JP2602531B2 - 持続性水中防汚剤 - Google Patents

持続性水中防汚剤

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JP2602531B2 JP63191088A JP19108888A JP2602531B2 JP 2602531 B2 JP2602531 B2 JP 2602531B2 JP 63191088 A JP63191088 A JP 63191088A JP 19108888 A JP19108888 A JP 19108888A JP 2602531 B2 JP2602531 B2 JP 2602531B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、長期間有効な防汚剤に関する。更に詳しく
は、高級脂肪族アミン含有共重合体を防汚有効成分、こ
とに主有効成分としてなり、漁網や船底、並びに海水取
水路等の水中構造物に塗布して、海生生物の付着を長期
間防止するための薬剤組成物に関する。
(ロ)従来の技術 近年ハマチ等の養殖漁業が盛んになっているが、ここ
で使用される養殖用網やロープまたは定置網などは、海
中に長期間設置される為に、ムラサキイガイやコケム
シ、ホヤ等の海生付着生物が付着し、これらにより種々
の障害を受けている。中でもムラサキイガイやホヤ、コ
ケムシ等が養殖網に多量に付着すると海水の通水が阻害
され養殖魚に溶存酸素不足をきたしたり、また網の沈下
や切断等を引き起し、養殖魚の損失等の多大な被害を生
じる。
また、ムラサキガイ等の生物付着により、船において
は速度の低下、海水の取水路においては流水量の低下を
引き起し一定期間ごとのドツク入り、または操業を停止
してこれらの付着物を除去しなければならない問題が生
じている。さらに海水を使用する冷却水系内の各種構造
物や橋梁等の各種水中構造物に海生付着生物が付着して
種々の問題を生じる場合があった。
このため、従来から、これら漁網、船底、水中構造物
等の表面に、海生生物防除性や忌避性物質を含む防汚剤
を塗布する手法が広く行なわれている。そしてかかる防
汚剤として、従来から有機スズポリマーや亜酸化銅を防
汚有効成分として用いたものが周知である。
しかし、海洋汚染の問題や生物へ蓄積する恐れが案じ
られ、特に養殖業においては、養殖魚を食用にする所か
ら、人体への影響が危惧され、低毒性で蓄積性のない防
汚成分が望まれている。
一方、防汚剤は、塗布された表面より一定量ずつ有効
成分を溶出し、より長期間にわたって効力が持続するの
が望ましい。
さらに、船底や海水取水路壁等のような水中構造物に
塗布して用いる場合は、塗料として具備すべき種々の条
件、すなわち溶膜としての強度や付着力等の塗膜性、有
効成分が塗料に含有される他の成分との反応性のないこ
と、また乾燥性に大きく影響を与えないこと等をも満足
させなければならない。
かかる点から、本発明者らは、安全でかつ上記各種の
望まれる特性を備えた防汚剤として、特定の高級脂肪族
アミンと膜形成剤とを混合してなる防汚製剤をすでに提
案している(特開昭55−55101号公報)。
(ハ)発明が解決しようとする課題 しかしながら上記防汚製剤においては依然として有効
成分の放出性に問題があった。
例えば膜形成剤として疎水性の樹脂類(ポリブテンや
ロジン等)を用いた場合には、塗布形成された防汚膜中
の有効成分量が充分であってもその海水への放出性が劣
り、防汚効果が不充分となる場合があった。ことにかか
る疎水性樹脂ベースの防汚製剤を用いた場合、海水温度
によって有効成分たる脂肪族アミンの放出性が著しく異
なり、例えば昇温期(海水温度が上がって行く時期・3
月〜8月)比較的良好な放出性が持続されるのに対し降
温期(海水温度が下がって行く時期・8月〜12月)では
放出性が著しく速くなり、同一の効力を発揮することが
困難であった。
このため親水性樹脂類(例えば、ポリアクリル酸、PV
A等)を用いることも考えられるが、この場合には、防
汚膜自体の膨潤、溶解に伴ない有効成分が短期間内に一
度に海水に放出され易いため、長期間の防汚効果が望み
得ないという問題があった。
この発明は、かかる問題点を解決すべくなされたもの
であり、ことに防汚有効成分を長期間に亘ってしかも適
切な量で海水に放出でき、それにより防汚対象物に長期
間の防汚効果を付与しうる組成物を提供しようとするも
のである。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明者らは上記観点から鋭意研究を行なった結果、
高分子鎖内に遊離カルボキシル基を特定割合で含有する
特定の重合体を膜形成剤として用い、これを高級脂肪族
アミン類と混合調製して得られる組成物による防汚膜
が、重合体の遊離カルボキシル基とアミンとの塩形成作
用や重合体の適度な疎水性に基づいて長期間に亘って有
効成分たる高級脂肪族アミンを放出でき、しかも溶出む
らがなく昇温期、降温期を問わず安定な防汚効果を発現
する事実を見出した。
かくしてこの発明によれば防汚有効量の下式(I) 〔式中R1は炭素原子数12〜20の飽和または不飽和の脂肪
族炭化水素基(但し、そのβ位が水酸基で置換されてい
てもよい);R2は水素原子またはC1〜3のアルキル基;
R3は水素原子またはC1〜3のアルキル基(但し、この
アルキル基はアミノ基で置換されていてもよい)であ
る;但し、R2がC1〜3のアルキル基の場合は、R3はR2
と同一の基である〕で示される高級脂肪族アミンと、一
塩基性の重合性不飽和カルボン酸5〜60重量%と疎水性
の重合性不飽和化合物95〜40重量%を構成モノマとしか
つ被防汚対象物上に膜形成しうる共重合体が含有されて
なることを特徴とする持続性水中防汚剤が提供される。
本発明に用いる共重合体は一塩基性の重合性不飽和カ
ルボン酸と、疎水性の重合性不飽和化合物をモノマー成
分として構成されるものである。
ここで用いる一塩基性の重合性不飽和カルボン酸とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル
酸、クロトン酸、ビニル安息香酸等が例示されこれらは
2種以上用いられてもよい。これらのうち、アクリル酸
又はメタクリル酸を用いるのが好ましい。
疎水性の重合性不飽和化合物としては、例えば、メチ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、フエニルメタクリレート、エチル
アリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレー
ト、ドデシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、フエニルアクリレート、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のようなアクリル酸誘導体、スチレン、
α−メチルスチレン、ブタジエン、ビニルトルエン等の
ような不飽和炭化水素、及び塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、ビニルブチレート、メチルビニルエー
テル、オクチルビニルエーテル、ドテシルビニルエーテ
ル等のようなビニル化合物等を挙げることができる。か
かる疎水性の重合性不飽和化合物2種以上用いられても
よい。これらのうち(メタ)アクリル酸エステル類を用
いるのが好ましく、防汚膜の強度、柔軟性等の点でとく
に(メタ)アクリル酸C4〜C8エステルと、同じくC1〜C3
エステルあるいはC9以上のエステルとを組合せるのが好
ましい。
上記親水性共重合体の分子量は構成するモノマー単位
の組合せ等により変動しうるため特に限定はされない
が、塗膜の強度や造膜性を鑑みて所謂オリゴマー程度の
低分子量のものは不適当であり、通常ラジカル重合で製
造しうる程度の分子量、一般的に1万〜50万のものが適
当である。
かかる共重合体は、例えば重合開始剤としてベンゾイ
ルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスイソフタロニトリル等
のラジカル発生剤を用いるラジカル重合により簡便に製
造することができる。この際用いる適切な溶媒として
は、アルコール類、芳香族系溶媒、フナサ類、メチルナ
フタレン、テトラリン、酢酸ブチル等が挙げられ、また
重合温度は約70〜90℃、重合時間は2〜10時間程度とす
るのが適している。
ここで上記重合性不飽和カルボン酸(A)と疎水性の
重合性不飽和化合物(B)との共重合比は得られた共重
合体中の(A)成分が5〜60重量%(即ち(B)成分が
95〜40重量%)となるよう調整するのが適しており、
(A)成分が10〜40重量%とするのが好ましい。ここで
(A)成分の含有量が5重量%未満であると、共重合体
自体の海水への親水性が劣り防汚有効成分の放出性が低
下して長期間の防汚効果が得られず、一方、60重量%を
越えると親水性が高すぎて短期間で防汚膜が海水に溶解
して長期間の防汚効果が得られないため適さない。本発
明で防汚有効成分として用いる高級脂肪族アミンとして
は、具体的にドデシルアミン,テトラデシルアミン,ヘ
キサデシルアミン,オクタデシルアミン,オレイルアミ
ン,牛脂アルキルアミンおよびヤシアルキルアミン等の
第1級アミン; ドデシルメチルアミン,ヘキサデシルメチルアミン,
オクタデシルメチルアミン,牛脂アルキルメチルアミ
ン,硬化牛脂メチルアミン,ヤシアルキルメチルアミン
等の第2級アミン; ドデシルジメチルアミン,ヘキサデシルジメチルアミ
ン,オクタデシルジメチルアミン,ヤシアルキルジメチ
ルアミン,牛脂アルキルジメチルアミン,硬化牛脂アル
キルジメチルアミン等の第3級アミン; ドデシルトリメチレンジアミン,ヘキサデシルトリメ
チレンジアミン,オクタデシルトリメチレンジアミン,
オレイルトリメチレンジアミン,ヤシアルキルトリメチ
レンジアミン,牛脂アルキルトリメチレンジアミン,硬
化牛脂トリメチルレンジアミン等のようなN−モノ置換
トリメチレンジアミン; N,N−ジメチル−β−ヒドロキシ−ドデシルアミン,N,
N−ジメチル−β−ヒドロキシ−ヘキサデシルアミン,N,
N−ジメチル−β−ヒドロキシ−オクタデシルアミン,N,
N−ジメチル−β−ヒドロキシ−エイコシルアミン,N,N
−ジメチル−β−ヒドロキシ−エイコシレンアミン,β
−ヒドロキシデシルアミン,β−ヒドロキシ−テトラデ
シルアミン,β−ヒドロキシエキサデシルアミン,N,N−
ジエチル−β−ヒドロキシヘキサデシルアミン,β−ヒ
ドロキシ−ヘキサデシルエチレンジアミン,β−ヒドロ
キシ−オクタデシルエチレンジアミン等のβ−ヒドロキ
シアルキルアミン類、が挙げられる。
これらのアミン類のうち、“ヤシアルキル……アミ
ン”、“牛脂アルキル……アミン”、“硬化牛脂アルキ
ル……アミン”とは、そのアミンがヤシ油もしくはヤシ
脂肪、牛脂等から公知の手段により製造された前述の式
におけるR1が炭素原子数12〜20の範囲の飽和または不飽
和の直鎖状脂肪族炭化水素基(β位がOH置換されていて
もよい)のものがその主要成分を占めるアミンの混合物
(混合アルキルアミン)であることを意味する。
この発明の防汚剤は、前記共重合体と上記高級脂肪族
アミンとを混合調製することにより製造することができ
る。かかる混合調製は、共重合体を予め作製した溶液中
へ、高級脂肪族アミンを加えて混合撹拌することにより
行なうことができる。この際の溶液温度は約20〜60℃と
するのが適しており、撹拌時間は0.5〜2時間程度が適
当である。
この際、加える高級脂肪族アミンの量は、共重合体の
カルボン酸基の当量数1に対し、0.1〜5当量相当分と
するのが適しており、0.4〜1.5当量相当分とするのが好
ましい。0.1当量相当分未満であると、アミン溶出量が
少なすぎて防汚作用が効果的に発揮されず、また5当量
相当量を越えると、有効成分量が多すぎて形成される防
汚膜中の膜形成成分の密度が低いため膜強度が弱くて短
期間で膜が溶出、破壊され易く、却って長期間の防汚効
果が期待できない。混合調製された高級脂肪族アミンの
うち、カルボン酸の酸当量以下の量のアミンは、主とし
てこれらのカルボン酸と塩形成した状態で存在し、これ
により、単なる混合状態で存在するアミンに比してより
長期間の放出性が奏されるものと信じられる。即ち、こ
の発明により奏される効果は、主として共重合体の特定
の疎水性/親水性バランスと、そこに含有もしくは共存
する脂肪族アミンとの塩形成に基づいているものと考え
られる。
かかるこの発明の防汚剤は、通常、溶液の形態とされ
る。この際に用いる有機溶媒としては、メタノール,エ
タノール,キシレン,トルエン,灯油,メチルイソブチ
ルケトン,酢酸ブチル,ジメチルホルムアミド,ナフ
サ,メチルセロソルブ等が挙げられるが、これ以外にも
塗料の分野で用いられる種々の溶媒が使用でき、若干の
水が含まれていてもさしつかえない。ことに有機溶媒溶
液に溶解した溶液型の防汚剤は、浸漬塗布用の漁網用防
汚処理液として好適である。この際の固形分濃度は25〜
60重量%とするのが造膜性、造膜強度等の点で好まし
い。
一方、この発明の防汚剤は、他の塗膜形成助剤と共に
有機溶媒溶液もしくは分散液の形態で防汚塗料として調
製されていてもよい。ここで塗膜形成助剤としては、タ
ルク,チタン白,黄鉛,紺青,ベンガラ,フタロシアニ
ンブルー等の顔料や着色剤、トリブチルホスフエート,
トリオクチルホスフエート,リン酸トリクレジル,フタ
ル酸ジブチル,フタル酸ジオクチル,ジブチルマレー
ト;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類,ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレン類,ソルビタンアルキ
ルエステル類,アルキルトリメチルアンモニウム塩類お
よびアルキルベタイン類等の可塑剤や分散剤、有効成分
の放出性を阻害しない他の天然、合成樹脂類等があげら
れる。かかる防汚塗料としては、前記共重合体と脂肪族
アミンとの合計量が約10〜40重量%、他の塗膜形成助剤
の合計量が約10〜40重量%に調製したものが適してい
る。この防汚塗料は各種の海水系構造物用の防汚塗料と
して有用であり、ハケ塗り、スプレー等により塗布する
のに好適である。
このようにして防汚対象物に塗布されたこの発明の防
汚剤は、乾燥により防汚膜を形成し、長期間の防汚効果
を発現する。
(ホ)実施例 以下、本発明を実施例より説明するが、これにより本
発明は限定されるものではない。
製剤実施例1〜6 冷却器、温度計、撹拌器を備えた500mlのセパラブル
フラスコにアクリル酸19.2g、メタクリル酸メチル41.6
g、アクリル酸オクチル21.6g、開始剤としてベンゾイル
パーオキサイド1.2g、イソプロピルアルコール80g、キ
シレン160gを仕込、窒素置換した後、撹拌しながら水浴
中78〜82℃に保ち10時間重合させた。
次いで、ジブチルヒドロキシトルエン2.1gを加えて重
合を停止させた。
内容物の温度を50℃まで冷却してから、ジメチルステ
アリルアミン80gを加え、2時間撹拌した。これを防汚
製剤Aとした。
以下同様にして第1表の各成分を第1表に示す割合
で、他の成分は、上記と同じ配合量にて、重合及び製剤
をし、防汚製剤B〜Fを得た。
製剤実施例7〜14及び比較例1〜4 重合及び製剤実施例1と同じ装置と条件でアクリル酸
21.9g、メタクリル酸メチル52.5gアクリル酸オクチル5
2.5g、開始剤として、N,N−アゾビスイソブチロニトリ
ル0.5g、イソプロピルアルコール57.3gキシレン114.6g
を仕込み、重合させた。重合終了後、ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル1.8gを加え、重合を停止させた。
冷却後、キシレン80g、イソプロピルアルコール40g、
ジメチルステアリルアミン60gを加え、1時間混合撹拌
した。これを防汚製剤Gとした。
以下同様にして、第1表の各成分を第1表に示す割合
で、他の成分は上記と同じ配合量にて、重合及び製剤を
し、防汚製剤H〜N、比較製剤O〜Rを得た。
なお、第1表においては、後述する浸漬試験でのアミ
ンの付着量も併せて示した。
なお、従来製剤についての下記組成の比較例5〜7に
ついても評価を行なった。
比較例5 オクタデシルジメチルアミン 20部 ポリブデン 10部 ロジン 10部 キシレン 60部 (アミンの付着量は9.3重量%)比較例6 牛脂アルキルトリメチレン 20部 ジオクチルフタレート 5部 ブチルセルソルブ 10部 ロジン 15部 キシレン 50部 (アミンの付着量は10.1重量%)比較例7 ステアリルアミン 20部 塩化ビニル 5部 ポリブテン 15部 キシレン 60部 (アシンの付着量は9.7重量%)浸漬試験方法 試験網として、ポリエチレン製(100本,4節,40cm×60
cm)の養殖用網を用いて行った。各防汚剤に試験網を浸
清して、網に防汚剤を付着させた後、3日間風乾した。
そして、徳島県沖の筏より海面下1.0〜1.5mの深さに吊
して、その防汚効力を定期的に観察した。その結果を第
2表に示した。
なお、海水温度の上昇期(4月〜8月)と下降期(8
月〜12月)に同一サンプルを浸漬し、海水温度による防
汚成分の溶出の差異を確認した。
注)表中の各記号の意味は下記の通りである。
−:汚損生物の付着なし。
±:汚損生物がわずかに付着している程度で実用上差し
支えない。
+:汚損生物が付着し、もはや使用に耐えない。
++:汚損生物が著しく付着している。
製剤実施例15〜18 実施例2,4,9,10に示す防汚製剤を用いて、実施例15〜
18の防汚塗料を調製した。
(実施例15) 実施例2の防汚製剤B 50部(重量部) タルク 15部 チタン白 8部 ジオクチルフタレート 4部 フタロシアニングルーB 3部 ポリブテン 10部 キシレン 10部 (実施例16) 実施例4の防汚製剤D 50部 タルク 13部 チタン白 8部 ジオクチルフタレート 5部 フタロシアニンブルーB 3部 塩化ゴム 8部 キシレン 13部 (実施例17) 実施例9の防汚製剤I 60部 ベンガラ 18部 タルク 10部 ポリブテン 7部 キシレン 5部 (実施例18) 実施例13の防汚製剤M 60部 タルク 10部 チタン白 7部 ジオクチルフタレート 4部 ビニール樹脂(ポリ塩化ビニル) 9部 キシレン 10部 比較例8〜11 (比較例8) ドデシルアミン 15部 タルク 15部 チタン白 8部 ジオクチルフタレート 4部 ビニール樹脂 6部 ロジン 10部 フタロシアニンブルーB 3部 酢酸ブチル 10部 ポリブテン 10部 キシレン 13部 (比較例9) 硬化牛脂アルキルトリメチレンジアミン 15部 タルク 13部 チタン白 8部 塩化ゴム 6部 ロジン 27部 ジオクチルフタレー 5部 フタロシアニンブレートB 3部 キシレン 8部 アマニ油 5部 メチルイソブチルケトン 10部 (比較例10) オクタデシルジメチルアミン 20部 ベンガラ 18部 タルク 10部 ロジン 23部 ポリブテン 7部 メチルイソブチルケトン 10部 キシレン 12部 (比較例11) ドデシルメチルアミン 20部 黄鉛 6部 紺青 2部 タルク 8部 チタン白 8部 アクリル樹脂 25部 メチルイソブチルケトン 18部 キシレン 13部 ○塗料の評価試験 次に、塗料製剤したもの(製剤実施例15〜18.比較例
8〜11)を各々7cm×20cmの硬質塩ビ板に、塗布量が1.5
〜2.0kg/m2となるように2回塗布した。そして、徳島県
沖の筏より海面下1.5〜2.0mの深さに吊して、その防汚
効果を定期的に観察した。その結果は第3表に示す。
なお、海水温度の昇温期(4月〜8月)と降温期(8
月〜12月)に同一サンプルを浸漬し、海水温度による防
汚成分の溶出の差異を確認した。
注)表中の数字は汚損生物の付着面積パーセントを示
す。
製剤実施例19〜22,比較例12〜16 実施例1で製造した重合体溶液に、N,N−ジメチル−
βヒドロキシ−ドデシルアミン62gを加え、2時間撹拌
した。これを防汚剤(イ)とした。
以下同様にして、第4表の各成分を第4表内に示す割
合で、他の成分は、上記と同じ配合量にて、重合及び製
剤をし、防汚製剤(ロ)〜(ニ)、比較例(ホ)、
(ヘ)を得た。
なお、従来製剤について、下記組成との(比較例14〜
15)についても評価を行った。
(比較例14) βヒドロキシドデシルアミン 20部 ポリブテン 10部 ロジン 10部 キシレン 60部 (比較例15) N,N−ジメチル−βヒドロキシドデシルアミン 20部 ジオクチルフタレート 5部 ブチルセルソルブ 10部 ロジン 15部 キシレン 50部 上記製剤実施例19〜22及び比較例12〜15について、前
述した浸漬試験により塗料の評価を行った。この結果を
第5表に示した。
製剤実施例23〜24,比較例16 実施例19,22に示す防汚製剤を用いて、実施例23〜24
の防汚塗料を調製した。
(実施例23) 実施例19の防汚製剤(イ) 50部(重量部) タルク 15部 チタン白 8部 ジオクチルフタレート 4部 フタロシアニンブルーB 10部 キシレン 10部 (実施例24) 実施例22の防汚製剤(ニ) 50部(重量部) タルク 13部 チタン白 8部 ジオクチルフタレート 5部 フタロシアニンブルーB 3部 塩化ゴム 8部 キシレン 13部 (比較例16) βビドロキシ−ドデシルアミン 15部 タルク 15部 チタン白 8部 ジオクチルフタレート 4部 ビニール樹脂 6部 ロジン 10部 フタロシアニンブルーB 3部 酢酸ブチル 10部 ポリブテン 10部 キシレン 13部 ○塗料の評価試験 次に、塗料製剤したものを(製剤実施例23〜24,比較
例16)を個々7cm×20cmの硬質塩ビ板に、塗布量が1.5〜
2.0kg/m2となるように2回塗布した。そして、徳島県沖
の筏により海面下1.5〜2.0mの深さに吊して、その防汚
効果を定期的に観察した。その結果を第6表に示す。
なお、海水温度の上昇期(4月〜8月)と下降期(8
月〜12月)による防汚成分の溶出の差異を確認した。
注)表中の数字は汚損生物の付着面積パーセントを示
す。
<浸漬試験の考察> 上記試験結果よりアクリル酸、メタクリル酸を13.0〜
36.1重量%と、メタクリル酸メチル、アクリル酸オクチ
ル、スチレン及び酢酸ビニル63.9〜87重量部とから構成
される親水性共重合体に、該共重合体のカルボン酸基の
当量数1に対して0.4〜1.3当量に相当するジメチルステ
アリルアミン、ステアリルアミン、牛脂アルキルトリメ
チレンジアミン,ジドデシルメチルアミン,N,N−ジメチ
ル−β−ヒドロキシデシルアミン,β−ヒドロキシヘキ
サデシルアミン及びβ−ヒドロキシドデシルアミンを混
合調製して得たこの発明の防汚組成物は、昇温期及び降
温期においても4カ月以上の長期間にわたり防汚効果を
発揮することがわかる(製剤実施例の1〜14等参照)。
それに比較して親水性共重合体中に共重合される−塩
基性の重合性不飽和カルボン酸〔モノマー(A)〕の成
分の割合が3.5重量%と少なかったり、68.2重量%と多
く適正でない場合の該共重合体のアミン塩は、カルボン
酸基1に対するアミンの当量比が0.86,0.42,0.9と適正
であっても長期間にわたり、防汚効果を発揮しないこと
がわかる(比較例1,2等参照)。
一方、親水性共重合体中に共重合される−塩基性の重
合性不飽和カルボン酸〔モノマー単位(A)〕の成分割
合が23.3重量%,20.3重量%と適正であっても該共重合
体のカルボン酸基1に対するアミンの当量比が7.24,6.0
と過剰であったり0.04と少ない場合にも長期間にわたり
防汚効果を発揮しないことがわかる(比較例3,4等参
照)。
また、一般式(I)で表わされるアミン化合物を通常
の油溶性樹脂類に混合しただけの防汚組成物を長期間に
わたり防汚効果を発揮しないことがわかる。(比較例5
〜7等参照) (ヘ)発明の効果 この発明の水中防汚剤によれば長期間に亘って優れた
防汚効果が発現される。そしてこの効果は昇温期や降温
期等の温度の変化に対しても安定に発現される。
従って、この発明の水中防汚剤は、漁網用、船底用、
その他各種水中構造物用の塗布用防汚剤としてその有用
性は極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 精一 大阪府大阪市東淀川区東淡路2丁目10番 15号 株式会社片山化学工業研究所内 (72)発明者 片山 栄 大阪府大阪市東淀川区東淡路2丁目10番 15号 株式会社片山化学工業研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−44854(JP,A) 特開 昭55−55101(JP,A) 特開 昭52−38546(JP,A) 特開 昭51−148788(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】防汚有効量の下式(I) 〔式中R1は炭素原子数12〜20の飽和または不飽和の脂肪
    族炭化水素基(但し、そのβ位が水酸基で置換されてい
    てもよい);R2は水素原子又はC1-3のアルキル基;R3は水
    素原子又はC1-3のアルキル基(但し、このアルキル基は
    アミノ基で置換されていてもよい)である;但し、R2
    C1-3のアルキル基の場合は、R3はR2と同一の基である〕 で示される高級脂肪族アミンと、 アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、ク
    ロトン酸及びビニル安息香酸からなる群から選ばれた少
    なくとも1種の一塩基性の重合性不飽和カルボン酸5〜
    60重量%と、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレ
    ート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタク
    リレート、エチルアリレート、ブチルアクリレート、オ
    クチルアクリレート、ドデシルアクリレート、シクロヘ
    キシルアクリレート、フェニルアクリレート、アクリロ
    ニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチル
    スチレン、ブタジエン、ビニルトルエン、塩化ビニル、
    塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルブチレート、メチ
    ルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル及びドテシ
    ルビニルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも1
    種の疎水性の重合性不飽和化合物95〜40重量%とを構成
    モノマーとしかつ被防汚対象物上に膜形成しうる共重合
    体とが含有されてなることを特徴とする持続性水中防汚
    剤。
  2. 【請求項2】高級脂肪族アミンが共重合体のカルボン酸
    基の酸当量当たり、0.1〜5当量相当量含有されてなる
    請求項1記載の防汚剤。
  3. 【請求項3】高級脂肪族アミンと共重合体とが有機溶媒
    溶液の形態で魚網用処理液として調製されてなる請求項
    1記載の防汚剤。
  4. 【請求項4】高級脂肪族アミンと共重合体とが塗膜形成
    助剤と共に有機溶媒溶液もしくは分散剤の形態で防汚塗
    料として調製されてなる請求項1記載の防汚剤。
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