けられている上段ヘッド
レスト（14）とからなる。該上段ヘッドレスト（14）に
は第２図に示すように底部から取付脚（14）A,（14）Ａ
が差出され、該取付脚（14）A,（14）Ａを下段ヘッドレ
スト（15）上面から設けられている取付孔（15）A,（1
5）Ａに挿着することによって上段ヘッドレスト（14）
は下段ヘッドレスト（15）に着脱可能に取付けられてい
る。更にアームレスト（13），（13）の先端には取付手
段として下段ヘッドレスト（15）の取付孔（15）A,（1
5）Ａと同様な取付孔（13）A,（13）Ａが設けられてい
る。

上記構成において、大人が使用する場合には第１図に示
すように上段ヘッドレスト（14）を下段ヘッドレスト
（15）上に取付け、下段ヘッドレスト（15）は背もたれ
部（12）の一部となる。そして子供が使用する場合は第
２図に示すように上段ヘッドレスト（14）を下段ヘッド
レスト（15）から引抜いて、第３図に示すように前倒れ
させたアームレスト（13）の先端の取付孔（13）A,（1
3）Ａに上段ヘッドレスト（14）の取付脚（14）A,（1
4）Ａを挿着する。この際、第４図に示すように該取付
孔（13）A,（13）Ａの側部から出没自在にロック片（1
6）を配置し、該ロック片（16）には先端より若干根部
よりにフランジ（16）Ａが設けられ、根部にはつまみ
（16）Ｂが設けられ、該つまみ（16）Ｂはアームレスト
（13），（13）の外側面に位置し、該ロック片（16）は
スプリング（17）によりフランジ（16）Ａを介して内側
に付勢されている。そして該上段ヘッドレスト（14）の
取付脚（14）A,（14）Ａをアームレスト（13），（13）
の取付孔（13）A,（13）Ａに挿着した時、該上段ヘッド
レスト（14）の取付脚（14）A,（14）Ａに形成されてい
る係止溝（14）B,（14）Ｂに第４図に示すようにロック
片（16）がスプリング（17）の弾性によってはまり込
み、かくして上段ヘッドレスト（14）はアームレスト
（13），（13）先端に取付け差渡されて引抜かれないよ
うにロックされる。該ロックはつまみ（16）Ｂを引張っ
てロック片（16）をスプリング（17）の弾性に抗らって
外側に移動させることにより解除される。上記上段ヘッ
ドレスト（14）をアームレスト（13），（13）に取付け
た状態では第３図にみるように一対のアームレスト（1
3），（13）を側枠とし上段ヘッドレスト（14）を前枠
とする保護枠が形成され、シート（20）に子供が坐った
時、該保護枠により子供の体が安全に囲われる。そして
この場合には下段ヘッドレスト（15）が子供の頭の位置
にあってヘッドレストとして機能し、上段ヘッドレスト
（14）はテーブルにもなる。

本実施例以外、例えばアームレストの先端にヘッドレス
トを取付ける手段は第５図に示すようにフック（14）
Ａ′と該フック（14）Ａ′と係合するブラケット（13）
Ａ′としてもよいし、他のいかなる周知の手段が用いら
れてよい。また第３図に示す状態で大人が使用してもよ
いことは勿論であり、特に老人や病人等はこの状態でシ
ートに安全に坐ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の一実施例を示すものであり、
第１図は大人が使用する場合のシート斜視図、第２図は
上段ヘッドレストを引抜いた場合のシート斜視図、第３
図は主として子供が使用する場合のシート斜視図、第４
図は上段アームレストロック状態を示す断面図、第５図
は他の実施例のアームレスト取付け手段側面図、第６図
は従来例の斜視図、第７図は他の従来例の斜視図であ
る。 図中（11）……座部、（12）……背もたれ部、 （13）……アームレスト、（13）Ａ……取付孔、 （13）Ａ′……ブラケット、（14）……上段ヘッドレス
ト、 （14）Ａ……取付脚、（14）Ａ′……フック、 （15）……下段ヘッドレスト、（15）Ａ……取付孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−47632（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−48142（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−100633（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−160753（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−65844（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−168926（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】座部と、背もたれ部と、該背もたれ部両側
   縁中間部に根端部が取付けられ前方へ向って差出されて
   いる左右一対のアームレストと、該背もたれ部上端に取
   付けられる下段ヘッドレストと、該下段ヘッドレストの
   上側へ着脱可能に取付けられる上段ヘッドレストとから
   なり、該アームレスト先端には該上段ヘッドレストの取
   付手段が設けられていることを特徴とするシート