JPH0673164A - 液晶封止用樹脂組成物及び液晶封止用セルの製造方法 - Google Patents

液晶封止用樹脂組成物及び液晶封止用セルの製造方法

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JPH0673164A
JPH0673164A JP18950592A JP18950592A JPH0673164A JP H0673164 A JPH0673164 A JP H0673164A JP 18950592 A JP18950592 A JP 18950592A JP 18950592 A JP18950592 A JP 18950592A JP H0673164 A JPH0673164 A JP H0673164A
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JP
Japan
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liquid crystal
rubber
epoxy resin
cell
solvent
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JP18950592A
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English (en)
Inventor
Koichi Machida
貢一 町田
Shuji Tawara
田原  修二
Seiji Itami
清次 伊丹
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エポキシ樹脂、有機酸ヒドラジド化合物、ゴ
ム、充填剤及び溶剤を主成分とする樹脂組成物であっ
て、かつ該樹脂組成物中、溶剤抽出法による不純物濃度
が1重量%未満である液晶封止用樹脂組成物。該樹脂組
成物をセル用基材上に塗布し予備乾燥させた後、セル用
被着材をあてがい、加熱硬化させ液晶封止用セルを製造
する。ゴムとしては、アクリルエステル系、シリコーン
系、共役ジエン系の重合体等、その平均粒径が 0.01 〜
5μm で、いわゆる海/島構造のものである。その量は
該樹脂組成物中、 0.5〜25重量%である。 【効果】 この樹脂組成物を用いることにより、にじみ
や油滴を発生せず、作製される液晶パネルを厳しい環境
(80℃×95%RH、2000時間放置)下にさらしても、高信
頼性のある液晶封止用セルを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、近年の表示機能の多様
化と厳しい使用環境で使用できる高い信頼性を要求され
る液晶表示装置の封止に適する樹脂組成物、及び、該樹
脂組成物を用いる液晶封止用セルの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】近年、電子・電気部品や精
密機械の業界を中心にして、液晶表示装置を用いた、い
わゆる、フラットパネル(以下、液晶パネルと称す
る。)の開発が盛んである。当初、液晶パネルは卓上計
算機、腕時計、玩具等の消耗品に多く使用されてきた
が、最近では、パーソナルコンピューター、自動車用計
器類、カラーテレビ、産業用機器等へと利用分野が広が
っている。それに伴って、表示機能の多様化と厳しい使
用環境に対応できる液晶パネル用構成部品、材料等が要
望されている。従来、液晶パネルの構成材料の一つであ
る液晶封止用樹脂については、一液系加熱硬化性エポキ
シ樹脂や紫外線硬化性樹脂が用いられている。例えば、
特開昭57-137317 号公報及び特開昭59-157330 号公報に
は、一液系加熱硬化性エポキシ樹脂が記載されている。
しかし、これらの材料では、最近の表示機能の多様化と
厳しい使用環境に対応するための高信頼性において不十
分であり、更に液晶を封入した完成品の検査におけるに
じみや油滴の問題に関しても不満足であった。つまり、
セルギャップの縮小、大型パネルへの移行等により、で
きるだけ細かいシール巾、セルギャップの小さい(シー
ル層の薄い)封止材で高信頼性を有し、しかも、液晶を
封入した完成品の検査において、にじみや油滴の少ない
封止材が要望されている。本発明の目的は、このような
液晶表示体の高信頼化の要望に応えるべく、広い応用範
囲での適用性を有した、高信頼性のある液晶封止用樹脂
組成物を提供することである。
【0003】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、従来の
エポキシ樹脂系封止材に特定のゴムを併用し、更に該樹
脂組成物中の不純物をある一定の量以下に抑制すること
によって、上記の要望を満足する液晶封止用樹脂組成物
が得られ、この樹脂組成物を用いて高信頼性の液晶封止
用セルが製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(1)エポキシ樹脂、有機酸ヒド
ラジド化合物、ゴム、充填剤及び溶剤を主成分とする液
晶封止用樹脂組成物であって、該樹脂組成物中、溶剤抽
出法による不純物濃度が1重量%未満であり、(2)該
樹脂組成物をセル用基材上に塗布し予備乾燥させた後、
セル用被着材をあてがい、加熱硬化させることを特徴と
する液晶封止用セルの製造方法である。
【0004】まず、本発明の樹脂組成物を具体的に説明
する。本発明に用いるエポキシ樹脂とは、分子中にエポ
キシ基を二個以上有する化合物である。例えば、 (1).ビスフェノールA、ビスフェノールF、.
フェノール又はクレゾールとホルムアルデヒドとの付加
縮合したノボラック樹脂、テトラヒドロキシフェニルメ
タン及びレゾルシノールのようなヒドロキシ化合物、
.ジアミノジフェニルメタン、アニリン、キシリレン
ジアミン等のアミン化合物、.グリセリン、ペンタエ
リスリトール等の多価アルコール、.フタル酸、ヘキ
サハイドロフタル酸等のカルボキシ化合物等と、エピク
ロロヒドリン、エピブロモヒドリン等のエピハロヒドリ
ン及びメチルエピクロロヒドリン等のメチルエピハロヒ
ドリンとの重縮合樹脂並びに該重縮合樹脂をハロゲン化
した樹脂、(2)エポキシ化大豆油等のエポキシ化脂肪
酸類及びその誘導体、(3)エポキシ化ポリブタジエ
ン、エポキシ化ポリイソプレン等のエポキシ化ジエン重
合体類、(4)3,4-エポキシ-6- メチルシクロヘキシル
メチル、3,4-エポキシ-6- メチルシクロヘキサンカーボ
ネート、ビス(2,3- エポキシシクロペンチル) エーテル
等の脂肪族エポキシ樹脂等である。これらは、一種類又
は二種類以上使用してもよい。これらの中でも、特に好
適なものとしては上記(1)の群、更に、とりわけ〜
のものがよい。
【0005】本発明に用いるエポキシ樹脂の平均分子量
は、通常 300〜1500、好ましくは 400〜1000である。こ
の平均分子量が 300未満では、セルを構成している材料
との密着性が悪く、充分な物理的・化学的安定性は得ら
れず、また、耐熱性が特に落ちることになる。また、こ
れが 1500 を越えると、予備乾燥後の接着面に粘着力が
乏しいため予備乾燥後のセル用基材とセル用被着材を積
み重ねた場合に、外的な衝撃、振動等によりずれると
か、封止材を塗布する際の作業性が落ちる等の欠陥を有
する。なお、ここでいう平均分子量とは、数平均分子量
であり、用いるエポキシ樹脂が二種以上の場合は、それ
らの平均した数平均分子量を意味する。本発明におい
て、エポキシ樹脂の硬化剤として使用される有機酸ヒド
ラジド化合物としては、サルチル酸ヒドラジド、p−オ
キシ安息香酸ヒドラジド、フェニルアミノプロピオン酸
ヒドラジド等の一塩基酸ヒドラジド化合物、及び、コハ
ク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタ
ル酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、セバチン
酸ジヒドラジド、チオジプロピオン酸ジヒドラジド、フ
ランジカルボン酸ジヒドラジド、シクロヘキサンカルボ
ン酸ジヒドラジド等の二塩基酸ジヒドラジド化合物から
選ばれた一種類又は二種類以上のものである。これらの
中、特に、二塩基酸ジヒドラジド化合物が適している。
【0006】これらの有機酸ヒドラジド化合物はエポキ
シ樹脂の硬化剤として作用し、エポキシ樹脂と混合した
場合、室温での貯蔵安定性がよく、混合物は一液型エポ
キシ樹脂として使用できる。また、有機酸ヒドラジド化
合物は、他の一液型エポキシ樹脂接着剤に使用される硬
化剤、例えば、ジシアンジアミド及びその誘導体、三フ
ッ化ホウ素−アミンコンプレックス等に比べ、比較的低
温で硬化反応を開始するとともに、極めて高度な耐熱
性、耐冷熱性及び耐水性を付与させる硬化を有し、しか
も、電気的に有害な物質の発生もない。
【0007】エポキシ樹脂の硬化剤の量としては、エポ
キシ樹脂のエポキシ基1モル当たり通常 0.05 〜0.50モ
ル、好ましくは 0.15 〜0.35モルのヒドラジド基を有す
る有機酸ヒドラジド化合物を使用する。この量が 0.05
モル未満では、硬化に長時間要するという作業的欠陥を
生ずるとともに、封止材の接着強度の低下、製造される
セルの電気絶縁性が不十分となる等の欠陥を生じる。ま
た、この量が 0.50 モルを越えると、とりわけ耐湿性が
低下するという問題を生ずる。なお、一般的に固体であ
る有機酸ヒドラジド化合物を均一かつ細かく分散させる
ため、三本ロール等で混練して混合することが好まし
い。
【0008】本発明に用いるゴムとは、エポキシ樹脂系
封止材が硬化した後に樹脂層の中にゴム粒子が分散して
いる、いわゆる、海/島構造をとることができるゴムで
あればいずれでもよい。このゴムとしては、例えば、ア
クリルエステル系、シリコーン系、共役ジエン系、オレ
フィン系、ポリエステル系、ウレタン系等が挙げられる
が、特に、アクリルエステル系、シリコーン系、共役ジ
エン系の重合体が好ましく、更に、アクリルエステル
系、シリコーン系がより好ましい。これらは単独で用い
ても、また併用してもよい。
【0009】ゴム粒子の分散の方法としては、エポキシ
樹脂に分散してもよく、あるいは、エポキシ樹脂に溶解
したのち硬化時に析出させてもよい。エポキシ樹脂との
グラフト共重合体、エポキシ樹脂とのグラフト共重合体
の存在下でゴム粒子を生成させる方法もよい。好ましく
は、エポキシ樹脂とのグラフト共重合体、エポキシ樹脂
とのグラフト共重合体の存在下でゴム粒子を生成させる
方法等のゴムの粒径を制御し易い方法がよい。これらの
方法は、ゴムと樹脂界面に相互作用を有していて安定に
分散している方法である。ゴムと樹脂界面に相互作用を
有しないと硬化後に凝集しやすく、高度の信頼性を保持
しにくい。また、ゴムは適度に架橋していると、硬化に
よる応力によってもゴム粒子が変形等しにくく、一層よ
い。
【0010】アクリルエステル系ゴムとしては、コア・
シェル型エマルションを乾燥して得られるゴム粒子を用
いる方法、及び、特開昭55-16053号公報又は特開昭55-2
1432号公報に開示されているようなものがあるが、分散
方法や分散後の粘度の点からすると、後者のものが好ま
しい。シリコーン系ゴムとしては、シリコーンゴム微粒
子を用いる方法、特開昭60-72957号公報に開示されてい
る方法、特開平3-170523 号公報に開示されている方
法、エポキシ樹脂に二重結合を導入してその二重結合と
反応可能なハイドロジエン基含有シリコーンを反応させ
てグラフト体を生成し、グラフト体の存在下でシリコー
ンゴムモノマーを重合させる方法、エポキシ樹脂に二重
結合を導入してそれに重合可能なビニル基含有シリコー
ンモノマーを反応させグラフト体を生成する方法、この
グラフト体の存在下でシリコーンゴムモノマーを重合さ
せる方法等がある。好ましくは、シリコーンゴム微粒子
を用いずにグラフト体及びグラフト体を生成後ゴム粒子
を生成する方法がよく、これらの方法では、生成するゴ
ム粒子を制御しやすく、又分散後の粘度の上昇が少な
く、封止材の印刷性に好結果をもたらす。これらの方法
は、ゴムと樹脂界面に相互作用を有していて安定に分散
している方法である。ゴムと樹脂界面に相互作用を有し
ないと硬化後に凝集しやすく、高度の信頼性を保持しに
くい。また、ゴムは適度にゲル化していると硬化による
応力によってもゴム粒子が変形等しにくくなおよいの
で、使用するモノマー類を選ぶとなおよい。アクリルエ
ステル系ゴムでも同様のことが言え、グラフト体にグリ
シジル基を有するモノマーを用いたり、多価のビニル基
を有するモノマーを適量使用するなどの工夫をすればよ
い。
【0011】共役ジエン系ゴムとしては、例えば、1,3-
ブタジエン、1,3-ペンタジエン、イソプレン、1,3-ヘキ
サジエン、クロロプレン等のモノマーを重合又は共重合
して製造することができ、市販品を使用することができ
る。特に、末端にカルボキシル基を有するブタジエンと
アクリロニトリルとの共重合体、末端にアミノ基を有す
るブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体等はエポ
キシ樹脂に溶け、硬化時にゴムが析出するタイプで比較
的ゴム粒子を制御し易い。しかしながら、粒径の制御は
難しく、前記の二方法(アクリルエステル系ゴム及びシ
リコーン系ゴム)に比べると、性能上、不十分になるこ
とがある。
【0012】本発明に用いるゴムの粒径としては、平均
粒径が通常 0.01 〜5μm 、好ましくは 0.01 〜2μm
の粒子で分散している、いわゆる、海/島構造をとるこ
とができるゴムがよい。平均粒径が上記の範囲外では、
本発明の高信頼性が得られず、性能の低下がある。ま
た、ゴムの使用量は、該樹脂組成物中、通常 0.5〜25重
量%、好ましくは2〜20重量%である。この量が 0.5重
量%未満では、湿潤雰囲気時の接着強度が充分でなく、
25重量%を越えると、封止材の粘度が上昇し、封止材の
印刷性等の作業性が落ちたり、予備乾燥後の接着面に粘
着力が乏しくなる等の支障がでる。
【0013】本発明で用いる充填剤としては、(1)炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸バリ
ウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩、ケイ酸アルミニウ
ム、ケイ酸ジルコニウム等のケイ酸塩、酸化鉄、酸化チ
タン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、二酸
化ケイ素等の酸化物、チタン酸カリウム、カオリン、タ
ルク、アスベスト粉、石英粉、雲母、ガラス繊維等の無
機充填剤、及び、(2)ポリエチレン粉、ポリプロピレ
ン粉、ポリエステル粉、ポリ塩化ビニル粉、ポリスチレ
ン粉、ポリ酢酸ビニル粉、ポリエチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリメタクリレート粉、ポリウレタン粉、尿素
樹脂粉、フェノール樹脂粉、ベンゾグアナミン樹脂粉、
エポキシ樹脂粉等の有機充填剤がある。これらの充填剤
の添加量は、本発明に用いる封止材の組成、特に充填剤
そのものの種類により大きく変化するが、一般的には、
エポキシ樹脂100 重量部に対して1〜100 重量部の範囲
が望ましい。この量が1重量部未満では、塗布作業性が
悪く、塗布されたパターンの保持性も劣る等の欠陥を生
じやすい。また、この量が 100重量部を越えると、スク
リーン印刷等による塗布に支障をきたしがちである。な
お、充填剤の混合に当っては、スクリーン印刷時のスク
リーンの目詰り防止等のため三本ロール等で混練し微細
化して使用することが望ましい。
【0014】本発明において、封止材は溶剤を含有する
ことが望ましく、溶剤としては、その沸点70〜250 ℃の
ものが望ましい。具体的には、n- ヘプタン、n- オク
タン、n- デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、アミルベンゼン、ナフ
タリン、ピネン等の炭化水素類;四塩化炭素、塩化エチ
レン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,1,2-テトラクロロ
エチレン、ヘキサクロロエチレン、トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン、1,2,3-トリクロロプロパ
ン、塩化ブチル、塩化アミル、塩化-2- エチルヘキシ
ル、臭化エチレン、テトラブロモエタン、クロロベンゼ
ン、1,2,4-トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素;エタノール、イソプロパノール、n
- アミルアルコール、フーゼル油、n- ヘキサノール、
メチルアミルアルコール、2-エチルブタノール、n- ヘ
プタノール、n- オクタノール、n- デカノール、シク
ロヘキサノール、ベンジルアルコール、フルフリルアル
コール等のアルコール類;n- ブチルエーテル、n- ヘ
キシルエーテル、エチルフェニルエーテル、1,4-ジオキ
サン、トリオキサン、ジエチルアセタール等のエーテル
及びアセタール類;ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、
酢酸エチル、酢酸- n- ブチル、酢酸ベンジル、酪酸イ
ソアミル、乳酸エチル、安息香酸メチル、シュウ酸ジエ
チル等のエステル類;エチレングリコール、メチルセロ
ソルブ、メチルセロソルブアセテート、セロソルブアセ
テート、ジブチルセロソルブ、メチルカルビトール、カ
ルビトールアセテート、ブチルカルビトール、プロピレ
ングリコール、ヘキシレングリコール等の多価アルコー
ル類とその誘導体;ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶
剤、N,N- ジメチルホルムアミド等の含窒素溶剤等が
挙げられる。これらの溶剤は一種類であってもよいし、
二種類以上を組み合わせて使用しても差し支えない。
【0015】本発明で用いる溶剤の沸点が 70 ℃未満で
は、封止材の貯蔵中又は封止材塗布作業中に溶剤が揮発
して封止材の粘度が上がり、作業性を悪化させる傾向が
ある。また、溶剤の沸点が 250℃を越えると、予備乾燥
工程に長時間を要するとともに、塗布された封止材中に
溶剤が残留してセル中の液晶の性能を低下させる危険性
があり、かつ接着性が不足することがある。本発明で溶
剤を添加する理由は、封止材に流動性を与え、適度な塗
布性を与えるためである。したがって、溶剤の添加量は
これらの条件を満たすように調節することが必要である
が、一般的には、エポキシ樹脂100 重量部に対して0〜
70重量部の範囲が適当である。
【0016】本発明においては、必要に応じて他の公知
の硬化剤を添加することは、本発明の効果を損なわない
範囲であれば何ら差し支えない。その硬化剤として、例
えば、芳香族アミン、脂肪族アミン、酸無水物、三フッ
化ホウ素化合物、ジシアンジアミド及びその誘導体、イ
ミダゾール類及びその塩類、ジアミノマレオニトリル及
びその誘導体、ナイロン類、尿素誘導体が挙げられる。
更に、硬化促進剤、シランカップリング剤、チタネート
系カップリング剤等の表面改質剤、及び、顔料、可塑
剤、レベリング剤、反応性希釈剤、消泡剤等の各種添加
剤を、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で用
いることもできる。本発明に用いる封止材は、上記に説
明した各種成分を含有してなるものであるが、更に、液
晶封止用セルに用いる見地からは、例えば、当初溶剤を
含んだ封止材として 25 ℃で 100〜1500ポイズの粘度を
有し、かつ溶剤を含んだ封止材として1mm厚に塗布した
塗膜が溶剤の揮発後には塗膜面を垂直にしても流動性を
持たないことが好ましい。
【0017】次に、本発明における不純物とは、該樹脂
組成物中に含まれる不純物であって、本硬化終了後で硬
化組成物中の一部にならないもの、分子量が小さく溶剤
抽出されやすいものをいう。該不純物は、液晶を封入し
た後、液晶に溶け出したり、抽出され、にじみや油滴の
原因となる物質である。この物質の生じる度合いは使用
する液晶の種類によって違ってくるが、それは不純物濃
度として下記の定量分析法により求められる。この値
は、液晶を封入した完成品の検査の結果とよく一致す
る。すなわち、該不純物が1重量%未満であれば、完成
品の検査では良好であるということが判明した。
【0018】本発明において、該不純物の濃度を1重量
%未満に抑えるためには、種々の方法がある。例えば、
該樹脂組成物の構成成分の純度を向上させ、不純物の濃
度が1重量%未満になるように工夫する方法、該樹脂組
成物の構成成分を混合溶剤により予め抽出し、該不純物
の濃度を低下させておく方法、該樹脂組成物をそれ自体
に溶解しない溶剤で洗浄する方法等、いずれでもよく、
ともかく該不純物の濃度を1重量%未満に抑えられれば
よい。不純物の濃度は1重量%未満であればよいが、好
ましくは 0.5重量%以下がよい。
【0019】なお、本発明において、不純物の定量分析
法は次のとおりである。該樹脂組成物の硬化物を100 メ
ッシュパスの微粉に粉砕し、該粉砕品1gを混合溶剤
(n-ヘキサン/ 酢酸エチル=9/ 1重量比)100 gに
て強攪拌し、不純物を抽出する。該抽出液中の不純物を
ガスクロマトグラフにより分析し、(不純物のピーク面
積の総量/ピーク面積の総量)×100 を該抽出液中の不
純物濃度と仮定して算出し、それを該樹脂組成物当りに
換算し、不純物濃度(重量%)とする。
【0020】更に、本発明の液晶封止用セルの代表的な
製造方法を具体的に説明する。前記のエポキシ樹脂、有
機酸ヒドラジド化合物、ゴム、充填剤並びに所望により
溶剤を主成分とする封止材に所望のギャップを得るため
の充填剤(スペーサー)を混合した封止材を、主として
スクリーン印刷によりセル用基材の上に適当な膜厚、通
常は所望膜厚の2〜3倍程度の厚さ、になるように塗布
し、乾燥炉等で予備乾燥させる。その後、セル用被着材
をかぶせ、コレット加圧、バキュームピン等で加圧しな
がら、乾燥炉、ホットプレート、ヒーターブロック、赤
外線ヒーター等の手段により加熱硬化させる。
【0021】本発明で用いるセル用基材とは、(1)ガ
ラス等の無機質材料、及び、(2)上記無機質材料をシ
ランカップリング剤等の表面改質剤で表面処理したも
の、透明電極や配向膜等を与えるため表面処理したもの
等が代表的である。また、本発明で用いるセル用被着材
とは、前記セル用基材と同様な(1)及び(2)が代表
的であり、前記セル用基材と同一の材料と形状を有する
ものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0022】本発明における予備乾燥とは、封止材中に
含有する溶剤を充分揮発させ、かつ、この後セル用被着
材をかぶせ加熱硬化させる際に封止材層が被着材の接着
部分になじむよう適度な流動性を維持させること、並び
に封止材中に残存する微量水分を揮発させることを意味
する。乾燥条件としては、気流中、通常室温から130℃
で5分〜6時間の範囲であり、生産性や経済性を考慮す
ると、60〜110 ℃で20〜120 分の範囲が望ましい。
【0023】本発明における加熱硬化とは、封止材成分
中、エポキシ樹脂と有機酸ヒドラジド化合物との硬化反
応を充分行わせること、かつ、封止材によりセル用基材
とセル用被着材とを接着結合させることを意味する。硬
化条件としては、気流中通常130 〜220 ℃で5〜180 分
であり、好ましくは 150〜200 ℃で 20 〜120 分の範囲
が適当である。
【0024】
【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例により本発
明を詳細に説明する。以下において、「部」と「%」は
重量基準である。 合成例1 ゴム成分として、次のものを合成した。ビスフェノール
Fとエピクロロヒドリンとから作られるビスフェノール
F系エポキシ樹脂(エピクロン830 S;商品名、大日本
インキ社製)600 部、アクリル酸 12 部、及び、トリエ
チルアミン1部を加え、110 ℃まで昇温し5時間反応さ
せることにより、アクリル酸残基を導入したエポキシ樹
脂 613部を製造した。次に、これにブチルアクリレート
350部、グリシジルメタクリレート 20 部、ジビニルベ
ンゼン1部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部、及
び、アゾビスイソブチロニトリル2部を加え、70℃で3
時間、更に90℃で1時間重合させ、エポキシ樹脂とアク
リルエステル系とのグラフト重合体を製造した。この重
合体(A−1)は平均粒径0.05μm のいわゆる海/島構
造を有しており、エポキシ当量305 g/eq 、ゴム含有量
37.9%である。
【0025】合成例2 合成例1と同様に操作して、アクリル酸残基を導入した
エポキシ樹脂 613部を製造した。次に、これにヒドロキ
シエチルアクリレート5部、ブチルアクリレート10部、
及び、アゾビスイソブチロニトリル1部を加え、70℃で
3時間、更に90℃で1時間重合させ、エポキシ樹脂とア
クリルエステル系とのグラフト重合体を製造した。更
に、これに、分子中にメトキシ基を有するシリコーン中
間体(DC-3037 ;商品名、東レシリコーン社製)70
部、及び、ジブチルスズジラウレート0.3部を加え、1
時間反応した。反応の後半30分間、20Torrの減圧下で生
成するメタノールを留去した。このようにしてエポキシ
樹脂の変成樹脂とシリコーン化合物とのグラフト体を製
造した。これに、常温硬化型シリコーンゴムとして、K
E-1204A(商品名、信越化学工業社製)とKE-1204B
(商品名、信越化学工業社製)の1:1混合液 300部を
加え、強攪拌しながら2時間反応させ、シリコーンゴム
の分散したエポキシ樹脂を製造した。この重合体(A−
2)は平均粒径1.5μm のいわゆる海/島構造を有して
おり、エポキシ当量308 g/eq 、ゴム含有量30.0%であ
る。
【0026】合成例3 合成例1と同様に操作して、アクリル酸残基を導入した
エポキシ樹脂 613部を製造した。次に、これにラジカル
反応性シリコーンオイル(X-22-5002;商品名、信越化
学工業社製)50部、及び、アゾビスイソブチロニトリル
1部を加え、70℃で3時間、更に90℃で1時間重合さ
せ、エポキシ樹脂とシリコーン化合物とのグラフト重合
体を製造した。更に、これに、常温硬化型シリコーンゴ
ムとして、KE-1204A(商品名、信越化学工業社製)と
KE-1204B(商品名、信越化学工業社製)の1:1混合
液 300部を加え、強攪拌しながら2時間反応させ、シリ
コーンゴムの分散したエポキシ樹脂を製造した。この重
合体(A−3)は平均粒径0.5 μm のいわゆる海/島構
造を有しており、エポキシ当量297 g/eq 、ゴム含有量
31.1%である。
【0027】実施例1〜3 表1(表1)の各種成分の中、エポキシ樹脂A、エポキ
シ樹脂B、重合体(A−1)〜重合体(A−3)、及び
硬化剤(アジピン酸ジヒドラジド)のそれぞれ1部に対
し、混合溶剤(n- ヘキサン/酢酸エチル=9/ 1重量
比)10部の割合で混合し、常温で3時間強攪拌し、溶剤
抽出させ、溶剤を除去乾燥した。その後、上記の抽出操
作で得た四成分及び他の成分を、表1(表1)のような
割合でヘンシェルミキサー、ダルトンミキサー、ボール
ミル等の混合機にて混合し、三本ロールにて粒径が 10
μm 以下(好ましくは5μm 以下)になるまで混練す
る。混練物 100部、及び、スペーサー(径5μm 、ミル
ドファイバー)1.5部を室温で充分混合する。得られた
液晶封止用樹脂組成物を1枚目のガラス基板(透明電極
付き)に液晶封入口を残して、スクリーン印刷(325 メ
ッシュ)した。次に、90℃で20分間予備乾燥し、室温に
て冷却した。更に、得られたガラス基板に2枚目のガラ
ス基板(透明電極付き)を張り合わせ、蝶クリップで圧
着した後、150 ℃で 60 分間本硬化させた。ここで得ら
れた空パネルについて、下記のように評価し、その結果
を表3(表3)に示した。一方、得られた空パネルにお
いて、液晶封入口からビフェニル型液晶を封入し、封入
口をストラクトボンドES-280(商品名、三井東圧化学
社製)で封じて、液晶パネルを作製した。得られた液晶
パネルについて、下記のように評価し、その結果を表3
(表3)に示す。
【0028】実施例4〜6 表1(表1)の各種成分の中、溶剤(メチルカルビトー
ル)だけを除く成分を所定の割合で混合し、更に該混合
物1部に対し、混合溶剤(n- ヘキサン/ 酢酸エチル=
9/ 1重量比)10部の割合で混合し、常温で3時間強攪
拌し、溶剤抽出させ、溶剤を除去乾燥した。その後、上
記の抽出操作で得た混合物と溶剤(メチルカルビトー
ル)を、表1(表1)のような割合で混合機にて混合
し、三本ロールにて粒径が 10 μm 以下(好ましくは5
μm 以下)になるまで混練する。これ以降は実施例1〜
3と全く同様に操作して、空パネルと液晶パネルを得
た。得られたものについて、実施例1〜3と同様に評価
し、その結果を表3(表3)に示す。
【0029】比較例1〜4 実施例1〜6における抽出操作を行なわずに、表2(表
2)のような割合で各種成分を混合機にて混合し、三本
ロールにて粒径が 10 μm 以下(好ましくは5μm 以
下)になるまで混練する。これ以降は実施例1〜6と全
く同様に操作して、空パネルと液晶パネルを得た。得ら
れたものについて、実施例1〜6と同様に評価し、その
結果を表3(表3)に示す。なお、作製した空パネルと
液晶パネルの評価は、次のように行なった。 ・作業性;空パネルを作製するまでの印刷性、予備乾
燥、張り合わせ、本硬化までの性能を総称しており、総
合的に判定した。 評価 ×・・・問題あり、 △・・・若干問題あり、
○・・・良好 ◎・・・優れている ・パターン形状性;空パネルにおいて、樹脂硬化物から
の透明な物質のにじみの有無とパターン形状の良否を顕
微鏡(倍率200 )で観察した。 評価 ×・・・透明物質多い、パターン形状乱れ △・・・透明物質やや多い、パターン形状やや乱れ ○・・・透明物質なし、パターン形状良好
【0030】・電気特性;液晶パネルを 80 ℃×95%RH
の環境に 2000 時間放置後、端子間の比抵抗を測り、変
化率の分布にて長期の信頼性の判定をした。 評価 ×・・・変動が大きく長期の信頼性に乏しい △・・・変動が中で長期の信頼性にやや乏しい ○・・・変動が小で長期の信頼性良好 ・密着性;液晶パネルを 80 ℃×95%RHの環境に2000時
間放置後、ナイフを封入口から挿入してパネルの剥離状
況を観察した。 評価 ×・・・簡単に剥離する、 △・・・剥離やや
難、○・・・剥離せず ・にじみ;液晶パネルを動作し、その配向不良にて顕微
鏡で感知できないにじみを調べた。 評価 ×・・・配向不良が大きい、 △・・・配向不
良が中程度である ○・・・配向不良が小で良好である ・油滴;液晶パネルを顕微鏡(倍率200 )で観察し、油
滴の個数を調べた。 評価 ×・・・油滴が多い、 △・・・油滴が
中程度である ○・・・油滴が小で良好である
【0031】
【表1】 *1;ビスフェノールA/ エピクロロヒドリン重縮合型
エポキシ樹脂 分子量 900 ,エポキシ当量 450g/eq *2;ビスフェノールF/ エピクロロヒドリン重縮合型
エポキシ樹脂 分子量 540 ,エポキシ当量 200g/eq
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物を用いることによ
り、にじみや油滴を発生せず、作製される液晶パネルを
厳しい環境(80℃×95%RH、2000時間放置)下にさらし
ても、高信頼性のある液晶封止用セルを得ることが可能
となった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】まず、本発明の樹脂組成物を具体的に説明
する。本発明に用いるエポキシ樹脂とは、分子中にエポ
キシ基を二個以上有する化合物である。例えば、 (1).ビスフェノールA、ビスフェノールF、.
フェノール又はクレゾールとホルムアルデヒドとの付加
縮合したノボラック樹脂、テトラヒドロキシフェニルメ
タン及びレゾルシノールのようなヒドロキシ化合物、
.ジアミノジフェニルメタン、アニリン、キシリレン
ジアミン等のアミン化合物、.グリセリン、ペンタエ
リスリトール等の多価アルコール、.フタル酸、ヘキ
サハイドロフタル酸等のカルボキシ化合物等と、エピク
ロロヒドリン、エピブロモヒドリン等のエピハロヒドリ
ン及びメチルエピクロロヒドリン等のメチルエピハロヒ
ドリンとの重縮合樹脂並びに該重縮合樹脂をハロゲン化
した樹脂、(2)エポキシ化大豆油等のエポキシ化脂肪
酸類及びその誘導体、(3)エポキシ化ポリブタジエ
ン、エポキシ化ポリイソプレン等のエポキシ化ジエン重
合体類、(4)3,4-エポキシ-6- メチルシクロヘキシル
メチル−3,4-エポキシ-6- メチルシクロヘキサンカーボ
ネート、ビス(2,3- エポキシシクロペンチル) エーテル
等の脂肪族エポキシ樹脂等である。これらは、一種類又
は二種類以上使用してもよい。これらの中でも、特に好
適なものとしては上記(1)の群、更に、とりわけ〜
からなるものがよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】アクリルエステル系ゴムとしては、コア・
シェル型エマルションを乾燥して得られるゴム粒子を用
いる方法、及び、特開昭55-16053号公報又は特開昭55-2
1432号公報に開示されているようなものがあるが、分散
方法や分散後の粘度の点からすると、後者のものが好ま
しい。シリコーン系ゴムとしては、シリコーンゴム微粒
子を用いる方法、特開昭60-72957号公報に開示されてい
る方法、特開平3-170523 号公報に開示されている方
法、エポキシ樹脂に二重結合を導入してその二重結合と
反応可能なハイドロジエン基含有シリコーンを反応させ
てグラフト体を生成し、グラフト体の存在下でシリコー
ンゴムモノマーを重合させる方法、エポキシ樹脂に二重
結合を導入してそれに重合可能なビニル基含有シリコー
ンモノマーを反応させグラフト体を生成する方法、この
グラフト体の存在下でシリコーンゴムモノマーを重合さ
せる方法等がある。好ましくは、シリコーンゴム微粒子
を用いずにグラフト体及びグラフト体を生成後ゴム粒子
を生成する方法がよく、これらの方法では、生成するゴ
ム粒子を制御しやすく、また、分散後の粘度の上昇が少
なく、封止材の印刷性に好結果をもたらす。これらの方
法は、ゴムと樹脂界面に相互作用を有していて安定に分
散している方法である。ゴムと樹脂界面に相互作用を有
しないと硬化後に凝集しやすく、高度の信頼性を保持し
にくい。また、ゴムは適度にゲル化していると硬化によ
る応力によってもゴム粒子が変形等しにくくなおよいの
で、使用するモノマー類を選ぶとなおよい。アクリルエ
ステル系ゴムでも同様のことが言え、グラフト体にグリ
シジル基を有するモノマーを用いたり、多価のビニル基
を有するモノマーを適量使用するなどの工夫をすればよ
い。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明に用いるゴムの粒径としては、平均
粒径が通常 0.01 〜5μm 、好ましくは 0.01 〜2μm
の粒子で分散している、いわゆる、海/島構造をとるこ
とができるゴムがよい。平均粒径が上記の範囲外では、
本発明の高信頼性が得られず、性能の低下がある。ま
た、ゴムの使用量は、エポキシ樹脂、ゴム及び硬化剤の
合計 100重量部に対して、通常 0.5〜25重量部、好まし
くは2〜20重量部である。この量が 0.5重量部未満で
は、湿潤雰囲気時の接着強度が充分でなく、25重量部を
越えると、封止材の粘度が上昇し、封止材の印刷性等の
作業性が落ちたり、予備乾燥後の接着面に粘着力が乏し
くなる等の支障がでる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本発明で用いる充填剤としては、(1)炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;硫酸バリ
ウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩;ケイ酸アルミニウ
ム、ケイ酸ジルコニウム等のケイ酸塩;酸化鉄、酸化チ
タン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、二酸
化ケイ素等の酸化物;チタン酸カリウム、カオリン、タ
ルク、アスベスト粉、石英粉、雲母、ガラス繊維等の無
機充填剤、及び、(2)ポリエチレン粉、ポリプロピレ
ン粉、ポリエステル粉、ポリ塩化ビニル粉、ポリスチレ
ン粉、ポリ酢酸ビニル粉、ポリエチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリメタクリレート粉、ポリウレタン粉、尿素
樹脂粉、フェノール樹脂粉、ベンゾグアナミン樹脂粉、
エポキシ樹脂粉等の有機充填剤がある。これらの充填剤
の添加量は、本発明に用いる封止材の組成、特に充填剤
そのものの種類により大きく変化するが、一般的には、
エポキシ樹脂、ゴム及び硬化剤の合計 100重量部に対し
て1〜100 重量部の範囲が望ましい。この量が1重量部
未満では、塗布作業性が悪く、塗布されたパターンの保
持性も劣る等の欠陥を生じやすい。また、この量が 100
重量部を越えると、スクリーン印刷等による塗布に支障
をきたしがちである。なお、充填剤の混合に当っては、
スクリーン印刷時のスクリーンの目詰り防止等のため三
本ロール等で混練し微細化して使用することが望まし
い。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本発明で用いる溶剤の沸点が 70 ℃未満で
は、封止材の貯蔵中又は封止材塗布作業中に溶剤が揮発
して封止材の粘度が上がり、作業性を悪化させる傾向が
ある。また、溶剤の沸点が 250℃を越えると、予備乾燥
工程に長時間を要するとともに、塗布された封止材中に
溶剤が残留してセル中の液晶の性能を低下させる危険性
があり、かつ接着性が不足することがある。本発明で溶
剤を添加する理由は、封止材に流動性を与え、適度な塗
布性を与えるためである。したがって、溶剤の添加量は
これらの条件を満たすように調節することが必要である
が、一般的には、エポキシ樹脂、ゴム及び硬化剤の合計
100重量部に対して0〜70重量部の範囲が適当である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】合成例2 合成例1と同様に操作して、アクリル酸残基を導入した
エポキシ樹脂 613部を製造した。次に、これにヒドロキ
シエチルアクリレート5部、ブチルアクリレート10部、
及び、アゾビスイソブチロニトリル1部を加え、70℃で
3時間、更に90℃で1時間重合させ、エポキシ樹脂とア
クリルエステル系とのグラフト重合体を製造した。更
に、これに、分子中にメトキシ基を有するシリコーン中
間体70部、及び、ジブチルスズジラウレート 0.3部を加
え、1時間反応させた。反応の後半30分間、20Torrの減
圧下で生成するメタノールを留去した。このようにして
エポキシ樹脂の変成樹脂とシリコーン化合物とのグラフ
ト体を製造した。これに、二液の常温硬化型シリコーン
ゴムの混合液(1:1重量比) 300部を加え、強攪拌し
ながら2時間反応させ、シリコーンゴムの分散したエポ
キシ樹脂を製造した。この重合体(A−2)は平均粒径
1.5 μm のいわゆる海/島構造を有しており、エポキシ
当量308 g/eq 、ゴム含有量30.0%である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】合成例3 合成例1と同様に操作して、アクリル酸残基を導入した
エポキシ樹脂 613部を製造した。次に、これにラジカル
反応性シリコーンオイル50部、及び、アゾビスイソブチ
ロニトリル1部を加え、70℃で3時間、更に90℃で1時
間重合させ、エポキシ樹脂とシリコーン化合物とのグラ
フト重合体を製造した。更に、これに、二液の常温硬化
型シリコーンゴムの混合液(1:1重量比) 300部を加
え、強攪拌しながら2時間反応させ、シリコーンゴムの
分散したエポキシ樹脂を製造した。この重合体(A−
3)は平均粒径0.5 μm のいわゆる海/島構造を有して
おり、エポキシ当量297 g/eq 、ゴム含有量31.1%であ
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】実施例1〜3 表1(表1)の各種成分の中、エポキシ樹脂A、エポキ
シ樹脂B、重合体(A−1)〜重合体(A−3)、及び
硬化剤(アジピン酸ジヒドラジド)のそれぞれ1部に対
し、混合溶剤(n- ヘキサン/酢酸エチル=9/ 1重量
比)10部の割合で混合し、常温で3時間強攪拌し、溶剤
抽出させ、溶剤を除去乾燥した。その後、上記の抽出操
作で得た四成分及び他の成分を、表1(表1)のような
割合でヘンシェルミキサー、ダルトンミキサー又はボー
ルミルの混合機にて混合し、三本ロールにて粒径が 10
μm 以下(好ましくは5μm 以下)になるまで混練す
る。混練物 100部、及び、スペーサー(径5μm 、ミル
ドファイバー)1.5部を室温で充分混合する。得られた
液晶封止用樹脂組成物を1枚目のガラス基板(透明電極
付き)に液晶封入口を残して、スクリーン印刷(325 メ
ッシュ)した。次に、90℃で20分間予備乾燥し、室温に
て冷却した。更に、得られたガラス基板に2枚目のガラ
ス基板(透明電極付き)を張り合わせ、蝶クリップで圧
着した後、150 ℃で 60 分間本硬化させた。ここで得ら
れた空パネルについて、下記のように評価し、その結果
を表3(表3)に示した。一方、得られた空パネルにお
いて、液晶封入口からビフェニル型液晶を封入し、封入
口をストラクトボンドES-280(商品名、三井東圧化学
社製)で封じて、液晶パネルを作製した。得られた液晶
パネルについて、下記のように評価し、その結果を表3
(表3)に示す。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】比較例1〜4 実施例1〜6における抽出操作を行なわずに、表2(表
2)のような割合で各種成分を混合機にて混合し、三本
ロールにて粒径が 10 μm 以下(好ましくは5μm 以
下)になるまで混練する。これ以降は実施例1〜6と全
く同様に操作して、空パネルと液晶パネルを得た。得ら
れたものについて、実施例1〜6と同様に評価し、その
結果を表3(表3)に示す。なお、作製した空パネルと
液晶パネルの評価は、次のように行なった。 ・作業性:空パネルを作製するまでの印刷性、予備乾
燥、張り合わせ、本硬化までの性能を総称しており、総
合的に判定した。 評価 ×・・・問題あり、 △・・・若干問題あり、
○・・・良好 ◎・・・優れている ・パターン形状性:空パネルにおいて、樹脂硬化物から
の透明な物質のにじみの有無とパターン形状の良否を顕
微鏡(倍率200 )で観察した。 評価 ×・・・透明物質多い、パターン形状乱れ △・・・透明物質やや多い、パターン形状やや乱れ ○・・・透明物質なし、パターン形状良好
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】・電気特性:液晶パネルを 80 ℃×95%RH
の環境に 2000 時間放置後、端子間の比抵抗を測り、変
化率の分布にて長期の信頼性の判定をした。 評価 ×・・・変動が大きく長期の信頼性に乏しい △・・・変動が中で長期の信頼性にやや乏しい ○・・・変動が小で長期の信頼性良好 ・密着性:液晶パネルを 80 ℃×95%RHの環境に2000時
間放置後、ナイフを封入口から挿入してパネルの剥離状
況を観察した。 評価 ×・・・簡単に剥離する、 △・・・剥離やや
難、○・・・剥離せず ・にじみ:液晶パネルを動作し、その配向不良にて顕微
鏡で感知できないにじみを調べた。 評価 ×・・・配向不良が大きい、 △・・・配向不
良が中程度である ○・・・配向不良が小で良好である ・油滴:液晶パネルを顕微鏡(倍率200 )で観察し、油
滴の個数を調べた。 評価 ×・・・油滴が多い、 △・・・油滴が
中程度である ○・・・油滴が小で良好である

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、有機酸ヒドラジド化合
    物、ゴム、充填剤及び溶剤を主成分とする液晶封止用樹
    脂組成物であって、該樹脂組成物中、溶剤抽出法による
    不純物濃度が1重量%未満であることを特徴とする液晶
    封止用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 該樹脂組成物をセル用基材上に塗布し予
    備乾燥させた後、セル用被着材をあてがい、加熱硬化さ
    せることを特徴とする液晶封止用セルの製造方法。
JP18950592A 1992-07-16 1992-07-16 液晶封止用樹脂組成物及び液晶封止用セルの製造方法 Pending JPH0673164A (ja)

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