JPH0672955A - 活性エネルギー線硬化樹脂用反応性希釈剤及びその 製造法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化樹脂用反応性希釈剤及びその 製造法

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JPH0672955A
JPH0672955A JP22852992A JP22852992A JPH0672955A JP H0672955 A JPH0672955 A JP H0672955A JP 22852992 A JP22852992 A JP 22852992A JP 22852992 A JP22852992 A JP 22852992A JP H0672955 A JPH0672955 A JP H0672955A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rnは炭素原子数2〜20のアルキル基、Rは
水素原子またはメチル基を表す。)で示されるジ(メ
タ)アクリル酸エステルを必須成分として含有すること
を特徴とする活性エネルギー線硬化樹脂用反応性希釈剤
およびそのワンポットの製造方法。 【効果】本発明は、エポキシ化合物と(メタ)アクリル
酸を反応させ、得られるジ(メタ)アクリル酸エステル
を必須の構成成分とする、塗料、コーティング剤、イン
キ、接着剤、粘着剤、樹脂ゴム等の優れた活性エネルギ
ー線硬化樹脂用反応性希釈剤およびその製造方法を提供
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なジ(メタ)アクリ
ル酸エステルを必須成分として含有する活性エネルギー
線硬化樹脂用反応性希釈剤及びその製造法に関するもの
である。
【0002】更に詳しくは、紫外線、電子線、イオン化
放射線、放射線等の活性エネルギ−線硬化型の塗料、コ
−テング剤、インキ、接着剤、粘着剤、樹脂改質剤等
の希釈剤の用途に適した(メタ)アクリル酸エステルを
含有する反応性希釈剤及びその製造法に関するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】従来から反応性希釈剤としては、各種の
エポキシアクリレート類が知られている。これらはエポ
キシ化合物と(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応
により得られる反応性の希釈剤で、従来の製造方法では
エポキシ開環反応により、2級水酸基が残存するモノ
(メタ)アクリル酸エステルが製造される。このような
2級水酸基が残存するモノ(メタ)アクリル酸エステル
を含有する反応性希釈剤は、一般的に硬化後の未反応モ
ノマー臭がはなはだしいこと、粘度が高くなること、硬
化速度が低下し、硬化物の架橋密度及び硬度の低下も起
こるということ、モノマー自体の皮膚刺激性が高いこと
等の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような分野におけ
る反応性の希釈剤としては、臭気が少なく、皮膚刺激性
が低く、低粘度で、ウレタン(メタ)アクリレート、ポ
リエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)ア
クリレート等の分子量の大きいプレポリマーあるいはポ
リマーと混合したときの溶解性に優れ、硬化時の硬化速
度が速く、また硬化後には硬化物の架橋密度が高く、各
種の物性が良好な特性を示すものが要求されてきた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の反応性希釈剤の有する問題点を解決すべく、鋭意研究
を重ねた結果、低臭気、低粘度、低皮膚刺激性、高溶解
性を有し、且つ硬化速度に優れ、しかも、硬化後の重合
体の架橋密度が高く、柔軟性、密着性、及び硬度等に優
れた、特性バランスの良好な新規な希釈剤を見出すに至
った。
【0006】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0007】
【化5】 (式中、Rnは炭素原子数2〜20のアルキル基、Rは
水素原子またはメチル基を表す。)で示されるジ(メ
タ)アクリル酸エステルを必須成分として含有すること
を特徴とする活性エネルギー線硬化樹脂用反応性希釈剤
であり、一般式(1)で示されるジ(メタ)アクリル酸
エステルを20重量%以上含有する活性エネルギー線硬
化樹脂用反応性希釈剤。特に、一般式(1)で示される
ジ(メタ)アクリル酸エステルが、Rnとして炭素原子
数5〜15のアルキル基を有するジ(メタ)アクリル酸
エステルである活性エネルギー線硬化樹脂用反応性希釈
剤を提供するものであり、更に下記一般式(2)
【0008】
【化6】 (式中、Rnは炭素原子数2〜20のアルキル基を表
す。)で示されるエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸
を用い、エポキシ化合物の開環反応によって生じる反応
性の水酸基を完全にエステル化することを特徴とする一
般式(1)で示されるジ(メタ)アクリル酸エステルの
製造法。並びに、一般式(2)で示されるエポキシ化合
物と(メタ)アクリル酸を用い、エポキシ開環反応と脱
水エステル化反応をワンポットで行うことを特徴とする
活性エネルギー線硬化樹脂用反応性希釈剤の製造法を提
供するものである。
【0009】一般式(1)で示されるジ(メタ)アクリ
ル酸エステルは、[1] 一般式(2)で示されるエポ
キシ化合物と(メタ)アクリル酸を用いて、先ずエポキ
シ開環反応を行い、次に脱水エステル化反応を行うこ
と、[2] 一般式(2)のエポキシ化合物、(メタ)
アクリル酸及び(メタ)アクリル酸ハライド類を用い
て、先ずエポキシ開環反応を行い、次に生成するβ−ヒ
ドロキシ(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリ
ル酸ハライドによるエステル化反応を行うこと、
【0010】[3] 一般式(2)のエポキシ化合物、
(メタ)アクリル酸及び無水(メタ)アクリル酸を用い
て、先ずエポキシ開環反応を行い、次に生成するβ−ヒ
ドロキシ(メタ)アクリル酸エステルと無水(メタ)ア
クリル酸によるエステル化反応を行うこと、[4] 一
般式(2)のエポキシ化合物と無水(メタ)アクリル酸
を用いて直接開環エステル化反応を行うこと、[5]
下記一般式(3)
【0011】
【化7】 (Rnは炭素原子数2〜20のアルキル基、好ましくは
炭素原子数5〜15のアルキル基を表す。)で示され
る、α、β−アルコール性水酸基含有化合物と(メタ)
アクリル酸を用いて、脱水エステル化反応を行うこと、
[6] 一般式(3)の化合物と(メタ)アクリル酸ハ
ライド類によるエステル化反応を行うこと、[7] 一
般式(3)の化合物へ無水(メタ)アクリル酸を付加反
応させることによる何れの方法によっても得ることがで
きるが、いずれの反応においても、反応性の水酸基を出
来る限りエステル化することが肝要で、残存水酸基が完
全に消滅するまで反応を行なうことが望ましい。しかし
ながら、必ずしも得られる反応生成物中のジ(メタ)ア
クリル酸エステルが100%にならないのは、ジ(メ
タ)アクリル酸エステルの生成と併行して、それらの二
量体等が生成する為である。
【0012】通常、残存水酸基が完全に消滅するまで反
応を行なうことにより、一般式(1)で示されるジ(メ
タ)アクリル酸エステルが少なくとも20%以上、通常
40%から50%含有する反応生成物が得られる。これ
らの反応の中では、一般式(2)で示されるエポキシ化
合物と(メタ)アクリル酸を用いて、エポキシ開環反応
と脱水エステル化反応を組み合わせて行う反応が、経済
的な観点から好ましく、両反応をワンポットで行わせる
反応が操作性も良好で、工程も簡潔となるため特に好ま
しい。
【0013】一般式(2)で示されるエポキシ化合物と
(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応は、公知の触
媒、例えば、2−メチルイメダゾール等のイミダゾール
類、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチル
ベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモ
ニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、ト
リブチルアミン等のアミン類、トリフェニルホスフィ
ン、トリシクロヘキシルホスフィン等のホスフィン類、
ジブチル錫ラウレート等のラウリン酸エステル類、酢酸
カリウム、
【0014】第3リン酸カリウム、アクリル酸ナトリウ
ム、メタクリル酸ナトリウム等の塩基性アルカリ金属塩
類、ナトリウムメチラート、カリウムエチラート等のア
ルカリ金属アルコラート類や陰イオン交換樹脂等の存在
下で行うことができる。これら触媒の添加量は、エポキ
シ化合物と(メタ)アクリル酸の合計量に対して約0.
01〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%の割
合で使用する。エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の
当量比は、エポキシ化合物のエポキシ基1当量に対して
(メタ)アクリル酸を2〜5当量の間、より好ましくは
2〜3当量の間で使用する。
【0015】本反応では、反応中の(メタ)アクリル酸
及び生成する(メタ)アクリル酸エステルの熱重合を防
止するために重合禁止剤を添加する。重合禁止剤として
は例えばハイドロキノン、tertーブチルハイドロキ
ノン、メトキノン、カテコール、t−ブチルカテコール
等のフェノール系化合物、フェノチアジン、p−フェニ
レンジアミン、ジフェニルアミン等のアミン類、ジメチ
ルジチオガルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸
銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅錯体類、銅
粉、銅塩等が単独または組合せて使用される。添加量は
エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の合計量に対して
約0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の
割合で用いる。
【0016】本エポキシ開環反応に引き続いて脱水エス
テル化反応を行う場合には、本開環反応時に使用した重
合禁止剤をそのまま継続して使用することもできる。こ
の様な場合には、予め本反応前に重合禁止剤の種類と両
反応中充分な禁止効果が得られる量を計算しおいて添加
することが望ましい。
【0017】本エポキシ開環反応には、溶媒を使用して
もしなくてもよいが、使用する場合には例えばベンゼ
ン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オ
クタン、シクロオクタン、ノナン、メチルシクロヘキサ
ン、エチルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサ
ン、石油エ−テル、テトラリン、デカリン、ジ−ter
t−ブチルエ−テル、アセトン、メチルエチルケトン等
エポキシ基と反応しない有機溶媒が使用される。これら
の溶媒は単独でも混合したものでも使用可能で、溶媒が
原料であるエポキシ化合物と相溶しなかったり、これら
を溶解し得ないものであっても使用できる。添加量は反
応系全体量に対して、通常0〜100重量%、好ましく
は10〜30重量%の範囲で使用することができる。
【0018】本エポキシ開環反応に引き続いて脱水エス
テル化反応を行う場合には、本開環反応時に使用した溶
媒系をそのまま継続して使用することもできる。この様
な場合には、本開環反応前に両反応が共通した溶媒系で
行えるように溶媒の種類と量を予め決めておいて添加す
ることが望ましい。
【0019】更に本発明では、エポキシ開環反応と脱水
エステル化反応をワンポットで行うことが好ましいの
で、溶媒は水と混合した際に水と相分離し、且つ水と共
沸可能なものでその沸点が60〜140℃の範囲にある
ものを使用するとよい。好ましいものとしては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、
ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、シクロオクタ
ン、ノナン等が挙げられる。
【0020】本エポキシ開環反応では、(メタ)アクリ
ル酸及び生成する(メタ)アクリル酸エステルの重合を
防ぐために、重合防止剤としての酸素を含有する空気又
は酸素と不活性気体の混合物を全反応時間にわたり反応
液及び反応液面上に吹き込み導入を行うと重合防止効果
が更に良好となる。反応釜表面上における反応液と気相
の接触界面での重合を防止するために当該接触界面近傍
の気相中に吹き込みを行うことも望ましい。いずれにせ
よ、系中へのこれらの気体の吹き込みは液中であれ気相
であれ反応中の重合を防止できるため実施することが好
ましい。
【0021】反応温度は適宜選択できるが約50〜20
0℃の範囲が好ましく、70〜150℃が特に好まし
い。また、反応時間は、0.5〜20時間、好ましくは
1〜10時間の範囲に設定される。
【0022】本発明における一般式(2)と(メタ)ア
クリル酸とのエポキシ開環反応の結果生じるβーヒドロ
キシ(メタ)アクリレートの脱水エステル化反応は、公
知の触媒例えば、硫酸、リン酸、塩酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、強
酸性イオン交換樹脂の存在下で、反応によって生ずる水
を系外に留去することによって行われる。
【0023】(メタ)アクリル酸とアルコール性水酸基
との当量比は水酸基の数1.0に対して(メタ)アクリ
ル酸を1.0〜50と広範に変化させることができる。
反応の進行速度を向上させ、副反応物、即ち(メタ)ア
クリル酸の二重結合へのアルコール又は(メタ)アクリ
ル酸の付加物、又はオリゴマーやポリマー等の重合物、
更には着色物質の生成等を減らすため、当該等量を1.
05〜30に設定するのが特に好ましい。
【0024】本反応では、反応中の(メタ)アクリル酸
及び生成する(メタ)アクリル酸エステルの熱重合を防
止するために重合禁止剤を添加する。重合禁止剤として
は例えばハイドロキノン、tertーブチルハイドロキ
ノン、メトキノン、カテコール、t−ブチルカテコール
等のフェノール系化合物、p−フェニレンジアミン、ジ
フェニルアミン等のアミン類、ジメチルジチオガルバミ
ン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチ
オカルバミン酸銅等の銅錯体類、銅粉、銅塩等が単独ま
たは組合せて使用される。添加量は(メタ)アクリル酸
と生成する(メタ)アクリル酸エステルの合計量に対し
て好ましくは約0.01〜5重量%、更に好ましくは
0.1〜2重量%の割合で加える。
【0025】尚、前述のエポキシ開環反応の際に、本脱
水エステル化反応中の重合も防止するに足る充分な量の
重合禁止剤が添加されている場合には、該開環反応に用
いたものをそのまま本反応にも引続き使用することがで
き、本反応を開始するに当たり特に新たに添加する必要
はない。
【0026】本反応は溶媒中あるいは無溶媒の何れの状
態にても行うことができ、エステル化溶媒としてはベン
ゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、シクロオク
タン、ノナン、メチルシクロヘキサン等水と混合した際
に水と相分離し、且つ脱水エステル化反応で生成する水
と共沸可能なもので、その沸点が60〜140℃の範囲
にあるものが使用される。これらの溶媒は単独でも混合
したものでも使用可能である。添加量は反応系全体量に
対して0〜100重量%、好ましくは10〜30重量%
の範囲で使用することができる。
【0027】これら溶媒は前述のように、エポキシ開環
反応で使用したものをそのまま継続して使用しても、該
開環反応の後で新たに反応系に追加してもよいが、操作
性の向上のためには継続して使用することが好ましい。
このためには該開環反応前に予めその種類と添加量を設
定しておくことが好ましい。該開環反応において溶媒を
使用しなかった場合には、脱水エステル化反応を開始す
る前に新たに添加してもよい。
【0028】反応温度は通常70〜160℃、好ましく
は80〜140℃の範囲から選ばれ、また反応時間は通
常の0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間程度に
設定される。
【0029】本脱水エステル化反応では、(メタ)アク
リル酸及び生成する(メタ)アクリル酸エステルの重合
を防ぐために空気又は酸素と不活性気体の混合物を全反
応時間にわたり反応液及び反応液面上に吹き込み導入を
行うと重合防止効果が更に良好となる。エステル化反応
によって生成する水が速やかに除かれることを期待する
場合は、反応液中になるべく微細な気泡となるように吹
き込む方が望ましい。また、反応釜表面上における反応
液と気相の接触界面での重合を防止するために当該接触
界面近傍の気相中に吹き込みを行うことも望ましい。い
ずれにせよ、系中への吹き込みは液中であれ気相であれ
反応中の重合を防止でき、反応を促進させる方向に働く
ため実施することが好ましい。
【0030】反応は大気圧下、または生成する水を容易
に反応系外へ除去するために減圧下で行ってもよい。本
発明における重合禁止剤及びエステル化触媒の除去は、
酸またはアルカリによる中和洗浄、吸着、再沈澱、晶
析、濾過等の各種の精製方により可能である。得られた
反応液は必要に応じて有機溶剤で希釈することができ
る。希釈溶剤としては、エポキシ開環反応又は脱水エス
テル化反応で使用したものと同様のものが特に好まし
い。
【0031】中和洗浄に使用可能なアルカリ類としては
水溶性のアルカリ類であれば特に限定されるものではな
いが、例えばアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の
炭酸塩、アルカリ金属の燐酸塩等が好ましく用いられ、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸三カリウムが特
に好ましい。アルカリ洗浄後は水による洗浄を行い、生
成物のpHを中性に整えることが好ましい。
【0032】吸着処理に使用可能な吸着剤としてはエス
テル化触媒と重合禁止剤を効率よく吸着できる物質なら
ば何れを使用しても差し支えないが、例えば活性白土、
酸性白土等の白土類、ゼオライト類、ハイドロタルサイ
ト類、シリカゲル、シリカアルミナゲル、シリカマグネ
シアゲル等ノシリカゲル類、アルミナ及びその変性物、
活性炭類、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のアル
カリ土類金属の酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシ
ウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化
物、燐酸マグネシウム、燐酸カルシウム等のアルカリ土
類金属の燐酸塩、酸化亜鉛等の第3族金属の酸化物、イ
オン交換樹脂、吸着樹脂等が使用可能である。これらは
単独または複数を組み合わせて使用することができる。
使用方法もバッチ方式、カラム方式の何れでも良い。
【0033】濾過処理の方法も特に限定されるものでは
なく、一般に使用される重力濾過、加圧濾過、真空濾
過、遠心濾過等の何れでも使用でき、直接濾過あるいは
濾過助剤を使用した濾過のどちらでも用いることができ
る。
【0034】本発明における(メタ)アクリル酸エステ
ル類の製造法においては、重合防止剤とエステル化触媒
の除去を終えた後で、必要に応じて抽出や蒸留等の方法
によって溶液中に残留した(メタ)アクリル酸の回収
や、吸着、再沈澱、濾過等の方法で着色成分や反応副生
成物等の除去を合わせて行うこともできる。
【0035】このようにして得られた精製(メタ)アク
リル酸エステル類は重合し易い性質を有するために、直
ちに何等かの重合工程出使用するか、あるいは保存する
場合はハイドロキノン、メトキノンが主に使用される
が、変性着色が無い点においてメトキノンが好ましく用
いられている。その添加量は通常5〜5000ppm、
好ましくは50〜2500ppmである。
【0036】反応性の水酸基が消失するまでエステル化
反応を行ない、かくして得られる反応生成物は、一般式
(1)で示されるジ(メタ)アクリル酸エステルを少な
くとも20%以上、通常40%以上を含有するものであ
る。
【0037】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明の内容は実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0038】(合成例1)機械攪拌装置、酸素含有窒素
ガス導入管、冷却管、温度計を備えた500mlナス型
フラスコに下記構造式(4)
【0039】
【化8】 で示される長鎖アルキルエステル基を持つエポキシド化
合物196g(0.81mol)、アクリル酸 51.
9g(0.72mol)、ハイドロキノン0.7g、ア
クリル酸ナトリウム0.5gを入れ、オイルバスで攪拌
しながら反応を行った。反応終点は酸価測定により決定
した。反応終了後、アクリル酸ナトリウムは濾過するこ
とにより除去できた。アクリル酸に対する反応率は9
9.5%であった。本合成例で得られた化合物はモノ
(メタ)アクリル酸エステルである。
【0040】(合成例2)機械攪拌装置、酸素含有窒素
ガス導入管、冷却管、温度計を備えた500mlナス型
フラスコに合成例1から合成したモノ(メタ)アクリレ
ート220.0g(0.70mol)、アクリル酸5
3.0g(0.74mol)、ハイドロキノン2.7
g、P−トルエンスルホン酸5.5g、トルエン63m
lを入れ、オイルバスで攪拌しながら反応を行った。反
応終点は酸価測定により決定した。酸価からの反応率は
99.6%であった。反応生成物のIRから、反応生成
物中に遊離の水酸基は存在していないことを確認した。
【0041】(合成例3)機械攪拌装置、酸素含有窒素
ガス導入管、冷却管、温度計を備えた1000mlナス
型フラスコに長鎖アルキルエステル基を持つエポキシド
化合物(4)242g(1.0mol)、アクリル酸2
16.0g(3.0mol)、ハイドロキノン2.16
g、アクリル酸ナトリウム0.108gを入れ、オイル
バスで攪拌しながら反応を行った。その30分後、パラ
トルエンスルフォン酸7.78g、トルエンとシクロヘ
キサンの混合溶媒77.8gを加え、さらに攪拌しなが
ら反応を行った。反応終点は酸価及びガスクロ測定によ
り決定した。また反応生成物のIRから、反応生成物中
に遊離の水酸基は存在していないことを確認した。
【0042】実施例1〜6 合成例3にて合成したジ(メタ)アクリル酸エステルを
用いて、粘度、硬化速度、硬度及び密着性を測定してそ
の結果を第1〜4表に示す。
【0043】
【0044】注1)オリゴマー;ウレタンアクリレート 注2)A;合成例3の化合物 注3)B;ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチル
グリコールのカプロラクトン変性ジアクリレート 注4)コーンプレート型粘度計、温度25℃、回転数1
0rpm 注5)コーンプレート型粘度計、温度25℃、回転数
2.5rpm
【0045】
【0046】注1)A;合成例3の化合物 注2)B;1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン 注3)C;合成例1の化合物 注4)Photo DSC 測定器を用いてキセノンランプにより
光照射してから反応が起きるまでの時間 注5)反応が起きてから発熱量が最大に達するまでの時
間 注6)注5の発熱が最大になった時の発熱量 注7)発熱量が最大に達する時間あたりの反応速度定数
【0047】
【0048】注1)A;合成例3の化合物 注2)B;1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン 注3)C;合成例1の化合物 注4)試料;ガラス板上に約 200μmの厚さに塗布 ランプ;高圧水銀灯(高さ 150mm)、出力;160W/cm2 コンベアスピード;20m/min、照射回数;4回 注5)ペンジュラムハードネス測定器
【0049】
【0050】
【0051】注1)オリゴマー;ウレタナクリレート。
注2)A;合成例3の化合物 注3)B;1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン 注4)セロテープ剥離試験。 試料;種々の樹脂板上に
約 200μmの厚さに塗布し、50℃で5分間加熱後UV照
射を行った。 ランプ;高圧水銀灯(高さ 150mm)、出力;160W/cm2 コンベアスピード;20m/min、照射回数;4回 注5)下地としてはアクリロニトリルブタジエンスチレ
ン樹脂 注6)下地としてはポリ塩化ビニル樹脂 注7)下地としてはポリカーボネート樹脂
【0052】
【発明の効果】本発明は、エポキシ化合物と(メタ)ア
クリル酸を反応させ、得られるジ(メタ)アクリル酸エ
ステルを必須の構成成分とする、塗料、コーティング
剤、インキ、接着剤、粘着剤、樹脂ゴム等の優れた活性
エネルギー線硬化樹脂用反応性希釈剤およびその製造方
法を提供するものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rnは炭素原子数2〜20のアルキル基、Rは
    水素原子またはメチル基を表す。)で示されるジ(メ
    タ)アクリル酸エステルを必須成分として含有すること
    を特徴とする活性エネルギー線硬化樹脂用反応性希釈
    剤。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で示されるジ(メタ)アク
    リル酸エステルを20重量%以上含有する請求項1記載
    の活性エネルギー線硬化樹脂用反応性希釈剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で示されるジ(メタ)アク
    リル酸エステルが、Rnとして炭素原子数5〜15のア
    ルキル基を有するジ(メタ)アクリル酸エステルである
    請求項1記載の活性エネルギー線硬化樹脂用反応性希釈
    剤。
  4. 【請求項4】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、Rnは炭素原子数2〜20のアルキル基を表
    す。)で示されるエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸
    を用い、エポキシ化合物の開環反応によって生じる水酸
    基を完全にエステル化することを特徴とする一般式
    (1)で示されるジ(メタ)アクリル酸エステルの製造
    法。
  5. 【請求項5】 下記一般式(2) 【化3】 (式中、Rnは炭素原子数2〜20のアルキル基を表
    す。)で示されるエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸
    を用い、エポキシ化合物の開環反応によって生じる水酸
    基を完全にエステル化させて得られる、一般式(1)で
    示されるジ(メタ)アクリル酸エステルを20%以上含
    有することを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー
    線硬化樹脂用反応性希釈剤。
  6. 【請求項6】 下記一般式(2) 【化4】 (式中、Rnは炭素原子数2〜20のアルキル基を表
    す。)で示されるエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸
    を用い、エポキシ開環反応と脱水エステル化反応をワン
    ポットで行うことを特徴とする活性エネルギー線硬化樹
    脂用反応性希釈剤の製造法。
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