JPH0673312A - 水中防汚組成物 - Google Patents
水中防汚組成物Info
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- JPH0673312A JPH0673312A JP14918393A JP14918393A JPH0673312A JP H0673312 A JPH0673312 A JP H0673312A JP 14918393 A JP14918393 A JP 14918393A JP 14918393 A JP14918393 A JP 14918393A JP H0673312 A JPH0673312 A JP H0673312A
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- JP
- Japan
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- polymer
- antifouling
- carbon atoms
- unsaturated monomer
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 スルホン酸基を持つ重合性不飽和単量体と一
般式(I): 【化1】 で表される高級脂肪族アミンとの反応物(a)の重合
体、または上記反応物(a)と共重合可能な他の重合性
不飽和単量体(b)との重合体で平均分子量が3000
〜40万のものと、一般式(II): 【化2】 で表されるN−フェニルマレイミド誘導体の1種又は2
種以上とを含有する水中防汚組成物。 【目的】 水中構造物、特に漁網、船底、海水取水路壁
等への付着生物の付着を長期間に亘り防ぐことができ
る。
般式(I): 【化1】 で表される高級脂肪族アミンとの反応物(a)の重合
体、または上記反応物(a)と共重合可能な他の重合性
不飽和単量体(b)との重合体で平均分子量が3000
〜40万のものと、一般式(II): 【化2】 で表されるN−フェニルマレイミド誘導体の1種又は2
種以上とを含有する水中防汚組成物。 【目的】 水中構造物、特に漁網、船底、海水取水路壁
等への付着生物の付着を長期間に亘り防ぐことができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、付着生物、特に海中
の付着生物が漁網、船底、海水取水路などに付着するの
を長期にわたり防止するための水中防汚組成物に関す
る。さらに詳しくは、漁網、船底、海水取水路などに塗
布することにより、安全性の高い防汚有効成分の溶出を
長期間にわたり持続できる持続性水中防汚剤に関する。
の付着生物が漁網、船底、海水取水路などに付着するの
を長期にわたり防止するための水中防汚組成物に関す
る。さらに詳しくは、漁網、船底、海水取水路などに塗
布することにより、安全性の高い防汚有効成分の溶出を
長期間にわたり持続できる持続性水中防汚剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、養殖漁業や海洋施設の建設が盛ん
になり、付着生物の棲息域が拡大の一途をたどってい
る。このため、船舶の底部や水中構築物,養殖網,ブイ
あるいは定置網等は、海水中で長期間保持されるため、
フジツボやカサネカンザシ,ムラサキイガイ等の付着生
物が多く付着し、これらによって種々の障害を引き起こ
している。
になり、付着生物の棲息域が拡大の一途をたどってい
る。このため、船舶の底部や水中構築物,養殖網,ブイ
あるいは定置網等は、海水中で長期間保持されるため、
フジツボやカサネカンザシ,ムラサキイガイ等の付着生
物が多く付着し、これらによって種々の障害を引き起こ
している。
【0003】従来より、漁網、船底、海水取水路などに
付着生物が付着しこれによる悪影響が生じるのを防ぐた
め、付着生物の付着を抑制する防汚剤が種々提案され、
実際にも使用されている。たとえば、特公昭50−87
30号公報、特公昭54−37008号公報、特開昭5
5−92774号公報、特開昭58−120678号公
報、特開昭59−133267号公報及び特公平1−5
4388号公報においては、有機スズ化合物、有機又は
無機の銅系化合物や有機塩素系化合物等の毒性の高い化
合物の防汚有効成分と特定のアクリル酸系ポリマーを含
有する防汚剤が提案されている。しかし、これらの防汚
有効成分は、海洋汚染の問題が生じるほど毒性が強く、
生体中に蓄積する性質を持っている。このため、特に養
殖業において食用の養殖生物を扱う場合には、人体への
影響が危惧されるとともに、防汚剤を直接取り扱う作業
者への影響も危惧される。
付着生物が付着しこれによる悪影響が生じるのを防ぐた
め、付着生物の付着を抑制する防汚剤が種々提案され、
実際にも使用されている。たとえば、特公昭50−87
30号公報、特公昭54−37008号公報、特開昭5
5−92774号公報、特開昭58−120678号公
報、特開昭59−133267号公報及び特公平1−5
4388号公報においては、有機スズ化合物、有機又は
無機の銅系化合物や有機塩素系化合物等の毒性の高い化
合物の防汚有効成分と特定のアクリル酸系ポリマーを含
有する防汚剤が提案されている。しかし、これらの防汚
有効成分は、海洋汚染の問題が生じるほど毒性が強く、
生体中に蓄積する性質を持っている。このため、特に養
殖業において食用の養殖生物を扱う場合には、人体への
影響が危惧されるとともに、防汚剤を直接取り扱う作業
者への影響も危惧される。
【0004】安全性を高めるために、上記毒物の代わり
にポリイソシアナート化合物やカルボキシル基とキレー
ト化できる金属化合物を用いた防汚剤が、たとえば特公
昭53−21883号公報や特公昭53−21885号
公報で提案されている。しかし、これら安全性の高い防
汚剤は、やはり長期にわたっての防汚効果が十分とは言
えなかった。
にポリイソシアナート化合物やカルボキシル基とキレー
ト化できる金属化合物を用いた防汚剤が、たとえば特公
昭53−21883号公報や特公昭53−21885号
公報で提案されている。しかし、これら安全性の高い防
汚剤は、やはり長期にわたっての防汚効果が十分とは言
えなかった。
【0005】そこで、安全性が高く、しかも、長期間に
わたり防汚効果が持続する防汚剤が望まれている。ま
た、N−フェニルマレイミド誘導体が水中付着生物に有
効であることは公知である(特開昭63−33304
号,特開昭64−90105号公報参照)。
わたり防汚効果が持続する防汚剤が望まれている。ま
た、N−フェニルマレイミド誘導体が水中付着生物に有
効であることは公知である(特開昭63−33304
号,特開昭64−90105号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記高級脂肪族アミン
は安全性が高く優れた防汚効果を有する化合物である
が、水中濃度が低い場合、対象付着生物の種類によって
は長期間の防汚効果が不十分な場合があった。また、N
−フェニルマレイミド誘導体は、作業時の取扱い性を十
分注意しなければカブレ等の人体に対する安全性の点で
問題があるとともに、水中濃度が低い場合、対象付着生
物の種類によっては長期間の防汚効果が不十分な場合が
あった。
は安全性が高く優れた防汚効果を有する化合物である
が、水中濃度が低い場合、対象付着生物の種類によって
は長期間の防汚効果が不十分な場合があった。また、N
−フェニルマレイミド誘導体は、作業時の取扱い性を十
分注意しなければカブレ等の人体に対する安全性の点で
問題があるとともに、水中濃度が低い場合、対象付着生
物の種類によっては長期間の防汚効果が不十分な場合が
あった。
【0007】この発明の発明者らは、幅広い対象付着生
物について長期間防汚効果を発揮させるために、この高
級脂肪族アミンとN−フェニルマレイミド誘導体とを併
用することを検討したが、高級脂肪族アミンとN−フェ
ニルマレイミド誘導体との配合時において、両者が反応
してゲル化を生じたり結晶物が析出し、著しく防汚効果
を低下させるという問題点があった。
物について長期間防汚効果を発揮させるために、この高
級脂肪族アミンとN−フェニルマレイミド誘導体とを併
用することを検討したが、高級脂肪族アミンとN−フェ
ニルマレイミド誘導体との配合時において、両者が反応
してゲル化を生じたり結晶物が析出し、著しく防汚効果
を低下させるという問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者らは、
スルホン酸基を有する重合性不飽和単量体に高級脂肪族
アミンを反応させた後、この単量体を重合することによ
って得られる重合物にN−フェニルマレイミド誘導体を
配合することにより、上記問題となるゲル化や結晶物の
析出も見られないこと、防汚組成物中の防汚有効成分の
配合量を低下させても広範囲の対象付着生物に対しより
優れた防汚効果を発揮することを確認しこの発明を完成
させた。
スルホン酸基を有する重合性不飽和単量体に高級脂肪族
アミンを反応させた後、この単量体を重合することによ
って得られる重合物にN−フェニルマレイミド誘導体を
配合することにより、上記問題となるゲル化や結晶物の
析出も見られないこと、防汚組成物中の防汚有効成分の
配合量を低下させても広範囲の対象付着生物に対しより
優れた防汚効果を発揮することを確認しこの発明を完成
させた。
【0009】かくしてこの発明によれば、スルホン酸基
を持つ重合性不飽和単量体と一般式(I):
を持つ重合性不飽和単量体と一般式(I):
【0010】
【化3】 (式中、R1 は、炭素数12〜20の飽和または不飽和
の脂肪族炭化水素基を、R2 は水素原子または炭素数1
〜6のアルキル基を、R3 は水素原子、炭素数1〜6の
アルキル基、炭素数12〜20の飽和もしくは不飽和の
脂肪族炭化水素基、または炭素数1〜6のアルキル基で
置換されていてもよいアミノ基で置換された炭素数1〜
6のアルキル基を表す。)で表される高級脂肪族アミン
との反応物(a)の重合体(平均分子量:3000〜4
0万)、または上記反応物(a)と共重合可能な他の重
合性不飽和単量体(b)との重合体(平均分子量:30
00〜40万)に、一般式(II):
の脂肪族炭化水素基を、R2 は水素原子または炭素数1
〜6のアルキル基を、R3 は水素原子、炭素数1〜6の
アルキル基、炭素数12〜20の飽和もしくは不飽和の
脂肪族炭化水素基、または炭素数1〜6のアルキル基で
置換されていてもよいアミノ基で置換された炭素数1〜
6のアルキル基を表す。)で表される高級脂肪族アミン
との反応物(a)の重合体(平均分子量:3000〜4
0万)、または上記反応物(a)と共重合可能な他の重
合性不飽和単量体(b)との重合体(平均分子量:30
00〜40万)に、一般式(II):
【0011】
【化4】 (式中、X1,X2 は同一又は異なって水素原子、ハロゲ
ン原子を、Yは同一又は異なってハロゲン原子、低級ア
ルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)で表されるN
−フェニルマレイミド誘導体の1種又は2種以上が配合
されてなる持続性水中防汚剤が提供される。
ン原子を、Yは同一又は異なってハロゲン原子、低級ア
ルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)で表されるN
−フェニルマレイミド誘導体の1種又は2種以上が配合
されてなる持続性水中防汚剤が提供される。
【0012】この発明で使用するスルホン酸基を持つ重
合性不飽和単量体としては、スルホン酸基を有する不飽
和化合物であればよく、例えば、スチレンスルホン酸,
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸,
2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸,ビニルスルホン酸,メタリルスルホン酸,アリルス
ルホン酸,プロペニルスルホン酸,2−メタアクリロイ
ルオキシエチルスルホン酸,3−メタクリロイルオキシ
−2−ヒドロキシプロピルスルホン酸等が挙げられる。
合性不飽和単量体としては、スルホン酸基を有する不飽
和化合物であればよく、例えば、スチレンスルホン酸,
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸,
2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸,ビニルスルホン酸,メタリルスルホン酸,アリルス
ルホン酸,プロペニルスルホン酸,2−メタアクリロイ
ルオキシエチルスルホン酸,3−メタクリロイルオキシ
−2−ヒドロキシプロピルスルホン酸等が挙げられる。
【0013】この発明において、一般式(I)で表され
る高級脂肪族アミン化合物の具体例としては、ドデシル
アミン,テトラデシルアミン,ヘキサデシルアミン,オ
クタデシルアミン,オレイルアミン,牛脂アルキルアミ
ン,ヤシアルキルアミン等の第1級アミン; ジ(ドデ
シル)アミン,ジ(オクタデシル)アミン,ジ(オレイ
ル)アミン,ジ(牛脂アルキル)アミン,ジ(ヤシアル
キル)アミン,ドデシルオクタデシルアミン,ドデシル
メチルアミン,ドデシルエチルアミン,ヘキサデシルブ
チルアミン,ヘキサデシルメチルアミン,オクタデシル
メチルアミン,牛脂アルキルメチルアミン,硬化牛脂ア
ルキルメチルアミン,ヤシアルキルメチルアミン等の第
2級アミン;ドデシルジメチルアミン,ヘキサデシルジ
メチルアミン,オクタデシルジメチルアミン,ヤシアル
キルジメチルアミン,牛脂アルキルジメチルアミン,硬
化牛脂アルキルジメチルアミン,ジドデシルメチルアミ
ン,ジオクタデシルメチルアミン,ドデシルヘキサデシ
ルメチルアミン,牛脂アルキルジエチルアミン,ヤシア
ルキルジヘキシルアミン等の第3級アミン;ドデシルエ
チレンジアミン,ヘキサデシルエチレンジアミン,オク
タデシルエチレンジアミン,オレイルエチレンジアミ
ン,牛脂アルキルエチレンジアミン等のN−モノ置換エ
チレンジアミン;ドデシルトリメチレンジアミン,ヘキ
サデシルトリメチレンジアミン,オクタデシルトリメチ
レンジアミン,オレイルトリメチレンジアミン,ヤシア
ルキルトリメチレンジアミン,牛脂アルキルトリメチレ
ンジアミン,硬化牛脂アルキルトリメチレンジアミン等
のようなN−モノ置換トリメチレンジアミン等が挙げら
れる。
る高級脂肪族アミン化合物の具体例としては、ドデシル
アミン,テトラデシルアミン,ヘキサデシルアミン,オ
クタデシルアミン,オレイルアミン,牛脂アルキルアミ
ン,ヤシアルキルアミン等の第1級アミン; ジ(ドデ
シル)アミン,ジ(オクタデシル)アミン,ジ(オレイ
ル)アミン,ジ(牛脂アルキル)アミン,ジ(ヤシアル
キル)アミン,ドデシルオクタデシルアミン,ドデシル
メチルアミン,ドデシルエチルアミン,ヘキサデシルブ
チルアミン,ヘキサデシルメチルアミン,オクタデシル
メチルアミン,牛脂アルキルメチルアミン,硬化牛脂ア
ルキルメチルアミン,ヤシアルキルメチルアミン等の第
2級アミン;ドデシルジメチルアミン,ヘキサデシルジ
メチルアミン,オクタデシルジメチルアミン,ヤシアル
キルジメチルアミン,牛脂アルキルジメチルアミン,硬
化牛脂アルキルジメチルアミン,ジドデシルメチルアミ
ン,ジオクタデシルメチルアミン,ドデシルヘキサデシ
ルメチルアミン,牛脂アルキルジエチルアミン,ヤシア
ルキルジヘキシルアミン等の第3級アミン;ドデシルエ
チレンジアミン,ヘキサデシルエチレンジアミン,オク
タデシルエチレンジアミン,オレイルエチレンジアミ
ン,牛脂アルキルエチレンジアミン等のN−モノ置換エ
チレンジアミン;ドデシルトリメチレンジアミン,ヘキ
サデシルトリメチレンジアミン,オクタデシルトリメチ
レンジアミン,オレイルトリメチレンジアミン,ヤシア
ルキルトリメチレンジアミン,牛脂アルキルトリメチレ
ンジアミン,硬化牛脂アルキルトリメチレンジアミン等
のようなN−モノ置換トリメチレンジアミン等が挙げら
れる。
【0014】これらのアミン類の内、”ヤシアルキル‥
‥アミン”、”牛脂アルキル‥‥アミン、”硬化牛脂ア
ルキル‥‥アミンとは、そのアミンがヤシ油もしくはヤ
シ脂肪、牛脂等から公知の手段により製造された炭素数
12〜20の範囲の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素
基のものがその主要成分を占めるアミンの混合物(混合
アルキルアミン)であることを意味する。高級脂肪族ア
ミンとしては、式(I)で表される化合物のうちのいず
れか1つが単独で使用されたり、あるいは2以上が併用
されたりする。
‥アミン”、”牛脂アルキル‥‥アミン、”硬化牛脂ア
ルキル‥‥アミンとは、そのアミンがヤシ油もしくはヤ
シ脂肪、牛脂等から公知の手段により製造された炭素数
12〜20の範囲の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素
基のものがその主要成分を占めるアミンの混合物(混合
アルキルアミン)であることを意味する。高級脂肪族ア
ミンとしては、式(I)で表される化合物のうちのいず
れか1つが単独で使用されたり、あるいは2以上が併用
されたりする。
【0015】この発明においてスルホン酸基を持つ重合
性不飽和単量体と高級脂肪族アミンとの反応物(a)と
共重合可能な他の重合性不飽和単量体(b)は、この発
明の持続性水中防汚剤が対象物に塗布されて形成する皮
膜の性能を整えるなどのために必要に応じて使用される
単量体であり、重合体(a)と共重合可能な単量体であ
れば特に限定はない。単量体(b)の具体例としては、
メチルメタクリレート,エチルメタクリレート,ter
t−ブチルメタクリレート,2−エチルヘキシルメタク
リレート,ラウリルメタクリレート,ステアリルメタク
リレート,エチルアクリレート,ブチルアクリレート,
2−エチルヘキシルアクリレート,ラウリルアクリレー
ト,ステアリルアクリレート,シクロヘキシルアクリレ
ート等のアクリルエステル系の不飽和単量体等;2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピル
アクリレート,ジエチレングリコールモノアクリレー
ト,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ低級アルキ
ル(メタ)アクリレート等;その他(メタ)アクリル
酸,クロトン酸,ビニル安息香酸,α−シアノアクリル
酸,マレイン酸,フマル酸,イタコン酸等の親水性不飽
和単量体等;スチレン,α−メチルスチレン,ブタジエ
ン,ビニルトルエン,塩化ビニル,塩化ビニリデン,酢
酸ビニル,ビニルブチレート,メチルビニルエーテル,
オクチルビニルエーテル,アクリロニトリル,メタクリ
ロニトリル等が挙げられる。
性不飽和単量体と高級脂肪族アミンとの反応物(a)と
共重合可能な他の重合性不飽和単量体(b)は、この発
明の持続性水中防汚剤が対象物に塗布されて形成する皮
膜の性能を整えるなどのために必要に応じて使用される
単量体であり、重合体(a)と共重合可能な単量体であ
れば特に限定はない。単量体(b)の具体例としては、
メチルメタクリレート,エチルメタクリレート,ter
t−ブチルメタクリレート,2−エチルヘキシルメタク
リレート,ラウリルメタクリレート,ステアリルメタク
リレート,エチルアクリレート,ブチルアクリレート,
2−エチルヘキシルアクリレート,ラウリルアクリレー
ト,ステアリルアクリレート,シクロヘキシルアクリレ
ート等のアクリルエステル系の不飽和単量体等;2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピル
アクリレート,ジエチレングリコールモノアクリレー
ト,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ低級アルキ
ル(メタ)アクリレート等;その他(メタ)アクリル
酸,クロトン酸,ビニル安息香酸,α−シアノアクリル
酸,マレイン酸,フマル酸,イタコン酸等の親水性不飽
和単量体等;スチレン,α−メチルスチレン,ブタジエ
ン,ビニルトルエン,塩化ビニル,塩化ビニリデン,酢
酸ビニル,ビニルブチレート,メチルビニルエーテル,
オクチルビニルエーテル,アクリロニトリル,メタクリ
ロニトリル等が挙げられる。
【0016】上記反応物(a)及び単量体(b)として
は、それぞれ1つの化合物が単独で用いられてもよく、
2つ以上の化合物が併用されてもよい。スルホン酸基を
有する重合性不飽和単量体と高級脂肪族アミンとの反応
は、スルホン酸基を有する重合性不飽和単量体1モルに
対して高級脂肪族アミンを0.8モル〜1.2モル、好ま
しくは0.9〜1.1モルの範囲で反応させ、重合させる
のが好ましい。アミン量が多くなると重合が困難にな
り、一方少ないと防汚効果が弱くなるため好ましくな
い。
は、それぞれ1つの化合物が単独で用いられてもよく、
2つ以上の化合物が併用されてもよい。スルホン酸基を
有する重合性不飽和単量体と高級脂肪族アミンとの反応
は、スルホン酸基を有する重合性不飽和単量体1モルに
対して高級脂肪族アミンを0.8モル〜1.2モル、好ま
しくは0.9〜1.1モルの範囲で反応させ、重合させる
のが好ましい。アミン量が多くなると重合が困難にな
り、一方少ないと防汚効果が弱くなるため好ましくな
い。
【0017】この反応により生成された反応物は、スル
ホン酸基を有する重合性不飽和単量体と高級脂肪族アミ
ンとの中和塩である。この反応物をそのまま又は抽出精
製後重合することにより、この発明の重合物が得られ
る。このように高級脂肪族アミンは、重合前に単量体と
中和塩を生成させておく方が、重合後に重合体と中和塩
を生成させるよりも、樹脂基体と強固に、安定に結合す
るようになる。
ホン酸基を有する重合性不飽和単量体と高級脂肪族アミ
ンとの中和塩である。この反応物をそのまま又は抽出精
製後重合することにより、この発明の重合物が得られ
る。このように高級脂肪族アミンは、重合前に単量体と
中和塩を生成させておく方が、重合後に重合体と中和塩
を生成させるよりも、樹脂基体と強固に、安定に結合す
るようになる。
【0018】単量体(b)の使用割合は、反応物(a)
と単量体(b)との合計重量100重量%に対して、0
〜70重量%の範囲で必要に応じて用いらる。単量体
(b)が70重量%を越えると、防汚剤中の有効成分で
ある高級脂肪族アミンの含有量が少なくなり、防汚効果
が弱くなるため好ましくない。重合して得られる、重合
体の平均分子量は3000以上、40万以下が好まし
い。3000未満だと海水中で被覆剤の形態を維持でき
ないという問題があり、40万よりも大きくなると防汚
剤が高粘度になり作業性が著しく劣るという問題があ
る。
と単量体(b)との合計重量100重量%に対して、0
〜70重量%の範囲で必要に応じて用いらる。単量体
(b)が70重量%を越えると、防汚剤中の有効成分で
ある高級脂肪族アミンの含有量が少なくなり、防汚効果
が弱くなるため好ましくない。重合して得られる、重合
体の平均分子量は3000以上、40万以下が好まし
い。3000未満だと海水中で被覆剤の形態を維持でき
ないという問題があり、40万よりも大きくなると防汚
剤が高粘度になり作業性が著しく劣るという問題があ
る。
【0019】この発明における重合体は、重合開始剤を
用いて公知の方法により溶液中での重合や塊状重合等の
方法により行うことができる。その際使用される溶媒と
しては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、ブ
タノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエ
チルエーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル,ジオキサン等のエーテル類;トルエン,キシレン,
エチルベンゼン,メチルナフタレン等の芳香族炭化水素
類;酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類;アセト
ン,メチルエチルケトン,メチルイソアミルケトン等の
ケトン類等があげられる。
用いて公知の方法により溶液中での重合や塊状重合等の
方法により行うことができる。その際使用される溶媒と
しては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、ブ
タノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエ
チルエーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル,ジオキサン等のエーテル類;トルエン,キシレン,
エチルベンゼン,メチルナフタレン等の芳香族炭化水素
類;酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類;アセト
ン,メチルエチルケトン,メチルイソアミルケトン等の
ケトン類等があげられる。
【0020】重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム
や過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキ
サイド,t−ブチルパーオキサイド,ラウロイルパーオ
キサイド等のパーオキサイド;クメンハイドロパーオキ
サイド等のハイドロパーオキサイド;アゾビスイソブチ
ロニトリル,アゾビスイソフタロニトリル,アゾビスジ
メチルバレロニトリル等の脂肪族アゾ化合物等が用いら
れる。
や過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキ
サイド,t−ブチルパーオキサイド,ラウロイルパーオ
キサイド等のパーオキサイド;クメンハイドロパーオキ
サイド等のハイドロパーオキサイド;アゾビスイソブチ
ロニトリル,アゾビスイソフタロニトリル,アゾビスジ
メチルバレロニトリル等の脂肪族アゾ化合物等が用いら
れる。
【0021】重合温度は用いられる溶媒や重合開始剤に
より適宜設定されるが、通常0〜120℃の、好ましく
は60〜80℃範囲内で設定される。この発明の重合物
にさらに配合されるN−フェニルマレイミド誘導体とし
ては、2,3−ジクロロ−N−(2,6−ジエチルフェニ
ル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−メチル
−6−エチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ
−N−(2,4,6,−トリクロロフェニル)マレイミ
ド、2,3−ジクロロ−N−フェニルマレイミド、2,3
−ジブロモ−N−フェニルマレイミド、2−クロロ−N
−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、2−クロ
ロ−N−(2−メチル−6−エチルフェニル)マレイミ
ド、2−ブロモ−N−(2,6−ジエチルフェニル)マ
レイミド、2−クロロ−N−(4−クロロフェニル)マ
レイミド及び2−クロロ−N−フェニルマレイミド等が
挙げられる。
より適宜設定されるが、通常0〜120℃の、好ましく
は60〜80℃範囲内で設定される。この発明の重合物
にさらに配合されるN−フェニルマレイミド誘導体とし
ては、2,3−ジクロロ−N−(2,6−ジエチルフェニ
ル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−メチル
−6−エチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ
−N−(2,4,6,−トリクロロフェニル)マレイミ
ド、2,3−ジクロロ−N−フェニルマレイミド、2,3
−ジブロモ−N−フェニルマレイミド、2−クロロ−N
−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、2−クロ
ロ−N−(2−メチル−6−エチルフェニル)マレイミ
ド、2−ブロモ−N−(2,6−ジエチルフェニル)マ
レイミド、2−クロロ−N−(4−クロロフェニル)マ
レイミド及び2−クロロ−N−フェニルマレイミド等が
挙げられる。
【0022】これらN−フェニルマレイミド誘導体は、
この発明の重合物中の高級脂肪族アミン1に対して、重
量比で0.1〜10の範囲で用いるのが相乗的な防汚効
果が発揮されるため好ましく、0.2〜8の範囲で用い
るのが特に好ましい。この発明の持続性水中防汚剤は、
通常、このようにして得られた防汚有効成分を、塗布作
業性を改良するための適当な溶媒に溶解し溶液の形で調
製される。溶媒としては、メチルアルコール,エチルア
ルコール,キシレン,トルエン,シクロヘキサノン,灯
油,メチルイソブチルケトン,酢酸ブチル,ジメチルホ
ルムアミド,ナフサ,エチレングリコールモノエチルエ
ーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテル等が
あげられるが、これ以外にも塗料の分野で用いられる種
々の溶媒が使用でき、若干の水が含まれていても差し支
えない。
この発明の重合物中の高級脂肪族アミン1に対して、重
量比で0.1〜10の範囲で用いるのが相乗的な防汚効
果が発揮されるため好ましく、0.2〜8の範囲で用い
るのが特に好ましい。この発明の持続性水中防汚剤は、
通常、このようにして得られた防汚有効成分を、塗布作
業性を改良するための適当な溶媒に溶解し溶液の形で調
製される。溶媒としては、メチルアルコール,エチルア
ルコール,キシレン,トルエン,シクロヘキサノン,灯
油,メチルイソブチルケトン,酢酸ブチル,ジメチルホ
ルムアミド,ナフサ,エチレングリコールモノエチルエ
ーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテル等が
あげられるが、これ以外にも塗料の分野で用いられる種
々の溶媒が使用でき、若干の水が含まれていても差し支
えない。
【0023】漁網用防汚剤として使用する場合は、防汚
有効成分を固形分濃度で10〜60重量%、好ましくは
20〜50重量%程度となるようにするのが防汚性、成
膜性、膜強度等の点で好ましく、網への密着性や、網の
こわばり等を改良する場合は、フタル酸ジオクチル,ア
ジピン酸ジオクチル,リン酸トリクレジル,トリオクチ
ルホスフェート,ポリブテン等を配合するとよい。漁網
への適用は、常法、例えば浸漬法等が用いられる。
有効成分を固形分濃度で10〜60重量%、好ましくは
20〜50重量%程度となるようにするのが防汚性、成
膜性、膜強度等の点で好ましく、網への密着性や、網の
こわばり等を改良する場合は、フタル酸ジオクチル,ア
ジピン酸ジオクチル,リン酸トリクレジル,トリオクチ
ルホスフェート,ポリブテン等を配合するとよい。漁網
への適用は、常法、例えば浸漬法等が用いられる。
【0024】防汚塗料に使用する場合は、防汚有効成分
を固形分濃度で20〜80重量%、好ましくは30〜6
0重量%程度配合し適当な溶媒に溶解し、顔料、可塑
剤、界面活性剤、塗膜調整ビヒクル等を配合して防汚塗
料を調製する。顔料としては、タルク,チタン白,黄
鉛,紺青,ベンガラ,フタロシアニンブルー等が挙げら
れる。可塑剤としては、フタル酸ジオクチル,アジピン
酸ジオクチル,リン酸トリクレジル,トリオクチルホス
フェート等が挙げられる。なお、塗膜強度等を調整する
場合のビヒクルとしては、ロジン,ボイル油,塩化ゴ
ム,ポリブテン,塩化ビニル樹脂,アクリル樹脂,エポ
キシ樹脂等が挙げられる。防汚塗料として用いる場合
は、ハケ塗り、ローラ塗り、スプレー法等で行なう。
を固形分濃度で20〜80重量%、好ましくは30〜6
0重量%程度配合し適当な溶媒に溶解し、顔料、可塑
剤、界面活性剤、塗膜調整ビヒクル等を配合して防汚塗
料を調製する。顔料としては、タルク,チタン白,黄
鉛,紺青,ベンガラ,フタロシアニンブルー等が挙げら
れる。可塑剤としては、フタル酸ジオクチル,アジピン
酸ジオクチル,リン酸トリクレジル,トリオクチルホス
フェート等が挙げられる。なお、塗膜強度等を調整する
場合のビヒクルとしては、ロジン,ボイル油,塩化ゴ
ム,ポリブテン,塩化ビニル樹脂,アクリル樹脂,エポ
キシ樹脂等が挙げられる。防汚塗料として用いる場合
は、ハケ塗り、ローラ塗り、スプレー法等で行なう。
【0025】さらに、この発明の持続性水中防汚剤には
必要に応じて、銅粉,亜酸化銅,ロダン銅,ナフテン酸
銅,オレイン酸銅,ジメチルジチオカルバミン酸塩,テ
トラエチルチウラムジスルフィド,ジンクピリチオン,
4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン,2−チオシアノメチルチオベンゾチア
ゾール,テトラクロロイソフタロニトリル等の公知の防
汚有効成分を適宜併用することができる。
必要に応じて、銅粉,亜酸化銅,ロダン銅,ナフテン酸
銅,オレイン酸銅,ジメチルジチオカルバミン酸塩,テ
トラエチルチウラムジスルフィド,ジンクピリチオン,
4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン,2−チオシアノメチルチオベンゾチア
ゾール,テトラクロロイソフタロニトリル等の公知の防
汚有効成分を適宜併用することができる。
【0026】
【実施例】以下にこの発明の具体的な実施例及び比較例
を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。
を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。
【0027】参考例1 〔2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸とN,N−ジメチルオクタデシ
ルアミンとの反応物(a-1) の合成〕 スルホン酸基含有重合性不飽和単量体と高級脂肪族アミ
ンの反応は、温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えたフ
ラスコを用いて行った。即ちフラスコ内にキシレン10
0g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸0.2モル、tert−ブチルカテコール0.001
モルを加えて、攪拌しながらN,N−ジメチルオクタデ
シルアミン0.2モルを内温60℃以下に保ちながら徐
々に滴下し、滴下終了後1時間攪拌を続けて2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とN,Nジメ
チルオクタデシルアミンとの反応物(a-1) を得た。 参考例2 〔p−スチレンスルホン酸とN,N−ジメチ
ルヘキサデシルアミンとの反応物(a-2) の合成〕 スルホン酸塩基含有重合性不飽和単量体と高級脂肪族ア
ミンの反応は、温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えた
フラスコを用いて行った。即ちフラスコ内にエタノール
50gとN,N−ジメチルヘキサデシルアミン0.2モル
を加えて攪拌しながら塩酸0.2モルを室温にて徐々に
滴下し、滴下終了後p−スチレンスルホン酸ソーダの
0.2モルを純水200gに溶解したものを徐々に滴下
し、30分間攪拌後、1時間放置した。得られた沈澱物
を濾過し、純水で洗浄後キシレンに溶解し、p−スチレ
ンスルホン酸とN,N−ジメチルヘキサデシルアミンと
の反応物(a-2) を得た。
チルプロパンスルホン酸とN,N−ジメチルオクタデシ
ルアミンとの反応物(a-1) の合成〕 スルホン酸基含有重合性不飽和単量体と高級脂肪族アミ
ンの反応は、温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えたフ
ラスコを用いて行った。即ちフラスコ内にキシレン10
0g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸0.2モル、tert−ブチルカテコール0.001
モルを加えて、攪拌しながらN,N−ジメチルオクタデ
シルアミン0.2モルを内温60℃以下に保ちながら徐
々に滴下し、滴下終了後1時間攪拌を続けて2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とN,Nジメ
チルオクタデシルアミンとの反応物(a-1) を得た。 参考例2 〔p−スチレンスルホン酸とN,N−ジメチ
ルヘキサデシルアミンとの反応物(a-2) の合成〕 スルホン酸塩基含有重合性不飽和単量体と高級脂肪族ア
ミンの反応は、温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えた
フラスコを用いて行った。即ちフラスコ内にエタノール
50gとN,N−ジメチルヘキサデシルアミン0.2モル
を加えて攪拌しながら塩酸0.2モルを室温にて徐々に
滴下し、滴下終了後p−スチレンスルホン酸ソーダの
0.2モルを純水200gに溶解したものを徐々に滴下
し、30分間攪拌後、1時間放置した。得られた沈澱物
を濾過し、純水で洗浄後キシレンに溶解し、p−スチレ
ンスルホン酸とN,N−ジメチルヘキサデシルアミンと
の反応物(a-2) を得た。
【0028】重合例1 〔反応物(a-1) の重合〕 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸と
N,Nジメチルオクタデシルアミンとの反応物(a-1) の
重合は、温度計、攪拌機、滴下ロート、ガス導入管及び
還流冷却器を備えたフラスコを用いて行った。参考例1
で得られた反応物(a-1) のキシレン溶液200gを仕込
み、攪拌しながらフラスコ内を窒素置換し、窒素気流下
で80℃に加熱し、アゾビスイソブチロニトリル(AI
BN)0.16gを加えて同じ温度を維持しながら、5
時間攪拌を続けてこの発明の実施例である重合物Aを得
た。得られた重合物Aの平均分子量は、ポリスチレンを
標準としたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)の分
析結果8.5万であった。 重合例2〜12 〔スルホン酸基を持つ重合性不飽和単
量体各種と各種高級脂肪族アミンとの反応物(a)、ま
たは反応物(a)と他の共重合可能な重合性不飽和単量
体(b)との重合〕 上記参考例1,2や重合例1と同様にして、スルホン酸
基を持つ重合性不飽和単量体各種と各種高級脂肪族アミ
ンとを種々の割合で反応させて得た反応物(a)または
上記反応物(a)と他の共重合可能な重合性不飽和単量
体(b)との種々の割合に重合した重合体B〜Lを得
た。この結果を表1に示す(配合割合は重量%であ
る)。
N,Nジメチルオクタデシルアミンとの反応物(a-1) の
重合は、温度計、攪拌機、滴下ロート、ガス導入管及び
還流冷却器を備えたフラスコを用いて行った。参考例1
で得られた反応物(a-1) のキシレン溶液200gを仕込
み、攪拌しながらフラスコ内を窒素置換し、窒素気流下
で80℃に加熱し、アゾビスイソブチロニトリル(AI
BN)0.16gを加えて同じ温度を維持しながら、5
時間攪拌を続けてこの発明の実施例である重合物Aを得
た。得られた重合物Aの平均分子量は、ポリスチレンを
標準としたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)の分
析結果8.5万であった。 重合例2〜12 〔スルホン酸基を持つ重合性不飽和単
量体各種と各種高級脂肪族アミンとの反応物(a)、ま
たは反応物(a)と他の共重合可能な重合性不飽和単量
体(b)との重合〕 上記参考例1,2や重合例1と同様にして、スルホン酸
基を持つ重合性不飽和単量体各種と各種高級脂肪族アミ
ンとを種々の割合で反応させて得た反応物(a)または
上記反応物(a)と他の共重合可能な重合性不飽和単量
体(b)との種々の割合に重合した重合体B〜Lを得
た。この結果を表1に示す(配合割合は重量%であ
る)。
【0029】
【表1】 表1中、重合体製造に用いた単量体の欄の略号は以下の
通りである。 〔高級脂肪族アミン化合物名〕 DMODA ・・・・・・N,N−ジメチルオクタデシルアミ
ン DDA ・・・・・・ジドデシルアミン HDA ・・・・・・ヘキサデシルアミン TTMDA ・・・・・・牛脂アルキルトリメチレンジアミン DMHDA ・・・・・・N,N−ジメチルヘキサデシルアミ
ン DMA ・・・・・・ドデシルメチルアミン DA ・・・・・・ドデシルアミン 〔スルホン酸基含有単量体〕 AMPS ・・・・・・2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸 STS ・・・・・・スチレンスルホン酸 MS ・・・・・・メタリルスルホン酸 MES ・・・・・・メタクリロイルスルホン酸 〔他の重合性不飽和単量体〕 EHA ・・・・・・アクリル酸2−エチルヘキシル MMA ・・・・・・メタクリル酸メチル BA ・・・・・・アクリル酸ブチル AA ・・・・・・アクリル酸 ST ・・・・・・スチレン HEA ・・・・・・アクリル酸2−ヒドロキシエチル MAA ・・・・・・メタクリル酸 BMA ・・・・・・メタクリル酸ブチル EHMA ・・・・・・メタクリル酸2−エチルヘキシル
通りである。 〔高級脂肪族アミン化合物名〕 DMODA ・・・・・・N,N−ジメチルオクタデシルアミ
ン DDA ・・・・・・ジドデシルアミン HDA ・・・・・・ヘキサデシルアミン TTMDA ・・・・・・牛脂アルキルトリメチレンジアミン DMHDA ・・・・・・N,N−ジメチルヘキサデシルアミ
ン DMA ・・・・・・ドデシルメチルアミン DA ・・・・・・ドデシルアミン 〔スルホン酸基含有単量体〕 AMPS ・・・・・・2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸 STS ・・・・・・スチレンスルホン酸 MS ・・・・・・メタリルスルホン酸 MES ・・・・・・メタクリロイルスルホン酸 〔他の重合性不飽和単量体〕 EHA ・・・・・・アクリル酸2−エチルヘキシル MMA ・・・・・・メタクリル酸メチル BA ・・・・・・アクリル酸ブチル AA ・・・・・・アクリル酸 ST ・・・・・・スチレン HEA ・・・・・・アクリル酸2−ヒドロキシエチル MAA ・・・・・・メタクリル酸 BMA ・・・・・・メタクリル酸ブチル EHMA ・・・・・・メタクリル酸2−エチルヘキシル
【0030】製剤例1〜14 上記重合例で得られた重合体A〜NにN−フェニルマレ
イミド誘導体及び可塑剤と溶剤を配合して(配合割合は
重量%である)、漁網防汚剤を得た。その結果を表2に
示す。
イミド誘導体及び可塑剤と溶剤を配合して(配合割合は
重量%である)、漁網防汚剤を得た。その結果を表2に
示す。
【0031】
【表2】 表中の○,×は製品の安定性の度合いを示す(3ヶ月
後) ○:安定である ×:沈澱,分離等している 表2中、配合に用いた化合物の欄の略号は以下の通りで
ある。 〔N−フェニルマレイミド化合物〕 DCDEFM・・・・・・2,3-ジクロロ-N-(2,6-ジエチルフェ
ニル)マレイミド DCMEFM・・・・・・2,3-ジクロロ-N-(2-メチル-6-エチ
ルフェニル)マレイミド DCFM ・・・・・・2,3-ジクロロ-N-フェニルマレイミ
ド CDEFM ・・・・・・2-クロロ-N-(2,6-ジエチルフェニ
ル)マレイミド DBFM ・・・・・・2,3-ジブロモ-N-フェニルマレイミ
ド
後) ○:安定である ×:沈澱,分離等している 表2中、配合に用いた化合物の欄の略号は以下の通りで
ある。 〔N−フェニルマレイミド化合物〕 DCDEFM・・・・・・2,3-ジクロロ-N-(2,6-ジエチルフェ
ニル)マレイミド DCMEFM・・・・・・2,3-ジクロロ-N-(2-メチル-6-エチ
ルフェニル)マレイミド DCFM ・・・・・・2,3-ジクロロ-N-フェニルマレイミ
ド CDEFM ・・・・・・2-クロロ-N-(2,6-ジエチルフェニ
ル)マレイミド DBFM ・・・・・・2,3-ジブロモ-N-フェニルマレイミ
ド
【0032】製剤例15〜25 上記重合例で得られた重合体にN−フェニルマレイミド
誘導体及び顔料、可塑剤、溶剤等を配合して(配合割合
は重量%である)防汚塗料を得た。その結果を表3に示
す。
誘導体及び顔料、可塑剤、溶剤等を配合して(配合割合
は重量%である)防汚塗料を得た。その結果を表3に示
す。
【0033】
【表3】 表中の○,×は製品の安定性の度合いを示す(3ヶ月
後) ○:安定である ×:沈澱,分離等している
後) ○:安定である ×:沈澱,分離等している
【0034】試験例1 〔漁網防汚剤の防汚性能評価確
認試験〕 試験網として、ポリエチレン製(100本,4節,40
cm×60cm)の養殖用網を用いて行った。製剤番号1〜
14で得られた各種漁網防汚剤に試験網を浸漬して、網
に防汚剤を付着させ、3日間風乾させた。この場合、防
汚剤の付着量を同網の重量に対し約20%となるように
した。そして5月〜7月の3カ月間、三重県礫浦湾内の
筏より海面下1.0〜1.5mの深さに吊して、カサネカ
ンザシや他の付着生物に対する防汚効力を3ケ月後と6
ケ月後に観察した。その試験結果は表4に示す通りであ
る。即ち、表4では網に付着した生物重量(湿重量)と
付着生物の付着度合を示した。
認試験〕 試験網として、ポリエチレン製(100本,4節,40
cm×60cm)の養殖用網を用いて行った。製剤番号1〜
14で得られた各種漁網防汚剤に試験網を浸漬して、網
に防汚剤を付着させ、3日間風乾させた。この場合、防
汚剤の付着量を同網の重量に対し約20%となるように
した。そして5月〜7月の3カ月間、三重県礫浦湾内の
筏より海面下1.0〜1.5mの深さに吊して、カサネカ
ンザシや他の付着生物に対する防汚効力を3ケ月後と6
ケ月後に観察した。その試験結果は表4に示す通りであ
る。即ち、表4では網に付着した生物重量(湿重量)と
付着生物の付着度合を示した。
【0035】
【表4】 表中の+++,++,+,−はムラサキイガイ等の付着
程度を示す。 +++:著しく付着している。 ++ :付着し養殖用としては使用出来ない。 + :わずかに付着している程度で養殖用としては十
分に使用出来る。 − :付着なし。
程度を示す。 +++:著しく付着している。 ++ :付着し養殖用としては使用出来ない。 + :わずかに付着している程度で養殖用としては十
分に使用出来る。 − :付着なし。
【0036】〔表4の考察〕表4で示されるようにこの
発明の実施例である製剤番号1〜12においては、防汚
効力を長期に亘って持続しており、特に6カ月後の付着
状況を観察すると対象付着生物の種類に関係なく良好な
防汚効果が発揮されていることがわかる。
発明の実施例である製剤番号1〜12においては、防汚
効力を長期に亘って持続しており、特に6カ月後の付着
状況を観察すると対象付着生物の種類に関係なく良好な
防汚効果が発揮されていることがわかる。
【0037】試験例2 〔防汚塗料としての防汚性能評
価確認試験〕 試験板として7cm×20cmの硬質塩ビ板を用いて行っ
た。製剤番号15〜25で得られた各種防汚塗料を、塗
布量が約2.0Kg/m2 となるように2回塗布した。そ
して、5月より1年間、三重県礫浦湾内に筏より海面下
1.5〜2.0mの深さに吊して、カサネカンザシや他の
付着生物に対する防汚効果を6ケ月後と12ケ月後に観
察した。その試験結果は表5に示す通りである。即ち、
表5では付着した生物重量(湿重量)と付着生物の構成
割合(%)を示した。
価確認試験〕 試験板として7cm×20cmの硬質塩ビ板を用いて行っ
た。製剤番号15〜25で得られた各種防汚塗料を、塗
布量が約2.0Kg/m2 となるように2回塗布した。そ
して、5月より1年間、三重県礫浦湾内に筏より海面下
1.5〜2.0mの深さに吊して、カサネカンザシや他の
付着生物に対する防汚効果を6ケ月後と12ケ月後に観
察した。その試験結果は表5に示す通りである。即ち、
表5では付着した生物重量(湿重量)と付着生物の構成
割合(%)を示した。
【0038】
【表5】
【0039】〔表5の考察〕表5で示されるようにこの
発明の実施例である製剤番号15〜23においては、防
汚効力を長期に亘って持続しており、特に12カ月後の
付着状況を観察すると対象付着生物の種類に関係なく付
着生物量の付着面積が10%以下と良好な防汚効果が発
揮されていることがわかる。とくにカサネカンザシと二
枚貝に対する効果が顕著であることがわかる。
発明の実施例である製剤番号15〜23においては、防
汚効力を長期に亘って持続しており、特に12カ月後の
付着状況を観察すると対象付着生物の種類に関係なく付
着生物量の付着面積が10%以下と良好な防汚効果が発
揮されていることがわかる。とくにカサネカンザシと二
枚貝に対する効果が顕著であることがわかる。
【0040】
【発明の効果】この発明の水中防汚組成物は各種の海水
系構造物用の防汚剤として有用であり、対象物に応じて
浸漬、ハケ塗り,スプレーなどの適宜の塗装方法を利用
して塗布し、常温でまたは加熱により乾燥し、必要に応
じて焼付を行い、対象物表面に皮膜を形成する。形成さ
れた皮膜は、対象物との良好な密着性を示し、自然の海
の中でも12カ月以上脱落することなく付着するととも
に海水中に徐々に溶出し続ける。そして、その間、付着
生物の付着を防ぐ。塗膜が残存しないので、溶出後に再
塗布を行った場合に、対象物上に形成される塗膜の密着
性が良好である。前記対象物としては、定置網、養殖用
網などの漁網、船底、海水取水路壁、更に、海水を使用
する冷却水系内の各種構造物や橋梁等の各種水中構造物
などがある。
系構造物用の防汚剤として有用であり、対象物に応じて
浸漬、ハケ塗り,スプレーなどの適宜の塗装方法を利用
して塗布し、常温でまたは加熱により乾燥し、必要に応
じて焼付を行い、対象物表面に皮膜を形成する。形成さ
れた皮膜は、対象物との良好な密着性を示し、自然の海
の中でも12カ月以上脱落することなく付着するととも
に海水中に徐々に溶出し続ける。そして、その間、付着
生物の付着を防ぐ。塗膜が残存しないので、溶出後に再
塗布を行った場合に、対象物上に形成される塗膜の密着
性が良好である。前記対象物としては、定置網、養殖用
網などの漁網、船底、海水取水路壁、更に、海水を使用
する冷却水系内の各種構造物や橋梁等の各種水中構造物
などがある。
フロントページの続き (72)発明者 福井 文 大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15号 株 式会社片山化学工業研究所内 (72)発明者 熊谷 弘夫 大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15号 株 式会社片山化学工業研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 スルホン酸基を持つ重合性不飽和単量体
と一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は、炭素数12〜20の飽和または不飽和
の脂肪族炭化水素基を、R2 は水素原子または炭素数1
〜6のアルキル基を、R3 は水素原子、炭素数1〜6の
アルキル基、炭素数12〜20の飽和もしくは不飽和の
脂肪族炭化水素基、または炭素数1〜6のアルキル基で
置換されていてもよいアミノ基で置換された炭素数1〜
6のアルキル基を表す。)で表される高級脂肪族アミン
との反応物(a)の重合体(平均分子量:3000〜4
0万)、または上記反応物(a)と共重合可能な他の重
合性不飽和単量体(b)との重合体(平均分子量:30
00〜40万)と、 一般式(II): 【化2】 (式中、X1,X2 は同一又は異なって水素原子、ハロゲ
ン原子を、Yは同一又は異なってハロゲン原子、低級ア
ルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)で表されるN
−フェニルマレイミド誘導体の1種又は2種以上とを含
有する水中防汚組成物。 - 【請求項2】 一般式(I)中、R1 が炭素数12〜2
0のアルキル基であり、R2 及びR3 がメチル基である
請求項1記載の水中防汚組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14918393A JPH0673312A (ja) | 1992-06-24 | 1993-06-21 | 水中防汚組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16615092 | 1992-06-24 | ||
JP4-166150 | 1992-06-24 | ||
JP14918393A JPH0673312A (ja) | 1992-06-24 | 1993-06-21 | 水中防汚組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0673312A true JPH0673312A (ja) | 1994-03-15 |
Family
ID=26479150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14918393A Pending JPH0673312A (ja) | 1992-06-24 | 1993-06-21 | 水中防汚組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0673312A (ja) |
-
1993
- 1993-06-21 JP JP14918393A patent/JPH0673312A/ja active Pending
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