JPH0673312A - 水中防汚組成物 - Google Patents

水中防汚組成物

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JPH0673312A
JPH0673312A JP14918393A JP14918393A JPH0673312A JP H0673312 A JPH0673312 A JP H0673312A JP 14918393 A JP14918393 A JP 14918393A JP 14918393 A JP14918393 A JP 14918393A JP H0673312 A JPH0673312 A JP H0673312A
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polymer
antifouling
carbon atoms
unsaturated monomer
group
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Application number
JP14918393A
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English (en)
Inventor
Daiki Matsunaga
大器 松永
Yasushi Saeki
恭 佐伯
Fumi Fukui
文 福井
Hiroo Kumagai
弘夫 熊谷
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Katayama Chemical Inc
Original Assignee
Katayama Chemical Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スルホン酸基を持つ重合性不飽和単量体と一
般式(I): 【化1】 で表される高級脂肪族アミンとの反応物(a)の重合
体、または上記反応物(a)と共重合可能な他の重合性
不飽和単量体(b)との重合体で平均分子量が3000
〜40万のものと、一般式(II): 【化2】 で表されるN−フェニルマレイミド誘導体の1種又は2
種以上とを含有する水中防汚組成物。 【目的】 水中構造物、特に漁網、船底、海水取水路壁
等への付着生物の付着を長期間に亘り防ぐことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、付着生物、特に海中
の付着生物が漁網、船底、海水取水路などに付着するの
を長期にわたり防止するための水中防汚組成物に関す
る。さらに詳しくは、漁網、船底、海水取水路などに塗
布することにより、安全性の高い防汚有効成分の溶出を
長期間にわたり持続できる持続性水中防汚剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、養殖漁業や海洋施設の建設が盛ん
になり、付着生物の棲息域が拡大の一途をたどってい
る。このため、船舶の底部や水中構築物,養殖網,ブイ
あるいは定置網等は、海水中で長期間保持されるため、
フジツボやカサネカンザシ,ムラサキイガイ等の付着生
物が多く付着し、これらによって種々の障害を引き起こ
している。
【0003】従来より、漁網、船底、海水取水路などに
付着生物が付着しこれによる悪影響が生じるのを防ぐた
め、付着生物の付着を抑制する防汚剤が種々提案され、
実際にも使用されている。たとえば、特公昭50−87
30号公報、特公昭54−37008号公報、特開昭5
5−92774号公報、特開昭58−120678号公
報、特開昭59−133267号公報及び特公平1−5
4388号公報においては、有機スズ化合物、有機又は
無機の銅系化合物や有機塩素系化合物等の毒性の高い化
合物の防汚有効成分と特定のアクリル酸系ポリマーを含
有する防汚剤が提案されている。しかし、これらの防汚
有効成分は、海洋汚染の問題が生じるほど毒性が強く、
生体中に蓄積する性質を持っている。このため、特に養
殖業において食用の養殖生物を扱う場合には、人体への
影響が危惧されるとともに、防汚剤を直接取り扱う作業
者への影響も危惧される。
【0004】安全性を高めるために、上記毒物の代わり
にポリイソシアナート化合物やカルボキシル基とキレー
ト化できる金属化合物を用いた防汚剤が、たとえば特公
昭53−21883号公報や特公昭53−21885号
公報で提案されている。しかし、これら安全性の高い防
汚剤は、やはり長期にわたっての防汚効果が十分とは言
えなかった。
【0005】そこで、安全性が高く、しかも、長期間に
わたり防汚効果が持続する防汚剤が望まれている。ま
た、N−フェニルマレイミド誘導体が水中付着生物に有
効であることは公知である(特開昭63−33304
号,特開昭64−90105号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記高級脂肪族アミン
は安全性が高く優れた防汚効果を有する化合物である
が、水中濃度が低い場合、対象付着生物の種類によって
は長期間の防汚効果が不十分な場合があった。また、N
−フェニルマレイミド誘導体は、作業時の取扱い性を十
分注意しなければカブレ等の人体に対する安全性の点で
問題があるとともに、水中濃度が低い場合、対象付着生
物の種類によっては長期間の防汚効果が不十分な場合が
あった。
【0007】この発明の発明者らは、幅広い対象付着生
物について長期間防汚効果を発揮させるために、この高
級脂肪族アミンとN−フェニルマレイミド誘導体とを併
用することを検討したが、高級脂肪族アミンとN−フェ
ニルマレイミド誘導体との配合時において、両者が反応
してゲル化を生じたり結晶物が析出し、著しく防汚効果
を低下させるという問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者らは、
スルホン酸基を有する重合性不飽和単量体に高級脂肪族
アミンを反応させた後、この単量体を重合することによ
って得られる重合物にN−フェニルマレイミド誘導体を
配合することにより、上記問題となるゲル化や結晶物の
析出も見られないこと、防汚組成物中の防汚有効成分の
配合量を低下させても広範囲の対象付着生物に対しより
優れた防汚効果を発揮することを確認しこの発明を完成
させた。
【0009】かくしてこの発明によれば、スルホン酸基
を持つ重合性不飽和単量体と一般式(I):
【0010】
【化3】 (式中、R1 は、炭素数12〜20の飽和または不飽和
の脂肪族炭化水素基を、R2 は水素原子または炭素数1
〜6のアルキル基を、R3 は水素原子、炭素数1〜6の
アルキル基、炭素数12〜20の飽和もしくは不飽和の
脂肪族炭化水素基、または炭素数1〜6のアルキル基で
置換されていてもよいアミノ基で置換された炭素数1〜
6のアルキル基を表す。)で表される高級脂肪族アミン
との反応物(a)の重合体(平均分子量:3000〜4
0万)、または上記反応物(a)と共重合可能な他の重
合性不飽和単量体(b)との重合体(平均分子量:30
00〜40万)に、一般式(II):
【0011】
【化4】 (式中、X1,X2 は同一又は異なって水素原子、ハロゲ
ン原子を、Yは同一又は異なってハロゲン原子、低級ア
ルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)で表されるN
−フェニルマレイミド誘導体の1種又は2種以上が配合
されてなる持続性水中防汚剤が提供される。
【0012】この発明で使用するスルホン酸基を持つ重
合性不飽和単量体としては、スルホン酸基を有する不飽
和化合物であればよく、例えば、スチレンスルホン酸,
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸,
2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸,ビニルスルホン酸,メタリルスルホン酸,アリルス
ルホン酸,プロペニルスルホン酸,2−メタアクリロイ
ルオキシエチルスルホン酸,3−メタクリロイルオキシ
−2−ヒドロキシプロピルスルホン酸等が挙げられる。
【0013】この発明において、一般式(I)で表され
る高級脂肪族アミン化合物の具体例としては、ドデシル
アミン,テトラデシルアミン,ヘキサデシルアミン,オ
クタデシルアミン,オレイルアミン,牛脂アルキルアミ
ン,ヤシアルキルアミン等の第1級アミン; ジ(ドデ
シル)アミン,ジ(オクタデシル)アミン,ジ(オレイ
ル)アミン,ジ(牛脂アルキル)アミン,ジ(ヤシアル
キル)アミン,ドデシルオクタデシルアミン,ドデシル
メチルアミン,ドデシルエチルアミン,ヘキサデシルブ
チルアミン,ヘキサデシルメチルアミン,オクタデシル
メチルアミン,牛脂アルキルメチルアミン,硬化牛脂ア
ルキルメチルアミン,ヤシアルキルメチルアミン等の第
2級アミン;ドデシルジメチルアミン,ヘキサデシルジ
メチルアミン,オクタデシルジメチルアミン,ヤシアル
キルジメチルアミン,牛脂アルキルジメチルアミン,硬
化牛脂アルキルジメチルアミン,ジドデシルメチルアミ
ン,ジオクタデシルメチルアミン,ドデシルヘキサデシ
ルメチルアミン,牛脂アルキルジエチルアミン,ヤシア
ルキルジヘキシルアミン等の第3級アミン;ドデシルエ
チレンジアミン,ヘキサデシルエチレンジアミン,オク
タデシルエチレンジアミン,オレイルエチレンジアミ
ン,牛脂アルキルエチレンジアミン等のN−モノ置換エ
チレンジアミン;ドデシルトリメチレンジアミン,ヘキ
サデシルトリメチレンジアミン,オクタデシルトリメチ
レンジアミン,オレイルトリメチレンジアミン,ヤシア
ルキルトリメチレンジアミン,牛脂アルキルトリメチレ
ンジアミン,硬化牛脂アルキルトリメチレンジアミン等
のようなN−モノ置換トリメチレンジアミン等が挙げら
れる。
【0014】これらのアミン類の内、”ヤシアルキル‥
‥アミン”、”牛脂アルキル‥‥アミン、”硬化牛脂ア
ルキル‥‥アミンとは、そのアミンがヤシ油もしくはヤ
シ脂肪、牛脂等から公知の手段により製造された炭素数
12〜20の範囲の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素
基のものがその主要成分を占めるアミンの混合物(混合
アルキルアミン)であることを意味する。高級脂肪族ア
ミンとしては、式(I)で表される化合物のうちのいず
れか1つが単独で使用されたり、あるいは2以上が併用
されたりする。
【0015】この発明においてスルホン酸基を持つ重合
性不飽和単量体と高級脂肪族アミンとの反応物(a)と
共重合可能な他の重合性不飽和単量体(b)は、この発
明の持続性水中防汚剤が対象物に塗布されて形成する皮
膜の性能を整えるなどのために必要に応じて使用される
単量体であり、重合体(a)と共重合可能な単量体であ
れば特に限定はない。単量体(b)の具体例としては、
メチルメタクリレート,エチルメタクリレート,ter
t−ブチルメタクリレート,2−エチルヘキシルメタク
リレート,ラウリルメタクリレート,ステアリルメタク
リレート,エチルアクリレート,ブチルアクリレート,
2−エチルヘキシルアクリレート,ラウリルアクリレー
ト,ステアリルアクリレート,シクロヘキシルアクリレ
ート等のアクリルエステル系の不飽和単量体等;2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピル
アクリレート,ジエチレングリコールモノアクリレー
ト,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ低級アルキ
ル(メタ)アクリレート等;その他(メタ)アクリル
酸,クロトン酸,ビニル安息香酸,α−シアノアクリル
酸,マレイン酸,フマル酸,イタコン酸等の親水性不飽
和単量体等;スチレン,α−メチルスチレン,ブタジエ
ン,ビニルトルエン,塩化ビニル,塩化ビニリデン,酢
酸ビニル,ビニルブチレート,メチルビニルエーテル,
オクチルビニルエーテル,アクリロニトリル,メタクリ
ロニトリル等が挙げられる。
【0016】上記反応物(a)及び単量体(b)として
は、それぞれ1つの化合物が単独で用いられてもよく、
2つ以上の化合物が併用されてもよい。スルホン酸基を
有する重合性不飽和単量体と高級脂肪族アミンとの反応
は、スルホン酸基を有する重合性不飽和単量体1モルに
対して高級脂肪族アミンを0.8モル〜1.2モル、好ま
しくは0.9〜1.1モルの範囲で反応させ、重合させる
のが好ましい。アミン量が多くなると重合が困難にな
り、一方少ないと防汚効果が弱くなるため好ましくな
い。
【0017】この反応により生成された反応物は、スル
ホン酸基を有する重合性不飽和単量体と高級脂肪族アミ
ンとの中和塩である。この反応物をそのまま又は抽出精
製後重合することにより、この発明の重合物が得られ
る。このように高級脂肪族アミンは、重合前に単量体と
中和塩を生成させておく方が、重合後に重合体と中和塩
を生成させるよりも、樹脂基体と強固に、安定に結合す
るようになる。
【0018】単量体(b)の使用割合は、反応物(a)
と単量体(b)との合計重量100重量%に対して、0
〜70重量%の範囲で必要に応じて用いらる。単量体
(b)が70重量%を越えると、防汚剤中の有効成分で
ある高級脂肪族アミンの含有量が少なくなり、防汚効果
が弱くなるため好ましくない。重合して得られる、重合
体の平均分子量は3000以上、40万以下が好まし
い。3000未満だと海水中で被覆剤の形態を維持でき
ないという問題があり、40万よりも大きくなると防汚
剤が高粘度になり作業性が著しく劣るという問題があ
る。
【0019】この発明における重合体は、重合開始剤を
用いて公知の方法により溶液中での重合や塊状重合等の
方法により行うことができる。その際使用される溶媒と
しては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、ブ
タノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエ
チルエーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル,ジオキサン等のエーテル類;トルエン,キシレン,
エチルベンゼン,メチルナフタレン等の芳香族炭化水素
類;酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類;アセト
ン,メチルエチルケトン,メチルイソアミルケトン等の
ケトン類等があげられる。
【0020】重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム
や過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキ
サイド,t−ブチルパーオキサイド,ラウロイルパーオ
キサイド等のパーオキサイド;クメンハイドロパーオキ
サイド等のハイドロパーオキサイド;アゾビスイソブチ
ロニトリル,アゾビスイソフタロニトリル,アゾビスジ
メチルバレロニトリル等の脂肪族アゾ化合物等が用いら
れる。
【0021】重合温度は用いられる溶媒や重合開始剤に
より適宜設定されるが、通常0〜120℃の、好ましく
は60〜80℃範囲内で設定される。この発明の重合物
にさらに配合されるN−フェニルマレイミド誘導体とし
ては、2,3−ジクロロ−N−(2,6−ジエチルフェニ
ル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−メチル
−6−エチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ
−N−(2,4,6,−トリクロロフェニル)マレイミ
ド、2,3−ジクロロ−N−フェニルマレイミド、2,3
−ジブロモ−N−フェニルマレイミド、2−クロロ−N
−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、2−クロ
ロ−N−(2−メチル−6−エチルフェニル)マレイミ
ド、2−ブロモ−N−(2,6−ジエチルフェニル)マ
レイミド、2−クロロ−N−(4−クロロフェニル)マ
レイミド及び2−クロロ−N−フェニルマレイミド等が
挙げられる。
【0022】これらN−フェニルマレイミド誘導体は、
この発明の重合物中の高級脂肪族アミン1に対して、重
量比で0.1〜10の範囲で用いるのが相乗的な防汚効
果が発揮されるため好ましく、0.2〜8の範囲で用い
るのが特に好ましい。この発明の持続性水中防汚剤は、
通常、このようにして得られた防汚有効成分を、塗布作
業性を改良するための適当な溶媒に溶解し溶液の形で調
製される。溶媒としては、メチルアルコール,エチルア
ルコール,キシレン,トルエン,シクロヘキサノン,灯
油,メチルイソブチルケトン,酢酸ブチル,ジメチルホ
ルムアミド,ナフサ,エチレングリコールモノエチルエ
ーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテル等が
あげられるが、これ以外にも塗料の分野で用いられる種
々の溶媒が使用でき、若干の水が含まれていても差し支
えない。
【0023】漁網用防汚剤として使用する場合は、防汚
有効成分を固形分濃度で10〜60重量%、好ましくは
20〜50重量%程度となるようにするのが防汚性、成
膜性、膜強度等の点で好ましく、網への密着性や、網の
こわばり等を改良する場合は、フタル酸ジオクチル,ア
ジピン酸ジオクチル,リン酸トリクレジル,トリオクチ
ルホスフェート,ポリブテン等を配合するとよい。漁網
への適用は、常法、例えば浸漬法等が用いられる。
【0024】防汚塗料に使用する場合は、防汚有効成分
を固形分濃度で20〜80重量%、好ましくは30〜6
0重量%程度配合し適当な溶媒に溶解し、顔料、可塑
剤、界面活性剤、塗膜調整ビヒクル等を配合して防汚塗
料を調製する。顔料としては、タルク,チタン白,黄
鉛,紺青,ベンガラ,フタロシアニンブルー等が挙げら
れる。可塑剤としては、フタル酸ジオクチル,アジピン
酸ジオクチル,リン酸トリクレジル,トリオクチルホス
フェート等が挙げられる。なお、塗膜強度等を調整する
場合のビヒクルとしては、ロジン,ボイル油,塩化ゴ
ム,ポリブテン,塩化ビニル樹脂,アクリル樹脂,エポ
キシ樹脂等が挙げられる。防汚塗料として用いる場合
は、ハケ塗り、ローラ塗り、スプレー法等で行なう。
【0025】さらに、この発明の持続性水中防汚剤には
必要に応じて、銅粉,亜酸化銅,ロダン銅,ナフテン酸
銅,オレイン酸銅,ジメチルジチオカルバミン酸塩,テ
トラエチルチウラムジスルフィド,ジンクピリチオン,
4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン,2−チオシアノメチルチオベンゾチア
ゾール,テトラクロロイソフタロニトリル等の公知の防
汚有効成分を適宜併用することができる。
【0026】
【実施例】以下にこの発明の具体的な実施例及び比較例
を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。
【0027】参考例1 〔2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸とN,N−ジメチルオクタデシ
ルアミンとの反応物(a-1) の合成〕 スルホン酸基含有重合性不飽和単量体と高級脂肪族アミ
ンの反応は、温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えたフ
ラスコを用いて行った。即ちフラスコ内にキシレン10
0g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸0.2モル、tert−ブチルカテコール0.001
モルを加えて、攪拌しながらN,N−ジメチルオクタデ
シルアミン0.2モルを内温60℃以下に保ちながら徐
々に滴下し、滴下終了後1時間攪拌を続けて2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とN,Nジメ
チルオクタデシルアミンとの反応物(a-1) を得た。 参考例2 〔p−スチレンスルホン酸とN,N−ジメチ
ルヘキサデシルアミンとの反応物(a-2) の合成〕 スルホン酸塩基含有重合性不飽和単量体と高級脂肪族ア
ミンの反応は、温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えた
フラスコを用いて行った。即ちフラスコ内にエタノール
50gとN,N−ジメチルヘキサデシルアミン0.2モル
を加えて攪拌しながら塩酸0.2モルを室温にて徐々に
滴下し、滴下終了後p−スチレンスルホン酸ソーダの
0.2モルを純水200gに溶解したものを徐々に滴下
し、30分間攪拌後、1時間放置した。得られた沈澱物
を濾過し、純水で洗浄後キシレンに溶解し、p−スチレ
ンスルホン酸とN,N−ジメチルヘキサデシルアミンと
の反応物(a-2) を得た。
【0028】重合例1 〔反応物(a-1) の重合〕 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸と
N,Nジメチルオクタデシルアミンとの反応物(a-1) の
重合は、温度計、攪拌機、滴下ロート、ガス導入管及び
還流冷却器を備えたフラスコを用いて行った。参考例1
で得られた反応物(a-1) のキシレン溶液200gを仕込
み、攪拌しながらフラスコ内を窒素置換し、窒素気流下
で80℃に加熱し、アゾビスイソブチロニトリル(AI
BN)0.16gを加えて同じ温度を維持しながら、5
時間攪拌を続けてこの発明の実施例である重合物Aを得
た。得られた重合物Aの平均分子量は、ポリスチレンを
標準としたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)の分
析結果8.5万であった。 重合例2〜12 〔スルホン酸基を持つ重合性不飽和単
量体各種と各種高級脂肪族アミンとの反応物(a)、ま
たは反応物(a)と他の共重合可能な重合性不飽和単量
体(b)との重合〕 上記参考例1,2や重合例1と同様にして、スルホン酸
基を持つ重合性不飽和単量体各種と各種高級脂肪族アミ
ンとを種々の割合で反応させて得た反応物(a)または
上記反応物(a)と他の共重合可能な重合性不飽和単量
体(b)との種々の割合に重合した重合体B〜Lを得
た。この結果を表1に示す(配合割合は重量%であ
る)。
【0029】
【表1】 表1中、重合体製造に用いた単量体の欄の略号は以下の
通りである。 〔高級脂肪族アミン化合物名〕 DMODA ・・・・・・N,N−ジメチルオクタデシルアミ
ン DDA ・・・・・・ジドデシルアミン HDA ・・・・・・ヘキサデシルアミン TTMDA ・・・・・・牛脂アルキルトリメチレンジアミン DMHDA ・・・・・・N,N−ジメチルヘキサデシルアミ
ン DMA ・・・・・・ドデシルメチルアミン DA ・・・・・・ドデシルアミン 〔スルホン酸基含有単量体〕 AMPS ・・・・・・2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸 STS ・・・・・・スチレンスルホン酸 MS ・・・・・・メタリルスルホン酸 MES ・・・・・・メタクリロイルスルホン酸 〔他の重合性不飽和単量体〕 EHA ・・・・・・アクリル酸2−エチルヘキシル MMA ・・・・・・メタクリル酸メチル BA ・・・・・・アクリル酸ブチル AA ・・・・・・アクリル酸 ST ・・・・・・スチレン HEA ・・・・・・アクリル酸2−ヒドロキシエチル MAA ・・・・・・メタクリル酸 BMA ・・・・・・メタクリル酸ブチル EHMA ・・・・・・メタクリル酸2−エチルヘキシル
【0030】製剤例1〜14 上記重合例で得られた重合体A〜NにN−フェニルマレ
イミド誘導体及び可塑剤と溶剤を配合して(配合割合は
重量%である)、漁網防汚剤を得た。その結果を表2に
示す。
【0031】
【表2】 表中の○,×は製品の安定性の度合いを示す(3ヶ月
後) ○:安定である ×:沈澱,分離等している 表2中、配合に用いた化合物の欄の略号は以下の通りで
ある。 〔N−フェニルマレイミド化合物〕 DCDEFM・・・・・・2,3-ジクロロ-N-(2,6-ジエチルフェ
ニル)マレイミド DCMEFM・・・・・・2,3-ジクロロ-N-(2-メチル-6-エチ
ルフェニル)マレイミド DCFM ・・・・・・2,3-ジクロロ-N-フェニルマレイミ
ド CDEFM ・・・・・・2-クロロ-N-(2,6-ジエチルフェニ
ル)マレイミド DBFM ・・・・・・2,3-ジブロモ-N-フェニルマレイミ
【0032】製剤例15〜25 上記重合例で得られた重合体にN−フェニルマレイミド
誘導体及び顔料、可塑剤、溶剤等を配合して(配合割合
は重量%である)防汚塗料を得た。その結果を表3に示
す。
【0033】
【表3】 表中の○,×は製品の安定性の度合いを示す(3ヶ月
後) ○:安定である ×:沈澱,分離等している
【0034】試験例1 〔漁網防汚剤の防汚性能評価確
認試験〕 試験網として、ポリエチレン製(100本,4節,40
cm×60cm)の養殖用網を用いて行った。製剤番号1〜
14で得られた各種漁網防汚剤に試験網を浸漬して、網
に防汚剤を付着させ、3日間風乾させた。この場合、防
汚剤の付着量を同網の重量に対し約20%となるように
した。そして5月〜7月の3カ月間、三重県礫浦湾内の
筏より海面下1.0〜1.5mの深さに吊して、カサネカ
ンザシや他の付着生物に対する防汚効力を3ケ月後と6
ケ月後に観察した。その試験結果は表4に示す通りであ
る。即ち、表4では網に付着した生物重量(湿重量)と
付着生物の付着度合を示した。
【0035】
【表4】 表中の+++,++,+,−はムラサキイガイ等の付着
程度を示す。 +++:著しく付着している。 ++ :付着し養殖用としては使用出来ない。 + :わずかに付着している程度で養殖用としては十
分に使用出来る。 − :付着なし。
【0036】〔表4の考察〕表4で示されるようにこの
発明の実施例である製剤番号1〜12においては、防汚
効力を長期に亘って持続しており、特に6カ月後の付着
状況を観察すると対象付着生物の種類に関係なく良好な
防汚効果が発揮されていることがわかる。
【0037】試験例2 〔防汚塗料としての防汚性能評
価確認試験〕 試験板として7cm×20cmの硬質塩ビ板を用いて行っ
た。製剤番号15〜25で得られた各種防汚塗料を、塗
布量が約2.0Kg/m2 となるように2回塗布した。そ
して、5月より1年間、三重県礫浦湾内に筏より海面下
1.5〜2.0mの深さに吊して、カサネカンザシや他の
付着生物に対する防汚効果を6ケ月後と12ケ月後に観
察した。その試験結果は表5に示す通りである。即ち、
表5では付着した生物重量(湿重量)と付着生物の構成
割合(%)を示した。
【0038】
【表5】
【0039】〔表5の考察〕表5で示されるようにこの
発明の実施例である製剤番号15〜23においては、防
汚効力を長期に亘って持続しており、特に12カ月後の
付着状況を観察すると対象付着生物の種類に関係なく付
着生物量の付着面積が10%以下と良好な防汚効果が発
揮されていることがわかる。とくにカサネカンザシと二
枚貝に対する効果が顕著であることがわかる。
【0040】
【発明の効果】この発明の水中防汚組成物は各種の海水
系構造物用の防汚剤として有用であり、対象物に応じて
浸漬、ハケ塗り,スプレーなどの適宜の塗装方法を利用
して塗布し、常温でまたは加熱により乾燥し、必要に応
じて焼付を行い、対象物表面に皮膜を形成する。形成さ
れた皮膜は、対象物との良好な密着性を示し、自然の海
の中でも12カ月以上脱落することなく付着するととも
に海水中に徐々に溶出し続ける。そして、その間、付着
生物の付着を防ぐ。塗膜が残存しないので、溶出後に再
塗布を行った場合に、対象物上に形成される塗膜の密着
性が良好である。前記対象物としては、定置網、養殖用
網などの漁網、船底、海水取水路壁、更に、海水を使用
する冷却水系内の各種構造物や橋梁等の各種水中構造物
などがある。
フロントページの続き (72)発明者 福井 文 大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15号 株 式会社片山化学工業研究所内 (72)発明者 熊谷 弘夫 大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15号 株 式会社片山化学工業研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸基を持つ重合性不飽和単量体
    と一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は、炭素数12〜20の飽和または不飽和
    の脂肪族炭化水素基を、R2 は水素原子または炭素数1
    〜6のアルキル基を、R3 は水素原子、炭素数1〜6の
    アルキル基、炭素数12〜20の飽和もしくは不飽和の
    脂肪族炭化水素基、または炭素数1〜6のアルキル基で
    置換されていてもよいアミノ基で置換された炭素数1〜
    6のアルキル基を表す。)で表される高級脂肪族アミン
    との反応物(a)の重合体(平均分子量:3000〜4
    0万)、または上記反応物(a)と共重合可能な他の重
    合性不飽和単量体(b)との重合体(平均分子量:30
    00〜40万)と、 一般式(II): 【化2】 (式中、X1,X2 は同一又は異なって水素原子、ハロゲ
    ン原子を、Yは同一又は異なってハロゲン原子、低級ア
    ルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)で表されるN
    −フェニルマレイミド誘導体の1種又は2種以上とを含
    有する水中防汚組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)中、R1 が炭素数12〜2
    0のアルキル基であり、R2 及びR3 がメチル基である
    請求項1記載の水中防汚組成物。
JP14918393A 1992-06-24 1993-06-21 水中防汚組成物 Pending JPH0673312A (ja)

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