JPH0952803A - 樹脂水性エマルション及び該エマルションからなる持続性水中防汚剤 - Google Patents

樹脂水性エマルション及び該エマルションからなる持続性水中防汚剤

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JPH0952803A
JPH0952803A JP20253095A JP20253095A JPH0952803A JP H0952803 A JPH0952803 A JP H0952803A JP 20253095 A JP20253095 A JP 20253095A JP 20253095 A JP20253095 A JP 20253095A JP H0952803 A JPH0952803 A JP H0952803A
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JP
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meth
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antifouling
emulsion
acrylate
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Application number
JP20253095A
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English (en)
Inventor
Kenzou Nohashi
健三 野橋
Yasushi Saeki
恭 佐伯
Masahiro Ando
昌博 安藤
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Katayama Chemical Inc
Original Assignee
Katayama Chemical Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 一般式I: R−[NH(CH2)3]nNH2 (I) 〔Rはβ−ヒドロキシ基で置換されてもよい飽和もしく
は不飽和のC88脂肪族炭化水素残基または飽和もしく
は不飽和のC828アルコキシC16キル基を、nは1
〜5を示す。〕のN−アルキルポリアミン化合物の1種
又は2種以上の塩の存在下で、(メタ)アクリル系単量
体単独、またはこの単量体と共重合しうる他の単量体と
組合せて水性媒体中で乳化重合して得られる樹脂水性エ
マルション。 【効果】 本乳化重合物から得られる製剤は漁網用防汚
剤、船底等の防汚塗料として使用され、有機溶楳を含ま
ないため、火気、環境に対して安全であり、海生付着生
物による障害を効率よく、かつ長期に亘って防止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、樹脂水性エマル
ション及び該エマルションからなる持続性水中防汚剤に
関する。この発明によれば、漁網、船底、海水取水路等
の海中付着生物の付着を長期にわたり防止することがで
きる。
【0002】
【従来の技術】近年、養殖漁業や海洋施設の建設が盛ん
になり、付着生物の棲息域が拡大の一途をたどってい
る。このような状況にあって、船舶の底部や水中構築
物,養殖網,ブイあるいは定置網等は、海水中で長期間
保持されるため、フジツボやカサネカンザシ,ムラサキ
ガイ,クダウミヒドラ等の付着生物が多く付着し、これ
らによって種々の障害を引き起こしている。
【0003】例えば、海水を利用する火力発電所や製鉄
所などの諸工場では、その冷却水系統(海水冷却水系
統)に上記海生付着生物が付着し海水の通水阻害やその
機能等を低下させるとともに孔食腐食の原因にもなって
いる。一方、養殖場においては、カキ等の養殖に大きな
被害を与えたり、養殖網や定置網等の漁網に多量付着し
た場合には、海水の流通阻害による生簀内の溶存酸素不
足を引き起こし、飼育魚を死亡させる原因になってい
る。
【0004】また、船底に付着すると船舶の航行速度を
低下させる等の障害がある。その他の水中構築物等にも
海生付着生物が付着し種々の障害を引き起こしている。
従来より、漁網、船底、海水取水路などに付着生物が付
着しこれによる悪影響が生じるのを防ぐため、付着生物
の付着を抑制する水中防汚剤が種々提案され、実際にも
使用されている。
【0005】たとえば、特公昭50−8730号公報、
特公昭54−37008号公報、特開昭55−9277
4号公報、特開昭58−120678号公報、特開昭5
9−133267号公報及び特公平1−54388号公
報においては、有機スズ化合物、有機又は無機の銅系化
合物や有機塩素系化合物等の毒性の高い化合物の防汚有
効成分と特定のアクリル酸系ポリマーを含有する防汚剤
が提案されている。しかし、これらの防汚有効成分は、
海洋汚染の問題が生じるほど毒性が強く、生体中に蓄積
する性質を持っている。
【0006】そこで、この発明の出願人は、先に、低毒
性であり生分解性の良好な特定のN−アルキルポリアミ
ン化合物が優れた防汚効果を有することを見出し、この
アミン化合物と特定の共重合体(ポリマー)からなる塗
膜形成剤とを含有してなる持続性水中防汚剤をすでに提
案している(特許第 1061963号、特開平1−103672号、
特開平6−9904号、特開平6-72807号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる防汚剤の性能
は、長期にわたる防汚効果により判断され、このような
効果を得るためには、防汚有効成分の性能にもよるが、
塗膜の海水に対する耐久性及び塗膜から防汚有効成分の
水中への一定速度の溶出性が主として要求される。従
来、塗膜の海水に対する耐久性付与のため、塗膜形成剤
としてのポリマーの重合方法として、乳化剤(界面活性
剤)を含有する乳化重合法より、キシレンやトルエン中
での溶液重合法が一般に好ましいと考えられていた。
【0008】このため、従来の防汚剤には、塗膜形成剤
の塗布作業性を改良するための溶解剤としてキシレンや
トルエン等の揮発性の高い有機溶剤が使用されていた。
防汚有効成分が低毒性の安全性の高い化合物であって
も、キシレン等有機溶剤は労働安全衛生法に定められて
いるとおり、それ自体人体に対し少なからず影響を与え
るので好ましくなく、防汚剤を直接取り扱う作業者への
影響が危惧されるとともに、引火性があるため作業上注
意を要する必要があった。
【0009】この発明の目的は、 塗膜形成剤の溶解剤として引火性や人体に影響を及ぼ
す恐れがあるキシレン等の有機溶剤を含有しないこと、 塗膜の海水に対する耐久性が優れていること、 適度な防汚効果を示す防汚有効成分を含有すること、 防汚有効成分が人及び魚介類に対して安全性の高い化
合物であること、 かつ、防汚有効成分が塗布された表面より長期間一定
速度で溶出すること、 及び水中防汚剤の塗布作業性が良好であること、 等の条件を満足する持続性水中防汚剤を提供することで
ある。
【0010】この発明の発明者らは、防汚有効成分とし
て提案した特定のN−アルキルポリアミン化合物の界面
活性能に注目して研究した結果、通常の界面活性剤を必
要とせずに、N−アルキルポリアミン化合物の塩を乳化
剤として水性媒体中で重合性単量体の一種又は二種以上
を乳化重合できる事実、得られた樹脂水性エマルション
の乳化安定性が良好である事実及びかかる樹脂水性エマ
ルションを風乾して得られた塗膜(フィルム)の強度が
大であるとともに耐海水性に優れるという事実を見出し
た。
【0011】さらに、上記塗膜を海水中に浸漬すると、
N−アルキルポリアミン化合物が長期間一定速度で溶出
することにより、良好な防汚効果が得られるという事実
を確認することによりこの発明に到達した。
【0012】
【課題を解決するための手段】かくして、この発明によ
れば、 一般式(I): R−[NH(CH2)3]nNH2 (I) 〔式中、Rはβ−ヒドロキシ基で置換されてもよい飽和
もしくは不飽和のC82 8脂肪族炭化水素残基または飽
和もしくは不飽和のC828アルコキシC16アルキル
基を、nは1〜5を示す。〕で表されるN−アルキルポ
リアミン化合物の塩の1種又は2種以上の存在下で、
(メタ)アクリル系単量体単独、またはこの単量体と共
重合しうる他の単量体と組合せて水性媒体中で乳化重合
して得られる樹脂水性エマルション、及び上記樹脂水性
エマルションからなる持続性水中防汚剤が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】上記一般式(I)において、Rで
示される「β−ヒドロキシ基で置換されてもよい飽和も
しくは不飽和のC828脂肪族炭化水素残基」として
は、例えばオクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサ
デシル基、オクタデシル基、オレイル基、ヤシアルキル
基、牛脂アルキル基、硬化牛脂アルキル基等の飽和又は
不飽和のC828脂肪族炭化水素基;β−ヒドロキシオ
クチル基、β−ヒドロキシデシル基、β−ヒドロキシド
デシル基、β−ヒドロキシヘキサデシル基、β−ヒドロ
キシオクタデシル基、β−ヒドロキシオレイル等のβ−
ヒドロキシ飽和もしくは不飽和C828脂肪族炭化水素
基等が挙げられる。
【0014】また、Rで示される「飽和もしくは不飽和
828アルコキシC15アルキル基」の飽和もしくは
不飽和C828アルコキシ基としては、例えばオクチル
オキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ヘキサ
デシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、オレイルオキ
シ基、ヤシアルキルオキシ基、牛脂アルキルオキシ基、
硬化牛脂アルキルオキシ基等が挙げられ、またC16
ルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基が挙げられる。
【0015】これらRで示される基の内、“ヤシアルキ
ル基、牛脂アルキル基、硬化牛脂アルキル基とは、ヤシ
油又はヤシ脂肪、牛脂等から公知の手段により製造され
た炭素数8〜28の範囲の飽和または不飽和の脂肪族炭
化水素基がその主要成分を占めることを意味する。上記
N−アルキルポリアミン化合物の好ましいものとして
は、防汚効力の点でN−オレイルトリプロピレンテトラ
ミン、N−オレイルペンタプロピレンヘキサミン、N−
牛脂アルキルプロピレンジアミン、N−牛脂アルキルジ
プロピレントリアミン、N−牛脂アルキルトリプロピレ
ンテトラミン、N−ヤシアルキルトリプロピレンテトラ
ミン、βーヒドロキシオレイルトリプロピレンテトラミ
ン等が挙げられる。
【0016】また、上記N−アルキルポリアミン化合物
の塩を作る酸としては、塩酸,硝酸,硫酸等の無機酸、
あるいは(1)酢酸,マレイン酸等のカルボン酸;
(2)p−トルエンスルホン酸,2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸;(3)
レゾルシン等のフェノール類;(4)アセチルアセトン
等のエノール類;(5)チオフェノール等のチオフェノ
ール類;(6)フタルイミド等のイミド類;(7)アセ
トアルドキシム等のオキシム類;(8)その他、スルフ
ィン酸、芳香族スルホンアミド類、1,2級ニトロ化合
物類等の有機酸が挙げられる。これらの有機酸の中でも
その乳化安定性から特に好ましいのは酢酸である。
【0017】次に、(メタ)アクリル系単量体として
は、 (1)メチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)ア
クリレート,n−ブチル(メタ)アクリレート,ter
t−ブチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート,ラウリル(メタ)アクリレー
ト,ステアリル(メタ)アクリレート,シクロヘキシル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキル
エステル系; (2)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,ジエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキルエステル系; (3)ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート,ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)
アクリル酸置換アミノアルキルエステル系; (4)(メタ)アクリル酸,クロトン酸、α−シアノア
クリル酸等のアクリル酸系 が挙げられる。
【0018】この単量体と共重合しうる他の単量体とし
ては、 (1)マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の二塩基
酸; (2)ビニル安息香酸、スチレン、α−メチルスチレン
等の芳香族ビニル化合物; (3)その他、ブタジエン,塩化ビニル,塩化ビニリデ
ン,酢酸ビニル,ビニルブチレート,メチルビニルエー
テル,オクチルビニルエーテル,アクリロニトリル,メ
タクリロニトリル等 が挙げられる。
【0019】上記N−アルキルポリアミン化合物の塩の
製造には、まずN−アルキルポリアミン化合物としては
市販品を用いるのが入手の点で好ましい。この化合物の
単独または2種以上併用したものに対し、酸を1:0.
9〜7のモル比、好ましくは1:1〜6のモル比で加
え、さらに水を加えて加温しながら攪拌する。この場合
の加温温度は80℃以下にするのが好ましく、70℃以
下にするのがより好ましい。これ以上の温度になると、
反応が長時間に亙る場合にはポリアルキルアミン塩の分
解する恐れがあるため好ましくない。
【0020】攪拌時間は、30分〜2時間、好ましくは
50分〜1.5時間である。ここに製造されたN−アル
キルポリアミン化合物の塩は、防汚作用を有することは
知られているが、次に示す乳化重合する際の乳化剤とし
ても作用する。次に、この発明の樹脂水性エマルション
を得るための乳化重合方法としては、公知の重合開始
剤、その他必要があれば各種の添加剤を使用して、公知
の方法に従って行なうことができる。
【0021】すなわち、上記のように製造したN−アル
キルポリアミン塩水溶液に撹拌下、前記単量体を滴下
し、滴下終了後、窒素置換しながら下記に示す重合開始
剤水溶液を滴下し、攪拌加温して重合する。反応温度と
しては、20℃から70℃までが好ましい。70℃以上になる
とその反応熱により重合温度が85℃前後に上昇する場合
があり、生成したN−アルキルポリアミン塩が分解する
ため好ましくない。反応時間は30分〜7時間、好まし
くは2〜6時間である。
【0022】重合開始剤としては、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸のア
ンモニウム塩又はアルカリ金属塩;2-(カルバモイルア
ゾ)イソブチロニトリル、2,2'- アゾビス(2-アミジノ
プロパン)ジハイドロクロライド、2,2'−アゾビス〔2-
(2-イミダゾリン -2-イル)プロパン〕ジハイドロクロ
ライド、2,2'−アゾビス〔2-メチル-N-(2-ヒドロキシエ
チル)-プロピオンアミド等の水溶性アゾ化合物が挙げら
れる。
【0023】この反応において、上記単量体は、樹脂水
性エマルション中に20〜50重量%、好ましくは25〜45重
量%の量となるように配合するのが得られた樹脂水性エ
マルションの安定性及び重合反応条件の点で好ましい。
この配合量が20重量%未満であると重合時間が長くなる
ため好ましくなく、50重量%より多いと得られた樹脂水
性エマルションの乳化安定性が損なわれるため好ましく
ない。
【0024】また、この反応において上記N−アルキル
ポリアミン化合物の塩の添加量は樹脂水性エマルション
に対して、1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%
である。従ってこの比からN−アルキルポリアミン化合
物の塩は、通常乳化重合に用いられる乳化剤量よりはる
かに多いことを示しており、次のことは確認したわけで
はないためあくまでも推定であるが、N−アルキルポリ
アミン化合物の塩が、一部単量体の構造の中に取り込ま
れていると考えられ、従って単なる乳化剤として表面的
に存在する状態よりも、より強固に単量体と結び付いて
おり、その結合から徐々に水中にとけ出すために、この
樹脂水性エマルションは、長期間防汚作用を示すと考え
られる。
【0025】この発明において、防汚対象物とは、漁
網、船底、及び海水取水路等の海中構築物等を意味す
る。この発明の持続性水中防汚剤を漁網用として用いる
場合には、上記水性樹脂エマルションをそのまま用いて
もよいが、さらに天然樹脂,合成樹脂、可塑剤、着色料
等を適宜選択して配合し、溶解、分散、混練等の操作に
より均一な乳化液状の形態で製剤化するのが好ましい。
【0026】上記製剤に用いられる天然樹脂や合成樹脂
にはロジン,クマロン樹脂,ボイル油,シリコン樹脂,
アクリル樹脂,エポキシ樹脂、レゾルシノール樹脂、フ
ェノール樹脂等が挙げられる。可塑剤としては、フタル
酸ジブチル,フタル酸ジオクチル,フタル酸ジイソノニ
ル,アジピン酸ジオクチル,リン酸トリクレジル,流動
パラフィン,シリコン系界面活性剤等が挙げられる。
【0027】また、船底や海中構築物用として塗料化す
る場合には、さらに顔料として、タルク,チタン白,黄
鉛,紺青,ベンガラ,フタロシアニンブルー等を配合し
て塗料化するのが好ましい。この発明の持続性水中防汚
剤の全固形分濃度は15〜60重量%、より好ましくは
20〜50重量%とするのが造膜性、造膜強度等の点で
好ましい。
【0028】上記固形分濃度のうち防汚有効成分である
N−アルキルポリアミン化合物の塩として1〜20重量%
配合されるのが良好な防汚効果が発揮されるため好まし
い。このようにして調製された持続性水中防汚剤は、塗
布、浸漬作業時に取扱い易く、余分に付着するのが避け
られ、コストの低減が可能となる。上記持続性水中防汚
剤は対象物に応じて、浸漬、ハケ塗り、スプレーなど適
宜の塗装方法を利用して塗布し、常温で又は加熱により
乾燥し、必要に応じて焼付を行い、対象物表面に被膜を
形成する。
【0029】形成された被膜は、対象物との良好な密着
性を示し、自然の海の中でも12カ月以上脱落することな
く付着するとともに、海水中に徐々に一定速度で溶出し
続ける。そして、その間付着生物の付着を防止する。な
お、持続性水中防汚剤として用いる場合には、公知の防
汚剤であるナフテン酸銅、オレイン酸銅、N−ドデシル
アミン、N−牛脂アルキルプロピレンジアミン、N−牛
脂アルキルジプロピレントリアミン、N−牛脂アルキル
トリプロピレンテトラミン、ジ−N−オクチルアミン、
N,N−ジメチル−n−ヘキサデシルアミン、テトラエ
チルチウラムジスルフィド、ジンクピリチオン、2,3
−ジクロロ−N−(2'−メチル,6'−エチルフェニ
ル)マレイミド、2,3−ジクロ−N−(2',6'−ジ
エチルフェニル)マレイミド、4,5−ジクロロー2n
−オクチルイソチアゾリン−3−オン等をこの発明の効
果を阻害しない程度に配合することもできる。
【0030】この発明の持続性水中防汚剤は、防汚有効
成分が安全性の高い化合物であり、かつ、キシレン等の
有機溶剤を含まない均一な水性樹脂エマルションである
ため、特に漁網防汚剤として使用した場合、貯蔵容器か
ら取り出す際や、網染めした場合も、火気等に注意を向
けることなく、作業が簡単安全であり、長期間の防汚効
果が発揮される。
【0031】なお、この発明の樹脂水性エマルジョンを
海水冷却系に添加して、海水導水路に付着する生物を除
去することもできる。その場合は、該エマルジョンを、
海水に均一に分散して使用する。また、この樹脂水性エ
マルションは、乳化安定性が良好であるとともに耐水性
の良好な強度の高い被膜を形成し得るので、コーテイン
グ剤、接着剤等として有用である。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、こ
れにより本発明は限定されるものではない。
【0033】
【実施例1】撹拌器、温度計、還流冷却器、窒素導入管
を備えた300mlのセパラブルフラスコに化合物
(I)のN−オレオアルキルトリプロピレンテトラミン
3gを加え、それに酢酸1.6gを溶かした水37.4
gを加えて窒素置換しながら撹拌し水浴で70℃に加温
し1時間後、約10%濃度の塩類を得た。その後、(メ
タ)アクリルモノマーに由来するn−ブチルアクリレー
ト20g,メチルメタクリレート15gとアクリル酸5
gを徐々に滴下し、滴下終了後、水溶性重合開始剤過硫
酸カリ0.5gを溶解した水20gを再度窒素置換しな
がら滴下し、水浴で70℃に反応容器の温度を保ちなが
ら5時間撹拌後、樹脂水性エマルション(a)を得た。
得られた(a)の重量平均分子量は、ポリスチレンを標
準としたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)の分析
結果40万であった。以下同様の操作で、樹脂水性エマ
ルション(b)〜(g)を得た。比較例(h)〜(j)
と共に各成分の割合を表1に示した。
【0034】そして、樹脂水性エマルションの安定性を
調べる為に、1週間20℃の恒温槽に静置し乳化安定性
を観察し、その結果を表1に併せて示した。
【0035】
【表1】
【0036】表中の略記号と化合物名の関係は次の通り
である。 OTPT :N−オレオアルキルトリプロピレンテトラミン TPD :N−牛脂アルキルプロピレンジアミン TDPT :N−牛脂アルキルジプロピレントリアミン TTPT :N−牛脂アルキルトリプロピレンテトラミン OPPH :N−オレオアルキルペンタプロピレンヘキサミン YTPT :N−ヤシアルキルトリプロピレンテトラミン βHOTPT:β−ヒドロキシオレオアルキルトリプロピレンテトラミン DBSNA :ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム PEON :ポリエチレンオキサイドノニルフェニルエーテル AC :酢酸 AMPS :アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 BA :n−ブチル アクリレート MMA :メチル メタクリレート AA :アクリル酸 EHA :2−エチルヘキシル アクリレート ST :スチレン MAA :メタクリル酸 STMA :ステアリル メタクリレート DMAEM :ジメチルアミノエチル メタクリレート 次に漁網用防汚剤は、上記で作った樹脂水性エマルショ
ンを用い、表2に示す通りの各成分を加えて製剤化し
た。塗料用については表3に示す通り、さらに各成分を
加えて混練りし塗料化した。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【実施例2】漁網用製剤養殖環境での懸垂試験について
は下記の方法で行った。試験網として、ポリエチレン製
(100本,4節,40cm×60cm)の養殖用網を用い
て行った。各防汚剤に試験網を浸漬して、網に防汚剤を
付着させ、3日間風乾させた。そして5月〜7月の3カ
月間、三重県方座浦湾内の筏より海面下1.0〜1.5m
の深さに吊して、フジツボやコケムシ、カサネカンザシ
等の付着生物に対する防汚効力を3ケ月後に観察した。
その試験結果は表4に示す通りである。即ち、表4では
3ヶ月後の生物重量(湿重量)と付着生物の構成割合
(%)を示した。
【0040】
【表4】
【0041】
【実施例3】防汚塗料の試験については下記の方法で行
った。試験板として7cm×20cmの硬質塩ビ板を用いて
行った。各塗料製剤化したものを、塗布量が1.5〜2.
0kg/m2となるように2回塗布した。そして、5月よ
り1年間、三重県方座浦湾内に筏より海面下1.5〜2.
0mの深さに吊して、フジツボやカサネカンザシ等の付
着生物に対する防汚効果を6ケ月後と12ケ月後に観察
した。その試験結果は表5に示す通りである。即ち、表
5では付着した生物の全面積(%)と付着生物の構成割
合(%)を示した。
【0042】
【表5】
【0043】
【実施例4】実施例1で得られた樹脂水性エマルション
a、またはa90部にレゾルシノール樹脂10部を混
合、分散して得た改質製剤品a'2gを各々60mmφ
のシャーレに採取し、均一に広げた後、風乾しフィルム
化した。これらを定温送風乾燥器に入れ、80℃,2時
間または120℃,30分間熱処理した。これらに人工
海水を各20mlずつ注入し、フィルムの耐海水性を評価
した。試験結果は表6に示す通りである。
【0044】
【表6】
【0045】 A;ほとんと変化なし B;やや白化が認められる C;剥離が認められる
【0046】
【発明の効果】この発明の乳化重合物から得られる製剤
は、漁網用防汚剤、船底等の防汚塗料として使用され、
有機溶媒を含まないため、火気、環境に対して安全であ
り、海生付着生物による障害を極めて効率よく、かつ長
期に亘って防止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 2/24 MCA C08F 2/24 MCA 2/44 MCS 2/44 MCS

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): R−[NH(CH2)3]nNH2 (I) 〔式中、Rはβ−ヒドロキシ基で置換されてもよい飽和
    もしくは不飽和のC82 8脂肪族炭化水素残基または飽
    和もしくは不飽和のC828アルコキシC16アルキル
    基を、nは1〜5を示す。〕で表されるN−アルキルポ
    リアミン化合物の塩の1種又は2種以上の存在下で、
    (メタ)アクリル系単量体単独、またはこの単量体と共
    重合しうる他の単量体と組合せて、水性媒体中で乳化重
    合して得られる樹脂水性エマルション。
  2. 【請求項2】 N−アルキルポリアミン化合物の塩が、
    1〜20重量%含有されてなる請求項1記載の樹脂水性
    エマルション。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の樹脂水性エマルシ
    ョンからなる持続性水中防汚剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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