JPH0673577U - ハーネスクリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 径の異なる複数の種類の取付穴に対して対応
できるハーネスクリップを提供することを目的とする。 【構成】 ハーネスを保持する保持部１０と、取付穴４
に挿入されて係合する係合部２０とから構成され、係合
部２０に、短い挿入ストロークで小径の取付穴に係合す
る第１の係合爪２２と、長い挿入ストロークで大径の取
付穴に係合する第２の係合爪２３とを形成し、第１、第
２係合爪を、弾性を有する先細り形状とし、取付穴４に
挿入された際に挿入方向の裏側から取付穴４に係合する
段差部２２ｂ，２３ｂをそれぞれ形成したことを特徴と
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、車両の配線等のワイヤーハーネスを車体等の板材に固定するため に用いらるハーネスクリップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のハーネスクリップは、図１および図２に示すように、ワイヤーハーネス を保持するためのバンド１を有する保持部２と、この保持部２から延設されて取 付対象の板３に穿設された取付穴４に挿入されて係合する係合部５とから構成さ れている。

【０００３】 係合部５は、全体として先細りの形状を呈し、保持部２から延びる軸部６と、 この軸部の先端から保持部２側に向けて広がりつつ対称に設けられた可撓部７， ７とから構成される。各可撓部７は、先端を軸として軸部６側に撓ませることが でき、外力が加わらない自然状態では最大幅が取付穴の径よりも大きくなる。ま た、可撓部７の保持部２側の先端側は内側に向けて屈曲しており、この屈曲部に 段差部８が形成されている。

【０００４】 上記のハーネスクリップを係合部５の先端から取付穴４に挿入してゆくと、可 撓部７がその弾性に抗して内側に撓み、所定のストローク挿入して段差部８が取 付穴４の内側に入ると、可撓部７がその弾性力により外側に広がり、図２に示す ように段差部８が取付穴４の内側から板３に係合する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した従来のハーネスクリップは、取付穴の径に対応して大 きさが決定されており、対応する径以外の取付穴へは使用できないため、取付穴 径が複数種ある場合には、それぞれ専用のハーネスクリップを用意しなければな らず、部品の種類が多く管理に手数がかかるという問題がある。

【０００６】 一般的に、自動車のハーネスクリップとしては、保持すべきワイヤーハーネス の太さに応じて、５．４ｍｍの取付穴に係合するタイプと、８ｍｍの取付穴に係 合するタイプとが使用されている。

【０００７】

【考案の目的】

この考案は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、径の異な る複数の種類の取付穴に対して対応できるハーネスクリップを提供することを目 的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案にかかるハーネスクリップは、上記の目的を達成させるため、ハーネ スを保持する保持部と、保持部から延設されて取付対象となる板に穿設された取 付穴に挿入されて取付穴に係合する係合部とから構成されるハーネスクリップに おいて、係合部に、短い挿入ストロークで小径の取付穴に係合する第１の係合爪 と、長い挿入ストロークで大径の取付穴に係合する第２の係合爪とを形成し、第 １、第２係合爪を、弾性を有する先細り形状とし、取付穴に挿入された際に挿入 方向の裏側から取付穴に係合する段差部をそれぞれ形成したことを特徴とする。

【０００９】

【作用】

この考案にかかるハーネスクリップは、小径の取付穴に取り付ける場合には、 短い挿入ストロークで第１の係合爪の段差部が取付穴の裏側から取付穴に係合す るまで挿入することにより固定される。また、大径の取付穴に取り付ける場合に は、長い挿入ストロークで第２の係合爪の段差部が取付穴の裏側から取付穴に係 合するまで挿入することにより固定される。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案にかかるハーネスクリップの一実施例を説明する。

【００１１】 図３は、この実施例にかかるハーネスクリップの全体構成を示し、図４および 図５はそれぞれ第１係合爪側、第２係合爪側から見た係合部の詳細を示す。

【００１２】 このハーネスクリップは、ワイヤーハーネスを保持する保持部１０と、この保 持部１０から延設されて取付対象の板に穿設された取付穴に挿入されて係合する 係合部２０とから構成され樹脂材料で成形される。

【００１３】 保持部１０は、ワイヤーハーネスを巻き込んで固定するバンド１１と、係合部 ２０の両側に広がり、取付穴に取り付けられた際に取付対象となる板に当てつけ られてハーネスクリップの姿勢を保持する可撓性の翼部１２，１２とを有してい る。

【００１４】 係合部２０は、保持部１０から延びる軸部２１と、この軸部２１の先端に設け られ短い挿入ストロークで径５．４ｍｍの取付穴に係合する第１の係合爪２２と 、同様に軸部２１の中間に設けられ長い挿入ストロークで径８．０ｍｍの取付穴 に係合する第２の係合爪２３とを有する。

【００１５】 各係合爪２２，２３は、全体として先細りの形状を呈し、軸部２１の先端から 保持部１０側に向けて広がりつつ対称に設けられた可撓部２２ａ，２３ａを有す る。また、これらの可撓部の保持部１０側の先端は内側に向けて屈曲しており、 この屈曲部に段差部２２ｂ，２３ｂが形成されている。

【００１６】 各可撓部は、先端を軸として軸部２１側に撓ませることができ、外力が加わら ない自然状態では第１係合爪２２の最大幅は５．４ｍｍよりも大きくなり、第２ 係合爪２３の最大幅は８．０ｍｍより大きくなる。

【００１７】 また、第１、第２係合爪２２，２３の間には、図６に示すように、それぞれの 係合爪を独立して撓ませることができるように所定のクリアランスｃが設けられ ている。第１、第２係合爪２２，２３の重ねあわせ方向の高さｈは、径の小さい ５．４ｍｍの取り付け穴にも挿入できるよう５．４ｍｍより小さく設定されてい る。

【００１８】 上記のハーネスクリップを取り付け穴に取り付ける場合には、係合部２０の先 端から、各可撓部２２ａ，２３ａをその弾性に抗して内側に撓ませつつ取付穴内 に挿入する。

【００１９】 小径の５．４ｍｍの取付穴４に挿入される場合には、小さい挿入ストロークで 第１係合爪２２の段差部２２ｂが取付穴４の内側に入ると、可撓部２２ａがその 弾性力により外側に広がり、図７に示すように段差部２２ｂが取付穴４の内側か ら板３に係合する。このとき、第２係合爪２３は内側に屈曲した状態のまま保持 される。

【００２０】 大径の８ｍｍの取付穴４’に挿入される場合には、第１係合爪２２が取付穴４ ’を通過した後、長い挿入ストロークで第２係合爪２３の段差部２３ｂが取付穴 ４’の内側に入ると、可撓部２３ａがその弾性力により外側に広がり、図８に示 すように段差部２３ｂが取付穴４’の内側から板３に係合する。

【００２１】 このように、第１、第２の係合爪２２，２３を独立して設けることにより、１ つのハーネスクリップを径が異なる取付穴に対して使用することができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案によれば、単一種類のハーネスクリップを複数 種類の径の取付穴に対して共用することができ、管理すべき部品の種類が削減さ れ、部品管理が容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来のハーネスクリップを示す斜視図であ
る。

【図２】 従来のハーネスクリップの使用状態を示す説
明図である。

【図３】 この考案の実施例にかかるハーネスクリップ
の斜視図である。

【図４】 実施例のハーネスクリップの係合部を第１係
合爪側から見た平面図である。

【図５】 実施例のハーネスクリップの係合部を第２係
合爪側から見た平面図である。

【図６】 実施例のハーネスクリップの係合部の側面図
である。

【図７】 実施例のハーネスクリップを小径の取付穴に
取り付けた際の平面図である。

【図８】 実施例のハーネスクリップを大径の取付穴に
取り付けた際の平面図である。

【符号の説明】

３…板 ４…取付穴 １０…保持部 １１…バンド １２…翼部 ２０…係合部 ２１…軸部 ２２…第１係合爪 ２２ａ…可撓部 ２２ｂ…段差部 ２３…第２係合爪 ２３ａ…可撓部 ２３ｂ…段差部

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ１６Ｌ 3/137 Ｈ０２Ｇ 3/26 Ｅ 8410−5Ｇ Ｈ０５Ｋ 7/00 Ｆ 9266−4Ｅ Ｄ 9266−4Ｅ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハーネスを保持する保持部と、該保持部か
   ら延設されて取付対象となる板に穿設された取付穴に挿
   入されて該取付穴に係合する係合部とから構成されるハ
   ーネスクリップにおいて、 前記係合部は、短い挿入ストロークで小径の取付穴に係
   合する第１の係合爪と、長い挿入ストロークで大径の取
   付穴に係合する第２の係合爪とを有し、前記第１、第２
   係合爪は、弾性を有する先細り形状であり、取付穴に挿
   入された際に挿入方向の裏側から前記取付穴に係合する
   段差部をそれぞれ有することを特徴とするハーネスクリ
   ップ。