JPH0674184A - 遠心ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、磁気結合によりインペラ
ーを回転させるポンプで、小型化特に回転軸方向の長さ
を小さくし得る遠心ポンプを提供することを目的として
いる。 【構成】 本発明の遠心ポンプは、モーターにより回
転される駆動マグネットにより磁気結合により回転され
る従動マグネットと、従動マグネットと一体に回転する
インペラーとよりなり、駆動マグネットをモーターのロ
ーターに取り付けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、給湯用ポンプ等の液体
を送るために用いられる遠心ポンプに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】給湯用ポンプ等の液体を送るために用い
られるポンプは、ポンプ室と駆動部との間の気密性を完
全なものにする必要がある。そのためにこの種の用途に
使用される遠心ポンプとして、ポンプ室内のマグネット
とポンプ室外の駆動源に取り付けたマグネットとのカッ
プリングによってポンプ室内のインペラーを回転させる
ポンプが知られている。

【０００３】それは図９に示すような構造のものであ
る。即ち図９において３１，３２は夫々ケース、３３は
両ケース３１，３２間に配置した仕切板で、この仕切板
３３によってケース３１のポンプ室とケース３２の駆動
側の室とを夫々完全な密封状態にて仕切っている。３４
はケース３２の外側に取り付けたモーター、３５はモー
ター３４の回転軸、３６は回転軸３５に取り付けた取付
板３７に接着等の手段で固定した駆動側マグネット、３
８はポンプ室内に配置されているインペラー３９に取り
付けたポンプ室側マグネットである。

【０００４】このポンプは、モーター３４の駆動によっ
て軸３５が回転されると取付板３７と共に駆動側マグネ
ット３６が回転する。この駆動側マグネット３６の回転
によりポンプ室側マグネット３８も回転し、これによっ
てインペラー３９が回転する。このインペラー３９の回
転により流入口４６より流入した液体は流出口４７より
送り出される。つまりこの液体は送られる。

【０００５】図１０又は図１１は、前記の遠心ポンプの
使用例で、ポットの給湯ポンプとして利用したものであ
る。このポットでは、熱湯を入れる容器４１の下に遠心
ポンプ４０を配置したもので、この遠心ポンプの働きに
よって容器４１内の湯をパイプ４２，４３を通して送り
出し口４４より給湯する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】図９に示す従来の遠心
ポンプは、ポンプ室外のケース内に駆動側マグネット３
６を配置し、、更にこの駆動側マグネット３６の配置さ
れたケース３２の外にモーター３４を配置するために、
ポンプの大幅な小型化が困難であり、図１０又は図１１
のような給湯用等に利用した場合、ポンプ収納スペース
を十分小さくすることがむずかしくポット等が大型にな
る。特に回転軸３５に沿った方向が長くなる。そのため
にポットを出来るだけ小型にするためには図１１に示す
ように、ポンプを横向き（回転軸を横向き）に配置する
ことになる。しかしポンプを横にすると、ポンプ室にた
まった気泡は外に出ないので吐出流量が減少する等の欠
点を有している。更に駆動用モーターの外にポンプ室と
駆動側の両方にマグネットを用いる等のため部品点数が
多くなる欠点もある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の遠心ポンプは、
ポンプ室内に回転可能に配置されたインペラーと、前記
インペラーに固定されている従動側マグネットと、前記
ポンプ室とその外部とをポンプ室を密封するようにして
仕切る仕切板と、前記仕切板の外に配置したモーターと
よりなり、前記モーターのローターに直接駆動側マグネ
ットを固定したもので、前記駆動側モーターと前記従動
側モーターとが仕切板を挟んで互いに相対するように配
置されている。そしてモーターの駆動によるローターの
回転と一体に駆動側マグネットが回転し、これと磁気結
合にて従動側マグネットが回転することによりインペラ
ーが回転して液体を送るようにしたものである。

【０００８】

【実施例】次に図面にもとづいて、本発明の遠心ポンプ
の実施例を説明する。

【０００９】図１は、本発明の第１の実施例の断面図
で、１，１１は夫々ケースで仕切部分１０によりポンプ
室であるケース１とモーターを配置したケース１１とを
夫々完全な密封状態に仕切っている。２は回転軸３に固
定した取付板４に取り付けた従動側マグネット、５は軸
３に取り付けたインペラーでこれらポンプ室であるケー
ス１内の構成は、前記の従来の遠心ポンプと実質上同じ
である。又ケース１１はモーターケースで、全体又は一
部がプラスチック又はステンレス等の非磁性材料で作ら
れている。このケース１１内には、モーターマグネット
１２が固定されその内側に対向して複数のコイル１３が
巻かれたコアー１４と、整流子１５と、刷子１６とがブ
ラケット１７に取り付けられ、更にコアー１４に固定ピ
ン１８により駆動側マグネット１９が固定されている。
又モーターの軸２０は、仕切部１０とブラケット１７に
夫々軸受２１，２２を介して回転可能に支持されてい
る。

【００１０】以上述べた構成の本発明の実施例は、ケー
ス１１内のモーターを駆動することによってモーターの
ローターが回転し、この回転より駆動側マグネット１９
が回転する。この駆動側マグネット１９の回転により仕
切部分１０を挟んで対向配置された従動側マグネット２
が磁気結合で回転してインペラー５を回転させる。これ
によって液体が流入口５より流入され吐出口７から供給
される。

【００１１】この実施例のように、駆動側マグネットを
モーターのローターに直接取り付けることによって、従
来例のように駆動用マグネットを収納配置するケースを
必要とせず、モーターを含めた全体が小型になる。した
がって図１０又は図１１のように給湯ポットのポンプと
して用いてもポット全体を小型になし得、ポンプを縦向
きに配置してもポットの小型化が可能である。更にこの
実施例に示すようにモーターを偏平型にすれば、大幅な
小型化が可能となる。

【００１２】上記実施例においてモーター自体を偏平な
構造にすることによりポンプ全体を一層小型偏平な構造
にするには、モーターとして図２，図３に示すようなマ
グネット４極着磁コア凸極数６にすることが望ましい。
即ち図２は上記モーターの平面図、図３は側面図で、モ
ーターマグネット１２を図２のようにリング状でＮ，
Ｓ，Ｎ，Ｓの４極とし又コアー１４を６極の凸極とした
ものである。又整流子１５は、図４のように６極に分割
され６ケのコイル１３と結線されている。又刷子２２は
９０°の間隔をおいて、整流子１５に接触配置されてい
る。

【００１３】このような、図２に示すモーターを用いれ
ば、図３のように高さＨの低い偏平形状でしかもマグネ
ット２極３スロット又は５スロットモーターと同等の特
性が得られる。

【００１４】図５は本発明の第２の実施例の断面図であ
る。この実施例は、ポンプ室であるケース１内の回転軸
３を仕切部分１０に回転可能に取り付けた軸受２４にて
支持するようにしたものである。そして従動側マグネッ
ト２を保持する取付板４とインペラー５とを軸受２４に
固定した。これによって駆動側マグネット１９が回転し
た時、磁気結合によって従動側マグネット２が、取付板
４と軸受２４と一体に回転し、したがって軸受２４に固
定したインペラー５も回転する。

【００１５】この第２の実施例は、軸３は上下両端にて
支持固定されているため、ポンプ運転中の軸３のふれを
防止出来、インペラー５が安定した回転をする。尚モー
ター室１１の側の構造は、第１の実施例と実質上同じで
ある。

【００１６】図６は、ポンプ室であるケース１およびそ
の内部の構造は、第２の実施例と基本的に同じである。
又モーター室１１は軸２０を仕切部分１０とブラケット
１７に固定し、これに軸受２５を回転可能に取り付ける
と共にこの軸受２５にモーター部分および駆動側マグネ
ットを固定したものである。

【００１７】この第３の実施例では、モーターを駆動す
ることにより軸受２５が回転しこれと共に駆動側マグネ
ッット１９が回転する。この駆動側マグネット１９の回
転により磁気結合にて従動側マグネット２が回転されイ
ンペラー５が回転される。

【００１８】この実施例は、軸２０の上下が固定され安
定した回転が得られると共に部品点数が少なく、より偏
平になし得る。

【００１９】図７，図８は夫々本発明の第４の実施例お
よび第５の実施例の断面図である。第１乃至第３の実施
例は、いずれも仕切部分１０をモーター収納ケース１１
と一体に形成してある。

【００２０】第４の実施例および第５の実施例は、仕切
部２６をケースとは別体としてステンレス板等にて製作
し、ケース１とケース１１の間に挟持したものである。
これら実施例は、他の実施例に比べて仕切部分２６を薄
くし得るので一層の偏平化が可能になる。

【００２１】これら実施例のポンプ室全体の構成は実施
例２と同様であり、又実施例４のケース１１およびその
内部は実施例２と又実施例５のケース１１およびその内
部は実施例３と同一の構造である。

【００２２】

【発明の効果】本発明の遠心ポンプは、磁気結合により
インペラーを回転させるため気密性が良く、しかも駆動
側マグネットをモーターに直接組み込んだ構成にしたた
め駆動部分を含めたポンプ全体を極めて小型になし得
る。又モーター自体を偏平な構造にすれば、ポンプ全体
が一層偏平になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例１の断面図

【図２】 本発明で用いるモーターの一例の平面図

【図３】 上記モーターの側面図

【図４】 上記モーターの結線図

【図５】 本発明の実施例２の断面図

【図６】 本発明の実施例３の断面図

【図７】 本発明の実施例４の断面図

【図８】 本発明の実施例５の断面図

【図９】 従来の遠心ポンプの断面図

【図１０】 遠心ポンプの給湯ポットへの配置例を示す
図

【図１１】 遠心ポンプの給湯ポットへの他の配置例を
示す図

【符号の説明】

１ ポンプ室を形成するケース ２ 従動側マグネット ５ インペラー １１ モーターケース １９ 駆動側マグネット

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ポンプ室内に回転可能に配置されたイ
   ンペラーと、前記インペラーに固定されている従動側マ
   グネットと、前記ポンプ室を密封する仕切部分と、前記
   仕切部分の外に該仕切部分をはさんで前記マグネットと
   相対するように配置されているモーターとよりなり、前
   記モーターのローターに直接駆動側マグネットを固定す
   ると共に、前記駆動マグネットと前記従動側マグネット
   とが前記仕切部分を挟んで相対して配置されている遠心
   ポンプ。
2. 【請求項２】 前記モーターの軸を仕切部分に固定し
   たことを特徴とする請求項１の遠心ポンプ。
3. 【請求項３】 前記インペラーを保持する軸を前記仕
   切部分に固定し、前記インペラーおよび前記従動側マグ
   ネットを前記インペラー保持軸に回転可能に取り付けた
   軸受に固定した請求項１の遠心ポンプ。
4. 【請求項４】 前記モーターがマグネット４極着磁コ
   アー凸極数６で構成された請求項１，２又は３の遠心ポ
   ンプ。