JP3865429B2 - 液晶封止用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近年の表示機器の多様化と厳しい環境で使用できる、高い信頼性を要求される液晶表示装置の封止に適する、新規な液晶封止用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
近年、パーソナルコンピューター、音響機器、計測機器、カラーテレビ等を中心に電子化が急速に進んだ結果、液晶を用いる表示方式が広く採用されてきた。これは、消費電力が極めて少なく、駆動力が低く、太陽光の下でも鮮明さや明暗差が充分取れる等の特徴とともに、大型・小型・軽量化が可能となり、低価格化を達成できるようになったこと、また、カラー化技術もブラウン管(CRT)をも凌ぐ程になったことなどが考えられる。このような利点から液晶表示体(LCD)の応用分野は、ますます拡大の様相を見せてきている。
【0003】
それに伴なって、今日液晶セルメーカーでは、LCDの生産性向上や高品位化への検討が盛んに行なわれている。その中で、封止材については、液晶セル製造工程における硬化温度の低下及び硬化時間の短縮と同時に、早い応答速度や低い電圧で動作する液晶に適する高い信頼性が要望されている。
【0004】
従来、液晶封止用樹脂としては、一液加熱硬化型エポキシ樹脂や紫外線硬化性樹脂が用いられている。例えば、特開昭57-137317号公報や特開昭59-157330号公報には、一液加熱硬化型エポキシ樹脂が開示されている。
しかしながら、これらの材料では、いずれも上記の要望を充分に満足させることはできないのが現状である。
すなわち、一液加熱硬化型エポキシ樹脂では、通常の 150℃の温度で 60分間以上の硬化時間を要し、下限の 130℃の温度で硬化させる場合、所望の性能が発現するまでに、2時間以上の長時間を必要とする。一方、紫外線硬化性樹脂については、数分間の程度で完全に硬化できるものはなく、全てアフターキュアーを必要とし、また、最終硬化したものについても、湿潤時の信頼性が低く、一液加熱硬化型エポキシ樹脂の性能にも及ばない。また、どちらの樹脂においても、液晶に対する信頼性の点で高温のエージング試験後に表示むらという問題が発生しやすい。
【0005】
本発明の目的は、液晶封止用セル製造工程において低い温度と短い時間で加熱硬化し、また得られる液晶封止用セルが高い信頼性をもつ封止用樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を解決するため鋭意検討した結果、一液加熱硬化型エポキシ樹脂系封止材において、硬化剤である有機酸ヒドラジド化合物に加えて、硬化促進剤として特定な二塩基酸系化合物を選ぶことが有効であるという事実を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂、ゴム、硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤、充填剤及び溶剤を主成分とする樹脂組成物を封止材に用いることにより、低温かつ短時間で加熱硬化することができることを特徴とする液晶封止用樹脂組成物であり、また、該樹脂組成物中、該硬化促進剤が二塩基酸系化合物、更には有機二塩基酸であることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂組成物について、各成分毎に具体的に説明する。
本発明に用いるエポキシ樹脂とは、分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物である。それらは、例えば、
(1)▲1▼ビスフェノールA、ビスフェノールF、▲2▼フェノール又はクレゾールとホルムアルデヒドとの付加縮合したノボラック樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタン及びレゾルシノールのようなヒドロキシ化合物、▲3▼ジアミノジフェニルメタン、アニリン、キシリレンジアミン等のアミン化合物、▲4▼グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、又は▲5▼フタル酸、ヘキサハイドロフタル酸等のカルボキシ化合物と、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等のエピハロヒドリン及びメチルエピクロロヒドリン等のメチルエピハロヒドリンとの重縮合樹脂並びに該重縮合樹脂をハロゲン化した樹脂、
(2)エポキシ化大豆油等のエポキシ化脂肪酸類及びその誘導体、
(3)エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ポリイソプレン等のエポキシ化ジエン重合体類、又は、(4)3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサンカーボネート、ビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテル等の脂肪族エポキシ樹脂である。これらは一種類、又は二種類以上使用してもよい。これらの中でも、特に好適なものとしては、上記(1)の群、更にとりわけその群中▲1▼〜▲3▼のものである。
【0008】
本発明に用いるエポキシ樹脂の数平均分子量は、通常 300〜1500、好ましくは 400〜1000である。この数平均分子量が 300未満では、セルを構成している材料との密着性が悪く、充分な物理的・化学的安定性は得られず、また特に耐熱性が落ちることになる。また、これが 1500 を越えると、予備乾燥後の接着面に粘着力が乏しいため、予備乾燥後のセル用基材とセル用被着材を積み重ねた場合に、外的な衝撃、振動等によりずれるとか、封止材を塗布する際の作業性が落ちる等の欠点を有する。なお、エポキシ樹脂の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決められ、また用いるエポキシ樹脂が二種類以上の場合は、それらの平均した数平均分子量とする。
【0009】
本発明に用いるゴムとは、エポキシ系樹脂封止材が硬化した後に樹脂層の中にゴム粒子が分散している、いわゆる、海/島構造をとることができるゴムであればいずれでもよい。
ゴム粒子の分散方法としては、エポキシ樹脂に分散してもよく、あるいは、エポキシ樹脂に溶解した後、硬化時に析出させてもよい。また、エポキシ樹脂とのグラフト共重合体、及びエポキシ樹脂との共重合体の存在下でゴム粒子を生成させる方法もよい。好ましくは、エポキシ樹脂とのグラフト共重合体、及びエポキシ樹脂との共重合体の存在下でゴム粒子を生成させる方法等のように、ゴムの粒径を制御できる方法がよい。これらの方法は、ゴムと樹脂界面に相互作用を有して安定に分散している方法である。ゴムと樹脂界面に相互作用を有しないと、硬化後に凝集しやすく、高い信頼性を保持しにくい。また、ゴムは適度に架橋していると、硬化による応力によってもゴム粒子が変形等しにくく、一層よい。
【0010】
このゴムとしては、例えば、アクリルエステル系、シリコーン系、共役ジエン系、オレフィン系、ポリエステル系及びウレタン系重合体が挙げられるが、その中でも、アクリルエステル系、シリコーン系及び共役ジエン系重合体が好ましく、更にアクリルエステル系及びシリコーン系重合体がより好ましい。これらは単独で用いても、また併用してもよい。
アクリルエステル系ゴムとしては、コアー・シェル型エマルションを乾燥して得られるゴム粒子を用いる方法、及び、アクリル酸エステル重合体の製造法を記載した特開昭55-16053号公報、又は熱硬化性樹脂とビニルポリマーとのグラフト重合体の製造法を記載した特開昭55-21432号公報に開示されているようなものがあるが、分散方法や分散後の粘度の点からすると、後者のものが好ましい。
【0011】
シリコーン系ゴムとしては、シリコーンゴム微粒子を用いる方法(特開昭60-72957号公報及び特開平3-170523号公報)等がある。それらは、エポキシ樹脂に二重結合を導入してその二重結合と反応可能な活性水素含有シリコーンを反応させてグラフト重合体を生成し、グラフト体の存在下でシリコーンゴムモノマーを重合させる方法、エポキシ樹脂に二重結合を導入してそれに重合可能なビニル基含有シリコーンモノマーを反応させ、グラフト体を生成する方法、このグラフト体の存在下でシリコーンゴムモノマーを重合させる方法である。
【0012】
共役ジエン系ゴムとしては、例えば、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、イソプレン、1,3-ヘキサジエン、クロロプレンのモノマーを重合又は共重合して製造することができ、市販品を使用することができる。特に、末端にカルボキシル基を有するブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体、末端にアミノ基を有するブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体等は、エポキシ樹脂に溶け、硬化時にゴムが析出するので比較的ゴム粒子を制御しやすい。
【0013】
本発明に用いるゴムの粒径としては、平均粒径が 0.01〜5μm 、好ましくは0.01〜2μm の粒子で分散している、いわゆる、海/島構造を取ることができるゴムがよい。平均粒径が上記の範囲外では、本発明の高信頼性が得られず、性能の低下がある。
また、該ゴムの使用量はエポキシ樹脂 100重量部中、通常1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。この量が1重量部未満では、湿潤雰囲気時の接着強度が充分でなく、また、30重量部を越えると、封止材の粘度が上昇して封止材の印刷性等の作業性が落ちたり、予備乾燥後の接着面に粘着力が乏しくなる等の支障がでる。
【0014】
本発明に用いる硬化剤としては、有機酸ヒドラジド化合物が好ましい。それには、例えば、サリチル酸ヒドラジド、p−オキシ安息香酸ヒドラジド、フェニルアミノプロピオン酸ヒドラジド等の一塩基酸ヒドラジド化合物;コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、チオジプロピオン酸ジヒドラジド、フランジカルボン酸ジヒドラジド、シクロヘキサンカルボン酸ジヒドラジド等の二塩基酸ジヒドラジド化合物が挙げられる。これらは一種類、又は二種類以上でもよい。これらの中でも、二塩基酸ジヒドラジド化合物が特に適している。
【0015】
これらの有機酸ヒドラジド化合物はエポキシ樹脂の硬化剤として作用し、それをエポキシ樹脂と混合した場合、室温での貯蔵安定性がよく、混合後は一液型エポキシ樹脂として使用できる。また、有機酸ヒドラジド化合物は、他の一液型エポキシ接着剤に使用される硬化剤、例えば、ジシアンジアミド及びその誘導体、三フッ化ホウ素−アミン錯体に比べて、より低温で硬化反応を開始するとともに、極めて高度な耐熱性や耐水性を付与する効果を有し、しかも、液晶へ悪影響を及ぼす物質を発生することもない。
【0016】
該硬化剤の量としては、該エポキシ樹脂のエポキシ基1個当たり、硬化剤の第一級アミノ基で通常 0.1〜1.0個、好ましくは 0.2〜0.5個となる量である。
この量が 0.1個未満では、樹脂組成物の貯蔵安定性はかなりよくなるが、硬化が遅くなるとともに、架橋度が充分でなく、接着性や耐湿性、電気特性、液晶との作用が悪くなる。また、これが 1.0個を越えると、硬化性は更に向上する傾向にあるが、貯蔵安定性が極端に悪くなり、吸水率が上昇し、電気特性が悪くなると同時に、液晶に悪影響を及ぼす結果となる。
【0017】
本発明に用いる硬化促進剤は二塩基酸系化合物であり、好ましくは有機二塩基酸である。更に好ましくは、有機二塩基酸の中でも、硬化剤に使用される二塩基酸ジヒドラジドに対応する二塩基酸、例えば、コハク酸、アジピン酸、イソフタル酸、ドデカン酸、セバシン酸、チオジプロピオン酸、フランジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸である。これらは一種類、又は二種類以上でもよい。
【0018】
該硬化促進剤の量は、エポキシ樹脂、ゴム、硬化剤及びカップリング剤の合計100重量部に対して 0.2〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。
この量が 0.2重量部未満では、硬化性が極端に低下し、所望以上の熱量と時間を必要とする。また、これが 20重量部を越えると、硬化性はよいものの、耐湿性、液晶との反応性等の信頼性に悪影響を及ぼすことになる。
【0019】
本発明に用いるカップリング剤としては、(1)ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン系カップリング剤、(2)β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のグリシジルシラン系カップリング剤、(3)N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤、(4)イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、トリス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等のチタネート系カップリング剤、及び(5)γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等の特殊シラン系カップリング剤が挙げられる。これらは一種類、又は二種類以上でもよい。これらの中でも、特に好適なものとしては、上記(2)の群のように、エポキシ樹脂と混合した場合、室温での貯蔵安定性がよく、その混合物は一液型エポキシ樹脂として使用できるものがよい。
【0020】
該カップリング剤の添加量は、本発明に用いる封止材の成分・組成により大きく変化するが、一般的には、エポキシ樹脂、ゴム、硬化剤、硬化促進剤及び充填剤の合計 100重量部中、0〜5重量部が望ましい。基本的には、本発明において、カップリング剤を使用することが性能維持としては望ましいが、前記の硬化剤の割合が多くなるほど、それを添加しなくても充分に性能を発揮する。この量が5重量部を越えると、液晶の比抵抗や転移温度に悪い影響を及ぼし、また樹脂の凝集力が低下し、結果として接着力や信頼性の低下を招く。
【0021】
本発明に用いる充填剤としては、(1)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩;ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム等のケイ酸塩;酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛等の酸化物;カオリン、タルク、アスベスト粉、石英粉、雲母、ガラス繊維等の無機質充填剤、及び、(2)ポリエチレン粉、ポリプロピレン粉、ポリ塩化ビニル粉、ポリスチレン粉、ポリ酢酸ビニル粉、ポリスチレン−酢酸ビニル共重合体粉、ポリメタクリレート粉、ポリウレタン粉、ポリエステル粉、尿素樹脂粉、フェノール樹脂粉、エポキシ樹脂粉等の有機質充填剤が挙げられる。
【0022】
該充填剤の添加量は、本発明に用いる封止材の成分・組成、特に充填剤そのものの種類により大きく変化するが、一般的には、エポキシ樹脂 100重量部に対して、1〜100重量部が望ましい。この量が1重量部未満では、塗布作業性が悪く、塗布されたパターンの保持性も劣る等の欠陥を生じやすい。また、この量が 100重量部を越えると、スクリーン印刷等による塗布に支障をきたしがちである。なお、充填剤の混合に当たっては、スクリーン印刷時のスクリーンの目詰まり防止等のため三本ロール等で混練し、微細化して使用することが望ましい。
【0023】
本発明に用いる溶剤としては、その沸点が 70〜250℃のものが望ましい。
それらは、具体的には、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミノベンゼン、ナフタリン、ピネン等の炭化水素類;四塩化炭素、塩化エチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,1,2-テトラクロロエタン、ヘキサクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2,3-トリクロロプロパン、塩化ブチル、塩化アミル、塩化-2-エチルヘキシル、臭化エチレン、テトラブロモエタン、クロロベンゼン、1,2,4-トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;エタノール、2-プロパノール、n−アミノアルコール、フーゼル油、n−ヘキサノール、メチルアミノアルコール、2-エチルブタノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール類;n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、エチルフェニルエーテル、1,4-ジオキサン、トリオキサン、ジエチルアセタール等のエーテル及びアセタール類;メチルエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、アセトニルアセトン、イソホロン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類;ギ酸プロピル、ギ酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸ベンジル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、安息香酸メチル、シュウ酸ジエチル等のエステル類;エチレングリコール、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、セロソルブアセテート、ジブチルセロソルブ、メチルカルビトール、カルビトールアセテート、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等の多価アルコール類及びそれらの誘導体;ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶剤;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の含窒素溶剤が挙げられる。これらの溶剤は一種類、又は二種類以上でもよい。
【0024】
本発明に用いる溶剤の沸点が 70℃未満では、封止材の貯蔵中や塗布作業中に溶剤が揮発して封止材の粘度が上がり、作業性を著しく悪化させる。また、その沸点が 250℃を越えると、予備乾燥工程に長時間を要するとともに、塗布された封止材中に溶剤が残留し、セル中の封止物の性能を害したりする危険性があり、かつ接着性が不足することがあるので好ましくない。
本発明で溶剤を添加する理由は、封止材に適度な流動性と塗布性を与えるためであり、用いる塗布機の特性に封止材が適合するのであれば、該溶剤は必ずしも添加しなくてもよい。該溶剤の添加量はこれらの条件を満たすことが必要であり、一般的にはエポキシ樹脂 100重量部に対し0〜70重量部、好ましくは5〜40重量部である。
【0025】
本発明においては、必要に応じて他の公知の添加剤を使用することは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、何ら差し支えない。それらは、例えば、アエロジルのような揺変剤(チクソトロープ剤)、顔料、染料、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、反応性希釈剤である。
【0026】
更に、本発明においては、前記したエポキシ樹脂、ゴム、硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤、充填剤及び溶剤を主成分とする樹脂組成物を封止材として用いて、公知の方法により、液晶封止用セルを作製することができる。
すなわち、該樹脂組成物に所望のギャップを得るための充填剤(スペーサー)を混合し、スクリーン印刷又は凸版印刷、ディスペンサー等の手法により、該混合物をガラス等のセル用基材の上に適当な膜厚、通常は所望の膜厚の2〜3倍の厚さ、になるように塗布し、乾燥炉(オーブン)等で予備乾燥する。該セル用基材にセル用被着材を貼り合わせ、コレット加圧、バキュームピン等で加圧しながら、乾燥炉(オーブン)、ホットプレス、ホットプレート、ヒーターブロック、赤外線ヒーター等の手段により加熱硬化させる。
【0027】
その際、予備乾燥条件としては、気流中 60〜90℃で 10〜40分間の範囲が好ましい。一方、加熱硬化条件は加熱手段・方式により大きく変わるが、いずれにしても、本発明では従来に比べて、より低い温度と短い時間で硬化することができる。本発明における硬化条件としては、例えば、オーブンでは、気流中 100〜120℃で 30〜90分間の範囲、ホットプレスでは、気流中 100〜150℃で2〜45分間の範囲が好ましい。
【0028】
【実施例】
以下に、合成例、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。以下において、「部」と「%」は重量基準である。
【0029】
合成例1
ゴム成分として、次のものを合成した。
エピクロン830S(商品名 ,大日本インキ化学工業社製 ,ビスフェノールF/エピクロロヒドリン重縮合型エポキシ樹脂 ,数平均分子量 380 ,エポキシ当量 190g/eq )600部、アクリル酸 12部及びトリエチルアミン1部を加え、110℃まで昇温し5時間反応させることにより、アクリル酸残基を導入したエポキシ樹脂 613部を製造した。
次に、これに、ブチルアクリレート 20部、ジビニルベンゼン1部及びアゾビスイソブチロニトリル2部を加え、70℃で3時間、更に90℃で1時間重合させ、エポキシ樹脂とアクリルエステル系とのグラフト重合体を製造した。この重合体(R−1)は平均粒径 0.05μm のいわゆる海/島構造を有しており、エポキシ当量 305g/eq 、ゴム含有量 17%である。
【0030】
合成例2
合成例1の前半と同様に操作して、アクリル酸残基を導入したエポキシ樹脂 613部を製造した。次に、これに、ヒドロキシエチルアクリレート5部、ブチルアクリレート10部及びアゾビスイソブチロニトリル1部を加え、70℃で3時間、更に90℃で1時間重合させ、エポキシ樹脂とアクリルエステル系とのグラフト重合体を製造した。更に、これに、分子中にメトキシ基を有するシリコーン中間体 70部及びジブチルスズジラウレート 0.3部を加え、1時間反応させた。この反応の後半30分間、生成するメタノールを留去するため 20 Torrの減圧下で行なった。このようにしてエポキシ樹脂の変成樹脂とシリコーン化合物とのグラフト体を製造した。
これに、二液の常温硬化型シリコーンゴムの混合液(1:1の重量比)30部を加え、強撹拌しながら2時間反応させ、シリコーンゴムの分散したエポキシ樹脂を製造した。この重合体(R−2)は平均粒径 1.5μm のいわゆる海/島構造を有しており、エポキシ当量 308g/eq 、ゴム含有量 23%である。
【0031】
実施例1〜7及び比較例1〜5
実施例1〜7では表1に、及び比較例1〜5では表2に示すような割合で、それぞれ各種の成分をミキサーで混合し、セラミックス製三本ロールにて硬化剤及び充填剤の粒径が 10μm 以下になるまで混練した。該混練物 100部及びスペーサー(径5μm , ミルドファイバー)3部を室温で充分に混合し、液晶封止用樹脂組成物を得た。
次に、該樹脂組成物を、透明電極及び配向膜が施されたガラス基板上に、スクリーン印刷方式にてパターンを塗布し、80℃で 20分間予備乾燥し、室温まで冷却した。更に、他方のガラス被着基板を貼り合わせ、圧締治具にて圧着した後、オーブン中 120℃で 30分間、本硬化させた。
ここで、上記パターンの内、接着面積が 10mm×10mmのものについては、接着強度の測定に供した。一方、シール幅1mmで1inchパネル用については、得られた空パネルに液晶封入口からエステル型液晶を封入し、封入口をストラクトボンドES-302(商品名 ,三井東圧化学社製 ,二液型常温硬化性エポキシ樹脂)で封口し、液晶パネルを作製した。
【0032】
なお、得られた液晶封止用樹脂組成物、試験片及び液晶パネルは、次のような試験で評価し、それらの結果を表3と表4に示す。
・貯蔵安定性: 組成物 100gをポリエチレン製容器(容量 100ml)に入れ、+5℃の雰囲気下で約1ケ月間、又は−15℃の雰囲気下で約3ケ月間、それぞれ放置した。その間、経時的に組成物の粘度を測定し、その上昇率を求めた。
・ゲル化時間: 約1gの組成物を 150℃の熱板上に置き、ガラス棒でゆっくりかき混ぜながら液体状態を失なうまでの時間(秒)を測定した。
・接着強度: 試験片を作製した直後、及びそれをプレッシャークッカー試験機(120℃ ,2Kg/cm2G)中に 10〜50時間入れた後、それらの面引張り接着強度(MPa)を測定した。
・電気特性: 液晶パネルを作製した直後、及びそれを 80℃で 95%RHの環境に1000時間放置した後、それぞれについて端子間の電流を測定し、その変化率(倍)を求めた。
・表示特性: 液晶パネルを 80℃で 200時間エージングした後、それに偏光板を施し、電圧印加後の表示状態を目視又は光学顕微鏡にて確認し、4段階で評価した。
◎: 全く問題なし。
○: 顕微鏡(倍率100)で確認し、10μm 以内の範囲でドメイン有り。△: 顕微鏡(倍率50)で確認し、100μm 以内の範囲でドメイン有り。
×: 目視で表示むらを確認できる。
【0033】
【表1】
Figure 0003865429
【0034】
【表2】
Figure 0003865429
【0035】
Figure 0003865429
【0036】
【表3】
Figure 0003865429
【0037】
【表4】
Figure 0003865429
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、従来技術では達成されなかった、低温かつ短時間の加熱硬化条件(例えば、オーブン中 120℃で 30分間)で、信頼性の高い液晶封止用セルを作製することができる。また、このことは、液晶封止用セルの製造工程における省エネルギーや低コスト化に寄与する。

Claims (1)

  1. エポキシ樹脂、ゴム、硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤、充填剤及び溶剤を主成分とする樹脂組成物において、該ゴムがゴム粒径として平均粒径が0.01〜5μmで、該硬化剤が有機ヒドラジド化合物で、該硬化促進剤が有機二塩基酸であり、エポキシ樹脂、ゴム、硬化剤及びカップリング剤の合計100重量部に対して該硬化促進剤を0.2〜20重量部含む樹脂組成物を封止材に用いることにより、低温かつ短時間で加熱硬化することができることを特徴とする液晶封止用樹脂組成物。
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