JP2875329B2 - 持続性水中防汚剤 - Google Patents

持続性水中防汚剤

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JP2875329B2 JP4991890A JP4991890A JP2875329B2 JP 2875329 B2 JP2875329 B2 JP 2875329B2 JP 4991890 A JP4991890 A JP 4991890A JP 4991890 A JP4991890 A JP 4991890A JP 2875329 B2 JP2875329 B2 JP 2875329B2
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健二 楽谷
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、付着生物、特に海中の付着生物が漁網、
船底、海水取水路壁などに付着するのを長期にわたって
防止するための持続性水中防汚剤に関する。
〔従来の技術〕
従来より、漁網、船底、海水取水路壁などに付着生物
が付着しこれにより悪影響が生じるを防ぐため、付着生
物の付着を抑制する防汚剤が種々提案され、実際にも使
用されている。
たとえば、特開昭58−120678号公報、特開昭59−1332
67号公報では、有機スズポリマーや亜酸化銅の防汚有効
成分と、特定の高分子化合物とを含有するビヒクルを含
む防汚剤が提案されている。これらの防汚有効成分は、
海洋汚染の問題が生じるほど毒性が強く、しかも、生体
中に蓄積する性質を持っている。このため、特に養殖業
においては、食用の養殖生物を扱う場合、人体への影響
が危惧される。他方、防汚剤を直接取り扱う作業者への
影響も特に危惧される。
そこで、低毒性で蓄積性のない防汚剤が望まれてい
る。
低毒性防汚剤として、上記防汚有効成分を含有しない
特定の高分子重合体のみからなる被覆剤も提案されてい
る(特開昭60−170673号公報参照)。この被覆剤は、イ
ガイ、フジツボ、カンザシゴカイ類、コケムシおよび藻
類等の著しい繁殖時期(太平洋の西日本沿岸海域では通
常8月〜12月である)においては、その防汚効果がはな
はだ不充分であり、具類等の付着を十分に抑制すること
ができないという欠点を有している。また、前記被覆剤
は、長期間(たとえば3か月以上)防汚効果が持続しな
いという欠点も有している。
この発明の発明者らの一部は、先に、低毒性であり生
分解性の良好な特定の高級脂肪族アミン化合物が優れた
防汚効果を有することを見出し、このアミン化合物と特
定の共重合体からなる膜形成剤とを含有してなる持続性
水中防汚剤をすでに提案している(特開平1−103672号
公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、いま述べた持続性水中防汚剤も、さらに長期
間(たとえば6か月以上)の防汚効果については、まだ
十分満足できるものではなかった。このような長期間に
おいては、海水の温度が大きく変動し、これに伴って、
防汚剤からの防汚有効成分の溶出度合も大きく変動し、
防汚効果の大小をもたらす。通常は、生物活動の活発な
夏期に防汚有効成分の溶出性が高まるよう、防汚剤が調
製されている。しかし、冬期には、付着生物が全く活動
しないわけではなく、夏期および冬期の両方において同
様の防汚効果を発揮する防汚剤が求められている。
そこで、この発明は、防汚有効成分として低毒性でか
つ蓄積性のない薬剤を用いることにより人体および環境
への悪影響を防ぎ、しかも、季節により防汚有効成分の
溶出性があまり変動せず、長期間にわたって防汚効果を
安定して発揮することができる持続性水中防汚剤を提供
することを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、この発明にかかる持続性
水中防汚剤は、下記の単量体(A)、(B)、(C)お
よび(D)を重合して得られる平均分子量5000〜50万の
共重合体と、下記一般式(III)で表される高級脂肪族
アミン(E)とを含有するものである。同共重合体と高
級脂肪族アミンの含有割合は、共重合体中のカルボキシ
ル基1個当たり、高級脂肪族アミン0.5〜1.5モルであ
る。前記共重合体を得るための単量体成分は、単量体
(A)10〜80重量%、単量体(B)1〜25重量%、単量
体(C)5〜89重量%および単量体(D)0〜20重量%
(ただし、(A)、(B)、(C)および(D)の合計
量は100重量%である。である。
(A) 重合性不飽和カルボン酸。
(B) 一般式(I); (ただし、(I)式中、R1は水素またはメチル基、Xは
全アルキレンオキシド残基の合計重量に対して50重量%
以上のエチレンオキシド残基を含んでなる炭素数2〜4
のアルキレンオキシド残基、nは1〜100の整数、R2
水素または炭素数1〜5の炭化水素基である。) で表される単量体。
(C) 一般式(II); (ただし、(II)式中、R3は水素またはメチル基、R4
炭素数1〜20の炭化水素基である。) で表される単量体。
(D) 上記(A)〜(C)以外のビニル系単量体。
(E) 一般式(III); (ただし、(III)式中、R5は飽和または不飽和の高級
脂肪族炭化水素基、R6は水素または飽和もしくは不飽和
の低級脂肪族炭化水素基、R7は水素、飽和もしくは不飽
和の脂肪族炭化水素基、または、アミノ基で置換された
飽和もしくは不飽和の低級脂肪族炭化水素基(ただし、
アミノ基の水素が飽和または不飽和の低級脂肪族炭化水
素基で置換されていてもよい。)である。) で表される高級脂肪族アミン。
上記重合性不飽和カルボン酸(A)としては、炭素間
の不飽和結合を1以上有し炭素数3〜10のカルボン酸が
使用され、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸(以
下、「アクリル酸および/またはメタクリル酸」を
「(メタ)アクリル酸」と言う)、クロトン酸などの不
飽和脂肪酸;ビニル安息香酸などの不飽和芳香族モノカ
ルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不
飽和ジカルボン酸;α−シアノアクリル酸などが挙げら
れ、それぞれ単独で用いられたり、2以上併用されたり
する。なお、これらの重合性不飽和カルボン酸は無水物
であってもよい。
上記単量体(B)は、その構造中に、炭素数2〜4の
アルキレンオキシド残基Xを含んでいる(メタ)アクリ
ル酸エステルである。アルキレンオキシド残基Xの具体
例としては、たとえば、エチレンオキシド、プロピレン
オキシド、ブチレンオキシド、テトラメチレンオキシド
などがあるが、アルキレンオキシド残基全体の合計重量
に対して、50重量%以上、100重量%以下のエチンレン
オキシド残基を含んでいる必要がある。エチレンオキシ
ド残基が50重量%未満だと、得られた共重合体の疎水性
が大となり、防汚有効成分の溶出性の変動が起こりやす
いという問題がある。アルキレンオキシド残基Xの繰り
返し数nは1〜100の整数である。nが100を越えると、
他の単量体との共重合性に乏しくなり目的とする共重合
体が得にくいという問題がある。また、アルキレンオキ
シド残基Xの炭素数が2未満だと、得られた共重合体の
親水性が強くなり防汚有効成分が溶出しやすくなり、4
を越えると、得られた共重合体の疎水性が大となり防汚
有効成分の溶出性の変動が起こりやすかったり、単量体
が入手しにくかったりするという問題がある。基R2は水
素または炭素数1〜5の炭化水素基である。基R2の炭素
数が5を越えると、得られた共重合体の疎水性が大とな
り防汚有効成分の溶出性の変動が起こりやすかったり、
単量体が入手しにくかったりするという問題がある。基
R2の具体例としては、たとえば、水素、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、アミル基などのアルキル
基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基などのアルケ
ニル基などである。
上記単量体(C)は、一般式(II)で表される(メ
タ)アクリル酸エステルである。(II)式中、基R4は炭
素数1〜20の炭化水素基である。基R4の炭素数が20を越
えると、得られた共重合体の疎水性が大となり防汚有効
成分の溶出性の変動が起こりやすいという問題がある。
基R4の具体例としては、たとえば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘ
プチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシ
ル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペ
ンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オク
タデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などのアルキ
ル基;フェニル基、ナフチル基、オクチルフェニル基、
ノニルフェニル基などのアラルキル基;シクロヘキシル
基などの環状アルキル基などがある。
上記単量体(D)は、この発明の持続性水中防折剤が
対象物に塗布されて形成する皮膜の性能を整えるなどの
ために必要に応じて使用される単量体であり、上記
(A)、(B)および(C)以外のビニル系単量体であ
る。単量体(D)の具体例としては、たとえば、ドデセ
ン、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、ビニ
ルトルエン等の不飽和炭化水素;塩化ビニル、塩化ビニ
リデンなどのハロゲン化不飽和炭化水素;酢酸ビニル、
ビニルブチレートなどのビニルエステル;メチルビニル
エーテル、オクチルビニルエーテル、ドデシルビニルエ
ーテルなどのビニルエーテル;アクリロニトリル等が挙
げられる。
上記単量体(A)〜(D)としては、それぞれ、1つ
の化合物が単独で用いられてもよく、2以上の化合物が
併用されてもよい。
上記単量体(A)、(B)および(C)の使用割合
は、これらすべての合計重量100重量%に対して、単量
体(A)10〜80重量%、単量体(B)1〜25重量%、単
量体(C)5〜89重量%である。また、単量体(D)
は、この発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて用
いられ、(A)〜(D)の合計重量100重量%に対し
て、単量体(D)20重量%以下の割合で用いるのが好ま
しい。単量体(A)の使用割合が上記下限よりも少ない
と充分な高級脂肪族アミンの含有量が得られないという
も問題があり、上記上限よりも多いと皮膜性が不良であ
り、防折効果の持続性が低下し好ましくない。単量体
(B)の使用割合が上記下限よりも少ないと共重合体自
体の海水への親水性が劣り、防汚有効成分の溶出性が低
下して長期間の防汚効果が得られず、上記下限よりも多
いと親水性が高すぎて短期間で防汚膜が海水に溶解して
長期間の防汚効果が得られないため適さない。単量体
(C)の使用割合が上記下限よりも少ないと成膜性が不
良であり、適度な疎水性を付与できずに長期間の防汚効
果が得られず、上記上限よりも多いと疎水性が高くな
り、防汚膜の溶出性が低下し長期間の防汚効果が得られ
ない。
これらの単量体(A)、(B)、(C)および必要に
応じて使用される(D)からなる単量体成分を重合し
て、平均分子量5000以上、50万以下の共重合体を得る。
共重合体の平均分子量が5000未満だと海水中で被覆剤の
形態を維持できないという問題があり、50万よりも大き
いと防汚剤が高粘度となり作業性が著しく劣るという問
題がある。
このような共重合体は、たとえば、重合開始剤を用い
て公知の方法により上記単量体(A)〜(D)を上記割
合で混合してなる単量体成分を共重合させることにより
製造される。共重合は、溶媒中での重合や塊状重合等の
方法により行うことができる。溶媒中での重合は、回分
式でも連続式でも行うことができ、その際使用される溶
媒としては、たとえば、水;メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、2
−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のア
ルコール類ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類;シクロ
ヘキサン等の脂環式炭化水素類;n−ヘキサン等の脂肪族
炭化水素類;ジオキサン等の複素環式化合物;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類等が挙げられる。重合開始剤とし
ては、たとえば、過硫酸アンモニウムや過硫酸ナトリウ
ム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキシド、t−ブチル
パーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のパーオキシ
ド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオイ
シド;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソフタ
ロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等の脂肪
族アゾ化合物等が用いられる。この際、アミン化合物等
の促進剤を併用することもできる。重合温度は、用いら
れる溶媒や重合開始剤により適宜設定されるが、通常0
〜120℃の範囲内で設定される。塊状重合は、重合開始
剤としてベンゾイルパーオキシドやラウロイルパーオキ
シド等のパーオキシド;クメンハイドロパーオキシド等
のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル
等のアゾ化合物等を用い、50〜150℃の温度範囲内で行
われる。
この発明で用いる高級脂肪族アミン(E)は、一般式
(III)で表される化合物である。式(III)の基R5は高
級脂肪族炭化水素基であり、飽和および不飽和のいずれ
でもよい。基R6は、水素または低級脂肪族炭化水素基で
あり、同炭化水素基は飽和または不飽和のいずれでもよ
い。基R7は、水素、脂肪族炭化水素基、または、アミノ
基で置換された低級脂肪族炭化水素基(ただし、アミノ
基の水素が低級脂肪族炭化水素基で置換されていてもよ
い。)であり、基R7が脂肪族炭化水素基である場合、低
級および高級のいずれでもよい。ここに挙げた低級また
は高級脂肪族炭化水素基は飽和および不飽和のいずれで
もよい。
基R5、R6およびR7が上述の基以外では良好な防汚効果
が得られない。
上記低級脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基およびヘキシ
ル基などの飽和炭化水素基;エテニル基、プロペニル
基、ブテニル基、エチニル基およびプロピニル基などの
不飽和炭化水素基などが挙げられる。
上記高級脂肪族炭化水素基としては、炭素数12〜20の
脂肪族炭化水素基が挙げられる。
なお、基R5およびR7の両方が高級脂肪族炭化水素基で
ある場合、互いに同じでもよく異なっていてもよい。ま
た、基R6およびR7の両方が低級脂肪族炭化水素基である
場合、互いに同じでもよく異なっていてもよい。
上記式(III)で表される高級脂肪族アミンの具体例
としては、たとえば、ドデシルアミン、オクタデシルア
ミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オレ
イルアミン、ミリストレイルアミン、パルミトレイルア
ミン、牛脂アルキルアミン、ヤシアルキルアミンなどの
第1級アミン;ジ(ドデシル)アミン、ジ(オクタデシ
ル)アミン、ジ(オレイル)アミン、ジ(牛脂アルキ
ル)アミン、ジ(ヤシアルキル)アミン、ドデシルテト
ラデシルアミン、ドデシルヘキサデシルアミン、ドデシ
ルオクタデシルアミン、テトラデシルヘキサデシルアミ
ン、テトラデシルオクタデシルアミン、ヘキサデシルオ
クタデシルアミン、ドデシルオレイルアミン、ドデシル
メチルアミン、オレイルエチルアミン、ヘキサデシルメ
チルアミン、オクタデシルメチルアミン、牛脂アルキル
メチルアミン、ヤシアルキルメチルアミン、ヘキサデシ
ルブチルアミン、ヤシアルキルプロピルアミンなどの第
2級アミン;ドデシルジメチルアミン、ヘキサデシルジ
メチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、テトラデ
シルジメチルアミン、牛脂アルキルジメチルアミン、ヤ
シアルキルジメチルアミン、ジドデシルメチルアミン、
ジオクタデシルメチルアミン、ジ牛脂アルキルメチルア
ミン、ジ(ヤシアルキル)メチルアミン、ドデシルテト
ラデシルメチルアミン、ドデシルヘキサデシルメチルア
ミン、ドデシルオクタデシルメチルアミン、テトラデシ
ルヘキサデシルメチルアミン、テトラデシルオクタデシ
ルメチルアミン、ヘキサデシルオクタデシルメチルアミ
ン、ドデシルメチルプロピルアミン、ヘキサデシルメチ
ルエチルアミン、牛脂アルキルエチルプロピルアミン、
牛脂アルキルジエチルアミン、牛脂アルキルジプロピル
アミン、牛脂アルキルジブチルアミン、牛脂アルキルメ
チルヘキシルアミン、ヤシアルキルジペンチルアミン、
ヤシアルキルジヘキシルアミンなどの第3級アミン;ド
デシルトリメチレンジアミン、ヘキサデシルトリメチレ
ンジアミン、オクタデシルトリメチレンジアミン、牛脂
アルキルトリメチレンジアミン、ヤシアルキルトリメチ
レンジアミン、牛脂アルキルメチレンジアミン、ヤシア
ルキルエチレンジアミン、N−牛脂アルキル−N′−ジ
メチルトリメチレンジアミン、N−ヤシアルキル−N′
−ジブチルトリメチレンジアミンなどのジアミン等が挙
げられる。これらのアミン類のうち、「ヤシアルキル
(・・・)アミン」、「牛脂アルキル(・・・)アミ
ン」とは、そのアミンがヤシ油もしくはヤシ脂肪、牛脂
等から公知の手段により製造された前述の式(III)に
おける基R5および/またはR7が炭素数12〜20の範囲の飽
和または不飽和の脂肪族炭化水素基のものがその主要成
分を占めるアミンの混合物(混合アルキルアミン)であ
ることを意味する。高級脂肪族アミン(E)としては、
式(III)で表される化合物のうちのいずれか1つが単
独で使用されたり、あるいは、2以上が併用されたりす
る。
高級脂肪族アミン(E)としては、上記式(III)で
表されるものにおいて、基R5が炭素数12〜20の飽和また
は不飽和の脂肪族炭化水素基、基R6が水素または炭素数
1〜6のアルキル基、基R7が水素、炭素数1〜6のアル
キル基、炭素数12〜20の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭
化水素基、または、アミノ基で置換された炭素数1〜6
のアルキル基(ただし、アミノ基の水素が炭素数1〜6
のアルキル基で置換されていてもよい。)である化合物
を用いるのがよい。このような化合物は工業的に比較的
安価に入手しやすいからである。
上述の共重合体と上述の高級脂肪族アミン(E)とを
混合する。この混合は、適当な溶媒を用いて溶解した溶
液中へ高級脂肪族アミン(E)を加えて混合撹拌するこ
とにより行うことができる。この際の溶液温度は約20〜
60℃とするのが適しており、撹拌時間は0.5〜2時間程
度が適当である。共重合体と高級脂肪族アミンの割合
は、共重合体中のカルボキシル基1個当たり、高級脂肪
族アミン0.5〜1.5モルとなるように設定する必要があ
る。これよりも高級脂肪族アミンが多いと形成される防
汚膜中の膜形成成分の密度が低いため膜強度が弱くて膜
が溶出したり破壊されたりしやすく、長期間の防汚効果
が得られず、高級脂肪族アミンが少ないと防汚作用が効
果的に発揮されないという問題がある。溶媒としては、
たとえば、メタノール、エタノール、キシレン、トルエ
ン、灯油、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、ジメ
チルホルムアミド、ナフサ、メチルセロソルブなどが用
いられるが、これ以外にも塗料の分野で用いられる種々
の溶媒が使用でき、また、水が含まれていても良い。
この発明の持続性水中防汚剤は、通常、適当な溶媒に
溶解し、溶液の形で使用される。溶媒としては、たとえ
ば、上記共重合体と高級脂肪族アミン(E)との混合に
用いられる溶媒が用いられる。固形分濃度20〜50重量%
程度となるようにするのが成膜性、膜強度等の点で好ま
しい。このようにして調製された溶液は、塗布作業時に
取り扱いやすく、余分に付着するのが避けられ、コスト
の低減が可能になる。
このように、この発明の水中防汚剤は、適当な溶媒に
溶解してそのまま使用できるのであるが、ビヒクル、顔
料、可塑剤、界面活性剤、溶剤または希釈剤などととも
に配合されて防汚塗料を調製することも可能である。こ
の場合、水中防汚剤は、塗料全体に対して、10〜60重量
%となるように使用するのが適当である。上記ビヒク
ル、顔料、可塑剤、界面活性剤、溶剤または希釈剤など
としては、塗料に用いられうるものであれば特に制限は
なく、適宜使用することができる。
この発明の持続性水中防汚剤は、対象物に応じて浸
漬、ハケ塗り、スプルーなど適宜の塗装方法を利用して
塗布し、常温でまたは加熱により乾燥し、必要に応じて
焼付を行い、対象物表面に皮膜を形成する。形成された
皮膜は、対象物との良好な密着性を示し、自然の海の中
でも12か月以上脱落することなく付着し続ける。そし
て、その間、付着生物の付着を防ぐのである。
前記対象物としては、定置網、養殖用網などの漁網、
船底、海水取水路壁、更に、海水を使用する冷却水系内
の各種構造物や橋梁等の各種水中構造物などがある。
〔作用〕
上記特定の単量体(A)、(B)、(C)および
(D)を上記特定の割合で重合して得られる平均分子量
5000〜50万の共重合体と、上記特定の高級脂肪族アミン
とを、上記特定の割合で用いることにより、特にアルキ
レンオキシド残基Xを特定の割合で含有する(メタ)ア
クリル酸エステルを特定の割合で有する共重合体と前記
高級脂肪族アミン(E)とを特定の割合で併用すること
により、低毒性の防汚有効成分である高級脂肪族アミン
の水中への溶出が長期間にわたって徐々に起こり、しか
も、この溶出性が水温の変動にあまり影響を受けず安定
しているのである。
〔実 施 例〕
以下に、この発明の具体的な実施例および比較例を示
すが、この発明は下記実施例に限定されない。
−実施例1− 温度計、撹拌機、2本の滴下ロート、ガス導入管およ
び還流冷却器を備えたフラスコにキシレン22.8gおよび
2−メトキシエタノール53.2gを仕込み、撹拌しながら
フラスコ内を窒素置換し、窒素気流下で80℃に加熱し
た。その後、窒素気流下で同じ温度に維持しながら、フ
ラスコ内の液体に対して、2本の滴下ロートのうちの一
方から、キシレン21.0g、2−メトキシエタノール49.0
g、アクリル酸50.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト10.0g、メチルメタクリレート、80.0gおよび2−エチ
ルヘキシルアクリレート60.0gからなる単量体混合溶液
を60分かけて滴下し、同時にもう一方の滴下ロートから
キシレン15.0g、2−メトキシエタノール35.0gおよびア
ゾビスジメチルバレロニトリル4.0gからなる重合開始剤
溶液を120分かけて滴下した。滴下終了後、さらに同じ
温度で60分間維持して重合を完了させた。得られた共重
合体の溶液は固形分50重量%、得られた共重合体の平均
分子量は、ポリスチレンを標準としたGPC(ゲル浸透ク
ロマトグラフィー)分析の結果、5.0万であった。
重合完了後、フラスコの内容物の温度を60℃まで冷却
してから、キシレン680.4gおよびオクタデシルトリメチ
レンジアミン339.6gを加え、2時間撹拌した。これによ
り、水中防汚剤Aの溶液を得た。
−実施例2〜12および比較例1〜7− 実施例1において、第1表に示す各成分を同表に示す
割合で用いたこと以外は、実施例1とまったく同様にし
て重合を行い、水中防汚剤B〜Sを得た。
なお、水中防汚剤A〜Lはこの発明にかかる持続性水
中防汚剤、水中防汚剤M〜Sは比較用水中防汚剤であ
る。
第1表には、得られた共重合体の平均分子量、およ
び、共重合体中のカルボキシル基1個当たりの高級脂肪
族アミンのモル数も併記した。
第1表中、モノマー種(A)欄の記号は、 AA;アクリル酸 MAA;メタクリル酸 MLA;マレイン酸 を示す。モノマー種(B)欄の記号は、 a;2−ヒドロキシエチルアクリレート b;メトキシPEG(9)アクリレート c;メトキシPPG(3)−PEG(9)メタクリレート d;n−プロポキシPEG(25)アクリレート e;メトキシPEG(23)メタクリレート (ただし、PEGはポリエチレングリコール、PPGはポリプ
ロピレングリコールを示し、丸かっこ内の数字は付加モ
ル数を示す。) を示す。モノマー種(C)欄および(D)欄の記号は、 MA;メチルアクリレート BA;ブチルアクリレート 2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート DA;ドデシルアクリレート SA;ステアリルアクリレート MMA;メチルメタクリレート TBMA;t−ブチルメタクリレート DMA;ドデシルメタクリレート St;スチレン を表す。高級脂肪族アミンの種類欄の記号は、 A1;ドデシルアミン A2;オクタデシルアミン A3;ジ(ドデシル)アミン A4;ジ(オクタデシル)アミン A5;N,N−ジメチルドデシルアミン A6;N,N−ジメチルオクタデシルアミン A7;N−ドデシルトリメチレンジアミン A8;N−オクタデシルトリメチレンジアミン A9;牛脂アルキルアミン(牛脂アルキル;炭素数12〜20
の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基) A10;N−メチルエチルドデシルアミン A11;トリエチルアミン K2CO3;炭酸カリウム を表す。
実施例および比較例で得られた水中防汚剤A〜Sを用
いて下記の防汚性能評価試験を行った。
防汚性能評価試験方法 試験網として、ポリエチレン製の養殖いけす用網(10
0本、5節、40cm×60cm、60g)を用いた。
各水中防汚剤に試験網を浸漬した後、3日間風乾し
た。この場合、浸漬前後の重量差により算出した水中防
汚剤の付着量を次のようにコントロールした。すなわ
ち、試験網に付着した水中防汚剤に含有される高級脂肪
族アミンの量が同網の重量に対して8.0〜9.0重量%にな
るようにした。
水中防汚剤を付着させた試験網を徳島県沖の筏に海面
下1.0〜1.5mの深さになるように吊るして、定期的に防
汚効力の評価を実施した。
防汚効力は、試験網の面積(40cm×60cm)に対して、
付着生物が占有する面積の比率で評価した。その評価結
果を第2表に示した。浸漬時期は、低水温期と高水温期
とでは付着生物種および量が大きく異なるため、4月1
日と8月1日にそれぞれ同一サンプルで浸漬を開始し、
海水温度等による溶出性の変動も確認した。
第2表にみるように、実施例の水中防汚剤A〜Lは、
浸漬開始後12か月でも防汚効果を示しているのに対し、
比較例の水中防汚剤M〜Sは浸漬開始後3〜6か月でか
なり防汚効果が低下しており、12か月だと全く防汚効果
がなくなっている。また、実施例における浸漬開始後6
か月の防汚効果が、比較例における浸漬開始後3か月の
防汚効果と同等以上に優れている。浸漬開始時期が違っ
ていても、実施例のものは、比較例のものに比べて、防
汚効果が安定しており、しかも、格段に優れている。
また、実施例の水中防汚剤A〜Lは、漁網防汚剤とし
て用いると、漁網への浸透性、液切れが良好となり、防
汚塗料として用いると、液ダレがなく、伸びが良好とな
り塗布作業性が優れている。
〔発明の効果〕
この発明にかかる持続性水中防汚剤は、以上に述べた
ようなものであり、低毒性で蓄積性のない防汚有効成分
を長期間にわたって徐々に溶出し防汚性能を示し、しか
も、季節により水温が変動してもその防汚性能が安定し
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 133/02 C09D 133/02 155/00 155/00 // A01N 33/04 A01N 33/04 C08F 220/06 C08F 220/06 290/06 290/06 (72)発明者 楽谷 健二 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14番1号 日本触媒化学工業株式会社川崎研究所内 (72)発明者 塩田 祐介 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14番1号 日本触媒化学工業株式会社川崎研究所内 (56)参考文献 特開 平1−103672(JP,A) 特開 平2−196869(JP,A) 特開 平1−197407(JP,A) 特開 昭55−55101(JP,A) 特開 昭62−39672(JP,A) 特開 昭60−217277(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 5/14 C09D 133/02 - 133/14 C09D 155/00 C08L 33/02 - 33/14 C08L 55/00 C08F 290/06 C08F 220/02 - 220/28 C08F 20/02 - 20/28 A01N 33/04,25/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の、単量体(A)10〜80重量%、単量
    体(B)1〜25重量%、単量体(C)5〜89重量%およ
    び単量体(D)0〜20重量%(ただし、(A)、
    (B)、(C)および(D)の合計量は100重量%であ
    る。)からなる単量体成分を重合して得られる平均分子
    量5000〜50万の共重合体と、 下記高級脂肪族アミン(E)とが、 共重合体中のカルボキシル基1個当たり、高級脂肪族ア
    ミン0.5〜1.5モルの割合で含有されてなる持続性水中防
    汚剤。 (A) 重合性不飽和カルボン酸。 (B) 一般式(I); (ただし、(I)式中、R1は水素またはメチル基、Xは
    全アルキレンオキシド残基の合計重量に対して50重量%
    以上のエチレンオキシド残基を含んでなる炭素数2〜4
    のアルキレンオキシド残基、nは1〜100の整数、R2
    水素または炭素数1〜5の炭化水素基である。) で表される単量体。 (C) 一般式(II); (ただし、(II)式中、R3は水素またはメチル基、R4
    炭素数1〜20の炭化水素基である。) で表される単量体。 (D) 上記(A)〜(C)以外のビニル系単量体。 (E) 一般式(III); (ただし、(III)式中、R5は飽和または不飽和の高級
    脂肪族炭化水素基、R6は水素または飽和もしくは不飽和
    の低級脂肪族炭化水素基、R7は水素、飽和もしくは不飽
    和の脂肪族炭化水素基、または、アミノ基で置換された
    飽和もしくは不飽和の低級脂肪族炭化水素基(ただし、
    アミノ基の水素が飽和または不飽和の低級脂肪族炭化水
    素基で置換されていてもよい。)である。) で表される高級脂肪族アミン。
  2. 【請求項2】(III)式中、R5は炭素数12〜20の飽和ま
    たは不飽和の脂肪族炭化水素基、R6は水素または炭素数
    1〜6のアルキル基、R7は水素、炭素数1〜6のアルキ
    ル基、炭素数12〜20の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化
    水素基、または、アミノ基で置換された炭素数1〜6の
    アルキル基(ただし、アミノ基の水素が炭素数1〜6の
    アルキル基で置換されていてもよい。)である請求項1
    記載の持続性水中防汚剤。
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